(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286021
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】摺動ストッパを備えるデバイスおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
A61J 1/05 20060101AFI20180215BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20180215BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20180215BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
A61J1/05 313Z
A61M39/24
A61M39/10
A61M5/315 510
【請求項の数】30
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-502806(P2016-502806)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-512746(P2016-512746A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014028497
(87)【国際公開番号】WO2014144195
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2015年11月6日
(31)【優先権主張番号】61/799,423
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514180649
【氏名又は名称】ドクター ピー インスティチュート エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピー,ダニエル
【審査官】
立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04869720(US,A)
【文献】
特表2008−514310(JP,A)
【文献】
特表2010−528773(JP,A)
【文献】
特開2010−012234(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102005038368(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05
A61M 5/315
A61M 39/10
A61M 39/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注されるべき物質を貯蔵するためのデバイスであって、
その一端に開口を規定するデバイス本体と、
内部に物質を貯蔵するための、前記デバイス本体内の貯蔵チャンバと、
前記デバイス本体内に封止的に係合可能な摺動ストッパとを備え、前記摺動ストッパは、前記物質を前記貯蔵チャンバ内に充填するように適合されたストッパ本体と、前記ストッパ本体から延びる可撓性部分または複数の可撓性部材とを有し、前記可撓性部分または前記複数の可撓性部材は、(i)前記可撓性部分または前記複数の可撓性部材が前記ストッパ本体から実質的に横方向に延び、前記デバイス本体の前記開口に係合することにより、前記ストッパ本体を通して前記チャンバを充填中に、前記デバイス本体に対する前記ストッパの軸方向位置を固定する第1の位置と、(ii)前記可撓性部分または前記複数の可撓性部材が前記ストッパ本体から実質的に軸方向に延びており、前記デバイス本体の前記開口から実質的に分離されることにより、前記ストッパが前記デバイス本体を通して軸方向に摺動可能となる第2の位置との間を移動可能である、デバイス。
【請求項2】
前記デバイス本体は、側壁を規定する細長い物体であり、前記摺動ストッパは、第1および第2の軸方向に離間されたシーリング部材をさらに含み、前記第1および第2のシーリング部材は、前記ストッパ本体の周りに延び、前記デバイス本体側壁の内面に封止的に係合し、前記ストッパの前記デバイス本体に対する摺動運動を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイス本体は、環状側壁を規定し、前記摺動ストッパは、環状ストッパ本体を規定し、前記第1および第2のシーリング部材は、前記ストッパ本体の周りに環状に延びる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のシーリング部材は、前記デバイス本体に対して可撓性であり、前記側壁と締りばめを形成し、それらの間に流体密封シールを形成する、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記複数の可撓性部材および前記第1および第2のシーリング部材は、同じ材料を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数の可撓性部材および前記第1および第2のシーリング部材は、熱可塑性エラストマーまたはシリコーン材料を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ストッパ本体は、前記複数の可撓性部材および前記第1および第2のシーリング部材に実質的に結合可能なポリマーからなる、請求項2〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数の可撓性部材および前記第1および第2のシーリング部材は、前記ストッパ本体にオーバーモールドされる、請求項2〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記複数の可撓性部材は、横方向に延びる前記第1の位置とリビングヒンジを中心として軸方向に延びる前記第2の位置との間で屈曲可能である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記複数の可撓性部材は、複数の、角度をなして離間されたペタルを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記摺動ストッパは、貫通可能かつ再封止可能な隔膜をさらに含み、前記隔膜は、前記貯蔵チャンバに複数回分の前記物質を充填するために針または同様の充填部材または注入部材によって貫通可能であり、かつ前記隔膜に生じた貫通孔を気密封止するために再封止可能である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記隔膜は、(i)前記隔膜への液体シーリング材の塗布、(ii)前記隔膜への放射またはエネルギの照射、および(iii)前記隔膜への機械的シールの適用の少なくとも1つによって再封止可能である、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
送達デバイスと流体連通して接続可能な一方向弁をさらに含み、前記一方向弁は、(i)前記貯蔵チャンバからの物質が、前記一方向弁を通って、前記一方向弁と流体連通して接続された前記送達デバイス内に流れることを可能にする、および(ii)流体が前記一方向弁を実質的に反対方向に通って、前記貯蔵チャンバ内に流れることを実質的に防止する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記一方向弁は、比較的剛性の弁座と、前記弁座に係合する弾性弁部材とを含み、前記弁座と前記弾性弁部材との間に、通常閉鎖された、軸方向に細長い弁シームを規定し、前記弁両端の圧力差が開弁圧未満である場合、流体が前記弁シームを通過することを実質的に防止し、前記弁両端の圧力差が前記開弁圧を超える場合、流体が前記弁シームを通過するのを可能にする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記貯蔵チャンバは、前記一方向弁と前記摺動ストッパとの間に規定された可変容積貯蔵チャンバである、請求項13または14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記貯蔵チャンバは、封止された無菌状態の貯蔵チャンバである、請求項13〜15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記一方向弁の出口に隣接して配置されたコネクタをさらに含み、前記コネクタは、前記コネクタに前記送達デバイスを接続するように適合されている、請求項13〜16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
キャップをさらに含み、前記キャップは、前記デバイス本体の前記開口内に取付けられ、前記複数の可撓性部材を横方向に延びる前記第1の位置から軸方向に延びる前記第2の位置へと動かすように構成されている、請求項1〜17のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記デバイスは、バイアルである、請求項1〜18のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項20】
複数回分の分注されるべき物質を貯蔵するためのデバイスであって、
その一端に開口を規定するデバイス本体と、
内部に複数回分の物質を貯蔵するための、前記デバイス本体内の第1の手段と、
前記第1の手段の一端を封止し、前記第1の手段内に前記物質を充填するための第2の手段とを備え、前記第2の手段は、前記デバイス本体内に摺動可能に係合可能であり、前記第2の手段は、前記第2の手段を通して前記第1の手段を充填中に前記デバイス本体の前記開口に係合するための第3の手段を有し、前記第3の手段は、(i)前記第3の手段が実質的に横方向に延び、前記デバイス本体の前記開口に係合することにより、充填中に前記デバイス本体に対する前記第2の手段の軸方向位置を固定する第1の位置と、前記第3の手段が実質的に軸方向に延び、前記デバイス本体の前記開口から実質的に分離されることにより、前記第2の手段が前記デバイス本体を通して軸方向に摺動可能となる第2の位置との間で移動可能である、デバイス。
【請求項21】
前記第1の手段は貯蔵チャンバであり、前記第2の手段は、剛性本体を有する摺動ストッパであり、前記第3の手段は、前記摺動ストッパ本体から延びる可撓性部分または複数の部材である、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
デバイスを充填する方法であって、
その一端に開口を規定するデバイス本体と、内部に複数回分の物質を貯蔵するための、前記デバイス本体内の貯蔵チャンバと、前記デバイス本体の前記開口内に封止的に受けられる摺動ストッパとを含むデバイスを提供するステップを備え、前記摺動ストッパは、ストッパ本体と、可撓性部分または複数の可撓性部材とを有し、前記可撓性部分または前記複数の可撓性部材は、前記ストッパ本体から延び、横方向に延びる位置に向けられることにより、前記デバイス本体の前記開口に係合し、前記方法はさらに、
前記可撓性部分または前記複数の可撓性部材を前記開口に解放可能に固定することにより、前記デバイス本体に対する前記ストッパの軸方向位置を固定するステップと、
前記摺動ストッパを通して前記貯蔵チャンバを充填するステップと、
前記可撓性部材または前記複数の可撓性部材を前記横方向に延びる位置から軸方向に延びる位置に動かすことにより、前記開口から実質的に分離させ、前記ストッパが前記デバイス本体を通して軸方向に摺動できるようにするステップと、
前記ストッパを前記デバイス本体を通して徐々に摺動させるステップとを備える、方法。
【請求項23】
前記摺動ストッパは、貫通可能かつ再封止可能な隔膜をさらに含み、前記充填ステップは、前記隔膜を針または同様の充填部材または注入部材によって貫通し、前記貯蔵チャンバに前記複数回分の前記物質を充填し、前記隔膜から前記針または同様の充填部材または注入部材を引抜くことを含み、さらに、前記隔膜に生じた貫通孔を気密封止するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記デバイスは、送達デバイスと流体連通して接続可能な一方向弁をさらに含み、前記一方向弁は、(i)前記貯蔵チャンバからの物質が、前記一方向弁を通って、前記一方向弁と流体連通して接続された前記送達デバイス内に流れることを可能にする、および(ii)流体が前記一方向弁を実質的に反対方向に通って、前記貯蔵チャンバ内に流れることを実質的に防止し、前記方法はさらに、前記一方向弁を前記送達デバイスと接続するステップと、前記一方向弁を通して前記貯蔵チャンバから一回分の前記物質を分注するステップとを含み、前記摺動ステップは、前記デバイス本体内の前記ストッパを摺動させて、これに応じて前記貯蔵チャンバの容積を減少させることを含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記摺動ストッパは、第1および第2の軸方向に離間されたシーリング部材をさらに含み、前記第1および第2のシーリング部材は、前記ストッパ本体の周りに延び、前記デバイス本体の内面に封止的に係合し、前記ストッパの前記デバイス本体に対する摺動運動を可能にするように構成されている、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
装置であって、
請求項1〜19のいずれか1項に記載のデバイスと、
