特許第6285654号(P6285654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285654
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20180215BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20180215BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180215BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20180215BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20180215BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   G09F9/00 338
   G09F9/00 366A
   H05B33/10
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   H05B33/04
   G02F1/13 101
【請求項の数】27
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-147395(P2013-147395)
(22)【出願日】2013年7月16日
(65)【公開番号】特開2014-21498(P2014-21498A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2016年7月15日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0076845
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0057292
(32)【優先日】2013年5月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(72)【発明者】
【氏名】金 榮志
(72)【発明者】
【氏名】金 英求
(72)【発明者】
【氏名】趙 顯俊
(72)【発明者】
【氏名】文 孝英
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0107978(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0011925(US,A1)
【文献】 特開2009−271519(JP,A)
【文献】 特開2011−197651(JP,A)
【文献】 特許第3518677(JP,B2)
【文献】 特開2006−171454(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0254704(US,A1)
【文献】 特開2004−034399(JP,A)
【文献】 特開2010−072471(JP,A)
【文献】 特開2011−119179(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0210055(US,A1)
【文献】 特開2011−053582(JP,A)
【文献】 特開2008−153004(JP,A)
【文献】 特開2011−185957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
G02B 5/30
G02F 1/13−1/1335
1/13363
1/1339−1/1341
1/1347
1/137−1/141
H01L27/32
51/50
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板上に表示パネルを形成するステップと、
前記表示パネルに上部保護フィルムを付着させるステップと、
前記表示パネルから前記ベース基板を取り外すステップと、
前記表示パネルに下部フィルムを付着させるステップと、
前記上部保護フィルムおよび下部フィルムが付着した表示パネルをセル単位でカッティングするステップとを含み、
前記表示パネルは、表示基板と、表示素子層と、薄膜封止層とを含み、
前記上部保護フィルムは、機能性層と、前記機能性層の上部に形成された機能性層保護フィルムと、前記機能性層の下部に形成された粘着剤層と、前記粘着剤層の下部に付着した離型フイルムとから構成され、前記離型フィルムが除去されて前記粘着剤層が前記薄膜封止層に付着し、
前記表示パネルに上部保護フィルムを付着させるステップの前に、前記表示素子層が形成された面を除いたセル外郭部には、前記機能性層と、前記粘着剤層と、前記離型フィルムとが残るようにハーフカッティング(half−cutting)するステップをさらに含む、ことを特徴とする表示パネルの製造方法。
【請求項2】
前記上部保護フィルムは、キャリア(carrier)フィルムと、前記キャリアフィルムの下部に形成された粘着剤層と、前記粘着剤層の下部に付着した離型フィルム(liner)とを含み、前記離型フィルムが除去され、前記粘着剤層が前記薄膜封止層に付着することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項3】
前記キャリアフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちのいずれか1つの物質からなることを特徴とする請求項2記載の表示パネルの製造方法。
【請求項4】
前記キャリアフィルムは、25マイクロメートル(μm)〜300マイクロメートル(μm)の厚さを有することを特徴とする請求項2記載の表示パネルの製造方法。
【請求項5】
前記粘着剤層は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、1〜50gf/inch.の粘着力を有することを特徴とする請求項2記載の表示パネルの製造方法。
【請求項6】
