【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明により、この目的は、それ自体が2つの側壁によって2つのビーズに接続されたトレッドにより半径方向に覆われたクラウン補強体を含むラジアルカーカス補強体を有するタイヤを使用して達成され、このトレッドは、半径方向に重ね合わせられ、かつ軸線方向外側部分でよりも中心部分により低い空隙率を有する配合エラストマー化合物の少なくとも2つの層を含み、トレッドの配合エラストマー化合物の第1の層は、少なくとも赤道面の領域の中に延びる部分を形成する第1の充填配合エラストマー化合物及び第2の配合エラストマー化合物で形成された少なくとも2つの軸線方向外側部分で構成され、第1の充填配合エラストマー化合物は、55よりも高いマクロ分散Z値及び0.120よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値を有し、第2の配合エラストマー化合物は、50よりも高いマクロ分散Z値及び0.100よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値を有し、第2の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%は、第1の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%のものよりも少なくとも5%高い値を有する。
【0024】
充填配合エラストマー化合物に対する55よりも高いマクロ分散Z値は、充填剤が、55又はそれよりも高い分散Z値を有する組成物のエラストマー母材に分散されることを意味する。
【0025】
本発明の説明において、エラストマー母材内の充填剤の分散は、ISO基準11345と一致するKautschuk Gummi Kunststoffe,58 JahrgangのS.Otto他著「NR 7−8/2005」によって説明される方法を使用して架橋後に測定されるZ値によって特徴付けられる。
【0026】
Z値計算は、次式:
Z=100−(非分散%面積)/0.35
を使用して会社Dyniscoによるその作動手順及び「disperDATA」利用ソフトウエアと共に供給されている「disperGRADER+」によって測定された時に充填剤が分散していない表面積のパーセント(「非分散%面積」)に基づいている。
【0027】
非分散パーセント面積は、それ自体、30°の角度で入射する光の下で試料の表面を調べるカメラを使用して測定される。明色点は、充填剤及び凝固に関連付けられるが、暗点は、ゴム母材に関連付けられ、デジタル処理作動は、画像を白黒画像に変換し、かつ上述の文献にS.Ottoによって説明された方法で非分散面積のパーセントを決定することを可能にする。
【0028】
Z値を高くするほどゴム母材内の充填剤の分散を良好にする(100のZ値は、完全分散に対応し、0のZ値は、並の分散に対応する)。50又はそれよりも高いZ値は、エラストマー母材内の充填剤の満足できる分散に対応すると考えられる。特に、カーボンブラック及び白色充填剤のカットで構成された補強充填剤の場合に、50又はそれよりも高いZ値は、エラストマー母材内の充填剤の良好な分散に対応する。
【0029】
トレッドを構成する配合エラストマー化合物は、公知の方法を使用して調製される。
【0030】
50よりも高いマクロ分散Z値を達成するために、半径方向外側部分を構成する配合エラストマー化合物は、ジエンエラストマーと補強充填剤とのマスターバッチを形成することによって有利に調製することができる。
【0031】
本発明の意味の範囲内で「マスターバッチ」(この英語用語が一般的に使用される)は、充填剤を導入したエラストマーベースの組成物を意味する。
【0032】
ジエンエラストマーと補強充填剤とのマスターバッチを得る様々な方法がある。特に、エラストマー母材内の充填剤の分散を改善するために、1つのタイプの溶液が、「液体」相においてエラストマー及び充填剤を混合することになる。そうするために、水中に分散されたエラストマーの粒子の形態を取るラテックスの形態のエラストマーと、充填剤の水性分散材、つまり水中に分散されて一般的に「スラリ」と呼ばれる充填剤とが使用される。
【0033】
すなわち、本発明の代替形態の1つにより、マスターバッチは、天然ゴムを含有するジエンエラーラテックスとカーボンブラックを含有する充填剤の水性分散材との液相混合によって得られる。
【0034】
