特許第6285894号(P6285894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285894
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】区画開閉装置及び廃棄物収容装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   B65F1/16
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-138455(P2015-138455)
(22)【出願日】2015年7月10日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3178613号
【原出願日】2012年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-214427(P2015-214427A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】長山 和博
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−124104(JP,A)
【文献】 特開平08−081004(JP,A)
【文献】 特開平05−105202(JP,A)
【文献】 特開平05−105203(JP,A)
【文献】 特開平05−266363(JP,A)
【文献】 実開平02−116871(JP,U)
【文献】 特開平10−075880(JP,A)
【文献】 特開2012−031633(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0145057(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3026289(JP,U)
【文献】 実開昭55−013859(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3146161(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部分と前記第一部分から廃棄物が投入される対象廃棄物収容部である第二部分を区画する区画体と、
その区画体に設けられて前記第一部分と第二部分を連通し得る開口部と、
前記第二部分側において開口部を囲繞するよう前記区画体に対し立ち上げられた周壁状部と、
その周壁状部の先端周縁部を開閉し得る開閉蓋を備えてなり、
前記周壁状部は、全体が軟質周壁部により構成された先端側の周壁状部と、全体が硬質周壁部により構成された基端側の周壁状部が、両者の間に隙間及び段差がない状態で一体状に形成されてなるものであり、
前記開閉蓋は、周壁状部の先端周縁部に接してその周壁状部の先端部を閉じた閉状態と、開口部及び周壁状部内部を通じて第一部分側から第二部分側へ押されることにより周壁状部の先端部を開いた開状態をとり得、開状態の開閉蓋には閉状態とする力が作用して自動的に閉状態となるものであり、
前記軟質周壁部は、開閉蓋が周壁状部の先端周縁部に接して閉じる際の音を抑制すると共に、閉状態の開閉蓋と周壁状部の先端側との気密性を可及的に維持することを特徴とする廃棄物用の区画開閉装置。
【請求項2】
上記区画体に対し立ち上げられた周壁状部は、立上方向及び周方向に隙間及び段差のない壁状をなす請求項1記載の区画開閉装置。
【請求項3】
開状態の開閉蓋に作用して開閉蓋を閉状態とするための力が、開閉蓋に作用する重力である請求項1又は2記載の区画開閉装置。
【請求項4】
開状態の開閉蓋に作用して開閉蓋を閉状態とするための力が、開閉蓋に直接又は間接に連携する弾性材による弾性力である請求項1又は2記載の区画開閉装置。
【請求項5】
上記区画体が、上記開閉蓋を回動支持する枠状の区画体であって、上記開口部及び周壁状部を備えると共に前記開閉蓋を回動支持した状態で、上記第一部分と第二部分を通じる開口縁に固定されて前記第一部分と第二部分を区画するものである請求項1乃至の何れか1項に記載の区画開閉装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の区画開閉装置と、
上記第一部分から廃棄物が投入される対象廃棄物収容部として上記第二部分を有し、
前記区画開閉装置における区画体は、前記第一部分と第二部分を区画し、
