【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、新しく改良されたフィルタアセンブリ、フィルタアセンブリで使用されるフィルタカートリッジ、及び流体のフィルタリング方法に関する。本発明は、主に、油圧流体や燃料から水を除去することと、除去された水の取り扱いとに関する。
【0005】
一実施形態では、フィルタカートリッジが提供され、フィルタカートリッジは、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする。フィルタベースは、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、汚れた流体から分離された分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含む。フィルタベースは又、汚れ流体ポートを含み、フィルタカートリッジがフィルタベースに取り付けられたときに、汚れ流体ポートから汚れた流体がフィルタカートリッジに供給される。
【0006】
フィルタカートリッジは、フィルタメディア管、第1の端部キャップ部分、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を含む。フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定する。第1の端部キャップ部分は、フィルタメディア管の第1の端部に封止的に取り付けられる。
【0007】
第1の端部キャップ部分は、汚れ流体入口を保持し、汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって流体封止されて汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口封止構成によって画定される。
【0008】
清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、フィルタベースの清浄流体ポートによって流体封止されて清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口封止構成によって画定される。フィルタメディア管は、流体的に、汚れ流体入口と清浄流体出口との間に置かれて、清浄流体出口を通る流体流が必ずフィルタメディア管を通り抜けることになっている。
【0009】
戻り出口は、戻りポートによって流体封止されて戻りポートと流体連通する戻り出口封止構成によって画定される。戻り出口を通る分離水の流れは、フィルタメディア管を迂回し、清浄流体及び汚れた流体の両方の流れから隔てられて、フィルタメディア管の中央キャビティ内を作用的に流れる。
【0010】
一実施形態では、汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含む。第1の半径方向外向き封止材は、第1の半径方向内向き封止材より直径が小さい。汚れ流体入口は、汚れ流体入口封止構成の第1の半径方向内向き封止材と第1の半径方向外向き封止材との間に形成されたギャップである。清浄流体入口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含む。第2の半径方向内向き封止材は、第1の半径方向外向き封止材に対して相対的に半径方向内側に位置する。清浄流体出口は、第1の半径方向外向き封止材と第2の半径方向内向き封止材との間に形成されたギャップである。戻り出口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材によって与えられる。
【0011】
一実施形態では、汚れ流体入口は、長手軸に沿って、フィルタメディアの第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、少なくとも一部分が、フィルタメディア管の外径部から半径方向内側に位置する。第1の端部キャップ部分は、汚れ流体入口から下流方向の流れがあるときに、長手軸に対して相対的に半径方向外側に延びる半径方向外向き流路を画定する。
【0012】
一実施形態では、半径方向外向き流路は、フィルタメディア管の第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、フィルタメディア管の第1の端部は、長手軸に沿って軸方向に、第2の端部と半径方向外向き流路との間に配置される。
【0013】
一実施形態では、第2の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材は、単一の封止部材によって与えられ、これは、第1の端部キャップ部分に軸方向に固定されたグロメットの形式であってよい。一実施形態では、第1の半径方向内向き封止材は、第2の封止部材によって与えられる。
【0014】
一実施形態では、フィルタカートリッジは更に、第1の端部キャップ部分の半径方向外周部に近接する第2の半径方向外向き封止材を含む。第2の半径方向外向き封止材は、フィルタハウジングの半径方向内向き封止面によって封止されてフィルタカートリッジをフィルタハウジング内で封止するように構成される。
【0015】
一実施形態では、戻り流路が、フィルタメディア管の内部キャビティを通って延びる。戻り流路は、流体的に、汚れ流体入口と戻り出口との間に置かれる。分離水は、戻り流路を通り抜ける。清浄流路が、内部キャビティを通ってフィルタメディア管の下流側から清浄流体出口まで延びる。清浄流路は、戻り流路から流体的に隔てられている。
【0016】
フィルタカートリッジは、一実施形態では、フィルタメディア管の第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップ部分を含む。第2の端部キャップ部分は、第2の端部キャップ部分を貫通する中央開口部を含む。戻り流路は、中央開口部を通じてフィルタメディア管の外側と流体連通する。
【0017】
一実施形態では、フィルタカートリッジは更に、フィルタメディア管の内部キャビティ内に位置する中央管部分を含む。中央管部分は、戻り流路を与える中央通路を含む。中央通路は、第2の端部キャップ部分の中央開口部を通じてフィルタメディア管の外側と流体連通する。より具体的な一実施形態では、中央管の中央通路は、戻り出口から軸方向に離れて配置された入口を含む。入口は、フィルタメディア管の第2の端部から軸方向に離れて配置され、フィルタメディア管の内部キャビティの外側に位置する。
