特許第6285521号(P6285521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6285521マルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービスのアシストによるコンテンツ配布
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285521
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】マルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービスのアシストによるコンテンツ配布
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/14 20090101AFI20180215BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20180215BHJP
【FI】
   H04W28/14
   H04W4/06 150
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-197217(P2016-197217)
(22)【出願日】2016年10月5日
(62)【分割の表示】特願2014-560927(P2014-560927)の分割
【原出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-5761(P2017-5761A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2016年10月5日
(31)【優先権主張番号】61/612,188
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/626,661
(32)【優先日】2012年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】オイマン,オズグル
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 Intel Corporation (UK) Ltd.,EMM-DDE Use Case: Continuity between MBMS Download and HTTP-based Delivery of DASH-Formatted Content[online],3GPP TSG-SA WG4#67 S4-120209,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG4_CODEC/TSGS4_67/Docs/S4-120209.zip>,2012年 1月30日
【文献】 Fraunhofer IIS,Evaluation of DASH-based streaming with HTTP-caching[online],3GPP TSG-SA WG4#67 S4-120178,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG4_CODEC/TSGS4_67/Docs/S4-120178.zip>,2012年 1月30日
【文献】 Telefon AB LM Ericsson, ST-Ericsson SA,On counting clarifications [online],3GPP TSG-SA WG4 Meeting #65 S4-110740 ,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/TSG_SA/TSGS_53/Docs/SP-110740.zip>,2011年 8月15日
【文献】 Qualcomm Incorporated,MPD Profiling to Support DASH over MBMS[online],3GPP TSG-SA WG4#67 S4-120061,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG4_CODEC/TSGS4_67/Docs/S4-120061.zip>,2012年 1月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)において:
マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS)アクセスクライアントであって、ブロードキャストMBMS伝送を介してDASH(dynamic adaptive streaming over Hypertext transfer protocol)メディアセグメントを受け取るMBMSアクセスクライアントと;
ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)要求を前記MBMSアクセスクライアントに送信して前記DASHメディアセグメントを要求し、
前記HTTP要求に応答して、ユニキャストHTTPメッセージを介して前記MBMSアクセスクライアントから前記DASHメディアセグメントを受け取る、
DASHクライアントと;
を具備する、UE。
【請求項2】
前記MBMSアクセスクライアントに結合され、前記受け取ったDASHメディアセグメントを格納するキャッシュを更に備え、前記DASHクライアントは、該キャッシュを介して前記DASHメディアセグメントを受け取る、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記MBMSアクセスクライアントは、前記DASHメディアセグメントに関連付けられる第1のメディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを受け取り、当該UEは更に、第2のMPDメタデータを生成して該第2のMPDメタデータを前記DASHクライアントに提供するHTTPサーバ回路を備え、前記第2のMPDメタデータは、前記MBMSアクセスクライアントへのMBMS伝送に利用可能なDASHメディアセグメントのサブセット又はスーパーセットに関連付けられ、該サブセット又はスーパーセットは、前記DASHクライアントへのHTTP伝送に利用可能なDASHメディアセグメントに対応する、
請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記MBMS伝送は、ブロードキャスト・マルチキャスト・サービスセンタ(BMSC)から受け取られる、
請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記MBMSアクセスクライアントは更に、配信検証情報及び受信統計値とともにレポートを前記BMSCに送信する、
請求項4に記載のUE。
【請求項6】
前記MBMSアクセスクライアントは、前記MBMS伝送に関連付けられるAL−FEC(application layer forward error correction)コードをデコードする、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のUE。
【請求項7】
前記MBMSアクセスクライアントは更に、1つ以上のリカバリプロシージャを実行して前記DASHメディアセグメントの誤って受け取った部分を取り出す、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のUE。
