(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来の換気構造のダクトは、屋外連通路から室内連通路に亘って同一な軸断面の一本の通路であるため、十分な消音効果を得ることができないとともに、ダクトを通じて室内に外気が吹き込み易いという問題がある。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決し、建物の内外における遮音効果を高めるとともに、室内に外気が吹き込むのを抑えることができる換気構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、外壁と内壁材との間を通じて外気を室内に取り入れるための換気構造である。本発明の換気構造は、前記外壁に形成された屋外連通路と、前記内壁材に形成された室内連通路と、前記屋外連通路および前記室内連通路に連通する第一チャンバーと、を備え、前記屋外連通路と前記室内連通路とが対向していない
構成である。前記室内連通路の室内側の開口部は、網状の下地材が嵌め込まれるとともに、通気性を有する壁紙によって覆われている。前記壁紙は、前記下地材の室内側の面に貼り付けられるとともに、前記内壁材の室内側の面に貼り付けられた他の壁紙と同一面を構成している。
【0008】
この構成では、第一チャンバー内に音波が進入すると、第一チャンバー内で音波が拡散され、音波が反射および干渉するため、第一チャンバー内で消音することができる。
また、第一チャンバー内に外気が流入すると、第一チャンバー内で外気が拡散され、外気が反射および干渉するため、第一チャンバー内で外気の流速を低下させることができる。さらに、外気が第一チャンバー内を通過するために要する時間が長くなるため、第一チャンバー内で外気の温度を上げることができる。
また、屋外連通路と室内連通路とが対向しておらず、第一チャンバー内で音波や外気が多重反射するため、消音効果を高めるとともに、外気の流速を十分に低下させることができる。
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の他の構成は、外壁と内壁材との間を通じて外気を室内に取り入れるための換気構造である。本発明の換気構造は、前記外壁に形成された屋外連通路と、前記内壁材に形成された室内連通路と、前記屋外連通路に連通する第一チャンバーと、前記室内連通路に連通する第二チャンバーと、前記第一チャンバーと前記第二チャンバーとの間に設けられた中間チャンバーと、を備えている。さらに、本発明の換気構造は、前記第一チャンバー内と前記中間チャンバー内とを連通させる第一接続路と、前記中間チャンバー内と前記第二チャンバー内とを連通させる第二接続路と、を備えている。
前記室内連通路の室内側の開口部は、網状の下地材が嵌め込まれるとともに、通気性を有する壁紙によって覆われている。前記壁紙は、前記下地材の室内側の面に貼り付けられるとともに、前記内壁材の室内側の面に貼り付けられた他の壁紙と同一面を構成している。
【0010】
この構成では、チャンバー同士の内部空間が接続路を通じて連通している。これにより、換気構造を通過する外気や音は、チャンバー内の広い空間と、接続路内の狭い空間とを交互に通過することになる。
そして、チャンバー内に音波が進入すると、チャンバー内で音波が拡散され、音波が反射および干渉するため、チャンバー内で消音することができる。
また、チャンバー内に外気が流入すると、チャンバー内で外気が拡散され、外気が反射および干渉するため、チャンバー内で外気の流速を低下させることができる。さらに、外気がチャンバー内を通過するために要する時間が長くなるため、チャンバー内で外気の温度を上げることができる。
【0011】
なお、前記した換気構造の中間チャンバーにおいて、第一接続路に連通する第一開口部と、第二接続路に連通する第二開口部と、が対向しないように構成することが望ましい。
この構成では、中間チャンバー内で音波や外気が多重反射するため、消音効果を高めるとともに、外気の流速を十分に低下させることができる。
【0012】
本発明の換気構造では、前記室内連通路の室内側の開口部は、網状の下地材が嵌め込まれるとともに、通気性を有する壁紙によって覆われている
。
この構成では、壁紙によって室内連通路の開口部が目立たなくなるため、室内連通路の開口面積を大きくしても、美観が損なわれ難くなる。なお、室内連通路の開口面積を大きくすると、室内連通路から室内に流入する外気の流速を低下させることができる。
【0013】
