(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285557
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】洗浄特徴が向上した熱交換素子プロファイル
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20180215BHJP
F28F 3/04 20060101ALI20180215BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
F28F3/08 301Z
F28F3/04 B
F28D9/00
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-543455(P2016-543455)
(86)(22)【出願日】2013年9月19日
(65)【公表番号】特表2016-531269(P2016-531269A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】GB2013052451
(87)【国際公開番号】WO2015040353
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2016年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】516084929
【氏名又は名称】ホーデン ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138438
【弁理士】
【氏名又は名称】尾首 亘聰
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100185535
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 敦
(72)【発明者】
【氏名】クーパー、ジム
【審査官】
西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−526262(JP,A)
【文献】
特開2000−346583(JP,A)
【文献】
特開2004−093036(JP,A)
【文献】
特表2009−503421(JP,A)
【文献】
特開平11−248392(JP,A)
【文献】
特開平10−122781(JP,A)
【文献】
特開2000−097590(JP,A)
【文献】
カナダ国特許発明第01292425(CA,C)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 9/00 − 9/04
F28F 3/00 − 3/14
F28F 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主方向に配置され及び垂直に積層された熱伝達素子の積層体であって、
前記積層体は、
前記主方向に沿って配列された複数のゾーンを有する第1熱伝達素子であり、
ヘリングボーン構造を含み、前記ヘリングボーン構造は、側方向に並んで配列された複数の起伏部を有し、前記起伏部の長さ方向軸は、前記主方向に非平行な第1ゾーンと、
前記主方向に延長する複数の城郭型波状部を含み、前記波状部は、複数の平たいピークと谷を有する第3のゾーンとを含む第1熱伝達素子と、
前記主方向に延長する複数の起伏する波状部を含む第2熱伝達素子とを備え、
前記第1熱伝達素子は前記積層体において第2熱伝達素子の下に配置されて、前記第1熱伝達素子の前記複数の城郭型波状部が前記主方向に沿って前記第2熱伝達素子の前記複数の起伏する波状部に接触するように構成されている積層体。
【請求項2】
前記ヘリングボーン構造は、側方向に並んで配列された複数の起伏部を有する第1領域を含み、前記第1領域において前記起伏部は長さ方向に延伸しており、前記第1領域において、前記起伏部の長さ方向軸は、前記主方向に対して0゜超過90゜未満の角度で配向されており、
