特許第6285907号(P6285907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボールドウィン・フィルターズ・インコーポレーテッドの特許一覧

特許6285907水を排出するフィルタアセンブリ及び方法
<>
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000002
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000003
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000004
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000005
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000006
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000007
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000008
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000009
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000010
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000011
  • 特許6285907-水を排出するフィルタアセンブリ及び方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285907
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】水を排出するフィルタアセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 27/08 20060101AFI20180215BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20180215BHJP
   B01D 24/42 20060101ALI20180215BHJP
   B01D 29/92 20060101ALI20180215BHJP
   B01D 24/44 20060101ALI20180215BHJP
   B01D 29/94 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   B01D27/08
   B01D29/10 510C
   B01D29/10 520Z
   B01D29/10 530A
   B01D29/42 510
   B01D29/42 520
【請求項の数】17
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-503466(P2015-503466)
(86)(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公表番号】特表2015-516873(P2015-516873A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(86)【国際出願番号】US2013033887
(87)【国際公開番号】WO2013148692
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年3月1日
(31)【優先権主張番号】13/429,990
(32)【優先日】2012年3月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593020201
【氏名又は名称】ボールドウィン・フィルターズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Baldwin Filters Inc
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイツァー,スティーブン
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−297713(JP,A)
【文献】 特開2010−000501(JP,A)
【文献】 特開2009−297712(JP,A)
【文献】 特開平10−071307(JP,A)
【文献】 米国特許第05462658(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D27/00−27/14
B01D29/00−29/96
B01D35/00−35/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタカートリッジであって、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする前記フィルタカートリッジであり、前記フィルタベースは、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、前記汚れた流体から分離された分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含み、前記フィルタカートリッジは、
長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を備え、前記第1の端部キャップ部分は、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって流体封止されて前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートによって流体封止されて前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記戻りポートによって流体封止されて前記戻りポートと流体連通する戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻り出口を通る分離水の流れは、前記フィルタメディア管を迂回し、清浄流体及び汚れた流体の両方の流れから隔てられて、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内を作用的に流れる、前記戻り出口と、を保持し、
前記汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第1の半径方向外向き封止材は、前記第1の半径方向内向き封止材より直径が小さく、前記汚れ流体入口は、前記汚れ流体入口封止構成の前記第1の半径方向内向き封止材と前記第1の半径方向外向き封止材との間に形成された環状ギャップであり、
前記清浄流体入口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第2の半径方向内向き封止材は、前記第1の半径方向外向き封止材に対して相対的に半径方向内側に位置し、前記清浄流体出口は、前記第1の半径方向外向き封止材と前記第2の半径方向内向き封止材との間に形成されたギャップであり、
前記戻り出口封止構成は、前記第2の半径方向内向き封止材によって与えられる、
フィルタカートリッジ。
【請求項2】
フィルタカートリッジであって、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする前記フィルタカートリッジであり、前記フィルタベースは、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、前記汚れた流体から分離された分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含み、前記フィルタカートリッジは、
長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を備え、前記第1の端部キャップ部分は、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって流体封止されて前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートによって流体封止されて前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記戻りポートによって流体封止されて前記戻りポートと流体連通する戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻り出口を通る分離水の流れは、前記フィルタメディア管を迂回し、清浄流体及び汚れた流体の両方の流れから隔てられて、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内を作用的に流れる、前記戻り出口と、を保持し、
前記汚れ流体入口は、前記長手軸に沿って、前記フィルタメディアの前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、少なくとも一部分が、前記フィルタメディア管の外径部から半径方向内側に位置し、前記第1の端部キャップ部分は、前記汚れ流体入口から下流方向の流れがあるときに、前記長手軸に対して相対的に半径方向外側に延びる半径方向外向き流路を画定する、
フィルタカートリッジ。
【請求項3】
前記半径方向外向き流路は、前記フィルタメディア管の前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置される、請求項2に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項4】
前記第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材は、単一の封止部材によって与えられる、請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項5】
前記第1の半径方向内向き封止材は、第2の封止部材によって与えられる、請求項4に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項6】
前記第1の端部キャップ部分の半径方向外周部に近接する第2の半径方向外向き封止材を更に備え、前記第2の半径方向外向き封止材は、前記フィルタハウジングの半径方向内向き封止面によって封止されて前記フィルタカートリッジを前記フィルタハウジング内で封止するように構成される、請求項5に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項7】
フィルタカートリッジであって、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする前記フィルタカートリッジであり、前記フィルタベースは、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、前記汚れた流体から分離された分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含み、前記フィルタカートリッジは、
長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を備え、前記第1の端部キャップ部分は、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって流体封止されて前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートによって流体封止されて前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記戻りポートによって流体封止されて前記戻りポートと流体連通する戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻り出口を通る分離水の流れは、前記フィルタメディア管を迂回し、清浄流体及び汚れた流体の両方の流れから隔てられて、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内を作用的に流れる、前記戻り出口と、を保持し、
前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通って延びる戻り流路であって、前記戻り流路は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記戻り出口との間に置かれ、分離水の前記流れは、前記戻り流路を通り抜ける、前記戻り流路と、
