特許第6285786号(P6285786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケイミュー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6285786-金属系サイディングの製造方法 図000002
  • 特許6285786-金属系サイディングの製造方法 図000003
  • 特許6285786-金属系サイディングの製造方法 図000004
  • 特許6285786-金属系サイディングの製造方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285786
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】金属系サイディングの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/12 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   E04F13/12 101E
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-82575(P2014-82575)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2015-203218(P2015-203218A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2017年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】古田島 裕二
(72)【発明者】
【氏名】篠原 栄一
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−289039(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2617564(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/12
B29C 39/00 − 39/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一端に第一嵌合部を、他端に第二嵌合部を、それぞれ設ける工程と、
前記基材の一面上の前記第一嵌合部と前記第二嵌合部との間に、発泡性樹脂材料を配置すると共に、前記一面上の、前記発泡性樹脂材料と前記第一嵌合部との間、及び前記発泡性樹脂材料と前記第二嵌合部との間に、少なくとも水を含む処理剤をそれぞれ配置する工程と、
裏面材を、前記基材の前記一面と対向させて配置する工程と、
前記発泡性樹脂材料を発泡させる工程と、
を備える金属系サイディングの製造方法。
【請求項2】
前記処理剤が、界面活性剤を含有する請求項1に記載の金属系サイディングの製造方法。
【請求項3】
前記発泡性樹脂材料が、ポリイソシアネートを含有する請求項1又は2に記載の金属系サイディングの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属系サイディングの製造方法に関し、より具体的には、内部に断熱材が充填された金属系サイディングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属系サイディングは、軽量であるため、取扱いが容易である。又、金属系サイディングは、長期間に亘り耐久性を高く維持することができる。更に、プレスやロール等のエンボス加工により、金属系サイディングの表面に、多種多用な凹凸模様を形成することができる。
【0003】
金属系サイディングがこれらの特徴を有するため、従来、金属系サイディングは建物の外壁の外装材として広く利用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、金属薄板の表面化粧部と、芯材となるプラスチックフォームと、裏面材からなり、長手両側端には雌雄の連結構造を有し、該表面化粧部に所定のピッチで断面倒コ字状の縦目地を有する金属サイディングが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−0260672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された金属系サイディングの場合、短手方向の両端に設けられた嵌合部にまで、プラスチックフォームが十分に充填されないことがあった。この場合、金属系サイディングの芯材が充填されていない部分において、断熱性が低下してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、金属系サイディングの短手方向の両端に設けられた嵌合部の内部において、断熱材の未充填が生じにくい、金属系サイディングの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る金属系サイディングの製造方法は、基材の一端に第一嵌合部を、他端に第二嵌合部を、それぞれ設ける工程と、
前記基材の一面上の前記第一嵌合部と前記第二嵌合部との間に、発泡性樹脂材料を配置すると共に、前記一面上の、前記発泡性樹脂材料と前記第一嵌合部との間、及び前記発泡性樹脂材料と前記第二嵌合部との間に、少なくとも水を含む処理剤をそれぞれ配置する工程と、
裏面材を、前記基材の前記一面と対向させて配置する工程と、
前記発泡性樹脂材料を発泡させる工程と、