前記区画開閉装置における周壁状部は、第二部分側において開口部を囲繞するよう前記区画体に対し立ち上げられているものである廃棄物収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ入れ、空き缶入れ、空き瓶入れ等の廃棄物用の容器若しくは収容部等に使用し得る区画開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実開平5−1702号公報には、上部にゴミ投入口7が形成されたゴミ収納容器本体1に、ゴミ投入口7を開閉する開閉蓋5が回動可能に取付けられたゴミ収納容器1が開示されている。
【0003】
このゴミ収納容器においては、ゴミ投入口が開閉蓋により開閉するが、開閉の際に生じる音、閉じた状態において漏出する内部のごみの臭気等が、周囲を煩わせる点があり、特に屋内使用においてこの点が顕著であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−1702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、開閉蓋が閉蓋状態である場合に可及的に気密性を維持し得、開閉蓋が閉じる際の音を可及的に抑制することができる区画開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 上記課題を解決するための本発明の区画開閉装置は、
第一部分と第二部分を区画する区画体と、
その区画体に設けられて前記第一部分と第二部分を連通し得る開口部と、
前記第二部分側において開口部を囲繞する周壁状部と、
その周壁状部の先端周縁部を開閉し得る開閉蓋を備えてなり、
前記周壁状部は、先端側が軟質周壁部により構成され、基端側が硬質周壁部により構成されており、
前記開閉蓋は、周壁状部の先端周縁部に接してその周壁状部の先端部を閉じた閉状態と、開口部及び周壁状部内部を通じて第一部分側から第二部分側へ押されることにより周壁状部の先端部を開いた開状態をとり得、開状態の開閉蓋には閉状態とする力が作用することを特徴とする。
【0007】
第一部分と第二部分を区画する区画体に設けられて第一部分と第二部分を連通し得る開口部を、第二部分側において囲繞する周壁状部の先端周縁部を、開閉蓋により開閉し得る。
【0008】
開閉蓋は、周壁状部の先端周縁部に接してその周壁状部の先端部を閉じた閉状態と、開口部及び周壁状部内部を通じて第一部分側から第二部分側へ押されることにより周壁状部の先端部を開いた開状態をとり得る。開状態の開閉蓋には閉状態とする力が作用するので、開いた開閉蓋は自動的に閉じる。
【0009】
周壁状部の先端側は軟質周壁部により構成されているので、開閉蓋が周壁状部の先端周縁部に接して閉じる場合に、閉じる際の音が抑制されると共に、閉じた状態における気密性が可及的に高まるため臭気が第二部分から第一部分へ漏出することが防がれ、その点において屋内使用に適する。また、周壁状部の先端側は軟質周壁部により構成されていることにより、第一部分側から第二部分側への操作において周壁状部の先端周縁部により操作者に怪我が発生することが防止される。
【0010】
(2) 上記周壁状部における先端側の軟質周壁部と基端側の硬質周壁部は、一体的に成形されたものとすることができる。
【0011】
この場合、周壁状部を一体成形により効率良く製造し得ると共に、先端側の軟質周壁部が、長期使用等により基端側の硬質周壁部から一部分離したり、脱落すること等が防がれる。
【0012】
(3) 上記周壁状部における先端側の軟質周壁部と基端側の硬質周壁部は、両者の間に隙間及び段差がない状態で一体状をなすものとすることができる。
【0013】
この場合、開口部及び周壁状部内部を通じて第一部分側から第二部分側へ物を送り込む場合に、周壁状部における先端側の軟質周壁部と基端側の硬質周壁部の間に、種々の物が引っかかったり挟まったりすること等が防がれる。
【0014】
(4) 上記開状態の開閉蓋に作用して開閉蓋を閉状態とするための力は、開閉蓋に作用する重力であるものとすることができる。
【0015】
(5) また上記開状態の開閉蓋に作用して開閉蓋を閉状態とするための力は、開閉蓋に直接又は間接に連携する弾性材による弾性力であるものとすることができる。
【0016】
(6) 上記第二部分は、対象物収容部であるものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の区画開閉装置によれば、周壁状部の先端側は軟質周壁部により構成されているので、開閉蓋が周壁状部の先端周縁部に接して閉じる場合に、閉じる際の音が抑制されると共に、閉じた状態における気密性が可及的に高まるため臭気が第二部分から第一部分へ漏出することが防がれ、その点において屋内使用に適する。また、周壁状部の先端側は軟質周壁部により構成されていることにより、第一部分側から第二部分側への操作において周壁状部の先端周縁部により操作者に怪我が発生することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ごみ入れ用区画開閉装置の側面図である。