屋外連通路から第一チャンバー内に流入した外気が第一チャンバーの内面に当たると、その衝撃で第一チャンバーが振動して音が発生し、第一チャンバーから室内に音が伝わる場合がある。そこで、前記第一チャンバー内において、前記屋外連通路に連通する開口部に対向する位置に緩衝材を設けることが望ましい。
この構成では、屋外連通路から第一チャンバー内に流入した外気は緩衝材に当たるため、第一チャンバーの振動を抑えることができる。
なお、緩衝材に傾斜面を形成したり、緩衝材を第一チャンバーの内面から離間させたりすることで、第一チャンバーの振動をより効果的に抑えることができる。
【0014】
また、前記した換気構造において、屋外連通路の第一チャンバー側の端部には、屋外連通路と第一チャンバーとの連結部に向かうに従って軸断面が拡大された拡散部を形成してもよい。
この構成では、屋外連通路から第一チャンバー内に流入した外気は、拡散部を通過することで拡散されるため、外気が第一チャンバーの内面に衝突したときの衝撃を小さくすることができ、第一チャンバーの振動を抑えることができる。
【0015】
また、前記した換気構造において、内壁材と第一チャンバーとを離間させた場合には、第一チャンバーの振動が内壁材に伝わるのを防ぐことができる。
【0016】
また、前記した換気構造において、外壁の内面には断熱材が積層されている場合には、第一チャンバー、中間チャンバーおよび第二チャンバーの少なくとも一つが断熱材に接しているように構成することが望ましい。
この構成では、断熱材によってチャンバーの温度低下が抑えられるため、チャンバー内を通過する外気の温度を効果的に上げることができ、室内に流入する空気の温度を室温に近づけることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の換気構造では、外気や音がチャンバー内を通過するため、十分な消音効果を得ることができ、建物の内外における遮音効果を高めることができる。また、本発明の換気構造では、チャンバー内を外気の流速を低下させるとともに、チャンバー内で外気の温度を上げることができるため、室内に冷気が吹き込むのを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0020】
[第一実施形態]
第一実施形態では、第三種換気システムを備えている住宅に本発明の換気構造を適用した場合について説明する。
住宅の壁部2は、
図2に示すように、コンクリート壁やサイディング等の外壁3と、石膏ボード等の内壁材4とが間隔を空けて配置された二重壁である。外壁3の室内2b側の面3aには発泡樹脂等の断熱材5が積層されている。
【0021】
換気構造1Aは、外壁3と内壁材4との間を通じて、外気を室内2bに取り入れるものである。
換気構造1Aは、外壁3および断熱材5に形成された屋外連通路10と、内壁材4に形成された室内連通路20と、外壁3と内壁材4との間に設けられた三つのチャンバー30,40,50と、各チャンバー30,40,50の間に介設された二つの接続路60,70と、を備えている。
【0022】
屋外連通路10は、外壁3および断熱材5の下部に形成された円形断面の貫通穴である(
図1参照)。屋外連通路10には円筒状の通気管11が内嵌されている。なお、通気管11の内周面にグラスウール等の吸音材を貼り付けてもよい。
【0023】
室内連通路20は、内壁材4に形成された矩形の貫通穴である。室内連通路20は、屋外連通路10よりも上方に配置されている。室内連通路20の室内2b側の開口部には、矩形の下地材21が内嵌されている(
図1参照)。
【0024】
下地材21は、
図1に示すように、矩形の枠体22と、枠体22内に設けられた網状部材23と、枠体22の室内2b側の開口部を覆っている壁紙24と、を備えている。
壁紙24は、
図2に示すように、枠体22の開口縁部および網状部材23の室内2b側の面に貼り付けられている。
また、壁紙24は通気性を有している。そして、壁紙24は、枠体22および網状部材23によって強度を確保しつつ、室内連通路20から室内2bへの空気の流通を確保している。
【0025】
壁紙24によって室内連通路20の室内2b側の開口部が覆われている。壁紙24は内壁材4の室内2b側の面4bに貼り付けられた壁紙8と同一面を構成している。両壁紙8,24は同じデザインにして、室内2b側から壁面を見たときに、室内連通路20を目立たないようにすることが望ましい。
【0026】
三つのチャンバー30,40,50は、
図1に示すように、屋外連通路10に連通する第一チャンバー30と、室内連通路20に連通する第二チャンバー40と、第一チャンバー30と第二チャンバー40との間に設けられた中間チャンバー50と、から構成されている。
