(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286103
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】スピーカーモジュール
(51)【国際特許分類】
H04R 1/28 20060101AFI20180215BHJP
H04R 9/06 20060101ALI20180215BHJP
H04R 7/04 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
H04R1/28 310E
H04R9/06 A
H04R7/04
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-514756(P2017-514756)
(86)(22)【出願日】2014年9月9日
(65)【公表番号】特表2017-521022(P2017-521022A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】CN2014086110
(87)【国際公開番号】WO2016000312
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2016年11月29日
(31)【優先権主張番号】201410307356.X
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512280079
【氏名又は名称】ゴーアテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GOERTEK INC
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】邵明▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼健斌
【審査官】
堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第203387671(CN,U)
【文献】
特開2013−102409(JP,A)
【文献】
特開2009−232040(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103686555(CN,A)
【文献】
中国実用新案第202503632(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/28
H04R 7/04
H04R 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板とボイスコイルを含む振動システムと、前記ボイスコイルを収容する磁気ギャップを形成する磁路システムとを備える駆動音源と、
受動音源と、
前記駆動音源と前記受動音源を収容して固定する保護フレームと、を備え、
前記振動板の上側と前記保護フレームとの間に前部音響腔を形成し、前記振動板の磁路システムに近接する側と前記保護フレームとの間に後部音響腔を形成するスピーカーモジュールにおいて、
前記駆動音源は側面から音を出す構成で、前記保護フレームの側面に前記前部音響腔とつながる駆動音源の放音孔が設けられ、
対向して設置された二つのパッシブラジエーターを備える前記受動音源が前記後部音響腔内に設置され、二つの前記パッシブラジエーターは並行に設置された構成であり、二つの前記パッシブラジエーターの間は囲まれて一つのキャビティを形成し、前記振動板の磁路システムに近接する側の音波が2分割されて、それぞれ二つの前記パッシブラジエーターの前記キャビティから離れた側に伝送され、前記キャビティ内の音波が押出されて受動音源の放音孔から外部に放出され、
前記振動板は、中心部に設置されたドーム部と、前記ドーム部の縁に位置するエッジ部とを備え、前記エッジ部は、前記磁路システムに近接する側へ凹んだ弧状の構成であり、前記エッジ部と前記保護フレームがつながる部位は前記エッジ部と前記ドーム部がつながる部位より低いことを特徴とするスピーカーモジュール。
【請求項2】
前記駆動音源の放音孔と前記受動音源の放音孔が互いに離隔された構成で、前記スピーカーモジュールの同じ側面に位置することを特徴とする請求項1に記載のスピーカーモジュール。
【請求項3】
二つの前記パッシブラジエーターの間の前記キャビティと前記受動音源の放音孔との間が音導管で連通され、前記音導管は前記保護フレームにより囲まれて構成されることを特徴とする請求項2に記載のスピーカーモジュール。
【請求項4】
前記保護フレームは上筐体と、中間筐体と、下筐体とを備え、前記上筐体と前記中間筐体が前記駆動音源を収容し、前記中間筐体と前記下筐体が前記受動音源を収容し、
