特許第6285764号(P6285764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6285764袋同士の重なり解消機構を備えた搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285764
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】袋同士の重なり解消機構を備えた搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/31 20060101AFI20180215BHJP
   B65G 15/12 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   B65G47/31 L
   B65G15/12
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-54792(P2014-54792)
(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-174758(P2015-174758A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】500577932
【氏名又は名称】株式会社庄内クリエート工業
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【弁理士】
【氏名又は名称】安形 雄三
(74)【代理人】
【識別番号】100121887
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 好章
(72)【発明者】
【氏名】金井 聰
(72)【発明者】
【氏名】難波 光平
【審査官】 川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−099325(JP,A)
【文献】 実開昭54−173486(JP,U)
【文献】 特開昭60−106712(JP,A)
【文献】 特開2006−131248(JP,A)
【文献】 特開平02−059888(JP,A)
【文献】 実開平03−043384(JP,U)
【文献】 実開昭52−113896(JP,U)
【文献】 実開平05−081139(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/31
B65G 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の袋を並列して搬送可能な搬送面を有し、その搬送面上に乱雑に重なり合って搬入される単包状の袋群の袋同士の重なり状態を搬送中に自動的に解消することが可能な機構を備えたベルトコンベア式の搬送装置であって、
前記袋の袋同士の摩擦力を超える大きさの摩擦力若しくは吸着力を持たせた搬送面で且つ搬送面直上の袋以外の袋が搬送方向とは逆方向に自重で滑落して袋同士が離されるような所定角度で傾斜した搬送面を有する第1コンベアと、
搬送方向にて袋の端部が重なり合っている若しくは袋の一部が接触している袋同士が、上流側に連設されるコンベアとの速度差によって離されるように前記上流側のコンベアよりも速い所定の搬送速度を有する第2コンベアと、
搬送方向と直交する幅方向にて袋の端部が重なり合っている若しくは袋の一部が接触している袋同士が離されるように、前記幅方向にて隣り合うベルトの間隔が上流側から下流側に向けて徐々に広がる形で複数の線状ベルトが扇型状に配設された第3コンベアと、
備え、
前記第3コンベアは、直列に設けられた複数のコンベアで構成され、且つ、隣り合うコンベアにおいて両者の前記線状ベルトの端部が咬合する形で連設されていることを特徴とする、袋同士の重なり解消機構を備えた搬送装置。
【請求項2】
前記第2コンベアは、下流に向けて搬送速度が段階的に増速するように、直列に設けられた複数のコンベアで構成されること特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第2コンベアの上流側に連設されるコンベアが前記第1コンベアである請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第2コンベアの下流側に連設されるコンベアが前記第3コンベアである請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記単包状の袋は、柔軟性を有し且つ周縁部よりも中央部の厚みが厚い状態となるシート状の袋であることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1コンベアは、前記傾斜した搬送面に垂直な方向での袋の厚さ1枚分を越える状態で重なり合っている複数の袋のうち、前記厚さ1枚分を越える位置に存在する袋を掻き落す部材を有する掻き落しユニットを更に備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第1コンベアは、前記搬入される単包状の袋群を受入れる受入ホッパ部を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
