(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータ・ネットワークのコンピュータ・バックエンド機によって、異なる正確さレベルを有する複数のデータ・ソースから1つのデータ・ソースを選択する方法であって:
−前記コンピュータ・バックエンド機に統計指標の標的値を提供すること;
−前記複数のデータ・ソースから1つを選択するための少なくとも1つの判定規則を前記コンピュータ・バックエンド機に関連付けること;
−前記コンピュータ・バックエンド機に関連付けた観察器によって前記統計指標の現在値を観察すること;
−前記統計指標の前記観察した現在値が前記統計指標の前記標的値とは異なることを検出したときに、前記判定規則を動的に再計算すること
を含む方法。
前記統計指標の前記現在値と前記統計指標の前記標的値との間で検出された差異に応じて、最も高い正確さレベルを有する前記データ・ソースのための順位値を生成することを更に含み、
前記順位値は、あるデータ・ソースに対するアクセス試行率を定める値である、請求項1又は2に記載の方法。
前記検出した差異が前記統計指標の前記現在値の変化を示す場合、前記順位値を更新することを更に含む、請求項3に記載の方法であって、前記更新済み順位値は、前記以前の順位値及び前記順位値の履歴に応じて計算される、方法。
第1の判定規則及び第2の判定規則が設けられ、前記第1の判定規則は、前記複数のデータ・ソースのうち最も高い正確さレベルを有する第1のデータ・ソースに対するアクセス試行率を判定し、前記第2の判定規則は、前記第1のデータ・ソースにアクセスしない場合、前記複数のデータ・ソースのうち、より低い正確さレベルの第2のデータ・ソースに対するアクセス試行率を判定する、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の方法。
前記判定規則に基づく計算問合せを受信したときに、前記複数のデータ・ソースのうち1つへのアクセスを判定するように構成した判定処理を更に含む、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の方法。
前記複数のデータ・ソースは、動的利用可能性ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの間で選択される少なくとも1つのポーリング・ソースを含む、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法。
前記複数のデータ・ソースは、ポーリング・ソースのうち少なくとも2つ、即ち利用可能性状況ソース(AVS)及び利用可能性キャッシュ・ソースを含む、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、航空産業に適用する状況で示されるが、本発明は部屋、レンタカー、鉄道チケット等、全ての種類の観光・旅行製品に適用可能であるので、限定的な例を表すものではない。
【0019】
本発明を紹介する前に、以下の説明で使用するいくつかの用語を次のように定義する:
−利用可能性:利用可能性は、販売に利用可能な座席数である。利用可能性は、更なる予約を受け入れる又は拒否するために使用される。
−利用可能性情報ソース:利用可能性情報ソースは、旅行製品利用可能性に関係する情報が保存される全種類のデータ・リポジトリを含む。
−在庫ソース:最高の正確さを有する利用可能性情報ソース。というのは、在庫ソースは、在庫を構成する旅行製品に対し行われた予約の実際の状況を反映するためである。典型的な場合では、在庫は、旅行事業者側に拠点を置く。
−基礎利用可能性ソース:在庫ソースから得られる利用可能性情報ソース。基礎利用可能性ソースは、在庫ソースへの系統的アクセスを防止し、帯域幅の消費を節約するためにGDSシステム側で使用されることが多い。AVSとも呼ばれるそのようなデータ・ソース種は、在庫ソースから周期的に更新され、在庫ソースの簡略版である。データ品質に関して、高信頼レベル、適正信頼レベル又は低信頼レベルに従って格付けされるデータ・ソースをそれぞれ以下のように列挙する:在庫ソース、利用可能性キャッシュ・ソース及びAVS。
−利用可能性キャッシュ・ソース:通常、在庫ソースよりも信頼性は低いが、使用コストがより低い利用可能性情報ソース。そのようなキャッシュは、過去の利用可能性要求から得た結果を供給できる。第1のユーザ要求及び対応する返答は、第2のユーザの別の要求に応答して、このように再使用できる。場合によっては、キャッシュは、事前対応した要求に対する応答から最初に構築される、即ち、要求は、サーバ側で自動的に生成される。
−ポーリング:ユーザ要求に返答するため、在庫ソースに送信される問合せ。
−統計指標:第1の統計指標は、所与のデータ・ソースへのアクセス失敗数とアクセス試行数との間の比率を表すポーリング・エラー率とすることができ;第2の統計指標は、予約に転換する利用可能性要求の平均数を示すルック・トゥー・ブック数とすることができ;第3の統計指標は、書込み数とすることができる。
−順位値:0%から100%の間の数値。順位値は、在庫ソースへのアクセス試行率とすることができる。
−判定規則:判定規則は、要求入力パラメータ(発信者、起点及び目的地等・・・)並びに順位値等のシステム・パラメータに基づくことができる。こうした全てのパラメータの値に応じて、規則は、どのデータ・ソースに要求を誘導するかの判定を定義する。
−データ・ソース適合方法:統計指標の現在値と統計指標の標的値との間の差異を検出し、検出した差異に応じて順位値を計算することを含む。
−データ・ソース選択規則:少なくとも2つのデータ・ソースのうち1つのデータ・ソースを選択するためのものであり、判定規則の一部とすることができる。データ・ソース選択規則は、利用可能性要求の発信者等の利用可能性要求の少なくとも1つの特性の関数、又は市場等の利用可能性要求のパラメータ(パラメータは、旅程の起点及び/若しくは目的地、又は旅行産業における提供業者の航空会社コードであってもよい)、或いは要求によって示される時間枠とすることもできる。
【0020】
古典的には、判定規則及びデータ・ソース選択規則は、例えばそれらが手作業でのみ、又はある所定の時間間隔(24時間ごとに1回等)内でのみ変更可能であったため、静的であった。2つの利用可能データ・ソースのうち1つに要求を転送する判定基準を提供するそのような判定規則/データ・ソース選択規則の非常に単純な例は、次のように見ることができる:
−次の7日間以内の旅行出発時間を表示する(例えばオンラインの旅行会社又は航空会社のウェブサイト等のための)利用可能性要求は、70%のパーセンテージまで在庫ソースに誘導される。
−次の8日から30日間の旅行出発時間及び更なる将来の旅行出発時間を表示する利用可能性要求は、80のパーセンテージまでキャッシュ・ソースに誘導される。
