(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
結果的に本発明の目的は、組み立てられた対向する面の他の材料への銅拡散が制限され又は避けられる、銅、及び他の材料、例えば誘電材料を含む、対向する混合領域を含む構造体を製造する新規な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的は、ボンディングされる要素が接触する前に、非常に低い程度の粗さを達成するように接触される表面が研磨される直接ボンディング方法によって達成され、その間に、導電性の自己整合の拡散障壁が銅領域に製造される。
【0011】
それらが接触される前に、例えばプラズマによってこれらの領域を再活性化し得る。
【0012】
すなわち、組立体は、直接ボンディングによって自己整合された拡散障壁を有する銅部分を含む要素から作られる。これらの障壁は、ボンディングを妨げず、又は組み立てられた対向する銅領域における電気伝導のレベルを抑制しない。
【0013】
有利な実施形態において、表面がボンディング用に接触された際に接触がもたらされる領域における表面の粗さは、好ましくは1nmRMS未満であり、より好ましくは0.5nmRMS未満である。
【0014】
このような粗い値は、化学機械的研磨によって得られ得る。
【0015】
銅上に成膜された自己整合の拡散障壁の厚さは、多くても研磨中における銅部分の表面に形成される凹みの深さに等しく、凹みの深さは、例えば20nm程度であり得る。有利な変形例において、自己整合の拡散障壁は、表面の残部と比較して窪まされ得る。
【0016】
従って、第2の拡散障壁が要素の表面に対して窪まされる場合、要素が接触すると、ボンディングが誘電領域において起こり、後続の熱処理によって銅領域のボンディングが可能になる。第2の拡散障壁が突出する場合、それらが接触すると、ボンディングが銅パッドにおいて起こり、熱処理によって誘電領域におけるボンディングが可能になる。最後に、表面が十分に平坦である場合、すなわち誘電領域の表面及び銅領域の表面がほぼ同一平面にある場合、表面が接触すると、ボンディングは、表面全体にわたって直接起こる。この場合それらが接触すると、その最中又はその後に行われる熱処理によって、結合エネルギーが増加する。
【0017】
本発明の主題は、少なくとも1つの誘電材料によって分離された銅部分を備える表面を有する第1及び第2の要素の直接ボンディングによる組立方法であって、前記方法は、
(A)前記第1及び第2の要素の前記表面を研磨する少なくとも1つの段階であって、前記組み立てられる表面が、粗さ及び親水性に関してボンディングによる組立に適合するようになる段階と、
(B)前記第1及び第2の要素の前記銅部分に選択的に拡散障壁を形成する段階であって、前記第1及び第2の要素の前記拡散障壁の表面が、5ナノメートル未満内まで前記表面と同じ高さであるような段階と、
(C)前記2つの表面を接触させる段階であって、一方の表面の前記銅部分が他の表面の銅部分を少なくとも部分的に覆って、直接ボンディングが前記表面間に得られるような段階と、
を含む、組立方法である。
【0018】
前記拡散障壁の合金は、例えばCoWB、CoWP又はCoWBPである。
【0019】
段階(A)は、好ましくは、
(a)1nmRMS未満の粗さ及び親水性表面を得るために前記表面を研磨する少なくとも1つの段階と、
(b)前記研磨による粒子の存在及び腐食防止剤の大部分を除去するために前記表面を洗浄する少なくとも1つの段階と、
を含む。
【0020】
前記表面を接触させる前に、段階(C)は、前記表面を再活性化する段階であって、それらが親水性であるようにする段階を含む。
【0021】
前記表面の再活性化は、好ましくはプラズマ、例えばHe/H
2、又は、N
2/H
2、又は、O
2/H
2のプラズマによって得られる。
【0022】