前記デバイスを充填するための充填装置とを含み、前記充填装置は、
軸方向に細長い、横方向に離間された第1および第2の支持体を介して取付けられた、軸方向に離間された、横方向に延びる上部および下部フレーム部材を有するフレームを備え、前記上部フレーム部材は、少なくとも1つのスロットおよび前記スロットから前記下部フレーム部材に向かって延びる少なくとも1つのデバイス支持部材を規定し、前記デバイス支持部材は、充填されるべき請求項1〜19のいずれか1項に記載のデバイスを、前記デバイスの一端が前記上部フレーム部材と実質的に同一平面上となるように前記デバイス支持部材内に受けるように寸法付けられ、前記充填装置はさらに、
前記フレームの上方に位置付けられた充填デバイス支持体を備え、前記充填デバイス支持体は、互いに軸方向に並べられた少なくとも1つのモジュール、少なくとも1つのそれぞれの第1のプレート、および少なくとも1つのそれぞれの第2のプレートを含み、前記充填装置はさらに
前記少なくとも1つのモジュールの各々と前記第1のプレートとの間に取付けられた充填デバイスを備え、
前記モジュール、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートは、互いに対して、かつ前記フレームに対して、(i)前記第1のプレートが前記モジュールから軸方向に離間され、前記第2のプレートが前記第1のプレートから軸方向に離間され、前記上部フレーム部材が前記第2のプレートから軸方向に離間され、前記モジュール、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが、前記可撓性部分または前記複数の可撓性部材から分離された初期分離位置と、(ii)前記第1のプレートが前記モジュールから軸方向に離間され、前記第2のプレートが前記第1のプレートから軸方向に離間され、前記第2のプレートが前記上部フレーム部材および前記可撓性部分または部材と係合し、前記上部フレーム部材と前記第2のプレートとの間に前記可撓性部分または部材を固定または締付け、それにより、前記デバイス本体に対する前記ストッパの軸方向位置を固定する第1の係合位置と、(iii)前記第1のプレートが前記モジュールから軸方向に離間され、前記第1のプレートが前記第2のプレートと係合し、前記第2のプレートが前記上部フレーム部材と係合し前記可撓性部分または部材と係合する第2の係合位置と、(iv)前記モジュールが前記第1のプレートと係合し、前記第1のプレートが前記第2のプレートと係合し、前記第2のプレートが前記上部フレーム部材と係合し前記可撓性部分または部材と係合する第3の完全係合位置との間で移動可能である、装置。
【請求項27】
前記充填デバイスは、中空充填部材と、前記充填部材の一端に形成された先端と、前記中空充填部材の内部と流体連結している少なくとも1つのポートと、閉止具とを備え、前記閉止具および前記充填部材の少なくとも1つは、(i)前記閉止具が前記少なくとも1つのポートを閉鎖し、前記少なくとも1つのポートと周囲雰囲気との間に流体気密シールを形成し、前記少なくとも1つのポートおよび前記充填部材の内部の無菌状態を維持する第1の位置と、(ii)前記少なくとも1つのポートを開放する第2の位置との間で移動可能である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記モジュール、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが前記分離位置、前記第1の係合位置または前記第2の係合位置にあるとき、前記閉止具および/または前記充填部材は前記第1の位置にある、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記モジュール、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが前記第3の完全係合位置にあるとき、前記閉止具および/または前記充填部材は前記第2の位置にある、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記第2のプレートは、前記第1、第2および第3の係合位置において前記デバイスの前記端に係合する、請求項26または27に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2013年3月15日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/799,423号の利益を米国特許法第119条に基づいて主張し、この出願は、本開示の一部としてその全体が引用により本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、ストッパが取付けられた、内部に物質を貯蔵するためのデバイスに関し、特定的には、摺動ストッパを有するデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
たとえばバイアルなど、分注されるべき物質を内部に貯蔵する典型的な先行技術の容器は、分注されるべき物質を貯蔵するためのチャンバを内部に有する剛性本体を含む。しかし、チャンバが封止されると、空気がチャンバ内に入って分注された物質の容積を置換することができなくなる。したがって、貯蔵チャンバは、分注された各投与量によりその容積を減少させて、吸引力を防止するために可変容積貯蔵チャンバを有し得る。
【0004】
可変容積貯蔵チャンバを提供するためのアプローチの1つとして、分注された各投与量により変形可能な、デバイス本体内の可撓性チャンバが設けられる。しかし、このような設計には、一般的に、たとえばポリマーからチャンバパリソンを押出成形し、このパリソンを可撓性チャンバにブロー成形し、その後、チャンバをデバイス本体内に組立てるなど、さらなる製造および組立ステップが必要とされる。追加の製造および組立ステップ、ひいては追加の費用を回避するために、いくつかのデバイスは剛性本体自体の内部の容積を貯蔵チャンバとして利用している。
【0005】
剛性本体は変形可能でないため、一部のデバイスはその本体に摺動ストッパを取付けており、この摺動ストッパは、一回分の物質が分注されると本体内で摺動可能であり、これに応じて貯蔵チャンバの容積が減少する。これらのデバイスの一部はまた、ストッパを通してチャンバを充填する。このような摺動ストッパに関連する欠点の1つは、ストッパを通して充填している間に摺動することにより、チャンバの容積を減少させ、チャンバ内に充填され得るよりも用量を減少させてしまい得ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の先行技術の欠点および/または不都合を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の局面に従うと、分注されるべき物質を貯蔵するためのデバイスは、その一端に開口を規定するデバイス本体と、内部に物質を貯蔵するための、デバイス本体内の貯蔵チャンバと、デバイス本体内に封止的に係合可能な摺動ストッパとを含む。摺動ストッパは、物質を貯蔵チャンバ内に充填するように適合されたストッパ本体と、ストッパ本体から延びる可撓性部分または複数の可撓性部材とを有し、可撓性部分または複数の可撓性部材は、(i)可撓性部分または複数の可撓性部材がストッパ本体から実質的に横方向に延び、デバイス本体の開口に係合することにより、ストッパ本体を通してチャンバを充填中に、デバイス本体に対するストッパの軸方向位置を固定する第1の位置と、(ii)可撓性部分または複数の可撓性部材がストッパ本体から実質的に軸方向に延びており、デバイス本体の開口から実質的に分離されることにより、ストッパがデバイス本体を通して軸方向に摺動可能となる第2の位置との間を移動可能である。
【0008】
いくつかの実施形態では、デバイス本体は、側壁を規定する細長い物体であり、摺動ストッパは、第1および第2の軸方向に離間されたシーリング部材をさらに含み、第1および第2のシーリング部材は、ストッパ本体の周りに延び、デバイス本体側壁の内面に封止的に係合し、ストッパのデバイス本体に対する摺動運動を可能にする。いくつかの該実施形態では、デバイス本体は、環状側壁を規定し、摺動ストッパは、環状ストッパ本体を規定し、第1および第2のシーリング部材は、ストッパ本体の周りに環状に延びる。他の該実施形態では、第1および第2のシーリング部材は、デバイス本体に対して可撓性であり、側壁と締りばめを形成し、それらの間に流体密封シールを形成する。さらに他の該実施形態では、複数の可撓性部材および第1および第2のシーリング部材は、同じ材料を含む。いくつかの該実施形態では、複数の可撓性部材および第1および第2のシーリング部材は、熱可塑性エラストマーまたはシリコーン材料を含む。他の該実施形態では、ストッパ本体は、複数の可撓性部材および第1および第2のシーリング部材に実質的に結合可能なポリマーからなる。いくつかの該実施形態では、複数の可撓性部材および第1および第2のシーリング部材は、ストッパ本体にオーバーモールドされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の可撓性部材は、横方向に延びる第1の位置とリビングヒンジを中心として軸方向に延びる第2の位置との間で屈曲可能である。いくつかの実施形態では、複数の可撓性部材は、複数の、角度をなして離間されたペタルを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、摺動ストッパは、貫通可能かつ再封止可能な隔膜をさらに含み、隔膜は、貯蔵チャンバに複数回分の物質を充填するために針または同様の充填部材または注入部材によって貫通可能であり、かつ隔膜に生じた貫通孔を気密封止するために再封止可能である。いくつかの該実施形態では、隔膜は、(i)隔膜への液体シーリング材の塗布、(ii)隔膜への放射またはエネルギの照射、および(iii)隔膜への機械的シールの適用の少なくとも1つによって再封止可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記デバイスは、送達デバイスと流体連通して接続可能な一方向弁をさらに含み、一方向弁は、(i)貯蔵チャンバからの物質が、一方向弁を通って、一方向弁と流体連通して接続された送達デバイス内に流れることを可能にする、および(ii)流体が一方向弁を実質的に反対方向に通って、貯蔵チャンバ内に流れることを実質的に防止する。いくつかの該実施形態では、一方向弁は、比較的剛性の弁座と、弁座に係合する弾性弁部材とを含み、弁座と弾性弁部材との間に、通常閉鎖された、軸方向に細長い弁シームを規定し、弁両端の圧力差が開弁圧未満である場合、流体が弁シームを通過することを実質的に防止し、弁両端の圧力差が開弁圧を超える場合、流体が弁シームを通過するのを可能にする。他の該実施形態では、貯蔵チャンバは、一方向弁と摺動ストッパとの間に規定された可変容積貯蔵チャンバである。いくつかの該実施形態では、貯蔵チャンバは、封止された無菌状態の貯蔵チャンバである。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記デバイスは、一方向弁の出口に隣接して配置されたコネクタをさらに含み、コネクタは、コネクタに送達デバイスを接続するように適合されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記デバイスは、キャップをさらに含み、キャップは、デバイス本体の開口内に取付けられ、複数の可撓性部材を横方向に延びる第1の位置から軸方向に延びる第2の位置へと動かすように構成されている。
【0014】
別の局面に従うと、複数回分の分注されるべき物質を貯蔵するためのデバイスは、その一端に開口を規定するデバイス本体と、内部に複数回分の物質を貯蔵するための、デバイス本体内の第1の手段と、第1の手段の一端を封止し、第1の手段内に物質を充填するための第2の手段とを含み、第2の手段は、デバイス本体内に摺動可能に係合可能であり、第2の手段は、第2の手段を通して第1の手段を充填中にデバイス本体の開口に係合するための第3の手段を有する。第3の手段は、(i)第3の手段が実質的に横方向に延び、デバイス本体の開口に係合することにより、充填中にデバイス本体に対する第2の手段の軸方向位置を固定する第1の位置と、第3の手段が実質的に軸方向に延び、デバイス本体の開口から実質的に分離されることにより、第2の手段がデバイス本体を通して軸方向に摺動可能となる第2の位置との間で移動可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の手段は貯蔵チャンバであり、第2の手段は、剛性本体を有する摺動ストッパであり、第3の手段は、摺動ストッパ本体から延びる可撓性部分または複数の部材である。
【0016】