−現在から31日以内の旅行出発時間及び更なる将来の旅行出発時間を表示する利用可能性要求は、キャッシュ・ソースに常に誘導される(即ち100%まで)。
−国内便を表示する利用可能性要求は、60%のパーセンテージまで在庫ソースに誘導され、残りの40%は、基礎在庫ソースに誘導される。
【0021】
特定のデータ・ソースに誘導される要求の割合を指定するだけで、残りの要求の更なる分配は指定しない規則が存在できることに留意されたい(最初の3つの例を参照)。他の規則は、どのデータ・ソースに残りの要求を誘導するものとするかも定義できる(最後の例を参照)。
【0022】
したがって、これらの古典的な判定規則/データ・ソース選択規則は、様々なデータ・ソースへの要求の確率的分配を定義できたが、これらにより得られる要求の転送は、以下に記載する機構では適用されない静的な性質のものである。
【0023】
図1及び
図2は、本発明の第1の実施形態の一例を示す。本実施形態では、在庫ソースのポーリング・エラー率を監視し、在庫ソースの使用の仕方に対する判定処理を駆動するために利用する。本発明の更なる実施形態は、
図3から
図6に示す。本実施形態は、互いに組み合わせることができる。
【0024】
図1は、本発明による利用可能性問合せシステム10の一例の構造ブロック図である。本実施形態では、ここでは利用可能性要求r1である計算問合せを受信した後、利用可能性問合せシステム10は、判定規則を計算するデータ・ソース適合方法を適用することによって、少なくとも2つのデータ・ソースから1つを動的に選択でき、選択したデータ・ソースから対応するデータを抽出できる。データ・ソース適合方法は、入力データとして在庫ソースのポーリング・エラー率を必要とする。ポーリング・エラー率は、所与のデータ・ソースへのアクセス失敗数とアクセス試行数との間の比率を表す。ポーリング・エラー率は、統計指標として使用される。
【0025】
利用可能性問合せシステム10は、コンピュータ・バックエンド機構11、判定制御器12、及び2つのデータ・ソース、即ち在庫ソース13a及び利用可能性キャッシュ・ソース13bのそれぞれを備える。そのようなデータ・ソースは、単に暗示的であり、本発明は、あらゆるデータ・ソースに適用する。本実施形態では、所与のデータ・ソースは、在庫ソース13aである。全てのデータ・ソースは、座席利用可能性に関するデータを(少なくとも一時的に)保存する保存空間を設けるために利用される。コンピュータ・バックエンド機構11は、1組の疎結合コンピュータからなるコンピュータ・クラスタによって、又は単一の計算デバイスのみによって実装できる。本実施形態では、コンピュータ・バックエンド機構11は、判定制御器12並びにデータ・ソース13a及び13bのそれぞれに結合される。
【0026】
コンピュータ・バックエンド機構11は、利用可能性要求r1の受信時に判定処理を実行するために利用される。コンピュータ・バックエンド機構11は、少なくとも1つのバックエンド計算ユニット21及び観察器22を備える。観察器22は、最新のポーリング・エラー率m1を周期的に生成し、これを判定制御器12に送信するために利用される。観察器22は、このようにして統計指標を監視する。ポーリング・エラー率m1は、在庫ソース13aからデータを抽出する際の失敗数と前記在庫ソースの13aへの全アクセス試行数との間の比率である。ポーリング・エラー率は、このようにして在庫ソース13aに実施されるアクセス効率を反映する。
【0027】
バックエンド計算ユニット21は、戦略調整器31及びメモリ・ユニット32を備える。メモリ・ユニット32は、戦略調整器31に結合される。メモリ・ユニット32は、少なくとも1つの判定規則を含む少なくとも1つのコンフィギュレーション・ファイルc1を保存するために利用される。戦略調整器31は、判定規則を実行するために利用される。
【0028】
判定規則12は、制御器モジュール26及び制御器メモリ・ユニット27を備える。メモリ・ユニット27に結合された制御器モジュール26は、0%から100%の間である順位値o2を生成するために利用される。1つの順位値、例えば順位値o2は、在庫ソース13aへのアクセス試行率として定義される。メモリ・ユニット27は、少なくとも1つの第2のコンフィギュレーション・ファイルc2、順位履歴ファイルOH1及び観察履歴ファイルOBH1を保存する。第2のコンフィギュレーション・ファイルc2は、最も高い許容可能な在庫アクセス失敗率であるポーリング・エラー閾値率gを含み、このポーリング・エラー閾値率gは、例えばシステム管理者によって事前定義される。本実施形態では、ポーリング・エラー閾値率gは、20%であるように設定される。更に、判定制御器12は、好ましくは5分未満の長さの一定間隔でポーリング・エラー率m1の更新値を観察器22から収集する。
【0029】
他の実施形態では、コンフィギュレーション・ファイルc1及びc2、順位履歴ファイルOH1及び観察履歴ファイルOBH1は、同じメモリ・ユニット内、又はメモリ・ユニット32又はメモリ・ユニット27以外の異なるメモリ・ユニット内に保存できることに留意されたい。また、判定制御器12及びコンピュータ・バックエンド機構11は、一部のハードウェア・リソース及び/又はソフトウェア・リソースを共用できる。
【0030】
コンピュータ・バックエンド機構11は、順位値o2に到達させる(しかし順位値o2は超えない)ために判定処理を実行し、ポーリング・エラー閾値率gを超えない在庫ソース13aのポーリング・エラー率を保持するために在庫ソース13a(主要データ・ソース)から利用可能性キャッシュ・ソース13bに切り替える。
【0031】
判定処理は、判定制御器12によって計算されるデータを必要とする。制御器モジュール26は、メモリ・ユニット27内に保存される観察器22、コンフィギュレーション・ファイルc2及び観察履歴ファイルOBH1によって提供される情報に従って順位値o2を決定する。データ・ソース適合方法についての詳細な説明は、以下の段落に含まれる。
【0032】
判定制御器12は、在庫ソース13aに関連する更新順位値o2を計算するために利用される。判定制御器12は、観察器22によって提供された更新済みポーリング・エラー率m1及び観察履歴ファイルOBH1内に保存した以前の順位値o1を周期的に取得する。次に、判定制御器12は、コンフィギュレーション・ファイルc2によって提供されたポーリング・エラー率m1とポーリング・エラー閾値率gとの間の差異を検出する。判定制御器12は、以下の段落で提示する第1の応答関数を適用することによって順位値o2を生成する。
【0033】
ポーリング・エラー率m1とポーリング・エラー閾値率gとの間の値の比較について3つのケースがある:
■ポーリング・エラー率m1がポーリング・エラー閾値率gに等しい:コンピュータ・バックエンド機構11は、以前のように在庫ソース13aにアクセスしたままであり、判定規則に適用される順位値を変更する必要はない。