図2】ごみ入れ用区画開閉装置の正面側斜視図である。
図3】ごみ入れ用区画開閉装置の背面側斜視図である。
図4】瓶・缶用区画開閉装置の側面図である。
図5】瓶・缶用区画開閉装置の正面側斜視図である。
図6】瓶・缶用区画開閉装置の背面側斜視図である。
図7】ペットボトル用区画開閉装置の側面図である。
図8】ペットボトル用区画開閉装置の正面側斜視図である。
図9】ペットボトル用区画開閉装置の背面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(1) 図1乃至図3は本発明の実施の形態の一例としてのごみ入れ用の区画開閉装置についてのものである。
【0021】
図1乃至図3に示すごみ入れ用の区画開閉装置は、合成樹脂製であり、区画体と開口部と周壁状部と開閉蓋を備える。
【0022】
(1-1) 区画体
【0023】
区画体Bは、ごみ入れA(要部を二点鎖線で示す)におけるごみ投入部の前側部を構成し、ごみ入れAにおける内部、すなわちごみ収容部A1(第二部分)と、外部S(第一部分)を区画する枠状をなす。
【0024】
この区画体Bは、横長長方形状の平板における外周縁のほぼ一定幅内側に、横長長方形状の開口部Cを有する形状の枠状をなす。
【0025】
区画体Bのごみ収容部A1(第二部分)側の上下それぞれ複数箇所及び左右に、ごみ入れAにおけるごみ投入部用の開口縁に係合して区画体Bをそれに対し固定するための係合突起部Yを有する。
【0026】
(1-2) 開口部C
【0027】
開口部Cは、区画体Bに横長長方形状に設けられたものであり、ごみ収容部A1(第二部分)と外部S(第一部分)を連通している。
【0028】
(1-3) 周壁状部D
【0029】
周壁状部Dは、区画体Bのごみ収容部A1(第二部分)側において、開口部Cを、その外周縁に沿って囲繞するものである。周壁状部Dは、開口部Cのごみ収容部A1(第二部分)側の外周縁から、区画体Bに対し垂直状に一定高さに立ち上げられてなる。
【0030】
周壁状部Dの先端側は、全周にわたり先端から一定の立ち上げ方向寸法部分が軟質周壁部D1(熱可塑性エラストマー)により構成され、基端側が硬質周壁部D2(硬質熱可塑性合成樹脂)により構成されている。周壁状部Dにおける先端側の軟質周壁部D1と基端側の硬質周壁部D2は、両者の間に隙間及び段差がない状態で一体状をなす。区画開閉装置の他の部分は硬質熱可塑性合成樹脂製である。
【0031】
この例の区画体Bと周壁部は、一体状をなし、一体成形される。
【0032】
(1-4) 開閉蓋E
【0033】
開閉蓋Eは、周壁状部Dの先端周縁部を開閉し得る横長長方形板状をなし、周壁状部Dの先端周縁部を閉じた状態において垂直状をなす。開閉蓋Eは、その両側部上方に突設された一対の被支持部Wにおいて、周壁状部Dの上側の両端側に設けられた一対の支持部Xにより、水平方向軸線の回りに回動自在に支持され、垂下して周壁状部Dの先端周縁部を閉じた閉状態と、下方側がごみ収容部A1(第二部分)側における上方に回動して周壁状部Dの先端周縁部を開いた開状態をとり得る。
【0034】
閉状態では、開閉蓋Eの正面側と、軟質周壁部D1により構成された周壁状部Dの先端側との気密性が、可及的に維持され、ごみ収容部A1(第二部分)側に収容したごみの臭気等が外部S(第一部分)へ漏出することが防がれる。
【0035】
閉状態において、開口部C及び周壁状部D内部を通じて外部S(第一部分)からごみ収容部A1(第二部分)へごみ等を投入する際に、開閉蓋Eが押されることにより周壁状部Dの先端部を開いた開状態をとり得る。
【0036】
開状態の開閉蓋Eは、重心位置が閉状態よりも上昇するため、開状態を維持する力が解除されると自重により開閉蓋Eが閉じることとなる。周壁状部Dの先端側が軟質周壁部D1により構成されているため、開閉蓋Eが閉じる際の音が抑制される。また、周壁状部Dの先端側は軟質周壁部D1により構成されていることにより、外部S(第一部分)からごみ収容部A1(第二部分)へごみ等を投入する際に、周壁状部Dの先端周縁部により操作者に怪我が発生することが防止される。
【0037】
(2) 図4乃至図6は本発明の実施の形態の別の一例としての瓶・缶用区画開閉装置についてのものである。
【0038】
図4乃至図6に示す瓶・缶用区画開閉装置は、合成樹脂製であり、区画体Iと開口部Jと周壁状部Kと開閉蓋Lを備える。
【0039】
(2-1) 区画体
【0040】
区画体Iは、瓶・缶入れH(要部を二点鎖線で示す)における瓶・缶投入部の前側部を構成し、瓶・缶入れHにおける内部、すなわち瓶・缶収容部H1(第二部分)と、外部S(第一部分)を区画する枠状をなす。
