(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの重合可能な基が独立してアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、スチレン基、マレエート基、フマレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、アリルエーテル基及びアリルエステル基より成る群から選ばれる請求項1〜6のいずれか1つに従う方法。
少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基H−3がイミダゾール基、ベンズイミダゾール基、トリアゾール基及びベンゾトリアゾール基より成る群から選ばれ;且つ少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基H−4がスクシンイミド基及びフタルイミド基より成る群から選ばれる請求項1〜7のいずれか1つに従う方法。
1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーがエチレンオキシドもしくはオリゴ−エチレンオキシド基、ヒドロキシル基及びモルホリノ基より成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する請求項10に従うUV硬化性インキジェットインキ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
態様の記述
定義
「一官能基性」という用語は、モノマー又はオリゴマーが1つのラジカル重合可能な基を含むことを意味する。
【0013】
「二官能基性」という用語は、モノマー又はオリゴマーが2つのラジカル重合可能な基を含むことを意味する。
【0014】
「多官能基性」という用語は、モノマー又はオリゴマーが2つより多いラジカル重合可能な基を含むことを意味する。
【0015】
「アルキル」という用語は、アルキル基中の炭素原子のそれぞれの数に可能なすべての変形、すなわちメチル、エチル、3個の炭素原子に関して:n−プロピル及びイソプロピル;4個の炭素原子に関して:n−ブチル、イソブチル及び第3級−ブチル;5個の炭素原子に関して:n−ペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチルプロピル及び2−メチル−ブチルなどを意味する。
【0016】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換アルキル基は、好ましくはC
1−C
6−アルキル基である。
【0017】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換アルケニル基は、好ましくはC
1−C
6−アルケニル基である。
【0018】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換アルキニル基は、好ましくはC
1−C
6−アルキニル基である。
【0019】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換アラルキル基は、好ましくは1、2、3個又はそれより多いC
1−C
6−アルキル基を含むフェニル又はナフチル基である。
【0020】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換アルカリール基は、好ましくはフェニル基又はナフチル基を含むC
7−C
20−アルキル基である。
【0021】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換アリール基は、好ましくはフェニル基又はナフチル基である。
【0022】
他に特定しなければ、置換もしくは非置換ヘテロアリール基は、好ましくは1、2又は3個の酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子又はそれらの組み合わせにより置換された5−もしくは6−員環である。
【0023】
例えば置換されたアルキル基における「置換された」という用語は、アルキル基が通常そのような基中に存在する原子、すなわち炭素及び水素以外の他の原子により置換され得ることを意味する。例えば置換されたアルキル基はハロゲン原子又はチオール基を含むことができる。置換されないアルキル基は炭素原子及び水素原子のみを含有する。
【0024】
他に特定されなければ、置換されたアルキル基、置換されたアルケニル基、置換されたアルキニル基、置換されたアラルキル基、置換されたアルカリール基、置換されたアリール基及び置換されたヘテロアリール基は、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及び第3級ブチル、エステル、アミド、エーテル、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、スルホキシド、スルホン、スルホネートエステル、スルホンアミド、−Cl、−Br、−I、−OH、−SH、−CN及び−NO
2より成る群から選ばれる1個もしくはそれより多い置換基により置換されている。
【0025】
導電性パターンの作製方法
本発明の好ましい態様に従う導電性パターンの作製方法は:a)非−導電性基材に接着された金属シート上に硬化インキジェットインキパターンをUV硬化性インキジェット印刷し;b)硬化インキパターンにより覆われていない金属シートをエッチングして非−導電性基材を露出し;そしてc)アルカリ性溶液を適用して5分以内に硬化インキジェットインキパターンを溶解する段階を含む。
【0026】
好ましい態様において、硬化インキジェットインキパターンは40μmより小さい、好ましくは5〜35μm、より好ましくは10μm〜30μmの厚さを有する。硬化インキ
ジェットインキパターンがより厚い程、ストリッピング溶液中でより多くのアルカリが消費され、より早い再生速度に導く。硬化インキパターンが5μmより薄いと、エッチング耐性は不十分になり、いわゆる「アンダーカット(undercut)」が起こる。これは導体幅を減少させ、開回路を引き起こし得る。
【0027】
製造方法の特に好ましい態様において、パターンのインキジェット印刷のために用いられるUV硬化性インキジェットインキは、a)1種もしくはそれより多い光開始剤;b)10より高いpHで脱色する着色剤;c)多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの2つの重合可能な基の間の原子鎖中に位置する少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基を有する1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマー;ならびにd)ヒドロキシル基、エチレンオキシドもしくはオリゴ−エチレンオキシド基、第3級アミン基、3より低くないpK
aを有する酸性基及び5〜7員芳香族もしくは非芳香族複素環式基より成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する一官能基性もしくは二官能基性モノマーである1種もしくはそれより多い吸水制御モノマー(water absorption controlling monomers)を含有する。UV硬化性インキジェットインキのより好ましい組成を本明細書下記に示す。
【0028】
化学的エッチングは、好ましくは過硫酸アンモニウム又は塩化第二鉄を用いて行われる。エッチング時間を短縮するために、好ましくはエッチング剤を30〜50℃の温度に加熱する。
【0029】