前記中央キャビティを通って前記フィルタメディア管の下流側から前記清浄流体出口まで延びる清浄流路であって、前記戻り流路から流体的に隔てられている前記清浄流路とを更に備え、
前記フィルタメディア管の前記第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップ部分を更に備え、前記第2の端部キャップ部分は、前記第2の端部キャップ部分を貫通する中央開口部を含み、前記戻り流路は、前記中央開口部を通じて前記フィルタメディア管の外側と流体連通し、
前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に位置する中央管部分を更に備え、前記中央管部分は、前記戻り流路を与える中央通路を含み、
前記中央管部分は、前記中央通路から半径方向に間隔を置いて配置された第2の流体通路を含み、前記第2の流体通路は、前記清浄流路を与え、前記第2の流体通路は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に入口を有し、前記第2の流体通路を通じて前記清浄流体出口と流体連通する、
フィルタカートリッジ。
【請求項8】
前記第2の流体通路の前記入口は、前記長手軸に沿って軸方向に、前記フィルタメディア管の前記第1の端部よりも、前記フィルタメディア管の前記第2の端部に近い場所に位置する、請求項7に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項9】
フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを備えるフィルタアセンブリであって、
前記フィルタベースは、汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートと、
長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、前記第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する第1の略管状部分であって、前記第1の半径方向外向き封止面と前記第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する前記第1の略管状部分と、
前記長手軸に沿って軸方向に延び、前記第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面と、中央チャネルと、を画定する第2の略管状部分であって、前記中央チャネルは前記戻りポートを形成し、前記清浄流体ポートは、前記第1の半径方向内向き封止面と前記第2の半径方向外向き封止面との間に形成される、前記第2の略管状部分と、を含み、
前記フィルタハウジングは、前記フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定し、
前記フィルタカートリッジは、前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、前記フィルタカートリッジは、
前記長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を含み、前記第1の端部キャップ部分は、
前記第1の半径方向外向き封止面及び前記第1の半径方向内向き封止面によって流体封止される汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口であって、前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートと流体連通する前記汚れ流体入口と、
第1の半径方向内向き封止面及び前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記清浄流体出口は、前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートと流体連通し、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻りポートと流体連通する前記戻り出口と、を保持し、
前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の上流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集め、前記戻り出口は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通じて前記水溜め領域と流体連通し、
前記汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第1の半径方向外向き封止材は、前記第1の半径方向内向き封止材より直径が小さく、前記汚れ流体入口は、前記汚れ流体入口封止構成の前記第1の半径方向内向き封止材と前記第1の半径方向外向き封止材との間に形成された環状ギャップであり、
前記清浄流体入口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第2の半径方向内向き封止材は、前記第1の半径方向外向き封止材に対して相対的に半径方向内側に位置し、前記清浄流体出口は、前記第1の半径方向外向き封止材と前記第2の半径方向内向き封止材との間に形成されたギャップであり、
前記戻り出口封止構成は、前記第2の半径方向内向き封止材によって与えられる、
フィルタアセンブリ。
【請求項10】
フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを備えるフィルタアセンブリであって、
前記フィルタベースは、汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートと、
長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、前記第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する第1の略管状部分であって、前記第1の半径方向外向き封止面と前記第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する前記第1の略管状部分と、
前記長手軸に沿って軸方向に延び、前記第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面と、中央チャネルと、を画定する第2の略管状部分であって、前記中央チャネルは前記戻りポートを形成し、前記清浄流体ポートは、前記第1の半径方向内向き封止面と前記第2の半径方向外向き封止面との間に形成される、前記第2の略管状部分と、を含み、
前記フィルタハウジングは、前記フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定し、
前記フィルタカートリッジは、前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、前記フィルタカートリッジは、
前記長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を含み、前記第1の端部キャップ部分は、
前記第1の半径方向外向き封止面及び前記第1の半径方向内向き封止面によって流体封止される汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口であって、前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートと流体連通する前記汚れ流体入口と、
第1の半径方向内向き封止面及び前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記清浄流体出口は、前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートと流体連通し、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻りポートと流体連通する前記戻り出口と、を保持し、
前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の上流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集め、前記戻り出口は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通じて前記水溜め領域と流体連通し、
前記汚れ流体入口は、前記長手軸に沿って、前記フィルタメディアの前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、少なくとも一部分が、前記フィルタメディア管の外径から半径方向内側に位置し、前記第1の端部キャップ部分は、前記汚れ流体入口から下流方向の流れがあるときに、前記長手軸に対して相対的に半径方向外側に延びる半径方向外向き流路を画定する、
フィルタアセンブリ。
【請求項11】
前記半径方向外向き流路は、前記フィルタメディア管の前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置される、請求項10に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項12】
前記第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材は、単一の封止部材によって与えられる、請求項9に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の半径方向内向き封止材は、第2の封止部材によって与えられる、請求項12に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の端部キャップ部分の半径方向外周部に近接する第2の半径方向外向き封止材を更に備え、前記第2の半径方向外向き封止材は、前記フィルタハウジングの半径方向内向き封止面によって封止されて前記フィルタカートリッジを前記フィルタハウジング内で封止するように構成される、請求項13に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項15】
フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを備えるフィルタアセンブリであって、
前記フィルタベースは、汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートと、
長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、前記第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する第1の略管状部分であって、前記第1の半径方向外向き封止面と前記第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する前記第1の略管状部分と、
前記長手軸に沿って軸方向に延び、前記第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面と、中央チャネルと、を画定する第2の略管状部分であって、前記中央チャネルは前記戻りポートを形成し、前記清浄流体ポートは、前記第1の半径方向内向き封止面と前記第2の半径方向外向き封止面との間に形成される、前記第2の略管状部分と、を含み、
前記フィルタハウジングは、前記フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定し、
前記フィルタカートリッジは、前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、前記フィルタカートリッジは、
前記長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を含み、前記第1の端部キャップ部分は、
前記第1の半径方向外向き封止面及び前記第1の半径方向内向き封止面によって流体封止される汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口であって、前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートと流体連通する前記汚れ流体入口と、
第1の半径方向内向き封止面及び前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記清浄流体出口は、前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートと流体連通し、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻りポートと流体連通する前記戻り出口と、を保持し、