段階(C)における前記表面の接触を開始する動作は、環境温度及び大気圧で行なう。
【0023】
前記重畳領域の前記銅部分間において段階(C)における前記直接ボンディングは、環境温度及び大気圧で行なう。
【0024】
他の例示の実施形態において、前記銅部分間の前記重畳領域における前記直接ボンディングは、熱処理後に行われる。
【0025】
ある例示の実施形態において、段階(B)は、以下の段階:
(b1)前記要素の表面を洗浄し、前記生来の銅酸化物を除去する段階と、
(b2)前記表面に、前記銅と反応する触媒、例えばパラジウムを堆積する段階と、
(b3)前記拡散障壁を所定の厚さを超えて電解成長させる段階と、
を含む。
【0026】
前記拡散障壁の材料は、コバルトベースの三元合金であり得る。
【0027】
他の例示の実施形態において、段階(B)は、以下の段階:
(b1’)前記要素の表面を洗浄し、前記生来の銅酸化物を除去する段階と、
(b2’)自己活性化溶液を用いて前記銅部分の前記拡散障壁を成長させる段階と、
を含む。
【0028】
基板上に誘電材料層が成膜され、前記誘電材料層がエッチングされ、銅層が、前記誘電材料層を重畳し、前記誘電材料層のエッチング部を充填する基板を備える要素を用いて開始して、研磨の段階(A)は、
(a1)おおよそ平坦な銅表面が得られるまで、平坦化化学溶液(levelling chemical solution)を用いて各要素の前記銅層を化学機械的研磨する段階と、
(a2)前記エッチング部分の外側の前記誘電材料層にある全ての銅が除去されるまで選択的な非平坦化化学溶液(non-levelling chemical solution)を用いて残部の前記銅層を化学機械的研磨する段階と、
を含む。
【0029】
他の特徴によれば、前記要素は、前記誘電材料層及び前記銅層の間の他の拡散障壁を含み、段階(a2)において、前記銅層が前記エッチング部分の外側の他の拡散障壁に現れるまで前記銅層を研磨する。
【0030】
他の特徴によれば、例えば前記銅を前記誘電材料層の表面から窪ませ得る。前記拡散障壁の成長を、例えばその厚さが最大で前記誘電材料層の表面と前記窪まされた銅表面との間の距離に等しいときに停止し得る。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、以下に続く詳細な説明及び添付の図面を用いてより理解されるだろう。
【0033】
本発明による方法は、例えば、銅部分及び例えばSiO
2である誘電材料を備える2つの表面間における直接ボンディングからなる。変形例として、表面の少なくとも1つが、例えば半導体材料である第3の材料の部分内の誘電材料の部分によって画定された銅部分を備えることができる。
【0034】
同一の構造を有しない、表面が接触する2つの要素の組立体は、本発明の範囲を超えるものではない。
【0035】
場合によっては分子結合と呼ばれる直接ボンディングは、2つのほぼ平坦な表面を接触させる動作として理解され、これらの2つのほぼ平坦な表面は、この間に接着材料のあらゆる付加なしに互いに付着する。
【0036】
以下の詳細な説明において、本発明による方法は、特に銅ボンディングパッドの接続を製造するための、ナノエレクトロニクス又はマイクロエレクトロニクスデバイスの製造用の2つの要素のボンディングに関して記載されるが、本発明による方法は、必ずしもボンディングパッドではない銅部分のボンディングに適用される。それらは、例えば、
図4に概略的に示される貫通シリコンビアであり得る。さらに、本発明による方法は、銅の望まれない拡散を防止しながら、銅を含む混合表面を組み立てることが望まれる全ての分野において使用され得る。
【0037】
図1Dにおいて、本発明による方法によって組み立てられる第1の要素I及び第2の要素IIが確認できる。
【0038】
第1の要素Iは、例えばシリコンで作られる基板2、例えばSiO
