特許第6285922号(P6285922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユーオーピー エルエルシーの特許一覧

特許6285922半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法
<>
  • 特許6285922-半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法 図000002
  • 特許6285922-半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法 図000003
  • 特許6285922-半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法 図000004
  • 特許6285922-半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法 図000005
  • 特許6285922-半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法 図000006
  • 特許6285922-半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285922
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】半径流反応器内で固体材料を保持するための装置及び形成方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/00 20060101AFI20180215BHJP
   B01J 8/02 20060101ALI20180215BHJP
   B01J 8/06 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 11/06 20060101ALN20180215BHJP
   C07C 5/333 20060101ALN20180215BHJP
   C07C 11/09 20060101ALN20180215BHJP
【FI】
   B01J8/00 A
   B01J8/02 E
   B01J8/06 301
   !C07C11/06
   !C07C5/333
   !C07C11/09
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-518475(P2015-518475)
(86)(22)【出願日】2013年6月17日
(65)【公表番号】特表2015-526277(P2015-526277A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2013046058
(87)【国際公開番号】WO2013192061
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年6月10日
(31)【優先権主張番号】61/662,095
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100112634
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 美奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100196597
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッター,マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,チュエン
(72)【発明者】
【氏名】セクリスト,ポール・エイ
【審査官】 河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0107575(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0154632(US,A1)
【文献】 特開平09−168733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 8/00 − 8/46
C07C 1/00 − 409/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器内に固体を保持するための装置であって、