ストリッピング溶液又はストリッピング浴は、好ましくはソーダ、炭酸カリウム、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムもしくはカリウムを含有するアルカリ性溶液であるか、あるいはモノもしくはトリエタノールアミン及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドのようなアミンに基づく。好ましいストリッピング溶液は少なくとも5重量%の水酸化ナトリウムもしくはカリウムを含有する。使用中のストリッピング溶液は、好ましくは50℃〜85℃、より好ましくは60℃〜80℃の温度を有する。
【0030】
UV硬化性インキジェットインキ
UV硬化性インキジェットは、好ましくはラジカル重合可能な組成物である。好ましい態様において、UV硬化性インキジェットインキは、a)1種もしくはそれより多い光開始剤;b)10より高いpHで脱色する着色剤;c)多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの2つの重合可能な基の間の原子鎖中に位置する少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基を有する1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマー;ならびにd)ヒドロキシル基、エチレンオキシドもしくはオリゴ−エチレンオキシド基、第3級アミン基、3より低くないpK
aを有する酸性基及び5〜7員芳香族もしくは非芳香族複素環式基より成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する一官能基性もしくは二官能基性モノマーである1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーを含有する。
【0031】
加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマーは、ストリッピング溶液中での硬化インキジェットインキパターンの分解を担い、硬化インキジェットインキパターンをストリッピング溶液中に完全に溶解させる。しかしながら、許容され得る作製時間を得るために、第2のモノマーが含まれる必要がある。吸水制御モノマーは、ストリッピング溶液中での硬化インキパターンの膨潤を担う。これはストリッピング溶液中に存在するアルカリによる硬化インキパターンの溶解を加速する。
【0032】
加水分解可能な多官能基性モノマー及びオリゴマー
UV硬化性インキジェットインキは、多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの2つの重合可能な基の間の原子鎖中に位置する少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基を有
する1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマーを含む。
【0033】
好ましい態様において、多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの2つの重合可能な基の間の原子鎖中に位置する少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基は、式H−1〜H−4より成る群から選ばれ:
【0035】
式中、
Qは5員芳香環基の形成に必要な原子を示し;Zは5もしくは6員環基の形成に必要な原子を示し;そして破線は多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの残りの部分への結合を示す。
【0036】
さらなる好ましい態様において、少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基H−3はイミダゾール基、ベンズイミダゾール基、トリアゾール基及びベンゾトリアゾール基より成る群から選ばれる。
【0037】
さらなる好ましい態様において、少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基H−4はスクシンイミド基及びフタルイミド基より成る群から選ばれる。
【0038】
特に好ましい態様において、少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基はオキサレートエステル基である。
【0039】
1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマーは、好ましくはアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、スチレン基、マレエート基、フマレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、アリルエーテル基及びアリルエステル基より成る群から独立して選ばれる重合可能な基を含有する。
【0040】
多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの2つの重合可能な基の間の原子鎖中に位置する少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基を有する1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの典型的な例を
表1に示すが、それらに限られるわけではない。
【0043】
多官能基性モノマーもしくはオリゴマーの2つの重合可能な基の間の原子鎖中に位置する少なくとも1つのアルカリ加水分解可能な基を有する1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマーは、好ましくはUV硬化性インキジェッ
トインキの合計重量に基づいて少なくとも25重量%の量で、より好ましくは少なくとも30重量%の量でUV硬化性インキジェットインキ中に存在する。
【0044】
吸水制御モノマー
UV硬化性インキジェットインキは、1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーを含有する。吸水制御モノマーは、ヒドロキシル基、エチレンオキシドもしくはオリゴ−エチレンオキシド基、第3級アミン、3より低くないpK
aを有する酸性官能基及び5〜7員芳香族もしくは非芳香族複素環より成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する一官能基性もしくは二官能基性モノマーである。
【0045】
好ましい態様において、1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーは、ヒドロキシル基、エチレンオキシドもしくはオリゴ−エチレンオキシド基、カルボン酸基、フェノール基、5〜7員ラクタム基及びモルホリノ基より成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する。
【0046】
最も好ましい態様において、1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーは、エチレンオキシドもしくはオリゴ−エチレンオキシド基、ヒドロキシル基及びモルホリノ基より成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する。
【0047】
吸水制御モノマーは、好ましくは一官能基性モノマーである。
【0048】
1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーは、好ましくはアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基及びメタクリルアミド基より成る群から選ばれる重合可能な基を含む。
