特許第6286029号(P6286029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6286029球芯式加工機のレンズ芯出し方法およびレンズ加工方法並びに球芯式加工機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286029
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】球芯式加工機のレンズ芯出し方法およびレンズ加工方法並びに球芯式加工機
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/14 20060101AFI20180215BHJP
   B24B 13/02 20060101ALI20180215BHJP
   B24B 13/04 20060101ALI20180215BHJP
   B24B 49/02 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   B24B9/14 K
   B24B13/02 G
   B24B13/04 K
   B24B49/02 Z
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-514670(P2016-514670)
(86)(22)【出願日】2014年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2014061761
(87)【国際公開番号】WO2015162789
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】516299833
【氏名又は名称】株式会社コジマエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】福澤 浩
【審査官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5453459(JP,B2)
【文献】 特開2009−178834(JP,A)
【文献】 特開昭58−160051(JP,A)
【文献】 特開2001−225265(JP,A)
【文献】 特開2010−184340(JP,A)
【文献】 米国特許第6123610(US,A)
【文献】 米国特許第6155911(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 9/14
B24B 13/02
B24B 13/04
B24B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に第1レンズ球面が形成され、他方の面に第2レンズ球面が形成されたレンズにおける前記第2レンズ球面に精研削加工あるいは研磨加工を施すために、球芯式加工機のレンズホルダーとレンズ加工皿の間に、前記レンズを芯出しされた状態に装着する芯出し方法であって、
前記レンズホルダーにおける前記第1レンズ球面に対応する球面形状のレンズ保持面に、前記レンズの前記第1レンズ球面を真空吸着するレンズ吸着工程と、
前記レンズ保持面に吸着した前記レンズの前記第2レンズ球面を、前記レンズ加工皿における前記第2レンズ球面に対応する球面形状のレンズ加工面に対して所定の押圧力で押圧するレンズ押圧工程と、
前記レンズ保持面に対する前記レンズの吸着を解除するレンズ吸着解除工程と、
前記押圧力で前記レンズが押圧されている前記レンズ加工皿を、前記レンズ加工面の中心と当該レンズ加工面における前記レンズホルダーの中心軸線上に位置する球芯とを通る回転軸線回りに、所定の回転速度で回転し、前記レンズ加工面の前記球芯を揺動中心として所定方向に所定の揺動角度で揺動することにより、前記レンズ保持面の球芯に前記第1レンズ球面の球芯を誘導すると共に、前記レンズ加工面の前記球芯に前記第2レンズ球面の球芯を誘導する回転・揺動工程と、
を含むことを特徴とする球芯式加工機のレンズ芯出し方法。
【請求項2】
前記回転・揺動工程において、前記押圧力は前記レンズの前記第2レンズ球面の精研削加工あるいは研磨加工時における加工用押圧力よりも小さく、前記回転速度は前記第2レンズ球面の精研削加工あるいは研磨加工時における加工用回転速度よりも遅く、前記揺動角度は前記第2レンズ球面の精研削加工時あるいは研磨加工時における加工用揺動角度よりも小さい請求項1に記載の球芯式加工機のレンズ芯出し方法。
【請求項3】
