特許第6286020号(P6286020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6286020不審な行動の認識のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286020
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】不審な行動の認識のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/20 20170101AFI20180215BHJP
   A61J 7/00 20060101ALI20180215BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   G06T7/20 300A
   A61J7/00 Z
   H04N7/18 D
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-502659(P2016-502659)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-526193(P2016-526193A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】US2014027901
(87)【国際公開番号】WO2014152828
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年1月20日
(31)【優先権主張番号】13/831,555
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515250819
【氏名又は名称】エイ・アイ・キュア・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AI CURE TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハニナ,アダム
(72)【発明者】
【氏名】グアン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ライ,デフア
【審査官】 ▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−123019(JP,A)
【文献】 特開2010−035885(JP,A)
【文献】 特開2009−075802(JP,A)
【文献】 特開2008−269063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 − 7/90
A61J 7/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤投与確認装置であって、
薬剤投与に関連した行為の特定のシーケンスを実行するようにユーザを促すための、1つ以上のインストラクションを表示するためのディスプレイと
薬剤を投与するユーザの1つ以上のビデオシーケンスをキャプチャするためのビデオキャプチャデバイスと、を含み、キャプチャされているビデオの少なくとも一部は前記ディスプレイに表示され、且つ前記ビデオキャプチャデバイスによってキャプチャされた視野の部分は前記ディスプレイに表示され、
さらに、
キャプチャされた前記1つ以上のビデオシーケンスを格納するためのメモリと、
ユーザを代表する不審な行動の1つ以上の兆候を決定するよう、格納された前記ビデオシーケンスの少なくとも1つを分析するためのプロセッサとを含む、薬剤投与確認装置。
【請求項2】
前記不審な行動の1つ以上の兆候は、前記ビデオキャプチャデバイスの視野を離れるユーザの顔、口に移動するユーザの手、および前記行為の特定のシーケンスのうちの1つ以上の行為を実行するユーザのタスクの際の時間の分析の結果の1つ以上を含む、請求項1に記載の薬剤投与確認装置。
【請求項3】
薬剤を投与するユーザの1つ以上のビデオシーケンスをキャプチャするためのオーディオキャプチャデバイスと、
キャプチャされた前記1つ以上のオーディオシーケンスを格納するためのメモリと、
ユーザを代表する不審な行動の1つ以上の兆候を決定するよう、格納された前記オーディオシーケンスの少なくとも1つを分析するためのプロセッサとをさらに含む、請求項1または2に記載の薬剤投与確認装置。
【請求項4】
前記薬剤投与は錠剤の摂取、溶解可能なフィルムの摂取、吸入器の作動、および注射可能な薬剤装置の作動の1つ以上を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の薬剤投与確認装置。
【請求項5】
薬剤投与を確認するための方法であって、
ビデオキャプチャデバイスによって、薬剤を投与するユーザの1つ以上のビデオシーケンスをキャプチャするステップと、
オーディオキャプチャデバイスによって、薬剤を投与するユーザの1つ以上のオーディオシーケンスのキャプチャするステップと、
キャプチャされた前記ビデオシーケンスおよびオーディオシーケンスの1つ以上を一時的でないメモリに格納するステップと、
前記ユーザを代表する不審な行動の1つ以上の徴候を決定するよう、1つ以上の格納された前記ビデオシーケンスおよびオーディオシーケンスの少なくとも1つを分析するステップと
複数のユーザからの複数の格納されたビデオシーケンスおよびオーディオシーケンスから不審な行動の1つ以上の徴候を識別するステップと、
不審な行動の1つ以上の識別された前記徴候の1つ以上に関連付けられるフィルタを生成するステップと、
格納された前記ビデオシーケンスおよびオーディオシーケンスの少なくとも1つに前記フィルタを適用するステップと、を含む、方法。
【請求項6】
前記不審な行動の1つ以上の徴候は、前記ビデオキャプチャデバイスの視野から離れるユーザの顔と、口に移動するユーザの手と、錠剤が口の中にある際に咳をするユーザと、錠剤を吐き出すユーザとの群から選択される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、「患者の行動の認識のための装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR RECOGNITION OF PATIENT ACTIVITIES)」という名称を有する、2011年9月18日に出願されHaninaらに譲受された現在係属中の米国特許出願連続番号第13/235,387号の一部継続出願であり、米国特許出願連続番号13/235,387号は、「患者の行動の認識のための装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR RECOGNITION OF PATIENT ACTIVITIES)」という名称を有する、2011年6月19日に出願されHaninaらに譲受された現在係属中の米国仮特許出願連続番号第61/498,576号の利益を主張し、これらの出願の各々のすべての内容は、本願明細書において参照により援用される。また、この出願は、「プロトコル遵守データを取得する際の患者の行動の認識のための装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR RECOGNITION OF PATIENT ACTIVITIES WHEN OBTAINING PROTOCOL ADHERENCE DATA)」という名称を有する、2010年6月14日に出願されHaninaらに譲受された現在係属中の米国特許出願連続番号第12/815,037号の一部継続出願であり、米国特許出願連続番号第12/815,037号は、「プロトコル遵守データを取得する際の患者の行動の認識のための装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR RECOGNITION OF PATIENT ACTIVITIES WHEN OBTAINING PROTOCOL ADHERENCE DATA)」という名称を有する、2010年5月6日に出願されHaninaらに譲受された米国仮特許出願連続番号第61/331,872号の利益を主張し、これらの出願の各々のすべての内容は、本願明細書において参照により援用される。さらに、この出願は、「薬剤遵守を監視するための方法および装置(METHOD AND APPARATUS FOR MONITORING MEDICATION ADHERENCE)」という名称を有する、2011年7月24日に出願されHaninaらに譲受された現在係属中の米国特許出願連続番号第13/189,518号の一部継続出願であり、米国特許出願連続番号第13/189,518号は、「薬剤遵守を監視するための方法および装置(METHOD AND APPARATUS FOR MONITORING MEDICATION ADHERENCE)」という名称を有する、2011年6月10日に出願されHaninaらに譲受された米国仮特許出願連続番号第61/495,415号の利益を主張し、これらの出願の各々のすべての内容は、本願明細書において参照により援用される。
【0002】
分野
この発明は一般的に、薬剤の摂取を含む薬剤投与プロトコルシナリオにおける患者の準拠に関し、より特定的には、ユーザの身体へのそのような薬剤投与および薬剤の摂取、患者の口に薬剤を配置すること、または患者の身体に薬剤を移す他の方法に関係する患者の動作に関係するデータの収集、分析および送信のための装置および方法に関し、患者側での不審または意図的に悪意のある行動を識別するための特徴を含む。
【背景技術】
【0003】
背景
