(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のウェハから作製された第1の部分及び第2のウェハから作製された第2の部分が、垂直方向に重なり合って積み重ねられている、請求項1に記載のナノポアベースのシーケンシングチップ。
第1のウェハから作製された第1の部分上の1以上のビア及び第2のウェハから作製された第2の部分上の1以上の対応するビアが、ナノポアベースのシーケンシングチップの周辺部に配置されている、請求項1又は2に記載のナノポアベースのシーケンシングチップ。
第1のウェハから作製された第1の部分上の1以上のビア及び第2のウェハから作製された第2の部分上の1以上の対応するビアが、ナノポアベースのシーケンシングチップの周辺部に配置されている、請求項10又は11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0017] 本発明は、プロセス;装置;システム;組成物;コンピューター可読記憶媒体上に具体化されたコンピュータープログラム製品;及び/又はプロセッサー、例えばプロセッサーに接続されたメモリー上に記憶された、及び/又はそれにより提供される命令を実行するように構成されたプロセッサーとしてを含む、数多くの方法で実装されることができる。本明細書において、これらの実装、又は本発明がとり得るあらゆる他の形態は、技法と呼ばれることができる。一般に、開示されたプロセスの工程の順序は、本発明の範囲内で変更されることができる。別途記載されない限り、タスクを実施するように構成されていると記載されたプロセッサー又はメモリーのような構成要素は、そのタスクを所与の時点において実施するように一時的に構成されている一般的な構成要素又はそのタスクを実施するように製造されている特定の構成要素として実装されることができる。本明細書で用いられる際、用語‘プロセッサー’は、データ、例えばコンピュータープログラム命令を処理するように構成された1以上の装置、回路、及び/又は処理コアを指す。
【0006】
[0018] 本発明の1以上の態様の詳細な記載が、下記で本発明の原理を図説する添付の図と共に提供されている。本発明は、そのような態様と関連して記載されているが、本発明がいずれかの態様に限定されることは一切ない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定され、本発明は、数多くの代替物、修正及び均等物を包含する。数多くの具体的な詳細が、以下の記載において、本発明の完全な理解を提供するために述べられている。これらの詳細は、例のために提供されており、本発明は、これらの具体的な詳細の一部又は全部を用いずに特許請求の範囲に従って実施されることができる。明確さのため、本発明に関連する技術分野において既知である技術資料は、本発明が不必要に不明瞭にならないように、詳細には記載されていない。
【0007】
[0019] 内径約1ナノメートルの孔径を有するナノポア膜装置は、迅速なヌクレオチドシーケンシングにおいて有望性を示してきた。電位が導電性流体中に浸されたナノポアを横切って印加された際、ナノポアを横切るイオンの伝導に帰せられる小さいイオン電流が観察され得る。電流の大きさは、孔径に感受性である。
【0008】
[0020] ナノポアベースのシーケンシングチップは、DNAシーケンシングのために用いられることができる。ナノポアベースのシーケンシングチップは、アレイとして構成された多数のセンサーセルを組み込んでいる。例えば、100万個のセルのアレイは、1000行×1000列のセルを含むことができる。
【0009】
[0021]
図1は、ナノポアベースのシーケンシングチップ中のセル100の一態様を図説する。脂質二重層102が、セルの表面上に形成されている。可溶性タンパク質ナノポア膜貫通分子複合体(PNTMC)及び対象の分析物を含有するバルク電解質114が、セルの表面上に直接置かれる。単一のPNTMC104が、脂質二重層102中に、電気穿孔法により挿入される。アレイ中の個々の脂質二重層は、化学的又は電気的のどちらにおいても互いに接続されていない。従って、アレイ中のそれぞれのセルは、そのPNTMCと会合した単一のポリマー分子に特有のデータを生成する独立したシーケンシング機械である。PNTMC104は、分析物上で作動し、そうでなければ不透過性の二重層を介するイオン電流を変調する。
【0010】
[0022] 続けて
図1を参照して、アナログ測定回路112は、電解質の薄膜108により覆われた金属電極110に接続されている。電解質の薄膜108は、イオン不透過性脂質二重層102によりバルク電解質114から分離されている。PNTMC104は、脂質二重層102を横切り、イオン電流がバルク液体から金属電極110へと流れるための唯一の経路を提供する。金属電極110は、作用電極(WE)とも呼ばれる。セルは、対/参照電極(CE/RE)116も含み、それは電気化学的電位センサーである。
【0011】
[0023] ある態様において、ナノポアアレイは、合成による単分子ナノポアベースのシーケンシング(ナノ−SBS)技法を用いる並行シーケンシングを可能にする。