前記第1コンベア乃至前記第3コンベアによって袋同士の重なりが解消された袋の撮像画像に基づいて袋の向きと位置を認識し、その認識情報を基にロボットによる袋の包装体内への投入動作を制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、即席食品の包装体に同封される調味料等の食材を収納した袋など、柔軟性を有し且つ周縁部よりも中央部の厚みが厚い状態となるシート状の袋を搬送する搬送装置に関し、特に、複数の袋を並列して搬送可能な搬送面を有し、その搬送面上に乱雑に重なり合って搬入される単包状の袋群の袋同士の重なり状態を搬送中に自動的に解消することが可能な機構を備えたベルトコンベア式の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
即席麺類などの即席食品においては、一般に麺類などの食品本体とともにラーメンスープ等の食材(調味料や具材)を収容した単包状の袋がその食品本体の包装体に同封されている。
【0003】
上記のような袋は、柔軟性を有するシート材としてポリエチレンやポリプロピレン,アルミ箔などが使用され、そのシート材の周縁部を溶着することによって調味料や具材などの食材が内部に密封されている。そのため、袋は中央部より周縁部の厚みが薄い形状となっている。
【0004】
この種の単包状の袋(以下「小袋」と呼ぶ)を同封した包装体を製造する際には、小袋を1個又は所定個ずつ食品本体の包装体内に投入する作業が必要となるが、その投入作業は、例えばロボットを用いることで自動化されている。
【0005】
具体的には、例えばベルトコンベアによって上流側から搬送されて来る単包状の小袋を撮像手段により撮像する共に、その画像に基づいて搬送面上における小袋の向きや位置を認識し、その認識情報を基にロボットハンドによる小袋の把持動作や包装体内への投入動作をCPUで制御することで、コンベアの上流側から搬送されて来る小袋を自動的に包装体に投入することが行われている。
【0006】
このように袋の投入作業を自動化した製品製造システムでは、ラーメンスープ等の小袋をロボットで処理する為、袋同士が重なった状態や袋の一部が接触している状態だと袋単体の認識が難しく、例えば上下に重なった2つの小袋を1つと見なして処理したり、重なった小袋の一方だけを処理したりするなど、搬送中の袋同士の重なりが起因する問題が生じる可能性があった。
【0007】
このような問題を解決するためには、食品の包装体に小袋を投入する工程の前に、搬送中に袋同士の重なり状態を解消するか、予め重なりが生じないように搬送路に小袋を搬入させることで袋同士の重なりを防止するかなど、搬送面上の小袋群をバラバラ状態(各小袋が互いに離間した状態)にする必要がある。
【0008】
特に、柔軟性を有し且つ周縁部よりも中央部の厚みが厚い状態となるシート状の袋を対象とした場合は、木材の重なりや袋内の錠剤同士の重なりなど、固形物を対象とした場合と比べて、袋体の変形による重なり状態の変化を考慮したり、袋の軽さやシート面の摩擦係数を考慮したり、シート材に破損が生じないように考慮したりする必要がある。
【0009】
このようなシート状の袋の袋同士の重なり状態をバラバラ状態にする技術としては、例えば、特許文献1が知られている。この特許文献1では、小袋の重なり防止手段として、図7に示すように、搬送面21から小袋1の厚みTの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材22を搬送面21の上方に設け、その規制部材22によって上側に重なった小袋1を引っかけて通過を規制することで、搬送面21上で袋同士が重なって搬送されるのを防止するようにしている。
【0010】