別の局面に従うと、デバイスを充填する方法は、(i)その一端に開口を規定するデバイス本体と、内部に複数回分の物質を貯蔵するための、デバイス本体内の貯蔵チャンバと、デバイス本体の開口内に封止的に受けられる摺動ストッパとを含むデバイスを提供するステップを含み、摺動ストッパは、ストッパ本体と、可撓性部分または複数の可撓性部材とを有し、可撓性部分または複数の可撓性部材は、ストッパ本体から延び、横方向に延びる位置に向けられることにより、デバイス本体の開口に係合し、方法はさらに、(ii)可撓性部分または複数の可撓性部材を開口に解放可能に固定することにより、デバイス本体に対するストッパの軸方向位置を固定するステップと、(iii)摺動ストッパを通して貯蔵チャンバを充填するステップと、(iv)可撓性部材または複数の可撓性部材を横方向に延びる位置から軸方向に延びる位置に動かすことにより、開口から実質的に分離させ、ストッパがデバイス本体を通して軸方向に摺動できるようにするステップと、(v)ストッパをデバイス本体を通して徐々に摺動させるステップとを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、摺動ストッパは、貫通可能かつ再封止可能な隔膜をさらに含み、充填ステップは、隔膜を針または同様の充填部材または注入部材によって貫通し、貯蔵チャンバに複数回分の物質を充填し、隔膜から針または同様の充填部材または注入部材を引抜くことを含み、さらに、隔膜に生じた貫通孔を気密封止するステップを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記装置は、送達デバイスと流体連通して接続可能な一方向弁をさらに含み、一方向弁は、(i)貯蔵チャンバからの物質が、一方向弁を通って、一方向弁と流体連通して接続された送達デバイス内に流れることを可能にする、および(ii)流体が一方向弁を実質的に反対方向に通って、貯蔵チャンバ内に流れることを実質的に防止し、上記方法はさらに、一方向弁を送達デバイスと接続するステップと、一方向弁を通して貯蔵チャンバから一回分の物質を分注するステップとを含み、摺動ステップは、プランジャ内のストッパを摺動させて、これに応じて貯蔵チャンバの容積を減少させることを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、摺動ストッパは、第1および第2の軸方向に離間されたシーリング部材をさらに含み、第1および第2のシーリング部材は、ストッパ本体の周りに延び、デバイス本体の内面に封止的に係合し、ストッパのデバイス本体に対する摺動運動を可能にするように構成されている。
【0020】
別の局面に従うと、充填装置は、軸方向に細長い、横方向に離間された第1および第2の支持体を介して取付けられた、軸方向に離間された、横方向に延びる上部および下部フレーム部材を有するフレームを含み、上部フレーム部材は、少なくとも1つのスロットおよびスロットから下部フレーム部材に向かって延びる少なくとも1つのデバイス支持部材を規定し、デバイス支持部材は、充填されるべきデバイスを、デバイスの一端が上部フレーム部材と実質的に同一平面上となるようにデバイス支持部材内に受けるように寸法付けられている。フレームの上方に充填デバイス支持体が位置付けられており、充填デバイス支持体は、互いに軸方向に並べられた少なくとも1つのモジュール、少なくとも1つのそれぞれの第1のプレート、および少なくとも1つのそれぞれの第2のプレートを含み、充填デバイス支持体はさらに、少なくとも1つのモジュールの各々と第1のプレートとの間に取付けられた充填デバイスを含む。モジュール、第1のプレートおよび第2のプレートは、互いに対して、かつフレームに対して、(i)第1のプレートがモジュールから軸方向に離間され、第2のプレートが第1のプレートから軸方向に離間され、上部フレーム部材が第2のプレートから軸方向に離間された初期分離位置と、(ii)第1のプレートがモジュールから軸方向に離間され、第2のプレートが第1のプレートから軸方向に離間され、第2のプレートが上部フレーム部材と係合する第1の係合位置と、(iii)第1のプレートがモジュールから軸方向に離間され、第1のプレートが第2のプレートと係合し、第2のプレートが上部フレーム部材と係合する第2の係合位置と、(iv)モジュールが第1のプレートと係合し、第1のプレートが第2のプレートと係合し、第2のプレートが上部フレーム部材と係合する第3の完全係合位置との間で移動可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、充填デバイスは、中空充填部材と、充填部材の一端に形成された先端と、中空充填部材の内部と流体連結している少なくとも1つのポートと、閉止具とを含み、閉止具および充填部材の少なくとも1つは、(i)閉止具が少なくとも1つのポートを閉鎖し、少なくとも1つのポートと周囲雰囲気との間に流体気密シールを形成し、少なくとも1つのポートおよび充填部材の内部の無菌状態を維持する第1の位置と、(ii)少なくとも1つのポートを開放する第2の位置との間で移動可能である。
【0022】
いくつかの実施形態では、モジュール、第1のプレートおよび第2のプレートが分離位置、第1の係合位置または第2の係合位置にあるとき、閉止具および/または充填部材は第1の位置にある。
【0023】
いくつかの実施形態では、モジュール、第1のプレートおよび第2のプレートが第3の完全係合位置にあるとき、閉止具および/または充填部材は第2の位置にある。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2のプレートは、第1、第2および第3の係合位置においてデバイスの端に係合する。
【0025】
本発明の他の目的および利点、および/または本発明の現在好ましい実施形態は、以下の現在好ましい実施形態の詳細の説明および添付の図面を考慮すると、より容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】摺動ストッパを含むデバイスの斜視側面図である。
【
図3】
図1のデバイスと、デバイスの可変容積貯蔵チャンバから一回以上分の貯蔵された物質を引抜くための一方向弁に接続可能なシリンジ送達デバイスとの部分断面側面図である。
【
図4】
図1のデバイスと、デバイスの可変容積貯蔵チャンバから一回以上分の貯蔵された物質を引抜くための一方向弁に接続可能なシリンジ送達デバイスとの部分断面側面図である。
【
図5】
図1のデバイスの摺動ストッパの拡大断面図である。
【
図6】摺動ストッパを含むデバイスの別の実施形態の斜視側面図である。
【
図8】
図6のデバイスの上部の拡大部分断面図である。
【
図9】
図6のデバイスおよびそれに接続されたシリンジ送達デバイスの部分断面側面図である。
【
図10】
図1のデバイスを充填するための充填装置の斜視上面図である。
【
図11】初期分離位置における
図10の充填装置の断面側面図である。
【
図12】第1の係合位置における
図10の充填装置の断面側面図である。
【
図13】第2の係合位置における
図10の充填装置の断面側面図である。
【
図14】第3の係合位置における
図10の充填装置の断面側面図である。
【
図15A】再封止可能な隔膜を充填デバイスによって貫通する前、貫通中、または隔膜から充填デバイスを引抜いた後の摺動ストッパを示す、
図6のデバイスの順次断面図である。
【
図15B】再封止可能な隔膜を充填デバイスによって貫通する前、貫通中、または隔膜から充填デバイスを引抜いた後の摺動ストッパを示す、
図6のデバイスの順次断面図である。
【
図15C】再封止可能な隔膜を充填デバイスによって貫通する前、貫通中、または隔膜から充填デバイスを引抜いた後の摺動ストッパを示す、
図6のデバイスの順次断面図である。
【
図15D】再封止可能な隔膜を充填デバイスによって貫通する前、貫通中、または隔膜から充填デバイスを引抜いた後の摺動ストッパを示す、
図6のデバイスの順次断面図である。
【
図15E】再封止可能な隔膜を充填デバイスによって貫通する前、貫通中、または隔膜から充填デバイスを引抜いた後の摺動ストッパを示す、
図6のデバイスの順次断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
発明の実施形態の詳細な説明
図1〜
図5において、デバイスは、参照番号10によって全体的に示される。図示する実施形態では、デバイス10は、限定されないが、たとえばバイアルなどの容器である。デバイス10は、本体12、本体12の一端に配置された一方向弁14、および本体12の対向端に初めに配置される摺動ストッパ16を含む。本体12は、封止された空の可変容積貯蔵チャンバ18を内部に含み、貯蔵チャンバ18は、複数回分の薬剤、医薬注射剤、またはワクチンなどの物質を貯蔵するために、弁14と摺動ストッパ16との間に規定されている。本明細書の教示に基づいて当該技術分野の当業者には認識され得るように、本発明は、他の容器、シリンジ、送達デバイス、ディスペンサおよび処理デバイスなど、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまなタイプのデバイスのいずれかにおいて、具現化され得るまたは適用可能であり得る。デバイスには、液体、ゲル、粉体および気体を含む、数多くのさまざまな形態のいずれかのサプリメント、食品、飲料、液体栄養製品、および工業製品など、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな物質の任意のいずれかが充填され得る。
【0028】
図示する実施形態では、本体12は、実質的に円筒形の側壁20を規定し、そのベース端に開口22を規定している。コネクタ24は、本体12の対向する弁端の頂部に、封止的に取付けられている。いくつかの実施形態では、本体12はガラスまたはプラスチック材料から形成される。しかし、当該技術分野の当業者には認識され得るように、この本体は、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな材料のいずれかからなってもよい。コネクタ24は、そのベース端に、本体12の側壁20に封止的に係合している環状ベース部材26と、その対向端に、たとえば雄ルアーコネクタ先端などのコネクタ先端28とを含む。これらの間に概ねドーム型の部材30が延びている。コネクタ24は、環状ベース部材26とドーム型部材30との境界において環状肩部32を規定している。コネクタ24はさらに、一方向弁14を受けるためにコネクタ24を通って延びる弁開口34を規定している。
【0029】
図3に最もよく示されるように、一方向弁14は、比較的剛性の弁座36を含み、弁座36は、可撓性弁部材またはカバー38内に受けられるとともに、可撓性弁部材またはカバー38によって保持されることにより、これらの間に通常閉鎖された、軸方向に細長い環状弁シーム40が規定されている。可撓性弁部材38は、弾力性および/またはエラストマー状の材料から形成される実質的にドーム型のばね42を規定している。ばね42は、弁部材38および弁座36が、延ばされた第1の位置(
図3)(第1の位置において、弁部材38は、コネクタ24の弁開口34内に完全に受けられる)と、押下げられた第2の位置(
図4)(第2の位置において、弁部材38は弁開口34内で押下げられるまたは遠位に動かされ、コネクタ24の内面44と実質的に非係合となる)との間で、コネクタ24内を軸方向に動かすことができるように変形する。ドーム型ばね42は、弁14を押下げられた第2の位置から延ばされた第1の位置の方向に通常付勢する。
【0030】
弁14は、たとえばシリンジによってなど送達デバイス25によって係合可能であり、延ばされた第1の位置から押下げられた第2の位置に移動可能である。第1の位置にあるとき、弁開口34を形成するコネクタ24の内面44は、弁部材38を囲む、または弁部材38に係合する、または弁部材の、弁座36に対する拡張もしくはたとえば弁座36から離れるなどの運動を実質的に防止することにより、弁14が開くことを防止する。環状弁シーム40が閉鎖されることにより、物質がシームを通過することが防止される。一方、第2の位置にあるとき、一方向弁14は、弁14が通常閉位置と開位置との間で移動可能となるように、(たとえば、コネクタ24の外向きテーパまたは拡張によって)その周りに十分なスペースを有して内面44から分離される。具体的には、周囲スペースは、弁部材38が弁座36から離れて動き、弁シーム40を解放することを可能にする。通常閉位置においては、弁部材38は弁座36と係合して、これらの間に流体気密シールを形成することにより、貯蔵チャンバ18内の物質を無菌かつ気密封止状態に維持する。弁部材38および弁38は、これらの間に締りばめを規定し得る。弁14は開弁圧を規定し、弁両端の(たとえば、弁の内部から外部への)圧力差が開弁圧を超えない限り通常閉位置のままである。弁両端の圧力差が開弁圧を超えると、弁部材38が弁座36に対してたとえば径方向に拡張される。これにより、これらの間の弁シーム40が解放されることにより、物質が可変容積貯蔵チャンバ18から引抜かれ、弁14を通ってデバイス10から分注可能となる。
【0031】
開弁圧は、弁部材38の弁座36との係合の長さ、すなわち、弁シーム40の軸方向範囲の関数として、一部規定される。この長さが長いほど、弁座を動かすのに必要とされる全力が大きくなり、開弁圧も大きくなる。示されるように、弁座36は内部に少なくとも1つの細長い溝37を規定している。これにより、弁部材38は、流体が弁座36と弁部材38との間を流れるために、溝37では変位される必要がない。したがって、溝37の長さおよび数は、弁シーム40の長さを有効に減少し、ひいては弁14の開弁圧を有効に減少する。溝37の長さおよび数は、弁14に係合し、たとえば、弁に係合しているシリンジのバレルからプランジャを引抜くなど通常の方法で利用される送達デバイス25が、開弁圧を超える圧力差を弁両端に発生可能となり、これにより弁シーム40が解放されるように、弾性、厚さ、形状などの弁部材38の特性を考慮して構成される。反対に、これらの特徴は、当該技術分野の当業者であれば理解されるべきであるように、不意な解放を防止するために最小開弁圧を維持するように構成される。
【0032】