前記粘着剤層は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系のフィルムであることを特徴とする請求項2記載の表示パネルの製造方法。
【請求項7】
前記上部保護フィルムは、第1キャリアフィルムと、前記第1キャリアフィルムの下部に形成された第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層の下部に形成された第2キャリアフィルムと、前記第2キャリアフィルムの下部に形成された第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層の下部に付着した離型フィルム(liner)とから構成され、前記離型フィルムが除去され、前記粘着剤層が前記薄膜封止層に付着することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項8】
前記第1キャリアフィルムおよび第2キャリアフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちのいずれか1つの物質からなることを特徴とする請求項7記載の表示パネルの製造方法。
【請求項9】
前記第2キャリアフィルムは、25マイクロメートル(μm)〜300マイクロメートル(μm)の厚さを有することを特徴とする請求項7記載の表示パネルの製造方法。
【請求項10】
前記第2粘着剤層は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、1〜50gf/inch.の粘着力を有することを特徴とする請求項7記載の表示パネルの製造方法。
【請求項11】
前記第1粘着剤層および第2粘着剤層は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系のフィルムであることを特徴とする請求項7記載の表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記第1粘着剤層の粘着力は、前記第2粘着剤層の粘着力と同一であるか小さいことを特徴とする請求項10記載の表示パネルの製造方法。
【請求項13】
前記上部保護フィルムの上部には、ハードコーティング(hard coating)層がさらに形成されたことを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項14】
前記ハードコーティング層は、3マイクロメートル(μm)〜4マイクロメートル(μm)の厚さを有することを特徴とする請求項13記載の表示パネルの製造方法。
【請求項15】
前記ハードコーティング層は、上部保護フィルムの上部にアクリル系ウレタンをコーティングした後、紫外線硬化して形成されることを特徴とする請求項13記載の表示パネルの製造方法。
【請求項16】
前記表示基板は、可撓性(flexible)基板であることを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項17】
前記上部保護フィルムは、透明な材質からなることを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項18】
セル単位でカッティングされた前記表示パネルの薄膜封止層から前記上部保護フィルムを除去するステップと、
前記薄膜封止層に機能性層を付着させるステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項19】
前記機能性層は、偏光フィルム(polarizer)であることを特徴とする請求項18記載の表示パネルの製造方法。
【請求項20】
前記機能性層は、タッチスクリーンパネルであることを特徴とする請求項18記載の表示パネルの製造方法。
【請求項21】
前記機能性層は、光効率または輝度増加フィルムであることを特徴とする請求項18記載の表示パネルの製造方法。
【請求項22】
前記粘着剤層は、ステンレス鋼が被着剤の場合、0.2〜2kgf/inch.の粘着力を有することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法
【請求項23】
前記セル単位でカッティングするステップの後に、
前記機能性層の上部に形成された機能性層保護フィルムと、前記セル外郭部の前記機能性層と、前記粘着剤層とを除去するセル外郭部の上部保護フィルム除去ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項24】
前記セル外郭部の上部保護フィルム除去ステップは、
前記表示素子層が形成された面に対応する前記機能性層と、前記粘着剤層の端部面とが、前記表示素子層の端部面と一致するように除去されることを特徴とする請求項23記載の表示パネルの製造方法。
【請求項25】
前記機能性層は、偏光フィルムであることを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項26】
前記機能性層は、タッチスクリーンパネルであることを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【請求項27】
前記機能性層は、光効率または輝度増加フィルムであることを特徴とする請求項1記載の表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、表示パネルの製造方法に関するものであって、より詳細には、マザー状態で薄膜封止層上に上部保護フィルムが付着した表示パネルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在知られている表示装置には、液晶表示装置(liquid crystal display:LCD)、プラズマ表示装置(plasma display panel:PDP)、有機発光表示装置(organic light emitting diode device:OLED device)、電界効果表示装置(field effect display:FED)、電気泳動表示装置(electrophoretic display device)などがある。
【0003】