また、特許文献2には、カップ麺などのカップ内に小袋などのパッケージを投入する工程の自動化処理に関連する技術として、(a)搬送用コンベアの摩擦力と傾斜によりパッケージを分離させるようにした傾斜コンベア方式や、(b)遠心力によりパッケージを連続排出させる横型ドラム方式、(c)ボウルの振動によりパッケージの連続切り出しを行うパーツフィーダ方式、(d)パッケージ画像処理とロボットハンドリングによりパッケージを選り分けるビジョンシステムロボット方式などが知られていることが記載されている(特許文献2の背景技術を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−131248号公報
【特許文献2】特開2012−001356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献1では、調味料などが収納された厚みが厚い収納部分での小袋同士の重なり(厚さ1枚分以上の重なり)については、その重なり防止手段(規制部材)によって解除することが可能となると考えられる。また、特許文献2に記載の傾斜コンベア方式では、搬送中における小袋などのパッケージの重なり状態をある程度解消することが可能になると考えられる。
【0013】
しかしながら、搬送中に重なり状態の解消を図ることを課題とした上記のいずれの技術を採用したとしても、例えば、図8に示すように、搬送方向Xにおいて小袋1の中央部より厚みが薄い周縁部1aが重なり合っている場合や、図9に示すように、搬送面21上で複数の小袋1を並列して搬送可能な幅を有するコンベアにおいて、搬送方向Xと直交する方向で同様に周縁部1aが重なり合っている場合には、搬送中に袋同士の重なり状態を確実に解消することは困難と考えられる。
【0014】
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、乱雑に重なり合って搬送面上に搬入される単包状の袋群を対象として、それらの袋群の袋同士の様々な重なり状態を搬送中に確実に解消することが可能なコンベア式の搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、複数の袋を並列して搬送可能な搬送面を有し、その搬送面上に乱雑に重なり合って搬入される単包状の袋群の袋同士の重なり状態を搬送中に自動的に解消することが可能な機構を備えたベルトコンベア式の搬送装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記袋の袋同士の摩擦力を超える大きさの摩擦力若しくは吸着力を持たせた搬送面で且つ搬送面直上の袋以外の袋が搬送方向とは逆方向に自重で滑落して袋同士が離されるような所定角度で傾斜した搬送面を有する第1コンベアと、搬送方向にて袋の端部が重なり合っている若しくは袋の一部が接触している袋同士が、上流側に連設されるコンベアとの速度差によって離されるように前記上流側のコンベアよりも速い所定の搬送速度を有する第2コンベアと、搬送方向と直交する幅方向にて袋の端部が重なり合っている若しくは袋の一部が接触している袋同士が離されるように、前記幅方向にて隣り合うベルトの間隔が上流側から下流側に向けて徐々に広がる形で複数の線状ベルトが扇型状に配設された第3コンベアとを備え、前記第3コンベアは、直列に設けられた複数のコンベアで構成され、且つ、隣り合うコンベアにおいて両者の前記線状ベルトの端部が咬合する形で連設されていることによって達成される。
【0016】
さらに、本発明の上記目的は、前記第2コンベアは、下流に向けて搬送速度が段階的に増速するように、直列に設けられた複数のコンベアで構成されること、前記第2コンベアの上流側に連設されるコンベアが前記第1コンベアであること、前記第2コンベアの下流側に連設されるコンベアが前記第3コンベアであること、前記単包状の袋は、柔軟性を有し且つ周縁部よりも中央部の厚みが厚い状態となるシート状の袋であること、前記第1コンベアは、前記傾斜した搬送面に垂直な方向での袋の厚さ1枚分を越える状態で重なり合っている複数の袋のうち、前記厚さ1枚分を越える位置に存在する袋を掻き落す部材を有する掻き落しユニットを更に備えていること、前記第1コンベアは、前記搬入される単包状の袋群を受入れる受入ホッパ部を更に備えていること、前記第1コンベア乃至前記第3コンベアによって袋同士の重なりが解消された袋の撮像画像に基づいて袋の向きと位置を認識し、その認識情報を基にロボットによる袋の包装体内への投入動作を制御する制御手段を更に備えたことによってそれぞれ一層効果的に達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、単包状の袋群の袋同士の様々な重なり状態を搬送中に確実に解消することが可能となる。
【0018】