前記上筐体の前記振動板に対向する側、前記中間筐体の前記パッシブラジエーターに対向する側、及び前記下筐体の前記パッシブラジエーターに対向する側に射出成形により金属板が設置されることを特徴とする請求項3に記載のスピーカーモジュール。
【請求項5】
前記音導管は前記中間筐体と前記下筐体の結合により形成され、前記中間筐体の前記下筐体に対向する側に結合リブ部が設置され、前記結合リブ部が前記下筐体と結合して前記音導管を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載のスピーカーモジュール。
【請求項6】
前記受動音源の放音孔は二つであり、それぞれ前記駆動音源の放音孔の両側に位置し、
前記中間筐体に前記キャビティと前記音導管をつながる開孔が設置され、前記開孔と前記音導管の数はいずれも二つであり、それぞれ二つの前記受動音源の放音孔につながることを特徴とする請求項5に記載のスピーカーモジュール。
【請求項7】
前記音導管の外側壁の前記駆動音源に対向する部分に射出成形により鋼板が設置され、前記鋼板は二つであり、二つの前記鋼板と前記中間筐体の二つの外側壁が一体化して射出成形することを特徴とする請求項5に記載のスピーカーモジュール。
【請求項8】
二つの前記パッシブラジエーターは完全に同じ構成であり、二つの前記パッシブラジエーターは、振動板本体部と、前記振動板本体部に結合されたマスとを備え、
前記振動板本体部が熱塑性ポリウレタン材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカーモジュール。
【請求項9】
前記振動板本体部の上側と下側の中心部にタングステン鋼合金材料のマスが結合されていることを特徴とする請求項8に記載のスピーカーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気音響変換の技術分野に関し、特に、低音効果を増強できるスピーカーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
社会の進歩と技術の発展に伴い、端末電子装置はサイズが小さく、厚さが薄くなってきており、それに合わせてマイクロスピーカーモジュールの小型化が進んでいるが、製品の性能に対する消費者の需要はますます高まり、特に音声の重低音効果に対する需要がますます高まってきている。小さいスピーカーモジュールは、サイズの制限を受けて、理想の低音効果を実現しにくい。
【0003】
通常のスピーカーモジュールは、スピーカー単体と、スピーカー単体を囲んで設置されている複数のハウジングとを備える。前記スピーカー単体は、振動板とボイスコイルを含む振動システムと、ボイスコイルを収容する磁気ギャップを形成する磁路システムとを備え、振動板がボイスコイルによって振動して音を出して外部に放音することによって、その音が人間の耳に入る。振動板とハウジングの間にはお互いに離隔された前部音響腔と後部音響腔が形成されており、前部音響腔とモジュールの放音孔が連通し、後部音響腔は一般的に封止される構成である。通常は後部音響腔のサイズが大きいほど低音効果が良好であるが、モジュールの空間が限られているので、期待の低音効果が実現しにくい。
【0004】
よって、上記課題を解決できるスピーカーモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、サイズが限られたスピーカーモジュールにおいて、内部空間を十分に利用して低音効果を増強し、それによって製品の音響性能を向上できるスピーカーモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明が提供するスピーカーモジュールは、振動板とボイスコイルを含む振動システムと、前記ボイスコイルを収容する磁気ギャップを形成する磁路システムとを備える駆動音源と、受動音源と、前記駆動音源と前記受動音源を収容して固定する保護フレームと、を備え、前記振動板の上側と前記保護フレームとの間に前部音響腔を形成し、前記振動板の磁路システムに近接する側と前記保護フレームとの間に後部音響腔を形成するスピーカーモジュールにおいて、前記駆動音源は側面から音を出す構成で、前記保護フレームの側面に前記前部音響腔とつながる駆動音源の放音孔が設けられ、対向して設置された二つのパッシブラジエーターを備える前記受動音源が前記後部音響腔内に設置され、二つの前記パッシブラジエーターは並行に設置された構成であり、二つの前記パッシブラジエーターの間は囲まれて一つのキャビティを形成し、前記振動板の磁路システムに近接する側の音波が2分割されて、それぞれ二つの前記パッシブラジエーターの前記キャビティから離れた側に伝送され、前記キャビティ内の音波が押出されて受動音源の放音孔から外部に放出され
、前記振動板は、中心部に設置されたドーム部と、前記ドーム部の縁に位置するエッジ部とを備え、前記エッジ部は、前記磁路システムに近接する側へ凹んだ弧状の構成であり、前記エッジ部と前記保護フレームがつながる部位は前記エッジ部と前記ドーム部がつながる部位より低い。
【0007】
