【実施例】
【0060】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<色度>
得られたポリイソシアネート組成物の色度は、着色度(ハーゼン色数)を測定した。ハーゼン色数は、JIS K0071−1に準じて測定した。
【0061】
<粘度>
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通り。
100rpm (128mPa・s未満の場合)
50rpm (128mPa・s〜256mPa・sの場合)
20rpm (256mPa・s〜640mPa・sの場合)
10rpm (640mPa・s〜1280mPa・sの場合)
5rpm (1280mPa・s〜2560mPa・sの場合)
なお、後述する各実施例及び各比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を以下に記載の方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。
【0062】
<不揮発分>
不揮発分は、ポリイソシアネート組成物を105℃、3時間加熱した場合の残存量から求めた。
不揮発分(質量%)=(105℃、3時間加熱後のポリイソシアネート組成物の質量)/(加熱前のポリイソシアネート組成物の質量)×100
【0063】
<NCO含有率>
NCO含有率(質量%)は、測定試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、後述する実施例及び比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した
【0064】
<(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)/(イソシアネート基吸収)の高さ比の定量方法>
測定試料をKBrプレートに薄膜に塗布し、縦軸を吸光度表記した際に、吸光度の最大値が0.8〜1.0となる条件で、赤外吸収スペクトル測定を行うことによって求めた。具体的な測定方法は以下の通りであった。
赤外吸収スペクトル測定装置:FT/IR−4200(JASCO社製)
測定波長:600cm
-1〜4000cm
-1
光源:セラミック光源
検出器:TGS
積算回数:16回
以下のシグナルのベースラインからの高さを測定することにより、高さ比を算出した。
ウレタン基、アロファネート基:1710−1735cm
-1
イソシアネート基:2265−2275cm
-1
【0065】
<ウレタン基、アロファネート基のモル比>
ウレタン基、アロファネート基に関する比率は、測定試料の
1H−NMR測定を行うことによって求めた。具体的な測定条件は以下の通りであった。
1H−NMR装置:RESONANCE EC400(JEOL社製)
観測核(周波数):
1H(400MHz)
溶剤(濃度):CDCL
3(5質量/vol%)
積算回数:256回
測定温度:50℃
化学シフト基準:TMS 0ppm
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
ウレタン基:4.7ppm付近:積分値÷1
アロファネート基:8.5ppm付近:積分値÷1
【0066】
<(イソシアヌレート基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比の定量方法>
測定試料をKBrプレートに薄膜に塗布し、縦軸を吸光度表記した際に、吸光度の最大値が0.7〜1.0となる条件で、赤外吸収スペクトル測定を行うことによって求めた。具体的な測定方法は以下の通りであった。
赤外吸収スペクトル測定装置:FT/IR−4200(JASCO社製)
測定波長:600cm
-1〜4000cm
-1
光源:セラミック光源
検出器:TGS
積算回数:16回
以下のシグナルの高さを測定することにより、高さ比を算出した。
イソシアヌレート基:1680−1695cm
-1
ウレタン基、アロファネート基:1710−1735cm
-1
【0067】
<(ウレトジオン基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比の定量方法>
測定試料をKBrプレートに薄膜に塗布し、縦軸を吸光度表記した際に、吸光度の最大値が0.7〜1.0となる条件で、赤外吸収スペクトル測定を行うことによって求めた。具体的な測定方法は以下の通りであった。
赤外吸収スペクトル測定装置:FT/IR−4200(JASCO社製)
測定波長:600cm
-1〜4000cm
-1
光源:セラミック光源
検出器:TGS
積算回数:16回
以下のシグナルの高さを測定することにより、高さ比を算出した。
ウレトジオン基:1760−1775cm
-1
ウレタン基、アロファネート基:1710−1735cm
-1
【0068】
<ポリイソシアネート組成物中のリン酸トリエステル化合物の定性、定量方法>
最初に、20mlサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ試料を約2g精秤する。次に、クロロホルム約8gを加えた後、蓋をしっかりして良く混合し、サンプルを調整した。上記調整液を以下の条件で、GC/MS測定により、リン酸トリエステル化合物の特定を実施した。定量は、各リン酸トリエステル化合物のGC感度をリン酸トリエチルと同じと見なし、定量を実施した。本分析の検出限界は0.05ppmであった。
リン酸ジエステル化合物、リン酸モノエステル化合物、リン酸系化合物のように、リン原子上に水酸基を有する化合物は、水酸基をトリメチルシリル化処理した後に、リン酸トリエステル化合物と同様の方法で、定性、定量を実施した。
GC装置:Agilent Technologies 6890
注入口温度:320℃
注入量:1μL
注入法:スプリット法(スプリット比 10:1)
カラム:DB−1(長さ30m、内径0.25mm、液相厚 0.25μm)
カラム温度:40℃(5分保持)→20℃/分昇温→320℃(11分保持)
MS装置:Agilent Technologies 5973MSD
イオン源温度:230℃
インターフェイス温度:300℃
イオン化法:電子イオン化法(EI)
測定法:SCAN法
【0069】
<HDIモノマー質量濃度の測定>
最初に、20mlサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ試料を約1g精秤する。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03〜0.04g加え精秤する。最後に、酢酸エチルを約9ml加えた後、蓋をしっかりして良く混合し、サンプルを調整した。上記調整液を以下の条件で、ガスクロマトグラフィー分析し、定量した。
装置:SHIMADZU(株)GC−8A
カラム:信和化工(株)Silicone OV−17
カラムオーブン温度 ;120℃
インジェクション/ディテクター温度; 160℃
【0070】
<貯蔵後色度評価>
得られたポリイソシアネート組成物をサンプル瓶に添加し、50℃下、30日間貯蔵した。貯蔵前後の着色度(ハーゼン色数)を測定することで評価した。ハーゼン色数は、JIS K0071−1に準じて測定した。
ハーゼン色数が貯蔵前後で、100以上増加した場合を×、75以上100未満の場合を△、50以上75未満の場合を○、50未満の場合を◎とした。
【0071】
<貯蔵後粘度評価>
得られたポリイソシアネート組成物をサンプル瓶に添加し、50℃下、30日間貯蔵した。貯蔵前後の粘度測定を実施することで評価した。
貯蔵前の粘度からの変化率が15.0%以上の場合を×、10.0%以上15.0%未満の場合を△、7.5%以上10.0%未満の場合を○、7.5%未満の場合を◎とした。
【0072】
<貯蔵後NCO含有率評価>
得られたポリイソシアネート組成物をサンプル瓶に添加し、50℃下、30日間貯蔵した。貯蔵前後のNCO含有率の測定を実施することで評価した。