ドクター・ラーズ・オスターバーグ(Lars Osterberg)M.D.およびドクター・テレンス・ブラシュケ(Terence Blaschke)は、New England Journal of Medicine, Adherence to Medication, (N Engl J Med 2005; 353:487-97) 2005において、必要とされる薬剤プロトコルへの遵守が驚くべきほど欠如していることを報告しており、さらに、臨床試験における遵守の平均レートは「高い」と分類されるが、この数はそれでも43〜78パーセントのレートを含むだけであることを述べている。最も重要なことに、当該著者らは、「医師が不順守を認識する能力は貧弱であり、遵守を向上させる介入は種々の結果をもたらす」(Adherence, p. 487.)と述べている。著者らは、「薬剤の養生法の遵守が貧弱であることは一般的であり、病気の実質的な悪化、死および医療費の増加に寄与している」と結論付けている(Adherence, p. 494.)。Trend Repot Series, 2008 Patient Adherence Update: New Approaches for Success,(2008年10月)も、同様の落胆させる統計を報告している。この広い範囲は、FDAの承認プロセスにおける公衆の信頼および当該プロセスの全体にわたる薬の継続的な監視の重要性におそらく寄与し得る。さらに、これは、Journal of the American Medical Association (JAMA)(2002年5月1日)によると、米国において市場に出る新しい医薬品の1/5が、承認の時に未知であったかまたは開示されていなかった重大な悪影響または生命に危険のある悪影響を有することが発見されていることを説明する助けとなり得る。これが、貧弱な遵守と患者に対する潜在的な危険との背景であり、本発明が対処するものである。
【0004】
個人による適切な薬剤摂取または投与を保証するための方法およびシステムは、不必要な病気、死および他の問題から保護することにおいて非常に重要であるということが広く認識されている。インストラクションを与えた後、患者に独力で行なわせることは、あまりうまくいかないと示された。これは、単に薬の不適当な摂取が医療の危険の根本原因であるわけではないからである。正確に言えば、十分な患者ガイダンスの全体的な欠如もその問題の一部である。さらに、そもそもユーザに提供されている適切な処方養生法を確認することができないことによって、そのような薬剤の使用に関する多くの他の問題が引き起こされ得る。WHOによって結核薬剤の投与のようなさまざまな公衆衛生薬剤投与の状況に関して示されるように、直接監視下治療(Directly Observed Treatment(DOT))は患者の準拠を向上させる(Global Tuberculosis Control: A Short Update to the 2009 Report, World Health Organization, 2009.)。このレポートにおいて示されるように、DOTプログラムを実現するための費用は高い。したがって、このようなプログラムをより少ない経済的負担で実現することができることが望ましいであろう。
【0005】
従来、参加者は個人で、臨床試験のためのイントロダクションおよびフォローアップに参加している。特定の薬剤プロトコルを遵守しようとする臨床試験セッティングの外側の他の患者も、同様に処方と処方医療プロバイダまたは処方医者によるインストラクションの特定の組とが与えられる。次いで、当該処方専門家による次の訪問の際に、未使用の薬剤を数える従来の方法および患者のインタビューを通じて、準拠が測定される。したがって、データ収集は同様に、日単位ではなく患者訪問に限定されている。患者への質問および薬剤を数えることのようなこれらの古い方法は、遵守の不適切な測定であると証明されており、服用のタイミングおよび休薬期間(連続する3日以上の間の投薬の除外)についての情報を提供しない。
【0006】
準拠および薬剤遵守の技術によって、臨床試験の統計的検出力が増加され得る。そのような技術の使用を通じて、臨床徴候は、薬剤使用履歴に正確にリンクされ得る。キャプチャされたデータは、EDC、患者のダイアリー、および医師によって収集されたデータのような他のソースにリンクされ得る。技術は、遠隔訪問およびデータ収集について多くの可能性を生み出し得る。RFID対応コンピュータチップ技術、スマートブリスターパック、およびMEMSキャップ(ボトルキャップにおけるマイクロプロセッサ)といった、スマートパッケージ技術が存在しているが、これらは、a)侵襲性であり、また薬剤に物理的に付与される必要があり、b)患者が薬剤の摂取なく当該技術をアクティベートし得るといったように準拠に関して非決定的であり、c)高コストにより、製薬会社およびバイオ技術会社によって臨床試験においてあまり採用されないままであり、d)実施するのに長い時間がかかる。また、電子患者ダイアリーは、患者によってデータの入力の容易さを可能にする。しかしながら、これらのダイアリーはそれでも、薬剤遵守への準拠に関係する問題の対象である。したがって、患者がダイアリーへ情報を入力することに注意深く、したがってデータ入力の要件に準拠していても、所定の時に適切に薬剤を服用しているという保証はない。この問題は、参加者が不審な行為を実行している場合または別の態様で悪意を持って薬剤の服用を回避している場合にさらに深刻になる。
【0007】
Jo Carolらは、「臨床設定において実際的でないが、研究目的のために最も信頼性のある方法は、錠剤のカウント、患者の自己報告、および電子的な監視を含む組合せアプローチであり得る」と述べている(Carol J. et al, Patterns to Antiretroviral Medication, The Value of Electronic Monitoring, AIDS, 17 (12), ppl, 763-767,2003年10月)。現在、技術は単に、遵守を奨励するのではなく、遵守を監視するためにのみ使用されるだけである。これらの技術はさらに、意図的に薬剤を服用しない患者に対する具体的な防御を提供しない。
【0008】
いつ薬剤を服用すべきかに関してインストラクションをユーザに提供し、薬剤を服用したことをユーザが示すと記録を行う多くのシステムが存在する。米国特許第7,359,214号はそのようなシステムを記載する。服用すべき薬剤に関して患者にインストラクションを提供する装置が提供される。さらに、システムは、患者の状態および患者の既に服用しているかもしれない他の薬剤が与えられた状態で、処方が適切であると決定するための方法を提供し得る。当該システムは、所定の治療プロトコルに従って薬の調剤を監視し得る。このようなシステムは、患者に対する負担を緩和することについて多くの改良を提供している一方、多くの点において、特に、臨床試験の投与および薬剤遵守の他の能動的な患者監視に関連する点において、苦慮している。
【0009】
最も重要なことに、このシステムは、特定の養生法の遵守が処方養生法の効能に決定的であると証明され得る場合において、さまざまな公衆衛生のシナリオにおいて、処方養生法に従わないことで抗生物質耐性菌種の発生のように潜在的に集団全体を害し得る状況において、さまざまな疾病管理シナリオにおいて、あるいは、監督する医療従事者の適切な制御を維持することが重要である在宅医療の状況において、口に薬剤錠剤を配置すること、または、処方医師によって処方されたように臨床薬品試験において求められるような所定の一連のステップに従って薬剤を注射もしくは吸入することを含む、患者が実際に必要な薬剤を適切に投与していることを実際に確認するためのメカニズムを提供していない。さらに、当該システムは、心的能力を完全に保持している人には十分であり得るが、指示に従うのに困難を有する人または積極的に薬剤を回避している人は、調剤された後に、必要な薬剤を服用していない場合がある。したがって、参加者は、忘れやすいか、視覚障害があるか、意図的に薬剤の服用を回避するか、またはそうでなければ、このような薬剤を服用する利益を信じていない場合があるので、適切に薬剤投与のログを取っていない場合がある。さらに、システムは、ディスペンサの中にさまざまな薬剤の事前装填を必要としているので、適切な薬剤が適切に実際に装填されていることを確認するために管理マネージャによる定期的訪問を必要とする。経験のないユーザがデバイスに間違った薬剤を配置し得ること、または、なぜかデバイスに間違った投薬量を与え得ることが確実に起こり得る。さらに、潜在的により複雑な養生法の場合、ユーザがそのようなプロトコルに従うことができ、その後、任意の提供されたインストラクションなどに従ってユーザが実際に必要な薬剤をすべて服用したこと、または、1つ以上の説明書に従って薬剤を服用したかもしくは示唆された処置に従ったことを確認することができることを保証するために提供される方法は存在しない。さらに、このシステムは、高価であり、さまざまな機械部品が正常動作していることを確認するために一定のメンテナンスを必要とする。最後に、統合失調症の人々、刑務所の人々、または他のグループといったさまざまな患者集団においての場合のように、当該システムを欺こうとし、意図的に薬剤を服用しない参加者への考慮は存在しない。
【0010】
「携帯無線薬剤管理システム(Mobile Wireless Medication Management System)」という名称を有する、2007年8月16日に出願された米国特許出願連続番号第11/839,723号は、ユーザが服用される錠剤をシステムに示すことができ、その後、システムが薬剤を識別し得るように携帯デバイスおよびイメージング技術を使用する薬剤管理システムを提供する。システムが測定するさまざまな生命徴候を含む患者の履歴は管理者に利用可能である。患者、プロバイダ、または薬剤容器などの画像も撮影され得る。当該システムは、プロトコルへの遵守を保証することを明示するが、ユーザによって要求された場合にのみこのような補助を提供する。実際には、薬剤の摂取、吸入、注射、または、時間にわたる薬の効能もしくは安全性に対する遵守の関係を含む実際の遵守を保証する特定の態様が存在しない。臨床試験について所定のプロトコルへの遵守を必要とする場合、これは特に重要である。
【0011】
さらに、既存のシステムは、医療職員または他の臨床試験管理者による投与後調査のための監査追跡を維持できず、したがって、適切な薬剤投与の確認または集団管理を確認できない。したがってこれはまた、意図的に薬剤を服用しない不審または悪意のある薬剤ユーザに対して防御できない。
【0012】
したがって、先行技術の欠点を克服する装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