【請求項8】
前記MBMSアクセスクライアントは、FLUTE(file delivery over unidirectional transport)プロトコル又はIP(internet protocol)マルチキャストプロトコルによるファイル配信を介して前記MBMS伝送を受け取る、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のUE。
【請求項9】
ユーザ装置(UE)によって用いられる装置であって:
ブロードキャスト・マルチキャスト・サービスセンタ(BMSC)からマルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービス(MBMS)ブロードキャスト伝送を介してDASH(dynamic adaptive streaming over Hypertext transfer protocol)メディアセグメントを受け取るための手段と;
前記UEにおいてホストされるDASHクライアントから、前記DASHメディアセグメントを要求するハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)要求を受け取るための手段と;
前記HTTP要求に応答して、ユニキャストHTTPシグナリングを介して前記DASHメディアセグメントを前記DASHクライアントに送信するための手段と;
を具備する、装置。
【請求項10】
前記BMSCを有するMBMSをアクティブにするための手段と;
ユーザサービス発見(USD)シグナリングを介して前記BMSCからメディアプレゼンテーション記述(MPD)情報を受け取るための手段であって、前記MPD情報は前記DASHメディアセグメントに関連付けられる、手段と;
を更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記MPD情報は、MBMS伝送に利用可能なDASHメディアセグメントに関連付けられる情報を含む第1のMPD情報であり、当該装置は更に、MBMS伝送に利用可能な前記DASHメディアセグメントのサブセット又はスーパーセットに関連付けられる第2のMPD情報を前記DASHクライアントに送信するための手段を更に備え、前記サブセット又はスーパーセットは、前記DASHクライアントへのHTTP伝送に利用可能なDASHメディアセグメントに対応する、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記DASHクライアントへの後の配信のために前記DASHメディアセグメント及び前記第2のMPD情報を格納するための手段を更に備える、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記DASHメディアセグメントを前記DASHクライアントへ送信する前に、前記受け取ったDASHメディアセグメントをキャッシュするための手段を更に備える、
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、実行されると、ユーザ装置(UE)に:
DASH(dynamic adaptive streaming over Hypertext transfer protocol)メディアコンテンツを含むマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS)ブロードキャスト伝送を受け取らせ;
前記UEのDASHクライアントから、前記DASHメディアコンテンツを要求するハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)要求を受け取らせ;
前記HTTP要求に応答して、ユニキャストHTTPメッセージを介して前記DASHメディアコンテンツを前記DASHクライアントに送信させる;
命令を有する、コンピュータプログラム。
【請求項15】
前記命令は実行されると、前記UEに更に:
前記DASHメディアコンテンツを前記DASHクライアントへ送信する前に、前記DASHメディアコンテンツを格納させる、
請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記HTTP要求は、前記DASHメディアコンテンツに対応する識別子を含む、
請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記命令は実行されると、無線通信デバイスに更に:
MBMSブロードキャスト伝送に利用可能なメディアの第1のセットを示す第1のメディアプレゼンテーション記述(MPD)を受け取らせ;
第2のMPDを前記DASHクライアントに送信させ;
前記第2のMPDは、前記DASHクライアントへのHTTP配信に利用可能なメディアの第2のセットを示し、該メディアの第2のセットは、メディアセグメントの前記第1のセットのサブセット又はスーパーセットであり、該メディアの第2のセットは、前記DASHメディアコンテンツを含む、
請求項14乃至16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項14乃至17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを格納する1つ以上の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第13/626661号(2012年9月25日出願、発明の名称「MULTICAST BROADCAST MULTIMEDIA SERVICE-ASSISTED CONTENT DISTRIBUTION」)及び米国特許仮出願第61/612,188号(2012年3月16日出願、発明の名称「WIRELESS COMMUNICATION SYSTEMS AND METHODS」)の優先権を主張する。この両出願は、参照によってその全体が全ての目的のために組み込まれている。
【0002】
本発明の実施形態は、一般に、通信の分野に関し、より具体的には、マルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービスのアシストによるコンテンツ配布に関する。
【背景技術】
【0003】
一部の無線通信ネットワークでは、DASH(dynamic adaptive streaming over Hypertext transfer protocol)ストリーミングフォーマットを使用して、ビデオ、オーディオ、マルチメディア及び/又は他のコンテンツのようなメディアコンテンツを、無線通信ネットワーク上のユーザ装置(UE:user equipment)へ配信する。DASHは、3GPP(Third Generation Partnership Project)のTS26.247 V.10.2.0並びにMPEGのISO/IEC DIS 23009−1として標準化されている。メディアコンテンツは典型的に、UEによって、UEとメディアコンテンツを格納するリモートHTTPメディアサーバとの間のユニキャストHTTPシグナリングを介してアクセスされる。UEは、リモートHTTPメディアサーバにルーティングされるHTTP要求を送信し、リモートHTTPメディアサーバは、要求されたメディアコンテンツをUEへ、応答としてHTTPで送信する。これは、ネットワークにおいて高いシグナリングオーバヘッドを生じ、メディアコンテンツの配信に遅延を与えることがある。
【0004】