開位置においては、一方向弁14は、(i)物質が一方向弁14を通って貯蔵チャンバ18外へ流れることを可能にする、および(ii)「複数回投与用バイアルおよび方法("Multiple Dose Vial and Method")」と題され、2013年1月17日に出願された米国特許出願第13,744,379号(この出願は、2012年1月17日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/587,525号の利益を主張し、これらの出願の各々は、本開示の一部としてその全体が引用により本明細書に明確に援用される。)の教示に従って、流体が一方向弁14を実質的に反対方向に通って、貯蔵チャンバ18内に流れることを実質的に防止することにより、物質を無菌状態、殺菌状態および/または汚染のない状態に維持する。
【0033】
図5に見られるように、摺動ストッパ16は、デバイス本体12のベース開口22に初めに取付けられ、デバイス10はストッパ16を通して充填される。ストッパ16は、貫通可能かつ再封止可能な隔膜48を規定する実質的に円筒形の剛性本体46を含み、隔膜48は、以下に説明するように、貯蔵チャンバ18内に貯蔵されるべき複数回分の物質を貯蔵チャンバ18に無菌または殺菌充填するために、針または同様の充填部材または注入部材によって貫通可能である。摺動ストッパ16はまた、剛性本体46の対向端において比較的可撓性の近位および遠位環状シーリング部材50、52を含む。これらの2つの軸方向に離間されたシーリング部材50、52は、デバイス本体12との間にシールを形成するように、デバイス本体12の直径などの内部寸法に対して、寸法付けられる。いくつかの実施形態では、該寸法は、デバイス本体12と寸法締めしろを形成するように選択され得る。すなわち、シーリング部材50、52の寸法は、デバイス本体12の内部寸法よりも若干大きいことにより、デバイス本体12と締りばめを形成する。いくつかの実施形態では、シーリング部材50、52の直径は、デバイス本体12の内部直径よりも約0.1mm〜約0.3mm大きい範囲内である。これにより、シーリング部材50、52は、摺動ストッパ15とデバイス本体12との間に摺動する流体密封シールを形成する。剛性本体46の実質的に剛性の性質により、デバイス本体12とのシールを損う可能性のある剛性本体46の歪または崩壊が防止される。
【0034】
取付けられたストッパ16と弁14との間に、封止された空のチャンバ18がデバイス本体12内に規定される。図示する実施形態では、弁を使用してデバイス本体12の端を封止しているが、本発明では、デバイス本体12の端を封止し、ストッパ16により貯蔵チャンバを形成するいかなる態様も想定される。ストッパ16、デバイス本体12、および弁14が殺菌されている場合、封止された空の無菌性チャンバ18がその内部に規定される。ストッパ、デバイス本体、および弁、および/またはこれらの中の任意の構成部品の殺菌は、以下の特許および特許出願のいずれかの教示に従って達成可能であり、これらの特許および特許出願の各々は、本明細書に完全に記載されたかのように本開示の一部としてその全体が引用により本明細書に明確に援用される:米国特許第5,641,004号として特許付与されており、「無菌状態の下で閉塞容器を充填するための方法("Process for Filling a Sealed Receptacle under Aseptic Conditions")」と題され、1995年4月19日に出願された米国特許出願第08/424,932号;米国特許第6,604,561号として特許付与されており、「ヒートシール可能なキャップを有する薬剤瓶並びに瓶充填装置及び方法("Medicament Vial Having a Heat-Sealable Cap, and Apparatus and Method for Filling the Vial")」と題され、2001年2月12日に出願された米国特許出願第09/781,846号(この出願は、「薬剤瓶用のヒートシール可能なキャップ("Heat-Sealable Cap for Medicament Vial")」と題され、2000年2月11日に出願された米国仮特許出願第60/182,139号による優先権を主張する。);米国特許第7,100,646号として特許付与されており、「密封容器およびその製造方法、充填方法("Sealed Containers and Methods of Making and Filling Same")」と題され、2003年9月3日に出願された米国特許出願第10/655,455号(この出願は、2002年9月3日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/408,068号による優先権を主張する。);および、米国特許第7,032,631号として特許付与されており、「ヒートシール可能なキャップを有する薬剤瓶並びに瓶充填装置及び方法("Medicament Vial Having a Heat-Sealable Cap, and Apparatus and Method for Filling the Vial")」と題され、2004年1月28日に出願された米国特許出願第10/766,172号(この出願は、2003年1月28日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/443,526号および2003年6月30日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/484,204号による優先権を主張する。)。さらに、封止された空のチャンバは、流体減菌剤により充填前に殺菌されてもよく、これは、「一酸化窒素注入殺菌装置および方法("Nitric Oxide Injection Sterilization Device and Method")」と題され、2011年6月21日に出願された米国仮特許出願第61/499,626号に開示されるように行われてもよく、この出願は、本明細書に完全に記載されたかのように、本開示の一部としてその全体が引用によって本明細書に明確に援用される。
【0035】
図1および
図5に最もよく示されるように、摺動ストッパ16は、その近位端、すなわち開口22に最も近い端から延びている可撓性部分53をさらに含む。いくつかの実施形態では、可撓性部分53は、たとえばペタルなどの複数の可撓性の、角度をなして離間された部材54を含む。いくつかの実施形態では、シーリング部材50、52およびペタル54は、たとえば、低密度ポリエチレンおよび/または高密度ポリエチレンなどの熱可塑性エラストマーからなる。いくつかの該実施形態では、熱可塑性エラストマーは、約20ショアA〜約95ショアAの範囲内のデュロメータを規定する。いくつかの実施形態では、シーリング部材50、52およびペタル54は、シリコーン材料から形成される。これらの実施形態のいくつかにおいては、シーリング部材50、52およびペタル54は、たとえばガラス充填PBTなどの実質的に結合可能なポリマーからなる剛性本体46にオーバーモールドされる。しかし、当該技術分野の当業者には認識されるべきであるように、シーリング部材、ペタル、およびストッパの本体は、互いに結合し、本明細書に説明されるような個々の機能を実施可能な、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな材料のいずれかから形成されてもよい。また、当該技術分野の当業者には理解されるべきであるように、シーリング部材およびペタルは、剛性本体と一体的に形成されてもよい。たとえば、シーリング部材は、剛性本体上に横方向に延びる環状凸部として形成されてもよく、または、剛性本体に形成される対応する溝または凹部内に受けられるo−リングまたは他のシーリング部材などのシーリング部材によって形成されてもよい。
【0036】
たとえば可撓性ペタル54などの可撓性部材53は、実質的に横方向に延びる位置(
図5)と軸方向に延びる位置(
図1)との間で、たとえばそのリビングヒンジ56を中心として屈曲可能である。
図5に示されるように、ストッパ16がデバイス本体12の開口22に初めに取付けられるときであって、かつストッパ16を通した充填前には、可撓性部分53は横方向に延びる位置に位置付けられる。たとえばペタル54などの可撓性部分53は、実質的に横方向に延びる位置では、デバイス本体12のベース端における開口22を規定する環状縁58に係合する。環状縁58と係合した横方向に延びるペタル54または可撓性部分53の他の構成は、ストッパ16を通した可変容積貯蔵チャンバ18の充填中に、摺動ストッパ16のデバイス本体12に対する軸方向位置をしっかりと固定する。
【0037】
貫通可能かつ再封止可能な隔膜48を通して貯蔵チャンバ18を充填した後、ストッパ16は、チャンバ18内に押下げられるまたは引っ込められる。ストッパ16がチャンバ内に押下げられるまたは引き込まれると、開口22の環状縁58は、たとえばペタル54などの可撓性部分53を、そのリビングヒンジ56を中心として内側に屈曲させることにより、可撓性部分53またはペタル54を軸方向に延びる位置へと動かす。軸方向に延びる位置では、可撓性部分53またはペタル54は、
図1に示されるように、環状縁58と非係合である。これにより、以下にさらに説明するように、摺動ストッパ16がデバイス本体12内を軸方向に動くことにより、貯蔵チャンバ18から複数回分の貯蔵される物質を分注する際の貯蔵チャンバ18の容積の減少を吸収可能となる。その後、キャップ60をデバイス本体12のベース開口22内に挿入して、開口を封鎖できる。いくつかの実施形態では、キャップ60を挿入すると、ストッパ16がチャンバ18内に軸方向に押下げられ得る。キャップ60は環状突起部62を含み、突起部62は、キャップ60が取付けられるとデバイス本体側壁20の内面に係合するように位置付けられる。キャップ60は、摺動ストッパ16とキャップ60との間に真空が形成されることを防止する、およびそうでなければ、物質を貯蔵チャンバ18から分注する際に摺動ストッパ16がデバイス本体12を通過し得るように、1つ以上の通気口(図示せず)を含み得る。すなわち、ストッパ16がデバイス本体12に沿って動くと、ストッパ16とキャップ60との間のスペースに吸引力を生じる。通気口は、空気がスペースに入り、圧力を均等化できるようにする。
【0038】
摺動ストッパ16がデバイス本体12と協働して可変容積貯蔵チャンバ18を規定する態様は、以下の特許および特許出願のいずれかに開示されるのと同じまたは実質的に同様であってもよく、これらの特許および特許出願の各々は、本開示の一部としてその全体が引用により本明細書に明確に援用される:「物質の貯蔵および分注用の一方向弁を有する横方向作動分注器("Laterally-Actuated Dispenser with One-Way Valve For Storing and Dispensing Substances")」と題され、2011年8月26日に出願された米国特許出願第13/219,597号(米国特許出願第13/219,597号は、現在は米国特許第8,007,193号であり、「物質の貯蔵および定量分注用の一方向弁を有する横方向作動分注器("Laterally-Actuated Dispenser with One-Way Valve for Storing and Dispensing Metered Amounts of Substances")」と題され、2010年2月23日に出願された米国特許出願第12/710,516号の継続出願であり、米国特許出願第12/710,516号は、現在は米国特許第7,665,923号であり、2005年9月27日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/237,599号の継続出願であり、米国特許出願第11/237,599号は、2004年9月27日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/613,583号および2005年7月15日に出願され、同様に題された米国仮出願第60/699,607号の利益を主張する。)。
【0039】