■ポーリング・エラー率m1がポーリング・エラー閾値率gよりも小さい:このことは、在庫ソース13aが受信したデータ抽出要求数がその最大アクセス容量よりも小さいことを意味する。コンピュータ・バックエンド機構11は、在庫ソース13aにより多くアクセスできる。更新済み順位値o2は、以前の順位値o1を超える。
■ポーリング・エラー率m1がポーリング・エラー閾値率gよりも大きい:このことは、在庫ソース13aが受信したデータ抽出要求数がその最大アクセス容量よりもすでに大きいことを意味する。更新済み順位値o2は、以前の順位値o1よりも小さい。
【0034】
上述のように、制御器モジュール26は、以前の順位値o1、ポーリング・エラー閾値率g、(OH1に記録された)順位値履歴、及び(OBH1に記録された)観察履歴に対して計算する第1の応答関数を適用することによって順位値o2を生成する。第1の応答関数は、限定はしないが、以下の例示的式として示すことができる:o2=o1×e(g−m1)。
【0035】
生成された順位値o2は、以下の条件のうち1つが生じる場合に更に調整される:
■更新済み順位値o2が100%を超える場合、更新済み順位値o2は100%であるように設定される。
■更新済み順位値o2が所定の最小順位値よりも小さい場合、更新済み順位値o2はコンフィギュレーション・ファイルc2内に保存した最小順位値であるように設定される。
【0036】
制御器モジュール26は、順位値o2を順位履歴ファイルOH1に保存する。順位値o2は、次の計算で利用される順位値o1の新しい値になる。
【0037】
更新済み順位値o2を受信した後、バックエンド計算ユニット21は、判定規則を再計算する。判定規則は、在庫ソース13a及び利用可能性キャッシュ・ソース13bのうち1つのデータ・ソースを決定し、利用可能性要求r1に使用するデータを抽出するデータ・ソース選択規則を含む。全ての実施形態では、データ・ソース選択規則は、利用可能性要求の発信者等の利用可能性要求の少なくとも1つの特性の関数、又は市場等の利用可能性要求のパラメータ(パラメータは、旅程の起点及び/又は目的地、又は旅行産業の提供業者の航空会社コードであってもよい)とすることもできる。
【0038】
更新済み順位値o2が与えられたデータ・ソース選択規則の更新についての詳細な説明を以下に提供する:
■更新済み順位値o2が以前の順位値o1よりも大きい場合、データ・ソース選択規則は、コンフィギュレーション・ファイルc1に保存された規則に基づき、より高いアクセス・レベルで更新される。前記保存された規則は、更新済み順位値o2及び要求r1のいくつかの特性(例えば航空会社、製品)を取ることになり、これらは使用のために選択したデータ・ソースに送信されることになる。更新済み順位値o2の適用による規則の更新は、例えば、規則内のパーセンテージの表示を更新済み順位値o2と置き換えることによって実施される。例えば、規則を次の7日間以内の旅行出発時間を表示する利用可能性要求を70%のパーセンテージまで在庫ソースに誘導し、更新済み順位値o2を85%に設定することを規定した場合、更新済み規則は、次の7日間以内の旅行出発時間を表示する利用可能性要求が85%のパーセンテージまで在庫ソースに誘導されることを規定する。
■更新済み順位値o2が以前の順位値o1よりも小さい場合、このことは、在庫ソース13aが以前にその最大アクセス容量に対して多すぎるデータ抽出要求を得たことを意味する。コンピュータ・バックエンド機構11は、在庫ソース13aのポーリング・エラー率を低減するために、順位値を値o1から値o2に低下させる必要があり、データ・ソース選択規則は、より低いアクセス・レベルで更新される。更新済み順位値o2が低下し、0に近づいた場合、コンピュータ・バックエンド機構11は、データ・ソース選択規則によって案内され、こうして利用可能性キャッシュ・ソース13bからのデータを抽出して要求の最も大きい部分を処理するために切り替えられる。
【0039】
選択したデータ・ソースから抽出した必要なデータを取得した後、コンピュータ・バックエンド機構11は、利用可能性要求r1に対応する利用可能性応答p1を生成する。
【0040】
上記の再計算判定規則は、コンフィギュレーション・ファイルc1内にリアルタイムで保存される。コンフィギュレーション・ファイルc1の更新は、コンピュータ・バックエンド機構11が受信したあらゆる利用可能性要求のためのコンフィギュレーション・ファイルc1の適用とは無関係に実行できる。更に、他の実施形態では、在庫ソース13a及び利用可能性キャッシュ・ソース13bに加えて、利用可能性問合せシステム10は、AVSソース等の3つ以上のデータ・ソースを含むことができることに留意されたい。この場合、利用可能性キャッシュ・ソースが選択されるが、空である場合、又は遅れずに応答しない場合、AVSソースが選択されることになる。更に、動的利用可能性ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの中で選択される複数のポーリング・ソースがあってもよい。
【0041】
少なくとも3つのデータ・ソースを有する一実施形態では、データ・ソース選択用の判定基礎を階層的に構成する2つの判定規則を実装できる。第1の判定規則は、第1のデータ・ソースが選択される確率を定義する。第2の判定規則は、3つのデータ・ソースのうち第2のデータ・ソース又は第3のデータ・ソースを選択するかどうかの判定を定義する。同じ順位値は、2つの判定規則に再帰的に使用できる。代替的に、統計指標及び/又は順位値o2を使用して、第2の判定規則に使用する更なる順位値を計算できる。
【0042】
例えば、第1の階層レベルに位置する第1の判定規則に適用される第1の順位値o2は、70%に設定できる。したがって、例えば着信した要求の70%のみが第1のポーリング・データ・ソースに転送され、一方で着信した要求の残りの30%は、第1のポーリング・データ・ソースに誘導されない。第2のレベルの階層では、同じ又は別の順位値が、2つの更なるデータ・ソース間の転送判定をする第2の判定規則に適用される。2つの更なるデータ・ソースは、キャッシュ・データ・ソース及びAVSデータ・ソースとすることができる。更なる順位値は、例えば90%に設定できる。この場合、着信した要求の残りの30%のうち90%は、キャッシュ・データ・ソースに転送され、一方で他の着信した要求(着信した要求の残りの30%のうち10%)は、AVSデータ・ソースに転送される。
【0043】
次に
図2を参照すると、
図2は、ポーリング・エラー率ma及びmb、ポーリング・エラー閾値率g並びに順位値oa及びobの値を経時的に表す線グラフである。ポーリング・エラー率ma及び順位値oaは、データ・ソース適合方法の実行を伴わずに記録される。9.45hから20.15hの間、ポーリング・エラー率maは、30%を超える。13.00hから18.45hの間、ポーリング・エラー率maは、40%さえも超える。ポーリング・エラー率mb及び順位値obは、本発明に従ったデータ・ソース適合方法を実行する間に記録される。