このような表示装置は、一般に、薄膜トランジスタ、発光層を含む表示基板と、前記表示基板を覆っている封止基板とを含むが、有機発光表示装置の場合、発光体である有機物質の水分および酸素の浸透を防止するために、薄膜ガラスを用いて表示基板を封止(encapsulation)する。フレキシブルOLEDディスプレイの場合、薄膜封止(thin film encapsulation)工程を利用する。しかし、この薄膜封止層は、外部のすり傷や、工程進行中に発生する異物による圧痕またはスクラッチ(scratch)などによる損傷が発生しやすく、これは、ディスプレイ上の暗点などの欠陥として現れるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明の実施形態は、マザー状態の基板において、薄膜封止層上に上部保護フィルムを付着させた後、以降の工程を進行させて表示パネルを製造することにより、既存のセル単位工程における限界点を改善してマザー状態の生産を可能とし、生産性および工程能力、収率を向上させることができる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法は、ベース基板上に表示パネルを形成するステップと、前記表示パネルに上部保護フィルムを付着させるステップと、前記表示パネルから前記ベース基板を取り外すステップと、前記表示パネルに下部フィルムを付着させるステップと、前記上部保護フィルムおよび下部フィルムが付着した表示パネルをセル単位でカッティングするステップとを含み、前記表示パネルは、表示基板と、表示素子層と、薄膜封止層とを含み、前記上部保護フィルムは、機能性層と、前記機能性層の上部に形成された機能性層保護フィルムと、前記機能性層の下部に形成された粘着剤層と、前記粘着剤層の下部に付着した離型フイルムとから構成され、前記離型フィルムが除去されて前記粘着剤層が前記薄膜封止層に付着し、前記表示パネルに上部保護フィルムを付着させるステップの前に、前記表示素子層が形成された面を除いたセル外郭部には、前記機能性層と、前記粘着剤層と、前記離型フィルムとが残るようにハーフカッティング(half−cutting)するステップをさらに含む
【0006】
前記上部保護フィルムは、キャリア(carrier)フィルムと、前記キャリアフィルムの下部に形成された粘着剤層と、前記粘着剤層の下部に付着した離型フィルム(liner)とを含み、前記離型フィルムが除去され、前記粘着剤層が前記薄膜封止層に付着できる。
【0007】
前記キャリアフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちのいずれか1つの物質からなり得る。
【0008】
前記キャリアフィルムは、25マイクロメートル(μm)〜300マイクロメートル(μm)の厚さを有することができる。
【0009】
前記粘着剤層は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、1〜50gf/inch.の粘着力を有することができる。
【0010】
前記粘着剤層は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系のフィルムであり得る。
【0011】
前記上部保護フィルムは、第1キャリアフィルムと、前記第1キャリアフィルムの下部に形成された第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層の下部に形成された第2キャリアフィルムと、前記第2キャリアフィルムの下部に形成された第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層の下部に付着した離型フィルム(liner)とから構成され、前記離型フィルムが除去され、前記粘着剤層が前記薄膜封止層に付着できる。
【0012】
前記第1キャリアフィルムおよび第2キャリアフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちのいずれか1つの物質からなり得る。
【0013】
前記第2キャリアフィルムは、25マイクロメートル(μm)〜300マイクロメートル(μm)の厚さを有することができる。
【0014】
前記第2粘着剤層は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、1〜50gf/inch.の粘着力を有することができる。
【0015】
前記第1粘着剤層および第2粘着剤層は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系のフィルムであり得る。
【0016】
前記第1粘着剤層の粘着力は、前記第2粘着剤層の粘着力と同一であるか小さくてよい。
【0017】
前記上部保護フィルムの上部には、ハードコーティング(hard coating)層がさらに形成できる。
【0018】
前記ハードコーティング層は、3マイクロメートル(μm)〜4マイクロメートル(μm)の厚さを有することができる。
【0019】
前記ハードコーティング層は、上部保護フィルムの上部にアクリル系ウレタンをコーティングした後、紫外線硬化して形成できる。
【0020】
前記表示基板は、可撓性(flexible)基板であり得る。
【0021】
前記上部保護フィルムは、透明な材質からなり得る。
【0022】
本発明の実施形態にかかる表示パネルの製造方法は、セル単位でカッティングされた前記表示パネルの薄膜封止層から前記上部保護フィルムを除去するステップと、前記薄膜封止層に機能性層を付着させるステップとをさらに含むことができる。
【0023】
前記機能性層は、偏光フィルム(polarizer)であり得る。
【0024】
前記機能性層は、タッチスクリーンパネルであり得る。
【0025】
前記機能性層は、光効率または輝度増加フィルムであり得る。
【0027】
前記粘着剤層は、ステンレス鋼が被着剤の場合、0.2〜2kgf/inch.の粘着力を有するものであり得る。
【0029】
一方、本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法は、前記セル単位でカッティングするステップの後に、前記機能性層の上部に形成された機能性層保護フィルムと、前記セル外郭部の前記機能性層と、前記粘着剤層とを除去するセル外郭部の上部保護フィルム除去ステップをさらに含むことができる。