隔膜48は、それを通して可変容積貯蔵チャンバ18を無菌充填するために貫通され得る。隔膜48は、好ましくは、該隔膜から充填部材が引抜かれた後に自己閉鎖するのに十分弾力性のある材料から形成され、これにより、充填部材が引抜かれた後に残留する貫通孔によって残される頭部の損失がそれを通る流体の浸入を防止することを確実にする。隔膜48は好ましくは自己閉鎖性であるが、隔膜は、たとえばレーザ照射またはエネルギなど、隔膜への放射またはエネルギの照射などにより再封止されて、貯蔵チャンバ18内の充填された物質を周囲環境から気密封止してもよい。これは、以下の特許および特許出願のいずれかの教示に従って行なわれてもよく、これらの各々は、本開示の一部としてその全体が引用により本明細書に明確に援用される:「閉止具および取外し可能、再封止可能なストッパを有する、内部に物質を封止するための容器、および関連する方法」("Container Having a Closure and Removable Resealable Stopper for Sealing a Substance Therein and Related Method")」と題され、2008年10月20日に出願された米国特許出願第12,254,789号(この出願は、「閉止具および取外し可能、再封止可能なストッパを有する、内部に物質を封止するための容器」("Container Having a Closure and Removable Resealable Stopper for Sealing a Substance Therein")」と題された、2007年10月18日に出願された米国特許出願第60/981,107号の利益を主張する。);「液体生成物を調製し、無菌充填するための装置("Apparatus For Formulating and Aseptically Filling Liquid Products")」と題され、2008年10月3日に出願された米国特許出願第12/245,678号および「液体生成物を調製し、無菌充填するための方法("Method For Formulating and Aseptically Filling Liquid Products")」と題され、2008年10月3日に出願された米国特許出願第12/245,681号(これらの出願は、「液体生成物を調製し、無菌充填するための装置および方法("Apparatus and Method For Formulating and Aseptically Filling Liquid Products")」と題され、2007年10月4日に出願された米国特許出願第60/997,675号の利益を主張する。);現在は米国特許第7,980,276号である、「ニードル貫通可能かつレーザ再封止可能な部分を有する装置および関連する方法("Device with Needle Penetrable and Laser Resealable Portion and Related Method")」と題され、2010年9月3日に出願された米国特許出願第12/875,440号(この出願は、現在は米国特許第7,810,529号である、「ニードル貫通可能かつレーザ再封止可能な部分を有する装置("Device with Needle Penetrable and Laser Resealable Portion")」と題され、2009年2月13日に出願された米国特許出願第12/371,386号の継続出願であり、米国特許出願第12/371,386号は、現在は米国特許第7,490,639号である、「ニードル貫通可能かつレーザ再封止可能な部分を有する装置および関連する方法("Device with Needle Penetrable and Laser Resealable Portion and Related Method")」と題された、2007年12月3日に出願された米国特許出願第11/949,087号の継続出願であり、米国特許出願第11/949,087号は、現在は米国特許第7,445,033号である、2007年7月16日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/879,485号の継続出願であり、米国特許出願第11/879,485号は、現在は米国特許第7,243,689号である、2006年4月21日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/408,704号の継続出願であり、米国特許出願第11/408,704号は、現在は米国特許第7,032,631号である、「ヒートシール可能なキャップを有する薬剤瓶並びに瓶充填装置及び方法("Medicament Vial Having a Heat-Sealable Cap, and Apparatus and Method for Filling the Vial")」と題され、2004年1月28日に出願された米国特許出願第10/766,172号の継続出願であり、米国特許出願第10/766,172号は、現在は米国特許第6,805,170号である、2003年10月27日に出願され、同様に題された米国特許出願第10/694,364号の一部継続出願であり、米国特許出願第10/694,364号は、現在は米国特許第6,684,916号である、2003年3月21日に出願され、同様に題された米国特許出願第10/393,966号の継続出願であり、米国特許出願第10/393,966号は、現在は米国特許第6,604,561号である、2001年2月12日に出願され、同様に題された米国特許出願第09/781,846号の分割出願であり、米国特許出願第09/781,846号は、2000年2月11日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/182,139号および2003年1月28日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/443,526号および2003年6月30日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/484,204号の利益を主張する。);「密封容器ならびにその充填および再密封方法("Sealed Contained and Method of Filling and Resealing Same")」と題され、2011年7月29日に出願された米国特許出願第13/193,662号(この出願は、現在は米国特許第7,992,597号である、「密封容器およびその製造方法、充填方法("Sealed Containers and Methods of Making and Filling Same")」と題され、2010年6月1日に出願された米国特許出願第12/791,629号の継続出願であり、米国特許出願第12/791,629号は、現在は米国特許第7,726,352号である、「密封容器およびその製造方法、充填方法("Sealed Containers and Methods of Making and Filling Same")」と題され、2006年9月1日に出願された米国特許出願第11/515,162号の分割出願であり、米国特許出願第11/515,162号は、現在は米国特許第7,100,646号である、「密封容器およびその製造方法、充填方法("Sealed Containers and Methods of Making and Filling Same")」と題され、2003年9月3日に出願された米国特許出願第10/655,455号の継続出願であり、米国特許出願第10/655,455号は、現在は米国特許第6,684,916号である、「ヒートシール可能なキャップを有する薬剤瓶並びに瓶充填装置及び方法("Medicament Vial Having A Heat-Sealable Cap, and Apparatus and Method For Filling The Vial")」と題され、2003年3月21日に出願された米国特許出願第10/393,966号の一部継続出願であり、米国特許出願第10/393,966号は、現在は米国特許第6,604,561号である、2001年2月12日に出願され、同様に題された米国特許出願第09/781,846号の分割出願であり、米国特許出願第09/781,846号は、2000年2月11日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/182,139号および「密封容器およびその製造方法、充填方法("Sealed Containers and Methods of Making and Filling Same")」と題され、2002年9月3日に出願された米国仮特許出願第60/408,068号の利益を主張する。);現在は米国特許第8,096,333号である、「調整可能なニードル充填およびレーザ封止装置および方法("Adjustable Needle Filling and Laser Sealing Apparatus and Method")」と題され、2009年11月30日に出願された米国特許出願第12/627,655号(米国特許出願第12/627,655号は、2004年11月5日に出願され、同様に題された米国特許出願第10/983,178号の継続出願であり、米国特許出願第10/983,178号は、「ニードル充填およびレーザ封止ステーション("Needle Filling and Laser Sealing Station")」と題され、2003年11月7日に出願された米国仮特許出願第60/518,267号および2003年11月10日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/518,685号の利益を主張する。);「ニードル充填およびレーザ再封止のための装置および方法("Apparatus and Method for Needle Filling and Laser Resealing")」と題され、2007年9月17日に出願された米国特許出願第11/901,467号(米国特許出願第11/901,467号は、現在は米国特許第7,270,158号であり、2006年8月28日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/510,961号の継続出願であり、米国特許出願第11/510,961号は、現在は米国特許第7,096,896号であり、2005年3月2日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/070,440号の継続出願であり、米国特許出願第11/070,440号は、「ニードル充填およびレーザ再封止のための装置("Apparatus for Needle Filling and Laser Resealing")」と題され、2004年3月5日に出願された米国仮特許出願第60/550,805号の利益を主張する。);現在は米国特許第7,975,453号である、「ストッパを有する容器を成形し、組立てて、充填するための装置("Apparatus for Molding and Assembling Containers with Stoppers and Filling Same")」と題され、2010年4月28日に出願された米国特許出願第12/768,885号(米国特許出願第12/768,885号は、現在は米国特許第7,707,807号である、2005年3月7日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/074,513号の継続出願であり、米国特許出願第11/074,513号は、「ストッパを有する容器を成形し、組立てて、充填するための装置および方法("Apparatus and Method For Molding and Assembling Containers With Stoppers and Filling Same")」と題され、2004年3月8日に出願された米国仮特許出願第60/551,565号の利益を主張する。);「ストッパを有する容器を成形し、組立てて、充填するための方法("Method for Molding and Assembling Containers with Stopper and Filling Same")」と題され、2010年3月2日に出願された米国特許出願第12/715,821号(米国特許出願第12/715,821号は、現在は米国特許第7,669,390号である、2005年3月7日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/074,454号の継続出願である。);現在は米国特許第7,954,521号である、「その上にニードル貫通可能かつ熱再封止可能な部分を有し、その下に脂質含有液体製品に親和性な部分を有する容器閉止具、および関連する方法("Container Closure With Overlying Needle Penetrable and Thermally Resealable Portion and Underlying Portion Compatible With Fat Containing Liquid Product, and Related Method")」と題され、2006年1月25日に出願された米国特許出願第11/339,966号(米国特許出願第11/339,966号は、「ニードル貫通可能かつ熱再封止可能なストッパを有する容器、スナップリング、およびストッパを固定するためのキャップ("Container with Needle Penetrable and Thermally Resealable Stopper, Snap-Ring, and Cap for Securing Stopper")」と題され、2005年1月25日に出願された米国仮特許出願第60/647,049号の利益を主張する。);「ニップルおよびニードル貫通可能かつレーザ再封止可能な部分を有するすぐに飲める容器、ならびに関連する方法("Ready To Drink Container With Nipple and Needle Penetrable and Laser Resealable Portion, and Related