DASHでは、メディアプレゼンテーション記述(MPD:media presentation description)メタデータファイルが、構造に関する情報並びにサーバ内に格納されるメディアコンテンツの表現の異なるバージョン(異なるビットレート、フレームレート、解像度、コーデックタイプ等)に関する情報を提供する。加えて、DASHは、セグメントフォーマットも指定する。例えばDASHは、メディアプレイヤについて開始及びメディアセグメントに関する情報を含み(メディアプレイヤは、開始セグメントを見て、コンテナフォーマット及びメディアタイミング情報を理解する)、切り替え及び他のプレゼンテーションとの同期提示のために、メディアプレゼンテーションのタイムラインへのセグメントのマッピングを確実にする。セグメントの関係及びセグメントがメディアプレゼンテーションをどのように形成するかを記述する、このMPDメタデータ情報に基づいて、クライアントは、HTTP GET又はpartial GETメソッドを使用してセグメントを要求し得る。
【0005】
3GPPS TS26.346で指定されるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS:Multimedia Broadcast Multicast Service)は、3GPPによって公布された携帯用の規格の1つに従って動作するセルラネットワークで用いられるポイントツーマルチポイントシステムである。これは、ブロードキャスト及びマルチキャスト技術に基づいて、多くの受信者への一般的なコンテンツの効率的な配信のために設計されており、最初に3GPP UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)仕様のリリース6でオプションの機能として紹介された。MBMSは、MBSFN(multicast broadcast single frequency network)機能のような幾つかの拡張性に基づく後の3GPPリリースにおいて更に最適化された。サービスレイヤにおいて、MBMSはまた、マルチメディアコンテンツのストリーミングと、ファイルの信頼性あるダウンロードとの双方のために、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)に基づくトランスポートレイヤプロトコルに基づいて、ストリーミング用のリアルタイム伝送プロトコル(RTP)とファイル配信用のFLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)を使用して配信プロトコルを定義する。MBMSは、3GGPリリース8及びそれ以降に対応する3GGPベースのLTE(Long Term Evolution)規格展開における、拡張MBMS(eMBMS:enhanced MBMS)モードとして適合されている。
【0006】
DASHフォーマットのコンテンツは、MBMSダウンロード配信メソッド及び/又はHTTPベースの配信メソッドの双方を使用してUEへ配信される可能性がある。MBMSベースのDASH配信オプションは、一部のサービスエリアにおいて利用可能でないことがあり、このような場合、これらのサービスは代替的にユニキャストにより提供される可能性がある。MBMSによるDASHフォーマットのコンテンツ配信の場合、FLUTE伝送プロトコルが使用されることがある。RFC3926で定義されるようなFLUTEは、MBMSによりDASHセグメントを配信するのを許容し、その結果、クライアントは、HTTP/TCPで配信されているこれらのセグメントを観測する。HTTP−URLは、FLUTEで配信された各オブジェクトに割り振られ、HTTP−URLは、MPD内のセグメントURLをマップする。UEは、受信したDASH表現を、MPD内に包含されるHTTP URLとFLUTEパケット内に含まれるURL情報との比較に基づいて識別する可能性がある。
【0007】
諸実施形態は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明により容易に理解されるであろう。この説明を容易にするために、同様の参照符号は、同様の構造的要素を示す。諸実施形態は、限定ではなく例として、添付の図面の図に例示される。
【発明の概要】
【0008】
本開示の例示的な実施形態は、これらに限られないが、マルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービスアシスト型のコンテンツ配信のための方法、システム及び装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】様々な実施形態に係る無線通信ネットワークを概略的に示す図である。
図2】様々な実施形態に係るユーザ装置のブロック図である。
図3】様々な実施形態に係るプロキシ端末のブロック図である。
図4】様々な実施形態に従って、プロキシ端末により実行され得る、UEへのメディアデータの配信を容易にする方法を示すフローチャートである。
図5】様々な実施形態に係る例示のコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態の様々な態様が、他の当業者にその作業の内容を伝えるために、当業者によって一般的に使用される用語を使用して説明される。しかしながら、これらの当業者には、代替的な実施形態が、説明される態様の一部だけで実施されてもよいことは明らかであろう。説明の目的で、具体的な数、材料及び構成が、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、当業者には、代替的な実施形態は、具体的な詳細を用いずに実施されてもよいことが明らかであろう。他の例において、周知の特徴は、例示的な実施形態を曖昧にしないために、省略されるか簡略化される。
【0011】
さらに、様々な動作が、複数の別個の動作として、例示的な実施形態の理解を助けるのに最も良い手法で順番に説明されることがあるが、説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを暗示するように解釈されるべきではない。具体的には、これらの動作は、提示順に実行される必要はない。
【0012】
「一部の実施形態において」というフレーズが繰り返し使用される。このフレーズは、一般に同じ実施形態を指す訳ではないが、同じ実施形態を指してもよい。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」という用語は、文脈がそうでないことを示さない限り同義である。「A及び/又はB」というフレーズは、(A)、(B)あるいは(A及びB)を意味する。「A/B」というフレーズも、「A及び/又はB」というフレーズと同様に、(A)、(B)あるいは(A及びB)を意味する。「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」という用語は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)あるいは(A、B及びC)を意味する。「(A)B」というフレーズは、(B)あるいは(A及びB)であること、すなわちAがオプションであることを意味する。
【0013】