【0044】
観察期間中、データ・ソース適合方法の実行によって、利用可能性問合せシステム10は、在庫ソース13aのポーリング・エラー率を値maから値mbに効率的に低減する。ポーリング・エラー率mbは、概ね20%未満に留まり、したがってこの例では20%に設定されたポーリング・エラー閾値率gに着実に近似する。更に、在庫ソース13aのために実施される順位値は、値oaから値obに低減される。というのは、利用可能性問合せシステム10は、例えば観察器22によって実施される統計指標の新たな観察を受信すると、在庫ソース13aの順位値を動的に計算することによって在庫ソース13aへのアクセス試行数をリアルタイムで調節するためである。本実施形態で使用される統計指標は、ポーリング・エラー率である。
【0045】
図3は、ルック・トゥー・ブック考慮事項が判定処理を駆動するために使用される別の実施形態を示す。
図3は、本発明による予約システム40の一例の構造ブロック図である。予約システム40の構造及びその機能は、上述の実施形態の上述の利用可能性問合せシステム10の構造及びその機能と同様である。しかし、予約システム40によって実行される判定処理は、統計指標として使用される入力データとしてルック・トゥー・ブック数を必要とする。在庫ソース43aからデータを抽出する間、ルック・トゥー・ブック数は、予約(例えば座席予約)に転換させる所与のデータ・ソースへのアクセスを伴う予約システム40により受信した利用可能性要求の平均数を表示する。1回の「ブック」に対する700回の「ルック」の一例を以下で使用する。
【0046】
本実施形態では、利用可能性要求r2を受信した後、予約システム40は、判定処理を計算するデータ・ソース適合方法を適用することによって、少なくとも2つのデータ・ソースから1つを動的に選択でき、選択したデータ・ソースから対応するデータを抽出できる。
【0047】
予約システム40は、コンピュータ・バックエンド機構41、判定制御器42、及び2つのデータ・ソース、即ち在庫ソース43a及び利用可能性キャッシュ・ソース43bのそれぞれを備え、そのようなデータ・ソースは、単に暗示的であり、本発明は、あらゆるデータ・ソースに適用する。本実施形態では、所与のデータ・ソース又は言い換えれば好ましいデータ・ソース、若しくは最も信頼できるデータ・ソースは、在庫ソース43aである。コンピュータ・バックエンド機構41は、判定制御器42並びにデータ・ソース43a及び43bのそれぞれに結合される。
【0048】
コンピュータ・バックエンド機構41は、利用可能性要求r2の受信時に判定処理を実行するために利用される。コンピュータ・バックエンド機構11は、少なくとも1つのバックエンド計算ユニット及び観測器52を備える。観察器52は、最新のルック・トゥー・ブック数lb1を周期的に生成し、それを判定制御器42に送信するために利用される。ルック・トゥー・ブック数を生成するために、観察器52は、データ・ソースへのデータ・アクセスを監視する。ルック・トゥー・ブック数lb1がより小さいほど、対応するデータを在庫ソース43aから抽出することによってより多くの順位を処理できる一方で、所与の在庫ソース使用効率を保持する。小さなルック・トゥー・ブック数は、在庫ソースの良好な効率を反映する。というのは、そのアクセス率は、利用可能性要求の予約への転換と比較して低いためである。(ルック・トゥー・ブック転換率は、予約システム40が行った予約に対する在庫ソース43aへのルックのみを考慮に入れる。)
【0049】
バックエンド計算ユニット51は、戦略調整器61及びメモリ・ユニット62を備える。メモリ・ユニット62は、戦略調整器61に結合される。メモリ・ユニット62は、少なくとも1つの判定規則を含む少なくとも1つのコンフィギュレーション・ファイルc3を保存するために利用される。戦略調整器61は、判定規則を実行するために利用される。
【0050】
判定制御器42は、制御器モジュール56及び制御器メモリ・ユニット57を備える。メモリ・ユニット57に結合された制御器モジュール56は、0%から100%の間である順位値o4を生成するために利用される。1つの順位値、例えば順位値o4は、在庫ソース43aへのアクセス試行率として定義される。判定制御器42は、以下の段落で提示する第2の応答関数を適用することによって順位値o4を生成する。
【0051】
メモリ・ユニット57は、少なくとも1つの第2のコンフィギュレーション・ファイルc4、順位履歴ファイルOH2及び観察履歴ファイルOBH2を保存する。第2のコンフィギュレーション・ファイルc4は、システム管理者によって例えば700であるように設定された目標ルック・トゥー・ブック数lbgを含み、したがって、ルック・トゥー・ブック転換率は、本実施形態では700:1である。更に、判定制御器42は、ルック・トゥー・ブック数lb1の更新値を5分未満の長さの一定間隔で観察器52から収集する。判定制御器42は、所与の時点、例えば開始日で開始した積算として計算される包括的ルック・トゥー・ブック転換率を更に計算する。
【0052】
他の実施形態では、コンフィギュレーション・ファイルc3及びc4、順位履歴ファイルOH2及び観察履歴ファイルOBH2は、同じメモリ・ユニット内、又はメモリ・ユニット62又はメモリ・ユニット57以外の異なるメモリ・ユニット内に保存できることに留意されたい。
【0053】
コンピュータ・バックエンド機構41は、順位値o4に到達させるために判定処理を実行する。コンピュータ・バックエンド機構41は、在庫ソース43aのルック・トゥー・ブック数が目標ルック・トゥー・ブック数lbgを超えないように保持するために、在庫ソース43a(主要データ・ソース)から利用可能性キャッシュ・ソース43bへ切り替える。
【0054】
判定処理は、判定制御器42によって計算されるデータを必要とする。制御器モジュール56は、メモリ・ユニット57に保存した観察器52、コンフィギュレーション・ファイルc4及び観察履歴ファイルOBH2によって提供される情報に従って順位値o4を決定する。データ・ソース適合方法についての詳細な説明は、以下の段落に含まれる。
【0055】
判定制御器42は、在庫ソース43aに関連する更新順位値o4を計算するために利用される。判定制御器42は、観察器52によって提供された更新済みルック・トゥー・ブック数lb1及び順位履歴ファイルOH2に保存した以前の順位値o3を周期的に取得する。次に、判定制御器42は、コンフィギュレーション・ファイルc4によって提供されるルック・トゥー・ブック数lb1と目標ルック・トゥー・ブック数lbgとの間の差異を検出する。
【0056】
ルック・トゥー・ブック数lb1と目標ルック・トゥー・ブック数lbgとの間の値の比較について3つのケースがある:
■ルック・トゥー・ブック数lb1が目標ルック・トゥー・ブック数lbgに等しい:コンピュータ・バックエンド機構41は、以前のように在庫ソース43aにアクセスしたままであり、判定規則に適用する順位値を変更する必要はない。しかし、より多くの順位を作る場合、コンピュータ・バックエンド機構41は、利用可能性キャッシュ・ソース43bにアクセスするために切り替え、データを抽出する。
■ルック・トゥー・ブック数lb1が目標ルック・トゥー・ブック数lbgよりも小さい:したがって、コンピュータ・バックエンド機構41は、在庫ソース43aにアクセスし続け、データを抽出できる。更新済み順位値o4は、以前の順位値o3よりも大きい。
■ルック・トゥー・ブック数lb1が目標ルック・トゥー・ブック数lbgよりも大きい:このことは、予約に転換するために、現在、在庫ソース43aは、多すぎるデータ抽出要求をすでに受信していることを意味する。したがって、コンピュータ・バックエンド機構41は、在庫ソース43aへのより頻繁なアクセスに切り替え、データを抽出する。更新済み順位値o4は、以前の順位値o3よりも小さい。
【0057】
上述のように、制御器モジュール56は、以前の順位値o3、目標ルック・トゥー・ブック数lbg、(OH2に保存した)順位値履歴及び(OBH2に保存した)観察履歴に対して計算する第2の応答関数を適用することによって更新済み順位値o4を生成する。第2の応答関数は、限定はしないが、以下の例示的式として示すことができる:o4=o3×e(lbr1−lgbr)(式中、変数lgbrは、目標ルック・トゥー・ブック数lbgに基づき計算した比率である一方で、変数lbr1は、ルック・トゥー・ブック数lb1に基づき計算した比率である)。
【0058】
利用可能性問合せシステム10の順位値o2と同様に、次に、順位値o4は、以下の条件のうち1つが生じる場合に更に調整される:
■更新済み順位値o4が100%を超える場合、更新済み順位値o4は100%であるように設定される。
■更新済み順位値o4が所定の最小順位値よりも小さい場合、更新済み順位値o4はコンフィギュレーション・ファイルc1内に保存した最小順位値になるように設定される。
【0059】
制御器モジュール56は、次の計算で利用される順位値o3の新たな値になる順位値o4を順位履歴ファイルOH2に保存する。
【0060】
更新済み順位値o4を受信した後、バックエンド計算ユニット51は、判定規則を再計算し、この再計算規則には、利用可能性要求r2に使用するデータを抽出するための在庫ソース43a及び利用可能性キャッシュ・ソース43bのうち1つのデータ・ソースを決定するデータ・ソース選択規則を含む。データ・ソース選択規則は、利用可能性要求の少なくとも1つの特性の関数とすることもできる。
【0061】
選択したデータ・ソースから抽出した必要なデータを取得した後、コンピュータ・バックエンド機構41は、利用可能性要求r2に対応する利用可能性応答p2を生成する。
【0062】
上記の再計算判定規則は、コンフィギュレーション・ファイルc3内にリアルタイムで保存される。コンフィギュレーション・ファイルc3の更新は、コンピュータ・バックエンド機構41が受信したあらゆる利用可能性要求用コンフィギュレーション・ファイルc3の適用とは無関係に実行できる。
【0063】
更に、他の実施形態では、在庫ソース43a及び利用可能性キャッシュ・ソース43bに加えて、予約システム40は、利用可能性状況ソース等の3つ以上のデータ・ソースを含むことができることに留意されたい。更に、動的利用可能性ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの中で選択された複数のポーリング・ソースがあってもよい。次に、判定規則/第2のデータ・ソース選択規則は、アクセスされる第2のデータ・ソースを再帰的に決定するために実装できる。
【0064】
上記で概説したように、利用可能性状況ソース等の更なるデータ・ソースを備える一実施形態では、第2の判定規則/データ・ソースを選択規則は、データ・ソースの第2の階層レベルでのデータ・アクセスについて再帰的に判定するために実装できる。したがって、第1の判定規則を使用して、第1の階層レベル、例えば在庫ソース43aで、特定の要求が特定のデータ・ソースに誘導されるか否かを決定する。要求がこの第1の階層レベル・データ・ソースに誘導されないことが判定された場合、再帰的に、例えば要求を利用可能性キャッシュ・ソース43b又は利用可能性状況ソースに誘導するかどうか、要求に関する転送判定をデータ・ソースの第2の階層レベルで取る。この目的で、別の順位値によって第1の規則と同様に更新される可能性がある第2の規則を利用する。同様の方法で、判定規則は、複数のポーリング・ソース間の判定のために再帰形態で実装できる。したがって、要求転送機構は、複数のデータ・ソース階層レベルで同様に採用できる。
【0065】
図4は、ルック・トゥー・ブック数lba及びlbb、目標ルック・トゥー・ブック数lbg並びに順位値oc及びodの値を経時的に表す線グラフである。ルック・トゥー・ブック数lba及び順位値ocは、データ・ソース適合方法の実行を伴わずに記録される。ルック・トゥー・ブック数lbb及び順位値odは、本発明に従ったデータ・ソース適合方法の実行を伴って記録される。
【0066】
本発明に従ったデータ・ソース選択規則更新処理の実行により、予約システム40は、各集合期間(毎日の積算等)の終わりに在庫ソース43aに対応するルック・トゥー・ブック数を目標ルック・トゥー・ブック数lbgに近似させ、在庫ソース43aからデータを抽出するためのアクセス試行数をリアルタイムで調節するようにする。
【0067】
このことは、
図4に示される。順位値odは、約12.45hでルック・トゥー・ブック数lbbが目標ルック・トゥー・ブック数lbgを下回った場合に増加する。順位値odは、約17.15hでルック・トゥー・ブック数lbbが目標ルック・トゥー・ブック数lbgを上回って増加する場合に再度減少する。
【0068】
図5は、本発明による利用可能性問合せシステム70の一例の構造ブロック図である。本実施形態では、利用可能性要求r3の受信後、利用可能性問合せシステム70は、少なくとも2つのデータ・ソースから利用可能性データを抽出して、利用可能性要求r3に対応する利用可能性応答p3を生成する。利用可能性問合せシステム70は、データ・ソースの中でデータ整合性を保持するためのデータ同期方法を更に実行し、これらのデータ・ソースのうち1つは、ここでは利用可能性キャッシュ・ソース73bである。判定処理は、統計指標として使用される入力データとして利用可能性キャッシュ・ソース73bの書込み数w1を必要とする。
【0069】
利用可能性問合せシステム70は、コンピュータ・バックエンド機構71、判定制御器72及び2つのデータ・ソース、即ち在庫ソース73a及びキャッシュ・ソース73bのそれぞれを備える。そのようなデータ・ソースは、単に暗示的であり、本発明は、あらゆるデータ・ソースに適用する。コンピュータ・バックエンド機構71は、判定制御器72及びデータ・ソース73a及び73bのそれぞれに結合される。
