(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286148
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】画像センサ位置決め装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20180215BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20180215BHJP
G03B 17/02 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
H04N5/232
H04N5/225 300
G03B17/02
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-160821(P2013-160821)
(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公開番号】特開2014-33447(P2014-33447A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2016年7月29日
(31)【優先権主張番号】12179328.5
(32)【優先日】2012年8月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】スターングレーン, フレードリク
【審査官】
藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−251941(JP,A)
【文献】
実開平06−065807(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G03B 17/02 ,17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ(15)内の受光面(56)を含む画像センサ(12)を位置決めするための方法であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを、前記第1のグループに対する入射角(α1)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを、前記第2のグループに対する入射角(α2)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上の前記投射された光ビーム(40、42)の位置を位置合わせすることと、
前記位置合わせされた位置に基づいて、前記画像センサ(12)の現在の位置が誤った位置か否かを示す調整情報を生成することと、
前記調整情報に基づいて、前記画像センサ(12)の位置を調整することとを備え、
前記実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループは、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)へのアプローチの第1の方向を有し、この第1の方向は、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)に向かって実質的に直交するように方向付けられた第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントに直交するように方向付けられた第2のコンポーネントとを有し、前記実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループは、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)へのアプローチの第2の方向を有し、この第2の方向は、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)に向かって実質的に直交するように方向付けられた第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントに直交するように方向付けられた第2のコンポーネントとを有し、および、前記第1の方向の前記第2のコンポーネントの方向は、前記第2の方向の前記第2のコンポーネントの方向と反対方向である方向を有する、方法。
【請求項2】
カメラ(15)内の受光面(56)を含む画像センサ(12)を位置決めするための方法であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを、前記第1のグループに対する入射角(α1)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを、前記第2のグループに対する入射角(α2)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上の前記投射された光ビーム(40、42)の位置を位置合わせすることと、
前記位置合わせされた位置に基づいて、前記画像センサ(12)の現在の位置が誤った位置か否かを示す調整情報を生成することと、
前記調整情報に基づいて、前記画像センサ(12)の位置を調整することとを備え、
前記実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループの、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上への投射は、第1の時間周期中に行われ、前記実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループの、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上への投射は、第2の時間周期中に行われ、および、前記第1の時間周期は、前記第2の時間周期に含まれない少なくとも1つの時間周期を含む、方法。
【請求項3】
実質的に平行な光ビームの第1(40)および第2(42)のグループを投射する行為は、光をコリメートする行為を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
カメラ(15)内の受光面(56)を含む画像センサ(12)を位置決めするための方法であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを、前記第1のグループに対する入射角(α1)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを、前記第2のグループに対する入射角(α2)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上の前記投射された光ビーム(40、42)の位置を位置合わせすることと、
前記位置合わせされた位置に基づいて、前記画像センサ(12)の現在の位置が誤った位置か否かを示す調整情報を生成することと、
前記調整情報に基づいて、前記画像センサ(12)の位置を調整することとを備え、
前記所定のパターンのうちの少なくとも1つは、実質的に、前記画像センサ(12)の有効表面の一方の端から前記画像センサ(12)の前記有効表面の他方の端に及ぶ長さを有する平行線を含む、方法。
