【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
[
参考例1]
研磨用金属酸化物粒子(1)の調製
金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積61m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
【0036】
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液7.01gを添加した。この時の金属塩/金属錯化剤モル比(M
MS)/(M
MC)は3.95であった。なお、ポリビニルピロリドンはポリマーであるためN-ビニル−2−ピロリドンの分子量:111.14を使用してモル比(M
MS)/(M
MC)を計算した。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液17.21gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄し、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(1)分散液を調製した。
得られた研磨用金属酸化物粒子(1)について、平均粒子径を測定し、結果を表に示す。また、被覆状態は走査電子顕微鏡(日立製作所製:S-2000型)にて観察し、完全被覆状態か、部分被覆状態か確認した。
【0037】
研磨用スラリー(1)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(1)分散液に、濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、全固形分濃度10.0重量%、濃度35%の過酸化水素を酸化水素濃度5%になるように調整したpH5.0の研磨用スラリー(1)を調製した。
【0038】
被研磨基板(SiC)
直径2インチの4H-SiC単結晶ウェハー表面の仕上げ研磨を実施した。ウェハー表面の方位は、Si(0001)面から(1-210)方向に8°傾けたSi面である。SiCウェハーの表面状態は、ダイヤモンド遊離砥粒で機械研磨した状態で、ウェハー表面の凹凸は、AFMで測定した結果、Ra=0.8nmであった。
【0039】
研磨試験
上記被研磨基板を、研磨装置( 日本エギンス株式会社 EJ-380IN)にセットし、研磨パッドとして、ニッタ・ハース社製「Suba800」を使用し、基板荷重26KPa、テーブル回転速度60rpmで研磨用スラリー(1)を10g/分の速度で、濃度3重量%のHF水溶液を10g/分の速度で別々に4時間供給して研磨を行った。研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。また、表面の平滑性を原子間力顕微鏡(AFM)((株)日立ハイテクサイエンス社製)でRaを測定した。結果を表に示す。
【0040】
[実施例2]
研磨用金属酸化物粒子(2)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
【0041】
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液3.17gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(M
MS)/(M
MC)は1.8であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液7.82gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(2)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0042】
研磨用スラリー(2)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(2)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(2)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(2)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0043】
[実施例3]
研磨用金属酸化物粒子(3)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
【0044】
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液0.11gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(M
MS)/(M
MC)は0.06であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.26を30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(3)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0045】
研磨用スラリー(3)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(3)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(3)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(3)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0046】
[実施例4]
研磨用金属酸化物粒子(4)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
【0047】
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液8.50gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(M
MS)/(M
MC)は4.8であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液20.9gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(4)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0048】
研磨用スラリー(4)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(4)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(4)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(4)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0049】
[実施例5]
研磨用金属酸化物粒子(5)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO
2濃度20重量%、pH10.2)750gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。
ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO
2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
ついで、精製シリカゾル750gにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al
2O
3濃度23.55重量%)5.1gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈してSiO
2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液3659gを調製した。基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液のpHは3.7であった。
【0050】
ついで、SiO
2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液
3659gに、被覆用金属酸化物粒子(B-1)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO
2濃度16.6重量%、pH3.7)367gを混合した。このとき、混合分散液のSiO
2濃度4.8重量%、pHは3.5であった。ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO
2濃度10重量%のシリカからなる分散液を調製した。その分散液のpHは9.0であった。(工程(b))
ついで、93℃で3時間熟成して、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮してSiO
2濃度10重量%の分散液を調製した。分散液のpHは9.0であった。(工程(c))
ついで、濃度3重量%の酢酸水溶液を添加して分散液のpHを5.5に調整し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮してSiO
2濃度10重量%のシリカからなる分散液を調製した。(工程(d))
得られた分散液を120℃で15時間乾燥し、その後、1000℃で2時間焼成してシリカからなる金属酸化物粒子を調製した。(工程(f))
ついで、金属酸化物粒子を純水に分散させ、SiO
2濃度10重量%の分散液とし、サンドミル(シンマルエンタープライゼス(株)製:ガラスビーズ0.5mmφ1100g)にて2160rpmで180分間解砕して金属酸化物粒子分散液を調製した。(工程(g))
ついで、ビーズを分離した分散液を遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、2000rpmで3分間分離して、ロータリーエバポレーターにて濃縮しSiO
