(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る位置情報伝達装置について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る位置情報伝達システム1000の概略構成の一例を示した図である。位置情報伝達システム1000は、位置情報伝達装置100と、携帯端末200とを含む。位置情報伝達装置100は、列車Tの各車両に設置され、所定の無線通信規格による無線通信により、携帯端末200に位置情報を送信する。携帯端末200は、所定のネットワーク網Nを介して、取得した位置情報を所定のタイミング(例えば、110番や119番などの緊急通報時など)で所定の場所(緊急通報を受け付ける受付台装置など)に送信する。
【0012】
位置情報伝達装置100は、無線通信により位置情報を送信する装置である。具体的には、位置情報伝達装置100は、物理的場所および社会的場所を特定する位置情報を生成し、位置情報伝達装置100が設置されている車両内の携帯端末200に送信する。ここで、物理的場所とは、緯度および経度により特定される絶対位置のことである。また、社会的場所とは、緯度、経度で特定される絶対位置とは異なり、複数ある対象物の中から特定の対象物の場所(位置)を識別する情報である。具体的には、電車における社会的場所とは、例えば対象車両の車両番号などである。また、バスやタクシーにおける社会的場所とは、例えば対象車両の車両識別番号、ナンバープレート番号、路線および系統などである。また、エレベーターの社会的場所とは、例えば対象機の機号番号である。また、ショッピングモールに入っている店舗の社会的場所とは、例えばショッピングモールなどの名称、フロア番号および店舗名である。
【0013】
携帯端末200は、例えば、携帯電話やスマートフォンなどの移動体情報通信機である。携帯端末200は、位置情報伝達装置100から位置情報を取得する。具体的には、携帯端末200は、ユーザが車両に乗り込んだ後に位置情報伝達装置100から所定の時間間隔(例えば、60秒に1回)で送信されてくる位置情報を受信することにより、車両の物理的場所および社会的場所を特定する位置情報を取得する。また、携帯端末200は、例えば、列車事故や車内トラブル(急病人の発生など)が生じた場合など、携帯端末200のユーザが110番などの緊急通報を行った時に位置情報を含む発信信号を所定のネットワーク網Nを介して緊急通報を受け付ける受付台装置に送信する。
【0014】
図2は、位置情報伝達装置100および携帯端末200の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。位置情報伝達装置100は、制御部101と、記憶部102とを有している。また、制御部101は、入力受付部110と、電源切替部111と、GPS信号受信部112と、位置情報生成部113と、位置情報送信部114とを有している。また、記憶部102は、物理的場所特定情報120と、社会的場所特定情報130とを有している。
【0015】
記憶部102は、様々な情報を格納する機能部である。具体的には、記憶部102は、物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130を格納している。なお、物理的場所特定情報120は、緯度および経度により車両の絶対位置を特定する情報である。また、列車における社会的場所特定情報130は、前述の通り、対象車両の車両番号などである。
【0016】
入力受付部110は、無線または有線により接続された外部装置から様々な指示入力や情報を受け付ける機能部である。また、入力受付部110は、取得した指示および情報の種類に応じてこれらの情報を所定の機能部に受け渡す。具体的には、入力受付部110は、外部装置から社会的場所特定情報130の入力を受け付け、これを記憶部に格納する。より具体的には、入力受付部110は、位置情報伝達装置100が車両に設置される際に、外部装置Pから車両番号などの社会的場所を特定する情報の入力を受け付け、社会的場所特定情報130として記憶部に格納する。
【0017】
GPS信号受信部112は、GPS信号を定期的(例えば、3秒ごと)に受信する機能部である。また、GPS信号受信部112は、取得したGPS信号を用いて車両の緯度および経度から特定される絶対位置を求め、物理的場所特定情報120として記憶部102に格納する。
【0018】
位置情報生成部113は、車両の位置情報を生成する機能部である。具体的には、位置情報生成部113は、IMES(Indoor Messaging System)のメッセージフォーマットに従って物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130を含む位置情報を生成する。なお、IMESとは、屋内測位技術の一つであり、GPS衛星Sと同じ電波形式を用いた屋内GPSのことである。