概要
その内容が参照によって本願明細書において援用される、「薬剤投与遵守の証明のための方法および装置(Method and Apparatus for Verification of Medication Administration Adherence)」という名称を有する、2009年11月18日に出願された現在係属中の米国特許出願連続番号第12/620,686号と、「臨床試験遵守の証明のための方法および装置(Method and Apparatus for Verification of Clinical Trial Adherence)」という名称を有する、2009年12月23日に出願された現在係属中の米国特許出願連続番号第12/646,383号と、「臨床試験の管理のための方法および装置(Method and Apparatus for Management of Clinical Trials)」という名称を有する、2009年12月23日に出願された現在係属中の米国特許出願連続番号第12/646,603号と、「プロトコル遵守データの収集のための装置および方法(Apparatus and Method for Collection of Protocol Adherence Data)」という名称を有する、2010年3月22日に出願された現在係属中の米国特許出願連続番号第12/728,721号とにおいて、本発明の発明者らは、所定の薬剤プロトコルへの遵守の完全な制御および証明を可能にするシステム、方法および装置を提案し、または、ヘルスケアプロバイダのケアにおいてかもしくは患者による在宅ケア状況において自己投与された場合にかかわらず、臨床試験セッティングにおけるマシンもしくは装置の使用を提案した。
【0014】
これらの出願は、ユーザが実際にプロトコルに従っているかどうか決定し得、ユーザの検出された1つ以上の行為に基づく1つ以上のインタラクティブおよびリアルタイムオーディオ、ビジュアル、テキストなどのプロンプトを好ましくは含むインストラクションから始まる付加的な補助をユーザに提供し、臨床試験セッティング、在宅医療セッティング、ならびに、老人ホーム、クリニックおよび病院などといったヘルスケア管理場所を含む任意の医療遵守状況および臨床試験セッティングにおいてユーザがそのような支援を必要とするであろうことが決定される場合に薬剤管理者からの接触に移る唯一の薬剤管理システムを提示する。
【0015】
本発明のソリューションは、これらの元々の発明の上に構築されたものであり、ユーザの不審な行動を検出するとともに意図的に薬剤を服用しないユーザを阻止するために、これらのシステムに従って使用され得る1つ以上の特徴を提供する。本発明のシステムは、各々が薬剤投与プロセスの部分を含む行為の固定された連なりを視覚的および聴覚的に認識し得、オーディオ、ビデオであっても、かつ、口頭摂取、注射可能、吸入可能、または他の投与された薬剤を監視するために使用されたとしても、行為の固定された連なりからの逸脱をさらに認識し得る。システムはさらに、何かが正しくないか、間違っているか、または不審であると識別されると、患者とリアルタイムで相互作用し、異なる行為を促すか、または、警報を引き上げてヘルスケアプロバイダによる介入を推奨するかのいずれかを行い得る。
【0016】
本発明の実施形態に従うと、錠剤もしくはフィルムベースの経口薬剤または注射可能、吸入器ベース、他の非錠剤ベースの薬剤の投与、あるいは、実行され得る任意の他の形態の患者投与タスクに関するモーション情報をキャプチャするためのモーションキャプチャプロシージャが、上で参照された出願に示される発明の1つ以上に従って利用され得る。したがって、本発明の実施形態に従うと、不審であると考えられる何らかの行為を参加者が実行する回数を決定するために、好ましくはユーザにフィードバックを提供するようほぼリアルタイムで、キャプチャされた患者のモーションデータを分析するための方法および装置が提供され得る。さらに、患者動作情報は、患者側での何らかの悪意のある意図を示唆し得るデータの他の特徴を決定するよう非同期で分析され得る。
【0017】
さらに本発明の実施形態に従うと、1つ以上の所定のモーションシーケンスが決定され得、1つ以上の関連エラーまたは他の不審な行動がこれらの1つ以上のモーションシーケンスの各々に関係付けられて規定され得る。その後、本発明の自動システムは、時間にわたって潜在的に不審な挙動のパターンを決定するために、これらの不審な1つ以上の行動が薬剤投与の間および複数の投与にわたって行なわれ得る回数を監視し得る。
【0018】
本発明のさらに他の目的および利点は、明細書および図面から部分的に明確であり、部分的に明らかになる。
【0019】
したがって、本発明は、以下の詳細な開示において例示されるように、いくつかのステップと、他の各々に対するこのようなステップの1つ以上の関係と、このようなステップに作用するよう適合される構造の特徴、要素の組合せおよび部分の配置を実施する装置とを含み、本発明の範囲は請求の範囲において示されるであろう。
【0020】
本発明のより完全な理解のために、以下の説明および添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に従った方法を示すフローチャートの図である。
図2】本発明の実施形態に従ったビデオシーケンスキャプチャ方法を示すフローチャートの図である。
図3】本発明の実施形態に従った位置決定処理の図である。
図4】本発明の実施形態に従った別の位置決定処理の図である。
図5】本発明の実施形態に従ったモーショントラッキングプロセスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい実施形態の詳細な説明
ここで、以下の図を参照して本発明を記載する。当該図において、同様の参照番号は同様の構造またはステップを示す。図1を参照して、本発明の実施形態の動作に従ったデータフローの概要が示される。本発明のこの実施形態に従うと、臨床試験の対象であるかまたは公衆衛生もしくは疾病管理の状況において使用されるなどの特定の薬に関する情報、他の薬剤投与プログラムまたは処方、あるいは、自宅をベースにした尿検査の実行などの他の患者の自己管理医療タスクがデータベース105において提供され得るとともに、処方、作用、用途、ならびに、任意数の提案された処方箋薬剤および処方箋なし薬剤と、臨床試験または他の薬剤との起こり得る作用とについての他の利用可能な情報にアクセスするために既存の産業薬剤情報データベース110が好ましくは使用される。さらに、以下に記載されるように、患者がこのような臨床試験または薬剤処方プログラムのよい候補であることを確認するために、産業医療情報と医療専門家の処方の専門知識とに関連して、患者医療記録115が使用され得る。これらのデータベースは、当業者に公知の態様でアクセスされ得る。この情報はさらに、不審または悪意のある挙動の可能性の高い関連する典型的な要素に関係する情報を含み得る。このような要素は、薬剤のタイプ、薬剤投与の方法、患者に関するデモグラフィックスもしくは他の情報、他の特徴、またはこれらの要素の組合せに基づき得る。好ましくは、不審行動情報118はこの時に同様にシステムに転送され、上で示されるように、患者を代表する不審な挙動、システムを欺く悪意のある意図、または他の高リスク集団の行為を示し得る患者の動作または他の行為の1つ以上の兆候を含み得る。さらに、患者が行為またはタスクを正確に実行しているかどうか、または、単純に間違っているかどうかを決定するように本発明のさまざまな実施形態が提供され得る。
【0023】
ひとたび確認されると、たとえば公衆衛生または医療行為環境などにおける臨床試験または他の処方要件に従った薬剤投与および摂取または他の薬剤養生法が、120にて、処方され、本発明のシステムに入力され得る。このような薬剤投与養生法は、錠剤を摂取もしくは飲み込むこと、吸入器装置を使用すること、注射可能薬剤装置を使用すること、または、パッチ、舌下投与、頬もしくは他の皮膚に位置する薬剤投与装置を使用することなどのうちの1つ以上を含み得る。ひとたびシステムに入力されると、特定の処方養生法によって、ユーザインストラクションのセットおよびさまざまなトレーニングシーケンスなど125が生成されて、本発明のシステムへのアクセスのために本発明の実施形態に従って患者に提供された装置に送信される。このような装置は、患者へのインストラクションの表示を可能にするとともにビデオ、オーディオおよび他の分析情報の最終的なキャプチャ、分析、および送信を可能にする、カスタム設計のビデオおよびオーディオキャプチャ分析および送信装置、カメラもしくは他のビデオおよびオーディオキャプチャ装置を含むスマートフォンもしくは他の携帯デバイス、独立型または鏡もしくはキャビネットなどに組み込まれたネットブック、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、もしくはタブレットデバイスなど、あるいは、他のコンピューティング機器を含み得る。ユーザ自身のハードウェアシステムにソフトウェアをインストールする場合、ソフトウェアは、患者が利用することを試みるハードウェアが本発明を実現するのに十分であり、かつ、本発明に従って提供されるソフトウェアパッケージを実行するのに十分であることを検出および別の態様でテストまたは決定することが好ましい。したがって、ソフトウェアは、カメラが十分な解像度を含むことと、デバイスのメモリがキャプチャされたビデオの十分な格納を可能にする十分なサイズであることと、オーディオが適切にキャプチャされ得ることと、キャプチャされたビデオ、オーディオ、ビデオインストラクションなどを送受信するために送信システムが十分な帯域幅を含むこととをチェックし得る。処理は、遠隔地で実行され得、これにより、ユーザは自身のローカルデバイス上により軽いアプリケーションなどを含むことが可能になる。代替的には、ユーザはゲートウェイとしてのみローカルデバイスを使用してもよく、すべてのデータは処理のために遠隔地へ送信され、そのような処理の結果として応答が返される。したがって、ユーザはビデオ会議番号をダイヤルすることができ得るか、または、たとえば特定のウェブサイトもしくはURLを訪れることによって別の態様で遠隔サイトと相互作用することができ得る。