前記押圧力は前記加工用押圧力の1/5〜1/2であり、
前記回転速度は100rpm〜500rpmであり、
前記揺動角度は、前記中心軸線から、前記第2レンズ球面の開角の1/30〜1/10である、
請求項2に記載の球芯式加工機のレンズ芯出し方法。
【請求項4】
前記レンズホルダーはコバ受けの無いレンズホルダーである請求項1、2または3に記載の球芯式加工機のレンズ芯出し方法。
【請求項5】
前記レンズはコバの無い形状のレンズであり、
前記レンズホルダーの外径寸法は、前記レンズの外径寸法よりも小さい請求項4に記載の球芯式加工機のレンズ芯出し方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれか一つの項に記載のレンズ芯出し方法によって、前記レンズホルダーと前記レンズ加工皿の間に前記レンズを装着するレンズ芯出し工程と、
芯出しされた前記レンズを前記レンズホルダーに真空吸着して保持するレンズ保持工程と、
前記レンズの前記第2レンズ球面を、前記レンズ加工皿の前記レンズ加工面に対して、所定の加工用押圧力で押圧し、この状態で、前記レンズ加工皿を、所定の加工用回転速度で前記回転軸線回りに回転させると共に、前記レンズ加工面の球芯を中心として所定の加工用揺動角度で揺動させるレンズ加工工程と、
を含むことを特徴とする球芯式加工機を用いたレンズ加工方法。
【請求項7】
レンズのレンズ球面に精研削加工あるいは研磨加工を施すために、球芯式加工機のレンズホルダーとレンズ加工皿の間に、前記レンズを芯出しされた状態に装着する芯出し工程と、
芯出しされた前記レンズを前記レンズホルダーに真空吸着して保持するレンズ保持工程と、
前記レンズの前記レンズ球面を、前記レンズ加工皿のレンズ加工面に対して、所定の加工用押圧力で押圧し、この状態で、前記レンズ加工皿を、所定の加工用回転速度で前記レンズ加工面の球芯を通る回転軸線回りに回転させると共に、前記レンズ加工面の前記球芯を中心として所定の加工用揺動角度で揺動させるレンズ加工工程と、
を含み、
前記芯出し工程は、
前記レンズホルダーに前記レンズを真空吸着するレンズ吸着工程と、
前記レンズの前記レンズ球面を、前記レンズ加工皿における前記レンズ球面に対応する球面形状のレンズ加工面に対して所定の押圧力で押圧するレンズ押圧工程と、
前記レンズの吸着を解除するレンズ吸着解除工程と、
前記押圧力で前記レンズが押圧されている前記レンズ加工皿を、前記レンズ加工面の中心と当該レンズ加工面における前記レンズホルダーの中心軸線上に位置する前記球芯とを通る前記回転軸線回りに、所定の回転速度で回転し、前記球芯を揺動中心として所定方向に所定の揺動角度で揺動することにより、前記レンズ加工面の前記球芯に前記レンズ球面の球芯を誘導する回転・揺動工程と、
を含み、
前記レンズ保持工程では、前記レンズの形状に応じて、前記レンズを前記レンズホルダーに保持する真空吸着圧力を調整し、
前記レンズ加工工程では、前記レンズ球面に対する加工の進行に応じて、前記真空吸着圧力を調整する、
球芯式加工機を用いたレンズ加工方法。
【請求項8】
レンズ保持面を備えたレンズホルダーと、
前記レンズ保持面に対峙可能なレンズ加工面を備えたレンズ加工皿と、
前記レンズホルダーを、前記レンズ加工皿に対して、前記レンズホルダーの中心軸線に沿った方向に相対的に移動させる移動機構と、
前記レンズホルダーの前記レンズ保持面に加工対象のレンズを真空吸着させる真空吸着機構と、
前記レンズ加工皿を、前記レンズ加工面の中心および当該レンズ加工面の球芯を通る回転軸線回りに回転する回転機構と、
前記レンズ加工皿を、前記中心軸線上に位置する前記球芯を揺動中心として揺動する揺動機構と、
前記移動機構、真空吸着機構、前記回転機構および前記揺動機構を駆動制御するコントローラーと、
を有し、
前記コントローラーは請求項6または7に記載のレンズ加工方法により、加工対象のレンズの芯出し動作、前記レンズを前記レンズホルダーに保持する動作、および前記レンズへの加工動作を制御することを特徴とする球芯式加工機。
【請求項9】
前記レンズホルダーはコバ受けの無いレンズホルダーであり、
前記レンズホルダーの外径寸法は、加工対象のレンズの外径寸法よりも小さい請求項8に記載の球芯式加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球芯式加工機のレンズホルダーとレンズ加工皿の間に、芯出しされた状態で精研削あるいは研磨対象のレンズを装着するレンズ芯出し方法、および、当該芯出し方法によって装着されたレンズに精研削あるいは研磨加工を施すレンズ加工方法、並びに、当該レンズ加工方法を用いた球芯式加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