各チャンバー30,40,50は、直方体の箱体であり、アクリル板等のプラスチック材料によって形成されている。
なお、各チャンバー30,40,50の材料は限定されるものではなく、例えば、段ボール等の紙や木材を用いてもよい。また、各チャンバー30,40,50の内面にグラスウール等の吸音材を貼り付けてもよい。
【0027】
チャンバー30,40,50は、
図2に示すように、断熱材5と内壁材4との間において上下方向に並べられている。さらに、チャンバー30,40,50は、
図1に示すように、外壁3と内壁材4との間に設けられた縦材6,6の間に配置されている。
【0028】
第一チャンバー30は、
図2に示すように、壁部2の下部に配置されている。第一チャンバー30の屋外2a側の壁部30aは、粘着テープ等の固定手段によって断熱材5に固定されている。
第一チャンバー30の室内2b側の壁部30bと、内壁材4の屋外2a側の面4aとは離間している。また、第一チャンバー30の下側の壁部30cとスラブ7の上面とは離間している。
【0029】
第一チャンバー30の屋外2a側の壁部30aには、屋外連通路10に連通する流入口31(特許請求の範囲における「開口部」)が開口している。第一実施形態では、
図1に示すように、第一チャンバー30の屋外2a側の壁部30aにおいて、
図1の右側となる部位に流入口31が開口している。
【0030】
図2に示すように、第一チャンバー30の内部には板状の緩衝材33が設けられている。緩衝材33は、第一チャンバー30の室内2b側の壁部30bの内面において、流入口31に対向する面に取り付けられている。緩衝材33には傾斜面33aが形成されており、傾斜面33aは流入口31に対向している。傾斜面33aによって緩衝材33の板厚は、上下両縁部から上下方向の中央に向かうに従って大きくなっている。
【0031】
図1に示すように、第一チャンバー30の上側の壁部30dには、第一接続路60に連通する流出口32が開口している。流出口32は、上側の壁部30dにおいて、
図1の左側かつ室内2b側となる部位に開口している(
図2参照)。
【0032】
中間チャンバー50は、第一チャンバー30の上方に配置されている。
図2に示すように、中間チャンバー50の下側の壁部50cと第一チャンバー30の上側の壁部30dとは離間している。
中間チャンバー50は、第一チャンバー30と同様に、屋外2a側の壁部50aは断熱材5に固定され、室内2b側の壁部40bと内壁材4の屋外2a側の面4aとは離間している。
【0033】
図1に示すように、中間チャンバー50の下側の壁部50cには、第一接続路60に連通する流入口52(特許請求の範囲における「第一開口部」)が開口している。流入口52は、下側の壁部50cにおいて、
図1の左側かつ室内2b側となる部位に開口している(
図2参照)。
また、中間チャンバー50の上側の壁部50dには、第二接続路70に連通する流出口53(特許請求の範囲における「第二開口部」)が開口している。流出口53は、上側の壁部50dにおいて、
図1の右側かつ屋外2a側となる部位に開口している(
図2参照)。
中間チャンバー50では、流入口52と流出口53とが上下方向に対向しない位置に配置されている。すなわち、流入口52と流出口53とは一直線上に配置されておらず、壁部2の厚さ方向および幅方向にずれている。
【0034】
第二チャンバー40は、中間チャンバー50の上方に配置されている。
図2に示すように、第二チャンバー40の下側の壁部40cと中間チャンバー50の上側の壁部50dとは離間している。
第二チャンバー40の屋外2a側の壁部40aは、粘着テープ等の固定手段によって断熱材5に固定されている。
【0035】
第二チャンバー40の室内2b側の一面には、室内連通路20に連通する流出口41が開口している(
図1参照)。
図1に示すように、第二チャンバー40の下側の壁部40dには、第二接続路70に連通する流入口42が開口している。流入口42は、下側の壁部40dにおいて、
図1の右側かつ屋外2a側となる部位に開口している(
図2参照)。
【0036】
第一接続路60は、第一チャンバー30の内部空間と中間チャンバー50の内部空間とを連通させる筒状の部材である(
図2参照)。第一接続路60の下端開口部は、第一チャンバー30の流出口32に連通している。また、第一接続路60の上端開口部は、中間チャンバー50の流入口52に連通している。
【0037】
第二接続路70は、中間チャンバー50の内部空間と第二チャンバー40の内部空間とを連通させる筒状の部材である(