【0049】
1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーは、好ましくはアクリレート基及びアクリルアミド基より成る群から選ばれる重合可能な基を含む。
【0050】
適した吸水制御モノマーを
表2に示すが、これらに限られるわけではない。
【0054】
1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーは、好ましくはUV硬化性インキジェットインキの合計重量に基づいて少なくとも20重量%の量でUV硬化性インキジェットインキ中に存在する。
【0055】
他のモノマー及びオリゴマー
UV硬化性インキジェットインキは、1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマー及びオリゴマーならびに1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーの次に1種もしくはそれより多い他のモノマー及びオリゴマーを含有することができるが、好ま
しくは、UV硬化性インキジェットインキは1種もしくはそれより多い加水分解可能な多官能基性モノマー及びオリゴマーならびに1種もしくはそれより多い吸水制御モノマーより成る。
【0056】
モノマー及びオリゴマーは種々の官能価度を有することができ、1価、2価、3価及びもっと高い官能価のモノマー、オリゴマー及び/又はプレポリマーの組み合わせを含む混合物を用いることができる。モノマーとオリゴマーの間の比率を変えることにより、UV硬化性インキジェットインキの粘度を調整することができる。
【0057】
特に好ましい他のモノマー及びオリゴマーは、欧州特許第1911814A号明細書(AGFA)中の[0106]から[0115]に挙げられているものである。
【0058】
1種もしくはそれより多い他のモノマー及びオリゴマーは、好ましくはUV硬化性インキジェットインキの合計重量に基づいて25重量%より多くない、より好ましくは15重量%より多くない量で、そして最も好ましくは0〜10重量%の量でUV硬化性インキジェットインキ中に存在する。
【0059】
着色剤
UV硬化性インキジェットインキは、好ましくは着色剤を含む。着色剤は、一時的なマスクを導電性パターンの作製者に明確に見えるようにし、質の視覚的な検査を可能にする。
【0060】
金属シート上の硬化インキジェットインキパターン及びUV硬化性インキジェットインキ中の着色剤は、顔料又は染料であることができる。着色剤は、硬化インキジェットパターンがアルカリ性ストリッピング溶液中に溶解すると実質的に無色になる。
【0061】
好ましい態様において、インキジェットインキの着色剤は、10より高いpHで脱色する染料である。
【0062】
好ましい態様において、着色剤は放射線硬化性インキジェットインキ中で溶解し、すなわちそれは染料である。顔料に比べて染料はずっと速い退色(discolouration)を可能にする。それらはまた、インキジェットインキ中で沈降の故の分散安定性の問題を引き起こさない。
【0063】
第1の好ましい態様において、着色剤は開放型(open form)のラクトンに基づくロイコ染料により示される。さらなる好ましい態様において、ロイコ染料は式(I)〜(VIII)に従うロイコ染料である。
【0065】
式中、R
1及びR
2は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケ
ニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;n及びmは独立して0〜3の整数を示し;R
3及びR
4は独立して置換もしくは非置換アルキル基、アルコキシ基及びハロゲンより成る群から選ばれ;R
5は置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基、ハロゲン、アルコキシ基、エステル、アミド、アミン及びカルボン酸より成る群から選ばれ;そしてoは0〜4の整数を示す。
【0067】
式中、R8及びR9は独立して水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R10及びR11は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基及び置換もしくは非置換アルキニル基から選ばれ;nは0〜3の整数を示し;そしてmは0〜5の整数を示す。
【0069】
式中、R12、R13、R16及びR17は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R14及びR15は独立して水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれる。
【0071】
式中、R20〜R23は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R18及びR19は独立して水素、置換もしくは非置換アルキル基及びアルコキシ基より成る群から選ばれる。
【0073】
式中、R24及びR25は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R26〜R29は独立して水素、置換もしくは非置換アルキル基及び置換もしくは非置換芳香環を形成する基R26〜R29の2つにより形成される基より成る群から選ばれる。
【0075】
式中、R30〜R33は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール
基より成る群から選ばれる基を示す。
【0077】
式中、R34は置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R35は水素、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれる。
【0078】
ラクトンに基づくロイコ染料の典型的な例を
表3に示すが、これらに限られるわけではない。
【0082】
第2の好ましい態様において、着色剤はトリアリールメタン染料、より好ましくは式(IX)に従うトリアリールメタン染料により示される。
【0084】
式中、R36は水素、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、アルコキシ基、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R37は置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;そしてXは正の電荷を補償する対イオンを示す。
【0085】
第3の好ましい態様において、着色剤はシアニン染料、メロシアニン染料及びオキソノール染料により示される。一般式(X)〜(XIII)に従うシアニン染料が特に好ましい。
【0087】
式中、Xは水素、ニトリル、ニトロ、ハロゲン及びスルホンから選ばれる基を示し;EWGは電子吸引性基、好ましくはエステル基を示し;R38、R39及びR41は独立して置換もしくは非置換アルキル基を示し;R40及びR42は独立して置換もしくは非置換アリール基及び置換もしくは非置換ヘテロアリール基より成る群から選ばれ;そしてYは正の電荷を補償するための対イオンを示す。
【0088】
他の好ましい着色剤は式(XIII)及び(XIV)により示される:
【0090】