2である誘電材料層4、誘電材料4のエッチングされた領域における銅パッド6、誘電材料層4及び銅パッド6の間の第1の拡散障壁8、及び、銅の第2の拡散障壁を形成する各々のパッド6上の層10を備える。
【0039】
第1拡散障壁8は、例えばTiNで作られ、より一般的には、銅拡散が低く、その上に成膜される誘電体に満足がいくほど付着する金属で作られる。例えば白金又はタングステンが拡散障壁として使用され得る。それはまた、数層の積層体、例えばTi/TiN、又は、Ta/TaNであり得る。
【0040】
誘電材料は、有利にはSiO
2であるが、それは、より一般的には、例えばSiOCH、SiN又はSiCNなどの酸化物若しくは窒化物、又は、ポリマーであり得る。
【0041】
第2の要素IIは、
図1Dに示されるが、同様である。それはまた、誘電材料層104に銅パッド106を備え、パッド106は、銅の第2の拡散障壁110で覆われる。第1の拡散障壁108はまた、パッド106及び誘電材料層104の間に存在する。
【0042】
変形例として、
図4に示されるように、要素I’’及び/又はII’’は、基板202を最後まで貫通するパッド206を含み得、パッド206を囲う誘電領域204によってこの基板から電気的に隔離されながら貫通ビア(TSV)を形成する。第1の拡散障壁208は、パッド206及びこの誘電領域204の間に同様に含まれ得る。第2の拡散障壁210はまた、パッド206に成膜される。
【0043】
第2の拡散障壁10、110は、“自己整合”と呼ばれ、すなわち、それらは、この位置合わせに関するあらゆる要求なしに、対象の銅領域と正確に位置合わせされる。この位置合わせは、これらの障壁用に選択される成膜の方法、すなわち銅上のこれらの障壁の選択的な成長の直接の結果として得られる。拡散障壁8、108は、それらの部分において、銅の成膜前に、誘電材料の全表面に有利に成膜される。第2の拡散層の成膜の方法の例は、発明の詳細な説明において続いて記載される。
【0044】
本発明による方法の目的は、第1の要素Iのパッド6が第2の要素IIのパッド106に少なくとも部分的に接触し、要素I及び要素IIの間に満足がいく電気伝導を提供するように、これらの2つの要素I、IIを組み立てることである。
【0045】
本発明による方法は、
−第2の拡散障壁の表面が・・・ように、接触される表面を研磨する少なくとも1つの段階(A)、
−銅パッドの自由表面に拡散障壁を形成する段階(B)、
−表面を接触させる段階であって、表面による2つの要素の親水性直接ボンディングを引き起こす段階(C)、
を含む。
この段階は、有利には環境温度及び大気圧で行い得る。
【0046】
段階(A)は、(a)パッド6、106を有する表面を開放するために要素I、IIを研磨する段階であって、2つの要素が、接触がもたらされる部分の領域において、それらが接触されるとすぐに接触するこれらの領域における直接ボンディングを可能にする粗さ及び親水性を有するようにする段階、を含む。
粗さは、好ましくは1nmRMS未満であり、又はより好ましくは0.5nmRMS以下である。この段階はまた、誘電材料4で形成された表面が開放されることを可能にし得る。段階(A)は、好ましくは、研磨による粒子の存在を排除するために前記表面を洗浄する段階を含む。この段階の結果、これらの面は親水性である。
【0047】
少なくとも誘電材料の部分の再活性化の段階は、表面を親水性にする目的で、表面を接触させる段階の前に含まれ得る。
【0048】
我々は、以下に、
図1Dの組立体が得られることを可能にする、本発明によるボンディングの方法を詳細に説明する。
【0049】
要素I及びIIは、同一の段階によって製造される。
【0050】
その表面に誘電層4を備える基板2において、誘電層4は、銅パッドを受け入れるための位置14におけるその厚さ未満である特定の深さまで局所的にエッチングされる。次いで、拡散障壁を形成する層8は、コンフォーマル形式で成膜される。この層は、広い厚さ範囲(一般的には5nmから100nm)を有し得る。