また、前記駆動音源の放音孔と前記受動音源の放音孔が互いに離隔された構成で、前記スピーカーモジュールの同じ側面に位置する構成が好ましい。
【0008】
また、二つの前記パッシブラジエーターの間の前記キャビティと前記受動音源の放音孔との間が音導管で連通され、前記音導管は前記保護フレームにより囲まれて構成される構成が好ましい。
【0009】
また、前記保護フレームは上筐体と、中間筐体と、下筐体とを備え、前記上筐体と前記中間筐体が前記駆動音源を収容し、前記中間筐体と前記下筐体が前記受動音源を収容し、前記上筐体の前記振動板に対向する側、前記中間筐体の前記パッシブラジエーターに対向する側、及び前記下筐体の前記パッシブラジエーターに対向する側に射出成形により金属板が設置される構成が好ましい。
【0010】
また、前記音導管は前記中間筐体と前記下筐体の結合により形成され、前記中間筐体の前記下筐体に対向する側に結合リブ部が設置され、前記結合リブ部が前記下筐体と結合して前記音導管を形成する構成が好ましい。
【0011】
また、前記受動音源の放音孔は二つであり、それぞれ前記駆動音源の放音孔の両側に位置し、前記中間筐体に前記キャビティと前記音導管をつながる開孔が設置され、前記開孔と前記音導管の数はいずれも二つであり、それぞれ二つの前記受動音源の放音孔につながる構成が好ましい。
【0012】
また、前記音導管の外側壁の前記駆動音源に対向する部分に射出成形により鋼板が設置され、前記鋼板は二つであり、二つの前記鋼板と前記中間筐体の二つの外側壁が一体化して射出成形する構成が好ましい。
【0013】
また、二つの前記パッシブラジエーターは完全に同じ構成であり、二つの前記パッシブラジエーターは、振動板本体部と、前記振動板本体部に結合されたマスとを備え、前記振動板本体部が熱塑性ポリウレタン材料で構成される構成が好ましい。
【0014】
また、前記振動板本体部の上側と下側の中心部にタングステン鋼合金材料のマスが結合されている構成が好ましい。
【0015】
また、前記駆動音源の振動板は、中心部にいるドーム部と、縁部にいるエッジ部とを備え、前記エッジ部と前記ハウジングがつながる部位は前記エッジ部と前記ドーム部がつながる部位より低い構成が好ましい。
【0016】
上記のような技術手段を採用することによって、本発明は従来の構成に比べて、スピーカーモジュールの後部音響腔内に受動音源を設置し、受動音源における二つのパッシブラジエーターの間の押出しにより、二つのパッシブラジエーターの間のキャビティ内の音波を外部に放出し、それによって製品の低音効果を高めて、製品の音響性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のスピーカーモジュールの構成を示す断面図
【
図3】
図1のスピーカーモジュールのA部分の構成を示す拡大図
【
図4】本発明のスピーカーモジュールから上筐体を外した構成を示す斜視図
【
図5】本発明のスピーカーモジュールから下筐体を外した構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面と具体的な実施例を結合して、本発明を更に詳しく説明する。
【0019】
以下の説明において、詳しい説明を通じて本発明のいくつかの実施例について解説するが、本発明の主旨と保護範囲から逸脱しないことを前提に前記実施例に対していろんな形態の変形を行うことができることは当業者にとって自明である。よって、図面と説明は本質的にはただの説明性のものであり、特許請求の保護範囲を制限するものではない。また、本明細書において同じ図面符号は同じ構成を示す。
【0020】
本発明のスピーカーモジュールは駆動音源と受動音源を備えており、受動音源は具体的にパッシブラジエーターである。駆動音源は主動的に音を出すことができる部分で、振動システムと磁路システムを備え、振動システムは振動板とボイスコイルを含み、磁路システムにより形成されたボイスコイルは磁気ギャップを収容し、ボイスコイルは電気信号によって磁気ギャップにおいて上下方向で振動し、さらに振動板を振動させることによって音を発生させる。駆動音源は振動板によって前部音響腔と後部音響腔に仕切られており、振動板の上側は前部音響腔であり、前部音響腔は駆動音源の放音孔と連通して、振動板により発生する音を外部に伝送する。振動板の後側の空間は駆動音源の後部音響腔であり、当該後部音響腔には受動音源が設けられている。本発明の受動音源は並行且つ対向して設置された二つのパッシブラジエーターを有し、二つのパッシブラジエーターの間は囲まれた一つのキャビティとなり、駆動音源の振動板の磁路システムに近接する側の音波は駆動音源から発生されてから2分割され、それぞれ二つのパッシブラジエーターの上記したキャビティから反対側に伝送される。二つのパッシブラジエーターはキャビティを押出して、キャビティの内部の気流が受動音源の放音孔を通じて外部に放出する。本発明は後部音響腔の空間を十分に利用して、二つのパッシブラジエーターを設置することによって、スピーカーモジュールの低音効果を向上できる。