本明細書において、具体的な実施形態が図示されて説明されるが、当業者には、本開示の実施形態の範囲から逸脱することなく、多種多様な代替的及び/又は等価な実装が、図示及び説明された具体的な実施形態の代わりとなり得ることが認識されよう。本出願は、本明細書において議論される実施形態のいずれの適応又は変形も網羅するように意図されている。したがって、本開示の実施形態は、請求項及びその均等物によってのみ限定されることが明白に意図されている。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電気回路、(共有、専用又はグループの)プロセッサ及び/又は(共有、専用又はグループの)メモリの一部を指すか、これらを含むことがあり、これらは、1つ又は複数のソフトウェアプログラム又はファームウェアプログラム、結合論理回路及び/又は説明される機能性を提供する他の適切なコンポーネントを実行する。
【0015】
図1は、様々な実施形態に係る無線通信ネットワーク100を概略的に図示する。無線通信ネットワーク100(以下、「ネットワーク100」とする)は、UMTS(universal mobile telecommunication system)、E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)のような、3GPPのLTEネットワークのアクセスネットワークとすることができる。ネットワーク100は、ユーザ装置(UE)108と無線又は有線接続を介して通信するように構成されたプロキシ端末104を含み得る。ネットワーク100は更に、MBMSサービスを様々なMBMSクライアントに配信するブロードキャスト・マルチキャスト・サービスセンタ(BMSC)112と、メディアコンテンツを格納し、配布するメディアサーバ116とを含み得る。
【0016】
一部の実施形態において、プロキシ端末104は、例えばUE108とネットワーク100を介して無線で通信するように構成された拡張型ノードB(evolved Node B(eNB))等の基地局であってよい。他の実施形態において、プロキシ端末104は別のUEであってもよい。プロキシ端末104が別のUEである実施形態において、この別のUEは、BMSC112と、及び/又はeNBを介してネットワーク100の他のコンポーネントと通信してもよい。この別のUEは、「ホットスポット」として動作して、UE108がネットワーク100にアクセスするのを可能にする。更に他の実施形態では、プロキシ端末104は、UE108に含まれる、すなわちプロキシ端末104の機能とUE108の機能とが単一の端末内でホストされ得る。
【0017】
図2に示されるように、UE108は、少なくとも示されるように相互に結合されるメディアクライアント220及びハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)アクセスクライアント224を含み得る。HTTPアクセスクライアント224は更に、ネットワーク100を介して無線で通信するために、UE108の複数のアンテナ228のうちの1つ又は複数と結合され得る。UE108は、任意の適切な数のアンテナ228を含むことができる。あるいは、アンテナ228の1つ又は複数を、送信又は受信アンテナとして使用してもよい。あるいはまた、アンテナ228の1つ又は複数が、専用の受信アンテナ又は専用の送信アンテナであってもよい。
【0018】
図3に示されるように、プロキシ端末104は、少なくとも示されるように相互に結合されるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS)アクセスクライアント332、HTTPサーバモジュール336及びメモリ340を含み得る。MBMSアクセスクライアント332及び/又はHTTPサーバモジュール336は更に、プロキシ端末104の1つ又は複数のアンテナ344と結合され得る。様々な実施形態において、プロキシ端末104は少なくとも、UE108に送信される及び/又はBMSC112から受信される同時伝送ストリームの数と同じ数のアンテナ344を含むことができるが、本開示の範囲は、この観点に限定されない。あるいは、アンテナ344の1つ又は複数を、送信又は受信アンテナとして使用してもよい。あるいはまた、アンテナ344の1つ又は複数が、専用の受信アンテナ又は専用の送信アンテナであってもよい。
【0019】
様々な実施形態において、プロキシ端末104のMBMSアクセスクライアント332は、メディアデータとメタデータとを含むMBMS伝送を受け取ることがある。プロキシ端末104は、UE108への後の伝送のために、メディアデータ及び/又はメタデータをキャッシュする(例えばメディアデータ及び/又はメタデータをメモリ340に格納する)ことができる。MBMSアクセスクライアント332は、MBMS伝送を、BMSC112から無線で受け取ることができる。例えばMBMSアクセスクライアント332は、MBMS伝送を、一方向伝送(FLUTE)プロトコルによるファイル配信及び/又はインターネットプロトコル(IP)マルチキャストプロトコルを介して受け取ることができる。様々な実施形態において、MBMSアクセスクライアント332は、メディアデータ及びメタデータをBMSC112からユーザサービス発見(USD:user service discovery)シグナリングを介して受け取ることがある。一部の実施形態において、MBMS伝送は、DASHフォーマットのメディアコンテンツ及び関連するMPDメタデータを含んでもよい。BMSC112は、MBMS伝送を、プロキシ端末104を含む複数のプロキシ端末に伝送してよい。DASHフォーマットのメディアコンテンツの場合、UE108のHTTPアクセスクライアント224は、DASHクライアントとも呼ばれることがある。
【0020】
BMSC112は、メディアデータ及び/又はメタデータをメディアサーバ116から受け取ることがある。一部の実施形態において、BMSC112は、メディアデータ及びメタデータをメディアサーバ116からHTTPシグナリングにより取り出してもよい。BMSC112とメディアサーバ116との間の通信リンクは、無線及び/又は有線であり得る。
【0021】
様々な実施形態において、プロキシ端末104のHTTPサーバモジュール336は、メディアデータ及びメタデータの少なくとも一部を、HTTP伝送によりUE108へ伝送することができる。一部の実施形態において、UE108内のHTTPアクセスクライアント224は、HTTP GET又はHTTP partial GET要求を発行することによって、メディアデータ及びメタデータの少なくとも一部をプロキシ端末104のHTTPサーバモジュール336から受け取ることができる。したがって、MBMS伝送を使用して、メディアデータ及び/又はメタデータを複数のプロキシ端末に効果的に配布することができる。プロキシ端末はその後、メディアデータ及び/又はメタデータを、関連するUEへHTTPで配布することができる。
【0022】
一部の実施形態において、メディアデータ及びメタデータはDASHフォーマットとしてよい。例えばメディアデータは、ビデオ、オーディオ及び/又はマルチメディアプレゼンテーションのようなメディアプレゼンテーションに関連付けられる複数のメディアセグメントを含むことがある。メディアセグメントは、メディアプレゼンテーションの異なる期間(period)に関連付けられるか、及び/又はメディアプレゼンテーションの同じ期間の異なるバージョンに関連付けられてよい。そのバージョンには、ビットレート、フレームレート、解像度、コーデックタイプ及び/又は他のプロパティのような様々なプロパティが含まれ得る。
【0023】
DASHフォーマットのコンテンツ用のメタデータは、メディアデータに関連付けられるメディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを含むことがある。MPDメタデータには、メディアデータ内に含まれるメディアセグメントのコンテンツ及び/又はプロパティに関連する情報、並びに/あるいはメディアデータを含むMBMS伝送に関連付けられたパラメータが含まれることがある。
