(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
[0002]本発明は、水をベースとするタンク内の流体の質や濃度、及び/又は、流体の深さを決定するシステムと方法に関連する。特に、本発明は、タンク内に含まれる尿素水(ディーゼル排気物流体(diesel exhaust fluid))(DEF)の質と濃度、及び/又は、タンク内のDEFの深さを決定するシステムと方法に関連する。
【0003】
[0003]DEFは、ディーゼルエンジンの排気物中の窒素酸化ガス(NOx)を減らすこ
とに使われている。DEFは、精製水と、排気物中に霧状に注入される、自動車グレードで32.5%の尿素(UREA)との混合物である。霧が排気物と混ざり、排気物中のNOxを窒素と水と二酸化炭素とに分解する。ディーゼル燃料や水やエチレングリコール等
の混入物質がDEFと混ざると、排気物中のNOxを減らすDEFの能力は減少し、及び
/又は、回復不可能なダメージがNOx還元システムに起こることもある。
【0004】
[0004]DEFは、車両のタンクに蓄えられ、燃焼しているディーゼル燃料に対して約1対50の割合で排気物に注入される。タンク内のDEFの液位は、更なるDEFを追加する必要があるとき、使用者に指標を提供するように決定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本発明は、沈められた圧電超音波トランスデューサを用いて、タンク内のDEFの液位を検知し(例えばDEFの残りの量の指標を使用者に提供する)、そして、DEFが含まれているかどうかを決定する(混入物質の種類と量の決定を含む)。DEF溶液内のUREAの濃度もまた測定される。指標は、必要であれば使用者が是正措置を行うことができるよう、DEF流体の質のDEF制御システムに供給される。
【0006】
[0006]ある実施形態では、本発明は、タンクと制御器とトランスデューサと温度センサとを含むシステムを提供する。温度センサは、タンク内の流体の温度を検知する。制御器は、検知された温度を用いて、流体内を通る超音波信号のための温度依存の音速を導く。制御器は、トランスデューサに対して第1コマンド信号を生成する。それに応じて、トランスデューサは、固定された表面に向かって超音波を生成し、固定された表面で反射した超音波の反響を受信する。制御器は、トランスデューサによる超音波の通過とトランスデューサによる反響の繰り返しとの間の経過時間を決定する。制御器はまた、経過時間と流体内の検知された温度とに基づいて、タンク内の流体中の混入物質の濃度と存否とを決定する。
【0007】
[0007]制御器はまた、透過する超音波の大きさを調整することによって、受信する超音波の反響の質を高める。制御器は、トランスデューサに適応されたコマンド信号の電圧パルスの大きさ及び/又は数を変えることによって、超音波を調整する。好ましくは、トランスデューサは、共振周波数で駆動され、共振周波数では、一連の電圧パルスの振動数は、トランスデューサの温度依存の振動数特性に合致している。制御器は、コマンド信号を生成するために、温度に基く情報を含む参照テーブルを利用する。
【0008】
[0008]制御器は、超音波の反響が有効かどうかも決定する。反響が所定の時間窓内に受信されるとき、超音波の反響は有効であると決定される。反響を示す信号の大きさが所定の範囲内にあるとき、反響は有効であると更に決定される。反響を示す信号の存続時間が所定の範囲内のとき、反響は有効であると更に決定される。制御器は、予測される経過時間窓、予測される反響の大きさの範囲、予測される反響の継続時間範囲のうちの少なくとも1つを生成する。
【0009】
[0009]制御器は、与えられた超音波の通過の多数の反響反射を記録して、記録される時間測定の分解能を増やす。加えて、温度センサからの情報は、制御器に連結された通信モジュールを通して、他の装置や他の場所に分配される。
【0010】
[0010]その他の実施形態では、本発明は、タンクと制御器とトランスデューサと温度センサとを含むシステムを提供する。温度センサは、タンク内の流体の温度を検知して、制御器に温度の指標を提供する。制御器は、検知された温度を用いて、流体を通っている超音波信号のために温度依存の音速を導く。制御器は、トランスデューサのために第1コマンド信号を生成し、トランスデューサから第1反響信号を検知し、トランスデューサが近接場時間内で第1反響信号を受信したかどうかを決定する。第1反響信号が近接場時間内で検知されたのであれば、制御器は、所定範囲内の大きさを有する第2反響信号を検知する。第2反響信号が所定の時間内で検知されなければ、制御器は、第1反響信号を無視して、第1コマンド信号とは異なる第2コマンド信号を生成する。制御器は、第2反響信号が検知されるまで、第2コマンド信号を調節する。制御器は、第1反響信号か第1反響信号と第2反響信号との差分のどちらかを、標的に対する距離を表わす値、又は、タンク内の流体の量を体積的に表しているものに変換する。制御器が本当の反響信号と2次的な反響反射とを確実に区別するために、制御器は、トランスデューサの出力がトリガコマンドに連続して続くことを監視することによって、トランスデューサの鳴る時間を測定するようにプログラムされる。制御器は、出力信号が所定の期間よりも高いとき、鳴る時間が完全であると見なす。制御器は、鳴る時間と他の測定される変数に影響し得る温度の変化を補完するようにプログラムされて、それぞれの測定の前にトランスデューサの鳴る時間を決定する。制御器は、近接場時間を、鳴る時間の約2と3分の1倍に設定する。
【0011】
[0011]制御器はまた、透過する超音波の大きさを調節する多数の駆動パルスを有するコマンド信号を生成して、受信する超音波の反響の質を最適化する。好ましくは、トランスデューサは、一連のパルスと共振して駆動されて、パルス波の振動数がトランスデューサの温度依存の振動数特性に合致させる。制御器は、温度基準のデータを有する参照テーブルを利用して、コマンド信号を生成する。
【0012】
[0012]制御器はまた、超音波が有効であるかどうかを決定する。反響が所定の時間窓内に受信されるとき、反響を示す信号の大きさが所定の範囲内であるとき、反響を示す信号の存続時間が所定の範囲内であるとき、超音波反響は有効であると決定される。制御器は、予測される経過時間窓、予測される反響の大きさの範囲、予測される反響の継続時間範囲の少なくとも1つを生成する。
【0013】
[0013]制御器はまた、タンクに取り込まれた混入物質の信頼性を決定する(例えばタンクを満たしている間)。制御装置は、第1反響信号の経過時間と、第1反響信号と第2反響信号との間の差分の経過時間のうちの一方を、標的に対する距離を示す値、あるいは、タンク内の流体の量を体積的に表しているものに変換する。制御器は、計算された距離あるいはタンク内の流体の量の体積がタンクの容量を超えるとき、誤った出力を生成する。