【0021】
図1は本発明のスピーカーモジュールの構成を示す断面図であり、
図2は本発明の駆動音源部分の構成を示す断面図である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、スピーカーモジュールは左側に位置する駆動音源と、右側に位置する受動音源と、駆動音源と受動音源を収容する保護フレームとを備えている。ここで、保護フレームは上側(振動板に近接する側)に位置する上筐体11と、中間筐体12と、下側に位置する下筐体13とを備えている。
【0023】
駆動音源は自主的に音を発生できる部分であり、
図2に示すように、駆動音源は振動システムと磁路システムを備えており、前記振動システムは振動板21と、前記振動板21の下側に結合されたボイスコイル22を含む。前記磁路システムは順次に結合されているばね座金31、磁石32とフレーム33を備えており、磁路システムにおけるばね座金31、磁石32の外側面とフレーム33の側壁の間に所定のギャップを有し、当該ギャップは磁気ギャップでとなる。ボイスコイル22は当該磁気ギャップに収容され、磁路システムにより形成された磁力線はボイスコイル22を貫通している。前記ボイスコイル22は通常銅被覆アルミニウム線のような導電性ある金属線により巻き取られて形成され、ボイスコイル22に電気信号が入力されると、磁路システムによって形成された磁場においてアンペアの力を受ける。ボイスコイル22に交番信号が入力されるため、受けているアンペアの力の大きさと方向は信号に対応して変化する。アンペアの力によって、ボイスコイル22は磁気ギャップにおいて上下方向で振動する。ボイスコイル22と振動板21は結合されて一体となっているため、ボイスコイル22の振動が振動板21を振動させることができ、それによって音を発生する。
【0024】
振動板21は中心部に設置された平板状のドーム部210、及びドーム部の縁に位置するエッジ部211を備えており、通常はドーム部210に剛性の再結合層を結合する。
図2に示すように、再結合層は良好な剛性を有し、軽量であり、再結合層を設置することによって振動板21の高周波特性を向上でき、振動板21に高周波の分割振動が発生することを防止できる。エッジ部211とドーム部210がつながっており、弧状でフレキシブルの構成である。弧状の構成によって、振動板21が上下方向で振動する時に振動板21を過激に引っ張らないようにする。本実施例のエッジ部211は下側へ凹んだ構成、即ち磁路システムに近接する側へ凹んだ構成であり、このようなエッジ部211の下側へ凹んだ構成は、スピーカーモジュールの具体的な構成に合わせて設置された。上筐体11との衝突を回避し、モジュール内の空間を十分に利用することによって、駆動音源の厚さを減らし、駆動音源の全体サイズを大きくすることができる。
【0025】
駆動音源は側面から音を出す構成であり、上筐体11と中間筐体12の間に駆動音源の放音孔10を形成した。
図1及び
図2に示すように、放音孔10は保護フレームの側面に位置し、具体的には上筐体11と中間筐体12の結合により形成されている。放音孔10の空間を広げて、駆動音源の気流をスムーズに外部に放射させるために、本発明のエッジ部211の両端には高度差が存在する。即ち、エッジ部211と中間筐体12が連結されている位置と、エッジ部211とドーム部210が連結されている位置との間に高度差dを有する。具体的には、
図2に示すように、エッジ部211と中間筐体12が結合されている位置が低く、同時に、中間筐体12の上筐体11に近接する側の位置が低くなり、上筐体11と中間筐体12の間の距離が振動板21側で増えることによって、放音孔10の高度差を大きくなり、音響放射面積を増やすことができる。
【0026】
振動板21の上側は保護フレームにおける上筐体11であり、上筐体11はプラスチック本体を含み、上筐体11の中心位置に射出成形により金属板110が設置される。プラスチック材料に比べて、金属材料は所定の強度を満足できるので、このような上筐体11に射出成形により金属板110を設置する構成は、スピーカーモジュールの厚さを減らせる同時に、スピーカーモジュールの内部空間を広げることができるので、それによって駆動音源のサイズを増やせる同時に、製品の音響性能を向上できる。中間筐体12は磁路システムを固定し、上筐体11と中間筐体12の間は粘着または超音波溶接などによって固定結合され、上筐体11と中間筐体12により駆動音源を収容して固定する。
【0027】
振動板21はスピーカーモジュール内の空間を前部音響腔と後部音響腔に仕切り、前部音響腔は振動板21の上側と保護フレームの間に囲まれた空間である。前部音響腔と駆動音源の放音孔10は連通して、音を外部に放出させることができる。だが、このような構成に限らず、後部音響腔と駆動音源の放音孔10が連通されてもよい。後部音響腔は振動板21の磁路システム側に形成された音響腔であり、従来の構成の後部音響腔は封止の構成だったが、本発明の後部音響腔には受動音源が設置されている。