を備える。
【0009】
本発明に係る金属系サイディングの製造方法においては、前記処理剤が、界面活性剤を含有することが好ましい。
【0010】
本発明に係る金属系サイディングの製造方法においては、前記発泡性樹脂材料が、ポリイソシアネートを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、発泡性樹脂材料が発泡した際に、第一嵌合部及び第二嵌合部の内部にまで、発泡した発泡性樹脂材料を引き込むことができる。このため、第一嵌合部及び第二嵌合部の内部に、断熱材の未充填が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1A図1Gは、本実施形態の金属系サイディングの製造法方法の工程を示す断面図である。
図2】本実施形態の金属系サイディングの製造方法の製造工程の概要を示した図である。
図3】本実施形態に係る金属系サイディングの概略の断面図である。
図4】他の実施形態の金属系サイディングの製造方法の製造工程の概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
本実施形態に係る金属系サイディング100の製造方法は、基材1の一端に第一嵌合部21を、他端に第二嵌合部22を、それぞれ設ける工程と、基材1の一面10上の第一嵌合部21と第二嵌合部22との間に、発泡性樹脂材料3を配置すると共に、一面10上の、発泡性樹脂材料3と第一嵌合部21との間、及び発泡性樹脂材料3と第二嵌合部22との間に、少なくとも水を含む処理剤6をそれぞれ配置する工程と、裏面材4を、基材1の一面10と対向させて配置する工程と、発泡性樹脂材料3を発泡させる工程と、を備える。
【0015】
本実施形態に係る金属系サイディング100の製造方法が、このような構成を備えるため、発泡性樹脂材料3が発泡した際に、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、発泡した発泡性樹脂材料3を引き込むことができる。このため、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、断熱材30の未充填が生じにくい。
【0016】
本実施形態に係る金属系サイディング100の製造方法では、処理剤6が界面活性剤を含有してもよい。
【0017】
本実施形態に係る金属系サイディング100の製造方法では、発泡性樹脂材料3が、ポリイソシアネートを含有していてもよい。
【0018】
以下、本実施形態に係る金属系サイディング100の製造方法について、更に詳しく説明する。
【0019】
まず、本実施形態の金属系サイディング100の構成について、図3を参照しながら説明する。
【0020】
本実施形態に係る金属系サイディング100は、基材1、裏面材4、及び断熱材30を備える。
【0021】
基材1は金属製である。基材1は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、及び鋼からなる群から選択される金属から形成される。基材1には凹凸5が設けられている。基材1の短手方向の一端には第一嵌合部21が、他端には第二嵌合部22が設けられている。第一嵌合部21の形状は、第二嵌合部22と嵌合可能な形状である。
【0022】
尚、本明細書における短手方向とは、長尺な基材1の長手方向と直交する方向を指す。
【0023】
本実施形態の第一嵌合部21は、嵌合凸部23、及び嵌合凸部23よりも裏面材4に近い位置にある延出片24を備え、第二嵌合部22は、嵌合凹部25を備える。基材1の第一嵌合部21と、別の基材1の第二嵌合部22とが嵌合する場合、嵌合凸部23が嵌合凹部25に収まり、延出片24が第二嵌合部22の上に重なる。
【0024】
裏面材4は、例えば、アルミニウム、鋼板、ステンレス等の金属シート、アルミ箔、クラフト紙、及び高分子製の多層ラミネートシートからなる群から選択されるシート材である。裏面材4は基材1の一面10と対向している。本実施形態では、裏面材4の一端が第一嵌合凹部21の上に、他端が第二嵌合凸部22の上に、重ねられている。
【0025】
断熱材30は、発泡性樹脂材料3が発泡することで得られる発泡樹脂からなる。断熱材30は、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、及びポリエチレンフォームからなる群から選択される発泡樹脂からなる。断熱材30は、ポリウレタンフォームやポリイソシアヌレートフォームといった硬質ウレタンフォームであることが特に好ましい。断熱材30は基材1と裏面材4との間の空間に充填されている。本実施形態では、断熱材30が第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部にも充填されている。
【0026】
次に、本実施形態の金属系サイディング100の製造方法について、図1A図1G、及び図2を参照しながら、説明する。
【0027】
本実施形態の金属系サイディング100は、例えば、図2に示す一連のラインを用いて製造することができる。このラインは長尺な基材1のロール11を備える。更にこのラインは、ロール11から送り出される基材1の搬送経路に沿って、基材1に凹凸5を設ける成形機12、基材1に第一嵌合部21及び第二嵌合部22を形成するロール成形機13、基材1の一面10上に処理剤6を配置する散水機14、一面10上に発泡性樹脂材料3を配置する樹脂滴下機15、長尺な裏面材4のロール16、基材1を加熱する炉17、及び半製品を切断する切断機18を備える。基材1に凹凸5を設ける成形機12としては、例えば、ロール成形機、プレス成形機など、金属製の基材1の成形に一般に使用される成形機を用いることができる。