【0014】
[0014]ある実施形態では、本発明は、タンクと制御装置と2つのトランスデューサと温度センサとを含むシステムを提供する。温度センサは、タンク内の流体の温度を検知し、
制御器は、検知された温度を使って、タンク内の流体を通って超音波信号のために、温度依存の音速を導く。制御器は、第1のトランスデューサのための第1コマンド信号を生成し、タンク内に沈んでいる固定された標的に向かって第1のトランスデューサに超音波を生成させる。その波が、固定された標的で反射してトランスデューサに戻るとき、制御器は、一連の超音波の反響を受信する。音波は何回も標的とトランスデューサとの間を往復しながら跳ね返る。制御器はまた、反射した反響の少なくともひとつの受信に必要とされる継続時間と検知された流体の温度とを使って、流体を通る超音波の音速を計算する。計算された音速と検知された温度とに基づいて、制御器は、流体の濃度とタンク内の流体中の混入物質の存否を決定する。
【0015】
[0015]制御器は、第2のトランスデューサのための第2コマンド信号を生成し、第2のトランスデューサが近接場時間内で反響信号を受信するかどうかを決定する。反響信号が近接場時間内に受信されれば、制御器は、第2のトランスデューサからの所定の強さの第2反響信号を検知する。第2反響信号が所定の時間内に検知されなければ、制御器は、第1反響信号を無視し、第1コマンド信号とは異なる第2コマンド信号を生成する。制御器は、第2反響信号が検知されるまで、第2コマンド信号を調節する。制御器は、第1反響信号を受信するのに必要な時間と、第1反響信号と第2反響信号との間の時間差のいずれかを使って、標的に対する距離を示す値、あるいは、タンク内の流体の量を体積的に表しているものを計算する。制御器が本当の反響信号と2次的な反響反射とを確実に区別するために、制御器は、トランスデューサの出力がトリガコマンドに連続して続くことを監視することによって、トランスデューサの鳴る時間を測定するようにプログラムされる。一度トランスデューサで検知した信号が所定の時間より高いなら、制御器は、鳴る時間が完全であると見なす。温度センサは、制御器に連結され、制御器は、鳴る時間や他の測定された変数に影響し得る温度変化を補完するようにプログラムされる。制御器に連結されている通信モジュールは、温度センサからの情報を他の装置や他の場所に分配する。制御器は、それぞれの測定や、測定された鳴る時間の約2倍に設定された近接場時間を設定する前に、トランスデューサの鳴る時間を決定する。
【0016】
[0016]コマンド信号は、第1と第2のトランスデューサの透過する超音波の大きさを調節する多数の駆動パルスを含む。制御器は、コマンド信号を調節して、それぞれのトランスデューサからの受信された超音波の反響の質を最適化する。好ましくは、トランスデューサは、共振周波数で駆動され、一連のパルスの振動数は、トランスデューサの温度依存の振動数特性に合致している。制御器は、コマンド信号の特性を決定する温度基準のデータを有する参照テーブルを利用する。
【0017】
[0017]制御器はまた、第1と第2のトランスデューサから受信される超音波の反響が有効であるかどうかを決定する。超音波の反響は、反響が所定の時間窓内で受信されるとき、有効であると決定される。反響はさらに、受信される反響反射の数が所定の範囲内のとき、有効であると決定される。制御器は、予測される継続時間窓、意図された標的から受信される反響反射の予測される数のうち少なくとも1つを生成する。
【0018】
[0018]制御器はまた、計算される流体の液位がタンク内のDEF流体のための最大許容量を超すのであれば、タンク内に取り込まれた混入物質の信頼性を決定し、間違った出力を生成する。
【0019】
[0019]本システムは、温度センサが故障した場合、正確な液位測定を生成することが可能である。制御器は、第1のトランスデューサから固定された反射物へ行って戻る音波の第1継続時間を決定する。制御器はまた、また第2のトランスデューサからタンク内の流体の表面に行って戻る音波の第2継続時間も決定する。トランスデューサは、第1継続時間(質)に対する第2継続時間(液位)の比に基いて、タンク内の流体の深さを計算する
。
【0020】
[0020]他の実施形態では、本発明は、タンク内の流体の質及び/又は量を決定するシステムを提供する。本システムは、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサと温度センサと制御器とを含む。第1のトランスデューサは、第1の音波を生成し、第1の音波の反響を検知するように構成される。第2のトランスデューサは、第2の音波を生成し、第2の音波の反響であって、第2のトランスデューサから既知の距離にある固定された物体で反響する第2の音波を検知するように構成される。温度センサは、流体の温度を検知するように構成される。制御器は、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサと温度センサとに連結され、流体を通る不正確に計算された音速に基いたエラー状態を検知し、検知されたエラー状態を示す信号を生成するように構成された内蔵された診断機能を有する。
【0021】
[0021]本発明の他の特徴は、詳細な説明と添付図とを参照することで、明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0028]本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、DEF即ち流体ベースの尿素への適用に限られないことは理解されるべきであり、また、本発明は、以下の記述で説明され、或いは、以下の図面で示される構造の詳細と構成要素の配置に対する適用に限られないことは理解される。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践され実現されることが可能である。
【0024】
[0029]タンク内のDEFの液位は、抵抗型のフロートトランスデューサや(空気結合型の)超音波トランスデューサ等を含む従来の方法によって監視されることがある。超音波トランスデューサは、表面で反射する音波を放出する。トランスデューサは、表面からの音波の反響を受信する受信器として働く。表面に向かい表面から戻ってくる音波の移動時間(the time of flight)に基づき、制御器は、音速を使って、表面までの距離を決定する。(気温により多少変化はあるが)音速は空気中では一定であるため、空気結合型のトランスデューサ内で必要な計算を実行することは簡単である。
【0025】