詳しくは、第1コンベアによる搬送中に、搬送面直上の袋以外の袋(搬送面に接触しない状態で袋の上に一重又は多重に重なっている袋)が搬送方向とは逆方向に自重で滑落して、上下に重なり合った袋同士が1袋ずつほぼ離された状態となる。そして、第1コンベアから第2コンベアへ袋が移送される際に、搬送方向にて袋の端部同士が重なり合っている袋や、搬送方向にて袋の一部が接触している袋同士が速度差によって離間されるので、搬送方向における袋同士の重なり状態が解消される。そして、第3コンベアによる搬送中に、搬送方向と直交する方向(搬送路の幅方向)にて袋の端部同士が重なり合っている袋や一部が接触している袋同士が扇型状のコンベアによって離間されるので、搬送路の幅方向における袋同士の重なり状態が解消される。
【0019】
また、第3コンベアは、第1扇型状コンベアと第2扇型状コンベアとを備えた構成とすることで、並列搬送される袋同士を一層離間させることができ、搬送方向と直交する方向における袋同士の重なり状態を一層確実に解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る袋同士の重なり解消機構を備えた搬送装置の主要部の構成を示す概略図である。
図2】本発明に係る傾斜コンベアを側方側から見た構成を示す模式図である。
図3】傾斜コンベアを経ても解消されない重なり状態を示す模式図である。
図4】本発明に係る増速コンベアを側方側から見た構成を示す模式図である。
図5】増速コンベアを経て解消される重なり状態と解消されない重なり状態を示す模式図である。
図6】本発明に係る線状ベルトコンベアの構成例を模式的に示す平面図である。
図7】袋同士の重なり防止に関する従来技術の一例を示す模式図である。
図8】規制部材では解消できない袋同士の重なり状態の一例を示す模式図である。
図9】規制部材では解消できない袋同士の重なり状態の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照にしながら本発明の好適な実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る袋同士の重なり解消機構を備えた搬送装置の主要部の構成例を示す概略図であり、その搬送装置を側方側から見た構成の一例を模式的に示している。
【0023】
本発明に係る搬送装置10は、袋同士が重なり合って搬送面上に搬入される単包状の袋1群を図1に示す第1コンベア(以下「傾斜コンベア」と呼ぶ)11と、第2コンベア(以下「増速コンベア」と呼ぶ)12と、第3コンベア(以下「線状ベルトコンベア」と呼ぶ)13とを通過させる事によって、袋同士の重なりを除く装置である。
【0024】
これらのコンベア11〜13は、それぞれ複数の袋1を並列して搬送可能な幅の搬送路を有しており、本実施形態においては、傾斜コンベア11の下流側に増速コンベア12を連設し、その増速コンベア12の下流側に線状ベルトコンベア13を連設した構成としている。
【0025】
そして、上記の配置構成とすることによって、最初に傾斜コンベア11にて大まかな重なりを除き、次に増速コンベア12にて流れ方向の袋1の切り離しを行い、最後に線状ベルトコンベア13にて流れ方向と垂直な方向(搬送方向と直交する幅方向)での切り離しを行うようにしている。
【0026】
なお、傾斜コンベア11の下流側に線状ベルトコンベア13を連設し、その線状ベルトコンベア13の下流側に増速コンベア12を連設した構成としても良く、その構成においても同様に袋同士の重なりを除くことが可能である。
【0027】
本実施形態において搬送対象となる単包状の袋1は、図1中に示すようシート状の袋であり、例えば、即席食品の包装体に同封される調味料等の食材を収納した小袋や、その小袋よりも比較的大きな袋など、柔軟性を有し且つ周縁部よりも中央部の厚みが厚い状態となる単包状の袋である。
【0028】
図1に例示される搬送装置10は、搬送方向の上流側から下流側に向けて高くなるように所定角度で傾斜した搬送面11bを有し、且つその傾斜面11bの上方に掻き落しユニット11cが設けられた傾斜コンベア11と、その傾斜コンベア11によって搬送されて来る袋1の搬送速度V1を増加させる増速コンベア12と、複数の線状ベルト13-1aが扇型状に配設された扇型状コンベアを有する線状ベルトコンベア13と、を備えて構成される。
【0029】
なお、本発明で言う「線状ベルト」とは、ベルト幅が狭い線状のベルトを意味しており、断面が円形状の丸ベルトに限らず、例えば、ベルト幅が小袋1の短手方向の幅より狭い幅狭の平ベルトや、断面が逆V字状若しくは逆U字状のベルト、あるいは、スプロケットを通じて回転駆動されるラダーチェーンを「線状ベルト」として用いても良い。
【0030】
以下、それらのコンベアの機能と構成について、より詳しく説明する。