【0030】
前記セル外郭部の上部保護フィルム除去ステップは、前記表示素子層が形成された面に対応する前記機能性層と、前記粘着剤層の端部面とが、前記表示素子層の端部面と一致するように除去されるものであり得る。
【0031】
前記機能性層は、偏光フィルム(polarizer)であり得る。
【0032】
前記機能性層は、タッチスクリーンパネルであり得る。
【0033】
前記機能性層は、光効率または輝度増加フィルムであり得る。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施形態によれば、上部保護フィルムを付着させた後に製造工程を進行させるため、表示装置全体の厚さが増加し、基板自体で設備および自動化物流移動時の取り扱い上容易である。
【0037】
上部保護フィルムを薄膜封止層上に付着させることにより、薄膜封止層を保護し、外部のすり傷や、工程進行中に発生する異物による圧痕またはスクラッチなどによる損傷を防止することができる。
【0038】
上部保護フィルムとして透明な材質のものを使用することにより、表示パネルの良不良検査が可能で、設備上工程マーク(mark)の確認が可能なため、設備/工程の進行において制約がなくなる。
【0039】
既存の工程では、最初に偏光フィルムを付着させた状態で工程を進行させていたため、常に表示パネル上に偏光フィルムが付着したものとして製造されていたが、本発明の場合、偏光フィルムの代わりに、タッチスクリーンパネル、光効率または輝度増加フィルムなどの機能性層を上部保護フィルムの除去後に付着可能であり、表示パネル構造の自由度を増加させることができる。
【0040】
また、上部保護フィルムを機能性層を含むものとして構成し、上部保護フィルムを薄膜封止層上に維持することにより、上部保護フィルムの除去に伴って素子の物理的構造に影響を与えて不良が発生する可能性を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法を示すフローチャートである。
図2A】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図2B】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図2C】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図2D】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図2E】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図2F】本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる、上部保護フィルムが付着し、セル単位でカッティングされた状態の単位表示パネルを示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。
図5】本発明の他の実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態にかかる、上部保護フィルムにハードコーティング層が形成された様子を示す断面図である。
図7】本発明のさらに他の実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。
図9】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法を示すフローチャートである。
図10A】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図10B】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図10C】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図10D】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図10E】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
図10F】本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付した図面を参考にして、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0043】
また、様々な実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を用いて代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0044】
図面は概略的で縮尺に合わせて示されていないことを明らかにする。図面にある部分の相対的な寸法および比率は、図面における明確性および便宜のためにその大きさにおいて誇張されたり減少して示されており、任意の寸法は単に例示的なものであって限定的ではない。そして、2以上の、図面に示される同一の構造物、要素または部品には、同一の参照符号が類似の特徴を表すために使用される。ある部分が他の部分「の上に」または「上に」あると言及する場合、これは直に他の部分の上にあるか、その間に別の部分が伴っていてもよい。
【0045】
本発明の実施形態は、本発明の一実施形態を具体的に示す。その結果、図解の多様な変形が予想される。したがって、実施形態は、図示した領域の特定の形態に限定されず、例えば、製造による形態の変形も含む。
【0046】
以下、図1および図2Aないし図2Fを参照して、本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法を説明する。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法を示すフローチャートであり、図2Aないし図2Fは、本発明の一実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