[0030]代わりに、流体結合型の超音波トランスデューサは、タンク内のDEFの質及び/又は液位を監視するのに使われることがある。流体結合型のトランスデューサでは、トランスデューサは、流体内に浸され、タンクの底部に置かれる。DEFの質を決定するために、超音波は、流体内に浸された固定された標的に向けられ、当該標的で反射される。トランスデューサで生成される音波は、トランスデューサから既知の距離だけ離れて配置された固定された標的(即ち、反射器)で反響し、トランスデューサによって検知される。DEFの液位を決定するために、トランスデューサからの超音波は、流体の表面に向けられる。トランスデューサで生成される音波は、流体の表面で反響し、トランスデューサによって検知される。これは、仮出願した空気結合型のトランスデューサに類似し、音速は、流体の種類は大いに依存するが、流体の温度にはあまり関わらずに変化する。
【0026】
[0031]
図1は、タンク110の中にあるDEF105の質を決定するための質検知システム100を示している。質検知システム100は、圧電超音波トランスデューサ115や温度センサ125(例えばサーミスタ)を有するプリント回路基板120やその他の構成要素(不図示)を含んでいる。トランスデューサ115とプリント回路基板120とは、タンク110の底部に置かれている。温度センサ125は、温度センサ125がタンク110の中のDEF105の温度を検出するように置かれる。トランスデューサ115は、送信器と受信器の両方として働く。トランスデューサ115で生成される超音波130は、流体105を通って伝播し、反射物135で反射して、トランスデューサ115に向けて戻る。反射した超音波130は、トランスデューサ115によって検知され、トランスデューサ115で反射して反射物135に向けて戻る。超音波130は、反射物135とトランスデューサ115との間を何度も行ったり来たりする。質検知システム100は、タンク110と一体化されることがあり、また、タンク110内に取り付けられた別個の組立体となることもある。
【0027】
[0032]
図2は、タンク110内のDEF105の表面205の液位を検知することで、タンク110内のDEF105の量を決定する液位検知システム200を示している。液位検知システム200は、圧電超音波トランスデューサ210がタンク110の底部に置かれ、トランスデューサ210で生成される超音波215が固定された反射物に代わってDEF105の表面205で反射することを除き、質検知システム100と同じ構成要素を含んでいる。
【0028】
[0033]
図3は、タンク110内のDEF105の質と量の両方を検知する結合検知システム300を示している。結合検知システム300は、2つの圧電超音波トランスデューサ115と210とを含んでいる。質トランスデューサ115は、超音波130が反射物135から反射するように置かれ、量(あるいは液位)トランスデューサ210は、超音波215がDEF105の表面205のところで反射するよう置かれている。
【0029】
[0034]
図4は、質検知システム100及び量検知システム200のブロック図を示している。トランスデューサ115/210及び温度センサ125に加えて、システム100/200は、制御器400と、信号調整回路405と、ドライバ410と、動力調整回路415と、出力ドライバ420とを含んでいる。制御器400は、プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、DSPなど)と、メモリ(例えばフラッシュ、ROM、RAM、EEPROMなど)とを含み、それらが、制御器400の内部にあったり、制御器400の外部にあったり、またはその組み合わせとなることがある。信号調整回路405やドライバ410や温度センサ125や出力ドライバ420の1つかそれ以上が、制御器400の中に含まれることもあろう。トランスデューサ115/210は、圧電送信器と圧電受信器の2つの状態で作動する。トランスデューサ115/210がトランスデューサ115/210の圧電性結晶の共振周波数の電圧によって刺激を受けるとき、トランスデューサ115/210は、超音波130/215を放出する。トランスデューサ115/210がトランスデューサ115/210の共振周波数の超音波130/215(例えば反響)によって刺激を受けるとき、トランスデューサ115/210は、音波を示す出力信号を生成する。信号調整回路405は、受信した超音波130/215によって刺激を受けることに応じて、圧電トランスデューサ115/210から受信した低水準の信号を増幅しフィルタリングするように機能する。
【0030】
[0035]
図5は、結合検知システム300のブロック図を示している。システム300は、質トランスデューサ115と、液位トランスデューサ210と、温度センサ125とを含んでいる。システム300はまた、制御器400と、第1信号調整回路405と、第2信号調整回路405’と、第1ドライバ410と、第2ドライバ410’と、動力調整回路415と、出力ドライバ420とを含んでいる。制御器400は、プロセッサ(例えば
マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、DSPなど)と、メモリ(例えばフラッシュ、ROM、RAM、EEPROMなど)とを含み、それらが、制御器400の内部にあったり、制御器400の外部にあったり、またはその組み合わせとなることがある。信号調整回路405,405’やドライバ410,410’や温度センサ125や出力ドライバ420の1つかそれ以上が、制御器400の中に含まれることもあろう。トランスデューサ115と210は、圧電送信器と圧電受信器の2つの状態で作動する。トランスデューサ115と210がトランスデューサ115と210の圧電性結晶の共振周波数の電圧によって刺激を受けるとき、トランスデューサ115と210は、超音波130と215をそれぞれ放出する。トランスデューサ115と210は、トランスデューサ115と210の共振周波数の超音波130と215(例えば反響)によってそれぞれが刺激を受けるとき、トランスデューサ115と210は、受信した音波を示す出力信号を生成する。第1信号調整回路405は、超音波130からの受信した反響によって刺激を受けることに応じて、質圧電トランスデューサ115から受信した低水準の信号を増幅しフィルタリングするように機能する。第2信号調整回路405’は、超音波215からの受信した反響によって刺激を受けることに応じて、液位圧電トランスデューサ210から受け取った低水準の信号を増幅しフィルタリングするように機能する。
【0031】