前記複数の領域は、前記第1領域に隣接する第2領域をさらに含み、前記第2領域は、側方向に並んで配列された複数の起伏部を有し、前記第2領域において前記起伏部は長さ方向に延伸しており、前記第2領域において、前記起伏部の長さ方向軸は、前記主方向に対して−90゜超過0゜未満の角度で配向されている、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記第1熱伝達素子の平たいピークと谷のそれぞれの幅は、前記第2熱伝達素子の前記起伏する波状部の隣接する谷間の距離の0.5倍〜1.5倍である、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体は、複数の第1熱伝達素子と複数の第2熱伝達素子を含み、前記第1熱伝達素子の各々は、前記第2熱伝達素子のうち少なくとも1つに隣接する、請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
主方向に配置され及び垂直に積層された熱伝達素子の積層体であって、
前記積層体は、
前記主方向に沿って配列された複数のゾーンを有する第1熱伝達素子であり、
ヘリングボーン構造を含み、前記ヘリングボーン構造は、複数の領域を有し、前記複数の領域は、前記領域の境界が前記主方向に沿うように配列され、前記複数の領域は、側方向に並んで配列された複数の起伏部を有する第1領域を含み、前記第1領域において前記起伏部は長さ方向に延伸しており、前記第1領域において、前記起伏部の長さ方向軸は、前記主方向に対して0゜超過90゜未満の角度で配向されており、前記複数の領域は、前記第1領域に隣接する第2領域をさらに含み、前記第2領域は、側方向に並んで配列された複数の起伏部を有し、前記第2領域において前記起伏部は長さ方向に延伸しており、前記第2領域において、前記起伏部の長さ方向軸は、前記主方向に対して−90゜超過0゜未満の角度で配向されている第1ゾーンと、
前記主方向に延長する複数の城郭型波状部を含み、前記城郭型波状部は、複数の平たいピークと谷を有する第3ゾーンとを含む第1熱伝達素子と、
前記主方向に延長する起伏する複数の波状部を含む第2熱伝達素子とを備え、
前記第1熱伝達素子は前記積層体において第2熱伝達素子の下に配置されて、
前記第1熱伝達素子の前記複数の城郭型波状部が前記主方向に沿って前記第2熱伝達素子の前記複数の起伏する波状部に接触するように構成されている積層体。
【請求項6】
前記第1熱伝達素子の平たいピーク及び谷の各々の幅は、前記第2熱伝達素子の前記起伏する波状部の隣接する谷間の距離の0.5倍〜1.5倍である、請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
前記積層体は、複数の第1熱伝達素子と複数の第2熱伝達素子を含み、前記第1熱伝達素子の各々は、前記第2熱伝達素子のうち少なくとも1つに隣接する、請求項5に記載の積層体。
【請求項8】
主方向に配置され及び垂直に積層された熱伝達素子の積層体であって、
前記積層体は、
前記主方向に沿って配列された複数のゾーンを有する第1熱伝達素子であり、
ヘリングボーン構造を含む第1ゾーンと、平たい構造を有する第2ゾーンと、
前記主方向に延長する複数の城郭型波状部を含み、前記城郭型波状部は、平たいピーク及び谷領域を有する第3のゾーンとを含む第1熱伝達素子と、
前記主方向に延長する複数の起伏する波状部を含む第2熱伝達素子とを備え、
前記第1熱伝達素子は前記積層体において第2熱伝達素子の下に配置されて、前記第1熱伝達素子の前記複数の城郭型波状部が前記主方向に沿って前記第2熱伝達素子の前記複数の起伏する波状部に接触するように構成されている積層体。
【請求項9】
前記第1熱伝達素子の平たいピーク及び谷の各々の幅は、前記第2熱伝達素子の前記起伏する波状部の隣接する谷間の距離の0.5倍〜1.5倍である、請求項8に記載の積層体。
【請求項10】
前記第1ゾーンと前記第3ゾーンとの間に配置された第2ゾーンをさらに含み、この第2ゾーンは平らな構造を含む請求項1に記載の積層体。
【請求項11】
前記第2ゾーンは、前記第1ゾーンに隣接する第1遷移領域を含み、前記第1遷移領域は、前記第1ゾーンの前記ヘリングボーン構造の前記起伏部と前記第2ゾーンの前記平たい構造との間に遷移する形状を含む、請求項10に記載の積層体。
【請求項12】
前記第2ゾーンは、前記第3ゾーンに隣接する第2遷移領域を含み、前記第2遷移領域は、前記第2ゾーンの前記平たい構造と前記第3ゾーンの前記波状部との間に遷移する形状を含む、請求項11に記載の積層体。
【請求項13】
前記第1熱伝達素子の前記複数の城郭型波状部の前記第2熱伝達素子の前記複数の起伏する波状部との前記主方向に沿う接触は閉鎖されたチャネルを形成する請求項1に記載の積層体。
【請求項14】