【0019】
図4は、IMESのメッセージフォーマット300の一例を示した図である。IMESメッセージフォーマット300は、各プリアンブル301間に絶対位置情報フレーム302と、ショートIDフレーム303とミディアムIDフレーム304とが連結されたフレーム構造をしている。絶対位置情報フレーム302には、緯度および経度により特定される絶対位置の位置情報が格納される。ショートIDフレーム303およびミディアムIDフレーム304は、ユーザが定義した情報を格納することができるフレームである。位置情報生成部113は、絶対位置情報フレーム302に物理的場所特定情報120を格納し、ショートIDフレーム303またはミディアムIDフレーム304のいずれか一方に社会的場所特定情報130を格納した位置情報を生成する。
【0020】
位置情報送信部114は、無線通信により位置情報を送信する機能部である。具体的には、位置情報送信部114は、IMESの通信規格に従って、位置情報生成部113により生成された位置情報を含むIMES信号を生成し、これを車両内の携帯端末200に送信する。
【0021】
電源切替部111は、位置情報伝達装置100の駆動電力を切り替える機能部である。具体的には、電源切替部111は、車両が有する外部電源Vから供給されていた電力が遮断された場合、駆動電力の供給元を位置情報伝達装置100が有する充電装置に切り替える。電源切替部111は、例えば、列車事故などにより車両から供給されてる電力が遮断された場合、位置情報伝達装置100が備える充電装置からの給電に駆動電力を切り替える。
【0022】
携帯端末200は、GPS信号取得部201と、位置情報取得部202と、送受信部203と、入力部204と、表示部205と、機能制御部206とを有している。
【0023】
GPS信号取得部201は、GPS衛星Sから送信されたGPS信号を定期的(例えば、3秒ごと)に受信する機能部である。また、GPS信号受信部112は、取得したGPS信号を用いて車両の緯度および経度から特定される絶対位置を算出する。
【0024】
位置情報取得部202は、位置情報伝達装置100から送信された位置情報を含むIMES信号を取得する機能部である。また、位置情報取得部202は、IMES信号に含まれる物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130を抽出し、これを所定の記憶領域(例えば、RAM)に所定時間(例えば、60秒間)格納する。なお、位置情報取得部202は、所定時間(例えば、60秒間)が経過すると、かかる位置情報を記録領域から削除する。これにより、携帯端末200のユーザが車両以外の場所で緊急通報する時に、社会的場所を特定する情報として車両番号を送信してしまうことが防止される。
【0025】
送受信部203は、音声通話の情報やウェブサイトの情報など携帯端末200と外部装置との間でやり取りされる情報を送受信する機能部である。具体的には、送受信部203は、音声通話に関する情報を、例えば3G回線を用いて送受信し、ウェブサイトに関する情報を所定の無線通信規格(例えば、Wi−Fi:Wireless Fidelity)に従って送受信する。
【0026】
入力部204は、例えば、携帯端末200が備えるタッチパネルや入力ボタンなどの入力装置から指示入力を受け付ける機能部である。
【0027】
表示部205は、画面情報を生成し、携帯端末200が備えるディスプレイに表示させる機能部である。
【0028】
機能制御部206は、携帯端末200で実現される様々な機能を制御する機能部である。具体的には、機能制御部206は、入力受付部110を介して受け付けたユーザからの指示に応じた機能を実現する。例えば、ユーザから通話の実行指示を受け付けると、機能制御部206は、送受信部203を介して、入力を受け付けた電話番号へ発信を行う。また、機能制御部206は、携帯端末200が備えるマイクロフォンからユーザの音声を取得し、これをデジタル変換した音声情報を送受信部203を介して通話相手に送信する。
【0029】
以上、位置情報伝達装置100および携帯端末200の機能ブロックについて説明した。
【0030】
図3は、位置情報伝達装置100および携帯端末200のハードウェア構成の一例を示した図である。位置情報伝達装置100は、CPU(Central Processing Unit)151と、RAM(Random Access Memory)152と、ROM(Read Only Memory)153とを有する演算装置150と、IMES送信機154と、GPS受信装置155と、充電装置156と、I/F157(インターフェース)と、各々の装置を相互に接続するバス158とを有している。