【0051】
図1Aにおいて、要素I’は、パッド6を製造するための銅層12のこの積層体における成膜後に見られ得る。
【0052】
銅層12は、拡散障壁を形成する第1の層8上に成膜される。
【0053】
図1Bにおいて表される後続の段階において、銅層12は、誘電材料4がエッチング領域14の外側に露出するまで研磨される。
【0054】
この研磨は、
図2A及び
図2Bに表される2つの段階において行なう。第1の段階は、第1の拡散障壁が覆われなくなるまで銅層12を研磨し(
図2A)、続いて誘電材料4が覆われなくなるまで第1の拡散層8を研磨する(
図2B)ことからなる。この段階の研磨は、有利には誘電材料4の表面及び銅の表面が略同一の高さになるまで行なわれる。銅パッドの大きさ及び密度に依存する数ナノメートルの差、一般的には5nmの差は、許容され得、依然として直接ボンディングに適合可能である。従って、パッドの表面は、誘電材料の表面から窪まされ得、又は誘電材料の表面から突出し得る。
【0055】
研磨は、有利には、誘電材料4及び銅の表面の粗さが1nmRMS(二乗平均平方根)、有利には0.5nmRMS未満であるようなものである。
【0056】
図1Aの構造体が
図2Bの構造体に変形されることを可能にする研磨の段階は、例えば、CMP(化学機械的研磨)に基づくものである。
【0057】
第1の研磨段階(a)において、銅層12は、特にエッチングされた領域14のために銅層12の成膜後に得られる起伏を取り除くように平坦化され、この手段によって略平坦な層12を得られる。このために、化学機械的研磨は、平坦化化学溶液を用いて行なわれる。低減される構造体上に材料が堆積された後にその段階が存在することを可能にする際に、化学薬品又はスラリーは、“平坦化溶液”と呼ばれる。用語“スラリー”は、酸性又は塩基性化学溶液の懸濁液中の粒子を意味する。
【0058】
続いて、段階(a2)において研磨が行なわれ、その目的は、エッチングされた領域14の外側の第1の拡散障壁8に位置する銅層を、これらの領域の第1の拡散障壁8を露出するためのこの手段により除去することである。これを達成するために、化学機械的研磨は、拡散障壁上において選択的な非平坦化スラリーを用いて行なわれ、すなわち、それは、銅を攻撃し、拡散障壁を攻撃しない。次いで銅パッドの自由表面は、ディッシング(凹み)とも呼ばれる皿型のプロファイル18を有する。これらの凹みの深さは、例えば20nm程度である。
【0059】
凹みの深さは、研磨パラメータ、例えば圧力、研磨時間、使用されるスラリーの選択によって制御され得る。
【0060】
次の段階(a3)において、拡散障壁及び場合によっては誘電材料の部分は除去される。
【0061】
我々は、以下に、本発明を実施する化学機械的研磨を行なうために使用され得る手段をより詳細に説明する。
【0062】
研磨される要素I’の表面は、粘弾性の多孔性ポリウレタンからなる“パッド”と呼ばれる織物上で擦られ、その特性(気孔及びパターンの硬度、圧縮率、形状及び寸法)は、研磨される材料の性質に依存する。要素2の表面における材料は、織物及び/又は“スラリー”(酸性及び塩基性の化学溶液の懸濁液の粒子)とも呼ばれる粒子を含有する溶液を用いて化学反応及び機械的作用によって引き剥がされる。これらのスラリーは、溶液中(コロイド溶液、ミセル溶液、ラングミュアーブロジェット溶液等)のナノメートルサイズの粒子からなる。
【0063】
研磨は、幾つかの作用の組合せを用いて行なわれる:
−表面で織物及び/又はスラリー粒子を擦ることによって得られる機械的作用。この材料の除去速度は、以下の式においてPrestonによってモデル化されている。
RR=K
P×P×V [1]
ここで、
RR(除去速度):所定の点における除去の速度(nm/min)、
K
P=材料、織物、研磨剤の種類、温度等の特性を考慮したプレストン定数、
P=印加圧力(ニュートン)、