それを通って流体が通過することができる流体側開口を有する概して垂直の流体側隔壁、
それを通って流体が通過することができる固体側開口を有する、流体側隔壁から半径方向に離隔していて概してそれに対して平行な、概して垂直の触媒側隔壁、
流体側開口と固体側開口の間の流体流路、
流体側開口の上部部分を遮断して流体流路に沿った流体の流れを部分的に妨げる、流体流路中に伸びている邪魔板、
流体側隔壁と触媒側隔壁の間に接続されており、端部が概して流体側開口の上方に位置する上側の支持部材、及び、
流体側隔壁と触媒側隔壁の間に接続されており、端部が概して流体側開口の下方に位置する下側の支持部材、を含み、
流体側開口及び固体側開口と流体連絡している流体流路が上側の支持部材と下側の支持部材の間に画定されており、邪魔板が上側の支持部材から流体流路の上部部分中に懸垂していて、それを通る流体の流れを妨げている、
前記装置。
【請求項2】
邪魔板が上側の支持部材に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上側の支持部材がL字形の支持ロッドであり、邪魔板がL字形の支持ロッドの1つの脚部を構成している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
邪魔板が下方に伸びていて、流体側開口の上部5%〜上部70%の間を遮断している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
邪魔板が、流体側隔壁に隣接する箇所と、流体側隔壁と触媒側隔壁との間の半分までの間に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
流体側開口が10〜25mmの高さを有し、邪魔板が流体側開口の上部部分の2〜10mmの間を遮断している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
触媒側隔壁がプロファイルワイヤースクリーンを含み、流体側隔壁が有孔プレートを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
流体側隔壁が一定の厚さを有するプレートを含み、流体側開口が、部分的にプレートの厚さを貫通して伸びていて、第1の高さに上部の第1開口端部を有するプレートの一方の側の上の第1の部分開口、及び、第1の部分開口と交差して、プレートの全厚さを貫通して伸びていて、第1の高さよりも低い第2の高さに上部の第2開口端部を有する流体側開口を与えているプレートの反対側の上の第2の部分開口を含んでいて、邪魔板が上部の第2開口端部を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
半径流反応器内において固体粒子を保持するための隔壁を形成する方法であって、
1つの端部においてプロファイルワイヤーに接続されていて、プロファイルワイヤーを横切って且つこれから概して直交方向に伸びていて開口を画定している複数の概して平行の細長い支持ロッドによって支持されている複数の概して平行に離隔されているワイヤーを有するプロファイルワイヤースクリーンを与える工程、
支持ロッドに接続されており、支持ロッドから懸垂している邪魔板を形成する工程、
複数の開口を有するプレートを与える工程、
支持ロッドを、プロファイルワイヤーとプレートとの間に伸びて、プレートはプロファイルワイヤーと概して平行であり、隣接する支持ロッドはプレート開口及びプロファイルワイヤースクリーン開口と流体連絡している流路を画定するように配置する工程、ここで、前記支持ロッドは流路の上部表面を画定する上部支持ロッド、及び、流路の下部表面を画定する下部支持ロッドを有する
邪魔板の少なくとも一部を、流路の上部部分を遮断して、それを通って流れる流体が邪魔板部分によって部分的に妨げられるように配置し、支持ロッドの反対側の端部をプレートに接続する工程、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2012年6月20日に出願された米国仮出願61/662,095の利益を主張する。
[0002]本発明は、流体が触媒又は吸着剤の床を横切って流れる交差流又は半径流反応器又は吸着装置に関する。特に、本発明は、流体の流れを分配し、入口又は出口スクリーンを横切る触媒又は吸着剤の流れを阻止するための装置を与えるための、反応器又は吸着装置の内部部品に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]広範囲のプロセスにおいて、流体と固体との間の接触を与える半径流反応器が用いられている。固体は、通常は、その上で流体が反応して生成物を形成する触媒材料を含む。このプロセスは、炭化水素転化、気体処理、及び分離のための吸着などの様々な範囲のプロセスをカバーする。