【0024】
このようなユーザ指示およびトレーニングシーケンスは、現在の試験または薬剤投与プロトコルに対する特定の薬剤対象に関する一般的なインストラクションと、投与のための方法と、副作用に関する警告と、一般的な物質もしくは薬剤またはシステムもしくは別の医療サービスプロバイダによって患者に処方された他の薬剤との薬物相互作用についての懸念とを含み得る。本発明の実施形態に従うと、ユーザインストラクションのこのようなセットは、インタラクティブであってもよく、これにより、このようなインストラクションまたは処方に関する付加的な情報をユーザが所望のように参照することを可能にするということが考えられる。これらのインストラクションは、ユーザ装置のディスプレイ上においてユーザに提供される書き込まれたオーディオまたはビデオインストラクションを含み得る。さらに、このようなインストラクションは、対応する1つ以上の薬剤投与シーケンスに関連付けられる1つ以上の動作シーケンスを示し得るということが考えられる。これらのインストラクションは好ましくは、錠剤の摂取、吸入器の使用、および注射可能な薬剤の使用のために患者が取り得る適切なモーションおよび不適当なモーションを示すとともに、ユーザによって行われ得るかまたは行われ得ないさまざまなモーションを示し得る。これにより、患者は、すべての要求された行為を適切に実行するように、かつ、システムを欺こうとする患者を示し得る行為を回避するように指示され得る。代替的な実施形態において、怪しんでいない悪意のある患者を「罠にかける」ことを試みて、トラッキングされるさまざまな不審な挙動を患者に特に説明しないことも可能である。これらの罠は、システムのバックグラウンドにおいて維持および実行され得る。したがって、以下に記載されるように、1つ以上のエラーの検出によって、行為を修正するために、患者へのリアルタイム表示のビデオおよび/またはオーディオフィードバックが生成され得るとともに、1つ以上の他のエラーがシステムによって記録されるが、患者にフィードバックを提供せず、したがって、システムによって把握されるのを回避するインストラクションおよび補助を提供することなく患者の行為を分析するために蓄積および使用され得るのが好ましい。ある回数だけ「把握された」後、ユーザの状態は強化されたセキュリティ意識の1つに変更され得る。したがって、ユーザはまず、低レベルの観察から始められ得る。ユーザは、把握される所定回数の潜在的な行為の後、システムを欺くことを試みているユーザまたは1つ以上の不審な行為を実行しているユーザと分類され得、これにより、強化されたセキュリティレベルを保証する。さらなる疑いが、患者のすべての行動のレビューを取り巻くことになるであろう。適切にシステムを別の所定の期間の間に正確に使用した後、ユーザは最初の通常状態に戻され得る。他方、不審な行動が継続する場合、ユーザは、たとえばユーザを臨床試験から除去するかまたは特定の薬剤を取り除くように推奨するさらに別の状態に移動され得る。
【0025】
本発明の1つ以上の実施形態に従うと、モーションまたは行為のこれらのセットの1つ以上は、ユーザが自身の口に錠剤を配置して適切に正確に錠剤を飲み込み、したがって薬剤を適切に摂取したことの、位置の目視確認を通じた確認、ユーザが適切に吸入器デバイスを使用したことの、位置の目視確認および/もしくは動作の音声確認を通じた確認、ならびに/または、ユーザが適切に注射可能なデバイスを使用したことの、位置の目視確認および/もしくは作動の音声確認を通じた確認などを含み得る。
【0026】
図1の下部部分を参照して、水平ラインは、患者投薬管理についての時間を示す。そのような時間において、ユーザは、テキストメッセージ、電子メール、電話、または自動カレンダーリマインダなどを含む任意の望ましい通信および通知システムを通じて、薬剤を服用するよう通知され得る。明示的に示されないが、まず、好ましくは、顔認識シーケンス、他のバイオメトリック認証シーケンス、音声認識、他のパスワード識別システムまたはその組合せの使用を通じてユーザの身元が確認され得る。オンすべき時間、他のタスクを実行すべき時間などといったシステムの使用の他の機能は、システムのユーザの一致した身元を決定するのをさらに補助するよう記録され得る。さらに、ユーザは、ユーザの声の音声認識を可能にするよう、「こんにちは(hello)」または何らかの他の単語列を言うように要求され得る。個人の認識の際、システムは、当該個人に関する1つ以上のデータを表示し得る。当該データは、例示目的として、たとえば名前と、患者ステータスと、投与される薬剤と、薬剤が投与された時および任意の投与回が抜かされた場合を患者に示すカレンダーと、選択的に、所望の場合、薬剤プロトコルへの個人の準拠のレベルを示すスコアとである。たとえば、ユーザによってあまりにも多くのスキップが登録されている場合または自動システムの使用なしでユーザが薬剤を服用したとの自己報告があまりにも多い場合、他のメトリックもトラッキングされ得る。上記の場合の各々は、潜在的に不審な行動を示す。この識別情報は、1つより多い場所にて1つより多いデバイスを用いて、試験について2度支払いを受けるよう試みる特定のユーザが登録しているかどうか決定することを補助するよう遠隔地へ格納され得る。このような患者は、薬剤を服用することにまったく関心がない可能性がある。患者の付加的な属性も、潜在的な違反者の他の臨床試験を潜在的に警告するように、集中型データベースなどに格納され得る。したがって、プロファイリングされた患者の挙動、顔の識別特性、音声認識およびその組合せの1つ以上は、非準拠者であると確認された後、1つ以上の対象が要注意リストなどに載せられることを可能にし得る。したがって、複数のクリニックから薬剤を得ようとする患者、複数の臨床試験に応募をしようとする患者、または単一の臨床試験において複数の場所で応募しようとする患者は、これらの他の場所にて関与することが可能になる前に、認識および決定され得る。
【0027】
システムは、(ミスの回数、スキップの回数、マニュアル比(manual ratio)、タスクの際の時間、使用可能性エラーの回数、不審なエラーの回数、研究コーディネータ/スポンサの注釈、フラグ、ビデオレビュー結果といった)収集されたすべてのデータに基づいて、不審な患者のパターンを学習することができるのが好ましい。その後、患者は、患者があるパターンに適合するかどうかチェックすることによって不審レベル1、不審レベル2...として容易に分類され得る。マシンは、より多くのデータが集められ、より多くの患者がエンロールされる各々の日に学習し続ける。したがって、状態マシンにおいてユーザを特定の状態により正確な配置することは、以下に記載されるように、より正確に決定され得る。
【0028】
投与される薬剤のタイプがひとたび識別および通知されると、患者は、錠剤または溶解可能フィルムなどのような薬剤、吸入器、注射可能装置のような投与装置、または(錠剤ボトルなどを含む)他の薬剤形態を示し得、これにより、テキスト認識、薬剤認識、投与装置もしくは錠剤ボトルなどからのバーコードまたは1つ以上の一意識別子の他のコード読取、あるいは、他の適切な薬剤認識スキームの使用を通じて、薬剤が正しくかつ服用されるべき現在処方されている薬剤であることを確認する。「パターントラッキングのための方法および装置(Method and Apparatus for Pattern Tracking)」という名称を有する、その内容はすべて本願明細書において参照によって援用される2011年5月18日に出願されGuanらに譲受された同時係属出願第13/110,500号に記載されるもののような、1つ以上の信頼水準測定が使用され得る。
【0029】
錠剤または他の薬剤を認識することに加えて、システムは好ましくは、患者がどのように錠剤または他の薬剤を保持するかトラッキングし得るとともに、不審な行為が起こっていないことを確認するために、手から口までの連続的なモーションをトラッキングし得る。したがって、システムはさらに、錠剤の識別とユーザの口に錠剤を配置することとの間の一貫した手の使用をチェックし得る。手のモーションをトラッキングすることに加えて、ユーザがブリスターパックから錠剤を取り出すことになっている場合、ユーザは、錠剤ボトルまたはブリスターパックから取り出すことから口に配置/摂取、水を飲むまでずっとスクリーン上で完全なジェスチャをトラッキングするためのモーションシーケンスをトラッキングし得、水が流れるのを示すとともにトラッキングし、飲み込み、さらに空の口を示し、所望のシーケンスからの如何なる逸脱も潜在的に不審な行動であると確認され得る。さらに、システムは、ブリスターパックを観察して、正確な数の錠剤が取り除かれたかどうかを決定し、正確な数の錠剤が残っていることを決定し、取り除かれるべきでなかった他の錠剤などが取り除かれたかどうかを決定し得る。そのような不審な行動は、潜在的に不審な行動に自動的にフラグを立てるように使用され得る。
【0030】
その後、患者は、所定の態様で薬剤を投与するように指示を受け得る。これらの投与シーケンスの1つ以上は、位置の目視確認を通じた、ユーザは口に錠剤を配置(錠剤を摂取)したという確認と、位置の目視確認および/または作動の音声確認を通じた、ユーザが適切に吸入器デバイスを使用したという確認と、位置の目視確認および/または動作の音声確認を通じた、ユーザが適切に注射可能なデバイスを使用したという確認とを含み得る。したがって経口投与の場合、ユーザは、口に錠剤を配置し、その存在を確認するようカメラに口の中の錠剤を示し、グラスの水を飲み、錠剤がなくなったことを確認するためにカメラに空になった口を示すように要求され得る。ユーザは、ユーザの口における錠剤の完全な視界をカメラに提供するために、錠剤に対して舌の位置を変更するように要求され得る。たとえば、ユーザがカメラに舌の上部のみを提示し、舌の下を示すことを拒絶する場合、不審な行動についてフラグが立てられ得る。さらに、水を飲む際に水のグラスまたはユーザの頭の傾斜が不適当であれば、潜在的に不審な行動であると自動的に認識および規定され得、これにより、ユーザの状態を変更し、かつ、場合によっては、ユーザの行動をレビューするために調査レベルを変更する。飲み込み動作も確認され得る。飲み込み動作が存在しなければ、潜在的に不審または悪意のある挙動のさらなる証拠が提供される。吸入器の場合、ユーザは、適切に吸入器を位置決めし、当該位置決めをカメラに示し、カメラの視界において吸入器を作動させ、カメラの視界において呼吸し、カメラの前で所定の期間の間だけ息を止めることを要求され得る。たとえば吸入器から放出される異なる周波数のような異なる音は、ユーザが、誤ってまたは故意に歯で吸入器のエアゾールまたはパウダーをブロックしているかもしれないことを示唆し得る。このような誤った位置決めは、誤った配置を示唆し得、したがって、誤った薬剤投与を示唆し得る。注射可能薬剤の場合、ユーザは、カメラに薬剤を示し、注射可能薬剤を適切な身体部分に隣接して配置し、カメラの視界において注射を受けて、カメラの視界において注射可能薬剤を作動させることなどをするように要求され得る。