【0041】
この区画体Iは、横長長方形状の平板における左右二箇所に同一の円形状(同一形状に限らない)をなす開口部Jを有する枠状をなす。
【0042】
区画体Iの瓶・缶収容部H1(第二部分)側の上下それぞれ複数箇所及び左右に、瓶・缶入れHにおける瓶・缶投入部用の開口縁に係合して区画体Iをそれに対し固定するための係合突起部Yを有する。
【0043】
(2-2) 開口部J
【0044】
開口部Jは、区画体Iの左右二箇所に同一の円形状に設けられたものであり、瓶・缶収容部H1(第二部分)と外部S(第一部分)を連通している。両開口部Jは、例えば瓶用と缶用に分別するものとすることもできる。
【0045】
(2-3) 周壁状部
【0046】
各周壁状部Kは、区画体Iの瓶・缶収容部H1(第二部分)側において、各開口部Jを、その外周縁に沿って囲繞するものである。周壁状部Kは、開口部Jの瓶・缶収容部H1(第二部分)側の外周縁から、区画体Iに対し垂直状に一定高さに立ち上げられてなる。
【0047】
周壁状部Kの先端側は、全周にわたり先端から一定の立ち上げ方向寸法部分が軟質周壁部K1(熱可塑性エラストマー)により構成され、基端側が硬質周壁部K2(硬質熱可塑性合成樹脂)により構成されている。周壁状部Kにおける先端側の軟質周壁部K1と基端側の硬質周壁部K2は、両者の間に隙間及び段差がない状態で一体状をなす。区画開閉装置の他の部分は硬質熱可塑性合成樹脂製である。
【0048】
この例の区画体Iと周壁部は、一体状をなし、一体成形される。
【0049】
(2-4) 開閉蓋
【0050】
開閉蓋Lは、各周壁状部Kの先端周縁部を同時に開閉し得る1枚の横長長方形板状をなし、周壁状部Kの先端周縁部を閉じた状態において垂直状をなす。開閉蓋Lは、その両側部上方に突設された一対の被支持部Wにおいて、両周壁状部Kの上側にそれぞれ設けられた一対の支持部Xにより、水平方向軸線の回りに回動自在に支持され、垂下して両周壁状部Kの先端周縁部を同時に閉じた閉状態と、下方側が瓶・缶収容部H1(第二部分)側における上方に回動して両周壁状部Kの先端周縁部を開いた開状態をとり得る。
【0051】
閉状態では、開閉蓋Lの正面側と、軟質周壁部K1により構成された両周壁状部Kの先端側との気密性が、可及的に維持され、瓶・缶収容部H1(第二部分)側に収容した瓶・缶の臭気等が外部S(第一部分)へ漏出することが防がれる。
【0052】
閉状態において、開口部J及び周壁状部K内部を通じて外部S(第一部分)から瓶・缶収容部H1(第二部分)へ瓶・缶等を投入する際に、開閉蓋Lが押されることにより周壁状部Kの先端部を開いた開状態をとり得る。
【0053】
開状態の開閉蓋Lは、重心位置が閉状態よりも上昇するため、開状態を維持する力が解除されると自重により開閉蓋Lが閉じることとなる。周壁状部Kの先端側が軟質周壁部K1により構成されているため、開閉蓋Lが閉じる際の音が抑制される。また、周壁状部Kの先端側は軟質周壁部K1により構成されていることにより、外部S(第一部分)から瓶・缶収容部H1(第二部分)へ瓶・缶等を投入する際に、周壁状部Kの先端周縁部により操作者に怪我が発生することが防止される。
【0054】
(3) 図7乃至図9は本発明の実施の形態の別の一例としてのペットボトル用区画開閉装置についてのものである。
【0055】
図7乃至図9に示すペットボトル用区画開閉装置は、合成樹脂製であり、区画体Oと開口部と周壁状部と開閉蓋Rを備える。
【0056】
(3-1) 区画体
【0057】
区画体Oは、ペットボトル入れN(要部を二点鎖線で示す)におけるペットボトル投入部の前側部を構成し、ペットボトル入れNにおける内部、すなわちペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)と、外部S(第一部分)を区画する枠状をなす。
【0058】
この区画体Oは、横長長方形状の平板における左右二箇所に、それぞれ円形状開口部P1と正方形状開口部P2を有する枠状をなす。
【0059】
区画体Oのペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)側の上下それぞれ複数箇所及び左右に、ペットボトル入れNにおけるペットボトル投入部用の開口縁に係合して区画体Oをそれに対し固定するための係合突起部Yを有する。
【0060】
(3-2) 開口部
【0061】