【0048】
図1および図2Aないし図2Fを参照すれば、まず、ベース基板20上に、表示基板40と、表示基板40上に形成された表示素子層50と、表示素子層50上に形成された薄膜封止層30とを含む表示パネル100が提供される。この時、表示基板40は、可撓性(flexible)のポリイミド(PI、polyimide)基板であり得る。
【0049】
表示素子層50は、有機発光表示素子層であり得、薄膜封止層30は、1つ以上の有機層と1つ以上の無機層とが相互交互に積層形成される有無機複合膜からなり得る。薄膜封止層30により、表示素子層50は全体的にカバーされ、外気から保護できる。本発明において、薄膜封止層30に該当する図面は簡略に示している。
【0050】
表示基板40は、溶融後、2軸延伸して基板を製造する溶融−押出(extrusion)方式を利用して製造することができ、添加剤およびプラスチックを混合、溶解して流動性を確保した後、これを厚さの固定されたスリットダイ(slit die)を通過させながら溶媒を揮発させてプラスチック基板を成形する溶媒キャスター方法を利用して製造することができる。
【0051】
図2Aに示されるように、表示パネル100の薄膜封止層30に、本発明の実施形態にかかる上部保護フィルム10を付着させる(S101)。上部保護フィルム10は、初期にキャリアフィルム11と、粘着剤層12と、離型フィルム13とから構成され得、離型フィルム13が除去された後、粘着剤層12が薄膜封止層30に付着する。
【0052】
その後、図2Bに示されるように、表示パネル100の表示基板40からベース基板20を取り外す(S102)。表示基板40に付着したベース基板20は、パネルの取り扱い上有利な厚さを確保するためのものである。
【0053】
その後、図2Cに示されるように、ベース基板20が取り外された後の表示パネル100の表示基板40に下部フィルム60を付着させる(S103)。下部フィルム60は、表示基板40に付着し、表示基板40の表面が工程進行上損傷するのを防止する。
【0054】
その後、図2Dに示されるように、上部保護フィルム10および下部フィルム60が付着した表示パネル100をセル単位でカッティングする(S104)。前記セルカッティングは、レーザカッティングまたは物理的手段(例えば、ナイフ)による切断などの方法が利用可能である。こうして、図3に示した本発明の一実施形態にかかる単位表示パネル200が製造される。
【0055】
一方、本発明にかかる表示パネルの製造方法は、図2Eおよび図2Fに示されるように、セル単位でカッティングされた前記単位表示パネル200の薄膜封止層30から前記上部保護フィルム10を除去するステップ(S105)と、前記薄膜封止層30に機能性層70を付着させるステップ(S106)とをさらに含むことができる。
【0056】
図3は、本発明の一実施形態にかかる、上部保護フィルムが付着し、セル単位でカッティングされた状態の単位表示パネルを示す断面図である。図3を参照すれば、単位表示パネル200は、表示基板40と、表示素子層50と、薄膜封止層30とを含み、薄膜封止層30に上部保護フィルム10が付着し、表示基板40に下部フィルム60が付着する。
【0057】
単位表示パネル200は、液晶を含む液晶表示パネル、有機発光部を含む有機発光パネルであり得る。また、表示基板40は、透明な基板で、高分子フィルムのような可撓性(flexible)基板であり得る。表示素子層50は、表示基板40上に形成され、薄膜トランジスタ(TFT;thin film transistor)のような能動素子が形成されている素子領域と、発光層が形成されている発光領域とを含むことができる。薄膜封止層30は、表示素子層50上に形成され、前記表示基板40に対向する。薄膜封止層30は、外部から酸素および水分が流入するのを防止し、表示素子層50を保護することができる。
【0058】
薄膜封止層30は、1つ以上の有機層と1つ以上の無機層とが相互交互に積層形成できる。
【0059】
前記無機層または前記有機層は、それぞれ複数個であり得る。
【0060】
前記有機層は、高分子で形成され、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエチレンおよびポリアクリレートのうちのいずれか1つで形成される単一膜または積層膜であり得る。より好ましくは、前記有機層は、ポリアクリレートで形成され得、具体的には、ジアクリレート系モノマーとトリアクリレート系モノマーとを含むモノマー組成物が高分子化されたものを含む。前記モノマー組成物にモノアクリレート系モノマーがさらに含まれ得る。また、前記モノマー組成物にTPOのような公知の光開始剤がさらに含まれ得るが、これに限定されるものではない。
【0061】
前記無機層は、金属酸化物または金属窒化物を含む単一膜または積層膜であり得る。具体的には、前記無機層は、SiN、Al、SiO、TiOのうちのいずれか1つを含むことができる。
【0062】
前記薄膜封止層30のうち、外部に露出した最上層は、有機発光素子に対する透湿を防止するために無機層で形成できる。
【0063】
前記薄膜封止層30は、少なくとも2つの無機層の間に少なくとも1つの有機層が挿入されたサンドイッチ構造を少なくとも1つ含むことができる。また、前記薄膜封止層30は、少なくとも2つの有機層の間に少なくとも1つの無機層が挿入されたサンドイッチ構造を少なくとも1つ含むことができる。
【0064】
前記薄膜封止層30は、前記表示素子層50の上部から順次に第1無機層、第1有機層、第2無機層を含むことができる。また、前記薄膜封止層30は、前記表示素子層50の上部から順次に第1無機層、第1有機層、第2無機層、第2有機層、第3無機層を含むことができる。また、前記薄膜封止層30は、前記表示素子層50の上部から順次に第1無機層、第1有機層、第2無機層、第2有機層、第3無機層、第3有機層、第4無機層を含むことができる。
【0065】
前記表示素子層50と前記第1無機層との間にLiFを含むハロゲン化金属層が追加的に含まれ得る。前記ハロゲン化金属層は、前記第1無機層をスパッタリング方式またはプラズマ蒸着方式で形成する時、前記表示素子層50が損傷するのを防止することができる。