図2は、ナノ−SBS技法を用いてヌクレオチドシーケンシングを実施しているセル200の一態様を図説する。ナノ−SBS技法において、シーケンシングされるべき鋳型202及びプライマーが、セル200に導入される。この鋳型−プライマー複合体に、4種類の異なるようにタグ付けされたヌクレオチド208が、バルク水相に添加される。正しくタグ付けされたヌクレオチドは、ポリメラーゼ204と複合体形成し、そのタグの尾部は、ナノポア206の円筒(barrel)中に位置している。正しいヌクレオチドのポリメラーゼに触媒される組み込みの後、ナノポア206の円筒中に保持されたタグが取り付けられたポリホスフェートは、独特のイオン電流遮断信号210を生成し、それにより、付加された塩基を、そのタグの異なる化学構造により電子的に同定する。
【0012】
[0024]
図3は、予め装填されるタグを用いたヌクレオチドシーケンシングを実施しようとしているセルの一態様を図説する。ナノポア301が、膜302中に形成されている。酵素303(例えばポリメラーゼ、例えばDNAポリメラーゼ)が、ナノポアと会合している。ある場合において、ポリメラーゼ303は、ナノポア301に共有結合している。ポリメラーゼ303は、シーケンシングされるべき一本鎖核酸分子304と会合している。ある態様において、一本鎖又は二本鎖核酸分子304は、環状である。ある場合において、核酸分子304は、線状である。ある態様において、核酸プライマー305が、核酸分子304の一部にハイブリダイズしている。ポリメラーゼ303は、ヌクレオチド306のプライマー305上への、一本鎖核酸分子304を鋳型として用いる組み込みを触媒する。ヌクレオチド306は、タグ種(“タグ”)307を含む。
【0013】
[0025]
図4は、予め装填されるタグを用いた核酸シーケンシングのためのプロセス400の一態様を図説する。段階Aは、
図3において記載されているような構成要素を図説する。段階Cは、ナノポア中に装填されたタグを示す。“装填される”タグは、認識可能な長さの時間、例えば0.1ミリ秒(ms)〜1000msの間ナノポア中に位置している、及び/又はナノポアの中もしくは近くに留まっているタグであることができる。ある場合において、予め装填されるタグは、ヌクレオチドから放出される前にナノポア中に装填される。ある場合において、タグは、タグがヌクレオチド組み込み事象の際に放出された後にナノポアを通過する(及び/又はナノポアにより検出される)確率が適切に高い、例えば90%〜99%である場合に、予め装填される。
【0014】
[0026] 段階Aにおいて、タグ付けされたヌクレオチド(4種類の異なるタイプ:A、T、G、又はCの1つ)は、ポリメラーゼと会合していない。段階Bにおいて、タグ付けされたヌクレオチドは、ポリメラーゼと会合している。段階Cにおいて、ポリメラーゼがナノポアにドッキングする。タグは、ドッキングの間に電気的な力、例えば膜及び/又はナノポアを横切って印加された電圧により生成される電場の存在下で生成される力によりナノポア中に引き込まれる。
【0015】
[0027] 会合したタグ付けされたヌクレオチドの一部は、一本鎖核酸分子と(例えばAはTと、GはCと)塩基対合する。しかし、会合したタグ付けされたヌクレオチドの一部は、一本鎖核酸分子と塩基対合しない。これらの塩基対合しなかったヌクレオチドは、典型的には、正しく対合したヌクレオチドがポリメラーゼと会合したままである時間スケールより短い時間スケール内で、ポリメラーゼにより拒絶される。対合しなかったヌクレオチドは、一過性にのみポリメラーゼと会合するため、
図4において示されているようなプロセス400は、典型的には段階Dを越えて進行しない。例えば、対合しなかったヌクレオチドは、段階Bにおいて、又はプロセスが段階Cに入った少し後に、ポリメラーゼにより拒絶される。
【0016】
[0028] ポリメラーゼがナノポアにドッキングする前、ナノポアを通過する電流は約30ピコアンペア(pA)である。段階Cにおいて、ナノポアを通って流れる電流は、約6pA、8pA、10pA、又は12pAであり、それぞれのアンペア数は、タグ付けされたヌクレオチドの4タイプの1つに対応している。ポリメラーゼは、異性化及びリン酸基転移反応を経て、ヌクレオチドを成長している核酸分子中に組み込み、タグ分子を放出する。段階Dにおいて、放出されたタグは、ナノポアを通過する。タグは、ナノポアにより検出される。特に、タグがナノポア中で保持されている際、タグの異なる化学構造により、独特のイオン電流遮断信号(例えば
図2中の信号210を参照)が生成され、それにより付加された塩基を電子的に同定する。その周期(すなわち段階A〜E又は段階A〜F)の繰り返しは、核酸分子のシーケンシングを可能にする。
【0017】
[0029] ある場合において、
図4の段階Fにおいて示されているように、成長している核酸分子中に組み込まれていないタグ付けされたヌクレオチドも、ナノポアを通過するであろう。その組み込まれなかったヌクレオチドは、ある場合においてナノポアにより検出され得るが、その方法は、組み込まれたヌクレオチド及び組み込まれなかったヌクレオチドを、ヌクレオチドがナノポアにおいて検出されている時間に少なくとも部分的に基づいて識別するための手段を提供する。組み込まれなかったヌクレオチドに結合したタグは、ナノポアを急速に通過し、短い期間(例えば10ms未満)の間検出され、一方で組み込まれたヌクレオチドに結合したタグは、長い期間(例えば少なくとも10ms)の間ナノポア中に装填されて検出される。
【0018】
[0030] ある態様において、イオン電流(例えば、
図2中の信号210を参照)は、それぞれのセル中のアナログ測定回路112(