[0036]操作中、制御器400は、低水準の一連の駆動パルスと駆動パルス振幅コマンド信号とをドライバ410に送る。駆動パルスは、トランスデューサ115/210の共振振動数にしてある。ドライバ410は、低水準の信号を増幅し、トランスデューサ115/210に一連の高電圧のパルスを適用し、トランスデューサ115/210に適用された共振駆動パルスの数に比例する大きさで、トランスデューサ115/210が超音波130/215を放出するように仕向ける。超音波130/215は、流体中を伝播し、反射物135あるいは表面205のところで反射し、トランスデューサ115/210に向かって戻る。戻ってきた超音波の反響は、トランスデューサ115/210に共振を引き起こさせ、信号調整回路405によって増幅されフィルタリングされ整形されて、制御器400によって検知される低電圧の信号を生成する。超音波130/215がDEF105を通ってトランスデューサ115/210から反射物135/表面205へと伝播するのに必要な時間は、第1反響反射として、制御器400のメモリ内に蓄えられる。十分な大きさを与えられると、超音波130/215は、トランスデューサ115/210と反射物135/表面205との間を往復して伝播し、一連の反響反射を作り出す。一般に、4回あるいは5回の反射が、所定の伝送に対して受信される。反射は計測され、処理のために制御器400内のメモリに蓄えられる。
【0032】
[0037]システムにより使われる反響反射の数は、DEF濃度水準の間の区別に求められる分解能に依存している。例えば、仮に単一の反響反射がトランスデューサ115/210から流体を通って伝播し反射物135又は表面205のところで反射し戻ってくるのに第1の時間を必要とするならば、2番目の反響反射は、伝播するのに第1の時間の2倍を必要とし、3番目の反響反射は、第1の時間の3倍を必要とするなどである。これによれば、2つの反射は、1つの反射の分解能の2倍を提供し、3つの反射は、その分解能の3倍を提供する、などである。典型的な応用では、4回から5回の反射が、求められる分解能とDEFタンクに首尾よく組み込まれることが可能なセンサシステムの実用的な大きさとの間の良好な均衡を提供する。
【0033】
[0038]ドライバ410により電流を流されるとき、トランスデューサ210は、駆動電圧が取り除かれた後、一定の時間、反響を続けるか、鳴り続ける。この間、トランスデューサ210は、流体105の表面205のところで反射される反響を検知する受信器として使うことができず、容量検知システム200により分解されることが可能な最小限の流体の液位を制限する。慎重にデザインすることで、鳴る時間を短くすることはできるが、完全に排除することはできない。タンクが空っぽか或いは殆ど空っぽのとき、タンク内の
流体の液位を計測するに代わりとなる取り組みは、流体105の表面205とトランスデューサ210との間における超音波215の多数の反射を生成するのに十分な大きさで、液位検知トランスデューサ210を動かすことであり、超音波215は、トランスデューサ210が鳴り止んだ後も、往復して反射を続ける。次に、音波215がトランスデューサと流体105の表面205との間を往復する時間は、例えば2つの継続する反響反射の間の時間差を使うなど、差分法を使って計算することができる。
【0034】
[0039]制御器400は、所望の数の反響反射を達成するように、超音波135/215の大きさを制御し調節するコマンド信号を生成する。制御器400は、温度依存型トランスデューサに適用される共振電圧パルスの数及び/又は大きさを増減することで、この機能を行う。トランスデューサに適用される共振パルスの数は、他のパルス数も適用されるが、典型的には、低いもので1パルスから高いもので16パルスかそれ以上まで、範囲は及ぶ。スイッチ式のコンデンサ・チャージポンプは、制御器400の管理下でドライバ410に適用されるトランスデューサ駆動電圧の大きさを増減するのに好んで使われる。駆動電圧は、典型的に、低いもので2ボルトから高いもので30ボルトにまで変わる。駆動パルスの数と大きさは、受信される反響反射の数に基いて選択される。反響反射の数が予め設定された量(はっきり見分けられる相対距離に基いて計算される)以下に収まれば、制御器400は、駆動電圧の大きさ及び/又は数を増やす。逆に、反響反射の数が所定の量より大きいのであれば、制御器400は、トランスデューサ115/210(望まれない歪みや騒音を減らす)に適用される駆動パルスの大きさ及び/又は数を減らす。このように、閉ループのゲイン制御は、超音波135/215の反響反射の伝送と検知のために作られる。
【0035】
[0040]制御器400は、近接場操作モードを画定し、特定される第1の反響反射が、トランスデューサ210の平均的な鳴る時間の2倍と同じかそれより少し長い時間の間に起こるときに、この近接場操作モードは起こる。制御器400は、非近接場操作モードを画定し、第1の反響反射が、近接場操作モードによって画定された期間から外れて起こるとき、言い換えると、第1の反響反射が、トランスデューサ210の平均的な鳴る時間の2倍以上の時間間隔で受けられるのであれば、この非近接場操作モードは起こる。近接場モードでは、制御器400は、トランスデューサ210への動力を調節して、鳴る期間の結論に続いて少なくとも2つの確認された(validated)反響反射が受信されることを確実
にしている。非近接場モードでは、制御器400は、トランスデューサ210への動力を調節して、鳴る期間の結論に続いて少なくとも1つの有効な反響反射が受信されることを確実にしている。
【0036】
[0041]例えばトランスデューサ115/210のような圧電性結晶の共振振動数は、温度で変化する。超音波130/215の大きさを調節し制御する能力は、共振振動数でトランスデューサ115/210を駆動させることに依存している。制御器400は、温度センサ125により検知される温度に基いて、トランスデューサ115/210に適用されるパルスの振動数を変えることでこの機能を実行する。トランスデューサ115/210の圧電共振振動数と温度との間の関係は、圧電材料の選ばれたタイプ、大きさ、形状、機械的デザインに特有である。温度依存の関係は、経験的にデザインのために測定され、それから、制御器400内の参照テーブル(look-up table)の形で明記される。測定さ
れた温度のために参照テーブル内で特定された振動数を使って、制御器400は、トランスデューサ115/210の駆動振動数を選択して制御する。
【0037】
[0042]超音波130/215は、タンク110を通って伝播し、タンク110の壁の反射と流体内の沈められた他の要素の反射を作り出す。これらの反射は、反射物135及び/又は表面205のところからの反響反射を妨害することができる。これは、偽の反響反射を作り出すことができ、一連の記録された反響反射に加わり、或いは、一連の反響反射