貯蔵前のNCO含有率と比較して貯蔵後のNCO含有率が、0.2%以上低下した場合を×、0.1%以上0.2%未満の場合を△、0.10%未満の場合を○とした。
【0073】
(実施例1)
HDI 10000g、ネオペンチルグリコール(NPG)410gを仕込み、窒素雰囲気下、160℃、1時間反応させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%のポリイソシアネートp−1を得た。
また、得られたポリイソシアネートp−1の赤外吸収スペクトル測定、
1H−NMR測定を実施し、組成比を算出した結果、以下の結果となった。
(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)/(イソシアネート基吸収)の高さ比:0.75
(アロファネート基)/(ウレタン基、アロファネート基の合計量)のモル比:0.16
(イソシアヌレート基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.01
(ウレトジオン基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.21
【0074】
その後、得られたポリイソシアネートp−1 1000gに対し、リン酸トリイソプロピルを15mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−1を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−1は、粘度1300mPa.S(25℃)、NCO含有率18.8質量%、HDIモノマー質量濃度0.22%、リン酸トリイソプロピルの含有量は15ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0075】
(実施例2)
HDI 10000g、2,3−ブタンジオール(2,3BG)360gを仕込み、窒素雰囲気下、160℃、1時間反応させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%のポリイソシアネートp−2を得た。
また、得られたポリイソシアネートp−2の赤外吸収スペクトル測定、
1H−NMR測定を実施し、組成比を算出した結果、以下の結果となった。
(ウレタン基とアロファネート基吸収の合計)/(イソシアネート基吸収)の高さ比:0.68
(アロファネート基)/(ウレタン基、アロファネート基の合計量)のモル比:0.20
(イソシアヌレート基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.01
(ウレトジオン基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.26
【0076】
その後、得られたポリイソシアネートp−2 1000gに対し、リン酸トリメチルを20mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−2を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−2は、粘度2000mPa.S(25℃)、NCO含有率19.0質量%、HDIモノマー質量濃度0.18%、リン酸トリメチルの含有量は20ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0077】
(実施例3)
HDI 10000g、プラクセル305(ポリエステルポリオール、株式会社ダイセルの製品)1450gを仕込み、窒素雰囲気下、100℃、2時間反応させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.6質量%のポリイソシアネート組成物p−3を得た。
また、得られたポリイソシアネート組成物p−3の赤外吸収スペクトル測定、
1H−NMR測定を実施し、組成比を算出した結果、以下の結果となった。
(ウレタン基とアロファネート基吸収の合計)/(イソシアネート基吸収)の高さ比:1.20
(アロファネート基)/(ウレタン基、アロファネート基の合計量)のモル比:0.17
(イソシアヌレート基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.01
(ウレトジオン基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.01
【0078】
その後、得られたポリイソシアネート組成物p−3 1000gに対し、リン酸トリエチルを25mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−3を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−3は、粘度5400mPa.S(25℃)、NCO含有率11.5質量%、HDIモノマー質量濃度0.15%、リン酸トリエチルの含有量は25ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0079】
(実施例4)
HDI 10000g、HP1030(ポリエーテルポリオール、株式会社ADEKAの製品)1120gを仕込み、窒素雰囲気下、160℃、2時間反応させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.6質量%のポリイソシアネート組成物p−4を得た。
また、得られたポリイソシアネート組成物p−4の赤外吸収スペクトル測定、
1H−NMR測定を実施し、組成比を算出した結果、以下の結果となった。
(ウレタン基とアロファネート基吸収の合計)/(イソシアネート基吸収)の高さ比:0.90
(アロファネート基)/(ウレタン基、アロファネート基の合計量)のモル比:0.33
(イソシアヌレート基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.01
(ウレトジオン基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.08
【0080】
その後、得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに対し、リン酸トリエチルを2mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−4を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−4は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリエチルの含有量は2ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0081】
(実施例5)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリエチルを15mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−5を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−5は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリエチルの含有量は15ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0082】