前記第1熱伝達素子の前記複数の城郭型波状部の高さは前記第1熱伝達素子の前記ヘリングボーン構造における前記複数の起伏の高さと等しいので、前記積層においては、前記積層された第1と第2の熱伝達素子との間の連続的接触は閉鎖された接触を形成する請求項1に記載の積層体。
【請求項15】
前記第1ゾーンと前記第3ゾーンとの間に配置された第2ゾーンをさらに含み、この第2ゾーンは平らな構造を含む請求項5に記載の積層体。
【請求項16】
前記第2ゾーンは、前記第1ゾーンに隣接する第1遷移領域を含み、前記第1遷移領域は、前記第1ゾーンの前記ヘリングボーン構造の前記起伏部と前記第2ゾーンの前記平たい構造との間に遷移する形状を含む、請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
前記第2ゾーンは、前記第3ゾーンに隣接する第2遷移領域を含み、前記第2遷移領域は、前記第2ゾーンの前記平たい構造と前記第3ゾーンの前記波状部との間に遷移する形状を含む、請求項16に記載の積層体。
【請求項18】
前記第1ゾーンと前記第3ゾーンとの間に配置された第2ゾーンをさらに含み、この第2ゾーンは平らな構造を含む請求項5に記載の積層体。
【請求項19】
前記第2ゾーンは、前記第1ゾーンに隣接する第1遷移領域を含み、前記第1遷移領域は、前記第1ゾーンの前記ヘリングボーン構造の前記起伏部と前記第2ゾーンの前記平たい構造の間に遷移する形状を含む、請求項18に記載の積層体。
【請求項20】
前記第2ゾーンは、前記第3ゾーンに隣接する第2遷移領域を含み、前記第2遷移領域は、前記第2ゾーンの前記平たい構造と前記第3ゾーンの前記波状部との間に遷移する形状を含む、請求項19に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、一般的に熱交換素子プロファイルに関し、より具体的には、プロファイルが向上した洗浄性を有する回転型蓄熱式熱交換器において使用するための改善された熱交換素子プロファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の市場で競争力を備えるように、石炭またはオイル燃焼プラントの回転型蓄熱式熱交換器において使用される熱伝達素子は、高熱的性能を低圧力降下と組み合わせなければならない。同時に、このような熱伝達素子は、熱伝逹、酸凝結、これによる関連した固体蒸着率が最大になる素子プロファイルの極冷端部(cold end)に向けてできるだけ小さいファウリング潜在性を有しなければならない。
【0003】
最適の動作のために、熱伝達素子が、素子配置によって、局所化された素子金属温度がほぼ予熱器の極冷端部でのように低くてもよい空気予熱器の上方における潜在的に同一の問題性ファウリング状態を避けることがまた重要である。また、亜酸化窒素及び酸化窒素(NOx)の還元のための選択的触媒還元(SCR)工程は、素子の中間または温端部ティア(tier)によって一般的に占有されるゾーンにおいて空気予熱器の更なる上方で顕著に高い温度で発生し得るアンモニウム重硫酸塩(ABS)ファウリングの追加危険性を有する。このような熱伝達素子は、一般的に、空気予熱器の要求される全体熱的性能を達成するのに必要な高性能特徴を有する。
【0004】
このような熱伝達素子を洗浄するための技術は、加圧されたスチームや圧縮された空気よりなる高エネルギー洗浄ジェットを採択するスートブロイング(sootblowing)装置を使用することを含む。熱交換素子の更なる上方にある洗浄領域におけるこのような装置の効果は、熱交換素子の冷端部と中間ティアとの間に不可避に存在するティア間(inter−tier)のギャップにわたって自然的に発生する洗浄ジェットの衝撃速度とエネルギーの損失によって大きく妨害される。したがって、このような状況では、ABSファウリングまたは相当に高温の露点を有する他の種の凝結に起因して加熱器の更なる上方で深刻なファウリングが発生し得る。
【0005】
過去には、通常、WO2007/012874の
図8に示されたように、 多くの空気予熱器供給者が低性能ノッチ−フラット(notched−flat;NF)素子の浅い冷端部ティアを提供した。このような場合に、中間及び温端部素子ティアは、いずれも、
図6に示されたような高性能の波状起伏型素子またはWO2007/012874の
図1〜
図7または
図9〜
図10に示された他の高性能素子のうち任意のものから製造される。
【0006】
代案として、WO2007/012874の
図11〜