図1参照)により読み取られ、デジタル情報に変換され、チップから外に伝送される。ある態様において、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)が、伝送されたデータを受け取り、そのデータを処理し、そのデータをコンピューターに送る。しかし、ナノポアベースのシーケンシングチップは、ますます多くのセルを含むように規模を調整される(scaled)ため、ナノポアベースのシーケンシングチップへの、及びそれからの総合(aggregate)伝送データ速度は、達成不可能な速度まで増大し得る。例えば、128k個のセルを有するナノポアベースのシーケンシングチップは、それぞれ1ギガビット毎秒において16チャンネルを必要とする可能性があり、一方で100万、1000万、又は1億個のセルを有するチップは、それぞれチャンネルあたり1ギガビット毎秒において160チャンネル、1,600チャンネル、又は16,000チャンネルを必要とする可能性がある。
【0019】
[0031] ナノポアベースのシーケンシングチップの総合伝送データ速度は、いくつかの方法により低減し得る。ある態様において、デジタル圧縮技法が、ナノポアベースのシーケンシングチップ上のデータの一部を圧縮するために用いられることができ、次いでその圧縮されたデータは、より低い伝送速度でチップから伝送されることができる。ある態様において、データの一部は、ナノポアベースのシーケンシングチップ上で(例えばベース呼び出し(base−calling)技法を用いて)処理されることができる。処理されたデータは、さらなる処理のためにチップから例えばコンピューターへと伝送されることができる。あるいは、処理されたデータは、ナノポアベースのシーケンシングチップにより、事象を検出して検出された事象に応じて制御信号を生成するために用いられることができる。生成された制御信号は、入力制御信号として、個々のセル又はセルの群中にフィードバックされることができる。検出及び決定の一部は、チップ上でなされるため、より少ないデータが、さらなる処理のためにチップから伝送される必要があり、より少ない制御データが、チップへと伝送されることができ、そして制御データを生成するための応答時間も、低減することができる。
【0020】
[0032] 上記で示されたように、ナノポアベースのシーケンシングチップは、より多くのセルを含むように規模を調整されるため、チップは、異なるタイプの構成要素、例えばアナログ、デジタル、及びメモリー構成要素を含むことができる。異なるタイプの構成要素は、垂直方向に積み重ねられて積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップを形成する2以上のウェハ中に分割されることができる。例えば、それぞれの積層型ウェハは、異なるタイプの構成要素、例えばアナログ構成要素のみ及びデジタル構成要素のみを含む。デジタル構成要素及びアナログ構成要素を異なるウェハ中に分ける1つの利点は、それが、異なるタイプの技術(例えばアナログ設計に関して180nm技術及びデジタル設計に関して28nm技術)を用いて個々に設計されることができるアナログウェハ又はデジタルウェハよりも費用がかかるチップ上の混合信号ウェハに関する必要性を排除することである。
【0021】
[0033]
図5Aは、2つの別々のウェハ(502及び504)から作製されている2つの部分を含む積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップ500の一態様を図説する。
図5Aにおいて、上部ウェハ502及び下部ウェハ504は、2つの別々のウェハとして示されている。
図5Bは、積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップ500の横断面図を図説する。
図5Bにおいて示されているように、上部ウェハ502は、下部ウェハ504の上に垂直方向に積み重ねられている。
【0022】
[0034]
図5Aを参照して、上部ウェハ502は、ナノポアセルアレイ506を含む。ナノポアセルアレイ506は、アレイとして構成された多数のセンサーセルを含むことができる。例えば、100万個のセルのアレイは、1000行×1000列のセルを含むことができる。
【0023】
[0035] 上部ウェハ502は、ナノポアセルアレイ506を含み、それにはそれぞれのセルの対応するアナログ測定回路(例えばアナログ測定回路112を参照)が含まれる。ある態様において、アナログ回路は、180nm技術で設計されていることができる。ある態様において、個々のセルからのアナログ信号は、セルからアナログデジタル変換器(ADC)へと送られ、そこでアナログ信号は対応するデジタル信号に変換される。そのデジタル信号は、さらに上部ウェハ502の周辺部へと送られ、複数のビア508(例えばシリコン貫通ビア(TSV))を通って下部ウェハ504の周辺部へと伝送される。ビアは、1以上の隣接する層の平面を貫通している物理的電子回路における層の間の電気接続である。ある態様において、ビア508は、4μmの直径を有することができる。上部ウェハ及び下部ウェハの周辺部に沿ったビアの配置は、周辺部(periperhal)積層とも呼ばれる。
【0024】