【0028】
以下、本実施形態の金属系サイディング100の製造方法を、更に詳細に説明する。
【0029】
まず、図1Aに示す基材1に対して、図1Bに示すように、凹凸5を設ける。凹凸5は、例えば、基材1を折り曲げ加工すること、又は基材1をプレスすることによって形成することができる。本実施形態では、図2に示すように、ロール11から基材1を、その一面10が上方に向く状態で連続的に送り出して、これを成形機12により凹凸5を形成する。
【0030】
次に、図1Cに示すように、基材1の一端に第一嵌合部21を、他端に第二嵌合部22を設ける。第一嵌合部21及び第二嵌合部22は、例えば、基材1の曲げ加工により形成することができる。本実施形態では、図2に示すように、基材1を搬送しながら、ロール成形機13によって、第一嵌合部21及び第二嵌合部22を一度に形成する。
【0031】
次に、基材1の一面10上に、図1Dに示すように、少なくとも水を含む処理剤6を配置する。本実施形態では、基材1の一面10上の、短手方向に並ぶ二つの領域60、61に、それぞれ処理剤6を配置する。領域60と領域61との間には間隔が空いている。領域60は、発泡性樹脂材料3を配置する位置と第一嵌合部21の先端との間にあればよく、領域61は、発泡性樹脂材料3を配置する位置と第二嵌合部22の先端との間にあればよい。特に、領域60は第一嵌合部21の近くであることが好ましく、領域61は第二嵌合部22の近くであることが好ましい。本実施形態の領域60は、一面10における嵌合凸部23の端部から幅W1の位置を起点とした、一面10の中央部に向かって幅W2の領域である(図1C参照)。幅W1は10〜14mmの範囲内であることが好ましく、幅W2は50〜60mmの範囲内であることが好ましい。領域61は、一面10における嵌合凹部25の端部から幅W3の位置を起点とした、一面10の中央部に向かって幅W4の領域である(図1C参照)。幅W3は、10〜14mmの範囲内であることが好ましく、幅W4は50〜60mmの範囲内であることが好ましい。また領域60、61に配置される処理剤6の量は、1cm当たり0.005〜0.015mlの範囲内であることが好ましい。領域60、61に配置される処理剤6の量が1cm当たり0.005ml以上であることにより、領域60、61に処理剤6を均一に配置することができる。領域60、61に配置される処理剤6の量が1cm当たり0.015ml以下であることにより、断熱材30の強度を十分に確保することができる。
【0032】
本実施形態では、図2に示すように、基材1を搬送しながら、散水機14によって、領域60及び領域61上に、処理剤6を連続的に配置する。
【0033】
本実施形態の処理剤6は水を含んでいる。この水は、例えば、水道水、工業用水、蒸留水、又は純水である。更に、処理剤6は、界面活性剤を含有することが好ましい。更に、処理剤6は、アルコール又は油を含有してもよい。処理剤6が油を含有する場合、処理剤6は、水と油のエマルションであることが好ましい。処理剤6中の水と、処理剤6中の界面活性剤、アルコール、及び油の合計との質量比は、100:0〜80:20の範囲内であることが好ましい。つまり、処理剤6は水単体であってもよく、水とその他の混合物であってもよい。処理剤6中の水と、処理剤6中の界面活性剤、アルコール、及び油の合計との質量比が、この範囲内であることにより、断熱材30の未充填が生じにくく、更に断熱材30の強度を十分に確保することができる。処理剤6は、例えば、散水機14で塗布することができる。
【0034】
次に、図1Eに示すように、基材1の一面10上の領域60と領域61との間に、発泡性樹脂材料3を配置する。本実施形態では、図2に示すように、基材1を搬送しながら、樹脂滴下機15によって、一面10の短手方向の中央部に、発泡性樹脂材料3を連続的に滴下する。
【0035】
本実施形態の発泡性樹脂材料3は、ポリイソシアネートを含有する。発泡性樹脂材料3は、更に、ポリオール、触媒、更に、必要に応じて整泡剤を含有する。
【0036】
次に、図1Fに示すように、基材1の一面10と対向させて裏面材4を配置する。この場合、第一嵌合部21の上に裏面材4の一端を重ね、第二嵌合部22の上に裏面材4の他端を重ねる。本実施形態では、図2に示すように、基材1を搬送しながら、ロール16から裏面材4を送り出し、裏面材4を基材1の一面10と対向させて配置する。
【0037】
次に、一面10上の発泡性樹脂材料3を加熱して発泡させ、図1Gに示すように、基材1と裏面材4との間の空間に断熱材30を充填させる。本実施形態では、図2に示すように、基材1を炉17に搬送して加熱し、発泡性樹脂材料3を発泡させる。この際、加熱温度及び加熱時間は、基材1の大きさ、発泡性樹脂材料3の組成、及び発泡性樹脂材料3の量に合わせて調整される。
【0038】
本実施形態では、発泡性樹脂材料3が発泡した際に、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、発泡性樹脂材料3が引き込まれ易い。これは、発泡性樹脂材料3と第一嵌合部21の間、及び発泡性樹脂材料3と第二嵌合部22との間に、処理剤6が配置されていると、基材1と発泡性樹脂材料3との親和性が高められるためであると考えられる。第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に発泡性樹脂材料3が引き込まれやすいことにより、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、断熱材30の未充填が生じにくい。
