【実施例】
【0017】
以下、本発明の車両用昇降装置におけるプラットホームの前フラッパ装置を図面に示す実施例により説明すると、本発明の実施例の車両用昇降装置におけるプラットホームの前フラッパ装置1が配備される車両用昇降装置2は、車両3の出入口4に臨む車室床面5に昇降機構6が配備され、プラットホーム7は昇降機構6の作動により車室床面5と路面8との間を昇降するように構成され、車椅子使用者がプラットホーム7に乗車し車両3への乗降に使用される。
【0018】
前記本発明の実施例の車両用昇降装置におけるプラットホームの前フラッパ装置1は、昇降機構6の左サイドフレーム9aの下端部9a1と右サイドフレーム9bの下端部9b1に差渡された連結プレート10の前端部に、前フラッパプレート13の基端が軸支されると共に起立付勢用スプリングにより付勢されて起立自在に配備される実施例として、起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12により前フラッパプレート13の基端が取付けられて起立自在に付勢されて軸支されると共に、前フラッパプレート13が所要の起立角を維持する為に、前フラッパプレート13の基端を下方へ所要幅延長し、該延長部分を下方へ略直角に折曲してストッパ部14を形成し、該ストッパ部14を前記蝶番12の軸結部12aの外周を半回し、該ストッパ部14の内面14aを連結プレート10の前端部の下面に連接するように配備している。
【0019】
実施例では連結プレート10は、左サイドフレーム9aの下端部9a1と右サイドフレーム9bの下端部9b1に差渡された連結フレーム15上に取り付けられてもよく、その際に連結プレート10の前端部は連結フレーム15の前縁より所要幅突出させて配備している。
【0020】
前記連結プレート10の前端部の起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12の一方展開部取付部16は、連結プレート10の上面10bより低位置に設けるため、連結プレート10の前端部に方形の切欠き部10a1を設けると共に、該切欠き部10a1に裏側より閉塞板17を取付けて閉塞し、該閉塞板17の上面を取付面に設け、かつ該閉塞板17の前縁17aを前記ストッパ部14の後縁と適正に突合する位置に形成して設けている。そして、蝶番12の一方展開部取付部16に起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12の一方展開部12bを取付けている。
【0021】
前記起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12の他方展開部12cに前フラッパプレート13の基端13aを取付けている。前記前フラッパプレート13は仲介座板18を起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12の他方展開部12cとの間に配してストッパ部14の後縁の回動半径が大きくなるように設けている。
【0022】
前記前フラッパプレート13を取り付ける起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12は、
図1に示すように、左右端の二箇所と中間二箇所の四箇所に配備される。
【0023】
前記昇降機構6は、車両3の出入口4の近傍の車両床面5に設置する底板19上に左右に離隔して左台枠20aと右台枠20bを立設し、この左台枠20aに左アッパーアーム21aと左ロアアーム22aを前後に対応させて夫々の下端部を支軸23、支軸24により軸支し、右台枠20bに右アッパーアーム21bと右ロアアーム22bを前後に対応させて夫々の下端部を同様に軸支し、前記左アッパーアーム21aと左ロアアーム22aの夫々上端部を左サイドフレーム9aの上端部9a2に前後に離隔して支軸25、支軸26により軸支し、前記右アッパーアーム21bと右ロアアーム22bの夫々上端部を右サイドフレーム9bの上端部9b2に前後に離隔して同様に軸支してなる。この左サイドフレーム9aの下端部9a1と右サイドフレーム9bの下端部9b1には、前述のように、連結プレート10と連結フレーム15が差渡されて配備される。
【0024】
前記左アッパーアーム21aの上端部を左サイドフレーム9aの上端部9a2に軸支する支軸25と、左ロアアーム22aの下端部を左台枠20aに軸支する支軸23には、ピストンとシリンダーからなる油圧動力装置27が配備される。
【0025】
前記右アッパーアーム21bの上端部を右サイドフレーム9bの上端部9b2に軸支する支軸と、右ロアアーム22bの下端部を右台枠20bに軸支する支軸には同様の油圧動力装置が配備される。
【0026】