図2参照)。第二接続路70の下端開口部は、中間チャンバー50の流出口53に連通している。また、第二接続路70の上端開口部は、第二チャンバー40の流入口42に連通している。
なお、第一接続路60および第二接続路70の内周面にグラスウール等の吸音材を貼り付けてもよい。
【0038】
換気構造1Aでは、
図2に示すように、屋外連通路10から第一チャンバー30内に外気が流入する。また、第一チャンバー30内に流入した外気は、第一接続路60を通じて中間チャンバー50に流入する。さらに、中間チャンバー50内に流入した外気は、第二接続路70を通じて第二チャンバー40に流入する。そして、第二チャンバー40内に流入した外気は、室内連通路20を通じて室内2bに流入する。このようにして、換気構造1Aでは、外気を室内2bに取り入れることができる。
【0039】
以上のような換気構造1Aでは、
図2に示すように、チャンバー30,40,50同士の内部空間が接続路60,70を通じて連通している。これにより、換気構造1Aを通過する外気や音は、チャンバー30,40,50内の広い空間と、接続路60,70内の狭い空間とを交互に通過することになる。
【0040】
そして、各チャンバー30,40,50内に音波が進入すると、各チャンバー30,40,50内で音波が拡散され、音波が反射および干渉するため、各チャンバー30,40,50内で消音することができる。したがって、換気構造1Aでは、十分な消音効果を得ることができ、建物の内外における遮音効果を高めることができる。
【0041】
また、各チャンバー30,40,50内に外気が流入すると、各チャンバー30,40,50内で外気が拡散され、外気が反射および干渉するため、各チャンバー30,40,50内で外気の流速を低下させることができる。さらに、外気が各チャンバー30,40,50内を通過するために要する時間が長くなるため、各チャンバー30,40,50内で外気の温度を上げることができる。したがって、換気構造1Aでは、室内2bに冷気が吹き込むのを防ぐことができる。
【0042】
また、中間チャンバー50では、流入口52と流出口53とが対向しない位置に配置されており、中間チャンバー50内で音波や外気が多重反射するため、消音効果を高めるとともに、外気の流速を十分に低下させることができる。
【0043】
また、室内連通路20の室内2b側の開口部は、網状の下地材21が嵌め込まれるとともに、通気性を有する壁紙24によって覆われている。この構成では、壁紙24によって室内連通路20の開口部が目立たなくなるため、室内連通路20の開口面積を大きくしても、美観が損なわれ難くなる。なお、室内連通路20の開口面積を大きくすると、室内連通路20から室内2bに流入する外気の流速を低下させることができる。
【0044】
また、各チャンバー30,40,50は断熱材5に固定されており、断熱材5によって各チャンバー30,40,50の温度低下が抑えられているため、各チャンバー30,40,50内を通過する外気の温度を効果的に上げることができ、室内2bに流入する空気の温度を室温に近づけることができる。
【0045】
また、第一チャンバー30内において、屋外連通路10に連通する流入口31に対向する面には緩衝材33が設けられており、第一チャンバー30の内面が補強されている。この構成では、屋外連通路10から第一チャンバー30内に流入した外気は緩衝材33の傾斜面33aに当たるため、第一チャンバー30の振動を抑えることができる。さらに、内壁材4と第一チャンバー30とが離間しているため、第一チャンバー30の振動が内壁材4に伝わるのを防ぐことができる。
【0046】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、第一実施形態では、
図2に示すように、第一チャンバー30と第二チャンバー40との間に一つの中間チャンバー50が設けられているが、第一チャンバー30と第二チャンバー40との間に複数の中間チャンバー50を設けてもよい。この構成では、外気が通過する中間チャンバー50が増えることで、建物の内外における遮音効果をより高めるとともに、室内2bに冷気が吹き込むのを確実に防ぐことができる。
【0047】
第一実施形態では、
図1に示すように、チャンバー30,40,50同士の間に一つの接続路60,70が設けられているが、チャンバー30,40,50同士の間に複数の接続路60,70を設けてもよい。
【0048】
また、第一実施形態では、
図2に示すように、各チャンバー30,40,50が断熱材5に接しているが、各チャンバー30,40,50と断熱材5とを離間させてもよい。