【0070】
コンピュータ・バックエンド機構71は、利用可能性キャッシュ・ソース73bに保存したデータを更新するためのデータ同期方法を実行するために利用する。コンピュータ・バックエンド機構71は、少なくとも1つのバックエンド計算ユニット81及び観察器82を備える。観察器82は、利用可能性キャッシュ・ソース73bのために実施される最新の書込み数w1を判定制御器72に周期的に送信するために利用する。データ同期方法についての詳細な説明は、以下の段落に含まれる。
【0071】
バックエンド計算ユニット81は、利用可能性エンジン91及びメモリ・ユニット92を備える。メモリ・ユニット92は、利用可能性エンジン91に結合される。メモリ・ユニット92は、少なくとも1つの判定規則を含む少なくとも1つのコンフィギュレーション・ファイルc5を保存するために利用される。利用可能性エンジン91は、順位同期率o6を適用することによって判定規則を実行するために利用され、この順位同期率o6は、在庫ソース73aから利用可能性キャッシュ・ソース73bに複製される更新済み利用可能性データのパーセンテージを表す。
【0072】
判定規則72は、制御器モジュール86及び制御器メモリ・ユニット87を備える。メモリ・ユニット87に結合された制御器モジュール86は、順位同期率o6を生成するために利用される。メモリ・ユニット87は、少なくとも1つの第2のコンフィギュレーション・ファイルc6、順位履歴ファイルOH3及び観察履歴ファイルOBH3を保存する。第2のコンフィギュレーション・ファイルc6は、システム管理者によって設定された目標書込み数wgを含む。目標数wgは、例えば利用可能性キャッシュ・ソース73bへの最大アクセス容量とすることができる。本実施形態では、目標書込み数wgは、500,000であるように設定される。更に、判定制御器72は、好ましくは5分未満の長さの一定間隔で更新済み書込み数w1の更新値を収集する。
【0073】
他の実施形態では、コンフィギュレーション・ファイルc5及びc6、順位同期履歴ファイルOSH及び観察履歴ファイルOBH3は、同じメモリ・ユニット内、又はメモリ・ユニット92又はメモリ・ユニット87以外の異なるメモリ・ユニット内に保存できることに留意されたい。また、判定制御器72及びコンピュータ・バックエンド機構71は、一部のハードウェア・リソース及び/又はソフトウェア・リソースを共用できる。
【0074】
コンピュータ・バックエンド機構71は、順位同期率o6に到達させる(しかし順位同期率o6を超えない)ために判定処理を実行する。判定処理は、判定制御器72によって計算されるデータを必要とする。判定制御器72は、順位同期率o6を計算するために利用される。判定制御器72は、観察器82によって提供された更新済み書込み数w1、及び順位同期履歴ファイルOSHに保存した以前の順位値o5を周期的に取得する。次に、判定制御器72は、第2のコンフィギュレーション・ファイルc6によって提供された書込み数w1と目標書込み数wgとの間の差異を検出する。
【0075】
制御器モジュール86は、目標書込み数wg及び書込み数w1に対して計算する第3の応答関数に基づき更新済み順位同期率o6を生成し、順位同期率o6を順位同期履歴ファイルOSHに保存する。第3の応答関数は、限定はしないが、以下の式として示すことができる:
【0076】
制御器モジュール86は、利用可能性キャッシュ・ソース73bがその最大アクセス容量を超えないことを保証するために、順位同期率o6をコンピュータ・バックエンド機構71にも提供する。
【0077】
書込み数w1と目標書込み数wgとの間の値の比較について3つのケースがある:
■書込み数w1が目標書込み数wgに等しい:コンピュータ・バックエンド機構71は、同じ同期率o6で在庫ソース73aから利用可能性キャッシュ・ソース73bへの更新済み利用可能性データを複製したままである。書込み数w2は、目標書込み数wgの値であるように設定される。
■書込み数w1が目標書込み数wgよりも大きい:利用可能性キャッシュ・ソース73bのために実施した書込み数は、その最大アクセス容量よりも大きくなることがある。このことは、コンピュータ・バックエンド機構71が在庫ソース73aから利用可能性キャッシュ・ソース73bへのデータ複製書込みを低減する必要があることを意味する。書込み数w2は、目標書込み数wgの値であるように設定される。
■書込み数w1が目標書込み数wgよりも小さい:このことは、コンピュータ・バックエンド機構71が在庫ソース73aから利用可能性キャッシュ・ソース73bへより多くのデータ複製書込みを実施できることを意味する。書込み数w2は、書込み数w1の値であるように設定される。
【0078】
更新済み順位同期率o6の受信後、コンピュータ・バックエンド機構71は、キャッシュ書込み抑制規則を含めた判定規則を再計算する。
【0079】
次に
図6を参照すると、
図6は、書込み数wa及びwb並びに最大書込み数wgの値を経時的に表す線グラフである。書込み数waは、データ同期方法の実行を伴わずに記録される。書込み数wbは、本発明によるデータ同期方法の実行を伴って記録される。更に、観察期間中、データ同期方法を実行することによって、利用可能性問合せシステム70は、利用可能性キャッシュ・ソース73bの書込み過負荷を効率的に低減する。
【0080】
図6に示す例によれば、約3.30hから約13.30hの間で、書込み数waは常に最大書込み数wg未満である。したがって、wbはwaに等しい。3.30h前から13.30後の時間の間、書込み数waは、常に最大書込み数wgを上回る。したがって、wbはwgに設定される。
【0081】
本発明の例示的実施形態を以下に要約する。これらは、それぞれを単独で又は本発明の少なくとも別の例示的実施形態と組み合わせて使用できる。
−一実施形態は、コンフィギュレーション・ファイルの更新とは無関係に、コンピュータ・バックエンド機が受信するあらゆる計算問合せのためにコンフィギュレーション・ファイルを使用することを含むことができる。
−少なくとも1つの判定規則は、計算問合せに使用されるデータを抽出するためにアクセス可能な複数のデータ・ソースの中で1つのデータ・ソースを決定するように構成した論理を提供するデータ・ソース選択規則を含むことができる。
−データ・ソース選択規則は、計算問合せの少なくとも1つの特性の関数とすることができる。
−計算問合せは、フライト利用可能性計算問合せとすることができ、データ・ソース選択規則は、利用可能性データ・ソース選択規則であり、複数のデータ・ソースは、ポーリング・ソース、利用可能性状況ソース(AVS)、利用可能性キャッシュ・ソースのうち少なくとも2つを含む。
−複数のデータ・ソースは、動的利用可能性ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの中で選択された少なくとも1つのポーリング・ソースを含むことができる。ポーリング・ソースからデータを抽出する際の失敗数と前記ポーリング・ソースへの全アクセス試行数との間の比率は、利用可能性データ・ソース選択規則を決定する統計指標として使用される。