Method")」と題され、2010年8月23日に出願された米国特許出願第12/861,354号(米国特許出願第12/861,354号は、現在は米国特許第7,780,023号である、2007年4月10日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/786,206号の分割出願であり、米国特許出願第11/786,206号は、2006年4月10日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/790,684号の利益を主張する。);現在は米国特許第7,322,491号である、「一方向バルブとそのバルブを使用する装置および方法("One-Way Valve, Apparatus and Method of Using the Valve")」と題され、2005年12月5日に出願された米国特許出願第11/295,251号(米国特許出願第11/295,251号は、2005年1月14日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/644,130号および2004年12月4日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/633,332号の利益を主張する。);「再密封可能な容器ならびにその製造、充填および再密封方法("Resealable Containers and Methods of Making, Filling and Resealing the Same")」と題され、2010年5月28日に出願された米国特許出願第12/789,565号(米国特許出願第12/789,565号は、現在は特許第7,726,357号である、「再密封可能な容器およびその充填、再密封のためのアセンブリ("Resealable Containers and Assemblies for Filling and Resealing Same")」と題され、2007年10月31日に出願された米国特許出願第11/933,272号の継続出願であり、米国特許出願第11/933,272号は、現在は米国特許第7,726,352号である、「再密封可能な容器ならびにその製造および再密封方法("Resealable Containers and Methods of Making and Resealing Same")」と題され、2006年9月1日に出願された米国特許出願第11/515,162号の継続出願である。);「充填ステーションおよび電子ビームチャンバを有する無菌充填マシン("Sterile Filling Machine Having Filling Station and E-Beam Chamber")」と題され、2011年3月11日に出願された米国特許出願第13/045,655号(米国特許出願第13/045,655号は、現在は米国特許第7,905,257号である、「ニードル充填ステーションおよびコンベアを有する無菌充填マシン("Sterile Filling Machine Having Needle Filling Station and Conveyor")」と題され、2009年7月2日に出願された米国特許出願第12/496,985号の継続出願であり、米国特許出願第12/496,985号は、現在は米国特許第7,556,066号である、「電子ビームチャンバ内にニードル充填ステーションを有する無菌充填マシン("Sterile Filling Machine Having Needle Filling Station within E-Beam Chamber")」と題され、2006年9月25日に出願された米国特許出願第11/527,775号の継続出願であり、米国特許出願第11/527,775号は、現在は米国特許第7,111,649号である、2005年4月11日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/103,803号の継続出願であり、米国特許出願第11/103,803号は、現在は米国特許第6,929,040号である、2003年6月19日に出願され、同様に題された米国特許出願第10/600,525号の継続出願であり、米国特許出願第10/600,525号は、2002年6月19日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/390,212号の利益を主張する。);「貫通可能かつ再封止可能な部分を有するデバイスおよび関連する方法("Device with Penetrable and Resealable Portion and Related Method")」と題され、2011年12月14日に出願された米国特許出願第13/326,177号(米国特許出願第13/326,177号は、2011年6月28日に出願され、同様に題された米国特許出願第13/170,613号の継続出願であり、米国特許出願第13/170,613号は、現在は米国特許第7,967,034号である、「ニードル貫通可能かつレーザ再封止可能な部分を有するデバイスおよび関連する方法("Device with Needle Penetrable and Laser Resealable Portion and Related Method")」と題され、2009年3月10日に出願された米国特許出願第12/401,567号の継続出願であり、米国特許出願第12/401,567号は、現在は米国特許第7,500,498号である、2007年10月31日に出願され、同様に題された米国特許出願第11/933,300号の継続出願である。);「すぐに摂取可能な容器("Ready to Feed Container")」と題され、2011年4月30日に出願された米国特許出願第13/329,483号(米国特許出願第13/329,483号は、「すぐに摂取可能な容器および方法("Ready to Feed Container and Method")」と題され、2011年4月30日に出願された国際出願番号PCT/US2011/034703号の継続出願であり、PCT/US2011/034703号は、2010年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/330,263号の利益を主張する。);および「充填ニードルおよび方法("Filling Needle and Method)」と題され、2011年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/476,523号。
【0040】
代替的には、隔膜48は、可変容積貯蔵チャンバ18を無菌充填するために貫通され、その後、シリコーンシーリング材などの液体シーリング材により再封止されて、貯蔵チャンバ内の充填された物質を気密封止してもよい。これは以下の特許出願のいずれかの教示に従って行なわれてもよく、これらの出願の各々は、本開示の一部としてその全体が引用により本明細書に明確に援用される:「共押出成形体および可撓性内側ブラダ―を有するデバイス、ならびに関連する装置および方法("Device with Co-Extruded Body and Flexible Inner Bladder and Related Apparatus and Method")」と題され、2009年10月9日に出願された米国特許出願第12/577,126号(この出願は、2008年10月10日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/104,613号の利益を主張する。);「一体成形された一方向弁および可変容積貯蔵チャンバを有するデバイス、および関連する方法("Device with Co-Molded One-Way Valve and Variable Volume Storage Chamber and Related Method")」と題され、2010年10月8日に出願された米国特許出願第12/901,420号(この出願は、2009年10月9日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/250,363号の利益を主張する。);「充填ニードルおよび方法("Filling Needle and Method")」と題され、2011年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/476,523号。
【0041】
しかし、当該技術分野の当業者には認識されるべきであるように、ストッパ16は、代替的に、それを通して可変容積貯蔵チャンバ18を充填するための入口弁を採用してもよく、該入口弁は、たとえば、「一方向バルブとそのバルブを使用する装置および方法("One-Way Valve, Apparatus and Method of Using the Valve")」と題され、2007年10月9日に特許付与された米国特許第7,278,553号(この特許文献は、2005年1月14日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/644,130号および2004年12月4日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第60/633,332号の利益を主張する。);および「内容物貯蔵吐出用容器およびバルブアセンブリ、ならびに関連する方法("Container and Valve Assembly for Storing and Dispensing Substances, and Related Method")」と題され、2005年5月17日に特許付与された米国特許第6,892,906号(この特許文献は、「内容物貯蔵吐出用容器およびバルブアセンブリ("Container and Valve Assembly for Storing and Dispensing Substances")」と題され、2003年1月27日に出願された米国仮特許出願第60/442,924号および「内容物貯蔵吐出用容器およびバルブアセンブリならびにその製造、充填方法("Container and Valve Assembly for Storing and Dispensing Substances and Method of Making and Filling Same")」と題され、2002年8月13日に出願された米国仮特許出願第60/403,396号の利益を主張する。)に開示されたものなどであり、これらの文献の各々は、本明細書に完全に記載されたかのように、その全体が引用によって本明細書に明確に援用される。
【0042】
図6〜
図9では、別のデバイスが参照番号210によって全体的に示される。デバイス210は、
図1〜
図5について上に説明したデバイス10と実質的に同様であるため、数字「2」を前につけた同様の参照番号を用いて同様の構成要素を示す。デバイス10と比較して、デバイス210の主な差異は、以下に説明するように、コネクタ224がドーム型部材230とコネクタ先端228との間に細長い実質的に円筒形の頸部229を規定しており、コネクタ先端228が、弁部材238の対応するテーパ状出口端238aに係合するテーパ状内面を規定している点である。
【0043】
図7〜
図9に示されるように、弁214は、弁座36および弁部材38に対してより長い弁座236および弁部材238を規定し、コネクタ224の頸部229を通って弁開口234に延びている。弁部材238は、2つの横方向に延びる環状シール239を規定し、該環状シール239は弁部材238の周りを延び、弁部材238と頸部229の内面との間で摺動する流体気密シールを形成している。環状シール239は、頸部229の実質的に円筒形の内面と締りばめを形成することにより、これらの間に流体気密シールを形成するように寸法付けられ得る。シール239は、弁214が第1の位置にあるときにも第2の位置にあるときも頸部229の内面に係合するように、弁部材238に沿って位置付けられる。これにより、第2の位置では、弁214とコネクタ224との間のキャビティ241が液体の浸入から封止される。これは、分注された流体が(キャビティ241内に流れ込むことに対して)実際に送達デバイスまたはシリンジ内に流れることを確実にする助けをし、さらに、送達デバイス内に送られる流体の汚染を防止する。さらに、キャビティ241内の流体は、キャビティ241内の流体の圧縮力による弁の移動を妨げ得る。当該技術分野の当業者には理解されるべきであるように、弁部材238は代わりに単一のシール239または3つ以上のシール239を規定していてもよい。
【0044】
示されるように、弁部材238の出口端238aは、実質的にテーパ状断面を規定している。コネクタ先端228の内面244は、弁214が第1の位置にあるとき、弁部材238の出口端238aに係合するための対応するテーパ状断面を規定している。
図1〜
図5に示されるデバイスと同様に、第1の位置では、弁部材238は、弁座236から拡張するまたは動くことができず、弁は閉位置にロックされている。溝237は、(貯蔵チャンバ218に隣接する)そのベース端から弁部材238のテーパ状出口端238aまで弁座236を通って延びている。流体が弁部材238と弁座236との間を溝237を通して通過可能であるため、物質が弁224に完全に流れるためには、弁部材238のテーパ状出口端238aが弁座236に対して拡張されればよいのみである。
【0045】
上記の
図1〜
図5の実施形態と同様に、
図9に示されるように、送達デバイス25がコネクタ224と係合すると、弁224が第1の位置から第2の位置へと動く。図示する実施形態では、
図7および
図8に示されるように、ルアーコネクタ先端228は、環状ガイド231を含み、環状ガイド231は、コネクタ先端228の周りに延びて、コネクタ先端228に対して送達デバイス25を誘導する。
【0046】
弁214が送達デバイス25と係合することにより、弁214が第1の位置から第2の位置に動かされると(