球芯式加工機は、特許文献1に記載されているように、レンズホルダーに保持した球面レンズのレンズ球面をレンズ加工皿(研磨皿)に所定の押圧力で押圧し、この状態で、レンズ加工皿を回転および揺動させて、レンズ球面の精研削あるいは研磨を行う。レンズ球面に精研削加工あるいは研磨加工を施す場合には、レンズホルダーとレンズ加工皿の間に芯出しされた状態で、加工対象のレンズを装着する必要がある。
【0003】
すなわち、レンズホルダーの球面形状をしたレンズ保持面の球芯とレンズ加工皿の球面形状のレンズ加工面の球芯とを結ぶ直線上に、レンズの両側のレンズ球面の球芯を結ぶ直線が一致する芯出し状態に、レンズを装着する必要がある。また、芯出し状態でレンズを加工できるように、加工中にレンズの横移動を防止する必要がある。
【0004】
このために、レンズホルダーには、そのレンズ保持面の外周縁を取り囲む状態に、コバ受けが設けられている。レンズ保持面に保持されるレンズは、そのレンズ円形外周端面であるコバがコバ受けの内周面に嵌り込み、コバ受けによって、レンズホルダーに対して芯出しされた状態になる。
【0005】
また、加工対象のレンズとしてはコバの無いレンズもある。コバ無しのレンズを加工する場合には、レンズホルダーのレンズ保持面にレンズを芯出しされた状態に貼り付ける等の作業が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5453459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、精研削あるいは研磨対象のレンズのコバ形状、すなわち外周面形状は、一般に真円ではなく、外径寸法のバラツキも大きい。このために、従来においては、レンズホルダーにおけるコバ受けによって取り囲まれているレンズ保持面に、外径寸法にバラツキのある加工対象のレンズを装着できるように、コバ受けの円形内周面の内径寸法を、加工対象のレンズのコバ外径寸法に比べて僅かに大きくしてある。したがって、レンズをレンズホルダーに保持した状態においては、レンズのコバとコバ受けとの間には微小な隙間ができることがある。
【0008】
隙間が生じる場合には、レンズホルダーにレンズを装着した状態において、レンズホルダーのレンズ保持面の球芯と、当該レンズ保持面に接するレンズのレンズ球面の球芯との間に僅かなズレが生じるおそれがある。このような球芯のズレが生じると、加工工程(精研削工程、研磨工程)において、レンズは偏心回転しながらレンズ加工皿のレンズ加工面に押圧されて加工が行われ、加工側のレンズ球面が真球にならない。
【0009】
また、一方のレンズ球面の加工時と他方のレンズ球面の加工時とでは、レンズ外周面とコバ受けの内周面との干渉状態が変化するおそれがある。この場合には、加工後の両側のレンズ球面の中心軸線(レンズ光軸)にズレが生じるおそれがある。
【0010】
このように、コバ受けの付いたレンズホルダーを備えた球芯式加工機を用いてレンズ球面を精研削加工あるいは研磨加工する場合には、レンズ球面の加工精度が低下するおそれがある。
【0011】
一方、コバの無いレンズのレンズ球面の加工においては、レンズホルダーに芯出しされた状態でレンズを正確に貼り付けるという余分な工程が必要である。レンズ加工の作業効率を改善するためには、このような工程を省略できることが望ましい。
【0012】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、コバ受けを用いることなく、あるいはレンズをレンズホルダーに貼り付ける作業を必要とすることなく、正確に芯出しされた状態で加工対象のレンズをレンズホルダーとレンズ加工皿の間に装着することのできる球芯式加工機のレンズ芯出し方法を提案することにある。また、当該レンズ芯出し方法によって芯出しされたレンズに精研削加工あるいは研磨加工を行うレンズ加工方法を提案することにある。さらに、当該レンズ加工方法を用いてレンズのレンズ球面を精度良く精研削加工あるいは研磨加工することのできる球芯式加工機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、レンズのレンズ球面に精研削加工あるいは研磨加工を施すために、球芯式加工機のレンズホルダーとレンズ加工皿の間に、前記レンズを芯出しされた状態に装着する芯出し方法であって、
前記レンズホルダーに前記レンズを真空吸着するレンズ吸着工程と、