図15に示された横方向ヘリングボーンシートは、他の高性能素子のうち任意のものよりほぼ間違いなく洗浄可能な高性能素子プロファイルを生成し、この際、このような高い洗浄性によって、素子ファウリングが制御不可能になる前に、素子が低い冷端部温度で使用され得る。冷端部素子に使用される場合、このような改善点は、このような素子が制御不可能なファウリングを避けながら、ノッチフラット素子のように類似のガス出口温度で作動するのに成功的に使用され得るように十分なものと思われた。
【0007】
したがって、このような素子の深いティアを使用することによって、全体深さにわたって同一のプロファイル処理量を有するこのような素子が、素子の更なる上方にある冷端部酸向上したファウリングとABS向上したファウリングの組合を制御するに適していると提案された。しかし、低性能ノッチフラット素子を共通的に使用することによって、極冷端部ファウリング速度を減少させることを予想することができるが、このような同一の低熱的性能は、また、酸凝結温度帯域を素子内にさらに高く駆動する傾向があり、局所化された素子温度が極冷端部素子の温度に近付くことができる中間素子ティアの冷端部内に延長する可能性がある。このような中間ティアは、ティア間のギャップ後にのみ到達するので、スートブロイングジェット速度の関連した減少によって、当該洗浄効果を大きく喪失するようになる。結局、冷端部素子ティアが適切に洗浄され得る一方で、大部分の極甚なファウリングが中間ティアに対する入口で発生するものと証明された多くの場合がある。このような制御不可能なファウリングは、結局、流速の減少なしに、関連した圧力降下の増加が、誘導通風ファンが収容するには非常に大きくなり得るので、空気予熱器の利用可能性を制限する。
【0008】
前述した点を考慮して、空気予熱器の更なる上方におけるABS形成に起因して発生する冷端部ファウリング問題点と中間ファウリング問題点の両方をさらに良好に扱うように設計された、改善された熱交換素子を提供することが好ましい。
【発明の概要】
【0009】
前述した問題点を解決するように、本発明者は、プロファイルの2つの互いに異なる形態を単一の熱伝達素子内に統合した。一実施例で、非常に低い性能のプロファイル(しかし、ファウリングプロファイルは同一に低い)が熱伝達素子シートの極冷端部に配置される一方で、高い性能プロファイルが熱伝達素子シートの温端部(hot end)に向けて配置される。
【0010】
熱伝達素子の低性能冷端部は、空気予熱器の各回転中に当該領域における熱伝達量及びこれによるこのような熱伝達素子の関連した温度スイングと最小温度を制限するように機能することができる。このような理由に起因して、空気予熱器ローター(rotor)の極冷端部におけるファウリング速度が、任意の高性能熱伝達素子に比べてこのような低性能熱伝達素子において低いものと予想される。
【0011】
素子シートの各端部で異なるプロファイルがあり得るため、低及び高性能ゾーン間の滑らかな表面遷移が可能になるように、且つ遷移ゾーンを介したスートブロイングジェットの連続性を保障するように、互いに異なるプロファイルの間に狭い遷移ゾーンが提供され得る。
【0012】
熱伝達素子の積層体を開示する。積層体は、主方向を有することができ、第1及び第2熱伝達素子を含むことができる。第1熱伝達素子は、主方向に沿って順次に配列された第1ゾーン、第2ゾーン、及び第3ゾーンを含むことができる。第1ゾーンは、軸方向に並んで配列された複数の起伏部(undulation)を含むヘリングボーン構造を含むことができる。起伏部の長さ方向の範囲は、主方向に対して非平行であることができる。第2ゾーンは、平たい構造を含むことができる。第3ゾーンは、主方向に延長する複数の波状部を含むことができる。波状部は、複数の平たいピーク(peak)と谷(trough)を有することができる。第2熱伝達素子は、主方向に延長する複数の波状部を含むことができる。
【0013】