区画体Oの左右二箇所に、それぞれ円形状開口部P1及び正方形状開口部P2が設けられており、それらがペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)と外部S(第一部分)を連通している。円形状開口部P1はペットボトルの蓋を本体と分離して投入するためのものであり、正方形状開口部P2はペットボトルの本体を投入するためのものである。ペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)は、円形状開口部P1と正方形状開口部P2にそれぞれ投入されたものを別個に収容し得るよう分割されている(図示せず)。
【0062】
(3-3) 周壁状部
【0063】
区画体Oのペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)側において、円形状開口部P1及び正方形状開口部P2は、それぞれその外周縁に沿って周壁状部Qa及び周壁状部Qbにより囲繞されている。周壁状部Qaは、円形状開口部P1のペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)側の外周縁から、区画体Oに対し湾曲凸部(正面側から見れば湾曲凹部)を形成するように立ち上げられてなり、周壁状部Qaの先端部は、やや下方に位置し、円形状開口部P1に比し縮径された円形状に開口する。
【0064】
周壁状部Qbは、正方形状開口部P2のペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)側の外周縁から、区画体Oに対し垂直状に一定高さに立ち上げられている。
【0065】
周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端側は、全周にわたり先端から一定の立ち上げ方向寸法部分が軟質周壁部Qa1及びQb1(熱可塑性エラストマー)により構成され、基端側が硬質周壁部Qa2・Qb2(硬質熱可塑性合成樹脂)により構成されている。周壁状部Qa及び周壁状部Qbにおける先端側の軟質周壁部Qa1及びQb1と基端側の硬質周壁部Qa2・Qb2は、それぞれ、両者の間に隙間及び段差がない状態で一体状をなす。区画開閉装置の他の部分は硬質熱可塑性合成樹脂製である。
【0066】
この例の区画体Oと周壁状部Qa及び周壁状部Qbは、一体状をなし、一体成形される。
【0067】
(3-4) 開閉蓋
【0068】
開閉蓋Rは、周壁状部Qa及び周壁状部Qbの両先端周縁部を同時に開閉し得る1枚の横長長方形板状をなし、周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端周縁部を閉じた状態において垂直状をなす。開閉蓋Rは、その両側部上方に突設された一対の被支持部Wにおいて、周壁状部Qa及び周壁状部Qbの上側にそれぞれ設けられた一対の支持部Xにより、水平方向軸線の回りに回動自在に支持され、垂下して周壁状部Qa及び周壁状部Qbの両先端周縁部を同時に閉じた閉状態と、下方側がペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)側における上方に回動して周壁状部Qa及び周壁状部Qbの両先端周縁部を開いた開状態をとり得る。
【0069】
閉状態では、開閉蓋Rの正面側と、軟質周壁部Qa1及びQb1により構成された周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端側との気密性が、可及的に維持され、ペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)側に収容したペットボトルの臭気等が外部S(第一部分)へ漏出することが防がれる。
【0070】
閉状態において、円形状開口部P1及び正方形状開口部P2並びに及び周壁状部Qa及び周壁状部Qbの内部を通じて外部S(第一部分)からペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)へペットボトルや蓋等を投入する際に、開閉蓋Rが押されることにより周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端部を開いた開状態をとり得る。
【0071】
開状態の開閉蓋Rは、重心位置が閉状態よりも上昇するため、開状態を維持する力が解除されると自重により開閉蓋Rが閉じることとなる。周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端側が軟質周壁部Qa1及びQb1により構成されているため、開閉蓋Rが閉じる際の音が抑制される。また、周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端側が軟質周壁部Qa1及びQb1により構成されていることにより、外部S(第一部分)からペットボトル・蓋収容部N1(第二部分)へペットボトルや蓋等を投入する際に、周壁状部Qa及び周壁状部Qbの先端周縁部により操作者に怪我が発生することが防止される。