前記レンズの前記レンズ球面を、前記レンズ加工皿における前記レンズ球面に対応する球面形状のレンズ加工面に対して所定の押圧力で押圧するレンズ押圧工程と、
前記レンズの吸着を解除するレンズ吸着解除工程と、
前記押圧力で前記レンズが押圧されている前記レンズ加工皿を、前記レンズ加工面の中心と当該レンズ加工面における前記レンズホルダーの中心軸線上に位置する球芯とを通る回転軸線回りに、所定の回転速度で回転し、前記球芯を揺動中心として所定方向に所定の揺動角度で揺動することにより、前記レンズ加工面の球芯に前記レンズ球面の球芯を誘導する回転・揺動工程と、
を含むことを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、一方の面に第1レンズ球面が形成され、他方の面に第2レンズ球面が形成されたレンズにおける前記第2レンズ球面に精研削加工あるいは研磨加工を施すために、球芯式加工機のレンズホルダーとレンズ加工皿の間に、前記レンズを芯出しされた状態に装着する芯出し方法であって、
前記レンズホルダーにおける前記第1レンズ球面に対応する球面形状のレンズ保持面に、前記レンズの前記第1レンズ球面を真空吸着するレンズ吸着工程と、
前記レンズ保持面に吸着した前記レンズの前記第2レンズ球面を、前記レンズ加工皿における前記第2レンズ球面に対応する球面形状のレンズ加工面に対して所定の押圧力で押圧するレンズ押圧工程と、
前記レンズ保持面に対する前記レンズの吸着を解除するレンズ吸着解除工程と、
前記押圧力で前記レンズが押圧されている前記レンズ加工皿を、前記レンズ加工面の中心および当該レンズ加工面の球芯を通る回転軸線回りに所定の回転速度で回転し、前記レンズ加工面の球芯を揺動中心として所定方向に所定の揺動角度で揺動することにより、前記レンズ保持面の球芯に前記第1レンズ球面の球芯を誘導すると共に、前記レンズ加工面の球芯に前記第2レンズ球面の球芯を誘導する回転・揺動工程と、
を含むことを特徴としている。
【0015】
球芯式加工機においては、レンズホルダーとレンズ加工皿とが、加工対象のレンズを挟み、位置決めされた状態で対向配置される。すなわち、レンズホルダーの中心軸線上(レンズ保持面の中心および球芯を通る直線上)に、レンズ加工皿のレンズ加工面の球芯が位置し、当該球芯を揺動中心としてレンズ加工皿が揺動する。本発明の芯出し方法では、このように位置決めされるレンズホルダーのレンズ保持面とレンズ加工皿のレンズ加工面に着目し、これらの球面形状を利用して、レンズ保持面の球芯とレンズ加工面の球芯を結ぶ直線上に、加工対象のレンズの両側のレンズ球面の球芯を結ぶ直線が一致する芯出し状態を形成している。
【0016】
すなわち、位置決めされたレンズ保持面とレンズ加工面との間に、所定の押圧力で加工対象のレンズを挟み、この状態で、所定の回転速度でレンズ加工皿を回転させると共に所定の揺動角度でレンズ加工皿を揺動させる回転・揺動工程を行う。これらの回転および揺動に伴う摺動により、レンズ保持面とレンズ加工面の間に移動可能な状態で挟まれているレンズは、力学的に最も安定した位置に自動的に移動する。
【0017】
換言すると、レンズのレンズホルダー側の面が平面の場合には、レンズ加工皿の側のレンズ球面は、その球芯がレンズ加工面によって当該レンズ加工面の球芯に向かう方向に誘導され、芯出し状態が形成される。双方がレンズ球面となっているレンズの場合には、当該レンズの第1レンズ球面はその球芯がレンズ保持面によって当該レンズ保持面の球芯に向かう方向に誘導され、第2レンズ球面はその球芯がレンズ加工面によって当該レンズ加工面の球芯に向かう方向に誘導される。この結果、レンズ保持面の球芯とレンズ加工面の球芯を結ぶ直線上に、加工対象のレンズの両側のレンズ球面の球芯を結ぶ直線が一致する芯出し状態が形成される。
【0018】
ここで、レンズが自動的に芯出し位置に速やかに移動できるようにするためには、前記回転・揺動工程において、前記押圧力は前記レンズの前記レンズ球面(前記第2レンズ球面)の精研削加工時あるいは研磨加工時における加工用押圧力よりも小さく、前記回転速度は前記レンズ球面(前記第2レンズ球面)の精研削加工時あるいは研磨加工時における加工用回転速度よりも遅く、前記揺動角度は前記レンズ球面(前記第2レンズ球面)の精研削加工時あるいは研磨加工時における加工用揺動角度よりも小さいことが望ましい。
【0019】
特に、前記押圧力は前記加工用押圧力の1/5〜1/2であり、前記回転速度は100rpm〜500rpmであり、前記揺動角度は、前記中心軸線から、前記レンズ球面の開角の1/30〜1/10であることが望ましい。
【0020】