【請求項5】
前記実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを使用して投射したパターンと前記実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを使用して投射したパターンとの間の距離を判定することと、前記パターン間の距離に基づいて、少なくとも1つの誤った状態を判定することとをさらに備える、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
カメラ(15)内の受光面(56)を含む画像センサ(12)を位置決めするための方法であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを、前記第1のグループに対する入射角(α1)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを、前記第2のグループに対する入射角(α2)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上の前記投射された光ビーム(40、42)の位置を位置合わせすることと、
前記位置合わせされた位置に基づいて、前記画像センサ(12)の現在の位置が誤った位置か否かを示す調整情報を生成することと、
前記調整情報に基づいて、前記画像センサ(12)の位置を調整することとを備え、
前記実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを投射する行為は、実質的に平行な光ビームを、実質的に前記画像センサ(12)の前記受光面(56)に直交している角度で前記カメラ(15)に送ることと、前記実質的に平行な光ビームを、方向転換表面(272;274、276、278)で、前記入射角(α1)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)に向かって方向転換させることとを含み、前記光ビームの方向転換は、前記光ビームが前記カメラのレンズマウントを通過するまで行われない、方法。
【請求項7】
カメラ(15)内の受光面(56)を含む画像センサ(12)を位置決めするための方法であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを、前記第1のグループに対する入射角(α1)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを、前記第2のグループに対する入射角(α2)で前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上へ投射することと、
前記画像センサ(12)の前記受光面(56)上の前記投射された光ビーム(40、42)の位置を位置合わせすることと、
前記位置合わせされた位置に基づいて、前記画像センサ(12)の現在の位置が誤った位置か否かを示す調整情報を生成することと、
前記調整情報に基づいて、前記画像センサ(12)の位置を調整することとを備え、
前記実質的に平行な光ビームの第1のグループ(40)の光ビームの色は、前記実質的に平行な光ビームの第2のグループ(42)の光ビームの色と異なる、方法。
【請求項8】
色の差異は、前記実質的に平行な光ビームの2つのグループ(40、42;70、72)の色の間の少なくとも25nmの波長の差異に対応する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のグループ(40)および前記第2のグループ(42)の実質的に平行な光ビームの前記入射角(α1、α2)はそれぞれ、少なくとも30度である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のグループ(40)および前記第2のグループ(42)の実質的に平行な光ビームの前記入射角(α1、α2)はそれぞれ、少なくとも45度である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
カメラ内の画像センサ(12)の位置を測定するための測定システム(10)であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを前記画像センサ(12)の方へ発するよう配置された第1の光源(16)と、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを前記画像センサ(12)の方へ発するよう配置された第2の光源(18)と、
前記画像センサ(12)によって取り込まれた画像データを受け取るよう構成された入力とを備え、
前記実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループは、前記画像センサ(12)の受光面(56)へのアプローチの第1の方向を有し、この第1の方向は、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)に向かって実質的に直交するように方向付けられた第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントに直交するように方向付けられた第2のコンポーネントとを有し、前記実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループは、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)へのアプローチの第2の方向を有し、この第2の方向は、前記画像センサ(12)の前記受光面(56)に向かって実質的に直交するように方向付けられた第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントに直交するように方向付けられた第2のコンポーネントとを有し、および、前記第1の方向の前記第2のコンポーネントの方向は、前記第2の方向の前記第2のコンポーネントの方向と反対方向である方向を有する、
測定システム。
【請求項12】
カメラ内の画像センサ(12)の位置を測定するための測定システム(10)であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを前記画像センサ(12)の方へ発するよう配置された第1の光源(16)と、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを前記画像センサ(12)の方へ発するよう配置された第2の光源(18)と、
前記画像センサ(12)によって取り込まれた画像データを受け取るよう構成された入力とを備え、
前記所定のパターンのうちの少なくとも1つは、実質的に、前記画像センサ(12)の有効表面の一方の端から前記画像センサ(12)の前記有効表面の他方の端に及ぶ長さを有する平行線を含む、
測定システム。
【請求項13】
カメラ内の画像センサ(12)の位置を測定するための測定システム(10)であって、
第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(40)の第1のグループを前記画像センサ(12)の方へ発するよう配置された第1の光源(16)と、