V=織物に対するプレートの点の線速度(m/s)。
−銅及び誘電材料を同時に研磨することが望まれる研磨中における化学的作用。従って、スラリーは、それらが銅及び誘電材料上における化学的作用を有するように選択される。銅に関して、化学的作用は、研磨される表面との反応が起こることを可能にする、一般的に酸及び/又は酸化剤を用いた攻撃に起因する。
【0064】
スラリーは、一般的に、金属を攻撃する化学試薬、酸化剤(一般的にH
2O
2)、スラリーの酸性又は塩基性溶液に加えられるpH安定剤、及び、腐食防止剤を含む。化学溶液は、材料の表面に金属酸化物を形成することによってその材料を不動態化し(K1)、その金属酸化物は、織物によって及び適用可能であればスラリー粒子によって機械的に除去される(K2)。
【0065】
化学溶液は、CuO
xで形成される。
【化1】
【0066】
化学反応は、研磨メカニズムを容易にし、加速させる。他の化学反応は、可溶性の銅/銅
+又は銅/Cu
2+金属カチオンの形成を通して生み出され得、これらは、織物及び/又はスラリー粒子によって研磨される表面から除去され得る。
【0067】
誘電材料に関して、使用されるスラリーは、一般的に水溶液である。
【0068】
水は、誘電体、例えばシリコン酸化物を研磨するために非常に有用である。2つの化学反応が含まれる。
【0069】
最初に、圧力の作用の下、水が浸透し、シリコン酸化物のいくつかのSi−O結合を破壊し、水和した表面を生成する。
【0070】
(Si−O−Si)結合の分離は、二酸化シリコン内の水の拡散によって制御される。GC Schwarzによる“半導体相互接続技術のハンドブック”という文献に特に記載されているように、研磨は、以下の可逆的な水和反応(重合)が逆方向、すなわち水和(重合)の方向で生じることができる際に起こる。
【化2】
【0071】
シリコンプレートに対する織物の移動は、スラリー粒子が表面から剥がされるのを可能にし、それによって表面粒子の原子を除去する。
【0072】
銅及び誘電材料の両方の化学的攻撃を生成するために、以下の脱イオン水の可溶化によって得られる水溶液を使用することが可能である:
−銅研磨速度を増加することを可能にする、1つ又は2つの錯化剤又は金属エッチング剤の、及び該当する場合、金属化合物(グリシン、NH
3、EDTA等)の脱イオン水。
−銅の腐食防止剤(ベンゾトリアゾール BTA、トリアゾール TA等)の脱イオン水。銅膜を不動態化する薬剤は、平坦化される下部領域において明らかに研磨速度を低下させる。2つの防止剤がしばしば使用される。
−pHを安定化させる界面活性剤の脱イオン水。使用される他の材料等に比べて銅の研磨の選択性を改善する。
−pH及び/又はその濃度に依存して、不溶性の銅酸化物又は銅水酸化物による銅の被膜、又は、水溶液に溶解することができる金属カチオンによる腐食を形成することができる酸化剤(H
2O
2、KIO
3、ヒドロキシアミン等)の脱イオン水。
−有利には安定な粒子懸濁を得るために加えられる1から12のpHを有するアニオン又はカチオンコロイド粒子の脱イオン水。この粒子は、二酸化シリコン、炭素、セリウム酸化物、アルミナ又はポリマーなどのように混じりけのないものであり得る。基本となる粒子の大きさは、選択される溶解プロセスによって決定される。それらは、3nmから300nmまで変化し得る。水溶液中の粒子の質量割合は、数ppmから50%の間であり得る。
【0073】
一例として以下の水溶液が使用され得る:
−段階(a1)において、CMC社(Cabot Microelectronic Corporation)から販売されるスラリーEPL2361、又は、DANM(Dupont Air Product Nanomaterials L.L.C)のCoppeReady(登録商標)CU3900が使用され得る。
−段階(a2)において、DANMのスラリーDP510、Rohm&HaasのRL3000、日立のHS−C930−3又はCMCのC7092が使用され得る。