【0024】
様々な実施形態において、UE108のメディアクライアント220は、MPDメタデータに基づいて、(例えばHTTPアクセスクライアント224を介して)HTTP要求を使用して、BMSC112又はメディアサーバ116に1つ又は複数のメディアセグメントを要求してもよい。メディアクライアント220は、連続する期間のメディアセグメントを要求して、メディアプレゼンテーションをUE108のユーザに提示してもよい。メディアクライアント220は、どのメディアセグメントのバージョンを要求すべきかを、利用可能な帯域幅、ネットワーク条件、ユーザプリファレンス、デバイス能力(例えばディスプレイの解像度、処理能力、メモリリソース等)及び/又はデバイス条件(例えば他の処理/メモリオーバヘッド)のような1つ又は複数の条件に基づいて動的に変更してもよい。
【0025】
様々な実施形態において、プロキシ端末104のHTTPサーバモジュール336は、UE108のHTTPアクセスクライアント224からのHTTP要求を受け取ることがある。HTTPサーバモジュール336は、要求に応答して、要求されたメディアセグメントをUE108へHTTPにより伝送することができる。
【0026】
従来のシステムにおいて、UE108によるHTTP要求は、1つ又は複数の中間デバイス(例えばeNB、HTTPキャッシュ等)を通じてリモートHTTPサーバに転送される。これに対して、本明細書で検討されるプロキシ端末104は、UE108によるHTTP要求に直接応答する。HTTP要求は、メディアサーバ116へ転送されなくてよい。したがって、プロキシ端末104は、UE108がメディアプレゼンテーションにアクセスするためのネットワーク100上でのシグナリングの低減及び/又は遅延(例えばスタートアップ遅延)の低減を提供することができる。加えて、本明細書で説明されるMBMSアシスト型プロセスは、UE108に対して透過的である。
【0027】
メディアデータ及びメタデータは、本明細書においてDASHフォーマットのメディアデータ及びメタデータとの関連で説明されるが、本開示はこの観点に限定されない。他の実施形態では、プロキシ端末104を使用して、任意の適切なタイプのメディアデータ及び/又はメタデータをUE108に配布してもよい。
【0028】
一部の実施形態において、プロキシ端末104は、BMSCから利用可能な所与のメディアプレゼンテーションのために、メディアデータの一部(例えば選択されたメディアセグメント)のみを受信及び/又はキャッシュしてもよい。プロキシ端末104は、BMSC112から利用可能なメディアデータに関連付けられる第1のMPDメタデータを、BMSC112から受け取ることがある。プロキシ端末104は、UE108へのHTTP伝送に利用可能なメタデータのサブセット又はスーパーセットに関連付けられる第2のMPDメタデータを生成するか、及び/又はUE108へ伝送することができる。プロキシ端末104は、例えばスケジューリング制限、メモリ制限、ネットワーク条件に起因して、及び/又は他のメディアプレゼンテーション用にメモリ/帯域幅を割り当てるために、メタデータの一部のみを受信及び/又はキャッシュしてもよい。
【0029】
一部の実施形態において、プロキシ端末104は、メディアプレゼンテーションの所与の部分について、プレゼンテーションのサブセット(例えば品質レベル)に対応する利用可能なメディアセグメントのサブセットをキャッシュすることができる。
【0030】
一部の実施形態において、プロキシ端末104は、メディアプレゼンテーションの開始部分に対応する利用可能なメディアセグメントのサブセットをキャッシュすることができる。これは、メディアプレゼンテーションの再生がユーザによって要求されるときに、メディアプレゼンテーションの素早いスタートアップを容易にすることが可能である。再生が要求された後、追加のメディアセグメントを要求してもよい。
【0031】
メディアプレゼンテーション及び/又はプロキシ端末104によってキャッシュされるメディアセグメントを、メディアプレゼンテーション及び/又はメディアセグメントについて決定又は予測される普及度のような、任意の適切な基準に基づいて選択することができる。一部の実施形態において、メディアプレゼンテーションは、該メディアプレゼンテーションを識別する(例えばそのメディアプレゼンテーションが利用可能になった時に及び/又は後で、ユーザがそのメディアプレゼンテーションを再生したいことを示す)ユーザ指示に基づいて選択され得る。これは、プロキシ端末104がUE108内に含まれる実施形態において特に有益であるが、この観点には限定されない。一部の実施形態において、UE108は、UE108の1つ又は複数の能力及び/又は品質/ユーザの経験的プリファレンスを示して、メディアプレゼンテーションの1つ又は複数の適切な表現の選択を容易にすることができる。例えばユーザは、高いビットレートのプレゼンテーションに比べて再生遅延の少ない、低ビットレートのプレゼンテーションを好むことがある。
【0032】
様々な実施形態において、プロキシ端末104のMBMSアクセスクライアント332は、MBMS伝送を受信及び/又はキャッシュする1つ又は複数のMBMS能力を含むことがある。例えばMBMSアクセスクライアント332は、BMSC112を有するMBMSサービスをアクティブ化して、MPDメタデータをUSDシグナリングにより受信してもよい。一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアント332は、Raptorコードのような、MBMS伝送に関連付けられるAL−FEC(application layer forward error correction)コードアプリケーションをデコードしてもよい。あるいはまた、MBMSアクセスクライアント332は、1つ又は複数のリカバリプロシージャを実行して、メディアデータ及び/又はメタデータの誤って受信した部分を取り出してもよい。一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアント332は、配信検証情報及び受信統計値を含めたレポートをBMSC112に送信してもよい。
【0033】
上記で検討したように、一部の実施形態において、プロキシ端末104は、eNB又はネットワーク100の別のUEに含まれることがある。UE108は、eNB又は他のUEとの通信リンクを有し、メディアデータ及びメタデータに加えて、他のデータをネットワーク100上で送信及び/又は受信してもよい。他の実施形態において、プロキシ端末104は、UE108に含まれることがある。すなわち、プロキシ端末104の機能と、UE108の機能とが単一の端末内でホストされてもよい。これらの実施形態において、HTTPサーバモジュール336は、UE108のHTTPアクセスクライアント224との有線又は無線接続を有することができる。
【0034】
図4は、様々な実施形態に従って、UEのHTTPアクセスクライアント(例えばUE108のHTTPアクセスクライアント224)へのメディアデータの配布を容易にする方法400を図示している。方法400は、プロキシ端末(例えばプロキシ端末104)によって実行され得る。プロキシ端末は、例えばeNB又は別のUEに含まれ得る。あるいは、プロキシ端末は、HTTアクセスクライアントを含むUE端末と同じUE端末に含まれてもよい。一部の実施形態において、プロキシ端末は、実行されると、該プロキシ端末に方法400を実行させる命令を有する1つ又は複数のコンピュータ読取可能媒体を含むか、及び/又はこれらのコンピュータ読取可能媒体へのアクセスを有することができる。