加熱表面素子の積層体を開示する。積層体は、主方向を有することができる。積層体は、主方向に沿って順次に配列された第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーンを有する第1加熱表面素子を含むことができる。第1ゾーンは、ヘリングボーン構造を含むことができる。ヘリングボーン構造は、複数の領域を含むことができる。複数の領域は、当該領域の境界が前記主方向に沿うように配列され得る。複数の領域は、軸方向に並んで配列された複数の起伏部を有する第1領域を含むことができ、前記第1領域における起伏部の長さ方向の範囲は、主方向に対して0゜超過90゜未満である。複数の領域は、前記第1領域に隣接する第2領域をさらに含むことができる。第2領域は、軸方向に並んで配列された複数の起伏部を有することができ、前記第2領域における起伏部の長さ方向の範囲は、主方向に対して−90゜超過0゜未満であることができる。第2ゾーンは、平たい構造を含むことができる。第3ゾーンは、主方向に延長する複数の波状部を含むことができ、波状部は、平たいピークと谷領域を有する。積層体は、第2加熱表面素子をさらに含むことができる。第2加熱表面素子は、主方向に延長する複数の波状部を含むことができる。
【0014】
加熱表面素子の積層体を開示する。加熱表面素子の積層体は、主方向を含むことができる。積層体は、主方向に沿って順次に配列された第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーンを有する第1加熱表面素子を含むことができる。第1ゾーンは、ヘリングボーン構造を含むことができ、第2ゾーンは、平たい構造を含むことができ、第3ゾーンは、主方向に延長する複数の波状部を含むことができる。波状部は、平たいピークと谷領域を有することができる。積層体は、第2加熱表面素子をさらに含むことができる。第2加熱表面素子は、主方向に延長する複数の波状部を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図面は、開示方法の原理を実際応用するように今まで考慮された開示方法の好適な実施例を図示する。
図1は、開示された熱伝達素子を含む例示的な予熱器組立体の上部平面図である。
図2は、開示内容による例示的な熱伝達素子の平面図である。
図3は、
図2の熱伝達素子を含む例示的な熱伝達素子の積層体の等角図である。
図4は、
図3の積層体の一部の詳細等角図である。
図5は、
図3の積層体の断面図である。
図6は、開示された他の熱伝達素子を含む例示的な熱伝達素子の積層体の等角図である。
図7は、
図6の積層体の一部の詳細等角図である。
図8は、
図6の積層体の断面図である。
図9は、開示された他の熱伝達素子を含む例示的な熱伝達素子の積層体の等角図である。
図10は、
図9の積層体の一部の詳細等角図である。
図11は、
図9の積層体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
改善された熱伝達素子プロファイルを開示する。開示する熱伝達素子プロファイルは、素子の温端部(hot end)における第1プロファイル及び素子の冷端部(cold end)における第2プロファイルを有する複合素子プロファイルを含む。一実施例で、熱伝達素子プロファイルは、深い起伏素子の温端部に向けて横ヘリングボーン素子(transverse herringbone element)及び当該プロファイルの冷端部に向けて平たいノッチ状プロファイルを含む。
【0017】
図1は、複数の個別的な加熱器バスケット2を含む例示的な予熱器1の上部平面図であり、各バスケットは、複数の熱伝達素子4を含むことができる。図示した実施例では、熱伝達素子4の「温」端部を見ることができる。熱伝達素子4の「冷」端部は、予熱器の反対側に位置する。
【0018】
図2を参照すれば、例示的な第1熱伝達素子4が示されている。第1熱伝達素子4は、第1及び第2端部6、8を有することができ、このような端部を一般的にそれぞれ「温」端部及び「冷」端部と称することができる。第1熱伝達素子4は、複数の離散的プロファイルゾーンを含むことができる。図示した実施例では、第1、第2、第3ゾーン10、12、14が提供される。第1ゾーン10は、第1熱伝達素子4の第1(「温」)端部6に隣接して配置される。第3ゾーン14は、第1熱伝達素子4の第2(「冷」)端部に隣接して配置される。第2ゾーン12は、遷移ゾーンとして機能し、これによって、第1及び第3ゾーン10、14の間に配置される。使用時に、第1熱伝達素子4は、ガスが大略第1端部6から第2端部8に流れるように矢印「A」で識別される主ガス流れ方向を有することができる。
【0019】
第1ゾーン10は、ヘリングボーンプロファイルを含む。ヘリングボーンプロファイルは、交互の複数の第1及び第2領域16、18を含むことができる。第1及び第2領域16、18の各々は、領域間の境界20がガス流れの主方向「A」に沿って配向されるように配列され得る。図示した実施例で、第1領域16は、側方向に並んで配列された複数の起伏部22を含み、第1領域16における起伏部の長さ方向の軸「B−B」(