−複数のデータ・ソースは、動的ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの中で選択される少なくとも1つのポーリング・ソースを含むことができる。計算問合せ発信者のルック・トゥー・ブック比率は、利用可能性データ・ソース選択規則を決定する統計指標として使用される。
−少なくとも1つの判定規則は、キャッシュ書込み判定規則を含むことができ、このキャッシュ書込み判定規則は、ポーリング・ソースとも呼ばれる在庫ソース等の遠隔データ・ソースから取得したデータの複製を利用可能性キャッシュ・ソースに書き込むかどうかの論理を提供する。
−キャッシュ書込み判定規則は、計算問合せの少なくとも1つの特性の関数とすることもできる。
−一実施形態は、キャッシュ書込み判定規則を決定する統計指標としてキャッシュ書込み数を使用することを含むことができる。
−計算問合せは、データ・ソース内のデータ読取り又は書込み命令の実行を要求でき、判定処理は、所与のデータ・ソースに、データ読取り又は書込み命令を実行するコンピュータ・バックエンド機がアクセスすべきかどうかを判定するためのものである。
−一実施形態は、以下のことを含むことができる:1)所与のデータ・ソースによって実行すべき読取り又は書込み命令の順位レベルを定義すること;この順位レベルは、所与のデータ・ソースによって又は所与のデータ・ソースに送信すべき命令の割合とすることができる;及び2)順位レベルに到達するように又は順位レベル未満に留まるように判定規則を計算すること。
−一実施形態は、統計指標の標的値とは異なる統計指標の更新値に対して、統計指標の標的値と統計指標の更新値との間の差異の指数関数との順位レベルの現在値の積に基づき、順位レベルの更新値を計算すること、及び順位レベルの更新値に到達するように判定規則を再計算することを含むことができる。
−一実施形態は、5分未満の長さの一定間隔で統計指標の更新値を周期的に収集することを含むことができる。
−一実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体に保存し、本発明の方法を実施するように構成した命令を含むコンピュータ・プログラム製品を含むことができる。
−一実施形態は、計算問合せに使用されるデータを抽出するためにアクセス可能な複数のデータ・ソース、及びコンピュータ・バックエンド機と複数のデータ・ソースとの間の双方向通信のためのネットワークを含むことができる。
−例1は、計算問合せの受信時にコンピュータ・ネットワークのコンピュータ・バックエンド機によって判定処理の実行を制御することを含むことができる方法であって、方法は:
−判定処理を駆動し、統計指標の現在値及び統計指標の標的値から少なくとも計算される少なくとも1つの判定規則を含むコンフィギュレーション・ファイルをコンピュータ・バックエンド機に関連付けること;
−統計指標の更新値を周期的に取得すること;
−更新値が標的値と異なることを検出したときに、コンフィギュレーション・ファイルを動的に更新すること
を含み、コンフィギュレーション・ファイルは:
○更新値を使用して新たな現在値として判定規則を再計算すること;
○コンフィギュレーション・ファイル内に再計算判定規則をリアルタイムで保存すること
を更に含む。
−例2では、例1の主題は、コンフィギュレーション・ファイルの更新とは無関係に、コンピュータ・バックエンド機が受信するあらゆる計算問合せのためにコンフィギュレーション・ファイルを使用することを任意選択で含むことができる。
−例3では、例1又は2の主題は、少なくとも1つの判定規則がデータ・ソース選択規則を含むことを任意選択で含むことができ、このデータ・ソース選択規則は、計算問合せに使用されるデータの抽出のためにアクセス可能な複数のデータ・ソースのうちデータ・ソースを決定するように構成した論理を提供する計算問合せの少なくとも1つの特性の関数である。
−例4では、例3の主題は、計算問合せがフライト利用可能性計算問合せであること、データ・ソース選択規則が利用可能性データ・ソース選択規則であること、及び複数のデータ・ソースがポーリング・ソース、利用可能性状況ソース(AVS)、利用可能性キャッシュ・ソースのうち少なくとも2つを含むことを任意選択で含むことができる。
−例5では、例1〜4のうちいずれか一項に記載の主題は、複数のデータ・ソースが動的ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの中で選択される少なくとも1つのポーリング・ソースを含むことを任意選択で含むことができ、且つ利用可能性データ・ソース選択規則を決定する統計指標として、ポーリング・ソースからデータを抽出する際の失敗数と前記ポーリング・ソースへの全アクセス試行数との間の比率を使用することを含む。
−例6では、例4の主題は、複数のデータ・ソースが動的ポーリング・ソース、直接アクセス・ポーリング・ソース及び利用可能性計算器ソースの中で選択される少なくとも1つのポーリング・ソースを含むことを任意選択で含むことができ、本方法は、利用可能性データ・ソース選択規則を決定する統計指標として、計算問合せ発信者のルック・トゥー・ブック比率を使用することを含む。
−例7では、例4の主題は、少なくとも1つの判定規則が遠隔データ・ソースから取得したデータの複製を利用可能性キャッシュ・ソースに書き込むかどうかの論理を提供するキャッシュ書込み判定規則を含むことを任意選択で含むことができる。
−例8では、例7の主題は、統計指標としてキャッシュ書込み数を使用する計算によって生成したキャッシュ書込み判定規則が、計算問合せの少なくとも1つの特性の関数であることを任意選択で含むことができる。
−例9では、例1〜8のうちいずれか一項に記載の主題は、計算問合せがデータ・ソース内のデータ読取り又は書込み命令の実行を要求すること、判定処理が、所与のデータ・ソースに、データ読取り又は書込み命令を実行するコンピュータ・バックエンド機がアクセスすべきかどうか判定するためのものであることを任意選択で含むことができる。
−例10では、例9の主題は:
−所与のデータ・ソースによって実行すべき読取り又は書込み命令の順位レベルを定義すること;
−順位レベルに到達するように又は順位レベル未満に留まるように判定規則を計算すること
を任意選択で含むことができる。
−例11では、例10の主題は、統計指標の標的値とは異なる統計指標の更新値に対して、統計指標の標的値と統計指標の更新値との間の差異の指数関数との順位レベルの現在値の積に基づき、順位レベルの更新値を計算すること、及び順位レベルの更新値に到達するように判定規則を再計算することを含むことを任意選択で含むことができる。