本発明によれば、コバ受けを備えたレンズホルダーを用いてレンズの芯出しを行う必要が無いので、レンズホルダーとして、コバ受けの無いレンズホルダーを用いることができる。すなわち、レンズ保持面の外周縁にレンズのコバ(外周端面)に当接可能な円環状の突出部が備わっていないレンズホルダーを用いることができる。
【0021】
また、本発明によれば、コバの無い形状のレンズを、レンズホルダーのレンズ保持面に芯出し状態に貼り付ける作業を必要とすることなく、芯出しされた状態でレンズホルダーとレンズ加工皿の間に装着できる。この場合には、レンズホルダーの外径寸法を加工対象のレンズの外径寸法よりも小さくしておけば、コバの無い形状のレンズの芯出しも、コバのあるレンズと同様に行うことができる。
【0022】
次に、本発明の球芯式加工機を用いたレンズ加工方法は、
上記のレンズ芯出し方法によって、前記レンズ保持面と前記レンズ加工皿の間に前記レンズを装着するレンズ芯出し工程と、
芯出しされた前記レンズを前記レンズ保持面に真空吸着して保持するレンズ保持工程と、
前記レンズ保持面に吸着した前記レンズの前記レンズ球面(前記第2レンズ球面)を前記レンズ加工面に対して加工用押圧力で押圧し、この状態で、前記レンズ加工皿を所定の加工用回転速度で前記回転軸線回りに回転すると共に前記加工面の球芯を中心として所定の加工用揺動角度で揺動して、前記レンズの前記レンズ球面(前記第2レンズ球面)に加工を施すレンズ加工工程と、
を含むことを特徴としている。
【0023】
本発明のレンズ加工方法のレンズ加工工程では、精度良く芯出しされた状態でレンズがレンズホルダーとレンズ加工皿の間に装着され、真空吸着によってレンズは芯出し位置に保持される。よって、レンズ球面を精度良く真球に加工することができる。
【0024】
ここで、前記レンズ保持工程では、前記レンズの形状に応じて前記レンズを前記レンズ保持面に保持する真空吸着圧力を調整し、前記加工工程では、前記レンズ球面(前記第2レンズ球面)に対する加工の進行に応じて、前記真空吸着圧力を調整することが望ましい。真空吸着圧力を調整することで、レンズ保持面に吸着されるレンズの変形を抑制できる。これにより、精度良くレンズ球面(第2レンズ球面)を真球となるように加工できる。
【0025】
次に、本発明の球芯式加工機は、
レンズ保持面を備えたレンズホルダーと、
前記レンズ保持面に対峙可能なレンズ加工面を備えたレンズ加工皿と、
前記レンズホルダーを、前記レンズ加工皿に対して、当該レンズホルダーの中心軸線に沿った方向に相対的に移動させる移動機構と、
前記レンズホルダーのレンズ保持面に加工対象のレンズを真空吸着させる真空吸着機構と、
前記レンズ加工皿を、前記レンズ加工面の中心および当該レンズ加工面の球芯を通る回転軸線回りに回転する回転機構と、
前記レンズ加工皿を、前記中心軸線上に位置する前記球芯を揺動中心として揺動する揺動機構と、
前記移動機構、真空吸着機構、前記回転機構および前記揺動機構を駆動制御するコントローラーと、
を有し、
前記コントローラーは上記のレンズ加工方法により、加工対象のレンズの芯出し動作、前記レンズを前記レンズホルダーに保持する動作、および前記レンズの加工動作を行うことを特徴としている。
【0026】
ここで、前記レンズホルダーとして、コバ受けの無いレンズホルダーを用いることができる。この場合には、前記レンズ保持面の外径寸法を、加工対象のレンズの外径寸法よりも小さくすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の方法によりレンズ球面の加工を行う球芯式レンズ加工機の一例を示す概略構成図である。
図2図1の球芯式レンズ加工機の加工動作を示す概略フローチャートである。
図3】コバ無しのレンズ素材を加工する球芯式レンズ加工機の例を示す部分構成図である。
図4】本発明の適用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した球芯式レンズ加工機の実施の形態を説明する。
【0029】
(球芯式レンズ加工機)
図1は、本発明の実施の形態に係る球芯式レンズ加工機を示す概略構成図である。球芯式レンズ加工機1は、上ユニット2および下ユニット3を備えている。上ユニット2は、下ユニット3に対して、ユニット中心軸線2aに沿って接近および離れる方向に、相対的に移動可能であり、想像線で示す移動機構2A(昇降機構)によって昇降される。上ユニット2は下向き状態のレンズホルダー4を備えている。レンズホルダー4はレンズ加圧軸5の下端に取り付けられており、加圧シリンダ6によって下向きにユニット中心軸線2aの方向に加圧可能となっている。