2濃度40重量%の金属酸化物粒子(5)分散液を製造した。
【0051】
得られた金属酸化物粒子(5)について平均粒子径、比表面積を表に、SEM写真を
図1に示す。
ついで金属酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は実施例2と同様にして 、全固形分濃度20重量%の金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(5)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0052】
研磨用スラリー(5)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(5)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(5)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(5)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0053】
[実施例6]
研磨用金属酸化物粒子(6)の調製
硫酸セリウム(III)八水和物37.5gおよび蒸留水1765.8gを5L容器に入れ、攪拌して溶解した。引き続き攪拌しながら温度を93℃に昇温し、1.0%水酸化ナトリウム水溶液1255gの全量を一度に加え、攪拌しながら温度93℃で6時間維持した。次に30℃以下に冷却したところ、白色沈殿が得られた。この溶液のpHは10.0であった。この溶液を遠心分離装置を用いて、14000rpmで10分間処理した後、上澄み液を除去した。白色沈殿に蒸留水2884.5gを加え、更に遠心分離装置で、14000rpmで10分間処理した。この操作を合計3回行って、沈殿物を洗浄してセリア微粒子分散液(CeO
2濃度2.1重量%、pH10.0)を調製した。得られたセリア微粒子は単分散で平均粒子径は13nmであった。
ついで、セリア微粒子分散液3571.4gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)75.0gを混合し、0.5時間撹拌し、被覆用金属酸化物粒子(B-2)分散液を調製した。
被覆用金属酸化物粒子(B-2)分散液のpHは3.0であった。
【0054】
ついで、実施例5と同様にして調製したSiO
2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、被覆用金属酸化物粒子(B-2)分散液3571.4gを混合した。このとき、混合分散液のpHは3.2であった。(工程(a))
以下、実施例5と同様に工程(b)〜工程(g)を実施してSiO
2濃度40重量%の金属酸化物粒子(6)分散液を製造した。
ついで金属酸化物粒子粒子(6)分散液を用いた以外は実施例2と同様にして 、全固形分濃度20重量%の金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(6)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0055】
研磨用スラリー(6)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(6)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(6)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(6)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0056】
[実施例7]
研磨用金属酸化物粒子(7)の調製
純水100gに、繊維状アルミナ微粒子(平均長さが50nm、断面の平均径が10nm)と硝酸銀水溶液および硝酸パラジウム水溶液を、全固形分が1.0重量%となり、Ag:Pd:Al
2O
3=60:20:20となるように混合して繊維状アルミナ微粒子分散金属塩水溶液を調製した。
この水溶液に、Ag・Pd金属1重量部あたり、0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリウム(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液に、硝酸銀および硝酸パラジウムの合計モル数と等モル数の硫酸第一鉄(還元剤)水溶液を加え、窒素雰囲気下で1時間攪拌して複合金属微粒子の分散液を得た。
得られた分散液は遠心分離機により分離した後、濃度1重量%のHCl水溶液で酸洗浄し、ついで、純水に分散させ、ついで、ポリアクリル酸を複合金属1重量部当たり0.0128重量部となるように加え、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮して全固形分濃度が20重量%の分散液を調製した。ついで、得られた分散液をナノマイザーシステム(ナノマイザー(株):LA-33-S)にて処理して、研磨用金属酸化物粒子(7)分散液を得た。
【0057】
研磨用スラリー(7)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(7)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(7)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(7)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0058】
[
参考例8]
研磨用金属酸化物粒子(8)の調製
金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積61m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
【0059】
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液12.75gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(M
MS)/(M
MC)は7.18であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液31.23gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(8)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0060】
研磨用スラリー(8)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(8)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(8)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(8)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0061】
[
参考例9]
研磨用金属酸化物粒子(9)の調製
金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積61m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
【0062】
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液1.06gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(M
MS)/(M
MC)は0.6であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液2.61を30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(9)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0063】
研磨用スラリー(9)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(9)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(9)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(9)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0064】
[実施例10]
研磨用スラリー(10)の調製
実施例2と同様にして調製した研磨用スラリー(2)に、HF濃度が0.5重量%となるようにHF水溶液を混合して研磨用スラリー(10)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(10)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0065】
[実施例11]
研磨用金属酸化物粒子(11)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
【0066】
つぎに、金属塩水溶液として濃度10重量%の硝酸銀水溶液1.58gを添加した。つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液9.0gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(11)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0067】
研磨用スラリー(11)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(11)分散液に、濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、SiO
2濃度10.0重量%になるように調整したpH5.0の研磨用スラリー(11)を調製した。