【0066】
前記第1有機層は、前記第2無機層より面積が狭いことを特徴とし、前記第2有機層も、前記第3無機層より面積が狭くてよい。また、前記第1有機層は、前記第2無機層によって完全に覆われることを特徴とし、前記第2有機層も、前記第3無機層によって完全に覆われ得る。
【0067】
上部保護フィルム10は、薄膜封止層30に付着する。上部保護フィルム10は、薄膜封止層30を保護することができる。薄膜封止層30は、薄い厚さの薄膜で、表示素子層50を構成する有機発光物質上に覆われているが、この薄膜封止層30は、外部のすり傷や、工程進行中に発生する異物による圧痕またはスクラッチ(scratch)などによる損傷が発生しやすい。これは、ディスプレイ上の暗点などの欠陥として現れるようになる。このような薄膜封止層30の損傷を防止するために、上部保護フィルム10を使用すると、工程進行中に上部保護フィルム10が薄膜封止層30の面を保護するため、工程進行上の制約をなくすことができる。
【0068】
上部保護フィルム10は、透明な材質からなり得る。上部保護フィルム10を透明なフィルムとして使用することにより、単位表示パネル200の良不良検査が可能である。また、設備上工程マーク(mark)の確認が可能なため、設備/工程の進行において制約がなくなる。
【0069】
下部フィルム60は、表示基板40に付着可能で、表示基板40の面が工程進行上損傷するのを防止する。
【0070】
図4は、本発明の一実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。図4を参照すれば、上部保護フィルム10は、キャリア(carrier)フィルム11と、粘着剤層12と、離型フィルム(liner)13とを含む。
【0071】
離型フィルム13は、粘着剤層12の汚染および外部接触を防止するための保護紙であって、上部保護フィルム10が薄膜封止層30に付着する前に除去され、粘着剤層12が薄膜封止層30に付着する。
【0072】
キャリアフィルム11は、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちのいずれか1つの物質からなり得る。
【0073】
キャリアフィルム11は、25マイクロメートル(μm)〜300マイクロメートル(μm)の厚さを有することができる。
【0074】
粘着剤層12は、薄膜封止層30に付着し、工程を進行する間に付着が維持されなければならず、後述するセルカッティング工程が完了すると、剥がして他の機能性層を付着させなければならないため、粘着力の上限/下限線が必要となる。粘着剤層12は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、1〜50gf/inch.の粘着力を有することができる。粘着剤層12が50gf/inch.を超える粘着力を有すると、工程進行中に上部保護フィルム10の剥がれ/外郭部外れ現象、または上部保護フィルム10の除去時に薄膜封止層30の損傷(表面膜の剥離など)を引き起こす。
【0075】
一方、粘着剤層12は、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)が被着剤の場合、3.7〜8.4gf/inch.の粘着力を有することができる。
【0076】
粘着剤層12は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系の低粘着フィルムであり得る。
【0077】
図5は、本発明の他の実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。図5を参照すれば、上部保護フィルム80は、第1キャリアフィルム81と、前記第1キャリアフィルム81の下部に形成された第1粘着剤層82と、前記第1粘着剤層82の下部に形成された第2キャリアフィルム83と、前記第2キャリアフィルム83の下部に形成された第2粘着剤層84と、前記第2粘着剤層84の下部に付着した離型フィルム(liner)85とから構成され得る。
【0078】
本発明の他の実施形態にかかる上部保護フィルム80は、第1キャリアフィルム81および第1粘着剤層82からなる上部フィルム(UF)と、第2キャリアフィルム83および第2粘着剤層84からなる下部フィルム(LF)とを含む二重構造の上部保護フィルム80である。離型フィルム85は、第2粘着剤層84の汚染および外部接触を防止するための保護紙であって、上部保護フィルム80が薄膜封止層30に付着する前に除去され、第2粘着剤層84が薄膜封止層30に付着する。
【0079】
第1キャリアフィルム81および第2キャリアフィルム83は、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちのいずれか1つの物質からなり得る。
また、第2キャリアフィルム83は、25マイクロメートル(μm)〜300マイクロメートル(μm)の厚さを有することができる。
【0080】
第2粘着剤層84の粘着力は、先に説明したように、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、1〜50gf/inch.の粘着力を有することができ、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)が被着剤の場合、3.7〜8.4gf/inch.の粘着力を有することができる。このように、変形した上部保護フィルム80の構造は二重の構造となっている。
【0081】
第1粘着剤層82の粘着力は、第2粘着剤層84の粘着力と同一であるか小さくてよく、第1粘着剤層82なしに、第1キャリアフィルム81および第2キャリアフィルム83が静電気力または表面張力による接合力でくっ付いていてもよい。
【0082】
先に説明した1段の構造として上部保護フィルム10を用いる場合、設備および物流を進行しながら設備ステージの真空ホール(vacuum hole)などによるスクラッチが発生し得、このスクラッチが後工程設備のビジョンアライン(vision align)またはパネルビジョン検査において不良を引き起こすことがある。したがって、本実施形態の上部保護フィルム80の構造では、ビジョン検査の進行時、第1キャリアフィルム81を除去してビジョン検査を進行できるようにする。