【0031】
この投与の間に、さまざまな示された潜在的に不審な行動の監視が提供され得る。したがって、上述したように、患者の頭または顔がカメラの視界を離れるどうかの決定がなされ得、以下に記載されるように、ユーザの状態は、この出願に従って述べられるこの不審な行動または他の不審な行動に基づいて変更され得る。トラッキングされ得る他の不審な行動は、錠剤ベースの薬剤投与の間に患者が手で口を覆うこと、または、薬剤を取り除く試みを示す他の身体動作などを含み得る。さらに、患者が錠剤を吐き出しているかどうかを決定するか、または、たとえば吸入可能または注射可能な薬剤が適切に行われたかどうかを決定することを補助するために、音声認識も使用され得る。これらの機能の各々は好ましくは、時間にわたって監視され得、潜在的に不審な挙動の単一の兆候が重要な情報を提供し、その一方、そのような不審な挙動の継続的な実行はシステムを欺く試みのより完全な全体像を提供し、これにより、患者を識別および不審な挙動に対応するよう介入が可能になる。ユーザの側で実行された異なる行為によって、ユーザが1つ以上の状態に分類されることが可能にされ得、当該状態は、時間にわたって行なわれ得る1つ以上の行為に基づき変更される。このような状態マシンは、「薬剤遵守を監視するための方法および装置(Method and Apparatus for Monitoring Medication Adherence)」という名称を有する2011年7月24日に出願されHaninaらに譲受された、その内容が参照によって援用される同時係属米国特許出願連続番号第13/189,516号に記載されるような1つ以上の機能に従って実行され得る。当該同時係属米国特許出願に述べられる薬剤投与状態は、ユーザの行為に基づいて不審なユーザを分類するために使用され得る。
【0032】
したがって、ある症状を治療するためにある薬剤が使用されている場合、本発明の1つ以上の実施形態に従うと、当該システムはその症状が改善しているかどうか視覚的に測定するために使用され得る。たとえば集中力、タスクを終えるスピード、モータ制御などである。症状または挙動(たとえば眼球運動がまだ不規則であること)が向上しなかった場合、これはユーザが薬剤を服用していないことを示唆し得る。ユーザが薬剤を服用しているかどうかの信号として、気分も測定および監視され得る。また、さまざまな行為は、ユーザを1つ以上の薬剤投与状態に分類するために使用され得、これにより、レビューのレベルと、当該ユーザにフォローアップするのにシステムが必要し得るフォローアップとを示唆する。
【0033】
さらに、イメージングデバイスの動作の決定も、その視界において提供される情報の分析を通じて、または、1つ以上のジャイロスコープまたはその上の加速度計の使用を通じてなされ得る。したがって、ユーザがイメージングデバイスまたはカメラの位置を阻む場合、それは知られることとなり、モニターまたはヘルスケアプロバイダに自動的に通知され得る。他の手掛かりとしては、たとえば、薬剤投与の1つ以上の決定的な時間でのバックグラウンドセッティングの変更、または、デバイスの移動の他の兆候などである。
【0034】
そのような投与の確認または確認の失敗の後、時間にわたって患者がどのように行なったかに関して、患者には経過報告書が提供され得、さらに将来の遵守について促進が提供される。さらに、ヘルスケアプロバイダからプロトコル変更に関する1つ以上のメッセージまたは他の所望の情報とともに、次の投与時間の通知が提供され得る。さらに、潜在的に不審な挙動のさまざまな検出された事例が、示される不審行動情報と共に一般的な遵守情報を報告するダッシュボードを介して、ヘルスケアプロバイダなどに報告され得る。さらに、異常な行動が検出されたと患者に警告が視覚的に示される。患者は、薬剤またはプロトコルの間違った使用によって、研究コーディネータ/ヘルスケアプロバイダに連絡が行くことになり得るか、試験から外されることになり得るか、または、付加的なレベルの監視が患者に適用され得ることを伝えられ得る。
【0035】
したがって本発明に従うと、臨床試験または他の処方養生法によって処方されるような薬剤のための所定の投与スケジュールへの患者の遵守の確認が決定され得る一方、不審な挙動または悪意のある挙動が識別され得る。このような確認は多くの形態をとり得るが、本発明に従うと、このような確認のための好ましい方法は、実際に薬剤を投与する患者のビデオおよびオーディオシーケンスをキャプチャすることを含み得る。さらに好ましい方法において、このような確認のためのこのようなシーケンスは、特定の患者が実際に治療を受けていることの顔認識シーケンスまたは他の生体認証の確認を使用することを含み得るが、さらに、ユーザの顔または他の識別性のある特徴を不明瞭にして、ロトスコーピング(rotoscoping)などによって表示画像を簡素化するか、または、患者の身元を保護しつつそのような画像の格納および使用を可能にするよう別の態様でそのような情報を暗号化する能力を提供してもよく、これは、薬剤管理マネージャが臨床試験に関して一般的なレポートを提供している場合であって、特定の患者の状況を改善しようとしていないか、または、特に公衆衛生または疾病管理のシナリオにおいて有益であり得る技術である。特定の対象動作が予め規定された動作シーケンスに合致しているかどうかを決定するための行動認識、ジェスチャ認識、コンピュータビジョン処理、または他の機能は、患者が適切に所定の薬剤を服用していることを確認するよう用いられ得る。この同じジェスチャ認識はまた、上述したように、ユーザ側の不審または悪意のある挙動を決定するために使用され得る。音声認識も、薬剤投与に関連付けられる1つ以上の決定的な重要な瞬間での咳のノイズなどのような不審なノイズを決定するために使用され得る。たとえばユーザが口に薬剤錠剤を配置した後、咳が一貫して慣例的に発生する場合、患者は、時間にわたる投与プロセスの間に、より高いレビューの調査レベルを与える状態にエスカレートされ得る。最後に、ユーザが1つ以上の所定のステップを実行するのに必要とした時間の量を示すタスクの際の時間の測定も、不審な挙動を決定することを補助するよう用いられ得る。このタスクの際の時間は、興味深くあり得る1つ以上の傾向を決定するよう、多くの異なるデバイスおよび装置の使用の事例にわたって測定され得、不審な挙動を決定するよう使用され得る。たとえば、タスクの際の時間は、ユーザは求められるように薬剤の投与のステップを実際には実行していないという行動の振りを決定するよう使用され得る。
【0036】
次に図2を参照して、オーディオおよびビデオキャプチャならびに所定プロトコルの遵守の認識を行い、かつ、不審または悪意のある行動の1つ以上の兆候を決定するための本発明の実施形態に従った方法が、図1のステップ130および135に記載されるように説明される。図2において、まずステップ205において、顔認識、生体認証、パスワード入力、音声認識または他の患者識別方法を使用して患者は本発明のシステムにログインし得、ステップ210では、上に記載されるようなバーコード読み取り、テキスト認識、ビデオもしくは静止画認識を用いる視覚認識、または他の薬剤認識技術の使用を通じて、上に示されるように適切な薬剤が好ましくは確認される。患者は、テキストメッセージ、電子メール、電話、自動アラームなどのような任意のタイプのリマインダーによって、薬剤を服用するようシステムにログオンすることを思い出させられ得る。その後、処理はステップ225に進む。ステップ225では、ユーザは、1つ以上の所定の行為を実行するように促され得、これらの行為の各々のビデオおよび/またはオーディオが好ましくはキャプチャされる。その後、ステップ230において、ビデオキャプチャ分析が開始され得る。このような分析は、新しくキャプチャされたビデオおよび/またはオーディオの分析を含む。ステップ235では、以下に記載されるように、その行為は適切にキャプチャされたかどうかと、キャプチャされた行為が1つ以上の態様でシステムによって適切に分析されかどうかとが決定され得る。
【0037】
薬剤の投与が適切に行なわれなかったことが決定されると、処理はステップ225に戻り得、ユーザは再び当該行為を実行するように促され得る(もちろん、このプロセスが、錠剤、フィルム、吸入器、注射可能な薬剤または任意の他の薬剤の実際の投与を含む場合、ユーザが実際に薬剤を投与しなかったことを決定することができなければ、当該行為の再実行を要求することは適切ではない場合がある)。行為が適切に実行されており分析されることが可能である場合、さまざまなキャプチャされたビデオシーケンスが格納されるステップ250にて処理が終了する。また、これらの格納されたシーケンスは、有益であろうことが決定されると、人間によるレビューおよび関与に利用可能であり得、さらに好ましくは不審または悪意のある行動を決定するよう使用され得る。レビューについての対象領域は、潜在的に不審または間違った行動を含むものとして、ハイライトおよびマーキングされ得る。状態マシンによって生成されるリスクアルゴリズムに基づいて、かつ、自身の以前の行動および複数のユーザから学習された1つ以上の行動に基づきユーザが配置され得た状態に基づいて、システムによってリスクのパーセンテージ推定が自動的に提供され得る。
【0038】