【0031】
<傾斜コンベア>
図2は、本発明に係る傾斜コンベア11を側方側から見た構成を示す模式図である。
【0032】
本実施形態での傾斜コンベア11は、搬入される単包状の袋1群を受入れるための受入ホッパ部11aを備えており、例えば、投入ホッパから投入された袋1群を搬入用コンベアを経由して(あるいは搬入用コンベアを経由せずに直接、あるいは受入ホッパ部11aを投入ホッパとして用いて)、受入ホッパ部11aで受入れるようにしている。
【0033】
本発明に係わる傾斜コンベア11は、袋同士が一重又は多重に重なった状態を解消する手段として機能するコンベアであり、主要な構成としては、所定角度で傾斜した搬送面(ベルト面)で且つ袋同士の摩擦力を超える大きさの摩擦力若しくは吸着力を持たせた搬送面11bを備えている。なお、ここで言う「所定角度」とは、搬送面11b直上の袋以外の袋が搬送方向とは逆方向に自重で滑落して袋同士が離されるような傾斜角度を言う。また、ここで言う「摩擦力若しくは吸着力」とは、摩擦力と吸着力のいずれか又は両方を意味している。
【0034】
そして、上記吸着力を持たせたベルトの場合は、例えば、平ベルトのベルト面に所定形状の孔(例えば線状や円形の吸引孔)が多数形成されたベルトとし、そのベルト面の下方からの吸引ブロアによる吸引力によって傾斜搬送面11bに吸着力を持たせる構成としている。
【0035】
このようなベルト面を有する傾斜コンベア11を備えることで、例えば、搬送面の直上の袋1の上面に1以上の袋1が乗って袋同士が上下に重なり合っている状態の場合でも、搬送面直上の袋1以外の袋1が搬送方向とは逆方向に自重で滑落して、袋同士がほぼ離された状態となる。
【0036】
また、傾斜コンベア11は、更に、傾斜搬送面11bに垂直な方向での袋1の厚さ1枚分のみの通過を許容する部材11c2を有する掻き落しユニット11cを備えた構成とするのが好ましい。その場合、部材11c2は、袋1の上に乗っている袋の通過を規制する固定の部材(邪魔板若しくはブラシ状部材)又は回転自在な回転部材で構成される。後者の回転部材を用いた場合には、例えば、傾斜搬送面11bの上方に固設された回転軸11c1の周りに放射状に配設された複数の回転翼を有する回転部材(本例では柔軟性を有する薄板状部材)で構成され、電動モータ等の駆動手段によって、それらの回転翼を搬送方向とは逆方向に回転させることで、傾斜搬送面11bに垂直な方向での袋1の厚さ1枚分を越える状態で重なり合っている複数の袋1のうち、厚さ1枚分を越える位置に存在する袋1を上記回転翼11c1によって掻き落すようにしている。
【0037】
このような掻き落しユニット11cを備えた構成とすることで、前述の傾斜搬送面11bでの袋1の自重では袋同士が離されないような場合、例えば、傾斜搬送面11bの直上の袋1の上に乗っている袋1の下面が傾斜搬送面11bに接触していて、その摩擦力によって袋1の自重では滑落しないような場合であっても、重なり合った2以上の袋1の部分が1つの袋1の厚さ1枚分を越える場合には、傾斜搬送面11bの直上の袋1の上に乗っている他の袋1が掻き落しユニット11cによって掻き落され、袋同士が離された状態となる。
【0038】
ただし、重なり合った2以上の袋1の部分が1つの袋1の厚さ1枚分を越えないような重なり状態の場合、傾斜コンベア11だけでは、その重なり状態を確実には解消することができず、袋1の一部が重なり合ったままの状態で増速コンベア12に移送されることになる。例えば、図3(A1),(B1),(C1)に示すような状態で傾斜コンベア11に搬入された各袋1は、図3(A2),(B2),(C2)に示すように、袋1の端部同士が重なり合ったままの状態で増速コンベア12に移送されることになる。
【0039】
なお、傾斜コンベア11で袋1群を搬入する際には、図1中に示すように、各袋1の端部を揃えて綺麗に積層された状態ではなく、搬送される袋1の位置や向きがバラバラで袋同士が乱雑に重なり合った状態であっても良い。
【0040】
<増速コンベア>
図4は、本発明に係る増速コンベア12を側方側から見た構成を示す模式図である。
【0041】
増速コンベア12は、図3(A2),(B2),(C2)に例示したように、袋1の端部同士が重なり合っている袋同士や、搬送方向にて袋1の一部が接触している袋同士が離されるように、上流側に連設されるコンベア(本例では傾斜コンベア11)の搬送速度V1よりも速い所定の搬送速度V2を有するコンベアである。なお、増速コンベア12は、下流に向けて搬送速度が段階的に増速するように、直列に設けられた複数のコンベア(2つ以上のコンベア)で構成する形態としても良い。その形態とした場合、上流から下流への流れ方向における袋同士の切り離しを一層改善することができる。