【0003】
[0004]半径流反応器は、反応器が環状の構造を有し、環状の分配及び回収器具が存在するように構成されている。分配及び回収のための器具は、通常は幾つかのタイプのスクリーンが張られた表面を含む。スクリーンが張られた表面は、触媒床を所定位置に保持し、反応器の表面上に圧力を分布させることを助けて、反応器床を通る半径流を促進させるためのものである。スクリーンは、ワイヤー又は他の材料のいずれかのメッシュ、或いは穿孔プレートであってよい。固定床又は移動床のいずれに関しても、スクリーン又はメッシュは、床を通して流体を流しながら固体触媒粒子の損失を抑止するバリヤーを与える。移動床においては、頂部に固体触媒粒子を加え、スクリーンが取り付けられた筐体に通して流体を触媒上に流しながら、装置を通して流して底部において取り出す。固定床においては、触媒又は吸着剤を、スクリーン又は他の保持器具の間の床の中に装填し、スクリーンによって、触媒を所定位置に保持しながら触媒上に流体を流す。スクリーンは、好ましくは非反応性の材料で構成するが、実際にはスクリーンはしばしば腐食及び/又は浸食によって多少の反応を受け、腐食又は浸食したスクリーン又はメッシュから長時間運転の問題が生じる。
【0004】
[0005]1つのタイプのスクリーンはプロファイルワイヤースクリーンであり、これはプロファイルワイヤーを支持体の周りに巻回し、それを支持体の周りに巻回する際にワイヤーのための所定の間隔を設ける。次に、スクリーンを切断し、平坦にして、次に再巻回又は再成形する。このスクリーンは、US−2,046,458及びUS−4,276,265において示されている。平坦にしたら、スクリーンに通常は垂直に配向されるプロファイルワイヤーを含ませ、支持ロッドをそれに接続して、プロファイルワイヤーを横切ってそれから直交して伸長させる。スクリーンは、入口分配器具又は触媒を収容するための他の器具の一部として用いることができる。1つのタイプの入口分配器具は、US−6,224,838及びUS−5,366,704に記載されているホタテ貝の形状を有する反応器内部である。ホタテ貝の形状及びデザインによって、半径流反応器の入口に関して気体の良好な分配が与えられるが、固体の通過を阻止するためにスクリーン又はメッシュが用いられる。ホタテ貝の形状は、容器壁の湾曲に関する心配なしに反応器内に容易に配置することができるので好都合である。触媒粒子を床内に保持するために用いるスクリーン又はメッシュは、粒子がそれを通過できないのに十分に小さい開口を有するような寸法を有する。
【0005】
[0006]1つの通常のアプローチにおいては、1つ又は複数のプロファイルワイヤースクリーンは、概して垂直の環状反応器内に、その中心軸の周りに垂直に伸びる概して管状又は円筒形の形状に成形される。有孔プレートは、プロファイルワイヤーから離隔させて、反応器内のスクリーンの流体側上の支持ロッドの反対側の端に接続することができ、一方、プロファイルワイヤーは通常は材料側に配される。プレートはまた、反応器内において管状又は円筒形の形状に成形又は配される。反応器のタイプ、及び反応器内のどの場所にスクリーンを配置するかによって、プレートは反応器の中心又は外壁により近接させることができる。述べたように、プレートには、しばしば複数の開口を有する穿孔又は有孔プレートが含まれる。支持ロッドが開口の上下に配されて、流体をプレート内の開口からプロファイルワイヤースクリーン内の開口又はメッシュへ流して、固体触媒又は吸着剤床への流体の良好な分布を与えるための流路が与えられる。1つのデザインにおいては、反応器は、記載されているように内側の環状プレート及び外側の環状プロファイルワイヤースクリーンを含む中心管を含む。流体は、入口から中心管を通って流れ、プレート開口を通過し、スクリーンから排出されて触媒と接触する。
【0006】
[0007]最近において、プレート開口及び流路を通って流れる流体によってジェッティングが引き起こされる可能性があり、これはスクリーン及びスクリーンの反対側の上の固体材料と接触すると、スクリーン及び/又は固体材料の振動を引き起こし、プロファイルワイヤースクリーンの外表面の腐食又は浸食を加速させ、固体材料を損傷する可能性があることが明らかになった。これは、装置及び反応器内の触媒又は吸着剤の寿命を減少させ、反応器の維持コスト、及び反応器の内部部品を交換するために必要な停止時間を増加させる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US−2,046,458