【0018】
一実施形態では、中央管部分は、中央通路から半径方向に間隔を置いて配置された第2の流体通路を含む。第2の流体通路は、清浄流路を与える。第2の流体通路は、フィルタメディア管の中央キャビティ内、且つ、軸方向に第1及び第2の端部の間に入口を有し、第2の流体通路を通じて清浄流体出口と流体連通する。
【0019】
一実施形態では、第2の流体通路の入口は、長手軸に沿って軸方向に、フィルタメディア管の第1の端部よりも、フィルタメディア管の第2の端部に近い場所に位置する。
【0020】
一実施形態では、中央管は、第2の端部キャップ部分の中央開口部を通って軸方向に延びる、軸方向に延びる管状部分を含む。軸方向に延びる管状部分の遠位端は、中央通路の入口を画定する。
【0021】
別の実施形態では、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用されるフィルタカートリッジが提供される。このフィルタカートリッジは、フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする為に使用される。フィルタベースは又、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含む。フィルタカートリッジは、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管を含む。汚れ流体入口が、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって封止されて汚れ流体ポートと流体連通する。清浄流体出口が、フィルタメディア管の下流側において、清浄流体ポートによって封止されて清浄流体ポートと流体連通する。フィルタメディア管は、流体的に、汚れ流体入口と清浄流体出口との間に置かれて、清浄流体出口を通る流体流が必ずフィルタメディア管を通り抜けることになっている。戻り出口が、戻りポートによって封止されて戻りポートと流体連通する。戻り出口を通る流体流は、フィルタメディア管を迂回する。
【0022】
一実施形態では、フィルタアセンブリも提供される。フィルタアセンブリは、フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを含む。フィルタベースは、汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートを含む。フィルタハウジングは、フィルタベースに取り外し可能に取り付け可能であって内部キャビティを画定する。フィルタカートリッジは、フィルタハウジングの内部キャビティ内に取り外し可能に配置される。フィルタカートリッジは、フィルタメディア管、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を含む。フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定する。汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって封止されて汚れ流体ポートと流体連通する。清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、清浄流体ポートによって封止されて清浄流体ポートと流体連通する。戻り出口は、戻りポートによって封止されて戻りポートと流体連通する。フィルタカートリッジがフィルタハウジング内に取り付けられた時点で、フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、水溜め領域は、フィルタメディア管の
上流にあり、且つ、戻り出口の上流にある。フィルタカートリッジがフィルタハウジング内に取り付けられた時点で、戻り出口は、水溜め領域と流体連通する。水溜め領域は、汚れた流体がフィルタメディア管を通り抜ける前に、汚れた流体から分離された水を集める。
【0023】
一実施形態では、フィルタベース、フィルタハウジング、及びフィルタカートリッジは、フィルタアセンブリが組み立てられた時点で、水溜め領域がフィルタカートリッジの略垂直下方にあるように構成される。
【0024】
更なるフィルタアセンブリが提供される。フィルタアセンブリは、フィルタベース、フィルタハウジング、及びフィルタカートリッジを含む。フィルタベースは、第1の略管状部分を含み、第1の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する。第1の略管状部分は、第1の半径方向外向き封止面と第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する。フィルタベースは、第2の略管状部分を含み、第2の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面を画定し、フィルタベースは又、中央チャネルを画定する。中央チャネルは、戻りポートを形成する。清浄流体ポートが、第1の半径方向内向き封止面と第2の半径方向外向き封止面との間に形成される。
【0025】
フィルタハウジングは、フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定する。
【0026】
フィルタカートリッジは、フィルタハウジングの内部キャビティ内に取り外し可能に配置される。フィルタカートリッジは、フィルタメディア管、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を含む。フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、長手軸に平行であって、中央キャビティを画定する。汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって封止され、汚れ流体ポートと流体連通する。清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、清浄流体ポートによって封止され、清浄流体ポートと流体連通する。戻り出口は、戻りポートによって封止され、戻りポートと流体連通する。フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、水溜め領域は、フィルタメディア管の