研磨試験
参考例1で用いたSiC被研磨基板を、研磨装置(日本エギンス株式会社製:EJ−380IN)にセットし、研磨パッドとして、ニッタ・ハース社製「Suba800」を使用し、基板荷重26KPa、テーブル回転速度60rpmで研磨用スラリー(1)を10g/分の速度で、濃度5重量%の過酸化水素水を10g/分の速度で、濃度3重量%のHF水溶液を10g/分の速度で別々に4時間供給して研磨を行った。研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。また、表面の平滑性を原子間力顕微鏡(AFM)((株)日立ハイテクサイエンス社製)でRaを測定した。結果を表に示す。
【0068】
[実施例12]
研磨用金属酸化物粒子(12)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m
2/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
【0069】
つぎに、金属塩水溶液として濃度10重量%の硝酸銀水溶液0.79gと10重量%の硝酸パラジウム水溶液を0.80g添加した。この時のAg:Pd=1:1であった。つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液9.0gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(12)分散液を調製した。
以下
参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
【0070】
研磨用スラリー(12)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(12)分散液を使用した以外は実施例11と同様に研磨用スラリー(12)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(12)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0071】
[実施例13]
研磨用スラリー(13)の調製
実施例2と同様にして調製した全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(2)分散液を使用した以外は実施例12と同様に研磨用スラリー(13)を調製した。
【0072】
被研磨基板(Si)
直径4インチの4 H-Siウェハ表面の仕上げ研磨を実施した。ウェハ表面の凹凸は、AFMで測定した結果、Ra=1.2nmあった。
研磨試験
研磨用スラリー(13)を用い、上記被研磨基板(Siウエハー)を用いた以外は実施例12と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0073】
[実施例14]
研磨試験
実施例11と同様にして調製した研磨用スラリー(11)を用い、被研磨基板(Si)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0074】
[比較例1]
研磨用金属酸化物粒子(R1)の調製
研磨用金属酸化物粒子(R1)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度48重量%)をSiO
2濃度20重量%に純水で希釈し研磨用金属酸化物粒子(R1)分散液を得た。
研磨用スラリー(R1)の調製
SiO
2濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R1)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(R1)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R1)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0075】
[比較例2]
研磨用金属酸化物粒子(R2)の調製
金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m
2/g)をSiO
2濃度20重量%に純水で希釈して研磨用金属酸化物粒子(R2)分散液を得た。
研磨用スラリー(R2)の調製
SiO
2濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R2)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(R2)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R2)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0076】
[比較例3]
研磨用金属酸化物粒子(R3)の調製
実施例5と同様にしてヒマワリ状粒子であるSiO
2濃度40重量%の金属酸化物粒子(5)分散液をSiO
2濃度20重量%になるように純水で希釈し研磨用金属酸化物粒子(R3)分散液を得た。
研磨用スラリー(R3)の調製
SiO
2濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R3)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(R3)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R3)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0077】
[比較例4]
研磨用金属酸化物粒子(R4)の調製
実施例6と同様にしてヒマワリ状粒子であるSiO
2濃度40重量%の金属酸化物粒子(6)分散液をSiO
2濃度20重量%になるように純水で希釈し研磨用金属酸化物粒子(R4)分散液を得た。
研磨用スラリー(R4)の調製
SiO
2濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R4)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(R4)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R4)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0078】
[比較例5]
研磨用金属酸化物粒子(R5)の調製
繊維状アルミナ微粒子(平均長さが50nm、断面の平均径が10nmの繊維状アルミナ微粒子)を純水に分散させてアルミナ濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R5)分散液を得た。
研磨用スラリー(R5)の調製
アルミナ濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R5)分散液を使用した以外は
参考例1と同様に研磨用スラリー(R5)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R5)を用いた以外は
参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0079】
[比較例6]
研磨用金属酸化物粒子(R6)の調製
金属微粒子分散液の調製
塩化白金酸6水和物25g(白金金属換算で9g)を純水16,000gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1,660gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液140gとを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌混合して、水に白金微粒子が分散してなる白金コロイド溶液を得た。ついで、白金コロイド溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製:ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮し、白金金属換算で濃度20.0重量%の白金コロイド溶液(R6-1)とした。得られた白金コロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製:S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
研磨用スラリー(R6)の調製
比較例1と同様にして調製したSiO
2濃度20重量%の金属酸化物粒子(R1)分散液100gと白金コロイド溶液(R6-1)300gを混合した。ついで濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、全固形分濃度10.0重量% 、pH5.0の研磨用スラリー(R6)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R6)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0080】
[比較例7]
研磨用スラリー(R7)の調製
比較例1と同様にして調製したSiO
2濃度20重量%の金属酸化物粒子(R1)分散液100gとAgナノ粒子(日揮触媒化成((株)製:ELCOM MK−5001SIV、濃度10重量%、平均粒子径10nm、pH4.0)600gを混合し、ロータリーエバポレーターで20重量%まで濃縮した。ついで濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、全固形分濃度10.0重量%、pH5.0の研磨用スラリー(R7)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R7)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0081】
[比較例8]
研磨試験
比較例1と同様にして調製した研磨用スラリー(R1)を用いた以外は実施例13と同様にSi基板の研磨試験を行った。結果を表に示す。
【0082】
【表1】