前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の上流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集め、前記戻り出口は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通じて前記水溜め領域と流体連通し、
前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通って延びる戻り流路であって、前記戻り流路は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記戻り出口との間に置かれ、分離水の前記流れは、前記戻り流路を通り抜ける、前記戻り流路と、
前記中央キャビティを通って前記フィルタメディア管の下流側から前記清浄流体出口まで延びる清浄流路であって、前記戻り流路から流体的に隔てられている前記清浄流路とを更に備え、
前記フィルタメディア管の前記第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップ部分を更に備え、前記第2の端部キャップ部分は、前記第2の端部キャップ部分を貫通する中央開口部を含み、前記戻り流路は、前記中央開口部を通じて前記フィルタメディア管の外側と流体連通し、
前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に位置する中央管部分を更に備え、前記中央管部分は、前記戻り流路を与える中央通路を含み、
前記中央管部分は、前記中央通路から半径方向に間隔を置いて配置された第2の流体通路を含み、前記第2の流体通路は、前記清浄流路を与え、前記第2の流体通路は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に入口を有し、前記第2の流体通路を通じて前記清浄流体出口と流体連通する、
フィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記第2の流体通路の前記入口は、前記長手軸に沿って軸方向に、前記フィルタメディア管の前記第1の端部よりも、前記フィルタメディア管の前記第2の端部に近い場所に位置する、請求項15に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項17】
フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを備えるフィルタアセンブリであって、
前記フィルタベースは、
長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、前記第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する第1の略管状部分であって、前記第1の半径方向外向き封止面と前記第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する前記第1の略管状部分と、
前記長手軸に沿って軸方向に延び、前記第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面と、中央チャネルと、を画定する第2の略管状部分であって、前記中央チャネルは戻りポートを形成し、清浄流体ポートが、前記第1の半径方向内向き封止面と前記第2の半径方向外向き封止面との間に形成される、前記第2の略管状部分と、を含み、
前記フィルタハウジングは、前記フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定し、
前記フィルタカートリッジは、前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、前記フィルタカートリッジは、
前記長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、前記長手軸に平行であって、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって封止され、前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記清浄流体ポートによって封止され、前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口と、
前記戻りポートによって封止され、前記戻りポートと流体連通する戻り出口と、を含み、
前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の上流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集め、前記戻り出口は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通じて前記水溜め領域と流体連通する、
フィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に流体フィルタに関し、より具体的には、汚れた流体から水をフィルタリングする流体フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
流体流から不純物を除去する為に、フィルタアセンブリが使用される。例えば、エンジンなどの機械とともに使用される油圧流体や燃料などの流体から粒子状物質や水を除去する為に、フィルタアセンブリを使用することが可能である。不純物を除去することにより、下流システムの損傷を防いだり、下流システムの性能を向上させたりすることが可能である。燃料や油圧流体において問題になりうる具体的な不純物の1つとして、水の混入がある。これまでのフィルタアセンブリは、流体から水を除去するように構成されてきた。残念ながら、除去された水は、その後、フィルタアセンブリ内に留まるだけとなる可能性がある。本発明は、当該技術分野の現状に対する改良に関し、具体的には、フィルタリング対象の流体から除去された水の取り扱いの改良に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第12/139,734号
【特許文献2】米国特許出願第13/360,181号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、新しく改良されたフィルタアセンブリ、フィルタアセンブリで使用されるフィルタカートリッジ、及び流体のフィルタリング方法に関する。本発明は、主に、油圧流体や燃料から水を除去することと、除去された水の取り扱いとに関する。
【0005】
一実施形態では、フィルタカートリッジが提供され、フィルタカートリッジは、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする。フィルタベースは、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、汚れた流体から分離された分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含む。フィルタベースは又、汚れ流体ポートを含み、フィルタカートリッジがフィルタベースに取り付けられたときに、汚れ流体ポートから汚れた流体がフィルタカートリッジに供給される。
【0006】
フィルタカートリッジは、フィルタメディア管、第1の端部キャップ部分、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を含む。フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定する。第1の端部キャップ部分は、フィルタメディア管の第1の端部に封止的に取り付けられる。
【0007】
第1の端部キャップ部分は、汚れ流体入口を保持し、汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって流体封止されて汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口封止構成によって画定される。
【0008】
清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、フィルタベースの清浄流体ポートによって流体封止されて清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口封止構成によって画定される。フィルタメディア管は、流体的に、汚れ流体入口と清浄流体出口との間に置かれて、清浄流体出口を通る流体流が必ずフィルタメディア管を通り抜けることになっている。
【0009】
戻り出口は、戻りポートによって流体封止されて戻りポートと流体連通する戻り出口封止構成によって画定される。戻り出口を通る分離水の流れは、フィルタメディア管を迂回し、清浄流体及び汚れた流体の両方の流れから隔てられて、フィルタメディア管の中央キャビティ内を作用的に流れる。
【0010】
一実施形態では、汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含む。第1の半径方向外向き封止材は、第1の半径方向内向き封止材より直径が小さい。汚れ流体入口は、汚れ流体入口封止構成の第1の半径方向内向き封止材と第1の半径方向外向き封止材との間に形成されたギャップである。清浄流体入口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含む。第2の半径方向内向き封止材は、第1の半径方向外向き封止材に対して相対的に半径方向内側に位置する。清浄流体出口は、第1の半径方向外向き封止材と第2の半径方向内向き封止材との間に形成されたギャップである。戻り出口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材によって与えられる。
【0011】
一実施形態では、汚れ流体入口は、長手軸に沿って、フィルタメディアの第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、少なくとも一部分が、フィルタメディア管の外径部から半径方向内側に位置する。第1の端部キャップ部分は、汚れ流体入口から下流方向の流れがあるときに、長手軸に対して相対的に半径方向外側に延びる半径方向外向き流路を画定する。
【0012】
一実施形態では、半径方向外向き流路は、フィルタメディア管の第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、フィルタメディア管の第1の端部は、長手軸に沿って軸方向に、第2の端部と半径方向外向き流路との間に配置される。
【0013】
一実施形態では、第2の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材は、単一の封止部材によって与えられ、これは、第1の端部キャップ部分に軸方向に固定されたグロメットの形式であってよい。一実施形態では、第1の半径方向内向き封止材は、第2の封止部材によって与えられる。
【0014】
一実施形態では、フィルタカートリッジは更に、第1の端部キャップ部分の半径方向外周部に近接する第2の半径方向外向き封止材を含む。第2の半径方向外向き封止材は、フィルタハウジングの半径方向内向き封止面によって封止されてフィルタカートリッジをフィルタハウジング内で封止するように構成される。
【0015】
一実施形態では、戻り流路が、フィルタメディア管の内部キャビティを通って延びる。戻り流路は、流体的に、汚れ流体入口と戻り出口との間に置かれる。分離水は、戻り流路を通り抜ける。清浄流路が、内部キャビティを通ってフィルタメディア管の下流側から清浄流体出口まで延びる。清浄流路は、戻り流路から流体的に隔てられている。
【0016】
フィルタカートリッジは、一実施形態では、フィルタメディア管の第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップ部分を含む。第2の端部キャップ部分は、第2の端部キャップ部分を貫通する中央開口部を含む。戻り流路は、中央開口部を通じてフィルタメディア管の外側と流体連通する。
【0017】
一実施形態では、フィルタカートリッジは更に、フィルタメディア管の内部キャビティ内に位置する中央管部分を含む。中央管部分は、戻り流路を与える中央通路を含む。中央通路は、第2の端部キャップ部分の中央開口部を通じてフィルタメディア管の外側と流体連通する。より具体的な一実施形態では、中央管の中央通路は、戻り出口から軸方向に離れて配置された入口を含む。入口は、フィルタメディア管の第2の端部から軸方向に離れて配置され、フィルタメディア管の内部キャビティの外側に位置する。
【0018】
一実施形態では、中央管部分は、中央通路から半径方向に間隔を置いて配置された第2の流体通路を含む。第2の流体通路は、清浄流路を与える。第2の流体通路は、フィルタメディア管の中央キャビティ内、且つ、軸方向に第1及び第2の端部の間に入口を有し、第2の流体通路を通じて清浄流体出口と流体連通する。