更により好ましくは、本発明によるマスターバッチは、エラストマー母材内の充填剤の非常に良好な分散を得ることを可能にする以下の処理段階:
−混合ゾーンと出口の間を延びる細長い凝固ゾーンを定める凝固リアクタの混合ゾーンにジエンエラストマーラテックスの連続的な第1の流れを供給する段階、
−エラストマーラテックスを出口の前で充填剤によって凝固させるほど十分に活発に混合ゾーン内で第1の流体及び第2の流体を混合することによってエラストマーラテックスとの混合物を形成するために、圧力下で凝固リアクタのこの混合ゾーンに充填剤を含有する流体の第2の連続的な流れを供給する段階であって、この混合物が、出口ゾーンに向けて連続的な流れとして流れ、この充填剤が、エラストマーラテックスを凝固させることができる上記供給する段階、
−連続的な流れの形態で既に得られている凝塊をリアクタの出口で収集し、マスターバッチを回収するためにそれを乾燥させる段階、
を使用して得られる。
【0035】
液相でマスターバッチを調製するそのような方法は、例えば、国際公開第97/36724号に説明されている。
【0036】
損失係数tan(δ)は、配合ゴム化合物の層の動的特性である。それは、基準「ASTM D 5992−96」に従って粘性解析装置(Metravib VA4000)を使用して測定される。10Hzの周波数及び100℃の温度で単純交替正弦剪断応力を受ける加硫組成物のサンプル(円筒形試験試料、4mm厚及び400mm
2断面)の反応が記録される。変形の振幅は、0.1から50%(アウトバウンドサイクルにおける)及び次に50%から1%(リターンサイクルにおける)に及ぶ。求められた結果は、複合動的剪断率(G
*)及び損失係数tan(δ)である。リターンサイクルにおいて、tan(δ)
maxで表示するtan(δ)の最大観察値が示されている。
【0037】
転がり抵抗は、タイヤが転がる時に生じる抵抗であり、かつこのタイヤの上昇温度を示すものである。それは、すなわち、1回転にわたるタイヤの変形に関連付けられたヒステリシス損によって表される。使用する材料に対するtan(δ)値は、タイヤの回転が引き起こす変形の様々な周波数の影響を組み込むために30と100℃の間で10Hzで測定される。100℃でのtan(δ)の値は、すなわち、走行中のタイヤの転がり抵抗の指示に対応する。
【0038】
まだ全く走行していない新しいタイヤに対して様々な測定値が取られる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態により、トレッドの中心部分の空隙率は、2と15%の間、好ましくは、10%未満である。
【0040】
同じく好ましくは、トレッドの軸線方向外側部分の空隙率は、20と40%の間及び好ましくは30%未満である。
【0041】
本発明者は、最低空隙率を有する領域と少なくとも部分的に一致するトレッドの第1の層の中心部分のための材料として55よりも高いマクロ分散Z値を有する第1の充填配合エラストマー化合物と、最高空隙率の領域と少なくとも部分的に一致するトレッドの軸線方向外側部分のための材料として50よりも高いマクロ分散Z値、0.100よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値、及び第1の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%のものよりも少なくとも5%高い値を有する第2の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%を有する第2の配合エラストマー化合物との組合せは、摩耗耐性、攻撃耐性、及び耐久性の間の妥協を導くことを明らかにすることができた。
【0042】
具体的には、上述したように、トレッドの中間の空隙率は、軸線方向外側部分と比較して低い。トレッドの中心部分における空隙率のこの減少は、クラウン補強体を攻撃から保護することを可能にし、取りわけ、石をトレッドのこの中心部分から取り除くことは難しい仕事である。
【0043】
次に、トレッドの中心部分のための材料として55よりも高いマクロ分散Z値を有する第1の充填配合エラストマー化合物を選択することは、そのようなタイヤの使用の観点から特に有利である摩耗特性を導き、本発明者は、トルクを伝達する時に最も重い負荷の部分であるトレッドの中心部分で最も顕著な摩耗が起こることを明らかにすることができている。
【0044】