【特許文献2】US−4,276,265
【特許文献3】US−6,224,838
【特許文献4】US−5,366,704
【発明の概要】
【0008】
[0008]これらの制限を克服する反応器のデザインによって、炭化水素の処理コストの相当な部分である補修のための停止時間及び触媒の損失を大きく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]図1は、反応器の構成を示す。
図2】[0010]図2は、種々の態様による、半径流反応器内において用いるためのスクリーンの透視図を示す。
図3】[0011]図3は、図2のスクリーンの側面断面図を示す。
図4】[0012]図4は、種々の態様による、半径流反応器内において用いるためのプレートを示す。
図5】[0013]図5は、種々の態様による、半径流反応器内において用いるための別のプレートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]半径流反応器は、しばしば圧力及び温度の点で厳しい化学環境及び激しい運転条件を生じさせ、これによってこれらのタイプの反応器におけるスクリーンに対する非常に大きな応力を生じさせる。熱サイクル及び触媒の重量によって、スクリーンの座屈が引き起こされる可能性がある。触媒を保持するためのより強いスクリーン又は器具が必要である。
【0011】
[0015]半径流反応器及び交差流システムは、一般に反応器内において用いる触媒を収容するスクリーンが必要である。本記載は反応器システムに関して与えるが、本明細書に記載する装置及びプロセスは、吸着装置又は流体を固体と接触させるのに用いる他の装置に適用することができる。
【0012】
[0016]例えばプロパンのプロピレンへの、又はイソブタンのイソブチレンへの脱水素のようなオレフィン製造においては、現在、1以上の吸着剤床をチャンバー内に支持するか、又は個々の吸着剤床を分離するために触媒チャンバー内部グリッドが用いられている。現在用いられているグリッドは、通常はプロファイルワイヤー構造を用いて製造されている。
【0013】
[0017]図1を参照すると、その間に固体材料の環状の床を支持するための内部及び外部環状隔壁を含む、一形態による半径流反応器10が示されている。反応器10は、反応器シェル20、中心管30の形態の1つの隔壁、スクリーンが張られた隔壁40の形態の外側隔壁、及び固体粒子又は触媒の床50を含む。反応器10は、一形態によれば、流体が反応器の底部の入口32を通して反応器10に導入され、矢印11によって示される方法で中心管30を通して上向きに移動するように構成されている。流体が上向きに流れるにつれて、流体の一部は中心管を通って半径方向に向かって触媒床50中に流入し、そこで流体は触媒と接触し反応して生成物流を形成する。生成物流は、外側のスクリーンが張られた隔壁40を通って、スクリーンが張られた隔壁40と反応器シェル20の間の環状の空間14中に外に向かって半径方向に流れる。生成物流は環状の空間14内に回収され、反応器出口12を通って送られる。図2に示す他の形態によれば、反応器は、反対の流れのパターンを有して、流体が入口13を通して導入され、反応器シェル20と外側のスクリーンが張られた隔壁40の間の環状の空間14に導入され、触媒床50を通って内側に向かって半径方向に流れて、そこで触媒と接触し反応して生成物流を形成するように構成することができる。生成物流は、中心管30を通して内側に向かって半径方向に流れて、中心管内に回収され、出口32を通して排出される。反応器10及び流れの他の構成も可能であり、本発明において意図される。
【0014】
[0018]現在実施されているように、反応器が図1に示すもののように半径方向の外側への流れの構成を含む場合には、中心管30は、外側の触媒側プロファイルワイヤースクリーン、及び内側の流体側有孔プレートを含む。また、外側の隔壁に、内側の触媒側プロファイルワイヤースクリーン、及び/又は外側の流体側有孔プレートを含ませることもできる。或いは、反応器が図2の半径方向の内側に向かう流れの構成を含む場合には、外側の隔壁40は、内側の触媒側プロファイルワイヤースクリーン、及び外側の流体側有孔プレートを含む。また、中心管30に、外側の触媒側プロファイルワイヤースクリーン、及び/又は内側の流体側有孔プレートを含ませることもできる。これらの構成の両方において、プロファイルワイヤースクリーンは、それに対する流体のジェッティング、並びにプロファイルワイヤースクリーン及び触媒の一方又は両方の他に対する振動などの応力及び腐食環境に曝されて、プロファイルワイヤースクリーンの腐食及び浸食、並びに触媒への損傷を引き起こす可能性がある。