【0019】
一実施形態では、第2の流体通路の入口は、長手軸に沿って軸方向に、フィルタメディア管の第1の端部よりも、フィルタメディア管の第2の端部に近い場所に位置する。
【0020】
一実施形態では、中央管は、第2の端部キャップ部分の中央開口部を通って軸方向に延びる、軸方向に延びる管状部分を含む。軸方向に延びる管状部分の遠位端は、中央通路の入口を画定する。
【0021】
別の実施形態では、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用されるフィルタカートリッジが提供される。このフィルタカートリッジは、フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする為に使用される。フィルタベースは又、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含む。フィルタカートリッジは、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管を含む。汚れ流体入口が、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって封止されて汚れ流体ポートと流体連通する。清浄流体出口が、フィルタメディア管の下流側において、清浄流体ポートによって封止されて清浄流体ポートと流体連通する。フィルタメディア管は、流体的に、汚れ流体入口と清浄流体出口との間に置かれて、清浄流体出口を通る流体流が必ずフィルタメディア管を通り抜けることになっている。戻り出口が、戻りポートによって封止されて戻りポートと流体連通する。戻り出口を通る流体流は、フィルタメディア管を迂回する。
【0022】
一実施形態では、フィルタアセンブリも提供される。フィルタアセンブリは、フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを含む。フィルタベースは、汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートを含む。フィルタハウジングは、フィルタベースに取り外し可能に取り付け可能であって内部キャビティを画定する。フィルタカートリッジは、フィルタハウジングの内部キャビティ内に取り外し可能に配置される。フィルタカートリッジは、フィルタメディア管、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を含む。フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定する。汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって封止されて汚れ流体ポートと流体連通する。清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、清浄流体ポートによって封止されて清浄流体ポートと流体連通する。戻り出口は、戻りポートによって封止されて戻りポートと流体連通する。フィルタカートリッジがフィルタハウジング内に取り付けられた時点で、フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、水溜め領域は、フィルタメディア管の上流にあり、且つ、戻り出口の上流にある。フィルタカートリッジがフィルタハウジング内に取り付けられた時点で、戻り出口は、水溜め領域と流体連通する。水溜め領域は、汚れた流体がフィルタメディア管を通り抜ける前に、汚れた流体から分離された水を集める。
【0023】
一実施形態では、フィルタベース、フィルタハウジング、及びフィルタカートリッジは、フィルタアセンブリが組み立てられた時点で、水溜め領域がフィルタカートリッジの略垂直下方にあるように構成される。
【0024】
更なるフィルタアセンブリが提供される。フィルタアセンブリは、フィルタベース、フィルタハウジング、及びフィルタカートリッジを含む。フィルタベースは、第1の略管状部分を含み、第1の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する。第1の略管状部分は、第1の半径方向外向き封止面と第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する。フィルタベースは、第2の略管状部分を含み、第2の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面を画定し、フィルタベースは又、中央チャネルを画定する。中央チャネルは、戻りポートを形成する。清浄流体ポートが、第1の半径方向内向き封止面と第2の半径方向外向き封止面との間に形成される。
【0025】
フィルタハウジングは、フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定する。
【0026】
フィルタカートリッジは、フィルタハウジングの内部キャビティ内に取り外し可能に配置される。フィルタカートリッジは、フィルタメディア管、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を含む。フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、長手軸に平行であって、中央キャビティを画定する。汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートによって封止され、汚れ流体ポートと流体連通する。清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、清浄流体ポートによって封止され、清浄流体ポートと流体連通する。戻り出口は、戻りポートによって封止され、戻りポートと流体連通する。フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、水溜め領域は、フィルタメディア管の上流にあり、且つ、戻り出口の上流にある。水溜め領域は、フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集める。戻り出口は、フィルタメディア管の中央キャビティを通じて、水溜め領域と流体連通する。
【0027】
更なる実施形態では、フィルタアセンブリが提供される。フィルタアセンブリは、フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを含む。フィルタベースは、第1の略管状部分を含み、第1の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する。第1の略管状部分は、第1の半径方向外向き封止面と第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する。フィルタベースは又、第2の略管状部分を含み、第2の略管状部分は、長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面を画定し、フィルタベースは又、中央チャネルを画定する。中央チャネルは、戻りポートを形成する。清浄流体ポートが、第1の半径方向内向き封止面と第2の半径方向外向き封止面との間に形成される。
【0028】
フィルタハウジングは、フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定する。
【0029】
フィルタカートリッジは、フィルタハウジングの内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、フィルタカートリッジは、フィルタメディア管を含み、フィルタメディア管は、長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定する。
【0030】
第1の端部キャップ部分が、フィルタメディア管の第1の端部に封止的に取り付けられる。第1の端部キャップ部分は、汚れ流体入口、清浄流体出口、及び戻り出口を保持する。
【0031】
汚れ流体入口は、第1の半径方向外向き封止面及び第1の半径方向内向き封止面によって流体封止される汚れ流体入口封止構成によって画定される。汚れ流体入口は、フィルタメディア管の上流側において、フィルタベースの汚れ流体ポートと流体連通する。
【0032】
清浄流体出口は、第1の半径方向内向き封止面及び第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される清浄流体出口封止構成によって画定される。清浄流体出口は、フィルタメディア管の下流側において、フィルタベースの清浄流体ポートと流体連通する。フィルタメディア管は、流体的に、汚れ流体入口と清浄流体出口との間に置かれて、清浄流体出口を通る流体流が必ずフィルタメディア管を通り抜けることになっている。
【0033】
戻り出口は、第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される戻り出口封止構成によって画定される。戻り出口は、戻りポートと流体連通する。
【0034】
フィルタカートリッジ及びフィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、水溜め領域は、フィルタメディア管の上流にあり、且つ、戻り出口の上流にある。水溜め領域は、フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集める。戻り出口は、フィルタメディア管の中央キャビティを通じて水溜め領域と流体連通する。
【0035】
一実施形態では、流体をフィルタリングする方法が提供される。この方法は、フィルタベースの入口ポートにおいて、汚れた流体を受けるステップと、汚れた流体が、フィルタベースに取り付けられたフィルタカートリッジのフィルタメディア筒の中央キャビティに入る前に、汚れた流体から水を分離するステップと、水を、フィルタカートリッジと、フィルタカートリッジが中で位置するフィルタハウジングと、の間に形成された水溜め領域に通すステップと、汚れた流体をフィルタメディア管に通して、汚れた流体から微粒子を除去し、汚れた流体を清浄流体に変換するステップと、清浄流体を、フィルタメディア管の中央キャビティ内に入口がある清浄流体流路に通すステップと、清浄流体を、清浄流体流路から、フィルタカートリッジの清浄流体出口を通じて放出するステップと、フィルタメディア管の中央キャビティを通って延びる戻り流路に水を通すステップと、フィルタカートリッジの戻り出口を通じて清浄な水を放出するステップと、を含む。
【0036】
更なる実施形態では、水は、フィルタメディア管の中央キャビティに対して軸方向に外側に位置する、戻り流路の入口から、戻り流路に入る。
【0037】
更なる実施形態では、この方法は更に、フィルタカートリッジを新しいフィルタカートリッジに交換するステップであって、フィルタカートリッジを交換している間に戻り流路を交換することを含む、交換するステップを含む。
【0038】
これらのフィルタアセンブリ及び方法の実施形態は、必要に応じて、上述の定義のフィルタカートリッジを利用する。
【0039】
以下の詳細説明を添付図面と併せて読むことにより、本発明の他の態様、目的、及び利点がより明らかになるであろう。
【0040】
本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を成す添付図面は、本発明の幾つかの態様を示し、本明細書とともに、本発明の原理を説明する役割を担う。
【0041】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関して説明されるが、それらの実施形態に限定されるものではない。逆に、本発明は、あらゆる代替物、修正物、及び等価物を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれるものとして包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態によるフィルタアセンブリの上面斜視図である。
図2図1のフィルタアセンブリの、線2−2付近における断面図である。
図3図1のフィルタアセンブリの、線3−3付近における断面図である。
図4図2の分解断面図である。
図5図2のうちのフィルタハウジング及びフィルタカートリッジの断面図である。
図6図1のフィルタアセンブリのうちのフィルタカートリッジ及びフィルタハウジングの分解斜視図である。
図7図1のフィルタアセンブリのうちのフィルタカートリッジの中央管の断面図である。
図8図5のフィルタカートリッジ及びフィルタハウジングの分解断面図である。
図9】フィルタカートリッジの上面斜視図である。
図10】フィルタカートリッジの底面斜視図である。