[0036] 下部ウェハ504は、デジタル論理回路を含む。ある態様において、デジタル回路は、28nm技術で設計されることができる。ある態様において、上部ウェハ502から伝送される信号の一部は、下部ウェハ504によりそれ以上処理されることなく、ナノポアベースのシーケンシングチップ500から複数の入力/出力(I/O)パッド510を通って伝送されることができる。上部ウェハ502から伝送される信号の一部は、下部ウェハ504上に位置する論理によりさらに処理又は圧縮されることができる。次いで、処理されたデータは、ナノポアベースのシーケンシングチップ500から、例えばコンピューター又はハードウェアの部品へと、さらなる処理のために伝送される。あるいは、処理されたデータは、ナノポアベースのシーケンシングチップ500により、事象を検出して検出された事象に応じて制御信号を生成するために用いられることができる。生成された制御信号は、複数のビア508を通って、上部ウェハ502へと送られ、次いで入力制御信号として個々のセル又はセルの群中にフィードバックされることができる。信号は、コンピューター又はナノポアベースのシーケンシングチップ500の外部の源から、下部ウェハ504へと、I/Oパッド510を通って伝送されることができる。これらの信号は、上部ウェハ502又は下部ウェハ504上のあらゆる論理又は回路を制御するための入力又は制御信号として用いられることができる。前者の場合に関して、信号は、ビア508を通って上部ウェハ502へと向けられ、次いで特定の領域、特定のセル、又は特定のセルの群へと送られる。
【0025】
[0037] ある態様において、それぞれのADCは、2つの部分に分けられることができる:ADCの1つの部分は、上部ウェハ502上に位置し、ADCの残りの部分は、下部ウェハ504上に位置する。
【0026】
[0038]
図5Bを参照して、上部ウェハ502は、下部ウェハ504の上に垂直方向に積み重ねられており、酸化物524の層が2つのウェハを一緒に結合させている。ある態様において、上部ウェハ502及び下部ウェハ504は、それぞれ複数の金属層M1(512)〜M6(514)及び酸化ケイ素の層(516及び522)を含む。ビア508は、金属層間の電気接続を提供する。信号は、上部ウェハ502及び下部ウェハ504の間をビア508を通って伝送される。ある態様において、ビア508は、タングステンを充填されている。
【0027】
[0039]
図6は、2つの別々のウェハである上部ウェハ602及び下部ウェハ604を含む積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップ600の一態様を図説する。上部ウェハ602は、ナノポアセルアレイ606を含む。この態様において、ビア608は、ウェハの周辺部に配置されている。下部ウェハ604はI/Oパッド610を含む。
【0028】
[0040] 信号は、コンピューター又はナノポアベースのシーケンシングチップ600の外部の源から、下部ウェハ604へと、I/Oパッド610を通って伝送されることができる。これらの信号は、上部ウェハ602又は下部ウェハ604上のあらゆる論理又は回路を制御するための入力又は制御信号として用いられることができる。このタイプの信号の例は、電力及び接地信号(power and ground signals)を含む。電力及び接地信号は、ビア608を通って上部ウェハ602へと向けられ、次いで特定の領域、特定のセル、又は特定のセルの群へと送られる。
【0029】
[0041] ビア608を通って伝送される一部の信号は、ナノポアセルアレイ606からの出力信号を含む。個々のセルからのアナログ信号は、セルからアナログデジタル変換器(ADC)へと送られ、そこでアナログ信号は対応するデジタル信号に変換される。そのデジタル信号は、さらに上部ウェハ602の周辺部へと送られ、複数のビア608を通って下部ウェハ604の周辺部へと伝送される。デジタル信号は、フレームバッファー624により受け取られて保存されることができる。デジタル信号の一部は、さらに、さらなる処理のために異なるモジュール(例えば、コンプレッサー626及び低電圧差動信号(LVDS)モジュール628)へと送られることができる。
【0030】
[0042] ある態様において、それぞれのADC612は、ナノポアセルアレイ616中の異なる行614及び/又は異なる列616の間で共有されている。下部ウェハ604上の行列制御装置622は、行列駆動装置(618及び620)に制御情報を送り、それは今度は、ナノポアセルアレイ606中のナノポアセルの異なる行及び列に対応する出力信号を、それらの対応するADC612上に駆動する(drive)。
【0031】
[0043] ビア608を通って伝送される一部の信号は、入力信号又は個々のセルを制御する制御信号として特定のナノポアセル中に送られる信号を含む。入力又は制御信号は、下部ウェハ504上のモジュールにより、特定の検出された事象に応じて生成されることができる。入力又は制御信号は、コンピューター又はナノポアベースのシーケンシングチップ600の外部のハードウェアの部品により、特定の検出された事象に応じて生成されることができる。これらのタイプの信号の例は、下記でより詳細に記載されるであろうような、設定a、設定b、V
A、V
B、行選択、及びリセットとして知られている信号を含む(例えば、
図7B、
図11、及び
図12を参照)。
【0032】
[0044] 一部の態様において、ナノポアアレイは、セルのバンクに分けられる。
図7Aは、セルのM×Nバンクの一態様を図説する。行選択及び列選択ラインが、個々のセルの状態を制御するために用いられる。M及びNは、あらゆる整数であることができる。例えば、大きさが8kであるバンク(バンク8kと呼ばれる)は、64×128セルを含むことができる。