また、第一実施形態では、第一チャンバー30および中間チャンバー50と、内壁材4とが離間しているが、第一チャンバー30および中間チャンバー50を内壁材4に固定してもよい。
【0049】
また、屋外連通路10、室内連通路20、各チャンバー30,40,50および各接続路60,70の内面に吸音材を貼り付けてもよい。このように、吸音材を設けることで、建物の内外における遮音効果を高めることができる。
【0050】
また、第一実施形態では、屋外連通路10の上方に室内連通路20が配置されているが、室内連通路20を壁部2の下部に配置し、室内連通路20の上方に屋外連通路10を配置してもよい。この場合には、第二チャンバー40が中間チャンバー50の下方に配置され、第一チャンバー30が中間チャンバー50の上方に配置される。
【0051】
また、第一実施形態では、第一チャンバー30の内面に緩衝材33が取り付けられているが、
図3(a)に示すように、第一チャンバー30の内面から緩衝材34を離間させ、棒状の支持部材34aによって、緩衝材34を第一チャンバー30の内面に支持させてもよい。
この構成では、緩衝材34の振動が第一チャンバー30に伝わり難くなるので、第一チャンバー30の振動をより効果的に抑えることができる。
【0052】
また、
図3(b)に示すように、屋外連通路10の第一チャンバー30側の端部には、第一チャンバー30との連結部に向かうに従って軸断面が拡大された拡散部12を形成してもよい。
この構成では、屋外連通路10から第一チャンバー30内に流入した外気は、拡散部12を通過することで拡散される。さらに、拡散部12内には、外気を拡散させる複数の羽板からなるルーバー12aを設けられている。これにより、外気が第一チャンバー30の内面に衝突したときの衝撃を小さくすることができ、第一チャンバー30の振動を抑えることができる。
【0053】
[第二実施形態]
次に第二実施形態の換気構造1Bについて説明する。
第二実施形態の換気構造1Bは、
図4に示すように、第一実施形態の換気構造1A(
図1参照)と略同様な構成であり、各チャンバー30,40,50の連結構造が異なっている。
【0054】
第二実施形態の換気構造1Bでは、各チャンバー30,40,50が上下方向に連続して形成されている。
換気構造1Bでは、第一チャンバー30と中間チャンバー50との間は第一仕切り壁81によって仕切られており、中間チャンバー50と第二チャンバー40との間は第二仕切り壁82によって仕切られている。
また、換気構造1Bでは、第一仕切り壁81に第一接続路61が開口し、第二仕切り壁82に第二接続路71が開口している。
【0055】
第二実施形態の換気構造1Bでは、各チャンバー30,40,50をコンパクトに配置することができ、設置スペースを小さくすることができる。
なお、第二実施形態についても、前記第一実施形態と同様に、前記第二実施形態の構成に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
【0056】
[第三実施形態]
次に第二実施形態の換気構造1Cについて説明する。
第三実施形態の換気構造1Cは、
図5に示すように、第一実施形態の換気構造1A(
図1参照)と略同様な構成であり、チャンバーが一つである点が異なっている。
【0057】
第三実施形態の換気構造1Cは、外壁3に形成された屋外連通路10と、内壁材4に形成された室内連通路20と、屋外連通路10および室内連通路20に連通する第一チャンバー90と、を備えている。換気構造1Cでは、屋外連通路10と室内連通路20とが対向しておらず、壁部2の高さ方向にずれている。
そして、第一チャンバー90には、屋外連通路10に連通する流入口91と、室内連通路20に連通する流出口92と、が開口している。この流入口91および流出口92は対向していない。すなわち、流入口91と流出口92とは一直線上に配置されておらず、壁部2の高さ方向にずれている。
【0058】
第三実施形態の換気構造1Cでは、第一実施形態の換気構造1A(
図2参照)と同様に、十分な消音効果を得ることができ、建物の内外における遮音効果を高めることができる。また、第三実施形態の換気構造1Cでは、第一チャンバー90内を外気の流速を低下させるとともに、第一チャンバー90内で外気の温度を上げることができるため、室内に冷気が吹き込むのを防ぐことができる。
さらに、第三実施形態の換気構造1Cでは、また、屋外連通路10と室内連通路20とが対向しておらず、第一チャンバー90内で音波や外気が多重反射するため、消音効果を高めるとともに、外気の流速を十分に低下させることができる。