トレッドの軸線方向外側部分のための材料として第1の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%のものよりも少なくとも5%高い値の100℃での複合動的剪断率G
*1%を有する第2の配合エラストマー化合物を選択することも、最高空隙率を有するトレッドの取りわけこれらの部分における攻撃に対するタイヤのより良好な抵抗に寄与する。ここで言えるのは、第2の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%の値が、トレッドパターンに嵌り込んだ石の結果として生じる場合がある割れを制限することを可能にするように見えるということである。第2の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%のそのような特性は、実際に、攻撃に対する抵抗を助ける凝集性をそれに与えている。更に、50よりも高いマクロ分散Z値を有するこの第2の配合エラストマー化合物は、第1の配合エラストマー化合物のものよりも劣る摩耗特性を有するが、取りわけタイヤのトレッドの軸線方向外側部分に課せられる要望に関して依然として満足できるものである。
【0045】
最後に、0.120よりも低いtan(δ)max値も有するトレッドの中心部分のための材料として55よりも高いマクロ分散Z値を有する第1の充填配合エラストマー化合物を選択すること、及び50よりも高いマクロ分散Z値及び0.100よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値を有する第2の配合エラストマー化合物を選択することは、タイヤのより低い加熱及び従ってより良好なタイヤ耐久性を助けるヒステリシス特性を導く。
【0046】
本発明によって有利なことに、少なくとも配合エラストマー化合物の第1の層の赤道面の領域の中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%は、1.4よりも高く、好ましくは、2又はそれよりも低い。
【0047】
本発明によって同じく有利なことに、配合エラストマー化合物の第1の層の上述の少なくとも2つの軸線方向外側部分を形成する第2の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%は、1.6よりも高く、好ましくは、2.4又はそれよりも低い。
【0048】
本発明によって同じく有利なことに、第1及び第2の配合エラストマー化合物の比率MSA300/MSA100は、1.30よりも高い。そのような値は、タイヤの摩耗特性に対して好ましい。
【0049】
引張試験は、破断での弾性応力及び弾性特性を決定することを可能にする。それは、1988年9月のフランス基準「NF T 46−002」に従って実施される。引張試験の結果の処理は、弾性係数の曲線を伸長の関数としてプロットすることを可能にする。本明細書に使用する弾性係数は、試験試料の初期断面に対して計算した第1の伸長で測定した公称(又は見掛けの)割線係数である。公称割線係数(又は見掛けの応力、MPaでの)は、100%及び300%伸長で第1の伸長において測定され、かつそれぞれMSA100及びMSA300と呼ばれる。破断での応力(MPaでの)及び破断での伸長(%での)は、基準「NF T 46−002」に従って23℃±2℃で及び100℃±2℃で測定される。
【0050】
本発明の好ましい実施形態により、少なくとも配合エラストマー化合物の第1の層の赤道面の領域の中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマー化合物は、補強充填剤として、10と70phrの間の割合で使用する100m
2/gよりも高いBET比表面積を有する少なくともカーボンブラックを含有する。
【0051】
同じく好ましくは、少なくとも配合エラストマー化合物の第1の層の赤道面の領域の中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマー化合物の補強充填剤は、上述したようなカーボンブラックのカット及び白色充填剤のカットを補強充填剤として含有し、充填剤の全体レベルは、10と90phrの間であり、白色充填剤に対するカーボンブラックの比率は、2.7よりも高い。
【0052】
上述したような充填剤の選択は、配合エラストマー化合物の第1の層の第1の配合エラストマー化合物の耐摩耗特性を更に改善することを可能にする。
【0053】