【0083】
図6は、本発明のさらに他の実施形態にかかる、上部保護フィルムにハードコーティング層が形成された様子を示す断面図である。図6を参照すれば、上部保護フィルムの上部にハードコーティング(hard coating)層94がさらに形成される。この時、上部保護フィルムの上部にハードコーティング層94がさらに含まれる構造は、先に説明した一重または二重の上部保護フィルム構造にすべて適用可能である。図6は、一重のキャリアフィルム91と、粘着剤層92と、離型フィルム93とから構成された上部保護フィルムにハードコーティング層94が形成された様子を示す。
【0084】
ハードコーティング層94は、上部保護フィルムの上部のキャリアフィルム91に、アクリル(Acryl)系ウレタン(Urethane)を表面にコーティングした後、紫外線(UV)照射によって硬化して形成できる。
【0085】
ハードコーティング層94は、3マイクロメートル(μm)〜4マイクロメートル(μm)の厚さを有することができる。
【0086】
ハードコーティング層94は、設備および物流を進行しながら上部保護フィルムのキャリアフィルム91にスクラッチが発生するのを防止する。ハードコーティング層94も、上部保護フィルムと同様に、透明な材質からなり得、ハードコーティング層94と上部保護フィルムが付着した状態でビジョンアラインまたはパネルビジョン検査を行うことができるようにする。
【0087】
一方、本発明にかかる表示パネルの製造方法は、図2Aないし図2Dに示された工程図に続き、図2Eおよび図2Fに示されるように、セル単位でカッティングされた前記単位表示パネル200の薄膜封止層30から前記上部保護フィルム10を除去するステップ(S105)と、前記薄膜封止層30に機能性層70を付着させるステップ(S106)とをさらに含むことができる。
【0088】
この時、前記機能性層70は、偏光フィルム(polarizer)であり得、タッチスクリーンパネル(touch screen panel)であり得、光効率または輝度増加フィルムであり得る。
【0089】
セル単位でカッティングされた単位表示パネル200において、上部保護フィルム10を除去し、薄膜封止層30に、前記のような多様な目的による機能性層70を付着させることにより、既存に比べて選択の範囲が広くなる。例えば、有機発光表示パネルには、偏光フィルムを付着させたり、タッチスクリーンパネルを付着させたりすることができる。既存の工程では、最初に偏光フィルムを付着させた状態で工程を進行したため、常に表示パネル上に偏光フィルムが付着していたが、本発明では、偏光フィルムの代わりに、タッチスクリーンパネルを付着させる選択性を有することができる。
【0090】
また、偏光フィルムまたはタッチスクリーンパネルのほか、光効率増加フィルム、輝度増加フィルムなどをセル単位でカッティングされた状態で付着することができ、表示パネル構造の自由度を増加させることができる。偏光フィルムとタッチスクリーンパネルの場合、マザー状態で作ると、収率および面積の損害が大きく、上部フィルムとして直接製作するには無理があるため、臨時的な上部保護フィルムを使用すると、前記のような構造の自由度に大きな強みを持つようになる。
【0091】
図7は、本発明のさらに他の実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。図7を参照すれば、上部保護フィルム700は、機能性層702自体を含むものであり得る。つまり、上部保護フィルム700は、機能性層702と、機能性層702の上部に形成された機能性層保護フィルム701と、機能性層702の下部に形成された粘着剤層703と、粘着剤層703の下部に付着した離型フィルム704とから構成され、離型フィルム704が除去され、粘着剤層が薄膜封止層30に付着できる。
【0092】
この時、粘着剤層703は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、約0.2〜2kgf/inch.の粘着力を有することができる。また、粘着剤層703は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系の低粘着フィルムであり得る。
【0093】
また、機能性層702は、偏光フィルムであり得、タッチスクリーンパネルであり得、光効率または輝度増加フィルムであり得る。
【0094】
図8は、本発明のさらに他の実施形態にかかる上部保護フィルムの断面図である。図8を参照すれば、上部保護フィルム800は、前記図7に示された上部保護フィルム700にダミー保護フィルム805をさらに含むものであり得る。つまり、上部保護フィルム800は、機能性層802と、機能性層802上に形成された機能性層保護フィルム801と、機能性層保護フィルム801の上部に形成されたダミー保護フィルム805と、機能性層802の下部に形成された粘着剤層803と、粘着剤層803の下部に付着した離型フィルム804とから構成され、離型フィルム804が除去され、粘着剤層803が薄膜封止層30に付着できる。
【0095】
粘着剤層803は、ステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤の場合、約0.2〜2kgf/inch.の粘着力を有することができる。また、粘着剤層803は、シリコーン(Silicone)、アクリル(Acryl)、ウレタン(Urethane)系のフィルムであり得る。また、機能性層802は、偏光フィルムであり得、タッチスクリーンパネルであり得、光効率または輝度増加フィルムであり得る。
【0096】
図9は、本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法を示すフローチャートであり、図10Aないし図10Fは、本発明の他の実施形態にかかる表示パネルの製造方法の各ステップを示す工程図である。
【0097】