【0033】
[0045]
図7Bは、バンク8kブロックの一態様を図説する。バンク8k構築ブロックは、
図7Bにおいて示されているように、64行×128列として構成されることができる。それぞれのバンク8kブロックは、読み取り/走査に関する論理を扱う行及び列、書き込みアドレスデコーダー、アナログデジタル変換器(ADC)、並びに二重緩衝された出力を有する完全なサブシステムであることができる。
【0034】
[0046] それぞれのバンクは自律性であるため、ナノポアアレイは、追加のバンクを追加することにより規模を調整されることができる。例えば、128kアレイは、16個のバンク8k要素として実装されることができる。512kアレイは、バンク8k要素の8×8アレイとして実装されることができる。ある態様において、ナノポアアレイは、数百万個のセルを含むように規模を調整されることができる。小さい全体制御ブロックが、バンクを選択して電圧を印加されるセルを設定するための制御信号を生成するために用いられることができる。
【0035】
[0047] ある態様において、バンク8kブロックの読み取り経路及び書き込み経路は別々であり、時間多重様式で作動する。例えば、読み取りの後に書き込みが行われる。それぞれの行は、行中のセルの全部のアナログデジタル変換を実施することにより走査される。続いて、ソフトウェアが、状態を更新するために値を同じ行中のあらゆるセルに作動的に(optionally)書き込み、それにより2つの異なる印加された電圧間で選択することができる。
【0036】
[0048] それぞれのバンク8kブロックは、32個のADC702を組み込んでおり、それぞれのADC702は、4つの列に接続されている。列カウンター(colcnt)704は、4ビットの列選択バス(csel)706を生成する。cselバス706は、32の別々の4:1アナログmux708を制御し、4つの列のどれがADC702に電気接続されるかを選択する。所与の行からの一連のセルの読みは、col0、col4、...col1、col5等として物理的に配置されている点に注意。データは、アレイにわたって16ビットで縞状になっている(striped)。同様に、16ビットデータは、セルに以下のように書き込まれる:
[0049] d[0:7] → {col0、col16、...、col112}
[0050] d[8:15] → {col1、col17、...、col113}
[0051] 走査モードでは、可能になった全部のバンクが並行して読み出される。
【0037】
[0052] ある態様において、行の走査は、16列の読み取りを必要とし、それぞれの列は、16クロック周期を必要とする。従って、行中の全部のセルは、256クロック、又は128MHzクロック速度において2μsで読み取られる。プリチャージ期間は、行が走査された直後に起こり、2μs継続する。
【0038】
[0053] バンク8kは、ast710、wr712、及び多重アドレスデータバス714(ad[15:0])を含むクロックの立ち上がりエッジ上で捕捉される全ての信号と完全に同期している。第1クロック周期の間、ad[15:0]は、アドレスストローブ710(ast)信号が高い場合にクロックの立ち上がりエッジ上のアドレスラッチ716(alat)により捕捉される書き込みアドレスにより駆動される。7ラッチアドレス(la)718ビットは、どのバンク及びワードデータが書き込まれるかを決定するために復号される。第2クロック周期の間、ad[15:0]は、データにより駆動されるべきであり、wr712信号は、これがデータ書き込み周期であることを示すために高くアサートされるべきである。従って、正常な書き込みは、2つの周期:アドレス周期(ast710信号により示される)、続いてデータ周期(wr712信号により示される)を必要とする。
【0039】
[0054] 3タイプの書き込みが存在する:
・バンクが可能にするレジスタ書き込み(Bank Enable Register Write)
・制御レジスタ書き込み
・バンクセルA/B選択書き込み
[0055] ラッチアドレス718、la[8:7]のビットの一部は、下記の表1において示されているように、書き込みのタイプを決定するために用いられる:
【0041】
[0056] 行選択(rs)シフトレジスタ720論理及び列カウンター704(colcnt)は、一緒にバンク8kブロック中の全部のセルのラスター走査を実施するように作動する。完全統合期間の後、行は、行選択722(rs)信号が高いことをアサートすることにより読み出される。合わせて、行選択722及び列選択704は、単一のセルが所与の列を駆動することを可能にする。行内の8つの列は、並行して読み出され、それぞれが異なるADCに接続される。選択されたセルは、セル内電源フォロワー増幅器を用いた列ライン上への積分コンデンサー上の電圧を駆動する。
【0042】
[0057] 行選択論理は、全てのバンク8kブロック内で複製された64ビットシフトレジスタ(sr64レジスタ720)である。行中の全ての列が読み取られた後、外部のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)が、nxtrow信号724をアサートすることができ、それはsr64レジスタ720のシフトを引き起こす。一度サブウィンドウ化されたフィールド(sub−windowed field)全体が走査されたら、外部のFPGAは、nxtscan726をアサートし、それは、sr64レジスタ720を、1ビットを第1のフリップフロップに移行させることにより、リセットして行ゼロに戻す。nxtrow724及びnxtscan726信号の期間及び持続時間を変化させることにより、下記でより詳細に記載されるであろうように、走査されているアレイがウィンドウ化される(windowed)ことができる。