【0030】
レンズホルダー4はコバ受けの無いレンズホルダーであり、下向きのレンズ保持面4aの外周縁から円環状に突出したコバ受けが備わっていない。レンズ保持面4aは凹の球面形状をしており、その球芯O(4a)はユニット中心軸線2a上に位置している。レンズ保持面4aには、加工対象(精研削対象あるいは研磨対象)のレンズ素材7(以下、単に「レンズ7」と呼ぶ。)を保持可能である。
【0031】
なお、加工対象のレンズ7は、プレス成形品からなるレンズ素材、あるいは丸棒状のレンズ素材をカットすることにより得られた円柱状のレンズ素材に対して粗研削加工を施し、これによって得られた粗研削レンズ素材である。レンズ7は、その両面に、粗研削によって得られた大凡の球面形状をした第1レンズ球面7aおよび第2レンズ球面7bが形成され、その外周部分には一定幅のコバ7c(円形外周端面)が付いている。
【0032】
下ユニット3は上向き状態のレンズ加工皿(皿形砥石)8を備えており、このレンズ加工皿8には、ダイヤモンド砥粒を備えた凹の球面形状のレンズ加工面(砥石面)8aが形成されている。レンズ加工面8aの球芯O(8a)は、ユニット中心軸線2a上に位置している。このレンズ加工面8aに、上ユニット2の側に保持されるレンズ7の被研削面である第2レンズ球面7bが押し付けられる。
【0033】
レンズ加工皿8は同軸状態にスピンドル軸9の上端に固定されている。スピンドル軸9はスピンドルモーター10によってその中心軸線9aの回りに回転駆動される。また、レンズ加工皿8およびその回転機構(スピンドル軸9、スピンドルモーター10)は想像線で示す揺動機構11によって支持されている。揺動機構11は、レンズ加工皿8を、ユニット中心軸線2a上に位置するレンズ加工面8aの球芯O(8a)を揺動中心として、設定した加工用揺動角度θで、設定した加工半径Rで、設定した揺動方向に揺動させることが可能となっている。
【0034】
ここで、上ユニット2における加圧シリンダ6による加圧力はレギュレータ12によって調整可能となっている。本例では、少なくとも、芯出し用の加圧力および、これよりも大きな加工用加圧力に切り替え可能である。レギュレータ12によって圧力が設定される作動流体は、加圧シリンダ6に供給される。
【0035】
また、レンズ加圧軸5には同軸に真空吸引孔13が形成されており、この真空吸引孔13の下端は、レンズホルダー4のレンズ保持面4aの中心に開口している。真空吸引孔13の上端は真空レギュレータ14を介して真空源15に繋がっている。真空吸引孔13および真空レギュレータ14によってレンズの真空吸引機構が構成され、真空レギュレータ14により調整された真空吸引力によって、レンズホルダー4のレンズ保持面4aにレンズ素材7を真空吸着して保持することができる。
【0036】
次に、コントローラー16は各部の駆動制御を行うものであり、レギュレータ12を介して加圧力を調整し、真空レギュレータ14を介して真空吸着力を調整する。また、スピンドルモーター10によるレンズ加工皿8の回転速度および揺動機構11によるレンズ加工皿8の揺動角度を制御する。さらに、不図示の測長器などの測定機器を用いてレンズ素材7の加工量(精研削加工量あるいは研磨加工量)を監視し、この加工量に応じてレギュレータ12を介して加圧シリンダ6による加圧力、レンズホルダー4に対するレンズ素材7の真空吸着力を制御する。
【0037】
(芯出し・加工動作)
図2は球芯式レンズ加工機1を用いた球面レンズの芯出し・加工動作を示す概略フローチャートである。図1図2を参照して説明すると、まず、上ユニット2と下ユニット3とは同軸状態に位置決めされ、上ユニット2は図1に実線で示す位置よりも上方に退避した位置にあるものとする。この状態で、例えば、不図示のロボットハンド等の搬送機構を用いて、加工対象のレンズ7をレンズホルダー4の真下に搬送し、レンズ7をレンズホルダー4のレンズ保持面4aに所定の真空吸着力で吸着する(レンズ吸着工程ST1)。ここで、レンズホルダー4のレンズ保持面4aは、粗研削後のレンズ7の第1レンズ球面7aに対応する球面形状をしている。
【0038】
レンズ7をレンズホルダー4に吸着保持した後は、移動機構(昇降機構)2Aによって、上ユニット2を降下させ、レンズ保持面4aに吸着したレンズ7を、真下の位置に待機しているレンズ加工皿8に向けて降下させ、レンズ7の第2レンズ球面7bを、これに対応する球面形状のレンズ加工面8aに押し付け、レンズ加工皿8とレンズホルダー4の間にレンズ7を把持する。そして、加圧シリンダ6によって、所定の押圧力で、レンズホルダー4がレンズ7をレンズ加工皿8に押圧した押圧状態を形成する(レンズ押圧工程ST2)。これにより、図1に示す状態が形成される。