−段階(a3)において、Rohm&HaasのスラリーCuS−1351、CMCのB8500、DANMのDP6545、日立のY815又はフジミ社のFCB−837が使用され得る。
【0074】
使用される研磨織物の特性は、拡散障壁又はボンディング層の有無に関わらず、絶縁材料に形成され、銅が充填されるキャビティの寸法に依存する。
【0075】
一例として、10μmより広い幅のキャビティの場合、例えばRohm&Haas社のIC1000又はCMC社のD100である、50から70の“ショアD硬度”、60から90mg/cm
3の密度及び4%未満の圧縮率を有する、平坦化織物(levelling fabrics)として知られるポリウレタン織物が選択される。
【0076】
10μm未満のキャビティの場合、例えば50から70の“ショアA”硬度、20から40mg/cm
3の密度及び10から25%の圧縮率を有する“中程度”の織物が選択され得る。この用途において、例えばRohm&Haas社のSuba IVである。
【0077】
1マイクロメートル程度の大きさのキャビティの場合、この粒子によって特定の延性材料が引っ掻きされ得るので、例えばRohm&Haas社からのPOLITEX(登録商標)又はFujibo(登録商標)ブランドの織物である、50から80の“ショアA”硬度、20mg/cm
3未満の密度及び30%超の圧縮率を有する“仕上げ研磨織物”として知られる研磨織物が望ましい。
【0078】
例えば、これらの要素は、例えばApplied Materials USAのMirra又はReflexionタイプ、Alpsitec FranceのMegapol M550、又はEbara JapanのFREXである従来の研磨装置で処理される。
【0079】
研磨パラメータは、0.02daN/cm
2から1daN/cm
2の基板に加えられる加圧力、0.1m/sから3m/sの織物の点に対する基板の点の速度、1から450mmまで変化する基板の場合における5から300mlまでの水溶液の流速、及び、2から70℃の温度である。
【0080】
上述の適用の条件は、優先的には、1m/sの速度、及び、52℃の温度において200mmの基板に対する150mlの水溶液流速と共に0.1daN/cm
2である。
【0081】
化学機械的洗浄の段階後に、特に研磨残留物を除去するために、例えば化学的に中性な媒体で(すなわち水の存在下で)又はアルカリ媒体下でプレートをブラッシングすることによる洗浄の段階が一般的には含まれる。
【0082】
図1Cにおいて表される後続の段階において、第2の拡散障壁10が銅パッド6に成膜される。
【0083】
第2の拡散障壁10の厚さは、パッド6の表面に形成される凹みの深さに略等しいものであり得る。
【0084】
残部は、直接ボンディング段階に適合可能である一方で、第2の拡散障壁10の表面は、有利には、組み立てられる表面の残部に対して窪まされる。この凹部は、好ましくは5nm未満である。
【0085】
拡散障壁が数ナノメートル、一般的には5nmほど表面の残部に対して突出する場合は許容され、依然として後続の直接ボンディング段階に適合可能である。
【0086】
図1Cにおいて、第2の拡散障壁10の自由表面は、誘電材料層4の自由表面と同じ高さである。
【0087】
図3Aから
図3Dにおいて、第2の拡散障壁10の製造プロセスの一例が概略的に表され得る。
【0088】
第1段階(
図3A)において、
図2Bの要素の表面は洗浄され、生来の銅酸化物は、洗浄溶液によって除去される。次いで乾燥作業が、例えば窒素流下で行われ得る。
【0089】
以下の段階において、例えばパラジウムまたはホウ素である触媒を含有する溶液は、要素の表面において蒸発される(
図3B)。この触媒は、銅と反応する。次いで反応していない余剰の触媒を除去するために洗浄が行われ得る。反応した触媒が銅パッド16にアイランド16を形成する。