【0043】
[0058] プリチャージは、1行ずつを基礎として行われる。行は、行がADCによりサンプリングされた直後に、プリチャージモードに入る。それぞれの行は、nxtrow724信号がアサートされた際にrow_enable信号をサンプリングするフリップフロップを有する。
【0044】
[0059] 加えて、行選択シフトレジスタ720は、n番目のプリチャージ信号を(n+1)番目の行選択信号に接続することにより行プリチャージ信号を生成するためにも用いられる:
Pre[n] = rs[n+1]
[0060] 行は、それが読み取られた直後に、行走査期間の間にプリチャージされる。このビットシフトされたプリチャージ接続は、モジュロ64操作として実装されており、従ってプリチャージ[63]は、rs[0]に論理的に接続される。
【0045】
[0061]
図8は、走査シーケンスの一態様を図説する。64行全部が(あらゆる介在する書き込みと共に)読み取られた後、nxtscan信号は、行0において走査プロセスを再始動するようにアサートされる。
【0046】
[0062]
図9は、走査シーケンスの一態様を図説する。相関二重サンプリング(CDS)は、CDSピンをアサートすることにより可能になる。CDSを含まない通常の測定モードでは、コンデンサー上の電圧が測定され、続いて、次の行が読み取られることができるように、nxtrowピンがアサートされる。行N+1が読み取られている間に、行Nがプリチャージされる。従って、行は、それが読み取られた直後にリセットされる。CDSピンのアサートは、プリチャージされたばかりの行が読み取られることを可能にする。従って、リセット電圧の値は、プリチャージが行われた直後に読み取られることができ、続いて後で再度読み取られることができる。2つの測定結果を減算することにより、プリチャージトランジスター1114のkT/C熱雑音が低減する。加えて、セルにおける積分器静電容量及び有効フォロワーの間の電荷共有電圧分割器作用も、低減する。相関二重サンプリングが実施される場合、それぞれの積分電流測定に関して2回のADC変換が必要とされるため、有効測定速度は半分に低減することに注意。
【0047】
[0063] 行及び列のアドレスは、nxtrow724及びnxtscan726信号により制御される。nxtrow724の入力が高いとアサートすることは、列アドレス及びシフトレジスタを0にリセットさせ、行アドレスを1シフトさせる。nxtscan726入力が高いとアサートすることは、行及び列アドレスを0にリセットさせる。
【0048】
[0064] 通常の操作では、それぞれのバンク内の8Kセルアレイ全体が走査される。ADCは、変換を実施するために16ブロック周期を必要とし、16のそのような変換は、行全体を変換するために実施される。従って、それぞれの行は、256クロック周期(128MHzにおいて2.0μs)を必要とする。
【0049】
[0065] 従って、8Kセルアレイ全体を走査するために、nxtrow724信号は、256周期ごとにアサートされ、nxtscan726信号は、全16,384周期において1周期に関してアサートされる。128MHzにおける典型的なクロック運転(running)を用いると、7.8kHz(128μs期間)のサンプル速度がもたらされる。しかし、アレイの部分集合を走査することにより、走査されるセルの数をより高い走査速度のためにトレードオフすることが可能である。例えば、
図10において示されているように、アレイの行の上側4分の1が、nxtscan726信号を2048クロック後にアサートすることにより走査されることができる。サンプリング速度は、約8kHzから約32kHzへと4倍増大する。しかし、積分時間及び電圧信号も、4倍低減し、信号対雑音比(SNR)の劣化を引き起こす。
【0050】
[0066] 上記の例では、アレイの4分の1が走査される。しかし、アレイのより大きい、又はより小さい割合が一度に走査されることもできる。例えば、完全なアレイの行の1/2又は1/3が、一度に走査されることができる。
【0051】
[0067] 上記の例では、アレイの4分の3が未走査のままである。ある態様において、、アレイ全体が多数回の通過(passes)で走査される。第1通過は上記の通りである。第2通過は、16の連続するクロック周期に関してアサートされたnxtrow724信号を、最初の16行を迂回させ、17番目において新規の走査を開始させる。次いで、アレイの次の4分の1の走査は、通常は走査シフトレジスタをリセットするためにnxtscan726をアサートする前に実施される。第3の4分の1は、32行をスキップし、33番目において走査を開始して最後の16行を走査する。
【0052】