【0015】
[0019]隔壁30及び40は、固体粒子の重量の圧力に対して触媒を保持するための構造強度を与えながら、固体触媒粒子の通過を阻止し、流体の通過を可能にする役割を果たさなければならない。
【0016】
[0020]一形態にしたがい、反応器10内に固体材料を保持するための装置を図3〜4に示す。装置100は、流体側隔壁102及び触媒側隔壁105を含む。本明細書において用いる「流体側」とは、反応器内の流体により近く、例えば中心管30又は環状空間14内を通って流れる流体により近い側又は部分を指し、一方、「触媒側」とは、反応器内の触媒床50又は他の固体材料の床により近い側又は部分を指す。本明細書に記載するように、装置は、中心管30及び/又は外側隔壁40の一部を含むか、又はこれらを形成していてよい。説明を容易にするために、下記においては図1の外側に向かう半径流の構成の反応器内で中心管30の一部として用いる装置に関して記載するが、これらの原理及びこの説明は上記で議論した他の反応器デザインに適用することができることを理解すべきである。円筒形の構造を有するものとして反応器及び部品を説明することは、円筒形の構造を含めるが、組み立てた際に複数の側面を有する構造、例えば八角形又は十二角形の断面形状、或いは多角形の形状の断面を有するものを形成する個々の平面状部品から構成されるが、実質的に円筒形構造として取り扱うことができる構造も含めることを意図している。
【0017】
[0021]一形態によれば、流体側隔壁102は、それを貫通する開口106を有するプレート104を含む。反応器10内に設置した際には、プレートは、反応器10の中心軸17の周りの環状形態を有し、例えば単一の中空で円筒形のプレート又は管、或いは軸17の周りに円周状に並んで配置されている複数の平坦又は弓形のプレートなどの異なる形態で形成することができる。プレートはまた、プレート104の厚さを貫通して伸びる開口106も含む。開口106は、円形、又は種々の多角形形状若しくはプレートの周囲に伸びるスロットなどの他の形状であってよい。図3に示されるように、プレートは、プレート104を貫通して穿孔又は開孔されていてよい円形の開口106を含む。
【0018】
[0022]一形態によれば、触媒側隔壁105はプロファイルワイヤースクリーン108を含む。US−2,046,458及びUS−4,276,265(参照として本明細書中に包含する)においては、プロファイルワイヤースクリーンの代表的な構造及び形成方法が開示されている。プロファイルワイヤースクリーン108は、複数の概して垂直に配向されていて水平方向において離隔されているプロファイルワイヤー110、及びプロファイルワイヤー110を横切って伸びる複数の概して水平に配向され垂直方向において離隔されている支持部材112を含む。支持部材112はプロファイルワイヤー110から概して直交して伸びており、その1つの端部114においてそれに接続されている。本明細書においては説明を容易にするために、図3において示すように隔壁102及び104を独立した形態で説明するために水平及び垂直のような用語を用いていることを理解すべきである。しかしながら、隔壁を反応器10内において用いるために組み立てるか、又は環状反応器10内に配置する場合には、水平は円周方向又は半径方向を指し、一方、垂直は軸方向を指す可能性があることを理解すべきである。例えば、反応器内に設置した際は、プロファイルワイヤー110は、反応器10の中心軸17の周りに概して軸方向に配向し且つ円周方向において離隔させる。同様に、直交して伸びる支持部材112は、反応器の形態によって、半径方向で内側又は外側に向かって伸ばすことができる。
【0019】
[0023]一形態によれば、支持部材112は支持ロッド114を含む。支持ロッド114は、プロファイルワイヤー110とプレート104の間の対向する端部115及び116に接続することができる。プロファイルワイヤー110及び支持ロッド114は、それらが交差する位置において、プロファイルワイヤースクリーン108を貫通する開口又はスロット124を形成する。一形態によれば、隣接する支持部材の端部116は、プレート104の開口106の上下に垂直に整列される。このように、下側の支持部材の上表面118と、隣接する上側の支持部材の下表面120によって、プレート開口106及びスロット124と流体連絡している流路122が形成される。このように、複数の流体流路122が装置100に沿って垂直に形成されて、装置又は隔壁100、例えば中心管30を通って流体が流れるための流体流路が画定される。
【0020】