左サイドフレーム9aの後面に係着自在の左ゲートフレーム28aと右サイドフレーム9bの後面に配備された縦軸29に転回可能に軸支された右ゲートフレーム28bに前端部の両側が枢軸30a、30bにより枢支されてプラットホーム7が配備される。
【0027】
前記プラットホーム7は、
図4に示すように、展開して水平の載置面7aを構成し、その状態で前記油圧動力装置27により車両3と路面8の間を昇降する。前フラッパプレート13は、蝶番12のスプリングの付勢作用で起立し、ストッパ部14の作用で起立状態を維持し、載置面7a上の車椅子等をプラットホーム7の前端部から転落を防止する。
【0028】
前記プラットホーム7は、
図3に示すように、二つ折り格納ができる構成であると共に、前記両側の枢軸30a、30bを中心に起立させ、左サイドフレーム9aから左ゲートフレーム28aを開放し、右サイドフレーム9bの縦軸29に支承される右ゲートフレーム28bを中心にプラットホーム7を横開きに転回して車両3の出入口4を開口可能に設けられている。
【0029】
前記プラットホーム7を水平に展開した時のその載置面7aは前記連結プレート10に一致する面に設けられる。
【0030】
前記左ゲートフレーム28aを左サイドフレーム9aに係着し、右ゲートフレーム28bを右サイドフレーム9bの背面に密接した状態で車両3の出入口4に接続する時、連結プレート10に配備した前フラッパプレート13を自動的に平伏状態に折畳む折畳み操作機構31として先端に回転自在のローラ32を具えたブラケット33が車両床面5の左台枠20aの内面に固着して配備される。
【0031】
前記左台枠20aと右台枠20bとの間には、折畳まれた前記前フラッパプレート13に対応する車室スロープ板34が配備される。
【0032】
プラットホーム7の後端に後フラッパ35が起伏自在に配備される。
【0033】
本発明の車両用昇降装置におけるプラットホームの前フラッパ装置1は、前述のように構成されるから、
図7に示すようなプラットホーム7が二つ折りの格納状態から
図1に示すように展開し、次に油圧動力装置27を作動させて支軸24と支軸25との間を拡張して左アッパーアーム21aと左ロアアーム22aと共に左サイドフレーム9aを出入口5より後方へ回動する。同様に、右側の右アッパーアーム21bと右ロアアーム(図示しない)と共に右サイドフレーム9bを後方へ回動する。
【0034】
左アッパーアーム21aと左ロアアーム22aおよび右アッパーアーム21bと右ロアアーム22aが夫々起立状態では
図3に示すように、左サイドフレーム9aと右サイドフレーム9bに載渡されて配備される連結プレート10は、車両に格納されているので、その上面に設けられている前フラッパプレート13は、起立付勢用スプリング11を配備した蝶番12に取付けられているから左台枠20aの内面に折畳み操作機構31により押さえこまれているが油圧動力装置27の作動で左サイドフレーム9aと右サイドフレーム9bがプラットホーム7と共に後方へ移動し、ローラ32から離れるとスプリング12の復帰作用で立ち上がり、ストッパ部14の内面を連結プレート10の先端部の外面等に押し当て停止し、前フラッパプレート13を起立状態に維持する。よって、プラットホーム7は、前フラッパプレート13を起立状態で下降して路面等に接面し、また、車両3の出入口5の車両床面5に接続する。
【0035】
路面8等では、後フラッパ35は、その係合を開放して伏倒し、プラットホーム7から路面8等へ降車し、あるいは反対に路面8等から乗車する。後フラッパ35を起立させて係合した後、左サイドフレーム9aと右サイドフレーム9bを上昇させて一体のプラットホーム7を上昇させるものである。
【0036】
左サイドフレーム9aと右サイドフレーム9bとプラットホーム7は一体であり、連結プレート10の前フラッパプレート13は起立状態を維持するからプラットホーム7の前端部から車椅子が転落することは防止され、上昇中の安全が確保される。そして左サイドフレーム9aと右サイドフレーム9bが最前位置に達する前に、前フラッパプレート13がローラ32に衝突するからその前進と共に蝶番12の軸結部12aを中心に後方へ折畳まれて連結プレート10の上に伏倒する。よってプラットホーム7の前端部は開放されて伏倒した前フラッパプレート13上を通過し、プラットホーム7から車室スロープ板34を経て車室床面5に、あるいは車室床面5から車室スロープ板34を経て伏倒した前フラッパプレート13上を通過してプラットホーム7に車椅子を移動させることができる。
【0037】
前記実施例は車椅子使用者の乗降について説明したが、荷物の積降についても同様に行なえるものである。
【0038】
また、プラットホームを昇降する昇降機構の配備位置についても車両床面下でもよく、車両の出入口に臨む車室床面上に限定するものではない。