内の所望の反響反射を取り消す。加えて、流体の動き、温度勾配、気泡や他の混入物質は、超音波を妨害し、やがて変化を作り、或いは、受け取られた一連の反響内に雑音を生成する。受け取られた反響が化けていないことを確実にするために、制御器400は、窓フィルタを適用することで、返ってくる一連の反響を確認する。窓フィルタは、返ってくる反響のそれぞれの時間を、測定のたびに起こりうる変化に対する所定の許容範囲とともに、既知の標準時間に対してチェックする。方法の原理は、測定がされた速度と比べて、流体の特性が比較的遅く変わるという事実に基いている。例えば、タンク110がいっぱいであるときを除き、DEFシステムの操作中に、タンク110内の流体105の液位は非常にゆっくりと(例えば、数分以上かけて)変化する。現実的な実行では、測定は毎秒20回なされるのに対し、タンクを満たしたり混入物質を入れたりするのに続けて、流体の特性を変えるのに数10秒かかる。それ故に、予想される、あるいは許可される時間窓のためのパラメータは、設計され、返ってくるそれぞれの反響反射に適用され得る。画定された時間窓内に収まれば、返ってくる反響時間は有効であると見なされる。逆に、画定された時間窓から外れれば、返ってくる反響時間は無効であると見なされる。有効な反響はタンク110内に存在するDEF105の濃度を計算するために使われる一方で、無効の反響時間は制御器400によって捨てられる。
【0038】
[0043]
図6は、自動車グレードのUREAと精製水との複数の混合物(即ち、DEF)における音速対温度のグラフを示している。水の量対UREAに基いて、そして、混合物の濃度に基いて、流体中の音速は、毎秒約1400メートル(m/秒)から約1680(m/秒)まで変わり、質検知システム100(そして結合検知システム300)内では、トランスデューサ115と反射物135との間の物理的距離は、固定される。それ故に、所定の温度では流体中の音速は、関係式によって表される。
【0039】
[0100] 音速(T)= D×N×2/T
ここで、Dは、トランスデューサと反射物との間の距離であり、
Tは、多数の反響反射の時間計測であり、
Nは、反射の数である。
【0040】
[0044]この式に基いて、制御器400は、DEF流体を通過する超音波の温度依存の音速を計算し、それから、計算された音速と測定された温度とを
図6で示されているような参照テーブルに適用することによって、UREA溶液の濃度を決定する。見られるように、多数の反射を使用することは、使われる反射の数と同等の要素によって測定の分解能を改善する。かわりに、
図6からのデータとセンサシステム100の既知の物理パラメータを使って参照テーブルを作ることができ、所定数の反射に対して、測定された温度と確認された反響反射の時間とに基いて、制御器400が、テーブルから流体濃度を直接に補完することを可能にする。参照テーブルを使うことで、制御器400が必要とするメモリを減らし、制御器400の処理速度を改善する。
【0041】
[0045]流体105の濃度をデジタル式あるいはアナログ式で表示するものは、制御器400から出力ドライバ420に伝達され、車両のDEFシステムの機能を管理し制御するための外部の制御装置に測定結果を伝達する。出力ドライバ420
は、車両のデータバスに直接伝達するためのJ1939やCANバスのようなデジタルドライバの形態をしていたり、或いは、出力ドライバ420は、特定用途の必要性に依存して、他の好適なアナログ式又はデジタル式の信号を生成する。
【0042】
[0046]混入物質が、タンク内に取り込まれるのは可能である(例えばタンクを満たしているときが該当する)。表1は、DEFシステムを満たしているとき、特定の32.5%のUREA溶液よりもむしろ取り込まれ得る数多くの潜在的な混入物質のおおよその音速を示す。表1からも判るように、一般の車両用の液体の音速は、DEF溶液とかなり異な
る。混入物質をタンク110内に取り込むことで、液体105の中の音速を変える。そして、このことのために、希UREAのような小さな逸脱のためのUREAの濃度の変化として首尾よく検出でき、或いは、ディーゼル燃料の場合にありがちな大きい逸脱のための範囲外の測定として首尾よく検出できる。
【表1】
【0043】
[0047]DEF溶液105に取り込まれた混入物質は、DEFシステムの能力に影響を与えて、ディーゼル排気物のNOxを窒素や水や二酸化炭素に変える。それ故に、DEF内
に混入物質があるかどうか、そして混入物質が何なのかを決定することが求められている。所定の温度で測定された音速が、UREA濃度参照テーブル内で画定されている音速を超えているときや下回っているときはいつでも、制御器400は、出力ドライバ420で診断出力信号や範囲外出力信号を生成するように構成されることが可能である。かわりに、制御器400は、ディーゼル燃料のような特定の混入物質を選択的に特定し、それから、デジタル式のメッセージの形でその情報を出力するように使用されることが可能であり、或いは、将来の質問のための診断イベントとしてその事象を蓄えるのに使用されることが可能である。どちらの場合でも、範囲外の出力は、DEFシステムが動作を実行してDEFシステムを停止させることを可能とし、或いは、ある場合では、その範囲外の出力は、車両を使用不能にして、DEFシステムの構成要素に回復不可能なダメージが加えられるのを防ぐ。DEFシステムはまた、UREAの質のためにディーゼル排気物内のNOx
が充分に分解できないかどうかを、使用者に通知することもできる(例えば乗り物の計器盤の表示灯を明るくする)。発明の詳細な説明と特許請求の範囲で使われているように、「混入物質」と「混入物」は、混入物質をUREA内へ取り込むこと、そして、UREAを希釈すること(例えば水の取り込み)を表す。
【0044】
[0048]液位検知システム200(そして結合検知システム300)では、トランスデューサ210と流体105の表面205との間の物理的距離は、液体の知られている音速と、トランスデューサ210とタンク110の底部との間に存在するあらゆる機械的なオフセットとに基いて、以下の関係式によって表されるように、計算され得る。
【0045】
[0101] 液位=オフセット+音速(t)×T/2
ここで、オフセットは、タンク110の底部とトランスデューサ210との間の機械的なオフセットであり、
音速(t)は、流体の温度依存の音速であり、
Tは、確認された反響反射の時間測定である。
【0046】
[0049]DEFタンク内の水の量対UREAと、混合物の温度とに基いて、流体を通る音速は、室温でおおよそ毎秒1530メートル(m/秒)から約1680m/秒に変化することがある(
図5と表1を参照せよ)。通常の操作では、DEFシステムは、32.5%のUREA濃度で働き、室温で音速1630m/秒に終わる。
【0047】
[0050]制御器400は、知られている機械的なオフセットと、反響反射Tの測定された時間と、DEF流体105を通る超音波215の温度依存の音速とに基いて、流体の液位を計算する。参照テーブルは、好適には、測定された温度に基いた温度依存の音速を計算するのに使われる。代わりに、検知システム200の知られている物理的パラメータと流体105の温度依存の音速データとを使って、参照テーブルを作ることができ、その結果、測定された温度と確認された反響反射時間Tとに基いて、制御器400が直接テーブル中の流体の液位を補完することを可能にする。そのようなテーブルを使うことで、メモリ領域の容量を減らし、制御器400の処理速度を改善する。