[0024]一形態によれば、邪魔板126が流体流路中に伸びていて、それを通る流体の流れの少なくとも一部を遮断又は妨げる。一例においては、邪魔板126は、反応器10の入口32から遠位位置の流体流路又はチャネル12の上部部分128又は下部部分130の1つの中に伸びている。即ち、例えば入口32が図1に示されているように反応器の底部部分にある場合には、邪魔板は開口106又はチャネル12の上部部分中に伸びている。他の例においては、邪魔板126は、そこから流体が流れる方向から遠位位置の流体流路又はチャネルの上部部分128又は下部部分130の1つの中に伸びている。即ち、図3に関しては、流体がプレート104に沿って垂直方向に上向きに流れる場合には、邪魔板126は、図3に示すように、流体流路又はチャネル122の上部部分128の中に伸びていてチャネル122及び/又は開口106の上部部分を遮断する。他方において、流体がプレート104に沿って垂直方向に下向きに流れる場合には、邪魔板126は、流体流路又はチャネル122の下部部分130の中に伸びていて、チャネル122及び/又は開口106の下部部分130を遮断する。驚くべきことに、このように邪魔板を流路内に配置することによって、流体のジェッティングを減少させることができ、チャネル122の内部でプロファイルワイヤー108に沿ったより均一な流速プロファイルを達成して、プロファイルワイヤースクリーン108及び/又は触媒の振動並びに浸食及び腐食を引き起こす局在化ピーク速度を減少させることができる。
【0021】
[0025]この記載が開口又はチャネルの上部又は下部部分を遮断する邪魔板を説明している場合には、これは、単独又は支持ロッド114のような他の部品と組み合わせて開口を遮断する邪魔板を包含する。例えば、図4に示すように、支持ロッド114及び邪魔板126は、いずれも開口106を部分的に遮断する。
【0022】
[0026]一例によれば、邪魔板は流路中に伸びて、開口106及び/又はチャネル122の上部の5〜70%の間を遮断する。他の例によれば、邪魔板126は流路中に伸びて、開口106及び/又はチャネル122の上部の10〜50%の間を遮断する。更に他の例によれば、邪魔板126は流路中に伸びて、開口106及び/又はチャネル122の上部の20〜30%の間を遮断する。これらの例において、邪魔板は、一例においては開口の幅の75〜100%の間、他の例においては開口の幅の85〜100%の間を遮断していてよい。
【0023】
[0027]一例によれば、開口は10〜25mmの間の開口高さを有する。他の例においては、開口は11〜21mmの間の開口高さを有する。更に他の例においては、開口は11〜13mmの間の高さを有する。一例においては、邪魔板は、開口高さの上部又は下部の2〜10mmの間を遮断する。他の例においては、邪魔板は、開口高さの上部又は下部の3〜7mmを遮断する。一例においては、支持ロッド114は2〜10mmの厚さを有し、邪魔板は、支持ロッドから垂直方向に、1〜5mmの間、他の例においては2〜4mmの間伸びている。
【0024】
[0028]一形態によれば、図3及び4に示すように、邪魔板126は支持部材に接続されていて、それから垂直方向に、流体流路122の上部及び下部部分の1つの中に伸びている。示されている例においては、邪魔板126は、一般にプレート106に隣接する支持ロッド112の端部116から下向きに伸びている。他の例においては、邪魔板は、開口106それ自体の中に伸びていてよい。更に他の例においては、邪魔板は、支持部材114から、プレート104から離れた距離において且つプレート104とプロファイルワイヤー110の間に下向きに伸びている。一例によれば、邪魔板126の正面130は、プレート104に隣接する位置と、プレート104とプロファイルワイヤー110の間の距離の50%との間に配置される。他の例においては、邪魔板126の正面130は、プレート104に隣接する位置と、プレートとプロファイルワイヤー110の間の距離の30%との間に配置される。一例においては、邪魔板126の正面130は、プレートの流体側の面132とプロファイルワイヤー110の間の距離の10〜50%の間に配置される。他の例においては、邪魔板の正面130は、プレートの流体側の面132とプロファイルワイヤー110の間の距離の20〜35%の間、他の例においては25〜30%の間に配置される。他の例においては、開口高さに対する邪魔板の離隔距離(プレートの流体側の面132と、邪魔板の正面130の間の距離)の比は、0.5〜1.5の間、他の例においては0.75〜1の間である。驚くべきことに、邪魔板の正面130をプレートの流体側の面132から離隔させることによって、邪魔板をプレートの正面と整列させるか又はそれに非常に近接させるか、或いは単純にプレート中の開口106の寸法を減少させた場合に対して、流動特性が向上し、局在化ピーク速度が減少し、腐食及び浸食が減少することが見出された。