図9および図10Aないし図10Fを参照すれば、まず、ベース基板120上に、表示素子層150が形成された表示基板140を封止する薄膜封止層130を備えた表示パネルが提供される。この時、表示基板140の外郭部は露出しており、表示基板140の外郭部にはパッド部が形成されるため、セルカッティング後、パッド部が外部に開放されるようにするためのものである。
【0098】
図10Aおよび図10Bに示されるように、上部保護フィルム700の、表示素子層150が形成された面を除いたセル外郭部142には、機能性層702と、粘着剤層703と、離型フィルム704とが残るようにハーフカッティング(half cutting)する(S901)。この時、ハーフカッティング線HCは、断面上、機能性層保護フィルム701の厚さの一部までのみカッティングし、以降のセル単位カッティング後、セル外郭部142の離型フィルム704、粘着剤層703、機能性層702、および機能性層保護フィルム701が共に除去できるようにする。セル外郭部142の離型フィルム704が残るようにカッティングされるため、セル外郭部142を基準として両側にハーフカッティング線HCは2つの線から形成可能である。
【0099】
その後、図10Bに示されるように、表示素子層150が形成された面の離型フィルムが除去され、ハーフカッティングされた上部保護フィルム700を薄膜封止層130に付着させる(S902)。この時、表示素子層150に対応する薄膜封止層130に上部保護フィルム700の粘着剤層703が付着する。
【0100】
その後、図10Cに示されるように、表示基板からベース基板120を取り外す(S903)。表示基板に付着したベース基板120は、パネルの取り扱い上有利な厚さを確保するためのものである。
【0101】
その後、図10Dに示されるように、ベース基板120が取り外された後の表示基板に下部フィルム160を付着させる(S904)。下部フィルム160は、表示基板に付着し、表示基板の表面が工程進行上損傷するのを防止する。
【0102】
その後、図10Eに示されるように、上部保護フィルム700および下部フィルム160が付着した表示パネルをセル単位でカッティングする(S905)。セルカッティングは、レーザカッティングまたは物理的手段(例えば、ナイフ)による切断などの方法が利用可能である。この時、セル外郭部142を基準として両側に形成された2つのハーフカッティング線HCのうち、表示素子層150が形成された面およびセル外郭部142を含むハーフカッティング線HCをカッティングする。
【0103】
その後、図10Fに示されるように、セル単位でカッティングされた単位表示パネルにおいて、セル外郭部142の上部保護フィルム700を除去する(S906)。つまり、機能性層702の上部に形成された機能性層保護フィルム701と、セル外郭部142の機能性層702と、粘着剤層703と、離型フィルム704とを除去する(S906)。ここでは、先に説明したように、セル外郭部142を基準として両側に形成された2つのハーフカッティング線のうち、他の1つのハーフカッティング線HCに沿って機能性層702、粘着剤層703、および離型フィルム704がすでにカッティングされた状態であるため、機能性層保護フィルム701を剥がすと、簡単にセル外郭部142の機能性層702、粘着剤層703、離型フィルム704が除去される。
【0104】
セル外郭部の上部保護フィルム除去ステップ(S906)は、表示素子層150が形成された面に対応する機能性層702と、粘着剤層703の端部面とは、表示素子層150の端部面と一致するように除去され得る。
【0105】
一方、図9および図10Aないし図10Fで説明した上部保護フィルム700は、機能性層保護フィルム701上にダミー保護フィルムをさらに含むものであり得る。また、機能性層702は、偏光フィルム、タッチスクリーンパネルであり得、光効率または輝度増加フィルムであり得る。また、粘着剤層703は、紫外線(ultra violet)によって粘着力が変化するものであり得る。セル外郭部142で離型フィルム704を残す場合、段差によるバブルの問題が発生するため、これを防止するための方策として、粘着剤層703を紫外線によって粘着力が変化可能な材料として使用することにより、段差を除去することができる。
【0106】
このように、本発明の実施形態にかかる表示パネルの製造方法により、上部保護フィルムを薄膜封止層に付着させて工程を進行させることにより、設備および自動化物流移動時の取り扱い上容易であり、薄膜封止層を保護し、外部のすり傷や、工程進行中に発生する異物による圧痕またはスクラッチなどによる損傷を防止することができ、上部保護フィルムを透明な材質として使用することにより、表示パネルの良不良検査が可能で、設備上工程マークの確認が可能なため、設備/工程の進行において制約がなくなる。また、上部保護フィルムの除去後、タッチスクリーンパネル、光効率または輝度増加フィルムなどの機能性層を付着させることができ、表示パネル構造の自由度を増加させることができる。
【0107】
また、上部保護フィルムを機能性層を含むものとして構成し、上部保護フィルムを薄膜封止層上に維持することにより、上部保護フィルムの除去に伴う素子の物理的構造に影響を与えて不良が発生する可能性を除去することができる。
【0108】
本発明を上述したように好ましい実施形態を通じて説明したが、本発明は、これに限定されず、以下に記載する特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正および変形が可能であることを、本発明の属する技術分野に従事する者は容易に理解するはずである。
【符号の説明】
【0109】
10:上部保護フィルム
20:ベース基板
30:薄膜封止層
40:表示基板
50:表示素子層
60:下部フィルム
70:機能性層
11、91:キャリアフィルム
12、92:粘着剤層
13、85、93:離型フィルム
81:第1キャリアフィルム
82:第1粘着剤層
83:第2キャリアフィルム
84:第2粘着剤層
94:ハードコーティング層
142:セル外郭部
HC:ハーフカッティング線
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F