図11】フィルタカートリッジの中央筒の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の一実施形態によるフィルタアセンブリ100を示す。フィルタアセンブリ100は、主に、フィルタハウジング104が解放可能に固定されるフィルタベース102を含む。フィルタベース102は、様々な機能に使用される複数の入口ポート及び出口ポートを含む。例えば、これらのポートは、汚れた流体を受けること、清浄な流体を放出すること、汚れた流体から分離された水を貯蔵タンク又は排水路、並びに過剰流体用戻りラインポートに戻すことに使用可能である。図示された実施形態では、汚れ流体ポート106及び清浄流体ポート108が、フィルタベース102の同じ側にある。図2には、戻りポート110が示されている。
【0044】
図2及び図3を参照すると、フィルタアセンブリ100は又、フィルタアセンブリ100内を流れる流体の清浄化に使用される、交換可能なフィルタカートリッジ112を含む。フィルタカートリッジ112は、好ましくは、流体流に含まれる両方の粒子状不純物を除去すること、並びに、汚れ流体ポート106から清浄流体ポート108へ流れる流体流から水を除去又は分離することを行うように構成される。これら2つのポートの間の流体の流れを、矢印114、116で示した。矢印114は、汚れた流体を示し、矢印116は、フィルタカートリッジ112のフィルタメディアを通り抜けた清浄な流体を示す。矢印118は、汚れた流体114から分離された水又は他の不純物を示す。実施形態によっては、汚れた流体から分離された水は、貯蔵タンク、例えば、燃料貯蔵タンク又は油圧流体貯蔵タンクに戻され、後日、それらのタンクから除去されてよい。或いは、分離された水は、システムからすぐに排出されてもよく、その分離された水の為の独立した貯蔵タンクに送られてもよい。
【0045】
図4を参照すると、フィルタベース102は、第1のねじ山群120を含み、第1のねじ山群120は、フィルタハウジング104の第2のねじ山群122と連係して、フィルタハウジング104をフィルタベース102に解放可能に固定し、且つ、定期保守時のフィルタカートリッジ112の交換を可能にする。
【0046】
フィルタハウジング104は、内部キャビティ125を略画定する環状側壁124を含む略ボウル形又は略カップ形である。環状側壁124は、フィルタカートリッジ112を受け入れる、フィルタハウジング104の開放端を形成する遠位端126で終わる。フィルタハウジング104は、遠位端126の反対側の端部において略閉鎖される。遠位端126に隣接して、環状側壁124は、半径方向内向き封止面128を画定し、半径方向内向き封止面128は、フィルタカートリッジ112の半径方向外向き封止部材130と連係して、フィルタカートリッジ112をフィルタハウジング104内で封止する(図5も参照)。
【0047】
図4を参照すると、フィルタベース102は、通常、長手軸134に沿って軸方向に延びる第1の略管状部分132を含む。第1の略管状部分は、第1の半径方向外向き封止面136、更には、第1の半径方向外向き封止面136の外径より小さい内径を有する第1の半径方向内向き封止面138を画定する。これら2つの面136、138は、長手軸134を中心として略同心であることが好ましい。汚れ流体ポート106は、少なくとも一部分が、第1の半径方向外向き封止面136と第1の半径方向内向き封止面138との間で半径方向に形成されている。図示された実施形態では、汚れ流体ポート106のこの部分は、第1の略管状部分132内に形成された、軸方向に延びる単一通路によって形成されている。しかしながら、代替実施形態では、これは、複数の通路によって形成されてよい。更に、代替実施形態では、通路は、第1の略管状部分132から出る際には必ずしも軸方向に延びていなくてよく、半径方向に出てよい。
【0048】
フィルタベース102は更に、長手軸134に沿って軸方向に延びる第2の略管状部分140を含む。第2の略管状部分140は、第2の半径方向外向き封止面142を画定する。第2の半径方向外向き封止面142の外径は、第1の半径方向内向き封止面138の内径より略小さい。第2の略管状部分140は又、戻りポート110の少なくとも一部分を形成する中央チャネル144を画定する。清浄流体ポート108は、少なくとも一部分が、第1の半径方向内向き封止面138と第2の半径方向外向き封止面142との間で形成されている。
【0049】
フィルタカートリッジ112がフィルタハウジング104に挿入されると、フィルタカートリッジ112が、汚れ流体ポート106と清浄流体ポート108との間に配置されて、フィルタカートリッジ112を通って流れる流体がフィルタリングされるように、フィルタカートリッジ112及びフィルタハウジング104がフィルタベース102に作用的に取り付け可能になる。
【0050】
図4及び図5を参照すると、フィルタカートリッジ112は、軸方向に延びるフィルタメディア管146を含み、フィルタメディア管146は、長手軸134と略同心であり、中央キャビティ148を画定する。フィルタメディア管146は、第1の端部150と第2の端部152との間を長手方向に延びる。
【0051】
フィルタカートリッジ112は、汚れ流体入口154、清浄流体出口156、及び戻り出口158を含む。
【0052】
汚れ流体入口154は、フィルタメディア管146の上流側において、フィルタベース102の汚れ流体ポート106によって封止され、汚れ流体ポート106と流体連通する。汚れ流体入口154は、図示された実施形態では、汚れ流体ポート106によって作用的に流体封止されて汚れ流体ポート106と流体連通する汚れ流体入口封止構成によって略形成される。汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材160及び第1の半径方向外向き封止材162を含む。第1の半径方向外向き封止材162は、第1の半径方向内向き封止材160より直径が小さい。汚れ流体入口154は、第1の半径方向内向き封止材160と第1の半径方向外向き封止材162との間に半径方向に形成された略環状ギャップである。組み立てられた時点では、第1の半径方向内向き封止材160は、フィルタベース102の第1の略管状部分132の第1の半径方向外向き封止面136によって作用的に封止される。更に、第1の半径方向外向き封止材162は、第1の略管状部分132の第1の半径方向内向き封止面138によって作用的に封止される。この構成により、汚れ流体ポート106は、フィルタメディア管146の上流側、即ち、外周部と作用的に連通することが可能になる。
【0053】
フィルタカートリッジ112は更に、フィルタメディア管146の第1の端部150に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分164を含む。第1の端部キャップ部分164は、長手軸134に対して相対的に半径方向外向きに延びる半径方向外向き流路166(図3も参照)を画定し、汚れた流体114が、汚れ流体入口154から下流方向に流れる際に、長手軸134に対して相対的に半径方向外向きに流れることを可能にする。汚れ流体入口154は、長手軸134に沿って、フィルタメディア管146の第1の端部150から略軸方向に間隔を置いて配置されており、少なくとも一部分が、フィルタメディア管146の外径部から半径方向内側に位置している。半径方向外向き流路166は、汚れた流体が汚れ流体入口154からフィルタメディア管146の外周部へ半径方向外向きに流れることを可能にし、その後、その汚れた流体は、半径方向内向きに流れてフィルタメディア146を通り抜けることにより、フィルタリングされることが可能である。
【0054】
清浄流体出口156は、清浄流体出口封止構成によって画定され、組み立てられた時点では、フィルタメディア管146の下流側において、フィルタベース102の清浄流体ポート108によって流体封止されて清浄流体ポート108と流体連通する。従って、フィルタメディア管146は、汚れ流体入口154と清浄流体出口156との間に流体的に配置され、清浄流体出口156を通る流体流は、その前に必ずフィルタメディア管146を通り抜けることになっている。
【0055】
清浄流体出口封止構成は、第1の半径方向外向き封止材162を使用するだけでなく、第2の半径方向内向き封止材168を含む。第2の半径方向内向き封止材168は、第1の半径方向外向き封止材162に対して相対的に半径方向内側に位置する。清浄流体出口156は、第1の半径方向外向き封止材162と第2の半径方向内向き封止材168との間に形成された流体流路又はギャップ170である。
【0056】
第1の半径方向外向き封止材162は、第1の略管状部分132の第1の半径方向内向き封止面138によって封止される。第2の半径方向内向き封止材168は、第2の略管状部分140の第2の半径方向外向き封止面142によって封止される。従って、清浄流体出口封止構成によって形成された流体流路又はギャップ170は、第1の半径方向内向き封止面138と第2の半径方向外向き封止面142との間に形成された環状ギャップと作用的に連通して、フィルタベース102の清浄流体ポート108の一部を成す。清浄流体出口封止構成は又、フィルタカートリッジ112の第1の端部キャップ部分164によって保持される。
【0057】
戻り出口158は、フィルタベース102の戻りポート110によって作用的に流体封止されて戻りポート110と流体連通する戻り出口封止構成によって画定される。この連通により、汚れた流体から分離された分離水の流れ118は、フィルタハウジング104を出て、フィルタメディア管146を迂回して、戻り出口110に到達することが可能になる。戻り出口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材168によって与えられる。戻り出口158は、第2の半径方向内向き封止材168が略境界となる流路172である。戻り出口封止構成は又、第1の端部キャップ部分164によって保持される。
【0058】
なお、面136、138、142は、半径方向内向き又は外向きの封止面として略画定される。しかしながら、これらの面は、フィルタカートリッジ112との嵌め込み係合を容易にする為に、長手軸134に対して相対的にわずかな傾斜又は面取りが施されてよい。更に、これらの面は、本実施形態において示されているような導入面取り部を含んでよい。しかしながら、これらの面は、やはり、略半径方向外向き又は内向きの封止面と見なされてよいであろう。同様に、半径方向内向き又は外向きの封止材160、162、168は、フィルタカートリッジ112及びフィルタハウジング104がフィルタベース102にマウントされる際の、第1及び第2の略管状部分132、140との嵌め込み係合を同様に容易にする為に、長手軸134に対して相対的に面取り又は傾斜が施されてよい。ただし、この場合も、これらの面は、半径方向を向いていると通常は見なされるであろう。
【0059】
図示された実施形態では、第1の半径方向内向き封止材160は、Oリングの形式の、それ自身の封止部材によって与えられる。第1の半径方向外向き封止材162及び第2の半径方向内向き封止材168は、単一封止部材174によって与えられる。
【0060】
上述の半径方向外向き封止材130は、図示された実施形態ではフィルタハウジング104の半径方向内向き封止面128によって封止されており、第1の端部キャップ部分164の外周部において第1の端部キャップ部分164によって保持されており、Oリングとして示されている。
【0061】
フィルタカートリッジ112は、フィルタメディア管146の中央キャビティ148を通って延びる戻り流路176を略画定する。戻り流路176は、汚れ流体入口154と戻り出口158との間に、作用的に流体的に配置される。汚れた流体114から分離された水は、戻り流路176を通って戻り出口158に至ることが可能である。
【0062】
図5を参照すると、フィルタカートリッジ112がフィルタハウジング104に挿入されたときに、フィルタカートリッジ112及びフィルタハウジング104は、分離水118が汚れた流体114から除去された後に集まる水溜め領域178を画定する。この水は、戻り流路176の入口180を通って戻り流路176に入る。水溜め領域178は、重力的にフィルタカートリッジ112の下方にあることが好ましい。従って、動作中であって、フィルタカートリッジ112がフィルタベース102に作用的に取り付けられている場合、第1の端部キャップ部分164は、戻り流路176の第2の端部キャップ部分184及び入口180の垂直上方にある。
【0063】
フィルタカートリッジ112は又、やはりフィルタメディア管146の中央キャビティ148を通り抜ける清浄流路182を画定する。清浄流路182は、フィルタメディア管146の下流側(即ち、半径方向内側)から清浄流体出口156に延びる。フィルタカートリッジ112は、フィルタメディア管146の中央キャビティ148内で、清浄流路182及び戻り流路176が流体的に互いに隔てられていて、フィルタメディア管146を通り抜けるこの2つの流体流が混ざらないように構成されている。
【0064】