図9)、弁部材238のテーパ状部分238aが、より大きい円筒形の頸部229内に押下げられる。頸部229がより大きい内部スペースを規定するため、弁部材238のテーパ状部分238aは、その内面と係合しない。したがって、弁214の両端の圧力差が開弁圧を超えると、テーパ状部分238aは弁座236に対して拡張可能となる。送達デバイス25が、たとえばシリンジのプランジャの引抜などによって、開弁圧より大きい圧力を弁214の両端に生じると、テーパ状部材238aは、弁座236から離れて拡張し、これにより弁214が解放される。その後、物質は貯蔵チャンバ218から引抜かれ、弁214を通ってデバイス10から分注され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、デバイス10、210は、その自動化充填のための充填装置内に取付けられる。例示的な充填装置は、「モジュール型充填装置および方法("Modular Filling Apparatus and Method")」と題され、2012年4月13日に出願された米国仮特許出願第61/686,867号に開示されており、この出願は、本明細書に完全に記載されたかのように、本開示の一部としてその全体が引用によって本明細書に明確に援用される。
【0048】
いくつかの実施形態では、デバイス10、210を充填するために、
図10〜
図14に示されるような充填装置70が利用される。充填装置70はフレーム72を含み、フレーム72は、横方向に離間された、軸方向に細長い第1および第2の支持体74と、その下端において支持体74間に延びるベースフレーム部材76と、その上端において支持体74の間に延びる上部フレーム部材78とを有する。上部フレーム部材78は、一連の横方向に離間されたスロット80を規定しており、各スロット80は、軸方向に延びるデバイス支持部材82を有し、デバイス支持部材82は、各スロット80からベースフレーム部材76に向かって延びている。デバイス支持部材82は、それぞれの充填用のデバイス10、210を内部にフィットするようにしっかりと受けるように構成されている。各支持部材82は、上部フレーム部材78に対向する端において孔84を規定しており、孔84は、それを通してデバイス10、210のコネクタ24、224を受けるようサイズ付けられ、肩部32、232に係合する。デバイス支持部材82に取付けられると、デバイス10、210のベース端は、上部フレーム部材78の上面86と実質的に同一平面上となる。図示する実施形態では、可撓性部分53、253、すなわち、図示する実施形態では、摺動ストッパ16、216の横方向に延びるペタル54、254は、デバイス本体12、212のベース端において環状縁58、258に係合しており、上面86と実質的に同一平面上である。
【0049】
図10〜
図14に示されるように、充填デバイス支持体88は、上部フレーム部材78の上方に位置付けられ、上部フレーム部材78と係合および非係合となるように移動可能である。充填デバイス支持体88は、一連の横方向に離間されたモジュール90を含み、モジュール90は、内部に取付けられた一連のそれぞれの充填デバイス92を有する。各モジュール90は、充填デバイス支持体88と上部フレーム部材78との間に位置付けられた第1および第2のプレート94、96に動作的に取付けられている。それぞれの第1のプレート94は、それぞれのモジュール90から軸方向に離間され、それぞれの第2のプレート96は、第1のプレート94から軸方向に離間されている。図示する実施形態では、各モジュール90、第1のプレート94、および第2のプレート96は、充填デバイス92の対向側に配置された1対の軸方向に延びるポール98を介して、互いに動作的に接続されている。ポール98は、モジュール90、第1のプレート94、および第2のプレート96の各々の、それぞれの軸方向に細長い、並べられたチャネル100を通って延びており、これらのチャネル100内を摺動可能に移動可能である。各ポール98の上端に隣接して、横方向に延びる上部環状突起部102がさらに存在する。各モジュールチャネル90は、対応する環状リップ104を含み、リップ104は、その側壁から横方向に延び、環状突起部102に係合することにより、軸方向のポール98を支持している。各ポール98の下端は、横方向に延びる下部環状突起部106を含む。下部環状突起部は、第2のプレートチャネル96の底面に係合し、第2のプレート96をその上で支持している。各ポール98には2つのばね108、110が収められており、これらのばねは直列に位置付けられ、実質的に軸方向に並べられている。第1のばね108は、上部環状突起部104と第1のプレート94との間に延びる。第2のばね110は、第1のプレート94と第2のプレート96との間に延びる。ポール98がチャネル100内を摺動可能であるため、各それぞれのモジュール90、第1のプレート94、および第2のプレート96は、互いに対して移動可能である。1対の第1のばね108は、モジュール90および第1のプレート94を互いに対して軸方向に離間された位置に自然に付勢する。同様に、1対の第2のばね110もまた、第1のプレート94および第2のプレート96を互いに対して軸方向に離間された位置に付勢する。しかし、モジュール90、第1のプレート94、および第2のプレート96は、以下にさらに説明するように、第1および第2のばね対108、110の付勢に対抗して、互いに対して軸方向に当接する位置へと移動可能である。第1のばね108は、第2のばね110のばね定数よりも大きいばね定数を規定している。これにより、第1および第2のばね対108、110に加えられる軸方向の力により、第1のばね対110を圧縮する以上にまたは第1のばね対110を圧縮する前に、第2のばね対108が実質的に圧縮されることになる。したがって、モジュール90、第1のプレート94、および第2のプレート96に加えられる軸方向の力により、第1のプレート94が通常の軸方向に離間された位置から、第2のプレート96と軸方向に当接する位置へと実質的に動かされ、その後、モジュール90が通常の軸方向に離間された位置から、第1のプレート94と軸方向に当接する位置へと実質的に動かされる。第1のプレート94が第2のプレート96と軸方向に当接した後に、モジュール90が第1のプレート94と軸方向に当接する位置に向かってかなり動く。当該技術分野の当業者には理解されるべきであるように、直列に位置付けられた第1および第2のばねの代わりに、2つの異なるばね率を規定する単一のばねが同様に利用されてもよい。
【0050】
各充填デバイス92は、モジュール90および第1のプレート94にしっかりと取付けられる。当該技術分野の当業者には理解されるべきであるように、充填デバイスは、充填デバイスが本明細書にさらに説明される機能を実施可能となるような数多くのさまざまな態様のいずれの態様でモジュールおよび第1のプレートにしっかりと取付けられてもよい。図示する実施形態では、各モジュール90および第1のプレート94は、軸方向に延び、並べられた充填デバイスチャネル112、114を規定しており、各チャネルは、充填デバイス92の一部を内部に受け、支持している。例示的な充填デバイスは、「閉止具を有するニードルおよび方法("Needle with Closure and Method")」と題され、2012年4月18日に出願された米国特許出願第13/450,306号(この出願は、「充填ニードルおよび方法("Filling Needle and Method")」と題され、2011年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/476,523号の優先権を主張する。);および「貫通可能隔膜、充填ニードルおよび貫通可能閉止具を有するデバイス、および関連する方法("Device with Penetrable Septum, Filling Needle and Penetrable Closure, and Related Method")」と題され、2012年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/659,382号に開示されており、これらの出願の各々は、本明細書に完全に記載されたかのように、本開示の一部としてその全体が引用によって本明細書に明確に援用される。
【0051】
いくつかの実施形態では、充填デバイス92は、中空の細長い充填部材116を含み、充填部材116は、その遠位端において形成された先端118と、その近位端において充填ライン取付器具120とを有する。充填部材116は、その内部と流体連結しており、先端118に近位に隣接して位置づけられた少なくとも1つのポート122を含んでいる。たとえば環状シャッタなどの比較的剛性の閉止具124は、ポート122を封止的に閉鎖する。一体型ばねを規定している比較的可撓性の環状シェル126は、以下にさらに説明するように、閉止具124を封止的に囲み、閉止具124に動作的に接続されている。図示する実施形態では、可撓性シェル126は蛇腹である。しかし、本明細書の教示に基づいて当該技術分野の当業者であれば認識され得るように、可撓性シェルは、本明細書に説明されるようなシェルの機能を実施するための、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな構成のいずれかを取り得る。
【0052】
充填部材116は、軸方向に離間された環状肩部128をさらに含み、環状肩部128は充填部材116から横方向に延び、それらの間に、可撓性シェル126に近位に隣接した頸部130を規定している。各モジュール充填デバイスチャネル112は、その側壁から内側に延びる、対応する横方向突起部132を含む。突起部132は、充填デバイス92をモジュール90にしっかりと取付けるために、環状肩部128間における充填部材116の頸部130内にフィットするように受けられる。充填デバイス92は、可撓性シェル126の横方向に延びる環状突起部134を介して第1のプレート94にしっかりと取付けられ、第1のプレート充填デバイスチャネル114の側壁の、対応する横方向に延びる環状チャネル136に係合している。
【0053】
図示する実施形態では、充填デバイス92の閉止具124および/または充填部材116は、(i)閉止具124がポート122を閉鎖する第1の位置と、(ii)ポート122を解放する第2の位置との間で摺動可能である。閉位置では、閉止具124は、ポート122と周囲雰囲気との間に実質的に流体気密シールを形成する。第1のばね対108は、可撓性環状シェル126の一体型ばねによって助けられて、閉止具124を第2の位置または開位置から第1の位置または閉位置に向かう方向に通常付勢して、ポート122を通常閉鎖する。
【0054】
図示する実施形態では、充填デバイス先端118は、ノンコアリングの円錐状に尖った先端によって規定されているが、本明細書の教示に基づいて当該技術分野の技術者であれば認識され得るように、充填デバイス先端は、トロカール先端など、現在知られているまたは後に知られることになる数多くの他の先端構成のいずれかを規定し得る。ある構成では、第1のばね対108および可撓性シェル126のばね力は、以下にさらに説明するように、先端118および閉止具124の隔膜を通した貫通中に第1のプレート94が第2のプレート96に係合するまで、閉止具124を閉位置に維持しつつ、充填デバイス90が隔膜48などの対向するデバイスの隔膜を貫通することができるのに十分な程度である。すなわち、閉位置において閉止具124を保つ力は、隔膜の貫通中に閉止具124に加えられる対抗力より小さい。その後、第1および第2のプレート94、96が係合すると、第1のばね対108の付勢に対抗する、閉止具124および充填部材116の通常閉位置から開位置への相対的な移動のみが可能となり、これにより、無菌状態の充填デバイスポート122が、たとえば貯蔵チャンバ48などの無菌状態のデバイスチャンバ内に露出される。
【0055】
図示する実施形態では、充填ライン取付器具120は、充填ライン(図示せず)への取付けのための突起を有する取付具である。当該技術分野の当業者であれば認識され得るように、充填デバイスを充填または他のタイプのラインまたは導管に接続するために、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまなタイプの器具、接続またはコネクタのいずれかが使用され得る。たとえば、充填デバイスの近位端は、雄または雌コネクタを規定し、充填ラインに取付けられた雄または雌コネクタの他方に殺菌または無菌接続されてもよい。これは、「接続または充填のためのデバイスおよび方法("Device for Connecting or Filling and Method")」と題され、2012年5月1日に出願された米国仮特許出願第61/641,248号;「自閉式コネクタ("Self-Closing Connector")」と題され、2012年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/635,258号;および2012年4月17日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/625,663号に開示されるように行われてもよく、これらの出願の各々は、本明細書に完全に記載されたかのように、本開示の一部としてその全体が引用によって本明細書に明確に援用される。
【0056】
貫通可能隔膜48、248を通してデバイス10、210のチャンバ18、218内に流体を殺菌かつ無菌充填するために、充填装置70が利用され得る。このようにするためには、まずデバイス10、210がデバイス支持部材82内に取付けられる。取付けられると、ストッパ16、216の横方向に延びるペタル54、254または他の可撓性部分53が、上部フレーム78の上面86と実質的に同一平面上に位置付けられる。その後、充填デバイス支持体88は、モジュール90、第1のプレート94、および第2のプレート96がすべて互いから、かつ、上部フレーム部材78から軸方向に離間されている初期分離位置(
図11)から第1の係合位置へとデバイス10、210に向かって動かされ、これにより、第2のプレート96が上部フレーム部材78に係合する(