−例12では、例1〜11のうち一項に記載の主題は、統計指標の更新値を周期的に収集することは、5分未満の長さの一定間隔で動作することを任意選択で含むことができる。
−例13は、非一時的コンピュータ可読媒体に保存され、例1〜12のうちいずれか一項に記載の方法を実施するように構成した命令を含むコンピュータ・プログラム製品である。
−例14は、計算問合せの受信時に判定処理を実行するように構成された少なくとも1つのコンピュータ・バックエンド機を備え、少なくとも1つの判定規則を含むコンフィギュレーション・ファイルを備えるコンピュータ化システムであって、少なくとも1つの判定規則は、判定処理を駆動し、統計指標の現在値及び統計指標の標的値から少なくとも計算され、コンピュータ化システムは、プロセッサを備え、プロセッサでは、非一時的コンピュータ可読媒体に保存されたコンピュータ・プログラムに従ったプロセッサの動作により、コンピュータ・システムが:
−統計指標の更新値を周期的に取得し;
−更新値が標的値と異なることを検出したときに、コンフィギュレーション・ファイルを動的に更新し、コンフィギュレーション・ファイルは:
○更新値を使用して新たな現在値として判定規則を再計算すること;
○コンフィギュレーション・ファイル内に再計算判定規則をリアルタイムで保存すること
を更に含む、コンピュータ化システムである。
−例15では、例15の主題は、計算問合せに使用されるデータ抽出のためにアクセス可能な複数のデータ・ソース、及びコンピュータ・バックエンド機と複数のデータ・ソースとの間の双方向通信のためのネットワークを任意選択で含むことができる。
【0082】
上記の説明は、本発明の例示的実施形態を実施する様々な方法、装置及びコンピュータ・プログラム・ソフトウェアの完全及び有益な説明の例示的及び非限定的な例として提供される。しかし、様々な修正形態及び適合形態は、上記説明に鑑みて、添付の図面及び添付の特許請求の範囲と共に読めば、当業者には明らかになり得る。しかし、例として、他の同様又は均等な処理又はアルゴリズム及びデータ表示の使用は、当業者が試行できる。更に、異なる要素、機能及びアルゴリズム(例えば、等)に使用される様々な名前は、記述にすぎず、これらの様々な要素、機能及びアルゴリズムはあらゆる適切な名前で呼ぶことができるので、限定的な意味で読まれることを意図しない。本発明の教示のそのような全ての同様な修正形態は、本発明の実施形態の範囲内に依然としてある。
【0083】
更に、航空会社(航空運送業者)により提供される旅行解決策の状況で主に上記したが、当業者は、本発明の実施形態が航空会社による使用のみに限定されず、非限定例として船、列車、自動車、バスによる旅行の提供業者及びホテル等の旅行製品を含めた他の種類の旅行様式及び旅行提供業者による使用にも適合できることを了解すべきである。
【0084】
更に、本発明の例示的実施形態の特徴の一部は、他の特徴の対応する使用を伴わずに有利に使用できる。したがって、上記の説明は、本発明の原理、教示及び実施形態の説明に過ぎないとみなすべきであり、それらの限定としてみなすべきではない。
【0085】
本明細書で説明する様々な技法の実施形態は、デジタル電子回路又はコンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せ内で実施できる。実施形態は、コンピュータ・プログラム製品、即ち情報担体内、例えば機械可読記憶デバイス又は伝搬信号内で有形に具体化したコンピュータ・プログラムとして実装し、データ処理装置、例えばプログラム可能プロセッサ、1つ又は複数のコンピュータによって実行又はそれらの動作を制御できる。上記したコンピュータ・プログラム(複数可)等のコンピュータ・プログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含めたあらゆる形態のプログラミング言語で書き込むことができ、スタンドアロン・プログラムとして又はモジュール、構成要素、サブルーチンとして、或いはコンピュータ環境での使用に適した他のユニットを含めたあらゆる形態で展開できる。コンピュータ・プログラムは、1つの現場の1つ又は複数のコンピュータ上で、又は複数の現場にわたって分散する、通信ネットワークにより相互接続した1つ又は複数のコンピュータ上で実行するように展開できる。
【0086】
コンピュータ・プログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用マイクロプロセッサ及び特殊目的マイクロプロセッサの両方及びあらゆる種類のデジタル・コンピュータのあらゆる1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリ若しくはランダム・アクセス・メモリから、又は両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの要素は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサ、及び命令及びデータを保存する1つ又は複数のメモリ・デバイスを含むことができる。一般に、コンピュータは、データを保存する1つ又は複数の大容量記憶デバイス、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクからのデータの受信若しくはこれらへの送信、又は送受信を含むことができる、或いは受信若しくは送信又は送受信するように動作可能に結合できる。
【0087】
実施形態は、バックエンド構成要素、例えばデータ・サーバを含む計算システム、又はミドルウェア構成要素、例えばアプリケーション・サーバを含む計算システム、又はフロントエンド構成要素、例えばグラフィカル・ユーザー・インターフェース又はユーザが実装形態と対話できるウェブ・ブラウザを有するクライアント・コンピュータを含む計算システム、或いはそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素又はフロントエンド構成要素のあらゆる組合せにおいて実施できる。構成要素は、デジタル・データ通信のあらゆる形態又は媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続できる。通信ネットワークの例には、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)及びワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、例えばインターネットを含む。
【0088】
説明した実装形態のいくつかの特徴を本明細書に記載したように例示してきたが、当業者には、今や多くの修正形態、代替形態、変更形態及び同等物が思い付くであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の実施形態の真の趣旨及び範囲内にあるものとしてそのような全ての修正形態及び変更形態の包含を意図することを理解されたい。