式中、R43、R44及びR45は独立して置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R46は水素、アルコキシ基、ハロゲン、カルボキシ基もしくはそのエステル、スルホン酸もしくはその塩、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R47は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基、置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基、アミノ基、アミド基及びスルホンアミド基より成る群から選ばれ;R48は置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換アルカリール基、置換もしくは非置換アラルキル基及び置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれる。
【0091】
特に好ましい態様において、着色剤は、着色剤又はその脱色形態をストリッピング水溶液と相溶化することができる少なくとも1つの置換基を含む。該着色剤又はその脱色形態を相溶化することができるこの置換基は、好ましくはカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、硫酸の半エステルもしくはその塩、リン酸のモノ−もしくはジエステルもしくはその塩、フェノール基、エチレンオキシド基及びヒドロキシル基より成る群から選ばれ、カルボン酸、ヒドロキシル基及びエチレンオキシド基が特に好ましい。
【0092】
式(IX)〜(XIV)に従う典型的な着色剤を
表4に示すが、これられ限られるわけではない。
【0096】
着色剤は、硬化インキパターンに可視の色を与えるのに十分な量でUV硬化性インキジェットインキ中に存在する。通常、UV硬化性インキジェットインキの合計重量に基づいて2重量%より少ない、より好ましくは1重量%より少ない量が十分である。
【0097】
光開始系
UV硬化性インキジェットインキは少なくとも1種の光開始剤を含有するが、複数の光開始剤及び/又は共−開始剤を含む光開始系を含有することができる。
【0098】
UV硬化性インキジェットインキ中の光開始剤は、好ましくはフリーラジカル開始剤、さらに特定的にノリッシュI型開始剤又はノリッシュII型開始剤である。フリーラジカル光開始剤は、化学線に暴露されるとフリーラジカルの生成によりモノマー及びオリゴマーの重合を開始させる化学化合物である。ノリッシュI型開始剤は、励起の後に開裂し、開始ラジカルを直接与える開始剤である。ノリッシュII型−開始剤は、化学線により活性化され、第2の化合物からの水素引き抜きによりフリーラジカルを生成する光開始剤であり、第2の化合物が実際の開始フリーラジカルになる。この第2の化合物は、重合相乗剤又は共−開始剤と呼ばれる。I型及びII型光開始剤の両方を単独で、又は組み合わせて本発明において用いることができる。
【0099】
適した光−開始剤は、CRIVELLO,J.V.,et al著,Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Photopolymerisation.第2版,BRADLEY,G編集,London,UK:John Wiley and Sons Ltd,1998.p.287−294に開示されている。
【0100】
光−開始剤の特定の例には以下の化合物又はそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限られない:ベンゾフェノン及び置換されたベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、例えばイソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、ビ
ス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン又は5,7−ジヨード−3−ブトキシ−6−フルオロン。
【0101】
適した市販の光−開始剤には、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能なIrgacure(商標)184、Irgacure(商標)500、Irgacure(商標)369、Irgacure(商標)1700、Irgacure(商標)651、Irgacure(商標)819、Irgacure(商標)1000、Irgacure(商標)1300、Irgacure(商標)1870、Darocur(商標)1173、Darocur(商標)2959、Darocur(商標)4265及びDarocur(商標)ITX、BASF AGから入手可能なLucerin(商標)TPO、LAMBERTIから入手可能なEsacure(商標)KT046、Esacure(商標)KIP150、Esacure(商標)KT37及びEsacure(商標)EDB、SPECTRA GROUP Ltdから入手可能なH−Nu(商標)470及びH−Nu(商標)470Xが含まれる。
【0102】
導電性パターンの作製の間の安全性の理由で、光開始剤は、好ましくはいわゆる拡散が妨げられた光開始剤である。拡散が妨げられた光開始剤は、硬化インキ層中で一官能基性光開始剤、例えばベンゾフェノンよりずっと低い移動性を示す光開始剤である。光開始剤の移動性を低くするために、いくつかの方法を用いることができる。1つの方法は、光開始剤の分子量を増加させ、拡散速度を低下させることであり、例えば高分子光開始剤である。他の方法は、それが重合する網目の中に組み込まれるように、その反応性を増すことであり、例えば多官能基性光開始剤(2個、3個又はそれより多くの光開始基を有する)及び重合可能光開始剤である。
【0103】
UV硬化性インキジェットインキのための拡散が妨げられた光開始剤は、好ましくは非−高分子多官能基性光開始剤、オリゴマー性もしくは高分子光開始剤及び重合可能光開始剤より成る群から選ばれる。最も好ましくは、拡散が妨げられた光開始剤は、重合可能な開始剤又は高分子光開始剤である。
【0104】
好ましい拡散が妨げられた光開始剤は、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α,α−ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、α−ハロケトン、α−ハロスルホン及びフェニルグリオキサレートより成る群から選ばれるノリッシュI型−光開始剤に由来する1個もしくはそれより多い光開始官能基を含有する。
【0105】
好ましい拡散が妨げられた光開始剤は、ベンゾフェノン、チオキサントン、1,2−ジケトン及びアントラキノンより成る群から選ばれるノリッシュII型−開始剤に由来する1個もしくはそれより多い光開始官能基を含有する。
【0106】
欧州特許第2065362A号明細書(AGFA)中で、二官能基性及び多官能基性光開始剤に関して[0074]及び[0075]節において、高分子光開始剤に関して[0077]〜[0080]節において、ならびに重合可能な光開始剤に関して[0081]〜[0083]節において開示されているものも、適した拡散が妨げられた光開始剤である。
【0107】
光開始剤の好ましい量は、UV硬化性インキジェットインキの合計重量の0〜50重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、そして最も好ましくは0.3〜15重量%であ
り、好ましくは開始剤も含有する。
【0108】