【0042】
図4において、増速コンベア12のベルトは、傾斜コンベア11と同様に、吸引ブロア12aにより吸着力を持たせた多孔ベルト又は通常の平ベルトで構成され、その摩擦係数は傾斜コンベア11の同等かそれ以上としている。また、本実施形態での増速コンベア12は、略水平な搬送面で且つ傾斜コンベア11と同等の搬送幅(ベルト幅)を有している。
【0043】
このように、傾斜コンベア11の速度V1と増速コンベア12の速度V2に速度差(V2>V1)を設けることによって、図4中に示すように、上下に重なった袋1(a),1(b)のうちの下流側の袋1(a)が増速コンベア12に乗った際に、その袋1(a)が速度差(V2−V1)によって下流側に引っ張られ、流れ方向に対して袋1(a,b)の切り離しが行われる。
【0044】
換言すると、傾斜コンベア11に加えて増速コンベア12を備えた構成とすることで、例えば、前述のように傾斜コンベア11では切り離しができなかった袋1(互いの袋1の部分が1つの袋1の厚さ1枚分を越えない状態で重なり合った袋1や一部が接触している袋1)であっても、幅方向に並列している袋同士でなければ、増速コンベア12に乗り移る際に、互いの袋1を搬送方向にて離間させることが可能となる。
【0045】
図5は、増速コンベア12を経て解消される重なり状態と、解消されない重なり状態を示す模式図であり、図5(A2),(B2),(C2)に示すような状態で傾斜コンベア11を搬送中の各袋1は、傾斜コンベア11から増速コンベア12へ移送されると、図5(A3),(B3),(C3)に示すように、殆どの袋1同士の重なり状態が増速コンベア12によって解消される。しかしながら、図5(C3)中に示すように、幅方向に並列して同一速度で増速コンベア12へ移送される各袋1(幅方向において互いの端部同士が重なり合っている各袋1)については、その重なり状態を確実には解消することができず、その状態で線状ベルトコンベア13に移送されることになる。
【0046】
<線状ベルトコンベア>
線状ベルトコンベア13は、扇型に線状ベルト(本例では丸ベルト)を配置したコンベアである。
【0047】
図6は、線状ベルトコンベア13の構成の一例を模式的に示す平面図であり、この図を参照して、線状ベルトコンベア13の構成を詳細に説明する。
【0048】
本発明に係わる線状ベルトコンベア13は、図5(C3)中に例示したような袋1同士、すなわち搬送方向Xに直交する方向(搬送路の幅方向)に重なり合っている袋1同士をその方向(搬送路の幅方向)に離間移動可能なコンベアである。
【0049】
本実施の形態では、線状ベルトコンベア13は、搬送路の幅方向にて袋1の端部が上下に重なり合っている袋1同士や袋1の一部が互いに接触している袋同士が離されるように、幅方向にて隣り合うベルトの間隔が上流側から下流側に向けて徐々に広がる形で複数の線状ベルト13-1aが、扇型状に配設されたコンベア(以下「扇型状コンベア」と呼ぶ)を備えた構成としている。
【0050】
上記線状ベルトコンベア13は、平面の形状が台形を成している1つの扇型状コンベアを備えた構成としても良いが、搬送路の幅方向における袋同士の離間距離を長くしようとすればする程、下流側では線状ベルト13-1aの間隔が大きくなるため、搬送対象となる袋1の大きさによってはベルト間の隙間から袋1が落ちたり、その隙間に袋1の一部がズレ落ちた状態となったりする可能性がある。
【0051】
そこで、本実施形態では、線状ベルトコンベア13は、搬送方向に直列に設けられた複数のコンベアで構成し、且つ、隣り合うコンベアにおいて両者の線状ベルトの端部が咬合する形で連設された構成としている。その構成とした場合、搬送路の幅方向における袋同士の切り離しを一層改善することができる。
【0052】
以下に示す実施形態では、搬送路の幅方向における袋同士の離間距離が、袋の中央部よりも薄い部分の長さ(周縁部の最長の長さ)を超える距離となるように、2つ以上の扇型状コンベアを備え、搬送方向にて隣り合うコンベアにおいて両者の線状ベルトが咬合する形で扇型状コンベアを連設した構成としている。なお、袋の周縁部の長さによっては、1つの扇型状コンベアであっても良い。
【0053】
図6に示される線状ベルトコンベア13は、2つの扇型状コンベア13-1,13-2を備えた場合の構成例であり、この線状ベルトコンベア13は、扇型状コンベア本体の下流側端部及び上流側端部に設けた一対のテールローラ13-1b,13-1cにより張設されたN本の線状ベルト13-1aが扇型状に配設された第1扇型状コンベア13-1と、N−1本の線状ベルト13-2aのそれぞれが第1扇型状コンベア13-1の隣り合う線状ベルト13-1aの間にそれぞれ配設された第2扇型状コンベア13-2と、備えている。