フィルタカートリッジ112は更に、第2の端部キャップ部分184、並びに中央管186を含む。第2の端部キャップ部分184は、フィルタメディア管146の第2の端部152に封止的に取り付けられる。中央管186は、フィルタメディア管146の中央キャビティ148内に略位置し、長手軸134に沿って略軸方向に延びる。第2の端部キャップ部分184は、第2の端部キャップ部分184を貫通する中央開口部188を含む。中央開口部188により、フィルタカートリッジ112の外側とフィルタメディア管146の中央キャビティ148との連通が可能になる。フィルタカートリッジ112の戻り流路176は、中央開口部188を通して、フィルタメディア管146の外側と流体連通する。
【0065】
戻り流路176は、図示された実施形態では、戻り流路176を画定する中央通路を含む中央管186によって画定される。中央管186は、軸方向に延びる管状部分190を含み、管状部分190は、第2の端部キャップ部分184の中央開口部188を貫通して軸方向に延びる。軸方向に延びる管状部分190の遠位端は、中央管の中央通路の入口180、並びに、戻り流路176の入口を略画定する。入口180は、戻り出口158から間隔を置いて軸方向に配置される。入口180は、フィルタメディア管146の第2の端部152からも間隔を置いて軸方向に配置され、これによって、入口180は、フィルタメディア管146の中央キャビティ148の外側に位置する。より具体的には、フィルタメディア管146の第2の端部152は、長手軸134に沿って、軸方向に、第1の端部150と入口180との間に配置される。
【0066】
封止部材192が、第2の端部キャップ部分184と中央管186との間を封止する。代替実施形態では、第2の端部キャップ部分184及び中央管186は、1つの一体型部品によって形成されてよく、封止材192は省略されてよい。
【0067】
清浄流路182は又、少なくとも一部分が、中央管186によって形成される。清浄流路182は、中央管186の中央通路によって与えられる戻り流路176から半径方向に間隔を置いて配置される。清浄流路182は、フィルタメディア管146の中央キャビティ148内に位置する入口領域194(図6及び図7も参照)を有する。清浄流路182によって、入口領域194と清浄流体出口156とが流体連通する。好ましくは、清浄流路182の入口領域194は、長手軸134に沿って軸方向に、フィルタメディア管146の第1の端部150よりもフィルタメディア管の第2の端部152に近づいて位置する。これは、入口領域194を流体に沈めておくことを支援し、且つ、プライミング低下の回避、又はプライミング低下後の再始動を支援する。
【0068】
図5を参照すると、封止部材174は、第1の端部キャップ部分164の半径方向フランジ部分196と封止的に係合する。封止部材174は、半径方向フランジ部分196を受ける逃げ溝を形成する半径方向外向き開口部を有する環状溝198を含むことによって、封止部材174が第1の端部キャップ部分164に対して相対的に自動的に位置付けられるようにするという点でグロメットの形式をとる。封止部材174は、第1の端部キャップ164の半径方向フランジ部分196によって画定される開口部を貫通して延びる。封止部材174は、直径が縮められた、軸方向に延びる管状部分200を含み、管状部分200は、半径方向外向き封止面202を画定する。軸方向に延びる管状部分200は、中央管186の戻り流路176内で軸方向に受けられる。半径方向外向き封止面202は、戻り流路176を画定する中央管186の内側表面204によって半径方向に封止される。この封止により、清浄流体又は分離水が、封止部材174と中央管186との間の係合部分を迂回することがなくなる。
【0069】
図8を参照すると、中央管186は、一対の、平行且つ同心の軸方向に延びる壁206、208を含み、壁206、208は、それらの間に環状チャネル210を画定する。第1の端部キャップ部分164は、軸方向に延びる壁212を含み、壁212は、フィルタカートリッジ112が完全に組み立てられた時点で、中央管186のチャネル210内及び一対の壁206、208の間で軸方向に受けられる。中央管186の第1の端部214と第1の端部キャップ部分164との間の封止を与える為に、中央管と第1の端部キャップ部分164との間に接着剤が配置されてよい。或いは、第1の端部キャップ部分164は、中央管186とともに一体型部品として形成されてよい。更に、中央管186の第1の端部214は、第1の端部キャップ部分164との間を流体が通り抜けないように、第1の端部キャップ部分164に埋め込まれてよく、或いは、別の方法で第1の端部キャップ部分164に超音波溶接されてよい。接着剤が使用された場合は、その同じ接着剤を使用して、フィルタメディア146を第1の端部キャップ部分164に固定してよい。或いは、フィルタメディア146は、第1の端部キャップ部分164に埋め込まれるか、別の方法で第1の端部キャップ部分164に封止的に取り付けられてよい。メディア146と第1の端部キャップ部分164との間には、超音波溶接又は化学結合が用いられてよい。
【0070】
中央管186は更に、フィルタメディア146を通り抜けてフィルタメディア146の第1の端部150付近にある流体を、中央軸134に沿って軸方向に、中央管186の入口領域194に向かわせる為に、らせんフィン218を含む。入口領域194の上方にあるフィン218は、単一の連続するらせんフィンによって略設けられる。フィン218は、フィルタメディア管146の内径部又は内周部を半径方向に支持するようにサイズ決定されることが好ましい。
【0071】
中央管186の第2の端部220において、中央管186は、軸方向に延びる壁222を含み、壁222は、フィルタカートリッジ112が組み立てられた時点で、第2の端部キャップ部分184の環状くぼみ224内で軸方向に受けられる。この場合も、流体がこのくぼみ222と第2の端部キャップ184との間を通り抜けないように、くぼみ222は、第2の端部キャップ184に接着によって取り付けられてよい。或いは、中央管186は、超音波又は別の方法で、第2の端部キャップ184に溶接されてよい。更に、フィルタメディア146を第2の端部キャップ184に固定する為に使用される任意のプラスチゾル接着剤又は他の接着剤が、中央管186を第2の端部キャップ部分184に固定すること、並びに、Oリングが使用されない場合に流路176を第2の端部キャップ184に封止することにも使用されてよい。
【0072】
好ましい一実施形態では、フィルタメディア管146は、汚れた流体114から水を除去するように構成される。一代替実施形態では、フィルタメディア管146の周りに、分離式のメディア又は剥ぎ取り式のスクリーンを配置してよい。しかしながら、本明細書の実施形態においては、汚れた流体の流れから水を除去する他の手段も実装されてよい。図示された実施形態の一利点は、フィルタアセンブリ100が完全に組み立てられて動作可能になると、水溜め領域178がフィルタカートリッジ112の略垂直下方にあって、除去された水の、水溜め領域への移動が重力によって支援されうることである。しかしながら、この配置の為に、フィルタカートリッジ112を通る戻り流路176は、定期保守時のフィルタアセンブリ100のプライミング中に使用される空気戻り通路としては、ほとんど使用されない。これは、フィルタハウジング104及びフィルタカートリッジ112が流体で略満たされ、この流体が入口180を覆い、プライミング処理中に空気が入口180を通り抜けることができない為である。更に、戻り流路176は、典型的なベント通路よりサイズが大きく、これは、除去された水が十分通り抜けられる大きさである。
【0073】
動作時には、汚れた流体をフィルタリングする方法が提供される。本方法は、フィルタベース102の汚れ流体ポート106を介して、フィルタカートリッジ112の汚れ流体入口154を通る汚れた流体を受けるステップを含む。汚れた流体114は、第1の端部キャップ部分164に形成された半径方向外向き流路166を、半径方向外向きに通り抜ける。この流体流は、中央軸134に対して相対的に半径方向外向きであり、フィルタメディア管146からは略軸方向に間隔が置かれている。従って、フィルタメディア146の第1の端部150は、軸方向に、半径方向外向き流路166とフィルタメディア管146の第2の端部152の間に位置する。
【0074】
汚れた流体は、半径方向外向きに流れた後に、フィルタメディア管146の第2の端部152に向かって、軸方向下向きに流れる。この汚れた流体は、フィルタメディア管146の外側にあり、その後、フィルタメディア管内を半径方向に流れ、フィルタメディア管146によって清浄化される。更に、汚れた流体がフィルタメディア管146の外側にあって、その後、フィルタメディア管146を通って移動する際に、汚れた流体によって保持されている水が、汚れた流体から除去されることが可能である。この水は、ハウジング104の底部にある水溜め領域178に向かって軸方向に流れる。フィルタメディア管146を通り抜けた流体は、清浄な流体となり、中央キャビティ148内に入る。清浄な流体116は、中央管186の入口領域194に向かって移動する。清浄な流体116は、清浄流路182を通って、フィルタカートリッジの清浄流体出口156に向かい、そこから、フィルタベース102の清浄流体ポート108に移動し、下流システムで使用されるべく、下流システムに向かう。
【0075】
水溜め領域にある分離水118は、入口180に吸い込まれ、戻り流路176に入り、やはり、そこから、フィルタメディア管146の中央キャビティ148を通って移動する。しかしながら、この分離水の流れは、やはりフィルタメディア管146の中央キャビティ148内にある清浄流体の流れから隔てられる。この分離は、図示された実施形態の中央管186によって与えられる。分離水は、戻り流路176に沿って戻り出口158まで流れ、そこから、フィルタベースの戻りポート110に入る。その後、分離水は、流体貯蔵タンク又は他の水用貯蔵領域に戻されてよく、これは、汚れた流体のうちの不純物の1つである。なお、戻り出口158を通り抜ける流体がフィルタメディア管146を通り抜けることはない。
【0076】
本フィルタアセンブリ100は又、結合されたフィルタカートリッジ及びフィルタハウジング(これらはフィルタエレメントと称されることもある)をフィルタベース102に固定する為の様々な追加機能を含む。例えば、本システムは、2008年6月16日に出願され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第12/139,734号、発明の名称「ロック機構を含むフィルタエレメント及びフィルタアセンブリ(FILTER ELEMENT AND FILTER ASSEMBLY INCLUDING LOCKING MECHANISM)」に記載のねじりロック機構を利用する。この出願の教示及び開示は、参照により本明細書に組み込まれている。更に、本システムは、定期保守時にフィルタハウジング104及びフィルタカートリッジ112がフィルタベース102から取り外されたときに、フィルタハウジング104からのフィルタカートリッジ112の取り外しを自動的に支援するフィルタカートリッジイジェクト機構又は構成を利用する。代表的な自動イジェクト機構が、2012年1月27日に出願され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/360,181号、発明の名称「イジェクト構成を有するフィルタ装置(FILTER APPARATUS WITH EJECTION ARRANGEMENT)」に示されている。この出願の教示及び開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0077】
図6を参照して簡単に触れておくと、フィルタハウジングは、第1の端部キャップ164上にリブ300を含み、リブ300は、フィルタベース100のねじりロック構造と連係する。更に、フィルタカートリッジ112は、キー302を含み、キー302は、フィルタハウジング104の対応するチャネル304と、角度を合わせて係合する。キー302とチャネル304とが係合することにより、組み立て工程及び分解工程において、フィルタハウジング104がフィルタカートリッジ112に対して回転しないようになる。これにより、ねじりロック機能、並びに自動イジェクト機構の両方の動作が可能になる。これは、ユーザが、ねじ式構成のハウジング104を回転させてフィルタベースから取り外そうとしたときに、第1の端部キャップ164もハウジングと一緒に回転することになる為である。フィルタカートリッジ112は又、フィルタベース102の対応する棚と係合する為に使用されるイジェクトタブを含む。
【0078】
本明細書で引用した、刊行物、特許出願、および特許を含む文献はすべて、各文献が個々に具体的に示される形で参照によって本明細書に組み込まれ、且つ、各文献の全体が本明細書に記述されているのと同等程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【0079】