【0090】
後続の段階において、拡散障壁は、パッド6上に形成され、成長し、アイランド16は、この堆積用の触媒として作用する。それは、例えば、
図3Cに示されるような自己触媒的な成長である。第2の拡散障壁10の厚さは、時間で制御される。この成長は、例えば溶液中の電解分解によって実施される。
【0091】
第2の拡散障壁の材料は、コバルト又はニッケルの合金、例えば、CoWP合金である。
【0092】
第2の拡散障壁10の成長は、例えば洗浄及びそれに続く乾燥によって停止される。
【0093】
変形例として、自己活性化溶液が使用され得、すなわち、それは、溶液中に触媒を含有し、この場合、触媒の堆積段階が要求されない。この場合、第2の拡散障壁の材料は、使用される溶液がDMAB(ジメチルアミノボラン)であるとき、例えば、CoWB合金又はCoWPB合金であり得る。
【0094】
第2の拡散障壁10は、有利にはコバルト又はニッケルの二元合金又は三元合金で作られる。これらの合金は、銅拡散に対する障壁としての特性を有する。
【0095】
さらに、それらが銅の微小構造及びその結晶化度とは無関係に銅のライン上における局在化した選択的な成長を有し、それらが誘電障壁よりも良好な銅を用いた接着を有し、それらが導電性であり、それらが信頼性を改善するという利点をそれらが有する。
【0096】
第2の拡散障壁用の材料は、例えば、以下のリスト:CoWB、CoWP、NiP、NiWB、NiW、NiB、NiReP、NiMoP、NiWP、CoWPB、CoWBO、CoMoPO等から選択され得る。
【0097】
これらの材料の成膜プロセスは、以上に記載されたものと同様である。
【0098】
好ましくは、例えば1Ω・cm未満の抵抗率である低抵抗率を有し、及び/又は一般的には400℃又は200℃未満である相対的に低い成膜温度を有し、及び/又は非常に高い温度安定性を有する材料が選択される。これは、好ましくはCoWPであり、100℃で成膜され得る。CoWPは、400℃まで安定であり、40μΩ・cm未満の抵抗率を有する。
【0099】
銅上における拡散障壁10の成膜は、如何なる表面粗さの増加ももたらさない。第2の拡散障壁の自由表面は、結果的に1nmRMS未満の粗さを有する。
【0100】
両方の要素が用意されると、そして必要性が認められれば、接触がもたらされる表面、特に誘電材料層の表面は、それらを直接ボンディングに適合させるために、すなわち表面を親水性にするために再活性化される。
【0101】
本願において、接触角度が0°から20°である場合、表面は親水性であると考えられ、角度は、可能な限り低いことが好ましい。
【0102】
再活性化は、例えばHe/H
2、又は、N
2/H
2、又は、O
2/H
2のプラズマであるプラズマによって得られ得る。プラズマ再活性化は、それが再活性化表面の粗さを修正しないという利点を有する。
【0103】
一例として、プラズマ処理は、例えば以下の条件:450Wの出力レベルで60秒間、環境温度において80mTorrの圧力、及びHe/H
2ガスを用いて、Endura5500B(登録商標)装置を用いて実施され得る。
【0104】
変形例として、続いて洗浄が行われる、HF又はH
2SO
4化学薬品を用いた化学的な再活性化が予想され得る。
【0105】
次いで両方の表面が対向して配置され(
図1D)、コバルト合金又はニッケル合金の第2の拡散障壁で覆われた銅パッド6は、第2の拡散障壁で覆われた銅パッドにおおよそ対向して配置され、表面が接触される。次いで、この領域は、親水性の直接ボンディングによって付着接触の状態になり、この直接ボンディングは、環境温度及び大気圧で得られ得る。コバルト又はニッケルの合金の第2の拡散障壁は、ボンディング及び直接ボンディングにも適合可能である。
【0106】
接触がもたらされる要素の表面が十分に平坦である場合、すなわち、誘電領域の表面及び銅領域の表面が略同一平面にある場合、それらが接触された瞬間に、ボンディングは表面全体にわたって直接起こる。