【0054】
上記第2扇型状コンベア13-2は、線状ベルト13-2aの下流側端部が第1扇型状コンベア13-1の下流側のテールローラ13-1c(ローラの各プーリ)に巻回されると共に、線状ベルト13-2aの上流側端部が第1扇型状コンベア13-1により形成される扇型状搬送路の途中に位置する自己の上流側テールローラ13-2bに巻回された構成としている。なお、3つ以上の扇型状コンベアを備えた場合も、第2以降の扇型状コンベアの下流側端部が上記第1扇型状コンベア13-1の下流側のテールローラ13-1cに巻回された構成となる。
【0055】
そして、第1扇型状コンベア13-1と第2扇型状コンベア13-2の各線状ベルトは、電動モータ等の駆動手段によって同一の下流側テールローラ13-1cが回動されることによって、搬送方向に回転駆動されるようになっている。
【0056】
なお、この線状ベルトコンベア13の速度V3は増速コンベア12の速度V2より若干速くしている。
【0057】
上記のような線状ベルトコンベア13を備えることで、扇型に配置した線状ベルト上面を重なった袋1が通ることによって、図6中に示すように、それぞれの袋1(a,b)が扇型に配置した線状ベルトにグリップし、外へ外へとそれぞれの袋1(a,b)が誘導され、流れと垂直方向の袋同士の切り離しが行われる。
【0058】
それによって、傾斜コンベア11と増速コンベア12を経ても切り離しができなかった袋同志の重なり状態、例えば、互いの袋1の部分が1つの袋1の厚さ1枚分を越えない状態で重なり合っており、且つ、搬送路の幅方向に並列している袋1の端部同士が重なっている(若しくは接触している)状態であっても、扇型状コンベア13-1(及び13-2)によって、互いの袋1を搬送方向と直交する方向(搬送幅方向)にて離間させることが可能となる。
【0059】
すなわち、傾斜コンベア11と増速コンベア12に加えて線状ベルトコンベア13を備えた構成とすることで、乱雑に重なり合って搬送路に搬入された単包状の袋群の様々な重なり状態を搬送中に自動的に解消することが可能となる。
【0060】
そして、袋同士の重なり状態が解消された袋群を次工程のコンベアに搬出することで、コンベア上の袋1の撮像画像に基づく処理(ロボットによる袋1の包装体への投入処理等)を確実に行うことが可能となる。なお、その処理の制御手段、若しくは制御手段とロボットを搬送装置10に備えた構成としても良い。例えば、前述の第1コンベア乃第3コンベアによって袋同士の重なりが解消された袋の撮像画像に基づいて袋の向きと位置を認識し、その認識情報を基にロボットによる袋の包装体内への投入動作を制御する制御手段を搬送装置10に備えた構成としても良い。
【0061】
なお、上述した実施の形態においては、傾斜コンベア11と増速コンベア12と線状ベルトコンベア13(扇型状コンベア)とから構成される一連のコンベアを備え、搬送中の袋1の相対的位置や相対速度を変える搬送装置を例として説明したが、投入ホッパに投入された袋群(例えば多重に積層された状態の袋群)を傾動コンベア11の幅方向に揺動させる揺動機構を備え、その揺動機構によって傾動コンベアの幅方向に振り分けた袋群を傾動コンベアの受入ホッパ部11aに搬入する形態としても良い。
【0062】
その形態の場合には、揺動機構は、例えば、傾斜コンベア11の搬送路の方向に対して直角な方向に搬送路を設け、その搬入コンベアの搬送路自体を搬送方向とその逆方向とに水平移動(揺動)させる駆動手段と、を備えて構成される。そのような構成とすることによって、受入ホッパ部11aを介して傾斜コンベア11の搬送路の幅方向に袋1が分散されることになる。
【符号の説明】
【0063】
1 袋
10 搬送装置(コンベア装置)
11 傾斜コンベア(第1コンベア)
11a 受入ホッパ部
11b 傾斜搬送面
11c 掻き落しユニット
11c1 回転軸
11c2 掻き落し用部材
12 増速コンベア(第2コンベア)
13 線状ベルトコンベア(第3コンベア)
13-1 第1扇型状コンベア
13-1a 第1扇型状コンベアの線状ベルト
13-1b 第1扇型状コンベアの上流側テールローラ
13-1c 第1扇型状コンベアの下流側テールローラ
13-2 第2扇型状コンベア
13-2a 第2扇型状コンベアの線状ベルト
13-2b 第2扇型状コンベアの上流側テールローラ
V1 傾斜コンベアの搬送速度
V2 増速コンベアの搬送速度
V3 線状ベルトコンベアの搬送速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9