本発明を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)「a」、「an」、及び「the」の各語句、並びに同様の指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方を包含するものとして解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「包含する(containing)」の各語句は、特に断らない限り、オープンエンドターム(即ち、「〜を含むが、これに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に参照する為の略記法としての役割を果たすことのみを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘されたり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、任意の好適な順序で実施されてよい。本明細書中で与えられるあらゆる例、又は例示的言い回し(例えば、「など(such as)」は、特に主張されない限り、単に本発明をより明らかにすることだけを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の如何なる言い回しも、特許請求されていない任意の要素を、本発明の実施に不可欠な要素として示すものとして解釈されてはならない。
【0080】
本明細書においては、本発明を実施する為の、本発明者らが知っている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が説明されている。当業者であれば、前述の説明を読むことにより、これらの好ましい実施形態の変形形態が明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を適宜採用することを想定しており、本明細書において具体的に説明されたもの以外の方法で本発明が実施されることを企図している。従って、本発明は、準拠法によって許可されているとおり、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されている内容のあらゆる修正及び均等物を包含する。更に、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、好ましい実施形態のあらゆる可能な変形形態における上述の要素のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
〔付記1〕
フィルタカートリッジであって、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする前記フィルタカートリッジであり、前記フィルタベースは、清浄化された流体がそこを通って出る清浄流体ポートと、前記汚れた流体から分離された分離水がそこを通って出る戻りポートと、を含み、前記フィルタカートリッジは、
長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を備え、前記第1の端部キャップ部分は、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって流体封止されて前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートによって流体封止されて前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記戻りポートによって流体封止されて前記戻りポートと流体連通する戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻り出口を通る分離水の流れは、前記フィルタメディア管を迂回し、清浄流体及び汚れた流体の両方の流れから隔てられて、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内を作用的に流れる、前記戻り出口と、を保持する、
フィルタカートリッジ。
〔付記2〕
前記汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第1の半径方向外向き封止材は、前記第1の半径方向内向き封止材より直径が小さく、前記汚れ流体入口は、前記汚れ流体入口封止構成の前記第1の半径方向内向き封止材と前記第1の半径方向外向き封止材との間に形成された環状ギャップであり、
前記清浄流体入口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第2の半径方向内向き封止材は、前記第1の半径方向外向き封止材に対して相対的に半径方向内側に位置し、前記清浄流体出口は、前記第1の半径方向外向き封止材と前記第2の半径方向内向き封止材との間に形成されたギャップであり、
前記戻り出口封止構成は、前記第2の半径方向内向き封止材によって与えられる、
請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記3〕
前記汚れ流体入口は、前記長手軸に沿って、前記フィルタメディアの前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、少なくとも一部分が、前記フィルタメディア管の外径部から半径方向内側に位置し、前記第1の端部キャップ部分は、前記汚れ流体入口から下流方向の流れがあるときに、前記長手軸に対して相対的に半径方向外側に延びる半径方向外向き流路を画定する、請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記4〕
前記半径方向外向き流路は、前記フィルタメディア管の前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置される、請求項3に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記5〕
前記第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材は、単一の封止部材によって与えられる、請求項2に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記6〕
前記第1の半径方向内向き封止材は、第2の封止部材によって与えられる、請求項5に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記7〕
前記第1の端部キャップ部分の半径方向外周部に近接する第2の半径方向外向き封止材を更に備え、前記第2の半径方向外向き封止材は、前記フィルタハウジングの半径方向内向き封止面によって封止されて前記フィルタカートリッジを前記フィルタハウジング内で封止するように構成される、請求項6に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記8〕
前記フィルタメディア管の前記内部キャビティを通って延びる戻り流路であって、前記戻り流路は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記戻り出口との間に置かれ、分離水の前記流れは、前記戻り流路を通り抜ける、前記戻り流路と、
前記内部キャビティを通って前記フィルタメディア管の下流側から前記清浄流体出口まで延びる清浄流路であって、前記戻り流路から流体的に隔てられている前記清浄流路と、
を更に備える、請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記9〕
前記フィルタメディア管の前記第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップ部分を更に備え、前記第2の端部キャップ部分は、前記第2の端部キャップ部分を貫通する中央開口部を含み、前記戻り流路は、前記中央開口部を通じて前記フィルタメディア管の外側と流体連通する、請求項8に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記10〕
前記フィルタメディア管の前記内部キャビティ内に位置する中央管部分を更に備え、前記中央管部分は、前記戻り流路を与える中央通路を含み、前記中央通路は、前記第2の端部キャップ部分の前記中央開口部を通じて前記フィルタメディア管の前記外側と流体連通する、請求項9に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記11〕
前記中央管の前記中央通路は、前記戻り出口から軸方向に離れて配置された入口を含み、前記入口は、前記フィルタメディア管の前記第2の端部から軸方向に離れて配置され、前記入口は、前記フィルタメディア管の前記内部キャビティの外側に位置する、請求項10に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記12〕
前記中央管部分は、前記中央通路から半径方向に間隔を置いて配置された第2の流体通路を含み、前記第2の流体通路は、前記清浄流路を与え、前記第2の流体通路は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に入口を有し、前記第2の流体通路を通じて前記清浄流体出口と流体連通する、請求項9に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記13〕
前記第2の流体通路の前記入口は、前記長手軸に沿って軸方向に、前記フィルタメディア管の前記第1の端部よりも、前記フィルタメディア管の前記第2の端部に近い場所に位置する、請求項12に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記14〕
前記中央管は、前記第2の端部キャップ部分の前記中央開口部を通って軸方向に延びる、軸方向に延びる管状部分を含み、前記軸方向に延びる管状部分の遠位端は、前記中央通路の前記入口を画定する、請求項11に記載のフィルタカートリッジ。
〔付記15〕
フィルタカートリッジであって、再利用可能なフィルタハウジングにおいて使用され、前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングが解放可能に取り付け可能であるフィルタベースの汚れ流体ポートから供給される汚れた流体をフィルタリングする前記フィルタカートリッジであり、前記フィルタベースは更に、清浄流体ポート及び戻りポートを含み、前記フィルタカートリッジは、
長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって封止されて前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記清浄流体ポートによって封止されて前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口であって、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記戻りポートによって封止されて前記戻りポートと流体連通する戻り出口であって、前記戻り出口を通る流体流は、前記フィルタメディア管を迂回する、前記戻り出口と、
を備えるフィルタカートリッジ。
〔付記16〕
フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを備えるフィルタアセンブリであって、
前記フィルタベースは、汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートと、
長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、前記第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する第1の略管状部分であって、前記第1の半径方向外向き封止面と前記第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する前記第1の略管状部分と、
前記長手軸に沿って軸方向に延び、前記第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面と、中央チャネルと、を画定する第2の略管状部分であって、前記中央チャネルは前記戻りポートを形成し、前記清浄流体ポートは、前記第1の半径方向内向き封止面と前記第2の半径方向外向き封止面との間に形成される、前記第2の略管状部分と、を含み、
前記フィルタハウジングは、前記フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定し、
前記フィルタカートリッジは、前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、前記フィルタカートリッジは、
前記長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の前記第1の端部に封止的に取り付けられた第1の端部キャップ部分と、を含み、前記第1の端部キャップ部分は、