[0068] 従って、時間インターリーブにより、アレイ全体が通常よりもはるかに高い速度で走査される。実際のサンプリング速度は、アレイの4つの4分の1全部を走査するために必要な時間が変化しないため、向上しない。四分位走査のそれぞれの間に、“不感時間”が有効に挿入されている。ある場合において、電流は、電圧測定が通常の8kHzの走査速度で飽和するような電流である。従って、時間インターリーブでのより速い走査により、アレイ中のこれらの高電流セルの読み取りが、飽和することなく得られる。ソフトウェアは、プリチャージ信号を認識し、所望の領域の二重走査を実施する必要がある。
【0053】
[0069] それぞれのセルにおいて、電流は、異なる印加電圧において測定される。セルは、定電圧(DC電圧)又は交流電圧波形(AC電圧)を電極に印加し、同時に低レベル電流を測定するための回路を含む。
【0054】
[0070] ある態様において、電圧電位が、ダイ(die)の表面上に取り付けられた伝導性円筒内に含まれる液体に印加される。この“液体”電位は、ポアの上側に印加され、アレイ中の全部のセルに共通である。ポアの下側は、露出した電極を有し、それぞれのセンサーセルは、異なる下側電位をその電極に印加することができる。電流は、上側液体接続及びポアの下側のそれぞれのセルの電極接続の間で測定される。センサーセルは、ポア内で締めつけられている分子複合体により変調される、ポアを通って流れる電流を測定する。
【0055】
[0071]
図11は、セル中の電流を測定するためのアナログ回路の一態様を図説する。回路は、電気化学的に活性な電極(例えばAgCl)に、電極−センス(ELSNS)ノード1102を通して電気的に接続されている。回路は、トランジスター1104を含む。トランジスター1104は、NMOS又はn−チャンネルMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスター)であることができ、それは2つの機能を実施する。制御された電位が、ELSNSノード1102に印加されることができ、制御された電位は、トランジスター1104を制御するオペアンプ1108への入力に対する電圧を変化させることにより、変更されることができ、それは電源フォロワーの役目を果たす。トランジスター1104は、コンデンサー1106からELSNSノード1102へと(逆もまた同様)電子を動かすための電流コンベア(conveyer)としても作動する。トランジスター1104の電源ピンからの電流は、そのドレインピンへと直接かつ正確に伝えられ、コンデンサー1106において電荷を蓄積させる。従って、トランジスター1104及びコンデンサー1106は、一緒にウルトラコンパクト積分器(UCI)の役目を果たす。
【0056】
[0072] UCIは、電極から供給される、又は電極へと沈む(sunk)電流を、コンデンサー1106上に積分される電圧における変化を測定することにより、次の式に従って決定するために用いられる:
I
*t = C
*ΔV 式中、I:電流
t:積分時間
C:静電容量
ΔV:電圧変化
[0073] 典型的な操作は、コンデンサー1106を既知の一定値(例えば、VDD=1.8V)にプリチャージし、次いで一定の間隔tにおける電圧変化を測定することを含む。128MHzにおいて作動する8Kバンクに関して、それぞれのセルは約128μsの間積分する。一例において:
C = 5fF
I = 20pA
t = 128μs
ΔV = I
*t/C
= 20pA
*128μs/5fF
= 512mV
この例では、ADCの分解能は、およそ数ミリボルトである。積分された電圧は、クロック速度を128MHz未満に低減し、それにより積分期間を長くすることにより、増大させることができる。
【0057】
[0074] 上記の回路において、最大電圧振幅は、約1Vであり、従って、回路は、約32pAより高い電流で飽和する。飽和限界は、走査ウィンドウを低減してセル走査速度を有効に増大させることにより、増大させることができる。速い、及び遅い走査を交互に行うことにより、測定され得る電流のダイナミックレンジを増大させることができる。
【0058】
[0075] トランジスター1104は、電荷を積分しているコンデンサー1106から電極へと動かすことにより、電流コンベアの役目を果たす。トランジスター1104は、電圧源の役目も果たし、オペアンプフィードバックループを通して電極に定電圧をかける。列駆動トランジスター1110は、コンデンサー電圧を緩衝し、積分された電圧の低いインピーダンス表現を提供するために、電源フォロワーとして構成されている。これは、コンデンサー上の電圧の変化からの電荷共有を防ぐ。
【0059】
[0076] トランジスター1112は、行選択(rs)信号に接続されたトランジスターである。それは、多くの他のセルと共有された列として接続されたその源においてアナログ電圧出力を有する行アクセスデバイスとして用いられる。単一のセルの電圧が測定されるように、列で接続されたAOUT信号の単一の行のみが可能にされる。
【0060】
[0077] 代替の態様において、行選択トランジスター(トランジスター1112)は、列駆動トランジスター1110のドレインを行選択可能な“切り替えられたレール”に接続することにより、省略されることができる。
【0061】