図3)は、ガス流れの主方向「A」に対して角度「α」で配向される。一部の実施例で、角度「α」は、約0゜と90゜との間にある。第2領域18は、第1領域16に隣接して位置することができ、側方向に並んで配列された複数の起伏部24を含むことができ、第2領域18における起伏部24の長さ方向の軸「C−C」(
図3)は、ガス流れの主方向「A」に対して角度「β」で配向される。一部の実施例で、角度「β」は、約0゜と−90゜との間にある。図示したように、第1ゾーン10は、交互の複数の第1及び第2領域16、18を含むことができる。
【0020】
第3ゾーン14は、起伏部26がガス流れの主方向「A」に実質的に平行に配向される波状シートであることができる。図示した実施例で、起伏部26は、平たいピーク28と谷30を有する(
図3と
図4参照)。「遷移」ゾーンと称することができる第2ゾーン12は、第1ゾーン10と第3ゾーン14との間に配置される。第2ゾーン12は、
図3から分かるように、起伏部がない大略平たいプロファイルである。第2ゾーン12は、第1及び第3ゾーン10、14の形状を第2ゾーンの平たいプロファイルにそれぞれ変換する第1及び第2遷移領域32、34を含むことができる。したがって、このような第1及び第2遷移領域は、第1及び第3ゾーン10、14のプロファイルを第2ゾーン12の平たいプロファイルに滑らかに変換するように機能する。
【0021】
さらに
図2を参照すれば、第1、第2、及び第3ゾーン10、12、14は、それぞれの長さL
1、L
2、L
3を有することができる。一部の非制限であり、例示的な実施例において、長さL
1は、600mmと900mmとの間であることができ、長さL
2は、5mmと25mmとの間であることができ、長さL
3は、200mmと300mmとの間であることができる。このような長さは、核心事項ではなく、他の長さを使用できることが分かる。
【0022】
図示した実施例は、3個の離散的プロファイルゾーンを含んでいるが、ゾーンの特定個数は、核心事項ではなく、したがって、第1熱伝達素子4がわずか2個のゾーンまたは3個以上のゾーンを有することができることが分かる。
【0023】
図3は、挿入された第1及び第2熱伝達素子4、36の積層体を示す。
図3の構成は、例示のためのものであり、実際応用において、通常的な加熱器バスケット2は、多数の挿入された第1及び第2熱伝達素子を含むことができることが分かる。図示した実施例で、第2熱伝達素子36は、ガス流れの主方向「A」に実質的に平行に配向される複数の起伏部38を有する波状プロファイルを含む。
【0024】
図4は、積層体の第2端部8(すなわち、「冷」端部)の近くにある第1熱伝達素子4と例示的な第2熱伝達素子36との間の相互作用を示す。本実施例で、第1熱伝達素子4の平たいピーク28と谷30の幅「FW」は、第2熱伝達素子36の波状部38の隣接する谷42の間の距離「TW」の約0.5倍である。図面から分かるように、一部の位置40で、第2熱伝達素子36の谷42は、第1熱伝達素子4の第3ゾーン14の平たい上部ピーク28及び谷30と良好にライン接触する。他の位置44で、第2熱伝達素子の谷40は、第1熱伝達素子4の第3ゾーン14上の平たい上部ピーク28及び谷30と不良にライン接触するか、またはライン接触しない。第1及び第2熱伝達素子4、36の特徴部間の相関は、
図3に示した積層体の第2端部8(すなわち、「冷」端部)から取った断面図である
図5からも把握できる。
【0025】
図6〜
図8を参照すれば、他の積層体の構成が示されている。本実施例は、第1熱伝達素子104が第2端部108でプロファイル素子の間に異なる幾何学的関係を有することができるという点を除いて、
図3〜
図5に関して前述した第1及び第2熱伝達素子4、36の特徴部のうち一部または全部を有する第1及び第2熱伝達素子104、136を含むことができる。
【0026】
したがって、第1熱伝達素子104は、主ガス流れ方向「A」に順次に整列された第1、第2、及び第3ゾーン110、112、114を有することができる。第1ゾーン110は、前述したように、実質的にヘリングボーンプロファイルを含むことができる。第2ゾーン112は、平たい「遷移ゾーン」を含むことができ、第3ゾーン114は、平たいピーク128と谷130を含む前述したような波状プロファイルを含むことができる。
【0027】