感光度をさらに向上させるために、UV硬化性インキジェットインキはさらに共−開始剤を含有することができる。共−開始剤の適した例を3つの群:1)メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン及びN−メチルモルホリンのような第3級脂肪族アミン;(2)アミルパラジメチルアミノベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート及び2−エチルヘキシル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートのような芳香族アミン;ならびに(3)ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えばジエチルアミノエチルアクリレート)又はN−モルホリノアルキル−(メタ)アクリレート(例えばN−モルホリノエチル−アクリレート)のような(メタ)アクリル化アミンに分類することができる。好ましい共−開始剤はアミノベンゾエートである。
【0109】
UV硬化性インキジェットインキ中に1種もしくはそれより多い共−開始剤が含まれる場合、好ましくは、これらの共−開始剤は安全性の理由で拡散が妨げられている。
【0110】
拡散が妨げられた共−開始剤は、好ましくは非−高分子二−もしくは多官能基性共−開始剤、オリゴマー性もしくは高分子共−開始剤及び重合可能な共−開始剤より成る群から選ばれる。より好ましくは、拡散が妨げられた共−開始剤は、高分子共−開始剤及び重合可能な共−開始剤より成る群から選ばれる。最も好ましくは、拡散が妨げられた共−開始剤は、少なくとも1個の(メタ)アクリレート基を有する、より好ましくは少なくとも1個のアクリレート基を有する重合可能な共−開始剤である。
【0111】
UV硬化性インキジェットインキは、好ましくは重合可能な、もしくは高分子第3級アミン共−開始剤を含む。
【0112】
好ましい拡散が妨げられた共−開始剤は、欧州特許第2053101A号明細書(AGFA)中で[0088]及び[0097]節において開示されている重合可能な共−開始剤である。
【0113】
UV硬化性インキジェットインキは、好ましくはUV硬化性インキジェットインキの合計重量の0.1〜50重量%の量で、より好ましくは0.5〜25重量%の量で、最も好ましくは1〜15重量%の量で(拡散が妨げられた)共−開始剤を含む。
【0114】
重合抑制剤
UV硬化性インキジェットインキは重合抑制剤を含有することができる。適した重合抑制剤には、フェノール型酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、蛍りん光体型酸化防止剤、(メタ)アクリレートモノマーにおいて通常用いられるヒドロキノンモノメチルエーテルが含まれ、ヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロールも使用することができる。
【0115】
適した市販の抑制剤は、例えばSumitomo Chemical Co.Ltd.により製造されるSumilizer(商標)GA−80、Sumilizer(商標)GM及びSumilizer(商標)GS;Rahn AGからのGenorad(商標)16、Genorad(商標)18及びGenorad(商標)20;Ciba Specialty ChemicalsからのIrgastab(商標)UV10及びIrgastab(商標)UV22、Tinuvin(商標)460及びCGS20;Kromachem LtdからのFloorstab(商標)UV領域(UV−1、UV−2、UV−5及びUV−8)、Cytec Surface Specialtiesから
のAdditol(商標)S領域(S100、S110、S120及びS130)である。
【0116】
これらの重合抑制剤の過剰の添加は硬化に対するインキの感度を低下させるであろうので、重合を妨げることができる量を配合前に決定するのが好ましい。重合抑制剤の量は、好ましくはUV硬化性インキジェットインキの合計重量の2重量%より少ない。
【0117】
高分子分散剤
UV硬化性インキジェットインキ中の着色剤が顔料である場合、UV硬化性インキジェットインキは、好ましくは顔料の分散のために分散剤、より好ましくは高分子分散剤を含有する。
【0118】
適した高分子分散剤は2種のモノマーのコポリマーであるが、それらは3、4、5種又はそれより多種のモノマーさえ含有することができる。高分子分散剤の性質は、モノマーの性質及びポリマー中におけるそれらの分布の両方に依存する。コポリマー分散剤は、好ましくは以下のポリマー組成を有する:
●ランダム重合したモノマー(例えばモノマーA及びBがABBAABABに重合した);
●交互重合したモノマー(例えばモノマーA及びBがABABABABに重合した);
●勾配(gradient)(テーパード(tapered))重合したモノマー(例えばモノマーA及びBがAAABAABBABBBに重合した);
●それぞれのブロックのブロック長(2、3、4、5個又はそれより多くさえ)が高分子分散剤の分散能力に重要であるブロックコポリマー(例えばモノマーA及びBがAAAAABBBBBBに重合した);
●グラフトコポリマー(グラフトコポリマーは、主鎖に結合した高分子側鎖を有する高分子主鎖から成る);ならびに
●これらのポリマーの混合形態、例えばブロック様勾配コポリマー。
【0119】
適した高分子分散剤は、欧州特許第1911814A号明細書(AGFA)中の「分散剤」についての節、さらに特定的に[0064]〜[0070]及び[0074]〜[0077]中に挙げられている。
【0120】
高分子分散剤の市販の例は以下である:
●BYK CHEMIE GMBHから入手可能なDISPERBYK(商標)分散剤;●NOVEONから入手可能なSOLSPERSE(商標)分散剤;
●EVONIKからのTEGO(商標)DISPERS(商標)分散剤;
●MUENZING CHEMIEからのEDAPLAN(商標)分散剤;
●LYONDELLからのETHACRYL(商標)分散剤;
●ISPからのGANEX(商標)分散剤;
●CIBA SPECIALTY CHEMICALS INCからのDISPEX(商標)及びEFKA(商標)分散剤;
●DEUCHEMからのDISPONER(商標)分散剤;及び
●JOHNSON POLYMERからのJONCRYL(商標)分散剤。
【0121】
界面活性剤
UV硬化性インキジェットインキは少なくとも1種の界面活性剤を含有することができるが、好ましくは界面活性剤は存在しない。界面活性剤が存在しない場合、UV硬化性インキジェットインキは金属シート上で十分に広がらず、細い導電性の線の形成を許す。
【0122】
界面活性剤はアニオン性、カチオン性、非−イオン性又は両性イオン性であることがで
き、通常UV硬化性インキジェットインキの合計重量に基づいて1重量%より少ない合計量で加えられる。
【0123】
適した界面活性剤にはフッ素化界面活性剤、高級アルコールの脂肪酸塩、エステル塩、高級アルコールのアルキルベンゼスルホネート塩、スルホスクシネートエステル塩及びホスフェートエステル塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、高級アルコールのエチレンオキシド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物ならびにアセチレングリコール及びそのエチレンオキシド付加物(例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルならびにAIR PRODUCTS & CHEMICALS INC.から入手可能なSURFYNOL(商標)104、104H、440、465及びTG)が含まれる。
【0124】
好ましい界面活性剤は、フルオロ界面活性剤(例えばフッ素化炭化水素)及びシリコーン界面活性剤から選ばれる。シリコーン界面活性剤は、好ましくはシロキサンであり、アルコキシル化されている、ポリエーテル修飾されている、ポリエーテル修飾されたヒドロキシ官能基性である、アミン修飾されている、エポキシ修飾されている及び他の修飾又はそれらの組み合わせであることができる。好ましいポリシロキサンは高分子性、例えばポリジメチルシロキサンである。