【0031】
IMES送信機154は、GPSと同じ周波数帯および同じ通信フォーマットを用いたIMES信号を送信可能なIMES通信モジュールである。
【0032】
GPS受信装置155は、GPS衛星Sからの信号を受信し、移動体とGPS衛星S間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の緯度、経度を算出し、その絶対位置を特定することができるモジュールである。なお、GPS受信装置用のアンテナは、位置情報伝達装置100に内蔵されていないくても良く、例えば、位置情報伝達装置100が設置されている車両の屋外に設置されていても良い。
【0033】
充電装置156は、一定時間の間、位置情報伝達装置100の駆動電力を補うことができるリチウムイオン電池などの2次電池である。
【0034】
I/F(インターフェース)157は、外部装置Pと有線接続する際の入出力端子である。
【0035】
なお、位置情報伝達装置100の入力受付部110および電源切替部111は、CPU151に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、RAM152またはROM153に格納され、実行にあたってRAM152上にロードされ、CPU151により実行される。また、IMES送信機154は、位置情報生成部113および位置情報送信部114を実現する。また、GPS受信装置155は、GPS信号受信部112を実現する。また、RAM152およびROM153は、記憶部を実現する。
【0036】
携帯端末200は、GPS受信装置210と、通信装置211と、表示装置213と、入力装置212と、演算装置214と、各々の装置を相互に接続するバス215とを有している。
【0037】
GPS受信装置210は、IMESに対応した通信モジュールであり、IMES信号およびGPS信号の両方を受信可能である。なお、GPS受信装置210は、既存のGPS受信装置のソフトウェアを書き換えるだけでIMESに対応することができる。すなわち、携帯端末200は、IMES信号を受信するための専用のハードウェアを追加することなく予め搭載されているGPS受信装置のソフトウェアを書き換えるだけでIMES信号を受信することができる。
【0038】
通信装置211は、インターネット回線を通じて音声通話の情報やウェブサイトの情報などを外部装置との間でやり取りできる通信モジュールである。
【0039】
入力装置212は、タッチパネルやハードキーなど、携帯端末200のユーザからの指示を受け付ける装置である。
【0040】
表示装置213は、液晶ディスプレイなどの画像情報を表示する装置である。
【0041】
演算装置214は、CPUと、RAMと、ROMを備え、入力値に対して所定の論理演算を実行する装置である。
【0042】
なお、携帯端末200の機能制御部206は、CPUに処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、RAMまたはROMに格納され、実行にあたってRAM上にロードされ、CPUにより実行される。また、GPS受信装置210は、GPS信号取得部201および位置情報取得部202を実現する。また、通信装置211は、送受信部203を実現する。また、入力装置212は、入力部204を実現する。また、表示装置213は、表示部205を実現する。
【0043】
[動作の説明]
図5は、位置情報伝達システム1000における位置情報の送受信のタイミングを示したシーケンス図である。位置情報伝達装置100の位置情報生成部113は、所定の時間間隔(例えば、60秒に1回)で位置情報を生成し、位置情報送信部114を介して、生成した位置情報を車両内の携帯端末200に送信する。具体的には、位置情報生成部113は、記憶部102から物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130を取得し、IMESメッセージフォーマット300に従って物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130を含む位置情報を生成する(ステップS001)。また、位置情報送信部114は、生成された位置情報をIMES信号に含めて所定の時間間隔(例えば、60秒に1回)で車両内の携帯端末200に送信する(ステップS002)。
【0044】
携帯端末200の位置情報取得部202は、位置情報伝達装置100から送信された位置情報を取得し、これを所定時間の間(例えば、60秒間)、所定の記憶領域(例えば、RAM)に格納する。
【0045】