上流にあり、且つ、戻り出口の上流にある。水溜め領域は、フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集める。戻り出口は、フィルタメディア管の中央キャビティを通じて、水溜め領域と流体連通する。
【0027】
更なる実施形態では、フィルタアセンブリが提供される。フィルタアセンブリは、フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを含む。フィルタベースは、第1の略管状部分を含み、第1の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する。第1の略管状部分は、第1の半径方向外向き封止面と第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する。フィルタベースは又、第2の略管状部分を含み、第2の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面を画定し、フィルタベースは又、中央チャネルを画定する。中央チャネルは、戻りポートを形成する。清浄流体ポートが、第1の半径方向内向き封止面と第2の半径方向外向き封止面との間に形成される。
【0028】
フィルタハウジングは、フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定する。
【0029】
フィルタカートリッジは、フィルタハウジングの内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、フィルタカートリッジは、フィルタメディア管を含み、フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定する。
【0030】
第1の端部キャップ部分が、フィルタメディア管の第1の端部に封止的に取り付けられる。第1の端部キャップ部分は、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を保持する。
【0031】
汚れ流体入口は、第1の半径方向外向き封止面及び第1の半径方向内向き封止面によって流体封止される汚れ流体入口封止構成によって画定される。汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートと流体連通する。
【0032】
清浄流体出口は、第1の半径方向内向き封止面及び第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される清浄流体出口封止構成によって画定される。清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、フィルタベースの清浄流体ポートと流体連通する。フィルタメディア管は、流体的に、汚れ流体入口と清浄流体出口との間に置かれて、清浄流体出口を通る流体流が必ずフィルタメディア管を通り抜けることになっている。
【0033】
戻り出口は、第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される戻り出口封止構成によって画定される。戻り出口は、戻りポートと流体連通する。
【0034】
フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、水溜め領域は、フィルタメディア管の
上流にあり、且つ、戻り出口の上流にある。水溜め領域は、フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集める。戻り出口は、フィルタメディア管の中央キャビティを通じて水溜め領域と流体連通する。
【0035】
一実施形態では、流体をフィルタリングする方法が提供される。この方法は、フィルタベースの入口ポートにおいて、汚れた流体を受けるステップと、汚れた流体が、フィルタベースに取り付けられたフィルタカートリッジのフィルタメディア筒の中央キャビティに入る前に、汚れた流体から水を分離するステップと、水を、フィルタカートリッジと、フィルタカートリッジが中で位置するフィルタハウジングと、の間に形成された水溜め領域に通すステップと、汚れた流体をフィルタメディア管に通して、汚れた流体から微粒子を除去し、汚れた流体を清浄流体に変換するステップと、清浄流体を、フィルタメディア管の中央キャビティ内に入口がある清浄流体流路に通すステップと、清浄流体を、清浄流体流路から、フィルタカートリッジの清浄流体出口を通じて放出するステップと、フィルタメディア管の中央キャビティを通って延びる戻り流路に水を通すステップと、フィルタカートリッジの戻り出口を通じて清浄な水を放出するステップと、を含む。
【0036】
更なる実施形態では、水は、フィルタメディア管の中央キャビティに対して軸方向に外側に位置する、戻り流路の入口から、戻り流路に入る。
【0037】
更なる実施形態では、この方法は更に、フィルタカートリッジを新しいフィルタカートリッジに交換するステップであって、フィルタカートリッジを交換している間に戻り流路を交換することを含む、交換するステップを含む。
【0038】
これらのフィルタアセンブリ及び方法の実施形態は、必要に応じて、上述の定義のフィルタカートリッジを利用する。
【0039】
以下の詳細説明を添付図面と併せて読むことにより、本発明の他の態様、目的、及び利点がより明らかになるであろう。
【0040】
本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を成す添付図面は、本発明の幾つかの態様を示し、本明細書とともに、本発明の原理を説明する役割を担う。
【0041】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関して説明されるが、それらの実施形態に限定されるものではない。逆に、本発明は、あらゆる代替物、修正物、及び等価物を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれるものとして包含するものとする。