【0125】
好ましい市販のシリコーン界面活性剤には、BYK ChemieからのBYK(商標)333及びBYK(商標)UV3510が含まれる。
【0126】
好ましい態様において、界面活性剤は重合可能な化合物である。
【0127】
好ましい重合可能なシリコーン界面活性剤には(メタ)アクリル化シリコーン界面活性剤が含まれる。最も好ましくは、(メタ )アクリル化シリコーン界面活性剤はアクリル化シリコーン界面活性剤であり、それはアクリレートがメタクリレートより反応性であるからである。
【0128】
好ましい態様において、(メタ)アクリル化シリコーン界面活性剤は、ポリエーテル修飾(メタ)アクリル化ポリジメチルシロキサン又はポリエステル修飾(メタ)アクリル化ポリジメチルシロキサンである。
【0129】
インキジェットインキの調製
顔料添加されたUV硬化性インキジェットインキの調製は、熟練者に周知である。好ましい調製方法は、国際公開第2011/069943号パンフレット(AGFA)の[0076]節〜[0085]節に開示されている。
【0130】
インキジェット印刷装置
プリントヘッドに相対的に動いている基材上に、ノズルを介して制御されたやり方で小滴を噴射する1個もしくはそれより多いプリントヘッドにより、UV硬化性インキジェットインキを噴射することができる。
【0131】
インキジェット印刷系のための好ましいプリントヘッドは、圧電ヘッドである。圧電インキジェット印刷は、圧電セラミック変換器に電圧が適用される時のその動きに基づく。電圧の適用は、プリントヘッド中の圧電セラミック変換器の形を変化させて空隙を作り、次いでそれはインキで満たされる。再び電圧が取り除かれると、セラミックはその最初の形に膨張し、プリントヘッドからインキの滴を噴射する。しかしながら、本発明に従うインキジェット印刷方法は圧電インキジェット印刷に制限されない。他のインキジェットプ
リントヘッドを用いることができ、連続型のような種々の型が含まれる。
【0132】
インキジェットプリントヘッドは通常、動いているインキ−受容表面を横切って横方向で行ったり来たり走査される。多くの場合、インキジェットプリントヘッドは帰り道に印刷しない。二−方向印刷は、高い面積処理量を得るために好ましい。別の好ましい印刷方法は、「シングルパス印刷法(single pass printing process)」による方法であり、それはインキ−受容表面の幅全体に及ぶページ幅インキジェットプリントヘッド又は多数の互い違いのインキジェットプリントヘッドの使用により達成され得る。シングルパス印刷法では、インキジェットプリントヘッドは通常静止したままであり、基材表面がインキジェットプリントヘッドの下を輸送される。
【0133】
硬化装置
UV硬化性インキジェットインキを化学線(actinic radiation)に暴露することにより、好ましくは紫外線により、それらを硬化させることができる。
【0134】
インキジェット印刷において、硬化手段をインキジェットプリンターのプリントヘッドと組み合わせて配置し、それと一緒に移動させ、硬化性の液が噴射された直後に硬化放射線に暴露されるようにすることができる。
【0135】
そのような配置において、プリントヘッドに連結され、且つそれと一緒に移動するのに十分に小さいLEDのような放射線源を備えるのは困難であり得る。従って、光ファイバー束又は内部反射性柔軟性チューブ(internally reflective flexible tube)のような柔軟性放射線伝導性手段(flexible radiation conductive means)より放射線源に連結された静的な固定された放射線源、例えば硬化UV−光源を用いることができる。
【0136】
あるいはまた、放射線ヘッドの上の鏡を含む鏡の配置により、固定源から放射線ヘッドに化学線を供給することができる。
【0137】
放射線源は、硬化させるべき基材を横切って横に延びる長い放射線源であることもできる。それはプリントヘッドの横通過路に隣接し、プリントヘッドにより形成される画像の連続する列が段階的又は連続的にその放射線源の下を通過するようにすることができる。
【0138】
発光される光の一部が光−開始剤又は光−開始剤系により吸収され得る限り、高圧もしくは低圧水銀ランプ、冷陰極管、ブラックライト、紫外LED、紫外レーザー及び閃光灯(flash light)のようないずれの紫外光源も放射線源として用いることができる。これらの中で好ましい源は、300〜400nmの主波長を有する比較的長波長のUV−寄与(UV−contribution)を示すものである。特にUV−A光源は、それを用いて光散乱が減少し、より有効な内部硬化を生ずる故に、好ましい。
【0139】
UV線は一般に、UV−A、UV−B及びUV−Cとして以下の通りに分類される:
・UV−A:400nm〜320nm
・UV−B:320nm〜290nm
・UV−C:290nm〜100nm。
【0140】
好ましい態様において、UV硬化性インキジェットインキをUV LEDsにより硬化させる。好ましくは、インキジェット印刷装置は、好ましくは360nmより長い波長を有する1個もしくはそれより多いUV LEDs、好ましくは380nmより長い波長を有する1個もしくはそれより多いUV LEDs、そして最も好ましくは約395nmの波長を有するUV LEDsを含有する。
【0141】
さらに、異なる波長又は照度の2種の光源を連続的又は同時に用いて、インキパターンを硬化させることができる。例えば第1のUV−源を、特に260nm〜200nmの領域内のUV−Cが豊富なように選択することができる。その場合、第2のUV−源はUV−Aが豊富であり、例えばガリウムがドーピングされたランプであるか、あるいはUV−A及びUV−Bの両方が高い異なるランプであることができる。2種のUV−源の使用は利点、例えば速い硬化速度及び高い硬化度を有することが見出された。
【0142】
硬化を助長するために、インキジェット印刷装置は多くの場合に1個もしくはそれより多い酸素枯渇装置(oxygen depletion units)を含む。酸素枯渇装置は、硬化環境中の酸素濃度を低下させるために、調整可能な位置及び調整可能な不活性ガス濃度で、窒素又は他の比較的不活性なガス(例えばCO
2)の覆い(blanket)を置く。残留酸素レベルは通常、200ppmのように低く保たれるが、一般に200ppm〜1200ppmの範囲内である。
【0143】
基材
それが非−導電性である限り、金属シートに接着させる基材の型に実質的な制限はない。基材はセラミック、ガラス又はプラスチック、例えばポリイミドで作られていることができる。基材に接着される通常9〜35μmの厚さを有する金属シートは、好ましくは銅シートであり、それは銅が高い導電率を有し、且つ比較的安価だからである。
【0144】
本発明は、銅張板上にパターン、例えば多様情報(variable information)又は回路自身を形成し、次いで板をエッチングして多様情報又は回路自身を得ることにおいて、特に有用である。
【実施例】
【0145】
材料
以下の実施例において用いられるすべての材料は、他に特定しなければ、ALDRICH CHEMICAL Co.(Belgium)及びACROS(Belgium)のような標準的な供給源から容易に入手可能であった。用いられた水は脱イオン水であった。
【0146】
Macrolex(商標)Blue 3RはLANXESSからの青色アントラキノン染料である。
【0147】
ITXはBASFからDarocur(商標)ITXとして入手可能な2−及び4−イソプロピルチオキサントンの異性体混合物である。
【0148】
IC907は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、BASFからIrgacure(商標)907として入手可能な光開始剤である。