【0025】
[0029]一形態によれば、邪魔板は支持ロッド112に接続され、それから伸びている。邪魔板126は、支持ロッド112から概して直交方向に伸ばすことができる。一形態によれば、図3〜4に示すように、支持ロッド112はL字形の断面を有し、支持ロッド112の1つの脚部はプロファイルワイヤースクリーンから概して直交方向に伸びていて、支持ロッドの主要部分134、及び支持ロッド114から下向きに伸びる邪魔板126を与える支持ロッドの他の脚部を形成する。このように、邪魔板126は概してプレート104に隣接させることができる。他の形態によれば、図5に示すように、支持ロッド112は、プロファイルワイヤー110に接続されてそれから直交方向に伸びている主要部分150、及び主要部分150から伸びていて概してプロファイルワイヤー110に平行で邪魔板126を与える邪魔板部分152を有するT字形断面を有していてよい。このように、邪魔板126はプレート104から離隔させることができる。上記で議論した形態のいずれによっても、支持ロッド114は、ロッドを溶接又は屈曲させてそのL字形又はT字形を形成するなどの任意の公知の方法で形成することができる。
【0026】
[0030]他の形態によれば、図6に示すように、邪魔板200はプレート202それ自体と一体である。邪魔板200は、支持ロッド114から伸びる他の邪魔板の代わりか又はそれに加えて与えることができる。このように、邪魔板200は部分的に開口204の中に伸びている。この形態によれば、プレートは、プレートの流体側の面からプレート202の厚さの一部を貫通して伸びる第1の部分開口206を含む。プレートは、プレートの厚さの他の部分を貫通してプレートの反対側の面に伸びる第2の部分開口208を含む。第1及び第2の開口は交差して、プレート202の全厚を貫通して伸びる開口204を形成している。第2の部分開口208の上表面又は端部210は、第1の部分開口206の上表面又は端部212の下側に垂直方向に離隔している。このように、第2開口の端部210の上方のプレート材料の部分によって、それを通る流体の流れの少なくとも一部を遮断又は妨げるための邪魔板200が与えられる。他の形態によれば、プレート202に、積層などによって一緒に結合している2つの部分プレートを含ませることができる。部分開口206及び208は部分プレートを貫通する開口であってよく、プレートは、第2の部分プレートの第2の部分開口の上部の端部210が、第1の部分プレートの上部の端部212の第1の部分開口206の下方になるようにプレートを整列させることによって形成することができる。このように、邪魔板200は、第2の部分開口の上部の端部210の上方の第2の部分プレートの材料を含む。開口204又は流路122の下部部分を遮断することが望ましい場合には、邪魔板200を開口204の底部部分に配する反対の構成も本発明において意図されることを理解すべきである。
【0027】
[0031]一形態によれば、反応器内に固体粒子を保持するための装置を形成する方法が提供される。この方法は、その1つの端部においてプロファイルワイヤーに接続されている複数の概して平行の細長い支持ロッドによって支持されている複数の概して平行に離隔されているワイヤーを有するプロファイルワイヤースクリーンを与えることを含む。支持ロッドは、プロファイルワイヤーから概して直交方向に伸ばして、プロファイルワイヤー及び支持ロッドが交差する位置に開口を画定することができる。この方法は、支持ロッドに接続されていてそれから伸びる邪魔板を形成することを更に含む。この方法はまた、複数の開口を有するプレートを与えることも含む。開口は、例えばプレートを穿孔、切削、又は開口することによって形成することができる。
【0028】
[0032]一形態による方法は、支持ロッドを、プロファイルワイヤーとプレートとの間に伸ばし、プレートは支持ワイヤーに対して概して平行であり、隣接する支持ロッドによってプレート開口及びプロファイルワイヤースクリーン開口と流体連絡している流路が画定されるように配列することを含む。このように、上部支持ロッドによって流路の上表面が画定され、隣接する下部支持ロッドによって流路の下表面が画定される。この方法は、流路の上部部分及び下部部分の一方を遮断して、それを通って流れる流体が邪魔板部分によって少なくとも部分的に妨げられるように邪魔板の少なくとも一部を配置することを更に含む。この方法はまた、プロファイルワイヤーとプレートとの間に支持ロッドを接続して隔壁又は装置を形成することも含む。一形態によれば、邪魔板を形成することは、支持ロッドの端部を下向きに屈曲させて、支持ロッドの概してL字形の断面を形成し、邪魔板にL字形の断面の1つの脚部を含ませることを含む。他方において、溶接又は他の手段によって邪魔板を支持ロッドに取り付けることなど(しかしながらこれに限定されない)の他の方法を用いて支持ロッドから伸びる邪魔板を形成することができ、邪魔板によって支持ロッドの中間端部を形成して、概してT字形の断面を有する支持ロッドを与えることができる。