また、携帯端末200の機能制御部206は、入力部204を介して110番などの緊急通報の発信指示を受け付けると(ステップS003)、記憶領域から位置情報(物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130)を取得し、かかる位置情報を含む発信信号を生成する(ステップS004)。また、機能制御部206は、送受信部203を介して、緊急通報を受け付ける受付台装置に発信信号を送信する(ステップS005)。
【0046】
図6は、本実施形態に係る位置情報伝達装置100がバス400に設置されている状態を示す図である。また、
図7(a)は、本実施形態に係る位置情報伝達装置100がタクシー500などの商用車に設置されている状態を示す図である。また、
図7(b)は、本実施形態に係る位置情報伝達装置100がエレベーター600に設置されている状態を示す図である。また、
図8は、本実施形態に係る位置情報伝達装置100がショッピングモールなどの商用施設700に設置されている状態を示す図である。
【0047】
前述の通り、位置情報伝達装置100は、所定の時間間隔で物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130(バス400やタクシー500の場合には、対象車両の車両識別番号、ナンバープレート番号、路線および系統など、エレベーター600の場合には、対象機の機号番号など、ショッピングモール700に入っている店舗の場合には、ショッピングモール700の名称、フロア番号および店舗名など)を含む位置情報を生成し、これをバス400、タクシー500、エレベーター600に乗っているユーザの携帯端末200や、ショッピングモール700などの商用施設の店舗にいるユーザの携帯端末200に送信する。
【0048】
また、位置情報伝達装置100から位置情報を取得した携帯端末200は、ユーザが110番などの緊急通報する際に、物理的場所および社会的場所を特定可能な位置情報を発信信号に含めて受付台装置に送信する。
【0049】
このような位置情報伝達装置100によれば、より具体的な場所を伝達することができる。特に、位置情報伝達装置100は、社会的場所を特定可能な情報を携帯端末200に送信することができるため、救助に向かう者は通報者のいる車両や店舗などの具体的場所を効率的に特定することができ、救護活動の効率化を図ることができる。
【0050】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係る位置情報伝達システム1000では、位置情報伝達装置100が複数のモード(通常モードおよび緊急モード)を有し、各モードに応じて所定の処理を実行する。具体的には、位置情報伝達装置100は設定されているモードに応じて位置情報の生成タイミングおよび位置情報の送信タイミングを変更する。なお、前述の実施形態と同様の処理を行う機能部については、その説明を省略する。
【0051】
制御部101は、モード設定部を有する。モード設定部は、位置情報伝達装置100のモードを設定する機能部である。具体的には、モード設定部は、通常モードまたは緊急モードのいずれか一方のモードを設定する。より具体的には、モード設定部は、入力受付部110を介して、列車事故の発生時などに車両システムから発信される緊急信号を受信すると、所定時間の間(例えば、24時間)、緊急モードを設定する。また、モード設定部は、所定時間が経過すると、通常モードを設定する。
【0052】
また、位置情報生成部113は、緊急モードが設定されている間、通常モードが設定されている場合よりも短い時間間隔(例えば、5秒間隔)で位置情報を生成し、位置情報送信部114を介して車両内に位置情報を含むIMES信号を送信する。
【0053】
このような実施形態に係る位置情報伝達装置100によれば、より具体的な場所を伝達することができる。特に、位置情報伝達装置100は、列車事故などの緊急時に緊急モードを設定し、通常モードの場合よりも短い時間間隔で位置情報を車両内の携帯端末200に送信する。そのため、ユーザが緊急通報を行う場合には、ほぼ確実に社会的場所を特定可能な情報を緊急通報を受け付ける受付台装置に送信することができる。
【0054】
なお、前述の実施形態では、位置情報を携帯端末200に送信したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。例えば、第二実施形態の変形例に係る位置情報伝達装置100は、緊急モードが設定されると、物理的場所特定情報120および社会的場所特定情報130を含めた位置情報と、社会的場所を表示する表示情報とを携帯端末200に送信する。より具体的には、モード設定部により緊急モードが設定されると、位置情報生成部113は、位置情報に加えて、社会的場所を表示する表示情報を生成し、これらを併せて携帯端末200に送信する。なお、社会的場所を表示する表示情報とは、文字列情報であっても良く、画像情報であっても良い。携帯端末200がこのような情報を取得すると、ディスプレイには、「この車両は**号車です」といった社会的場所を特定する情報が表示される。