【0048】
[0051]液位のデジタル式あるいはアナログ式の表示は、制御器400から出力ドライバ420に連絡され、測定結果は車両のDEFシステムの機能を管理し制御するための外部制御器に伝達される。出力ドライバ420は、車両のデータバスに直接伝達するためのJ1939やCANバスのようなデジタル式ドライバの形態をしていたり、或いは、出力ドライバ420は、特定用途の必要性に依存して、他の好適なアナログ式又はデジタル式の信号を生成する。
【0049】
[0052]混入物質がDEF105と結合するようになるとき、結合した流体を通る音速は劇的に変化することがある。混入物質は、タンク110内に取り入れられるより前に、DEF105と混ぜられることがあり、或いは、混入物質がDEF105と混ざりながら直接タンク110に入れられることがある。表1中の多くの潜在的な混入物質は、32.5%のUREAで構成されているDEF溶液内の音速より遅い音速を有する。特に、ディーゼル燃料、ブレーキ流体、動力操舵流体、洗浄流体、そして水のすべては、32.5%のUREA溶液と関連のある1630m/秒の音速より遅い音速を有する。より遅い音速のために、特定のDEF溶液のために生じたそれを超えて、反射した反響のための測定回数の増加という結果となる。それゆえに、タンクを満たしているときに混入物質が取り込まれると、液位検知システム200は、タンク110の容量を超えて液位計測を生成する。これを知っていると、制御器400は、計算上の液位をタンク110の絶対的物理的容量と比較することで、混入物質がタンク110に取り込まれたかどうかを決めるための信頼性検査(plausibility check)を行うようにプログラムされることが可能である。
【0050】
[0053]制御器400は、測定された液位がUREAタンクの容量を超えるときはいつでも、診断出力信号や範囲外出力信号を生成する。この範囲外出力のために、DEFシステム制御器は動作が可能となり、DEFシステムを停止し、或いは、特定の場合では車両を停止させて、DEFシステムの構成要素に回復不可能なダメージが加えられることを防ぐ。DEFシステムはまた、UREAの質がディーゼル排気物内のNOxを十分に分解でき
ないかどうかを使用者に知らせることができる(例えば車両の計器盤の表示灯を点灯させる)。
【0051】
[0054]DEF流体よりも高濃度のエチレングリコールや他のもののような混入物質を取り込むことで、DEF内に層を形成することが可能であり、検知システム300を覆う重い混入物質で層を形成し、その上に軽いDEFの層を形成する。そのような場合、質(濃度)の測定は、混入物質の特性を反映し、検知システム300は、以前説明したように、適切な出力を生成するであろう。質検知システム100もまた、高濃度の混入物質を検知する。
【0052】
[0055]例えばディーゼル燃料、ブレーキ流体、ガソリンやその他のような、DEF流体よりも低濃度の混入物質を取り込むことで、DEFタンク110内に層を形成することが可能であり、検知システム300を覆う重いDEF流体層で層を形成し、その上に軽い混入物質の層を形成する。そのような場合、質検知トランスデューサ115によって生成される濃度測定は、正常であると見られるであろうし、一方、液位検知トランスデューサ2
10からの液位測定は、低濃度の混入物質の層を通過する音波がより長い時間をかけて移動するために、DEF105のずっと高い液位を示唆するであろう。より遅い音速のために、特定のDEF溶液のために生じたそれを超えて、反射した音響の測定回数の増加という結果となる。従って、タンクが一杯のときに混入物質が取り込まれると、液位検知機能は、タンク110の容量を超えて、液位測定を生成するであろう。制御器400は、信頼性検査を実行するようにプログラムされており、決定された液位がタンク110内の最大液位を超えているどうかを決定する。制御器400は、測定された液位がタンク110の容量を超えるときはいつでも、出力ドライバ420を通じて、質センサ出力及び/又は液位センサ出力のための診断メッセージや範囲外出力信号を生成する。
【0053】
[0056]範囲外出力のために、DEFシステム制御器は動作が可能となり、DEFシステムや車両を停止させて、DEFシステムの構成要素に回復不可能なダメージが加えられるを防ぎ、加えて、UREAの質がディーゼル排気物内のNOxを十分に分解できないかど
うかを使用者に知らせることができる(例えば車両の計器盤の表示灯を点灯させる)。
【0054】
[0057]制御器400はまた、仮にタンク内に残っているDEF流体105の液位が質検知トランスデューサ115を沈めるのに十分で、ディーゼル燃料、ブレーキ流体、ガソリンやその他の場合のように、タンク110内に取り込まれる混入物質がDEFよりも軽いのであれば、タンク充填中に混入物質の取り込みを特定することもできる。そのような場合、結果として生じる混合物は、タンクの底部上に層を形成している重めのDEFと、そのDEFの上に層を形成している汚れた流体とを階層化する。質モード操作で生成された反響反射の時間に対する液位モード操作で生成された反響反射の時間の間の比に基いた液位計測は、質検知時間測定に使われるDEF層と、液位検知時間測定に使われるDEF/混入物質の混合物との間の異なる音速のために、タンクの容量を超えるだろう。
【0055】
[0058]検知システム300は、システム300の様々な構成要素の欠陥を検知することを可能にする内蔵された診断機能を含んでいる。例えば、システム300は、UREAの液位が減ると同時にUREAの濃度水準の減少を検知するとき(例えば希釈されるとき)、エラーがあると決定する。このことは、質トランスデューサ115を使用して決定された音速が実際の音速よりも遅いときに引き起こされることがある。UREAが希釈されつつあるとシステム300が決定するとき、計算される音速は増加する。音速を決定する上でのエラーのため、タンク110はUREAの希釈を引き起こしながら満たされるが、液位の決定によりUREAの液位が実際に減少していることが計算されることを可能となる。UREAの液位が減っているときUREAは希釈されることはないので、システム300は、エラーが存在していると決定する。
【0056】
[0059]加えて、質トランスデューサ115を使って決定している音速が実際の音速より速いのであれば、システム300は、タンク110内のUREAの液位が実際より高いと決定する。タンク110が満たされるとき、計算された液位が、知られている実際の最高の液位を超えるポイントがある。そのような場合、システム300は、エラーが存在していると決定する。
【0057】