前記第1の半径方向外向き封止面及び前記第1の半径方向内向き封止面によって流体封止される汚れ流体入口封止構成によって画定される汚れ流体入口であって、前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートと流体連通する前記汚れ流体入口と、
第1の半径方向内向き封止面及び前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される清浄流体出口封止構成によって画定される清浄流体出口であって、前記清浄流体出口は、前記フィルタメディア管の下流側において、前記フィルタベースの前記清浄流体ポートと流体連通し、前記フィルタメディア管は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記清浄流体出口との間に置かれて、前記清浄流体出口を通る流体流が必ず前記フィルタメディア管を通り抜けることになっている、前記清浄流体出口と、
前記第2の半径方向外向き封止面によって流体封止される戻り出口封止構成によって画定される戻り出口であって、前記戻りポートと流体連通する前記戻り出口と、を保持し、
前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の下流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集め、前記戻り出口は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通じて前記水溜め領域と流体連通する、
フィルタアセンブリ。
〔付記17〕
前記汚れ流体入口封止構成は、第1の半径方向内向き封止材及び第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第1の半径方向外向き封止材は、前記第1の半径方向内向き封止材より直径が小さく、前記汚れ流体入口は、前記汚れ流体入口封止構成の前記第1の半径方向内向き封止材と前記第1の半径方向外向き封止材との間に形成された環状ギャップであり、
前記清浄流体入口封止構成は、第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材を含み、前記第2の半径方向内向き封止材は、前記第1の半径方向外向き封止材に対して相対的に半径方向内側に位置し、前記清浄流体出口は、前記第1の半径方向外向き封止材と前記第2の半径方向内向き封止材との間に形成されたギャップであり、
前記戻り出口封止構成は、前記第2の半径方向内向き封止材によって与えられる、
請求項16に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記18〕
前記汚れ流体入口は、前記長手軸に沿って、前記フィルタメディアの前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置され、少なくとも一部分が、前記フィルタメディア管の外径から半径方向内側に位置し、前記第1の端部キャップ部分は、前記汚れ流体入口から下流方向の流れがあるときに、前記長手軸に対して相対的に半径方向外側に延びる半径方向外向き流路を画定する、請求項16に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記19〕
前記半径方向外向き流路は、前記フィルタメディア管の前記第1の端部から軸方向に間隔を置いて配置される、請求項18に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記20〕
前記第2の半径方向内向き封止材及び前記第1の半径方向外向き封止材は、単一の封止部材によって与えられる、請求項17に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記21〕
前記第1の半径方向内向き封止材は、第2の封止部材によって与えられる、請求項20に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記22〕
前記第1の端部キャップ部分の半径方向外周部に近接する第2の半径方向外向き封止材を更に備え、前記第2の半径方向外向き封止材は、前記フィルタハウジングの半径方向内向き封止面によって封止されて前記フィルタカートリッジを前記フィルタハウジング内で封止するように構成される、請求項21に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記23〕
前記フィルタメディア管の前記内部キャビティを通って延びる戻り流路であって、前記戻り流路は、流体的に、前記汚れ流体入口と前記戻り出口との間に置かれ、分離水の前記流れは、前記戻り流路を通り抜ける、前記戻り流路と、
前記内部キャビティを通って前記フィルタメディア管の下流側から前記清浄流体出口まで延びる清浄流路であって、前記戻り流路から流体的に隔てられている前記清浄流路と、
を更に備える、請求項16に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記24〕
前記フィルタメディア管の前記第2の端部に取り付けられた第2の端部キャップ部分を更に備え、前記第2の端部キャップ部分は、前記第2の端部キャップ部分を貫通する中央開口部を含み、前記戻り流路は、前記中央開口部を通じて前記フィルタメディア管の外側と流体連通する、請求項23に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記25〕
前記フィルタメディア管の前記内部キャビティ内に位置する中央管部分を更に備え、前記中央管部分は、前記戻り流路を与える中央通路を含み、前記中央通路は、前記第2の端部キャップ部分の前記中央開口部を通じて前記フィルタメディア管の前記外側と流体連通する、請求項24に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記26〕
前記中央管の前記中央通路は、前記戻り出口から軸方向に離れて配置された入口を含み、前記入口は、前記フィルタメディア管の前記第2の端部から軸方向に離れて配置され、前記入口は、前記フィルタメディア管の前記内部キャビティの外側に位置する、請求項25に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記27〕
前記中央管部分は、前記中央通路から半径方向に間隔を置いて配置された第2の流体通路を含み、前記第2の流体通路は、前記清浄流路を与え、前記第2の流体通路は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に入口を有し、前記第2の流体通路を通じて前記清浄流体出口と流体連通する、請求項24に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記28〕
前記第2の流体通路の前記入口は、前記長手軸に沿って軸方向に、前記フィルタメディア管の前記第1の端部よりも、前記フィルタメディア管の前記第2の端部に近い場所に位置する、請求項27に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記29〕
前記中央管は、前記第2の端部キャップ部分の前記中央開口部を通って軸方向に延びる、軸方向に延びる管状部分を含み、前記軸方向に延びる管状部分の遠位端は、前記中央通路の前記入口を画定する、請求項26に記載のフィルタアセンブリ。
〔付記30〕
汚れ流体ポート、清浄流体ポート、及び戻りポートを含むフィルタベースと、
前記フィルタベースに取り外し可能に取り付け可能であって内部キャビティを画定するフィルタハウジングと、
前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置されるフィルタカートリッジと、を備えるフィルタアセンブリであって、前記フィルタカートリッジは、
長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって封止されて前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記清浄流体ポートによって封止されて前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口と、
前記戻りポートによって封止されて前記戻りポートと流体連通する戻り出口と、を含み、
前記フィルタカートリッジが前記フィルタハウジング内に取り付けられた時点で、前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の下流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記フィルタカートリッジが前記フィルタハウジング内に取り付けられた時点で、前記戻り出口は、前記水溜め領域と流体連通し、
前記水溜め領域は、汚れた流体が前記フィルタメディア管を通り抜ける前に、前記汚れた流体から分離された水を集める、
フィルタアセンブリ。
〔付記31〕
フィルタベースとフィルタハウジングとフィルタカートリッジとを備えるフィルタアセンブリであって、
前記フィルタベースは、
長手軸に沿って軸方向に延び、第1の半径方向外向き封止面と、前記第1の半径方向外向き封止面より直径が小さい第1の半径方向内向き封止面と、を画定する第1の略管状部分であって、前記第1の半径方向外向き封止面と前記第1の半径方向内向き封止面との間に半径方向に位置する汚れ流体ポートを画定する前記第1の略管状部分と、
前記長手軸に沿って軸方向に延び、前記第1の半径方向内向き封止面の直径より小さい外径を有する第2の半径方向外向き封止面と、中央チャネルと、を画定する第2の略管状部分であって、前記中央チャネルは戻りポートを形成し、清浄流体ポートが、前記第1の半径方向内向き封止面と前記第2の半径方向外向き封止面との間に形成される、前記第2の略管状部分と、を含み、
前記フィルタハウジングは、前記フィルタベースに取り外し可能に取り付けられて、内部キャビティを画定し、
前記フィルタカートリッジは、前記フィルタハウジングの前記内部キャビティ内に取り外し可能に配置され、前記フィルタカートリッジは、
前記長手軸に沿って第1及び第2の端部の間を延びて、前記長手軸に平行であって、中央キャビティを画定するフィルタメディア管と、
前記フィルタメディア管の上流側において、前記フィルタベースの前記汚れ流体ポートによって封止され、前記汚れ流体ポートと流体連通する汚れ流体入口と、
前記フィルタメディア管の下流側において、前記清浄流体ポートによって封止され、前記清浄流体ポートと流体連通する清浄流体出口と、
前記戻りポートによって封止され、前記戻りポートと流体連通する戻り出口と、を含み、
前記フィルタカートリッジ及び前記フィルタハウジングは、それらの間に水溜め領域を画定し、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の下流にあり、且つ、前記戻り出口の上流にあり、前記水溜め領域は、前記フィルタメディア管の外側の汚れた流体から分離された水を集め、前記戻り出口は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティを通じて前記水溜め領域と流体連通する、
フィルタアセンブリ。
〔付記32〕
流体をフィルタリングする方法であって、
フィルタベースの入口ポートにおいて、汚れた流体を受けるステップと、
前記汚れた流体が、前記フィルタベースに取り付けられたフィルタカートリッジのフィルタメディア管の中央キャビティに入る前に、前記汚れた流体から水を分離し、前記水を、前記フィルタカートリッジと、前記フィルタカートリッジを内部に配置するフィルタハウジングと、の間に形成された水溜め領域に通すステップと、
前記汚れた流体を前記フィルタメディア管に通して、前記汚れた流体から微粒子を除去し、前記汚れた流体を清浄流体に変換するステップと、
前記清浄流体を、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティ内に入口を有する清浄流体流路に通すステップと、
前記清浄流体を、前記清浄流体流路から、前記フィルタカートリッジの清浄流体出口を通じて放出するステップと、
前記水を、前記フィルタメディア管の中央キャビティを通って延びる戻り流路に通すステップと、
前記水を、前記フィルタカートリッジの戻り出口を通じて放出するステップと、
を含む方法。
〔付記33〕
前記水は、前記フィルタメディア管の前記中央キャビティに対して軸方向に外側に位置する、前記戻り流路の入口を通じて、前記戻り流路に入る、請求項32に記載の方法。
〔付記34〕
前記フィルタカートリッジを新しいフィルタカートリッジに交換するステップであって、前記フィルタカートリッジを交換している間に前記戻り流路を交換することを含む前記交換するステップを更に含む、請求項33に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11