【0055】
このような位置情報伝達装置100によれば、携帯端末200のユーザは、自分の居る社会的場所を認識した上で緊急通報を行うことができる。すなわち、通報者は、緊急通報を受け付けた者に直接、社会的場所を伝えることができる。
【0056】
また、前述の実施形態では、位置情報伝達装置100は、IMESのメッセージフォーマットに従った位置情報を生成し、これをIMES信号として車両内に送信していたが、本発明はこれに限られない。位置情報伝達装置100は、例えば、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、可視光通信、超音波通信、RFID(Radio Frequency Identification)による通信など、様々な無線通信規格による無線通信により位置情報を携帯端末200に送信しても良い。このような位置情報伝達装置100によっても、より具体的な場所を伝達することができる。
【0057】
また、前述の実施形態では、位置情報伝達装置100のGPS信号受信部112がGPS信号から物理的場所を特定する緯度および経度を算出したが、本発明はこれに限られない。例えば、位置情報伝達装置100の位置情報生成部113は、社会的場所特定情報130のみを含む位置情報を生成する。また、携帯端末200のGPS信号取得部201は、取得したGPS信号から物理的場所を特定する緯度および経度を算出する。また、携帯端末200の機能制御部206は、位置情報伝達装置100から取得した社会的場所特定情報130と、自身で算出した物理的場所特定情報120とを含めた発信信号を緊急通報時に生成し、これを受付台装置に送信する。このような位置情報伝達装置100によっても、より具体的な場所を伝達することができる。
【0058】
また、前述の実施形態に係る位置情報伝達装置100は、所定の時間間隔(例えば、60秒に1回)で位置情報を生成し、これを携帯端末200に送信していたが、本発明はこのような実施形態に限られない。例えば、位置情報伝達装置100は、携帯端末200からの位置情報取得要求信号を受け付けた場合に位置情報を生成し、これを携帯端末200に送信するようにしても良い。具体的には、携帯端末200の機能制御部206は、110番などの緊急通報指示をユーザから受け付けると、位置情報取得要求信号を生成し、これを位置情報伝達装置100に送信する。このような位置情報伝達装置100によっても、より具体的な場所を伝達することができる。
【0059】
また、前述の実施形態に係る携帯端末200は、ユーザから緊急通報の発信指示を受け付けた時に位置情報を含む発信信号を送信していたが、本発明はこれに限られない。例えば、位置情報伝達装置100の位置情報生成部113は、位置情報と、位置情報の送信タイミングおよび送信先に関する情報とを含む指示信号を生成し、これを携帯端末200に送信する。携帯端末200は、かかる指示に応じた送信タイミング(例えば、60秒に1回)で、指示に係る所定の場所(例えば、携帯端末200の通信キャリアが有するサーバ装置や受付台装置など)に対して、携帯端末200の識別情報(例えば、電話番号や電子メールアドレスなど)と社会的場所特定情報130を含む位置情報とを送信する。なお、位置情報の送信は、緊急通報のような通話は伴わず、識別情報および位置情報を送信するものである。
【0060】
このような位置情報伝達装置100によっても、より具体的な場所を伝達することができる。特に、位置情報伝達装置100は、所定のタイミングで携帯端末200から所定の場所に位置情報を送信させることができる。そのため、携帯端末200のユーザが緊急通報を行えない状況(例えば、列車事故などで怪我を負っている場合など)であっても、通信キャリアや受付台では、ユーザの居る社会的場所を特定することができる。
【0061】
なお、位置情報伝達装置100の機能ブロックは、本実施形態において実現される位置情報伝達装置100の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものであり、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、位置情報伝達装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、一つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0062】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0063】
また、上記説明では、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。