[0060]温度センサ125の間違いに続いて、検知システム300は、減少した機能を備えて動作を続ける。温度センサ125が機能しないとき、制御器400は、質モード操作(トランスデューサ115)で生成された反響反射の時間に対する液位モード操作(トランスデューサ210)で生成された反響反射の時間の間の比に基いて、流体の液位を計算する。質機能が固定された既知の距離(例えば反射物135)に矛盾するのであれば、制御器は、受信された反響時間の測定された比で、質検知トランスデューサ115と反射物135との間の距離を拡大することで、流体の液位を計算することができる。
【0058】
[0061]このように、本発明は、タンク内の液体の質及び/又は深さを実際に決定するシステムと方法とを提供する。
〔態様1〕
タンク内の流体の質及び/又は量を決定するシステムであって、
音波を生成し当該音波の反響を検知するように構成されたトランスデューサであって、固定された物体に向けて音波が移動するようにタンクの底部付近に配置され、当該固定された物体が当該トランスデューサから既知の距離だけに離れて配置されている、トランスデューサと、
流体の温度を検知するように構成された温度センサと、
制御器であって、
前記トランスデューサを駆動して音波を生成させるための信号を生成し、
検知された反響の指標を前記トランスデューサから受信し、
流体の温度の指標を前記温度センサから受信し、
前記流体の温度、及び、前記音波が生成されるときから前記反響が検知されるときまでの期間に基いて、当該流体内に汚染が存在しているか否かを決定する、ように構成された制御器と、
を備える、システム。
〔態様2〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記トランスデューサは、超音波を生成する、システム。
〔態様3〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記トランスデューサを駆動する信号の大きさを変えることによって、受信される反響の質を改善するように音波を調節する、システム。
〔態様4〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記トランスデューサを駆動する信号のパルスの量を変えることによって、受信される反響の質を改善するように音波を調節する、システム。
〔態様5〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記トランスデューサの温度依存の共振振動数に合う振動数で当該トランスデューサを駆動する、システム。
〔態様6〕
態様5に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記トランスデューサの前記温度依存の共振振動数を決定するために、参照テーブルを使う、システム。
〔態様7〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、反響が所定の時間制限内に前記トランスデューサによって受信されるとき、検知された反響が有効であると判断する、システム。
〔態様8〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、反響の大きさが所定の範囲内であるとき、検知された反響が有効であると判断する、システム。
〔態様9〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、反響の存続時間が所定の時間範囲内であるとき、検知された反響が有効であると判断する、システム。
〔態様10〕
態様1に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、継続する反響間の時間を測定し平均化することによって、決定される反響時間の分解能を増やす、システム。
〔態様11〕
タンク内の流体の質及び/又は量を決定するシステムであって、
音波を生成し当該音波の反響を検知するように構成されたトランスデューサと、
流体の温度を検知するように構成された温度センサと、
制御器であって、
第1の音波を生成するトランスデューサを駆動させるための第1の信号を生成し、
前記トランスデューサから第1の検知される反響の指標を受信し、
前記温度センサから流体の温度の指標を受信し、
前記第1の検知される反響が近接場時間内に受信されたか否かを決定する、ように構成された制御器と、
を備える、システム。
〔態様12〕
態様11に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記第1の検知された反響が前記近接場時間内であったとき、第2の反響を検知するようにさらに構成されている、システム。
〔態様13〕
態様12に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記検知された第2の反響の大きさが所定の閾値より小さいとき、前記トランスデューサを駆動させて第2の音波を生成させるために、前記第1の信号とは異なる第2の信号を生成し、
前記制御器は、第2の音波の第1の反響が近接場時間内に検知されるか否かを決定し、当該第2の音波の当該第1の反響が前記近接場時間内にあるとき、当該第2の音波の第2の反響を検知する、システム。
〔態様14〕
態様13に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記閾値より大きい第2の反響が検知されるまで、更に異なる信号を生成する、システム。
〔態様15〕
態様12に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、流体の温度と、前記第1の反響が検知されるときから前記第2の反響が検知されるときまでの期間とに基いて、当該流体内の混入物質の存在と、当該流体の量のうちのいずれか一方を決定する、システム。
〔態様16〕
態様11に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、超音波トランスデューサの鳴る時間を監視し、当該鳴る時間の終わりに続く所定の期間内に検知される反響を無視するようにさらに構成されている、システム。
〔態様17〕
態様16に記載のシステムにおいて、
近接場時間は、多数の前記鳴る時間に基いて計算される、システム。
〔態様18〕
態様11に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記トランスデューサを駆動する信号の大きさを変えること、当該トランスデューサを駆動する信号のパルスの量を変えることの少なくとも一方によって、音波を調節して受信される反響の質を改善する、システム。
〔態様19〕
態様11に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記トランスデューサの温度依存の共振振動数に適合する周波数で当該トランスデューサを駆動し、
前記制御器は、参照テーブルを使って、前記トランスデューサの前記温度依存の共振振動数を決定する、システム。
〔態様20〕
態様11に記載のシステムにおいて、