【0039】
レンズ7の押圧状態を形成した後は、レンズ保持面4aに対するレンズ7の吸着を一旦解除する(レンズ吸着解除工程ST3)。
【0040】
しかる後に、所定の押圧状態を維持したまま、スピンドルモーター10によってレンズ加工皿8を所定の回転速度で回転する。レンズ加工皿8は、レンズ加工面8aの中心C(8a)および当該レンズ加工面8aの球芯O(8a)を通る回転軸線8A回りに所定の回転速度で回転する。同時に、揺動機構11を駆動して、レンズ加工皿8を、そのレンズ加工面8aの球芯O(8a)を揺動中心として所定方向に所定の揺動角度で揺動する(回転・揺動工程ST4)。
【0041】
これにより、レンズホルダー4のレンズ保持面4aの球芯O(4a)にレンズ7の第1レンズ球面7aの球芯を誘導することできる。同時に、レンズ加工皿8のレンズ加工面8aの球芯O(8a)に第2レンズ球面7bの球芯を誘導することができる。
【0042】
ここで、加圧シリンダ6による押圧力は、レンズ7の第2レンズ球面7bの加工時における加工用押圧力よりも小さい圧力に設定されている。押圧力は加工用押圧力の1/5〜1/2の範囲内の値に設定することが望ましい。また、レンズ加工皿8の回転速度は第2レンズ球面7bの加工時における加工用回転速度よりも遅い速度に設定されている。回転速度は100rpm〜50rpmの範囲内の値に設定することが望ましい。さらに、レンズ加工皿8の揺動角度も、第2レンズ球面7bの加工時における加工用揺動角度よりも小さい角度に設定されている。揺動角度は、ユニット中心軸線2aから、第2レンズ球面7bの開角の1/30〜1/10の範囲内の値に設定することが望ましい。
【0043】
レンズ7は、レンズホルダーとレンズ加工皿8との間において、真空吸着状態が解除され、小さな押圧力で保持されている。よって、レンズ加工皿8のゆっくりした回転および微小な揺動に伴って微小移動(回転および揺動)が可能である。レンズ加工皿8の回転および揺動に伴って微小移動するレンズ7は、その第1レンズ球面7aが対応する球面形状のレンズ保持面4aに沿って微小に摺動し、その第2レンズ球面7bが対応する球面形状のレンズ加工面8aに沿って微小に摺動する。この結果、レンズ素材7は、微小な摺動を繰り返しながら、レンズ保持面4a、レンズ加工面8aに沿って、力学的に安定した位置に誘導される。すなわち、レンズ保持面4aの球芯O(4a)とレンズ加工面8aの球芯O(8a)を結ぶ直線上に、加工対象のレンズ7の両側のレンズ球面7a、7bの球芯を結ぶ直線が一致する芯出し状態が形成される。
【0044】
レンズ素材7の芯出し動作(工程ST1〜ST4の芯出し工程)が終了した後は、回転および揺動を継続したまま、再び、レンズ7をレンズホルダー4のレンズ保持面4aに真空吸着して保持する(レンズ保持工程ST5)。
【0045】
次に、加圧シリンダ6による加圧力を高くして、吸着したレンズ7を、芯出し時の押圧力よりも大きな加工用押圧力で、レンズ加工皿8に押圧した状態を形成する。また、この状態で、レンズ加工皿8の回転速度を上げて加工用回転速度でレンズ加工皿8を回転すると共に、レンズ加工面8aの球芯O(8a)を中心として、芯出し時の揺動角よりも大きな加工用揺動角度でレンズ加工皿8を揺動する。これにより、レンズ加工皿8のレンズ加工面8aに押し付けられている第2レンズ球面7bに加工(精研削加工あるいは研磨加工)が施される(レンズ加工工程ST6)。
【0046】
ここで、レンズ保持工程ST5およびレンズ加工工程ST6におけるレンズ7の真空吸着力は、加工対象のレンズ7の形状、特に厚さ寸法に合わせて調整することが望ましい。これにより、真空吸着力を適切に設定することによって、レンズ7に撓み等の変形が生じることを防止できる。
【0047】
また、レンズ加工工程ST6においては、コントローラー16によって加工されているレンズ素材7の加工量(精研削量あるいは研磨量)が管理されており、加工量に応じて、コントローラー16は真空吸着力を調整している。例えば、加工が進み、レンズ肉厚が減少するに伴って真空吸着力を徐々に低減することにより、真空吸着力によってレンズ7に撓み等の変形が生じることを防止あるいは抑制できる。これにより、精度良く球面加工を行うことができる。
【0048】
(コバ無しのレンズの加工)
上記の例は、球芯式レンズ加工機1によってコバ付きのレンズ7を加工する場合のものである。本発明は、コバ無しのレンズの加工にも同様に適用可能である。