しかし、本実施例において、第1熱伝達素子104の第3ゾーン114で、平たいピーク128と谷130の幅「FW」は、第2熱伝達素子136の波状部138の隣接する谷142の間の距離「TW」と同一であってもよい。
図7から明らかなように、一部の位置140で、第2熱伝達素子136の谷142は、第1熱伝達素子104の第3ゾーン114の平たい上部ピーク128及び谷130と良好にライン接触する。他の位置144で、第2熱伝達素子の谷140は、第1熱伝達素子104の第3ゾーン114上の平たい上部ピーク128及び谷130と不良にライン接触するか、またはライン接触しない。第1及び第2熱伝達素子104、136の特徴部間の相互作用は、
図6に示した積層体の第2端部8(すなわち、「冷」端部)から取った断面図である
図8からも把握できる。
【0028】
図9〜
図11を参照すれば、さらに他の積層体の構成が図示されている。本実施例は、第1熱伝達素子204が第2端部208でプロファイル素子の間に異なる幾何学的関係を有することができるという点を除いて、
図3〜
図6に関して前述した第1及び第2熱伝達素子4、36の特徴部のうち一部または全部を有する第1及び第2熱伝達素子204、236を含むことができる。
【0029】
したがって、第1熱伝達素子204は、主ガス流れ方向「A」に順次に整列された第1、第2、及び第3ゾーン210、212、214を有することができる。第1ゾーン210は、前述したように、実質的にヘリングボーンプロファイルを含むことができる。第2ゾーン212は、平たい「遷移ゾーン」を含むことができ、第3ゾーン214は、平たいピーク228と谷230を含む前述したような波状プロファイルを含むことができる。
【0030】
しかし、本実施例において、第1熱伝達素子204の第3ゾーン214で、平たいピーク228と谷230の幅「FW」は、第2熱伝達素子236の波状部238の隣接する谷242の間の距離「TW」の1.5倍であることができる。
図10から明らかなように、一部の位置240で、第2熱伝達素子236の谷242は、第1熱伝達素子204の第3ゾーン214の平たい上部ピーク228及び谷230と良好にライン接触する。他の位置244で、第2熱伝達素子の谷240は、第1熱伝達素子204の第3ゾーン214上の平たい上部ピーク228及び谷230と不良にライン接触するか、またはライン接触しない。第1及び第2熱伝達素子204、236の特徴部間の相互作用は、
図9に示した積層体の第2端部8(すなわち、「冷」端部)から取った断面図である
図11からも把握できる。
【0031】
前述した実施例の各々は、新規の熱伝達素子の深さ/高さに沿って3個の個別的なゾーンを含む熱伝達素子を例示する。約600mmの深さを有するこれらの素子シート4のさらに深い温端部ゾーン10は、横方向ヘリングボーン構成で配列された起伏部を含む。このような横方向ヘリングボーンの主な目的は、ガスが回転型空気予熱器1のガス側を介して横方向に素子パックの温端部6から冷端部8に流れるとき及び回転型蓄熱式空気予熱器の空気側を介した素子バスケット2の遷移中に空気が空気予熱器の冷端部から温端部に流れるとき、素子を介したスキュー流れを制限するものである。
【0032】
図示したように、素子パックの反対側である冷端部8には、流れ方向において素子の深さに沿って長さ方向につながり、通常的に素子深さの下側300mmを構成する上部フラット起伏部の第3ゾーン114があり、当該深さ寸法は、可変され得る。
【0033】
図5、
図8、
図11から明らかなように、前記上部フラット起伏部26、126、226の高さ「FTH」は、熱伝達素子4、104、204の温端部6に向ける横方向ヘリングボーン起伏部22、24の高さ「HTH」と同一になるように選択される。このような方式で配列されれば、これらの上部フラット起伏部26、126、226が反対側の第2熱伝達素子36、136、236の波状部38、138、238の1つ以上のピークが加圧する非常に広いシール面を提供し、これによって、閉鎖されたチャネルを形成する連続接触ラインを形成することが分かる。
【0034】
互いに異なる実施例は、波状部36、136、236のピークの間に接触を提供するにあたって、上部フラット起伏部26、126、226の幅「FW」を増加させる通常的な効果を示す。
【0035】