【0035】
404において、プロキシ端末は、BMSC(例えばBMSC112)を有するMBMSサービスをアクティブ化することができる。プロキシ端末は、MBMSサービスを積極的に、例えばUEからの命令に対する応答としてではなく、アクティブ化してよい。
【0036】
408において、プロキシ端末は、メタデータ(例えばMPDメタデータ)をBMSCからUSDシグナリングを介して受け取ることができる。メタデータは、BMSCによってブロードキャストされることになるメディアデータに関連付けられることがある。メタデータはUEに渡される。一部の実施形態において、メタデータは、UEに渡される前に修正されてもよい。例えばメタデータは、UEへのHTTP伝送に利用可能なメディアデータのサブセット又はスーパーセットに関連する情報を含むように修正され得る。
【0037】
412において、プロキシ端末は、BMSCからメディアデータを含むMBMS伝送を受け取ることができる。メディアデータは、DASHフォーマットであってよく、メディアプレゼンテーションに関連付けられた複数のメディアセグメントを含むことができる。
【0038】
416において、プロキシ端末は、受信したメディアデータをキャッシュすることができる。このキャッシュには、メディアデータを、プロキシ端末上のローカルストレージに格納することが含まれることがある。
【0039】
420において、プロキシ端末は、キャッシュされたメディアデータの少なくとも一部を受け取るためのHTTP要求をHTTPアクセスクライアントから受け取ることができる。例えばHTTP要求は、キャッシュされたメディアデータの1つ又は複数のメディアセグメントを識別することがある。HTTPアクセスクライアントはUE108内でホストされ得る。一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアント、メモリ、HTTPサーバ及びHTTPアクセスクライアント機能は、単一の端末内でホストされ得る。他の実施形態において、MBMSアクセスクライアント、メモリ及びHTTPサーバは、eNB又は別のUEのような別の端末内で保持されることもある。
【0040】
424において、プロキシ端末は、要求されたメディアデータを、HTTPアクセスクライアントへHTTPシグナリングを介して伝送することができる。プロキシ端末は、要求されたメディアデータを、伝送のためにローカルストレージから取り出すことができる。したがって、HTTPアクセスクライアントからのHTTP要求は、プロキシ端末によってインターセプトされて、リモートサーバには転送されない。
【0041】
プロキシ端末は、その後、追加のHTTP要求をUEから受信して、メディアデータの他の部分を取り出すことができる。
【0042】
本明細書で説明されるプロキシ端末104、UE108及び/又はBMSC112は、所望に応じて構成するように任意の適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを使用して、システム内へ実装され得る。図5は、一実施形態について、1つ又は複数のプロセッサ504、該プロセッサ504の少なくとも1つに結合されるシステム制御ロジック508、システム制御ロジック508に結合されるシステムメモリ512、システム制御ロジック508に結合される非揮発性メモリ(NVM:non-volatile memory)/ストレージ516、システム制御ロジック508に結合されるネットワークインタフェース520及びシステム制御ロジック508に結合される入力/出力(I/O)デバイス532を備えた例示システム500を図示している。
【0043】
プロセッサ504は、1つ又は複数のシングルコアプロセッサあるいはマルチコアプロセッサを含み得る。プロセッサ504は、汎用のプロセッサと専用のプロセッサ(例えばグラフィクスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、ベースバンドプロセッサ等)の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0044】
システム制御ロジック508は、一実施形態について、任意の適切なインタフェースコントローラを含むことがあり、任意の適切なインタフェースを、プロセッサ504の少なくとも1つ及び/又はシステム制御ロジック508と通信する任意の適切なデバイス若しくはコンポーネントに提供することができる。
【0045】
システム制御ロジック508は、一実施形態について、1つ又は複数のメモリコントローラを含むことがあり、システムメモリ512にインタフェースを提供することができる。システムメモリ512は、例えばシステム500にデータ及び/又は命令をロードして格納するのに使用され得る。システムメモリ512は、一実施形態について、例えば適切な動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)のような任意の適切な揮発性メモリを含むことがある。
【0046】
NVM/ストレージ516は、データ及び/又は命令を格納するのに使用される1つ又は複数の担持可能な非一時的コンピュータ読取可能媒体を含むことができ、例えばNVM/ストレージ516は、例えばフラッシュメモリのような任意の適切な非揮発性メモリを含んでもよく、並びに/あるいは例えば1つ若しくは複数のハードディスクドライブ(HDD)、1つ若しくは複数のコンパクトディスク(CD)ドライブ及び/又は1つ若しくは複数のデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブを含んでもよい。
【0047】
NVM/ストレージ516は、システム500がインストールされているデバイスのストレージリソースの物理的な部分を含んでもよく、必ずではないがデバイスの一部によってアクセス可能であり得る。例えばNVM/ストレージ516は、ネットワークインタフェース520を介してネットワーク上で及び/又は入力/出力(I/O)デバイス532上でアクセスされ得る。
【0048】
ネットワークインタフェース520は、システム500が1つ又は複数のネットワーク上で及び/又は任意の他の適切なデバイスと通信するための無線インタフェースを提供するトランシーバ522を有することができる。トランシーバ522は、UE108のHTTPアクセスクライアント120あるいはプロキシ端末104のMBMSモジュール及び/又はHTTPモジュール132を実装することができる。様々な実施形態において、トランシーバ522は、システム500の他のコンポーネントと統合されることがある。例えばトランシーバ522は、プロセッサ504のうちの1つのプロセッサ、システムメモリ512のうちのメモリ及びNVM/ストレージ516のうちのNVM/ストレージ含み得る。ネットワークインタフェース520は、任意の適切なハードウェア及び/又はファームウェアを含み得る。ネットワークインタフェース520は、マルチ入力・マルチ出力無線インタフェースを提供する複数のアンテナを含んでよい。ネットワークインタフェース520は、一実施形態に関して、例えば有線ネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、電話のモデム及び/又は無線モデムを含んでもよい。
【0049】