本発明の1つの好ましい実施形態により、配合エラストマー化合物の第1の層の軸線方向外側部分を形成する第2の配合エラストマー化合物は、補強充填剤として、10と70phrの間の割合で使用される100m
2/gよりも高いBET比表面積を有する少なくともカーボンブラックを含む。
【0054】
同じく好ましくは、配合エラストマー化合物の第1の層の軸線方向外側部分を形成する第2の配合エラストマー化合物の補強充填剤は、補強充填剤として、上述のカーボンブラックのカット及び白色充填剤のカットを含有し、充填剤の全体レベルは、10と90phrの間であり、白色充填剤に対するカーボンブラックの比率は、2.7よりも高い。
【0055】
上述したような充填剤の選択は、更に、配合エラストマー化合物の第1の層の第2の配合エラストマー化合物の耐摩耗特性を改善することを可能にする。
【0056】
本発明の第1の実施形態により、配合エラストマー化合物の少なくとも2つの半径方向に重ね合わせた層、すなわち、上述したようなかつ少なくとも赤道面の領域の中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマー化合物を含む第1の層と、第2の配合エラストマー化合物で形成された少なくとも2つの軸線方向外側部分とを含む本発明によるタイヤは、地面と接触するように意図するトレッドの半径方向外側層を形成する。
【0057】
この第1の実施形態により、この第1の層の半径方向内側にありかつそれに接触する配合エラストマー化合物の第2の層は、50よりも高いマクロ分散Z値、0.100よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値、及び配合エラストマー化合物のこの第1の層の第1の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%のものよりも少なくとも5%高い値を有する100℃での複合動的剪断率G
*1%有する配合エラストマー化合物で有利に構成される。
【0058】
同じく有利には、この第1の層の半径方向内側にありかつそれに接触する配合エラストマー化合物の第2の層は、配合エラストマー化合物のこの第1の層の軸線方向外側部分を形成する第2の配合エラストマー化合物と同一の配合エラストマー化合物で構成される。
【0059】
第1の層の半径方向内側のかつ取りわけその中心部分の第2の配合エラストマー化合物の存在は、第1の層のこの中心部分のトレッドパターンの底部に現れる場合がある割れの広がりを制限し、従って、攻撃に対するトレッドのより良好な抵抗を助けることを可能にすることができる。本発明者は、配合エラストマー化合物の第2の層の特性及び取りわけ100℃でのその複合動的剪断率G
*1%が、配合エラストマー化合物の第1の層及び取りわけその中心部分に始まった割れの広がりを制限することを可能にすることを実際に明らかにすることができている。実際に、配合エラストマー化合物の第2の層の性質は、層の間の界面での割れの広がりに対抗するように見えるであろう。
【0060】
本発明の第2の実施形態により、配合エラストマー化合物の少なくとも2つの半径方向に重ね合わせた層、すなわち、上述したようなかつ少なくとも赤道面の領域の中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマー化合物を含む第1の層と、第2の配合エラストマー化合物で形成された少なくとも2つの軸線方向外側部分とを含む本発明によるタイヤは、トレッドの半径方向内側層を形成する。トレッドのそのような層は、このトレッドが与えられた量だけ磨滅して1つ又は複数の半径方向最も外側の層を消滅させた後のみに地面と接触するように意図している。
【0061】
この第2の実施形態により、好ましくはこの第1の層に接触する配合エラストマー化合物の半径方向外側の第2の層は、55よりも高いマクロ分散Z値及び0.120よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値を有する配合エラストマー化合物で有利に構成される。
【0062】
同じく有利には、この第1の層に接触する配合エラストマー化合物の半径方向外側の第2の層は、配合エラストマー化合物のこの第1の層の中心部分を形成する第1の配合エラストマー化合物と同一の配合エラストマー化合物で構成される。
【0063】
第1の層の半径方向外側の及び取りわけその軸線方向外側部分のこの第1の配合エラストマー化合物の存在は、トレッドの耐摩耗特性を改善することを可能にすることができる。本発明者は、コーナリングの下で、37インチよりも大きい軸線方向幅を有するダンプタイプの産業車両のタイヤの軸線方向外側部分が特に激しい応力負荷を受けることを明らかにすることができている。