【0149】
IC819は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、BASFからIrgacure(商標)819として入手可能な光開始剤である。
【0150】
TPOは、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、BASFからDarocur(商標)TPOとして入手可能な光開始剤である。
【0151】
Stabi−1は、
表5に従う組成を有する重合抑制剤を形成する混合物である:
【0152】
【表5】
【0153】
Cupferron(商標)ALは、WAKO CHEMICALS LTDからのアルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンである。
【0154】
VEEA又は2−(2−ビニルオキシ−エトキシ)−エチルアクリレートは、Nippon Chokubaiにより供給された。
【0155】
4−ヒドロキシブチルアクリレートはNippon Kaseiにより供給された。
【0156】
PETTAは、SARTOMERからSR295として入手可能なペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
【0157】
ACMOは、RAHN AGから入手可能なアクリロイルモルホリンである。
【0158】
クリスタルバイオレット(Crystal violet)は、ALDRICHからのトリアリールメタン染料である。
【0159】
PEG200DAは、SARTOMERからSartomer(商標)SR259として入手可能なn=4を有するポリエチレングリコール(MW200)ジアクリレートである:
【0160】
【化12】
【0161】
HDDAは、SARTOMERからSartomer(商標)SR238として入手可能な1,6−ヘキサンジオールジアクリレートである:
【0162】
【化13】
【0163】
HYDRO−8は、PEG200DAに類似のオキサレートモノマーである:
【0164】
【化14】
【0165】
シュウ酸ビス−[2−(2−アクリロイルオキシ−エトキシ)−エチル]エステル(HYDRO−8)の合成を以下の通りに行った。
【0166】
【化15】
【0167】
第1段階:2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルアクリレートの合成
55.9g(0.3モル)の2−(2−ビニルオキシ−エトキシ)−エチルアクリレートを100mlのアセトン中に溶解した。27g(1.5モル)の水及び0.6g(6ミリモル)のメタンスルホン酸を加えた。室温で4時間反応を続けさせた。反応混合物を500mlの塩化メチレンで希釈し、250mlの水で抽出した。有機画分をMgSO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。TLC−クロマトグラフィーを用いて2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルアクリレートを分析した(Partisil KC18F,Whatmanにより供給,溶離剤:メタノール/0.5N NaCl 80/20,R
f:0.83,わずか微量の(2−ビニルオキシ−エトキシ)−エチルアクリレート,R
f:0.66及び以下の構造に従う化合物,R
f:0.9)。
【0168】
【化16】
【0169】
2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルアクリレートをさらなる精製なしで用いた。
【0170】
第2段階:シュウ酸ビス−[2−(2−アクリロイルオキシ−エトキシ)−エチル]エステルの合成
30.4g(0.19モル)の2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルアクリレート、19.8g(0.196モル)のトリエチルアミン及び1.3g(5.7ミリモル)
のBHTを140mlの塩化メチレン中に溶解した。溶液を−10℃に冷却した。温度を−10℃に保持しながら、70mlの塩化メチレン中の12.1g(0.095モル)の塩化オキサリルの溶液を滴下した。0℃で1時間反応を続けさせ、続いて室温で16時間反応させた。反応混合物を200gの氷に加え、混合物を200mlの塩化メチレンで抽出した。有機画分を200mlの1N塩酸溶液、200mlの飽和NaHCO
3溶液及び200mlのブラインで抽出した。有機画分をMgSO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。Kromasil Si 60a 10μmが充填されたProchrom LC80カラム及び溶離剤として塩化メチレン/酢酸エチル 90/10を用いる調製的カラムクロマトグラフィーを用いて、粗生成物を精製した。19.1gのシュウ酸ビス−[2−(2−アクリロイルオキシ−エトキシ)−エチル]エステルが単離された(y:54%)。TLC−クロマトグラフィー(TLC シリカゲル 60 F
254,Merckにより供給,溶離剤:塩化メチレン/酢酸エチル,83/17,R
f:0.42)及び下記に記載される方法に従うLC−MS(保持時間:6.6分,純度96.2面積%)を用いて化合物を分析した。
【0171】
HYDRO−11 OXAL−2はHDDAに類似のオキサレートモノマーである:
【0172】
【化17】
【0173】
シュウ酸ビス−(4−アクリロイルオキシ−ブチル)エステル(HYDRO−11)の合成を以下の通りに行った。
【0174】
【化18】
【0175】
51.3g(0.3モル)の4−ヒドロキシ−ブチルアクリレート、31.4g(0.31モル)のトリエチルアミン及び2g(9ミリモル)のBHTを200mlの塩化メチレン中に溶解した。反応混合物を−10℃に冷却した。温度を−10℃に保持しながら、100mlの塩化メチレン中の19.0g(0.15モル)の塩化オキサリルの溶液を滴下した。0℃で1時間反応を続けさせ、続いて室温で16時間反応させた。反応混合物を500gの氷中に注ぎ、混合物を1時間撹拌した。混合物を200mlの塩化メチレンで2回抽出した。プールした有機画分を300mlの1N塩酸溶液、300mlの飽和NaHCO
3溶液及び200mlのブラインで2回抽出した。有機画分をMgSO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。Kromasil Si 60a 10μmが充填されたProchrom LC80カラム及び溶離剤として塩化メチレン/酢酸エチル 90/10を
用いる調製的カラムクロマトグラフィーを用いて、粗生成物を精製した。22gのシュウ酸ビス−(4−アクリロイルオキシ−ブチル)エステルが単離された(y:43%)。TLC−クロマトグラフィー(TLC シリカゲル 60 F
254,Merckにより供給,溶離剤:塩化メチレン/酢酸エチル,96/4,R
f:0.3)、両方とも下記に記載される方法に従うGC(保持時間:12.2分,純度:99.6面積%)及びGC−MSを用いて化合物を分析した。
【0176】
PEAは、SARTOMERからSartomer(商標)SR339Cとして入手可能な2−フェノキシエチルアクリレートである。
【0177】
M170は、RAHN AGからMiramer(商標)170として入手可能な2−(2−エトキシ)エチルアクリレート(CASRN 7328−17−8)である。
【0178】
Isola(商標)400は、18μ Cu−ラミネートから成る金属表面を有するCCI Eurolamから入手可能なCu−板である。
【0179】
測定方法
1.GC分析