一実施形態に関して、プロセッサ504の少なくとも1つを、システム制御ロジック508の1つ又は複数のコントローラのためのロジックとともにパッケージ化してもよい。一実施形態に関して、プロセッサ504の少なくとも1つを、システム制御ロジック508の1つ又は複数のコントローラのためのロジックとともにパッケージ化して、システムインパッケージ(SiP:System in Package)を形成してもよい。一実施形態について、プロセッサ504の少なくとも1つを、システム制御ロジック508の1つ又は複数のコントローラのためのロジックとともに同じ型(die)に統合してもよい。一実施形態に関して、プロセッサ504の少なくとも1つを、システム制御ロジック508の1つ又は複数のコントローラのためのロジックとともに同じ型に統合して、システムオンチップ(SoC)を形成してもよい。
【0050】
様々な実施形態においてI/Oデバイス532は、システム500とのユーザ対話を可能にするように設計されたユーザインタフェース、システム500との周辺コンポーネントの対話を可能にするように設計された周辺コンポーネントインタフェース並びに/あるいはシステム500に関連する環境条件及び/又は位置情報を決定するように設計されたセンサを含んでもよい。
【0051】
様々な実施形態において、ユーザインタフェースは、これらに限られないが、ディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ等)、スピーカ、マイクロフォン、1つ又は複数のカメラ(例えば静止カメラ及び/又はビデオカメラ)、フラッシュライト(例えば発光ダイオードフラッシュ)及びキーボードを含む可能性がある。
【0052】
様々な実施形態において、周辺コンポーネントインタフェースは、これらに限られないが、非揮発性メモリポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、オーディオジャック及び電源インタフェースを含むことがある。
【0053】
様々な実施形態において、センサは、これらに限られないが、ジャイロセンサ、加速度計、近接性センサ、周辺光センサ及び測位ユニットを含むことがある。測位ユニットは、ネットワークインタフェース520の一部であるか、ネットワークインタフェース520と対話して、測位ネットワーク、例えば全地球測位システム(GPS)衛星等のコンポーネントと通信してもよい。
【0054】
様々な実施形態において、システム500は、これらに限られないが、ラップトップコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、ネットブック、スマートフォン等のようなモバイルコンピューティングデバイスであってよい。様々な実施形態において、システム500は、より多くの又は少ないコンポーネントを有してもよく、並びに/あるいは異なるアーキテクチャを有してもよい。
【0055】
本開示の様々な実施形態において、プロキシ端末において実行され得る方法が提供される。本方法は、プロキシ端末が、ブロードキャスト・マルチキャスト・サービスセンタ(BMSC)を有するマルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービス(MBMS)をアクティブ化するステップと、メディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを、BMSCからユーザサービス発見(USD)シグナリングを介して受け取るステップとを含む。上記MPDメタデータはメディアデータに関連付けられている。また、本方法は、MPDメタデータに関連付けられたメディアデータの少なくとも一部を、BMSCからMBMS伝送を介して受け取るステップと、受信したメディアデータ及びメタデータをキャッシュするステップと、キャッシュされたメディアデータ及びメタデータの少なくとも一部を受け取るためのハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求を、ユーザ装置(UE)においてホストされるHTTPアクセスクライアントから受け取るステップと、HTTP要求に応答して、キャッシュされたメディアデータ及びメタデータの少なくとも一部を、UEへHTTPシグナリングを介して送信するステップとを含む。本方法の一実施形態において、キャッシュするステップは、受信したメディアデータ及びMPDメタデータを、HTTP伝送による後の伝送のために格納することを含み、HTTP要求は、受信したメディアデータ及びメタデータをキャッシュした後にUEから受信される。
【0056】
本開示の更なる実施形態では、メディアデータの通信のためのプロキシ端末が提供される。このプロキシ端末は、ブロードキャスト・マルチキャスト・サービスセンタ(BMSC)を有するマルチキャスト・ブロードキャスト・マルチメディアサービス(MBMS)をアクティブ化する手段と、メディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを、BMSCからユーザサービス発見(USD)シグナリングを介して受け取る手段とを備え、上記MPDメタデータはメディアデータに関連付けられる。また、このプロキシ端末は、MPDメタデータに関連付けられたメディアデータの少なくとも一部を、BMSCからMBMS伝送を介して受け取る手段と、受信したメディアデータ及びメタデータをキャッシュする手段と、キャッシュされたメディアデータ及びメタデータの少なくとも一部を受け取るためのハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求を、ユーザ装置(UE)においてホストされるHTTPアクセスクライアントから受け取る手段と、HTTP要求に応答して、キャッシュされたメディアデータ及びメタデータの少なくとも一部を、UEへHTTPシグナリングを介して送信する手段とを含む。プロキシ端末の一部の実施形態では、キャッシュする手段は、受信したメディアデータ及びMPDメタデータを、HTTP伝送による後の伝送のために格納する手段を含み、HTTP要求は、受信したメディアデータ及びメタデータをキャッシュした後に、UEから受信される。
【0057】
上述の方法又はプロキシ端末の一部の実施形態において、メディアデータ及びMPDメタデータはDASHフォーマットである。上述の方法又はプロキシ端末の一部の実施形態において、受信したMPDメタデータは、第1のMPDメタデータであり、プロキシ端末は更に、UEへのHTTP伝送に利用可能なメディアデータのサブセット又はスーパーセットに関連付けられる第2のMPDメタデータを、UEに伝送する手段を備える。
【0058】
上述の方法又はプロキシ端末の一部の実施形態において、プロキシ端末は拡張型ノードB(eNB)又は別のUEに含まれる。
【0059】
本開示の更なる実施形態では、メディアデータの通信のためのプロキシ端末が提供される。該プロキシ端末は、メディアデータ及びメタデータを含むMBMS伝送を受信し、該メディアデータ及びメタデータを後の伝送のためにキャッシュするように構成されるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS)アクセスクライアントと、メディアデータ及びメタデータをキャッシュした後、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求をユーザ装置(UE)のHTTPアクセスクライアントから受信し、メディアデータ及びメタデータの少なくとも一部を、HTTP伝送を介してUEのHTTPアクセスクライアントへ伝送するように構成されるHTTPサーバモジュールとを含む。