【0028】
図1及び
図3に基づいて説明すると、本発明のスピーカーモジュールの後部音響腔にパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52の二つのパッシブラジエーターが設置されている。パッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52は並行設置された構成で、二つのパッシブラジエーターは対向して設置されており、パッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52の間は囲まれて一つのキャビティになる。
【0029】
なお、本実施例のパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52は完全に同じ構成であるが、このような完全に同じ構成に限らない。
【0030】
駆動音源の振動板21の後側(磁路システムに近接する側)で発生した音波が受動音源まで流れた場合、それぞれパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52の相手から離れた側(キャビティから離反した側)に流れ、即ち、気流は2分割され、それぞれパッシブラジエーター51の上側とパッシブラジエーター52の下側に流れて、二つのパッシブラジエーターの間のキャビティ内部の空気が押出されて、受動音源の放音孔を通じて外部に放出される。このような後部音響腔内にパッシブラジエーターを設置する構成は、後部音響腔の空間を十分に利用でき、後部音響腔内の音波を利用してパッシブラジエーターを振動させて音を出し、且つ低音を発生できるので、モジュール全体の低音効果を向上できる。
【0031】
なお、パッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52は振動板本体部と振動板本体部に結合されているマスを備えており、振動板本体部はフレキシブル材料で構成され、マスは通常は重い金属材料で構成される。
図3に示すように、具体的には、パッシブラジエーター51は振動板本体部510とマス511を含み、パッシブラジエーター52は振動板本体部520とマス521を含んでいる。なお、振動板本体部510と振動板本体部520の材料は共にTPU(熱塑性ポリウレタン)であり、このような材料はダンパー効果がいい。振動板本体部にマスを結合することによってパッシブラジエーターの重量を増やすことができ、重低音効果を増強させることができる。また、スピーカーモジュールの内部空間が狭いので、マス511とマス521は密度が高いタングステン鋼合金材料を採用することが好ましく、それによってマスが薄くてもパッシブラジエーターは所定の重量となることができる。振動板本体部の上側と下側には同じマスを結合することが好ましく、即ち、振動板本体部510の上側と下側に一つのマス511を結合し、振動板本体部520の上側と下側に一つのマス521を結合して、パッシブラジエーターの重量を保証する同時にパッシブラジエーターがバランスよく振動するようにする。なお、振動板本体部は中心部にいる平坦なドーム部と縁部に位置している所定の円弧面を持つエッジ部を含む。本実施例のパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52のエッジ部の曲げ方向は同じ方向となっており、二つのパッシブラジエーターの一致性を保証できるが、これらの構成に限らない。
【0032】
図1に示すように、スピーカーモジュールの後部音響腔は主に中間筐体12と下筐体13により囲まれている。パッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52は共に中間筐体12の突起部に結合される。
図1及び
図3に示すように、中間筐体12とパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52により囲まれて一つの独立な内部キャビティとなり、当該内部キャビティはただ二つの音導管を通じて受動音源の放音孔とつながって、外部との連通を実現する。同様に、スピーカーモジュールの空間を十分に利用するため、中間筐体12のパッシブラジエーター51に対向する位置に射出成形により金属板121が設置され、下筐体13のパッシブラジエーター52に対抗する位置に金属板131を設置する。このようにパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52の振幅が大きい位置に射出成形により金属板を設置する構成は、その位置の高さ(空間)を高めて、二つのパッシブラジエーターの振動に十分な空間を提供し、それによってスピーカーモジュールの音響性能を保証できる。
【0033】
図4及び
図5を参照して説明すると、