このような接触ラインによって形成される閉鎖チャネルは、正常なガス流れパターン及び素子を洗浄するのに使用される間欠的スートブロイング(sootblowing)ジェットすべてを含有するように機能する物理的に閉鎖された素子プロファイルを生成する。実際に、素子4、104、204の冷端部(すなわち、第2端部8)におけるこのような物理的に閉鎖された素子を横方向ヘリングボーン起伏部22、24によって生成された空気力学的に閉鎖されたプロファイルと結合することによって、素子がスートブロイングジェット通過をさらに最大化し、且つその洗浄効率性を増加させる。
【0036】
同時に、開示された複合プロファイル(第1熱伝達素子4、104、204)のこのような冷端部8が乱流を促進し素子の熱的性能を増加させるように、任意の傾いた起伏部を含まないという点に注目することができる。したがって、このようなフラット波状セクション(第1熱伝達素子4、104、204の第3ゾーン14、114、214)は、前述した従来の低性能フラットノッチ型素子の特性と類似な熱伝達特性と圧力降下特性が低いゾーンを生成する。
【0037】
第1熱伝達素子4の非常に浅い中間ゾーン(第2ゾーン12、112、212)は、素子の互いに異なる温端部(第1ゾーン10、110、210)と冷端部(第3ゾーン14、114、214)プロファイルとの間に位置する。この中間ゾーン(第2ゾーン12、112、212)は、通常的に長さがただ約25mmであり、任意の確定的な形状に意図的に形成されない。その代わりに、その目的は、互いに異なるプロファイル(すなわち、第1ゾーン10、110、210の横方向ヘリングボーンプロファイルと第2ゾーンの上部フラット波状プロファイル)の間に自然的で且つ自由な形態の遷移部を生成し、これによって、遷移ゾーン12、112、212が滑らかな方式で自然的な形状を取ることができる。この遷移ゾーン12、112、212は、一方のプロファイルと他方のプロファイル間の任意の突然な遷移を除去するように設計され、このような突然な段差は、他の状況で、局所化された向上した腐食率を促進することができる。また、遷移ゾーン12、112、212にわたる中断しない連続性は、ピークスートブロワージェット速度及び関連したピーク衝撃圧力の減少が最小化され、効果的な洗浄をまた保障する。
【0038】
本発明者は、同一の熱伝達素子の各端部で互いに異なる性能特性を生成するように特定に設計された任意の熱伝達素子を認識しない。また、本発明者は、城郭型(castellated)フラット上部起伏部(ピーク28、128、228、谷30、130、230)が、起伏されたシートの両側上の反対側の素子シートの波状部と交互にライン接触するように設計されることが、閉鎖されたチャネル素子を生成するための固有な方案であると思う。また、本発明者は、浅い非予備成形(non−preformed)遷移ゾーン12、112、212が素子プロファイルの互いに異なる温端部と冷端部の間の滑らかな流れパターンを促進し、これによって、腐食率を最小化し、素子の一方のゾーンから他方のゾーンへの流れの滑らかな遷移を促進し、中間圧力降下とエネルギー損失を減少させる新規且つ簡単な方案を提供すると思う。
【0039】
これは、ティア間の衝撃及び損失を減少させるので、出願人は、また、本発明が通常的な2つのティアの構成より低い圧力降下を生成すると主張する。
【0040】
基本発明を変更することなく、統合され得る様々な代替構造構成を説明したが、上部フラット起伏部(ピーク28、128、228、谷30、130、230)の幅「FW」は、可変され、単一の上部フラット起伏部に対する1個〜2個の接触ラインの最小値を生成する通常的な構成を示し、同様に、上部フラット起伏部のこれら波状部と隣接する谷30、130、230の間に接触がない第1熱伝達素子4の冷端部(第3ゾーン12)における波状部の1個〜2個以下のラインを示した。最終的に圧縮される素子パックの安定性を最大化するように、このような制約を達成することが好適なものと思われる。
【0041】
開示した構成は、本明細書で説明した回転型蓄熱式熱交換器1に関して前述したものと同一の利点の組合を示すように、板状熱交換器などの多様な類型の熱交換器において使用され得ることが分かる。
【0042】
本発明を一部の実施例に関して開示したが、請求範囲で定義されたもののような本発明の思想と範囲を逸脱することなく、前述した実施例に対して多くの修正、変更及び変化を行うことができる。これによって、本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく、次に従う請求範囲の言語によって定義される全体範囲及びその均等物を有するものである。