ここで、不審または悪意のある挙動を決定するためのキャプチャされたビデオの分析が、より詳細に記載される。図3に示されるように、ボックス410は、システムを使用する患者によって見ることが可能であるディスプレイ上に提供され得る。インジケータボックス410はさらに、円形または他の適切なインジケータとして提供され得る。インジケータボックス410はさらに、ユーザの視界から隠され得る。代替的には、スマートフォン、タブレットコンピュータ、他の携帯デバイス、またはコンピュータなどのベゼルまたは他の縁部が基準として、すなわち「ボックス」として、使用され得る。患者の顔の表現は、システムの使用について最適な撮影位置に対する位置に示され得る。したがって、顔の表現400aが適切に位置している一方、顔の表現400bはインジケータボックス410の左側に位置しており、また、顔の表現400cはインジケータボックス410の右下に位置している。本発明の発明者らは、不審または悪意のある挙動の1つのインジケータは、多数回および/または1回以上の決定的な時に視野を離れる患者の顔であると決定した。したがって、たとえば、口に錠剤を配置した後であって錠剤を飲み込んだことを示す前に患者の顔がディスプレイを離れる場合、患者は錠剤を吐き出している場合がある。ある日において、顔がディスプレイから離れた場合、これは単にユーザについて起こり得ることであるが、時間にわたって一貫して患者の顔がディスプレイから離れていると決定される場合、不審または悪意のある挙動が決定され得る。したがって、位置400bおよび400cは不審な位置として指定され得、多くの投与にわたって重大な回数、特定のユーザがこの位置に存在するのがキャプチャされると、さらなるレビューのために当該参加者にフラグが立つことになり得る。したがって、可能性のある不審または悪意のある挙動を決定するための自動化されたシステムが提供される。システムはそのような行動を報告し得るか、または代替的には、進めた後より注意深く見守られるべき患者であるとフラグを立て得る。
【0039】
代替的な実施形態において、ヘルスケアプロバイダは、薬剤を服用する患者の記録されたビデオをレビューすることによって、または、任意の他の理由のいずれかによって、特定の患者が不審にまたは悪意を持って行動していることを疑うべき理由を有し得る。この状況において、本発明のこの実施形態に従うと、ヘルスケアプロバイダは好ましくは、患者が上昇された調査の対象となるべきであることを示すことができるということが考えられる。この指示は、ヘルスケアプロバイダがラジオボタンなどを選択し得るダッシュボードを通じてなされ得、これにより、この上昇された調査レベルを示すか、または、別の態様でそのような指示をする。付加的な監視についてひとたびフラグが立てられると、警告がヘルスケアプロバイダに提供される前に患者の顔がスクリーンから離れることができる回数のような、自動的に不審または悪意のある挙動を決定するためのしきい値が存在する。もちろん、この上昇された調査は、この出願に従って記載される不審または悪意のある行動認識シーケンスのいずれか、または、使用され得る任意の他の認識シーケンスに適用され得る。
【0040】
不審な行動について監視され得る他の視覚的な動作またはジェスチャは、患者の口に錠剤があることを示した後、患者の口に手を移動することを含み得る。これは、患者が錠剤を取り除いているかもしれないことを示している。また、偶発的に発生した状況は問題ではであり得ないが、特に微妙な時にユーザが口の前に手を一貫して動かすことは、付加的な調査と、不審または悪意のある挙動に関する警告とを保証し得る。患者の1つ以上の身体部分の他の動作も含まれてもよい。さらに、ユーザが錠剤を吐くのを監視するといった、不審または悪意のある行動の実行の音声兆候が監視され得る。このような監視は、オーディオ情報、ビデオ情報またはその両方に基づいて自動的に実行され得る。悪意のある行動の他の兆候は、スクリーンなどにわたって、ユーザが吐き出したかまたは捨てた錠剤をトラッキングすることを含む。さらに、錠剤または他の薬剤が、カメラには、変形されたように見える場合がある。これは、ユーザによる誤用または変更によるものであり得、錠剤またはタブレットを溶融、変更、切断、または開くこと、さらには、摂取の前に含有薬剤のカプセルを空にすることを示し得る。カプセルの部分の整列も分析され得る。したがって、如何なる示される変形、色の変化、またはマーキングの変化なども、システムによって自動的に決定され得るとともに、1つ以上のモニターまたは重要なステイクホルダーに報告され得る。
【0041】
システムのユーザによって実行される1つ以上の行為のビデオレビューがモニターまたは他のヘルスケアプロバイダに提供される場合、本発明の1つ以上の実施形態に従うと、モニターにはレビューのために連続的な1つ以上のビデオクリップが提供され得ることが考えられる。本発明の1つ以上の実施形態に従うと、1つ以上のビデオクリップが1つ以上の不審な行動行為を含み得るとシステムが決定する場合、これらのビデオクリップは、システムによって自動的に注釈を付けられ得、リスク推定が好ましくはシステムによって提供され、ユーザの状態に従って関連付けられ、リスクプロファイルがユーザが1つ以上の異なるユーザ状態を通るよう動くと変化することが考えられる。モニターまたは他のヘルスケアプロバイダによるこれらのビデオクリップのレビューの際、ビデオタイムスタンプのタイムラインに沿ったさらなる情報を示すことによって、ユーザはさらにビデオに注釈を付け得る。本発明の1つ以上の実施形態に従うと、この注釈は好ましくはさらに、他の人が見るために、または、コンピュータシステムによるさらなる分析のために、ビデオとともに格納される。これらの注釈と、不審または悪意のある行動の1つ以上の他のインジケータとに基づき、1つ以上のレポートが生成され得るとともに、1人以上の重要なステイクホルダーに通知され得る。したがって、ユーザは、自身の行動に基づいて1つ以上のカテゴリに分類され得、上述したように、これらのカテゴリに基づいて、報告またはさらに監視される。
【0042】
身体部分の動作を監視することに加えて、本発明に従うと、吸入器または注射器メカニズムのような1つ以上の薬剤投与デバイスの動作を単独でまたは身体部分の動作に関連して監視することが考えられる。これは同様に、液体薬剤を投与するためのカップなど、または、1つ以上の錠剤、フィルムまたは他の経口薬剤を保持するための容器に当てはまり得る。したがって、図4に示されるように、患者の位置をトラッキングすることに加えて、別の身体部分に対して絶対的または相対的な不審または悪意のある挙動を示す1つ以上の物体の動作が決定され得る。図4に示される特定の実施形態において、ユーザの表示エリア、口、または顔に対する吸入器、グラスの水などの位置も用いられ得る。本発明のさらに別の代替的な実施形態に従うと、同様のトラッキングが注射可能薬剤送達デバイスのために使用され得る。図4に示されるように、吸入器500は、ボックス522に適切に位置決めされていると決定され得る。たとえば、図4の記載においてように、ボックスは緑である。もちろん、図3に関して上で述べた態様で患者にボックスを示す必要はない。しかしながら、このような物体は、単に上下左右だけでなく、イメージング装置への距離において、不適当に位置決めされる可能性があり得る。したがって、患者は、システムを欺くことを試みて、ディスプレイから離れるように横にまたは上下に装置を移動させることに加えて、さらにイメージングデバイスから離し得る。このような態様で、患者は、その解像度および低い光位置など、イメージングされる物体に関連付けられる形状、色テキストまたは他のコーディングなどを識別するイメージングデバイスの能力に対するこのような解像度が有し得る影響といった、イメージングデバイスの1つ以上の限界に付け込むことを試みている場合がある。したがって、イメージング装置から遠くに位置しすぎた場合、ボックス510,511,512のシーケンスおよび吸入器500の小さな表現が、提供されて吸入器をより近くに移動させるようにユーザに警報を出すか、または、患者には見えないが、行為が不審または悪意があるものであると適切に決定されたかどうか決定するのに用いられ得る。したがって、吸入器が遠くにありすぎるだけでなく中心から離れていると決定される場合、患者側での如何なる可能性のある不審または悪意のある動作も決定するよう、吸入器の位置を留める(tack)するために(視覚的または非視覚的のいずれかで)ボックス520,521,522が提供され得る。
【0043】
同様の機能が、身体位置に対する相対角度および距離を含む、注射を受けるユーザの身体部分およびイメージング装置のディスプレイに対する注射可能装置の位置を監視するために提供され得る。したがって、図3に関して上述した顔の動きと同様に、ディスプレイ(したがってイメージング装置の視界)から離れるか、または、薬剤投与装置の詳細がもはや識別可能ではない点までイメージング装置から離れる薬剤投与装置(吸入器または注射可能)の動きが監視され得、所定の時間フレームにわたって複数回行なわれれば、不審または悪意のある意図が決定され得る。
【0044】
さらに、図5に示されるように、薬剤投与装置の絶対的な位置を使用することに加えて、本発明のさまざまな実施形態に従うと、薬剤投与装置700の動きがトラッキングされ、したがって、装置700の如何なる不審または悪意のあるように見える動きが決定され得るということが考えられる。したがって、患者が視野の縁部の方へ、誤った身体部分の方へ装置を速く動かしすぎ、装置を口から離すように向けるなどする場合、装置が常に視界に存在したままであっても、不審または悪意のある挙動が決定され得る。したがって図5に示されるように、投与装置700は、矢印Aによって示される方向での動きを通じて水平方位から垂直方位に再方向付けされるように指示される。ガイダンストラック710a,710bのセットが患者に表示され得るか、または、患者のディスプレイとは別に維持され得、連続的な装置位置および方位がガイダンストラックに対して決定され得る。装置が所定のパスに沿って移動すると、患者の側での不審または悪意のある挙動を示す可能性のある如何なる不規則な動きも捜しつつ、適切な位置および方位が決定され得る。したがって、本発明の実施形態に従うと、このような薬剤投与装置を移動させる患者によって適切に仮想パスが追従されない場合、不審または悪意のある挙動が決定され得る。