GC分析は、Agilent 6890上で、DB1カラム(30x0.25 0.25)、キャリヤーガスとしてヘリウムを用い、2ml/分の流量及び50対1のスプリット比において行われた。2分間40℃において開始し、200℃の温度まで分当たり15℃の温度上昇の温度分布を用いた。塩化メチレン中の各化合物の1w/w%溶液の1μlを注入した。
【0180】
2.GC−MS分析
GC−MS分析は、Trace Ultra−DSQ上で、DB−xlbカラム(30x0.25 0.25)、キャリヤーガスとしてヘリウムを用い、1.2ml/分の流量及び50対1のスプリット比において行われた。80℃において開始し、325℃まで分当たり15℃の温度上昇の温度分布を用いた。質量スペクトルの記録のために、EI及び
を用いた。塩化メチレン中の各化合物の1w/w%溶液の1μlを注入した。
【0181】
3.LC−MS分析
LC−MS分析は、Bruker HG Ultra上で、Altima HP C18 AQカラム(150x3,5μm)を用い、0.35ml/分の流量及び40℃において運転して行われた。溶離剤Aとして水及び溶離剤Bとしてアセトニトリルを用いる溶媒溶離を用いた。
表6に従う勾配を用いた。
【0182】
【表6】
【0183】
combibron検出器と組み合わされたESIイオン化を用いた。20mlのアセトニトリル中の2mgの各化合物の溶液の5μlを注入した。
【0184】
4.フローインジェクション−MS:
フローインジェクション分析は、Bruker HG Ultra上で、溶離剤として水中の95%のアセトニトリル及び5%の2ミリモル酢酸アンモニウム溶液の混合物を用い、0.1ml/分の流量及び40℃の温度で行われた。イオン化としてESIネガティブを用いた。20mlのアセトニトリル中の2mgの各化合物の溶液の2μlを注入した。
【0185】
5.エッチング抵抗性
エッチング後に銅板上に残る硬化インキジェットインキ層のパーセンテージを決定することにより、エッチング抵抗性を評価した。100%のエッチング抵抗性は、硬化インキジェットインキ層全体がエッチング浴を安全に経たことを意味する。0%のエッチング抵抗性は、エッチング後に硬化インキジェットインキが銅板上に存在することが見出され得なかったことを意味する。中間のパーセンテージ、例えば80%は、エッチング後に硬化インキジェットインキの約80%が銅板上に存在することが見出され得たことを意味する。良好なエッチング抵抗性は、少なくとも80%の値を意味する。優秀なエッチング抵抗性は、少なくとも90%の値を意味するが、好ましくは100%の値を意味する。
【0186】
6.ストリッピング性
ストリッピング後に銅板から除去された硬化インキジェットインキ層のパーセンテージを決定することにより、ストリッピング性を評価した。100%のストリッピング性は、硬化インキジェットインキ層全体が除去されたことを意味する。0%のストリッピング性は、銅板から硬化インキジェットインキが除去され得なかったことを意味する。中間のパーセンテージ、例えば30%は、ストリッピングにより硬化インキジェットインキの約30%のみが銅板から除去され得たことを意味する。良好なストリッピング性は、少なくとも80%の値を意味する。優秀なストリッピング性は少なくとも90%の値を意味するが、好ましくは100%の値を意味する。30%かもしくはそれより低い値は、非常に劣ったストリッピング性である。
【0187】
7.粘度
CAMBRIDGE APPLIED SYSTEMSからの”Robotic Viscometer Type VISCObot”を用い、45℃において調製物の粘度
を測定した。
【0188】
工業的なインキジェット印刷のために、粘度は、好ましくは45℃において20mPa.sより低い。より好ましくは、粘度は45℃において15mPa.sより低い。
【0189】
8.硬化速度
放射線硬化性インキジェットインキを、バーコーター及び10μmのワイアドバー(wired bar)を用いてPET100基材上にコーティングした。コーティングされた試料を、Fusion VPS/1600ランプ(D−バルブ)が備えられたFusion DRSE−120コンベアを用いて硬化させ、コンベアは試料を20m/分の速度でコンベアベルト上のUV−ランプの下に輸送した。ランプの最大出力は1.05J/cm
2であり、ピーク強度は5.6W/cm
2であった。ランプの最大出力に対するパーセンテージを硬化速度に関する尺度として用い、数が小さい程、硬化速度が速い。試料は、Q−チップを用いる引っ掻きが視覚的な損傷を引き起こさない時点に完全に硬化したと考えられた。
【実施例1】
【0190】
この実施例は、いかにして硬化インキパターンのフレークをろ過して除去する必要なく導電性パターンを作製するかを示す。
【0191】
UV硬化性インキジェットインキの調製
表7に従って比較用のUV硬化性インキジェットインキCOMP−1及びCOMP−2ならびに本発明のUV硬化性インキINV−1〜INV−3を調製した。重量パーセンテージ(重量%)はUV硬化性インキジェットインキの合計重量に基づいた。UV硬化性インキジェットインキCOMP−1は加水分解可能な多官能基性モノマーもしくはオリゴマーを欠いており、UV硬化性インキジェットインキCOMP−2は吸水制御モノマーを欠いている。
【0192】
【表7】
【0193】
評価及び結果
pH<1を有し、H
2SO
4、H
2O
2及びCu
2+を含有するMEC EuropeからのMecbrite(商標)CA−95と呼ばれる溶液を用い、Isora(商標)400銅板を25℃で5秒間清浄化した。この操作の間にCuの薄い上層(0.3〜0.5μm)が除去された。次いで水噴射(water jet)を用いて板を90秒間濯いだ。
【0194】
UV硬化性インキジェットインキCOMP−1、COMP−2及びINV−1〜INV−3のパターンを銅板上に10μmの厚さで適用し、Fusion VSP/1600ランプ(D−バルブ)が備えられたFusion DRSE−120コンベアにより硬化させ、コンベアは完全な硬化のために試料を20m/分の速度でコンベアベルト上のUV−ランプの下に2回輸送した。ランプの最大出力は1.05J/cm
2であり、ピーク強度は5.6W/cm
2であった。
【0195】
板を35℃において75秒間、酸性エッチング浴(Mega Electronicsから得られる”Mega”酸エッチング剤,pH2,FeCl
3を含有する)に供した。続いて板を水で90秒間濯ぎ、乾燥した。次いで
表8に示す通りに、エッチング抵抗性の評価を行った。
【0196】
エッチングされた銅板をアルカリ性ストリッピング浴(5%のNaOHを含有する)に50℃において5分間供し、次いで水で90秒間濯ぎ、乾燥し、ストリッピング性及びストリッピングされたインキ層の形に関して評価した。結果を
表8に示す。
【0197】
【表8】
【0198】
表8から、UV硬化性インキジェットインキINV−1〜INV−3が、アルカリ性ストリッピング浴中で硬化インキパターンが5分以内に青着色された液体中に完全に溶解することを除いて、比較用のUV硬化性インキジェットインキCOMP−1及びCOMP−2の結果と同等であるエッチング抵抗性及びストリッピング性に関する結果を与えたことが明らかなはずである。
【0199】
着色剤Macrolex(商標)Blue 3Rをクリスタルバイオレットにより置き換えることにより、着色された硬化インキパターンはアルカリ性ストリッピング浴中で5分以内に無色の液体中に完全に溶解することが見出された。10より高いpHで脱色する染料としてクリスタルバイオレットを用いることにより、2つの有利な効果が得られた。第1に、エッチングの前に硬化インキパターンを視覚的に検査することができた。第2に、複数回のストリッピングの後にストリッピング溶液が着色し始める時、これはストリッピング溶液を置き換えるための指標を形成する。