【0039】
処理剤6が界面活性剤を含有する場合、基材1と発泡性樹脂材料3との親和性が更に高くなる。このため、発泡性樹脂材料3が発泡した際に、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、発泡性樹脂材料3が更に引き込まれ易い。このため、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、断熱材30の未充填が更に生じにくい。
【0040】
更に、本実施形態のように、発泡性樹脂材料3がポリイソシアネートを含有することにより、発泡性樹脂材料3と処理剤6とが反応することで、発泡性樹脂材料3の発泡が促進される。本実施形態では特に、第一嵌合部21の近くの領域60、及び第二嵌合部22の近くの領域61に処理剤6が配置されているため、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の近くで発泡性樹脂材料3の発泡が促進される。このため、発泡性樹脂材料3が、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、更に引き込まれやすい。このため、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、断熱材30の未充填が更に生じにくい。
【0041】
上記の工程により、基材1、裏面材4、断熱材30を備える半製品が得られる。そして、図2に示すように、この半製品を搬送しながら、切断機18で切断することにより、所定の長さの金属系サイディング100が得られる。
【0042】
尚、本実施形態では処理剤6を配置した後に発泡性樹脂材料3を配置しているが、これに限られない。例えば、一面10上に発泡性樹脂材料3を配置した後に処理剤6を配置してもよく、発泡性樹脂材料3と処理剤6とを同時に配置してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、基材1に凹凸5を形成した後に、第一嵌合部21及び第二嵌合部22を設けているが、これに限られない。例えば、基材1に第一嵌合部21及び第二嵌合部22を設けた後に、凹凸5を形成してもよい。
【0044】
また、本実施形態では、図2に示すように、ロール11から基材1を送り出し、この基材1を用いて金属系サイディング100を製造しているが、基材1を途中で切断してもよい。例えば、凹凸5を設けた基材1を所定の長さに切断した後、この基材1を別の施設に移動して、基材1の加工、並びに処理剤6及び発泡性樹脂材料3の配置を行ってもよい。この場合の金属系サイディング100の製造方法の工程の概要を、図4に示す。
【0045】
まず、ロール11から送り出された基材1は、プレス成形機121で一回、又は複数回プレスされることにより凹凸5が形成された後、切断機19によって切断される。次に、所定の長さに切断された基材1が別施設に移動される。次に、基材1が一枚ずつ搬送されながら、ロール成形機13で基材1に第一嵌合部21及び第二嵌合部22が形成される。次に、複数の基材1が、テープ20によって接続される。次に、基材1の一面10上に、散水機14によって処理剤6が配置されると共に、樹脂滴下機15によって発泡性樹脂材料3が配置される。次に、ロール16から送り出された裏面材4が基材1の一面10に対向して配置された後、発泡性樹脂材料3が炉17で加熱されることにより、発泡性樹脂材料3が発泡させられる。次に、基材1のテープ20が貼られた部分において、切断機18によって、テープ20ごと基材1が切断される。
【0046】
図4に示す製造方法では、上記の通り、複数の基材1がテープ20で接続される。通常、テープは、発泡性樹脂材料3との親和性が低い。このため、テープ20が貼られた部分では、発泡性樹脂材料3が発泡した際、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に発泡性樹脂材料3が引き込まれにくい。
【0047】
しかしながら、本実施形態では、発泡性樹脂材料3と第一嵌合部21の間、及び発泡性樹脂材料3と第二嵌合部22との間に、処理剤6が配置されるため、テープ20における処理剤6が配置されている箇所と発泡性樹脂材料3との親和性が高い。このため、テープ20が貼られていても、発泡性樹脂材料3が発泡した際、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、発泡性樹脂材料3が引き込まれ易い。このため、基材1がテープ20で接続されていても、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、断熱材30の未充填が生じにくい。
【0048】
更に、基材1がテープ20で接続されている場合、テープ20上における、発泡性樹脂材料3と第一嵌合部21の間、及び発泡性樹脂材料3と第二嵌合部22との間のみに、処理剤6を配置してもよい。この場合においても、テープ20が貼られた部分において、発泡性樹脂材料3が発泡した際、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、発泡性樹脂材料3が引き込まれ易い。このため、基材1がテープ20で接続されていても、第一嵌合部21及び第二嵌合部22の内部に、断熱材30の未充填が生じにくい。
【符号の説明】
【0049】
1 基材
10 一面
21 第一嵌合部
22 第二嵌合部
3 発泡性樹脂材料
4 裏面材
6 処理剤
100 金属系サイディング
図1
図2
図3
図4