【0045】
上述したように、カラーおよび/またはオーディオシーケンスも使用され得る。同様の位置決め情報が、注射可能な薬剤に対して処理され得る。
【0046】
イメージングデバイスの所定の視野内で発生する不審または悪意のある行動の決定に加えて、薬剤遵守を監視する時間の間、本発明の好ましい実施形態に従って、さまざまな付加的な領域および時間が監視され得る。特に、薬剤投与時間の前および後に、記録を継続することが可能であり得、これにより、監視は完了したとユーザが考えた後または処理がスタートする前にユーザが口から錠剤を除去するかどうかを決定することを試みる。たとえば、ユーザが複数の錠剤を服用することになっている場合、どの錠剤を次に服用するべきかの視覚的な指示をディスプレイが提供しているとともにユーザの顔を表示していなくても、錠剤の投与および摂取などの間でユーザを監視し続けることが可能である。さらに、これらの時の間に、ユーザが発した如何なる音も不審または悪意のある挙動を示し得るかどうかを決定するために、オーディオ記録が使用され得る。このようなオーディオ音は、ユーザが錠剤を吐き出すこと、または吸入器または注射可能デバイスを作動させることなどを示し得る。この監視されたオーディオおよびビデオ情報は、本発明の1つ以上の他の特徴に従って、この材料が不審または悪意のある挙動の付加的な証拠を提供するかどうか決定するために自動的に処理され得る。
【0047】
また、最後に、ディスプレイスクリーン上でユーザに提示される視野よりも広いビデオ視野を記録することが望ましくあり得る。したがって、シーンの広角視野がイメージングされる場合、標準的な視野がユーザに表示され得るので、システムを欺こうとするユーザは、ディスプレイに示されていないので、カメラの視野外にいると考え、したがって不審または悪意のある行為を実行し得る。この行為が、ディスプレイに示されなかったとしても、カメラの視野内で行なわれる場合、不審または悪意がある挙動であると分析され得る。
【0048】
したがって、さまざまな本発明の実施形態に従うと、実際に吸入可能または他の薬剤を投与する(または注射、透析および任意の他の薬剤投与処置を含むがこれらに限定されない薬剤投与の他の方法)患者のビデオ画像がキャプチャおよび分析され得るので、不審または悪意のある挙動について分析が実行され得る。自己報告システムまたは電子薬瓶キャップのような他の利用可能な薬剤監視システムと比較して、本発明のさまざまな実施形態は、システムを欺こうとする1人以上のユーザの決定を可能にする唯一のシステムである。これは、特定の薬剤が投与されたことを患者が述べることに単に依存するのではなく、システムは適切な投与の自動化された決定を行うからである。データの蓄積によって、さまざまなモーション、動作または音が不審または悪意のある挙動に関連付けられ得る。ユーザ行動のこの独立した分析を可能にするのは本発明のさまざまな実施形態だけである。
【0049】
このようなビデオ画像は、本発明の特定の実施形態に従って使用される選択されたタイプの行動またはジェスチャ認識が与えられた任意の適切なフォーマットでキャプチャまたは格納され得る。このようなものは、フルビデオ、バイオメトリックデータポイント、患者または管理者に付されたブレスレットなどのような物品の動きの記録、棒線画(stick figure)もしくは他の身体動作トラッキング技術を提供するためのマッピングの使用、または、動作などを決定するジェスチャもしくは行動認識を含み得る。ユーザは、適切にプロトコルに従って薬剤を投与していることが確認される動作の特定のシーケンスを使用することが促がされ得、これにより、「正しい」と考えられる潜在的な適切な動作の可能性を低減する。または、上に示されるように、ユーザがこれらの同じ行為を繰り返す可能性がより高くなるように、カスタマイズされたビデオシーケンスのキャプチャが実行され得る。確かに、適切に薬剤を投与することを保証するよう、さまざまなインストラクションビデオまたは他の適切なトレーニングがユーザに提供されてもよい。したがって、すべて、集めたビデオシーケンスの視覚分析を通じて、飲む前および後の水のレベルが自動的に分析され得、ブリスターパックから除去された1つ以上の付加的な錠剤の決定が自動的に実行され得、または、一貫した使用を確認するために注射可能または吸入可能なものが自動的に監視され得る。
【0050】
ビデオシーケンスがひとたび記録および格納されると、好ましくはHIPAA準拠の態様で、それに対してさらなる分析が実行され得る。たとえば、行われる薬剤投与シーケンスの各部分についてタスクの際の時間が測定され得る。このような態様で、特定のユーザが薬剤投与シーケンスの一部を実行するのにどれくらいの時間がかかるかを決定することが可能であり得る。不審または悪意のある行動を実行するユーザを識別するようパターンが決定され得る。たとえば、ある行為は、時間にわたって速すぎかつ一様に実行され得、これは問題を示す。例として、本発明の1つの特定の実施形態において、ユーザは、錠剤を摂取した後にグラスの水を飲むように要求され得る。水を飲む時間が一貫して速すぎる場合、これは、ユーザは実際に水を飲んでおらず、システムを欺くために飲むふりをしている証拠を与え得る。タスク測定の際の他の時間も使用され得る。したがって、タイムスタンプマーカーが、ユーザが適切な時に薬剤を服用していることと、ユーザが特定の薬剤を服用した回数とを確認し、インストラクションと投与との間に実質的な遅延が存在するかどうかを確認するために、または、不審な行動の決定を補助し得る任意の他の時間シーケンスの決定のために、キャプチャされ得る。さらに、たとえば例示のみを意図して、患者による神経質を示す手振れまたは他の動作といった、患者の肉体的または精神的な状態に関するヒントを与え得る他の行動マーカーと、システムを欺こうとする可能性とが使用され得る。
【0051】
さらに、システムは好ましくは、ユーザは代わりの薬剤または変更された薬剤を使用しているかどうかを決定することを試み得、たとえば、錠剤が凹んでいるように見えるかまたは別の態様に変化されたように見えるかどうか、色の変化、マーキングの変化、質感の変化、透過性の変化などを有しているかどうかを決定することを試み得る。錠剤の視覚的な特徴の変化を決定するために、単一または複数の連続もしくは非連続の画像が使用され得る。したがって、薬剤の同一性の確認とたとえばカプセルの変形(薬剤を取り除くためにカプセルを分解したことを潜在的に示す)の決定が使用され得る。本発明のこの特定の実施形態において、このような悪意のある行動を決定する能力は、イメージングデバイスの解像度に依存し得、より解像度が高いほど、これらの問題についてのチェックがより完全に実行され得る。したがって、本発明の実施形態に従うと、カメラの解像度が向上するとともに携帯および他のイメージングデバイスの処理パワーが増加すると、より完全なチェックが使用され得るということが考えられる。
【0052】
不審または悪意のある行動情報を含むこのキャプチャされた遵守情報は、個々の患者、患者の全集団、またはデモグラフィックに関連する情報に関する情報のレビューを可能にするダッシュボードを通じて、ヘルスケアプロバイダまたは臨床試験マネージャなどに提供され得る。このような情報は、ヘルスケアプロバイダまたは臨床試験マネージャなどに問題のある患者、デモグラフィックグループまたは薬剤などを容易に通知するよう提供され得る。「薬剤遵守を監視するための方法および装置(Method and Apparatus for Monitoring Medication Adherence)」という名称を有し、その内容がすべて本願明細書において参照により援用される、2011年7月24日に出願されHaninaらに譲受された同時係属米国特許出願連続番号第13/189,518号において記載されるように、1つ以上のダッシュボードまたは他の報告メカニズムが使用され得る。したがって、本発明に従って得られた如何なる不審または悪意のある行動情報も、’518出願に記載されるような1つ以上の方法またはシステムに従って、1人以上の個人に提供され得る。
【0053】
さらに、情報がひとたびダッシュボードにキャプチャされると、潜在的に故意に準拠していないユーザを決定するのを補助し得るさらなる分析が実行され得る。たとえば、ユーザが、自動化された視覚的な投与システムを使用しない薬剤投与確認(すなわち、ユーザが電話でヘルスケアプロバイダに薬剤を服用したと伝えるか、または、確認のために自動システムを使用せずに薬剤を服用したことを別の態様で自動化されたシステムに示す)のパーセンテージが高い場合、これはシステムを欺く試みを示し得る。1つ以上の特定の患者集団について、他のこのようなメトリックが使用され得るとともに、好ましくは集めたデータから収集され得る。上述したように、これらの状況のうちのいずれか1つ以上は、異なる状態またはカテゴリにユーザを配置し得るので、システムからの付加的な調査とヘルスケアプロバイダの任意の監視とを正当化し得る。ユーザは、実行する行為に従って、上に示されたような状態へ移され得るか、または、その状態から移され得る。
【0054】
上述したような不審および悪意のある行動トラッキングの使用を通じて、他の患者への拡張を可能にし、かつ、患者による予め規定されたシーケンスとの違いの理由の解釈を可能にするあるタイプの管理言語(administration language)が生成され得る。したがって、時間にわたって患者が行為を違ったように実行する場合、この差は、準拠の失敗またはシステムを欺く能動的な試みへの洞察を提供し得る。さらに、患者の不審または悪意のある動作の多くを認識し得、したがって、適切に機能するとともにシステムを欺こうとするこれらの悪意のある患者を識別するシステムの能力を向上させ得るよりフレキシブルなシステムが、多くの患者の分析によって可能になるということが考えられる。これらの蓄積された結果に基づいたフィルタが、潜在的に悪意のあるユーザをさらに識別するために使用され得る。
【0055】