【0049】
図3は、球芯式レンズ加工機を用いてコバ無しのレンズ107を加工する場合を示す部分構成図である。球芯式レンズ加工機1Aは、そのレンズホルダー104の形状が異なる点以外は、上記の球芯式レンズ加工機1と同一構成である。よって、図3においては、図1の各部に対応する部位には同一の符号を付してあり、これらの部位の説明は省略する。
【0050】
本例の場合、レンズ107の第1レンズ球面107aと第2レンズ球面107bの外周縁が相互に一致した断面形状となっている。また、レンズホルダー104のレンズ保持面104aは、その外径寸法L(104)が、加工対象のレンズ107の外径寸法L(107)よりも一回り小さい。この形状のレンズホルダー104を用いて、コバ無しのレンズ107を、コバ付きのレンズ7の場合と同様に加工することができる。
【0051】
(実施の形態の作用効果)
以上説明したように、本実施の形態では、加工初期においてレンズ加工皿8をゆっくり回転させ、同時に僅かに揺動させるようにしている。これにより、レンズホルダー4の側の第1レンズ球面7aの球芯はレンズホルダー4の球芯O(4a)に位置し、レンズ加工皿8の側の第2レンズ球面7bの球芯はレンズ加工皿8の球芯O(8a)に位置し、これらの球芯が一直線上に位置した状態(レンズの芯出し状態)が形成される。
【0052】
加工中においては、レンズホルダー4にレンズ7を真空吸着させることで、加工中のレンズ7の横移動が無く、レンズ7は芯出し状態が維持されたまま加工される。また、加工中に真空吸着力を変化させることで、レンズ7の変形を防止あるいは抑制している。よって、レンズ球面7bを精度良く真球面に加工することができる。
【0053】
この結果、加工後のレンズ7の両側のレンズ球面が精度良く真球に加工され、また、それらの球芯が一直線上に位置する状態になる。よって、精度良くレンズ球面を加工することができる。
【0054】
また、コバ受け付きのレンズホルダーを用いてレンズ7の芯出しを行う必要がないので、加工対象のレンズよりも小さな外径寸法のレンズホルダーを使用することが可能である。
【0055】
さらに、コバの無いレンズを加工するために、レンズをレンズホルダーに貼り付ける必要がなく、真空吸着によりレンズホルダーに保持して芯出しおよび加工を行うことができる。よって、コバの無いレンズを、従来に比べて、効率良く、しかも精度良く加工することができる。
【0056】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態における加工対象のレンズ7は、両側にレンズ球面7a、7bが形成された球面レンズである。加工対象のレンズ7としては各種の形状のものがある。例えば、図4(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、一方が凸球面で他方が凹球面のレンズ7A、双方が凹球面のレンズ7B、一方の凸球面で他方が平面のレンズ7C、一方が凹球面で他方が平面のレンズ7Dがある。加工対象のレンズ7のレンズ面形状に応じたレンズホルダー4A、4B、4C、4Dおよびレンズ加工皿8A、8B、8C、8Dが使用される。本発明は、このような各種の形状のレンズの芯出し動作にも適用可能なことは勿論である。
【0057】
上記の実施の形態における芯出し工程において、レンズ球面の曲率が小さく平面に近いレンズ面形状の場合等においては、レンズ加工皿を回転、揺動しても、レンズが容易に移動しないことがある。この場合には、レンズの移動を容易にするために、レンズ加工皿のレンズ加工面に当接するレンズ面に水膜を形成することが望ましい。例えば、レンズをレンズホルダーとレンズ加工皿の間に挟んだ状態において、レンズ加工皿のレンズ加工面の中心付近からクーラント液(研削液)を吐出する。これにより、レンズ加工面に接するレンズ面に液膜が形成され、レンズの移動が容易になり、レンズの芯出し動作が確実に行われる。
【0058】
また、芯出し工程の時間短縮等、芯出し効果を高める方法として、レンズホルダーの側から断続的にエアーを吐出させるようにしてもよい。例えば、レンズをレンズホルダーとレンズ加工皿の間に挟んだ状態においてレンズホルダーのレンズ保持面の中心に開口している真空吸着用の孔から断続的にエアーを吐出させながら、レンズ加工皿の回転および揺動を行い、レンズの芯出しを行う。
【0059】
さらに、レンズ面に水膜を形成すると共に、断続的にエアーを吐出させながら、レンズの芯出し動作を行うこともできる。このようにすれば短時間で効率良くレンズの芯出しを行うことができる。
図1
図2
図3
図4