【0072】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0073】
本発明の区画開閉装置は、区画体と開口部と周壁状部と開閉蓋を備えてなる。本発明の区画開閉装置は、例えば、合成樹脂、金属、その他の材料のうち、何れか1又は2以上により構成されたものとすることができる。
【0074】
(1) 区画体
【0075】
区画体は、第一部分と第二部分を区画するものであり、例えば、壁状体、板状体、枠状体等とすることができる。
【0076】
第一部分と第二部分は、例えば、各種の物の容器における外部(第一部分)と内部(第二部分)、又は、各種の物を収容する対象物収容部(第二部分)と、その対象物収容部の外部(第一部分)とすることができる。容器若しくは収容部の好適な例としては、ごみ入れ、空き缶入れ、空き瓶入れ等の廃棄物用の容器若しくは収容部を挙げることができるが、これに限らない。
【0077】
(2) 開口部
【0078】
開口部は、区画体に設けられて第一部分と第二部分を連通し得る。開口部の断面形状は、例えば、円形状、楕円形状、長方形状、正方形状、その他の多角形状等とすることができる。開口部は、例えば、枠状部や筒状部の内部に形成することができる。
【0079】
(3) 周壁状部
【0080】
周壁状部は、第二部分側において開口部を囲繞するものであり、先端側が軟質周壁部(例えば軟質合成樹脂、熱可塑性エラストマー、合成ゴム)により構成され、基端側が硬質周壁部(例えば硬質合成樹脂)により構成されている。軟質周壁部は、全周にわたり周壁状部の先端から一定寸法とすることが好ましいが、これに限るものではない。区画開閉装置の他の部分は例えば、硬質周壁部と同じ材料からなるものとすることができるが、これに限るものではない。
【0081】
周壁状部における先端側の軟質周壁部と基端側の硬質周壁部は、一体的に成形されたものであることが好ましい。
【0082】
周壁状部における先端側の軟質周壁部と基端側の硬質周壁部が、両者の間に隙間及び段差がない状態で一体状をなすものとすることができる。
【0083】
また、周壁状部は、開口部を形成する枠状部や筒状部等と一体をなすものとすることができる。
【0084】
(4) 開閉蓋
【0085】
開閉蓋は、周壁状部の先端周縁部を開閉し得るものであり、周壁状部の先端周縁部を閉じる上で必要な形状とすることができる。そのような形状の例としては、円形状、楕円形状、長方形状、正方形状、その他の多角形状の平板状若しくは湾曲板状又は椀形状を挙げることができる。
【0086】
開閉蓋は、周壁状部の先端周縁部に接してその周壁状部の先端部を閉じた閉状態と、開口部及び周壁状部内部を通じて第一部分側から第二部分側へ押されることにより周壁状部の先端部を開いた開状態をとり得る。
【0087】
開状態の開閉蓋には、閉状態とする力が作用する。
【0088】
開状態の開閉蓋に作用して開閉蓋を閉状態とするための力は、重力とすることができる。例えば、開閉蓋自体に作用する重力、すなわち、開閉蓋の重心位置が閉状態から開状態となることにより上昇し、開状態を維持する力が解除されると自重により開閉蓋が閉じるものとすることができる。或いは例えば、開閉蓋に連携した錘に作用する重力、すなわち、開閉蓋が閉状態から開状態となることにより、開閉蓋にワイヤ又はその他の連携部材を介して連携した錘が上昇し、開状態を維持する力が解除されると錘が自重により下降して開閉蓋が閉じるものとすることができる。
【0089】
また、開状態の開閉蓋に作用して開閉蓋を閉状態とするための力が、開閉蓋に直接又は間接に連携する弾性材による弾性力であるものとすることができる。例えば、開閉蓋がねじりコイルばねの弾性力を直接受けて開状態から閉状態に付勢されるもの、或いは、開閉蓋にワイヤ又はその他の連携部材を介して連携した引っ張りコイルばねの弾性力により開状態から閉状態に付勢されるものとすることができる。
【符号の説明】
【0090】
A ごみ入れ
A1 ごみ収容部
B 区画体
C 開口部
D 周壁状部
D1 軟質周壁部
D2 硬質周壁部
E 開閉蓋
H 瓶・缶入れ
H1 瓶・缶収容部
I 区画体
J 開口部
K 周壁状部
K1 軟質周壁部
K2 硬質周壁部
L 開閉蓋
N ペットボトル入れ
N1 ペットボトル・蓋収容部
O 区画体
P1 円形状開口部
P2 正方形状開口部
Qa 周壁状部
Qa1 軟質周壁部
Qa2 硬質周壁部
Qb 周壁状部
Qb1 軟質周壁部
Qb2 硬質周壁部
R 開閉蓋
S 外部
W 被支持部
X 支持部
Y 係合突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9