したがって、本発明の実施形態に従うと、ユーザは、錠剤、フィルムベースの薬剤、または吸入可能もしくは注射可能な薬剤などの薬剤摂取を含む薬剤投与の実行を保証するよう設計された行為の所定のシーケンスを実行することを要求され得る。投与の間に、1つ以上の不審または悪意のある行為を決定するよう、投与に関連付けられる1つ以上の行為が監視され得る。これらの行為は、イメージングデバイスのディスプレイからの離れるようなユーザの動き、または、錠剤除去の可能性を示す、決定的な時間に口をカバーするユーザの手もしくは決定的な時間に咳をすることのような不審もしくは悪意のある行動に関連付けられる他の動きなどを含み得る。これらの行為は、潜在的な故意の非準拠を識別するようユーザではなくそのような行為の傾向を決定するように、時間にわたってトラッキングされる。故意の非準拠を示し得る多くのプロファイルを決定するよう、複数のユーザからのこのようなデータが蓄積され得、1人以上のユーザを故意の非準拠について高リスクとして分類するようフィルタとして将来の行為に適用され得る。システムを使用するユーザのビデオ画像は、タスクの際の時間のデータを決定するために、たとえば、グラスの水を飲む時間が速すぎたり、各行為を実行するのに時間が非常に一貫していてユーザが実際に薬剤を服用している可能性が低いなど、任意の特に顕著な行為が決定され得るかどうかをスクリーニングするために、将来の分析のために格納され得る。多くのマニュアルのスキップまたはこの発明のビデオ薬剤投与システムを使用しない薬剤投与の他の確認といった他のメトリックも、調査をさらに行うことを考えるべきユーザのプロファイルを示し得る。
【0056】
さらに、ユーザがさらにシステムを欺くことを試みているかどうかを決定するためにさらに使用され得る、患者の現在の不快状態およびインフォームドコンセントなどについての質問表に対する応答のビデオキャプチャを含むビデオキャプチャシーケンスのさらなる使用が用いられ得る。患者は、1つ以上の質問に回答するビデオメッセージを送信することができ得、当該回答または質問に回答する際のユーザの如何なる他のモーションもしくは特徴がさらに、ユーザがシステムを欺くことを試みているかどうかを決定するために使用され得る。
【0057】
本発明のさまざまな実施形態に従うと、吸入可能または注射可能な薬剤の投与を考える場合、薬剤の投与の1つ以上のジェスチャを含む、患者が実際に薬剤を投与した可能性を決定するよう、遵守ビデオシーケンスの分析が使用され得る。したがって、薬剤投与装置の位置決めおよび使用に関する決定されたビデオおよびオーディオキューに基づいて、患者が意図的に不適当に装置の位置を決めている可能性があることが決定され得、したがって、システムは、患者が薬剤を故意に不適当に投与したことがあり得るということを示し得る。適切に装置を位置決めしないことまたは適切な投与を示すオーディオ信号の記録をしないことなどに基づく、適切な投与における低い信頼性は、自動接触または個々の個人的接触によって本願明細書において記載された自動トレーニングシステムを介して、付加的な将来の不審または悪意のある行動について患者がさらに監視されるべきであるかどうかを決定するよう用いられ得る。この投与の低い信頼性の決定は、投与が行なわれた可能性が高いことが結局決定されても、さらなる調査を必要とする潜在的に悪意のあるユーザとしてユーザを分類するよう用いられ得る。したがって、ユーザは、良好な患者、不審な患者、および悪意のある患者などとして分類され得るとともに、モニター、ヘルスケアプロバイダまたはスポンサ(臨床試験の場合)に1つ以上の通知をさらに提供し得る。このような通知は、ダッシュボード通知(以下に記載)、テキストメッセージ、および自動生成されたレポートなどを含み得る。所望のアルゴリズムなどに従って、そのような信頼水準が、患者または患者のグループによる薬剤投与の全体像を提供するよう使用され得、これにより、患者集団のさまざまな特性に基づいて、行為が変化しているように見えるが重大な問題が発見されるまで必ずしも待ってはいない場合に、さらなる調査を可能にする。
【0058】
本発明の方法および装置は、1つ以上のオーディオまたはビデオ会議システムとの統合を可能にし、これにより、それを通じて情報の受取および/または提供が行われることがさらに考えられる。したがって、ユーザは、標準的なビデオ会議ツールまたはシステムを使用し、本発明の実施形態に従って使用される携帯デバイスまたは他のデバイスにこの情報を結合させ得る。
【0059】
イメージングデバイスに従ってユーザデータをローカルに処理することに加えて、この情報は、処理のために遠隔地へ送信され得る。したがって、本発明の1つ以上の実施形態に従うと、本願明細書において記載される全ての処理は適切なように、ローカルで、遠隔で、または任意の組合せで、実行され得る。したがって、ローカルデバイスには、遠隔地からのデータの送信および受信を含む必要なすべての行為を実行するのに必要なプロセッサおよびイメージングデバイスなどが設けられる。そのような送信は好ましくは、暗号化されたデータを有するセキュアで暗号化された送信システムを介して行なわれる。同様に、任意の遠隔のコンピューティング位置は好ましくは、本発明に従ってセキュアなデータを受け取り、処理し、かつ送信するのに十分なストレージ、処理、ならびに送信および受信システムを含む。したがって、ローカルデバイスと遠隔地との間の通信は、公衆利用可能なネットワークまたはプライベートネットワークなどを介して提供される。代替的には、データは、所望のように、ローカルデバイス上に格納され、遠隔のデバイスに転送され得るか、または、遠隔地へのデータ送信なしですべての処理がローカルに行なわれ得る。さらに、携帯デバイス、タブレット、または、ラップトップコンピュータ、携帯電話もしくはスマートフォンなどに含まれるカメラのような任意のタイプのカメラが使用され得る。
【0060】
さらに、本発明の1つ以上の実施形態に従うと、上記のシステム、センサ、またはカメラなどの1つ以上から提供されるデータは、任意の1つ以上の他のものからのデータと組み合わせられ、不審な行動に関するさらなる情報を提供し得ることが考えられる。したがって、たとえば、オーディオおよびビデオの同期によって、悪意があるまたは不審な挙動のさらに良好な像が提供され得る。
【0061】
さらに、ユーザの高解像度ビデオ画像も用いられ得る。たとえば、薬剤投与の間の1つ以上の決定的な時にユーザが不審な挙動について高リスクであると決定される場合、より高いレベルの調査を可能にするために、より高い解像度画像が得られ得る。1つ以上の決定的な時間にのみこれらのより高い解像度画像を取得することによって、全体的な処理要件が低減されるとともに、ユーザの行為のより完全なレビューが可能になる。代替的には、複数のキャプチャされたより低い解像度画像が、超解像技術(Super Resolution)などの技術を使用して、高解像度画像を生成するよう組み合わせられ得る。このような態様で、薬剤投与シーケンスのより重大な部分をレビューするために、より高解像度の画像が利用可能になるとともに、不審な行動があまりありそうでない場合にはより低解像度の画像が使用され得る。
【0062】
本発明の1つ以上の実施形態に従うと、本発明の1つ以上の実施形態に従ったシステムは、不審な行動を認識することを学習し、異なるメトリックに基づいたスコアリングシステムに好ましくは帰着し得る。上に示されるように、より多くの患者が識別されると、これらの行動を行う患者に起因する状態マシンおよび信頼水準によってプロファイルが規定されることになる。
【0063】
本発明のさまざまな実施形態は、より良好に患者を分類し得るよりスマートなシステムの提供し、時間にわたって薬剤投与をより容易に監視するよう、データマイニング/機械学習/AI技術を使用するために1つ以上の自動化されたプロセスをさらに含む。当該システムに従うと、システムは、
a)不審な挙動を伴う患者のパターンを理解し、
b)「良好なユーザ」、「不審なユーザ−−監視の必要有」および「不審なユーザ−−スポンサに通知の必要有」などといった異なるカテゴリに現在の患者を分類し、これにより、特定の状態にユーザを配置し、当該クラスの1つ以上の属性に従って、ユーザによるシステムのエンゲージメントをドライブし、
c)使用のパターンに基づいて挙動に関して患者に警告するよう人間に方法を示唆するか、または、自動的に方法(テキストメッセージの送信)を実行することができることが考えられる。
【0064】
システムは好ましくは、上に示されるように、不審な挙動をキャプチャするために高解像度画像と低解像度画像の間で切り替わる1つ以上の能力を提供する。詳細には、この切り替えは、1)人間またはマシンのいずれかによって不審な挙動をチェックするのを補助するよう、対象の領域または対象の時間に高解像度画像または高解像度画像のシーケンスをキャプチャし、2)他の時間または領域の間に、システムがリアルタイムフィードバックを確実に提供し得るように低解像度映像が処理され得、3)低解像度画像をキャプチャし、超解像度技術のような技術を用いてサーバ上での分析のために低解像度画像の連なりから高解像度画像を作成することにより行われ得る。
【0065】
さらに、患者が不審であるかどうか判断を下すために、異なるセンサによってキャプチャされたデータが融合され得る。異なるソースのデータの融合は、当該システムおよび他のシステムによってキャプチャされたデータまたは患者情報もしくは履歴を含み得る。
【0066】
したがって、本発明に従うと、薬剤についての投与プロトコルへの遵守の自動確認を可能にするとともにこのような処方箋薬剤の投与の方法を確認および学習するための最も洗練された方法を提供する方法および装置が提供される。
【0067】
したがって、以前の記載から明らかになったもののうち上述した目的が、効率的に達成され、本発明の精神および範囲から逸脱することがなければ、上記の方法を行なうことにおけるある変更および述べられた構造におけるある変更がなされ得るので、上記の記載に含まれるとともに添付の図面に示されるすべての事項は、例示的として解釈され、限定的な意味で解釈されるわけではないということが理解されるであろう。
【0068】
また、この記載は、本願明細書において記載された本発明の一般的かつ特定の特徴のすべてと、言語の問題としてその間に該当すると言い得る本発明の範囲のすべての文言とをカバーするように意図されることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5