図4はスピーカーモジュールから上筐体11を外した斜視図で、
図5はモジュールから下筐体13を外した斜視図であり、スピーカーモジュールの中間筐体12と上筐体11の間に受動音源の放音孔20が形成される。
図4に示すように、受動音源の放音孔20の構成と位置を明確に示すために、上筐体11を図示していない。受動音源の放音孔20は駆動音源の放音孔10の両側に位置し、駆動音源の放音孔10と離れた独立した構成である。二つの受動音源の放音孔20もそれぞれ独立した構成であり、パッシブラジエーターが発生した音波は2分割されて二つの受動音源の放音孔20から外部に放出される。
【0034】
駆動音源の放音孔10と受動音源の放音孔20は保護フレームの同じ側に位置して、端末製品との組立を容易にすることが好ましい。
図5を参照して説明すると、パッシブラジエーター51(図示しない)とパッシブラジエーター52の間の気流は開孔53を通じて放出された後に、中間筐体12と下筐体13の結合により形成された音導管に入る。伝送の経路は
図5の矢印が示すように、当該音導管を通じて最終的に受動音源の放音孔20から外部に放出される。中間筐体12には突出した結合リブ部123が設けられており、
図5に示すように、当該結合リブ部123は超音波溶接または粘着などによって下筐体13と固定結合されて、パッシブラジエーターの音波の音導管を形成する。
【0035】
駆動音源のフレーム33の四隅部分に四つの開口330が設けられ、
図5に示すように、振動板21の後側の音波が開口330を通じて後部音響腔に伝達した後に、さらに二つのパッシブラジエーターの両側に伝達できる。
図5を参照して説明すると、開口330から伝達される音波と開孔53において伝達される音波は、結合リブ部123により仕切られる。即ち、二股の音波が中間筐体12と下筐体13によって隔離されて異なる伝送通路を流れる。なお、音導管の外側壁において、駆動音源に対向する位置に射出成形により鋼板が設置され、具体的には
図5に示すように、中間筐体12の側壁外側の駆動音源に対向する位置に射出成形により鋼板124が設置される。当該位置に鋼板124を設置することによって、鋼板の高強度特徴を利用して音導管の内径を増やし、それによって受動音波の放出に有利し、音響性能も向上できる。
【0036】
図1から
図5を参照して説明すると、本発明のスピーカーモジュールは駆動音源と受動音源を備えており、駆動音源の振動板21から発生された音は駆動音源の放音孔10を通じて外部に放出される。当該部分の音波は主に中高周波域の音波であり、受動音源はパッシブラジエーター51とパッシブラジエーター52の二つのパッシブラジエーターを備える。これらパッシブラジエーターはそれぞれ振動板21の後側の音波の付勢を受けて、二つのパッシブラジエーターの間のキャビティ内の気流を押出して外部に放出して低周波域の音波を形成する。具体的に、駆動音源の振動板21の後部音響腔側に位置する音波は、フレーム33の角部の開口330からパッシブラジエーターが所在する部分に出力され、音波は2分割された後にそれぞれ二つのパッシブラジエーターの上側と下側に伝送される。二つのパッシブラジエーターの間の気流は押出されて開孔53から出力し、中間筐体12と下筐体13により囲まれた音導管に入る。受動音源の音波は音導管の他端の受動音源の放音孔20を経由して外部に到達して、低周波数の音波が外部に放出できる。
【0037】
上記のように、本発明が提供するスピーカーモジュールは、後部音響腔内に受動音源を設置し、受動音源は並行に設置された二つのパッシブラジエーターを備え、この二つのパッシブラジエーターの間のキャビティの気流が押出されることによって低周波数の音波を発生する。スピーカーモジュールのサイズが小さくても、このような構成はスピーカーモジュール内の空間を十分に利用して、重低音効果を高めて、モジュールの音響性能を向上できる。
【0038】
以上、実施形態を通じて図面を参照しながら本発明のスピーカーモジュールに対して説明した。だが、上記本発明のスピーカーモジュールに対して、本発明の内容から脱離しない範囲でその他の改善と変形を行うことができ、これらの改善と変形もすべて本発明の保護範囲内に属することは当業者にとって明らかである。上記具体的な説明はただ本発明の目的を解釈するだけで、本発明の保護範囲は特許請求の範囲及び均等の構成により限定されていることは当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0039】
10 駆動音源の放音孔
11 上筐体
12 中間筐体
13 下筐体
20 受動音源の放音孔
21 振動板
22 ボイスコイル
31 ばね座金
32 磁石
33 フレーム
51 パッシブラジエーター
52 パッシブラジエーター
53 開孔
110 金属板
120 支持柱
121 金属板
123 結合リブ部
124 鋼板
131 金属板
211 エッジ部
330 フレーム開口
510 振動板本体部
511 マス
520 振動板本体部
521 マス