【0029】
[0033]一形態によれば、邪魔板は、支持ロッドから下向きに伸びるように形成して、それに接続した際にプレート開口の上部部分を遮断するように整列させることができる。
[0034]他の形態によれば、本明細書に概して記載する装置又は隔壁を形成する方法は、仮想の多角形の頂点が画定されるように、互いに対して概して平行なT字形及びL字形の断面の1つを有する複数の細長い支持ロッドを配列することを含む。この方法には、支持ロッドを整列させて、その一部又は脚部が形成されるプロファイルワイヤースクリーンの円筒に対して概して半径方向に内側に向かって伸びて、L字形支持ロッドの他の脚部又はT字形支持ロッドの底部が円筒に対して概して正接方向に伸びるようにすることを含ませることができる。この方法は、プロファイルワイヤーを、支持ロッドの端部に沿ってその長さ方向に下がりながら支持ロッドの周りに螺旋状に巻き付けることを含む。それぞれのコイルは隣接するコイルと離隔させ、支持ロッドに結合させる。このようにして、概して円筒形のプロファイルワイヤースクリーンを形成する。この方法は、プロファイルワイヤーを2つの支持ロッドの間でそれに対して概して平行に切断して、プロファイルワイヤースクリーンを開口させることを更に含む。プロファイルワイヤースクリーンは平坦にして、プロファイルワイヤーが概して垂直方向に伸びて、L字形支持ロッドの他の脚部又はT字形支持ロッドの底部がプロファイルワイヤーに対して概して平行に伸びて邪魔板を形成するように配置することができる。
【0030】
[0035]この形態によれば、本方法には、それを貫通して伸びる複数の開口を有する上記に記載のプレートを提供することを含ませることもできる。本方法はまた、邪魔板が支持ロッドから垂直に離隔して開口の上部部分又は下部部分を部分的にブロックするように、プロファイルワイヤースクリーン及びプレートを配列することも含む。次に、形成された隔壁を概して円筒形状に成形して、反応器内に配置させることができる。例えば、複数のかかる隔壁を成形して弓形配列で並べて配置することができ、或いは1以上の隔壁を湾曲させて概して円筒形の隔壁を形成することができる。
【0031】
[0036]更に他の形態によれば、半径流反応器内に固体を保持するための隔壁を形成する方法は、一定の厚さを有するプレートを与え、プレートの一方の側面上にプレート厚さの第1の部分を貫通して部分開口を形成することを含む。形成される第1の開口は、第1の垂直の高さに上部の端部又は表面を含む。本方法は、プレート厚さの第2の部分を貫通してプレートの反対側上に第1の上表面の下方の第2の上表面を有する第2の部分開口を形成して、第1及び第2の開口を交差させて、それを通して流体が流れることができる完全な開口を形成することを含む。第2の上表面の上方のプレートの部分は、第1の開口の上部部分を遮断する邪魔板を形成する。しかしながら、或いは上記の方法は、容易に理解することができるように、第1の開口の下部部分に邪魔板が形成されるように行うことができる。一形態によれば、本方法は、その厚さの第1の部分を通してプレートの一方の側面からプレート材料を除去し、厚さの第2の部分を通してプレートの他の側面からプレート材料を除去することによって第1及び第2の部分開口を形成することを含む。他の形態においては、第2の開口は、第1の開口を通して材料を除去することによって、プレート材料の第2の部分を貫通するより小さい開口を形成することによって形成される。更に他の形態によれば、第1及び第2の部分開口を複数の部分プレート内に形成することができ、部分プレートを整列させて、例えば部分プレートを一緒に積層することによって邪魔板を形成して一緒に接合させることができる。
【0032】
[0037]本記載は特定の態様に関して与えたが、この記載は開示されている態様を限定しないが、特許請求の範囲内に含まれる種々の修正及び等価の配列をカバーすると意図されると理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6