[0078] プリチャージトランジスター1114は、セルをリセットしてそれから電圧が積分される予め決定された出発電圧にするために用いられる。例えば、高電圧(例えばVDD=1.8V)のvpre及びpreの両方への印加は、コンデンサー1106を(VDD−Vt)のプリチャージされた値に至るまで引き上げるであろう。正確な出発値は、(プリチャージトランジスター1114のVtの変動のために)セルごとに、並びにリセット切り替え熱雑音(sqrt(kTC)雑音)のために測定ごとに、の両方で変動し得る。プリチャージ電圧をVDD−Vt未満に制限することにより、このVtの変動を排除することが可能である。この場合、プリチャージトランジスター1114は、完全にvpre電圧に至るまで引き上げられるであろう。しかし、この場合でさえも、kT/C雑音はまだ存在する。結果として、相関二重サンプリング(CDS)技法が、積分器の出発電圧及び終了時電圧を測定して積分期間の間の実際の電圧変化を決定するために用いられる。CDSは、積分コンデンサー1106上の電圧を2回:開始時に1回及び測定周期の終了時に1回測定することにより成し遂げられる。
【0062】
[0079] プリチャージトランジスター1114のドレインは、制御された電圧vpre(リセット電圧)に接続されていることにも注意。通常の操作では、vpreは、電極電圧より上の定電圧へと駆動される。しかし、それは低電圧へと駆動されることもできる。プリチャージトランジスター1114のvpreノードが実際に接地へと駆動されている場合、電流の流れは逆転し(すなわち、電流は電極から回路中へとトランジスター1104及びプリチャージトランジスター1114を通って流れる)、電源及びドレインの概念が交換される。トランジスター1114及び1104のゲート電圧がvpreよりも少なくとも閾値の分大きいと仮定すれば、(液体参照に関する)電極に印加される負電圧は、vpre電圧により制御される。従って、vpreにおける接地電圧は、例えば電気穿孔又は二重層の形成を成し遂げるために、電極に負電圧を印加するために用いられることができる。
【0063】
[0080] ADCは、一定期間の間に積分された電流を決定するために、リセット直後及び積分期間後に再度AOUT電圧を測定する(すなわち、CDS測定を実施する)。ADCは、列ごとに実装されることができる。別々のトランジスターが、多数の列の間で単一のADCを共有するために、アナログmuxとしてそれぞれの列に関して用いられることができる。列mux因子は、雑音、正確性、及びスループットに関する要求に応じて変動させることができる。
【0064】
[0081] ある代替の態様において、
図11において示されているようなオペアンプ/トランジスターの組み合わせは、
図12において示されているような単一のトランジスターにより置き換えられることができる。
【0065】
[0082] ある態様において、ビアは、セル内又はセルの群内に配置されることができる。ビアをセル内又はセルの群内に配置することは、セルレベル積層化と呼ばれる。セルレベル積層化は、ビアが、ビアが配置されているセル又はセルの群と比較して小さい横断面積を有する場合に、用いられることができる。例えば、セルレベル積層化において用いられるビアは、1μmの直径を有することができる。
【0066】
[0083]
図5A、
図5B、及び
図6において、積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップ(500及び600)のそれぞれは、2つのウェハを有する。しかし、ある他の態様において、積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップは、垂直方向に一緒に積層された2以上のウェハを有することができる。
【0067】
[0084] 一態様において、積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップは、3つのウェハを含む。メモリー構成要素及び論理構成要素は、下部ウェハ上に配置されている。セルアレイは、上部及び中央ウェハの間で分けられており;例えば、セル100のアナログ測定回路112(
図1参照)は、中央ウェハ上に配置されており、一方でセル100の残りの構成要素は、上部ウェハ上に配置されている。
【0068】
[0085] 一態様において、積層型ウェハナノポアベースシーケンシングチップは、3つのウェハを含む。上部ウェハは、セルアレイ及びアナログ構成要素を含む。中央ウェハは、メモリー構成要素を含む。下部ウェハは、論理構成要素を含む。この態様では、メモリー構成要素及び論理構成要素は、それぞれのウェハが異なるタイプの技術を用いて設計され得るように、別々のウェハ上に配置されている。セルレベル積層化は、ビアがウェハ間で信号を送達するように用いられることができる。セルからのアナログ出力信号がある値に対して比較される必要があること、及び決定が比較に基づいてなされる必要があることを想定する。アナログ出力信号は、上部ウェハ上に配置されている比較器に送られる。ビアは、セルに対応するメモリー構成要素中に保存されている値を、アナログ出力信号及び保存されている値の比較がなされることができるように、比較器に送達する。比較の結果はさらに、ビアにより下部ウェハ上に配置されている論理構成要素に送達されることができ、そこで決定がなされることができる。ある態様において、論理構成要素は、多数のセルにより共有されることができる。例えば、4つの異なるセルからの比較の結果が、単一のビアにより、共有された論理構成要素に送達されることができ、そこで検出/決定がなされる。
【0069】
[0086] 前記の態様は、理解の明確さの目的のためにいくらか詳細に記載されてきたが、本発明は、提供された詳細に限定されない。本発明を実装する多くの代替の方法が存在する。開示された態様は、説明的なものであり、限定的なものではない。