【0107】
少なくとも200℃、例えば400℃である温度における熱処理は、表面を接触させる動作中又は動作後に適用され得、この場合、それによって結合エネルギーが増加される。
【0108】
第2の拡散障壁が窪まされた有利な場合において、段階(c)において接触される表面は、有利には環境温度及び大気圧下において誘電領域において付着することによって開始し、次いで、熱処理は、少なくとも200℃、例えば400℃の温度で実施され、銅が広がることを可能にし、拡散障壁の材料が接触することを可能にし、最終的にこれらの銅領域間でボンディングする。
【0109】
一般的に、10μmの側部を有し、500nmの厚さを有する銅パッドの場合、5から10nm程度の凹部は、熱処理中に取り除かれ得る。第2の拡散障壁を形成する層は、一般的には1から20nmの厚さであろう。
【0110】
窪まされた銅にボンディング領域がある場合、これは、表面が接触される際にボンディングが誘電領域においてのみ起こるという利点を与える。それが低温、一般的には環境温度において実現されると、ボンディングは弱くなる。表面が接触されるこの段階の後に、且つ、熱処理の段階の前に、例えばこの目的のために設定された位置合わせの交点の赤外線検出によって、2つの要素の位置合わせを確認することが可能であり、必要があれば、誘電領域において弱く付着している2つの要素を分離することが可能であり、熱処理を進める前により十分にそれらを再ボンディングすることが可能であり、熱処理は、誘電領域におけるボンディングを強固にするが、銅が広がることも可能にし、銅領域におけるボンディングを可能にする。ボンディングが金属領域において初めに実現されると、表面は強固に付着し、容易に分離し得ない。
【0111】
熱処理による銅パッドの凹部の除去は、他の要因が一緒になって、銅パッドの寸法、及び、熱処理の温度条件に依存する。当業者は、これらのパラメータに従ってボンディング前にパッドの凹部の値を選択するだろう。さらに、組み立てられる2つの要素の銅パッドの凹部が異なる値を有し得るということが考えられる。
【0112】
第2の拡散障壁が突出している場合、それらが接触されると、ボンディングは、銅領域において初めに起こり、熱処理が絶縁領域におけるボンディングを可能にする。
【0113】
熱処理はまた、対向する銅領域間の満足のいく電気伝導を可能にする。
【0114】
熱処理は、組立体の機械的抵抗を改善するために全ての場合において行われ得る。
【0115】
全ての場合において、ボンディングは、プレートの面の領域を除いて、両方の要素の全ての表面にわたって最終的に起こる。
【0116】
銅パッドの誤整列があると、誘電材料の銅拡散は、第2の拡散障壁10、110によって妨げられる。それぞれ他の要素II、Iの誘電材料の層に対するパッド6、106の銅の拡散がないという事実は、×印を付けられた矢印20によって象徴的に示される。
【0117】
ボンディング領域の方向における2つの要素のうちの1つの端部に局在化した圧力を印加することによってボンディングを開始するという選択がなされ得る。
【0118】
本発明によるボンディング方法は、銅パッドを含む要素が非常に簡単に組み立てられることを可能にする一方で、誘電材料における銅拡散を防止することができる。さらに、それは、圧力及び/又は真空及び/又は高温を適用するための重厚な設備を使用する必要性を取り除く。
【0119】
このプロセスは、それが高温を使用しないので、特にマイクロエレクトロニクスデバイスの製造に特に相応しい。しかしながら、それがこのような用途に限定されず、本発明によるプロセスが、他の応用分野において、焼き鈍し中に400℃を超える温度を使用し得、400℃という温度が、特に銅線を用いて相互接続を示唆するマイクロ電子部品のバックプレーンの工程において一般的に許容される最大温度であることは明らかに理解される。