【0060】
プロキシ端末の一部の実施形態において、メディアデータ及びMPDメタデータはDASHフォーマットである。そのような一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、メディアデータに関連付けられる第1のメディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを受け取るように構成され、HTTPサーバモジュールは更に、第2のMPDメタデータを生成してUEへ伝送するように構成される。第2のMPDメタデータは、UEのHTTPアクセスクライアントへのHTTP伝送に利用可能なメディアデータのサブセット又はスーパーセットに関連付けられる。プロキシ端末の一部の実施形態において、HTTPサーバモジュールは、HTTPアクセスクライアントへ伝送すべきDASHフォーマットメディアデータのセグメントを識別するHTTP要求をHTTPアクセスクライアントから受け取るように構成される。
【0061】
プロキシ端末の一部の実施形態において、プロキシ端末は、無線通信ネットワーク上でUEと通信するように構成されるeNBに含まれる。プロキシ端末の他の実施形態において、プロキシ端末は別のUEに含まれる。プロキシ端末の更に他の実施形態において、プロキシ端末は、HTTPアクセスクライアントを含むUTと同じUEに含まれる。
【0062】
プロキシ端末の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、FLUTEプロトコルによるファイル配信を介してMBMS伝送を受け取るように構成される。プロキシ端末の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、インターネットプロトコル(IP)マルチキャストプロトコルによるMBMS伝送を受け取るように構成される。プロキシ端末の一部の実施形態において、MBMS伝送は、ブロードキャスト・マルチキャスト・サービスセンタ(BMSC)から受信され、MBMSアクセスクライアントは更に、配信検証情報及び受信統計値とともにレポートをBMSCに送信するように構成される。
【0063】
プロキシ端末の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、MBMS伝送に関連付けられるAL−FECコードをデコードするか、1つ又は複数のリカバリプロシージャを実行して、メディアデータ又はメタデータの誤って受信した部分を取り出すように構成される。プロキシ端末の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは更に、1つ又は複数のリカバリプロシージャを実行して、メディアデータ又はメタデータの誤って受信した部分を取り出すように構成される。
【0064】
本開示の更なる実施形態は、1つ又は複数の非一時的なコンピュータ読取可能媒体を提供する。該コンピュータ読取可能媒体は、実行されると、無線通信デバイスに、メディアデータ及びメタデータを含むDASHフォーマットのMBMS伝送を受信させ、メディアデータは複数のメディアセグメントを含んでおり、メディアデータの一部又は全てを後の伝送のために格納させ、格納したメディアセグメントの1つ又は複数を、ハイパーテキスト伝送プロトロコル(HTTP)によりユーザ装置(UE)へ送信させる命令を有する。
【0065】
1つ又は複数のコンピュータ読取可能媒体の一部の実施形態において、命令は実行されると、無線通信デバイスに更に、複数のメディアセグメントに関連付けられた第1のメディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを受信させ、UEへの伝送に利用可能な複数のメディアデータセグメントのサブセット又はスーパーセットに関連付けられる第2のMPDメタデータをUEへ送信させる。1つ又は複数のコンピュータ読取可能媒体の一部の実施形態において、命令は実行されると、無線通信デバイスに更に、メディアセグメントの1つ又は複数の送信のための要求をUEから受信させ、該要求に応答して、1つ又は複数のメディアセグメントをUEへ送信させる。
【0066】
1つ又は複数のコンピュータ読取可能媒体の一部の実施形態において、無線通信デバイスは、無線通信ネットワークを介してUEと通信するように構成されたeNBである。1つ又は複数のコンピュータ読取可能媒体の他の実施形態において、無線通信デバイスは別のUEである。
【0067】
本開示の更なる実施形態は、メディアにアクセスするためにユーザ装置(UE)によって用いられる装置を提供する。該装置は、メモリと、1つ又は複数のメディアセグメントを含むメディアデータとメタデータとを含むDASHフォーマットのMBMS伝送を受信し、該メディアデータ及びメタデータを後のアクセスのためにメモリ内にキャッシュするように構成されるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS)アクセスクライアントと、メディアデータをキャッシュした後、メディアセグメントの1つ又は複数又はメディアデータをメモリから取り出すように構成されるDASHクライアントとを含む。
【0068】
装置の一部の実施形態において、DASHクライアントは、HTTP要求を使用して1つ又は複数のメディアセグメント又はメタデータを取り出すように構成される。装置の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、MBMS伝送をFLUTEプロトコルによるファイル配信を介して受け取るように構成される。
【0069】
装置の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、メディアデータ及びメタデータをリモートサーバから受け取るように構成され、MBMSアクセスクライアントは、リモートサーバから利用可能な、メディアプレゼンテーションに関連付けられたメディアセグメントのサブセットを受け取るように構成される。
【0070】
装置の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、メディアプレゼンテーションに関連付けられたメディアセグメントのサブセットを受け取るように構成され、該メディアセグメントのサブセットは、メディアセグメントの開始部分に対応し、DASHクライアントは、メディアプレゼンテーションの再生の間に、メディアプレゼンテーションの残りの部分の少なくとも一部に対応するメディアセグメントを適応的に取り出すように構成される。
【0071】
装置の一部の実施形態において、MBMSアクセスクライアントは、メディアプレゼンテーションに関連付けられたメディアデータを、該メディアプレゼンテーションを識別するユーザ指示に基づいて受け取るように構成され、ユーザ指示は、メディアプレゼンテーションの可用性に先行して受信される。
【0072】
特定の実施形態を説明の目的で図示し、説明してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、同じ目的を達成すると見込まれる多種多様な代替的及び/又は等価な実施形態又は実装を、図示及び説明された実施形態の代わりに用いてもよい。本出願は、本明細書で検討された実施形態のいずれの適応又は変形も網羅するように意図されている。したがって、本明細書で説明される実施形態は、請求項及びその均等物によってのみ限定されることが明白に意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5