【0064】
第1の実施形態の場合に上述したように、本発明者はまた、配合エラストマー化合物の第1の層の軸線方向外側部分の特性及び取りわけ100℃でのその複合動的剪断率G
*1%が、配合エラストマー化合物の第2の層に始まった割れの広がりを制限することを可能にすることを明らかにすることができている。実際に、配合エラストマー化合物の第1の層の軸線方向外側部分の性質は、層の間の界面での割れの広がりに対抗するように見えるであろう。更に、上述したように、半径方向外側層が摩耗した後に、第1の層の軸線方向外側部分が作られる第2の配合エラストマー化合物は、トレッドパターンに嵌り込んだ石の結果として起こる可能性がある割れの始まりを制限することを可能にする。
【0065】
タイヤの子午断面内で半径方向最も外側の作動層の端部で半径方向に測定した本発明のこの第2の実施形態による配合エラストマー化合物の第2の層の厚みは、タイヤの子午断面内で半径方向最も外側の作動層の端部で半径方向に測定した配合エラストマー化合物の第1の層の厚みの好ましくは10%よりも大きく、更により好ましくは50%よりも大きい。
【0066】
本発明のこの第2の実施形態により同じく好ましくは、トレッドは、50よりも高いマクロ分散Z値、0.100よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値、及び配合エラストマー化合物のこの第1の層の第1の配合エラストマー化合物の100℃での複合動的剪断率G
*1%のものよりも少なくとも5%高い値を有する100℃での複合動的剪断率G
*1%を有する配合エラストマー化合物で有利に構成されたこの第1の層の半径方向内側にありかつそれに接触する配合エラストマー化合物の第3の層を含む。
【0067】
同じく有利には、この第1の層の半径方向内側にありかつそれに接触する配合エラストマー化合物の第3の層は、配合エラストマー化合物のこの第1の層の軸線方向外側部分を形成する第2の配合エラストマー化合物と同一の配合エラストマー化合物で構成される。
【0068】
第1の実施形態におけるように、そのような半径方向内側層は、トレッドの第1の層の中心部分のトレッドパターンの底部における石の存在の結果として取りわけ現れる場合がある始まった割れの広がりを制限することを可能にする配合エラストマー化合物を有することを可能にする。
【0069】
トレッドの全体の厚みは、タイヤの要望及び使用に関連があるパラメータによって定められるので、トレッドを構成する様々な層の厚みは、上述したようにタイヤのサイズに伴って変化しなければならない。
【0070】
タイヤの子午断面内で半径方向最も外側の作動層の端部で半径方向に測定した本発明のこの第2の実施形態による配合エラストマー化合物の第3の層の厚みは、タイヤの子午断面内で半径方向最も外側の作動層の端部で半径方向に測定した配合エラストマー化合物の第1の層の厚みの好ましくは25%よりも大きく、更により好ましくは35%よりも大きい。
【0071】
上述の実施形態のいずれか1つによる本発明の1つの有利な代替形態も、トレッド内の半径方向最も内側の位置にあり、すなわち、0.80よりも低いtan(δ)maxと表示する最大tan(δ)値を有するタイヤのクラウン補強体に接触する配合エラストマー化合物の追加の層の存在に備えるものである。
【0072】
トレッドの内側に向けて半径方向に最も遠いこの追加の層の存在は、トレッド温度の上昇を更に低下させ、従って、タイヤの耐久性を助けることを可能にすることができる。
【0073】
トレッドの内側に向けて半径方向に最も遠いこの追加の層の存在は、タイヤの転がり抵抗を下げることを可能にするために、クラウン領域内のタイヤの作動温度を下げることも可能にすることができる。
【0074】
タイヤの子午断面内で半径方向最も外側である作動層の端部で半径方向に測定された配合エラストマー化合物のこの追加の層の厚みは、タイヤの子午断面内で半径方向最も外側である作動層の端部で半径方向に測定された完全トレッドの厚みの15%と25%の間であることが有利である。
【0075】
本発明により、上述の厚み測定値は、走行しておらず、従って、全くトレッド摩耗を示していない新しい状態のタイヤから取られる。
【0076】
本発明の更に別の詳細及び有利な特徴は、
図1及び
図2を参照して与えられる本発明の一部の実施形態の説明から以下で明らかになるであろう。