前記検知された反響が、所定の時間制限内に前記トランスデューサによって受信され、所定の範囲内に収まる大きさを有し、所定の時間範囲内で継続し、或いは、これらの組み合わせを有するとき、前記制御器は、当該反響が有効であると決定する、システム。
〔態様21〕
態様11に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記第1の検知された反響が前記近接場時間内であったとき、第2の反響を検知するようにさらに構成され、
前記制御器は、前記検知された第2の反響の大きさが所定の閾値より小さいとき、前記トランスデューサを駆動させて第2の音波を生成させるために、前記第1の信号とは異なる第2の信号を生成し、
前記制御器は、第2の音波の第1の反響が近接場時間内に検知されるか否かを決定し、当該第2の音波の当該第1の反響が前記近接場時間内にあるとき、当該第2の音波の第2の反響を検知し、
前記制御器は、前記閾値より大きい第2の反響が検知されるまで、更に異なる信号を生成するようにさらに構成されている、システム。
〔態様22〕
タンク内の流体の質及び/又は量を決定するシステムであって、
第1の音波を生成し、当該第1の音波の反響を検知するように構成された第1のトランスデューサと、
第2の音波を生成し、当該第2の音波の反響を検知するように構成された第2のトランスデューサであって、当該第2の音波が当該第2のトランスデューサから既知の距離だけ離間して固定された構造物から反射している、第2のトランスデューサと、
流体の温度を検知するように構成された温度センサと、
制御器であって、
前記第1のトランスデューサを駆動させて第1の音波を生成させる第1の信号を生成し、
前記第1のトランスデューサからの第1の検知された反響の指標を受信し、
前記温度センサから流体の温度の指標を受信し、
前記第1の検知される反響が近接場時間内に受信されたか否かを決定する、ように構成された制御器と、
を備える、システム。
〔態様23〕
態様22に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記第1の検知された反響が前記近接場時間内であったとき、第2の反響を検知するようにさらに構成され、
前記制御器は、前記検知された第2の反響の大きさが所定の閾値より小さいとき、前記トランスデューサを駆動させて第2の音波を生成させるために、前記第1の信号とは異なる第2の信号を生成し、
前記制御器は、前記第2の音波の第1の反響が近接場時間内に検知されるか否かを決定し、当該第2の音波の当該第1の反響が前記近接場時間内にあるとき、当該第2の音波の第2の反響を検知し、
前記制御器は、前記閾値より大きい第2の反響が検知されるまで、更に異なる信号を生成するようにさらに構成されている、システム。
〔態様24〕
態様23に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記第2の音波が生成されるときから反響が検知されるときまでの期間に基いて、前記流体内の混入物質の存在を決定し、
前記第1の音波が生成されるときから前記第1の反響が検知されるときまでの期間と、当該第1の反響が検知されるときから前記第2の反響が検知されるときまでの期間のいずれか一方に基いて、前記タンク内の流体の量を決定する、システム。
〔態様25〕
態様24に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、流体内の温度を使用して、当該流体内の混入物質の存在と、前記タンク内の当該流体の量を決定する、システム。
〔態様26〕
態様22に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記第1のトランスデューサを駆動する信号の大きさを変えること、当該第1のトランスデューサを駆動する信号のパルスの量を変えることの少なくとも一方によって、第1の音波を調節して受信される反響の質を改善し、
前記制御器は、前記第2のトランスデューサを駆動する信号の大きさを変えること、当該第2のトランスデューサを駆動する信号のパルスの量を変えることの少なくとも一方によって、第2の音波を調節して受信される反響の質を改善する、システム。
〔態様27〕
態様22に記載のシステムにおいて、
前記制御器は、前記第1及び第2のトランスデューサの温度依存の共振振動数に適合する周波数で当該第1及び第2のトランスデューサを駆動し、
前記制御器は、参照テーブルを使って、前記第1及び第2のトランスデューサの前記温度依存の共振振動数を決定する、システム。
〔態様28〕
態様22に記載のシステムにおいて、
前記第1の音波の前記検知された反響が、所定の時間制限内に前記第1のトランスデューサによって受信され、所定の範囲内に収まる大きさを有し、所定の時間範囲内で継続し、或いは、これらの組み合わせを有するとき、前記制御器は、当該反響が有効であると決定し、
前記第2の音波の前記検知された反響が、所定の時間制限内に前記第2のトランスデューサによって受信され、所定の範囲内に収まる大きさを有し、所定の時間範囲内で継続し、或いは、これらの組み合わせを有するとき、前記制御器は、当該反響が有効であると決定する、システム。
〔態様29〕
態様22に記載のシステムにおいて、
前記第2の音波が生成されるときから前記反響が検知されるときまでの期間に基いて、及び、前記第1の音波が生成されるときから前記第1の反響が検知されるときまでの期間と、当該第1の反響が検知されるときから前記第2の反響が検知されるときまでの期間のうちの一方に基いて、前記制御器は、前記タンク内の流体の量を決定する、システム。
〔態様30〕
タンク内の流体の質及び/又は量を決定するシステムであって、
第1の音波を生成し、当該第1の音波の反響を検知するように構成された第1のトランスデューサと、
第2の音波を生成し、当該第2の音波の反響を検知するように構成された第2のトランスデューサであって、当該第2の音波が当該第2のトランスデューサから既知の距離だけ離間して固定された構造物から反射している、第2のトランスデューサと、
流体の温度を検知するように構成された温度センサと、
前記第1のトランスデューサと、前記第2のトランスデューサと、前記温度センサと、に連結され、内蔵された診断機能を有する制御器であって、
流体内を通る不正確な計算された音速に基いてエラー条件を検知し、
前記検知されたエラー条件を示す信号を生成する、ように構成された、制御器と、
を有する、システム。
〔態様31〕
態様30に記載のシステムにおいて、
流体を通る前記計算された音速が誤って低く、
前記制御器は、流体の決定された希釈と、希釈に基づいたエラー状態と、流体の液位内の決定された降下とに基いて、前記エラー条件を検知する、システム。
〔態様32〕
態様30に記載のシステムにおいて、
流体を通る前記計算された音速が誤って高く、
前記制御器は、最大限を超える流体の決定された液位に基いて、エラー状態を検知する、システム。