図12)。第1の係合位置では、第2のプレートは、上部フレーム部材78の上面86およびストッパ16、216の実質的に同一平面上の可撓性部分53または横方向に延びるペタル54、254に係合する。これにより、ペタル54、254は、上部フレーム部材78と第2のプレート96との間で定位置に固定または締付けられる。すなわち、ペタル54、254は、デバイス本体ベース環状縁58、258と係合して固定されることにより、ストッパ16、216のデバイス本体のベース開口22、222における軸方向位置をしっかりと固定する。第2のプレート96はまた、略中心の軸方向に延びる環状突起部140を規定しており、突起部140は、隔膜48、248に近位の摺動ストッパ16、216の、実質的に円筒形の剛性本体46、246の側壁の一部に係合する。第1の係合位置では、充填デバイス92の先端118は、隔膜48、248に隣接して位置付けられる。隔膜48、248を貫通する前に充填デバイス先端118が周囲雰囲気にさらされると、閉止具124は閉位置のままとなり、ポート122を周囲雰囲気に対して封止することにより、ポートおよび充填デバイスの内部の無菌状態が維持される。
【0057】
その後、充填デバイス支持体88は、第1の係合位置から第2の係合位置にさらに押下げられる(
図13)。第2のプレート96が既に上部フレーム部材78と係合しているため、充填デバイス支持体88が第1の係合位置から第2の係合位置に移動すると、第1および第2のばね対108、110に対して軸方向力が加えられる。第2のばね対110は第1のばね対108よりも低いばね率を規定するため、充填デバイス支持体88が第1から第2の係合位置に移動すると、第2のばね対110が圧縮され、これにより、第1のプレート94が第2のプレート96と係合する。第1のプレート94が第2のプレート96に向かって動くにつれて、充填デバイス先端118が隔膜48,248に係合し、これらの隔膜を貫通し、デバイス10、210の貯蔵チャンバ18、218内に入る。第1のばね対108は、この移動中に比較的圧縮されていないままとなり、そのため、モジュール90は、第1のプレート94に対して実質的に軸方向に離間された位置のままとなる。閉止具124はまた、第1の閉位置のままとなり、ポート122を封止する。これにより、閉止具124は、ポート122と隔膜48との間に介在されたままとなり、ポートと隔膜との間の接触を実質的に防止する。しかし、一旦第1のプレート94が第2のプレート96と係合すると、閉止具124の軸方向位置は固定される。すなわち、閉止具は、貯蔵チャンバ48内にさらに貫通することが防止される。モジュール90が第1のプレート94から実質的に軸方向に離間されたままであるため、充填部材116の軸方向位置は固定されない。すなわち、充填部材は貯蔵チャンバ48、248内へとさらに貫通し得る。
【0058】
その後、充填デバイス支持体88は、第2の係合位置から第3の完全係合位置にさらに押下げられる(
図14)。第1のプレート94は既に第2のプレート96と係合している、すなわち、第2のばね対110は既に圧縮されているため、充填デバイス支持体88が第2から第3の係合位置に移動すると、第1のばね対108が圧縮され、これにより、モジュール90が第1のプレート94と係合する。充填デバイス支持体88が第2から第3の係合位置に移動した結果、閉止具124の軸方向位置が固定された状態の間に、充填部材116がデバイス10のチャンバ18内へとさらに貫通する。閉止具124がさらに軸方向に貫通することを防止されているため、充填部材116および充填デバイス先端118は閉止具124に対して摺動し、これにより、ポート122がチャンバ18内で、閉止具124を超えて開位置へと動かされる(
図14)。開位置においては、充填デバイス92内の物質は開いたポート122を通ってチャンバ18内へと流れることができる。充填プロセス中ずっと、無菌状態のポート122は決して周囲雰囲気に晒されないため、ポート、充填デバイスの内部、およびその中を流れる流体は、流体がチャンバ18、218内へと注入されるまたは充填される際に汚染されないおよび/または殺菌もしくは無菌状態で維持される。
【0059】
いくつかの実施形態では、隔膜48、248は、上記に引用により既に援用されている「貫通可能隔膜、充填ニードルおよび貫通可能閉止具を有するデバイス、および関連する方法("Device with Penetrable Septum, Filling Needle and Penetrable Closure, and Related Method")」と題された米国仮特許出願第61/659,382号の教示に従って、先端による隔膜の係合および貫通中に、充填部材116の先端118および閉止具124を、それらに付着した汚染物がなくなるようにふき取る。このようなふき取りは、ひいては、先端および/またはシャッタ閉止具がこのような汚染物をチャンバ18、218の無菌状態の内部内に導入することを防止することにより、チャンバおよびチャンバ内の任意の物質を殺菌または無菌状態に維持する。
【0060】
チャンバ18、218が所望のように充填された後、充填デバイス92は当該チャンバおよび隔膜48から引抜かれる。充填デバイス支持体88は、上部フレーム部材78から離れて、第3の係合位置から第2の係合位置へと動かされる。第1のばね対108が第2のばね対110より大きいばね率を規定しているため、第1のばね対は圧縮されていない状態へと回復し、その過程において第2のばね対110を圧縮状態に実質的に維持する。これにより、モジュール90は、第1のプレート94を第2のプレート96と係合したまま実質的に維持しつつ、第1のプレート94から分離して、第1のプレート94に対して軸方向に離間された位置へと戻る。第1のばね対108が回復する際に、これらのばねは閉止具124を下方にまたは隔膜48、248の方向に付勢する。したがって、充填部材116が引抜かれる際に、充填部材116は閉止具124に対して軸方向に動かされ、これにより、ポート122が閉止具の背後の閉位置に戻される。閉止具124は、引抜かれる際に充填デバイスポート122と隔膜48、248との接触を実質的に防止する。
【0061】
この後、充填デバイス支持体88は、第2の係合位置から第1の係合位置へと戻され、これにより、第1および第2のプレート94、96が分離され、互いに対して軸方向に離間された位置に戻される。充填部材116はまた、隔膜48、248から引抜かれる。閉止具124は、第1のばね対108の下方の力または付勢によって閉位置に維持される。その後、充填デバイス支持体88が第1の係合位置から分離位置に戻され、これにより、第2のプレート96が上部フレーム部材78の上面86から、およびストッパ16、216の横方向に延びるペタル54、254から分離される。
【0062】
上記に説明したように、隔膜48、248は、自己閉鎖することにより、充填デバイス92が引抜かれた後に残留する貫通孔によって残された頭部の損失が、それを通る流体の浸入を防止することを確実にするように設計される。しかし、隔膜が自己閉鎖性であっても、隔膜48、248に生じた貫通孔は、機械的に(被覆カバーによってなど(図示せず))、シリコーンもしくはシリコン系シーリング材などの液体シーリング材を隔膜48、248に塗布することにより、および/または、たとえばレーザ照射またはエネルギなど、放射またはエネルギを隔膜48、248に照射することによって再封止されてもよく、これは、上記の引用により援用される特許および出願の教示に従って行なわれてもよい。このような再封止は、流体気密または気密シールを形成することにより、充填された物質の無菌状態を維持する。
【0063】
隔膜48、248の再封止後、ストッパ16、216はデバイス本体内に押下げられ、これにより、たとえばペタル54、254などの可撓性部分53、253がそれらのリビングヒンジ56、256を中心として軸方向に延びる位置へと内側に屈曲する。その後、ストッパ16、216の軸方向位置は、デバイス本体12、212に対してもはや固定されなくなるが、当該デバイス本体を通して軸方向に動くことができる。その後、キャップ60、260が、上に説明したように、デバイス本体12、212のベース端における開口22、222内に挿入される。その後、送達デバイス25が弁14、214に接続され、吸引力を介してチャンバ18、218内の一回分の物質を引抜くと、貯蔵チャンバ18、218内に部分真空が形成され、その結果として摺動ストッパ16、216に作用する吸引力により、ストッパが弁14、214に向かってデバイス本体12、212内で軸方向に動かされ、可変容積貯蔵チャンバ18の容積が、分注された各回分の実質的に同じ容積だけ減少し、圧力が均等化される。
【0064】
いくつかの実施形態では、デバイス10、210は、代替的には、自立型の充填デバイス392によって手動で充填されてもよい。デバイス392は充填装置の一部ではないため、デバイス10、210は充填装置に配置される必要がない。デバイス10、210の充填は、充填デバイス92について上記に開示したのと実質的に同じ態様で、充填デバイス392を介して達成される。したがって、数字「3」を前につけた同様の参照番号を用いて同様の構成要素を示す。
【0065】
充填デバイス92と充填デバイス392との主な差異は、
図15Aに示されるように、充填デバイス392の環状閉止具324が、充填中に閉止具324自体がストッパ16、216の、たとえば横方向に延びるペタル54、254などの可撓性部分53、253に係合するように寸法付けられる点である。このため、
図15Bに示されるように、閉止具324自体がペタル54、254を定位置に固定する、すなわち、ペタル54、254をデバイス本体12、212の環状縁58、258と係合するように固定し、これにより、ストッパ16、216の軸方向位置が固定される。充填デバイス先端318が隔膜48、248を通って貫通すると、閉止具324とペタル54、254との係合により、さらに、閉止具324の充填部材316に対するさらなる軸方向の移動が防止される。充填デバイス392がさらに前進すると、充填部材316が閉止具324に対して貯蔵チャンバ18、218内へとさらに前進することにより、ポート322が解放され、物質が開いたポート322を通ってチャンバ18、218内へと流れることが可能になる(
図15C)。
【0066】
貯蔵チャンバ18、218が所望のように充填された後、充填デバイス392はチャンバ18、218から引抜かれ、閉止具324が、
図10〜
図14の実施形態について上記に説明したのと同様の形態でポート322を再封止する。
図15Dに示されるように、ストッパ16、216はチャンバ18、218内に押下げられ、これにより、ペタル54、254が、可撓性部分53、253が軸方向に延びる位置となるように、それらのリビングヒンジ56、256を中心として内側に屈曲される。ストッパ16、216の軸方向位置は、その後デバイス本体12、212に対してもはや固定されないが、当該デバイス本体を通して軸方向に動くことが可能となる。上記の実施形態と同様に、ストッパ16、216の隔膜48、248は、再封止可能である。その後、キャップ60、260がデバイス本体12、212上に取付けられて、その開口22、222を閉鎖することができる(
図15E)。
【0067】
本明細書の教示に基づいて当該技術分野の当業者であれば認識され得るように、本発明の範囲から逸脱せずに本発明の上記および他の実施形態に数多くの変更および改良がなされ得る。たとえば、デバイスの部品は、当該部品の各々の機能を実施するための現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな材料または材料の組合せのいずれかからなり得る。同様に、デバイスの部品は、数多くのさまざまな形状および/または構成のいずれかを取り得て、現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな方法または技術のいずれかに従って製造され得る。
【0068】
別の例として、摺動ストッパは、その中に貯蔵チャンバを規定する数多くのさまざまな剛性デバイスのいずれかとともに利用され得る。例示的な該デバイスは、限定されないが、「複数回投与用シリンジ("Multiple Dose Syringe")」と題され、2013年1月17日に出願された米国特許出願第13/743,661号(この出願は、2012年1月17日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/587,500号の優先権を主張する。);および「一体成形された閉止具、一方向弁、可変容積貯蔵チャンバ、および急速噴出防止特徴部を備えるデバイスならびに関連する方法("Device with Co-Molded Closure, One-Way Valve, Variable-Volume Storage Chamber, and Anti-Spritz Feature and Related Method")」と題され、2013年1月18日に出願された米国特許出願第13/745,721号(この出願は、2012年1月20日に出願され、同様に題された米国仮特許出願第61/589,266号の優先権を主張する。)に開示されている。
【0069】
現在知られているまたは後に知られることになる数多くのさまざまな用途のいずれかのために数多くのさまざまなタイプの流体または他の物質のいずれかを貯蔵、分注するために、本発明を具現化するバイアルまたは他のデバイスもまた使用され得る。したがって、現在好ましい実施形態のこの詳細な説明は、限定的な意味でなく例示的な意味で解釈されるべきである。