(実施例6)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリエチルを40mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−6を得た。また、得られたポリイソシアネート組成物P−6は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリエチルの含有量は40ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0083】
(実施例7)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリエチルを90mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−7を得た。また、得られたポリイソシアネート組成物P−7は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリエチルの含有量90ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0084】
(実施例8)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリ(2−エチルへキシル)を25mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−7を得た。得られたポリイソシアネート組成物P−8は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)の含有量は25ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0085】
(実施例9)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリフェニルを25mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−9を得た。また、得られたポリイソシアネート組成物P−9は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリフェニルの含有量は25ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0086】
(実施例10)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸ジメチル(フェニル)を25mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−10を得た。また、得られたポリイソシアネート組成物P−10は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸ジメチル(フェニル)の含有量は25ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0087】
(実施例11)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリメチルを15mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物P−11を得た。また、得られたポリイソシアネート組成物P−11は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリメチルの含有量は15ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0088】
(実施例12)
HDI 10000g、HP1030(ポリエーテルポリオール、株式会社ADEKAの製品)1120g、リン酸トリメチル10gを仕込み、窒素雰囲気下、160℃、2時間反応させた。次いで、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.6質量%、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.12%のポリイソシアネート組成物P−12を得た。
また、得られたポリイソシアネート組成物P−12の赤外吸収スペクトル測定、
1H−NMR測定を実施し、組成比を算出した結果、以下の結果となった。
(ウレタン基とアロファネート基吸収の合計)/(イソシアネート基吸収)の高さ比:0.90
(アロファネート基)/(ウレタン基、アロファネート基の合計量)のモル比:0.33
(イソシアヌレート基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.01
(ウレトジオン基吸収)/(ウレタン基、アロファネート基吸収の合計)の高さ比:0.08
【0089】
その後、得られたポリイソシアネート組成物P−12をGC/MS測定したところ、リン酸トリメチルを12ppm含有していることが判明した。また、得られたポリイソシアネート組成物P−12について、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0090】
(比較例1)
実施例4の方法により得られたポリイソシアネートp−4をそのまま使用した。p−4は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%で、リン酸トリエステル化合物は検出されなかった(0.05ppm未満)。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0091】
(比較例2)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸トリエチルを200mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物C−2を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−2は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%、リン酸トリエチルの含有量は200ppmであった。また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0092】
(比較例3)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、リン酸ジブチルを15mg添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物C−3を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−3は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%であり、リン酸トリエステル化合物は検出されなかった(0.05ppm未満)が、リン酸ジブチルの含有量は15ppmであった。
また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0093】
(比較例4)
実施例4と同様の方法により得られたポリイソシアネート組成物p−4 1000gに
対し、ポリリン酸25mgを添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物C−4を得た。得られたポリイソシアネート組成物C−4は、粘度8600mPa.S(25℃)、NCO含有率13.6質量%、HDIモノマー質量濃度0.13%であり、リン酸トリエステル化合物は検出されなかった(0.05ppm未満)が、ポリリン酸の含有量は25ppmであった。
また、ハーゼン色数、貯蔵後色度評価、貯蔵後粘度評価、貯蔵後NCO含有率の評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
以上より、各実施例のポリイソシアネート組成物は、貯蔵後の色度変化が小さく、粘度、NCO含有率の変化が小さいことが確認された。