第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビーム(42)の第2のグループを前記画像センサ(12)の方へ発するよう配置された第2の光源(18)と、
前記画像センサ(12)によって取り込まれた画像データを受け取るよう構成された入力とを備え、
前記実質的に平行な光ビームの第1のグループ(40)の光ビームの色は、前記実質的に平行な光ビームの第2のグループ(42)の光ビームの色と異なる、
測定システム。
【請求項14】
前記第1の光源(16)は、発光デバイス(250)、光コリメータ(252)およびパターン発生器(254)を備える、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の測定システム。
【請求項15】
前記第1の光源(16)は、発光デバイス(250)からの光ビームを前記第2の光源(18)からの光ビームと交差する方向へと方向転換させるよう配置された光方向付け手段(270)を備える、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ内の画像センサの位置決めを測定するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどのデジタルイメージングデバイスによって取り込まれた画像の画質は、ますます重要になってきている。品質の向上を実現するために、製造業者は、センサによって取り込まれる画素数、光感度、および、画像を表す光をカメラの画像センサに誘導するよう配置された光学系を増加させている。取り込まれた画像の品質に直接的に影響を及ぼしている別の重要な要因は、画像センサの位置決めである。最適な画質を実現するために、カメラの画像センサを、光学系レンズから正しい距離に位置決めしなくてはならず、そうしなければ、画像は焦点がはずれるためぼやける。さらに、画像センサを、カメラの光学系レンズの光軸との関係で傾けるべきでない。なぜなら、このように傾けることによって、センサの表面上で焦点が変化することになるからである。
【0003】
それ故に、高画質を実現するための要因である1つに、画像センサを正しく位置決めすることがある。画像センサを正しく位置決めするために、画像センサの位置を、正しい位置決めを確認するために、または、画像センサの位置の調整を提案するために、チェックしなければならない。現在では、画像センサの位置をチェックするために、通常、2つの方法のうちの1つが使用される。
【0004】
第1の方法は、レーザ光をカメラの光軸と平行に画像センサ上に送ることと、画像センサからの反射角を測定することとを含む。測定中は、カメラの光学系レンズを取り外す。この方法によって、カメラ光学系までの距離が正しい距離か否かを判断することはできない。さらに、画像センサの表面が平坦かつ滑らかでない場合、測定の精密度は減少する場合がある。
【0005】
第2の方法は、対象画像をレンズから取り込むことと、取り込まれた画像を分析することと、取り込まれた画像の分析から生じた結果によって示されるように画像センサまたはレンズの位置を調整することとを含む。分析に基づく調整はレンズの欠陥も考慮に入れるため、画像センサとの関係でレンズが固定して配置されるカメラに対して、この方法を有利に使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、カメラ内の画像センサの位置を測定する時に、改善された精密度を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1による画像センサを位置決めするための方法によって、目的は実現される。また、本発明の実施形態は、従属項において提示される。
【0008】
特に、本発明の一実施形態によると、カメラ内の受光面を含む画像センサを位置決めするための方法は、第1の所定パターンを表す実質的に平行な光ビームの第1のグループを画像センサの受光面上に入射角で投射することと、第2の所定パターンを表す実質的に平行な光ビームの第2のグループを画像センサの受光面上に入射角で投射することと、光ビームが画像センサによって検出される、画像センサの受光面上の位置を位置合わせすることと、位置合わせされた位置に基づいて、調整情報を生成することと、画像センサの現在の位置が誤った位置か否かを示すことと、調整情報に基づいて、画像センサの位置を調整することとを備える。
【0009】
この方法の1つの利点は、画像センサの位置決めの精度を既知の方法を考慮して高めることである。別の利点は、当該方法により、複数の異なるタイプの位置決め誤差の検出を可能にし、その結果、画像センサの正しい位置決めを容易に行うことができることである。さらに、画像センサの位置決めは取り込まれた画像の画質に直接影響を及ぼし、したがって、当該方法を、カメラによる画質を高めることを可能にするための方法として見なすことができる。
【0010】
別の実施形態では、実質的に平行な光ビームの第1のグループは、画像センサの受光面へのアプローチの第1の方向を有し、実質的に平行な光ビームの第2のグループは、画像センサの受光面へのアプローチの第2の方向を有し、および、第1および第2の方向は交差する方向である。これらの特徴の1つの利点は、それらが画像センサの位置決めの精度を高める一因となっていることである。
【0011】
一実施形態では、実質的に平行な光ビームの第1のグループは、画像センサの受光面へのアプローチの第1の方向を有し、この第1の方向は、画像センサの受光面に向かって実質的に直交するように方向付けられた第1のコンポーネントと、第1のコンポーネントに直交するように方向付けられた第2のコンポーネントとを有し、実質的に平行な光ビームの第2のグループは、画像センサの受光面へのアプローチの第2の方向を有し、この第2の方向は、画像センサの受光面に向かって実質的に直交するように方向付けられた第1のコンポーネントと、第1のコンポーネントに直交するように方向付けられた第2のコンポーネントとを有し、および、第1の方向の前記第2のコンポーネントの方向は、第2の方向の前記第2のコンポーネントの方向と反対方向である方向を有する。これらの特徴の1つの利点は、それらが画像センサの位置決めの精度を高める一因となっていることである。
【0012】
特定の実施形態では、第1のグループおよび第2のグループの実質的に平行な光ビームの入射角はそれぞれ、少なくとも30度である。
【0013】
別の実施形態では、第1のグループおよび第2のグループの実質的に平行な光ビームの入射角はそれぞれ、少なくとも45度である。
【0014】
一実施形態によると、実質的に平行な光ビームの第1のグループの光ビームの色は、実質的に平行な光ビームの第2のグループの光ビームの色と異なる。異なる色の光を使用することにより、位置合わせされた光ビームの分析を容易にすることができる。
【0015】
さらなる実施形態によると、実質的に平行な光ビームの第1のグループの光ビームの色は、赤、緑および青のグループで構成される色のうちの1つであり、実質的に平行な光ビームの第2のグループの光ビームの色は、赤、緑および青のグループで構成される色のうちの別の1つである。色が明確に分けられている場合、実質的に平行な光ビームのグループの識別はより一層容易になる。
【0016】
別の実施形態によると、色の差異は、実質的に平行な光ビームの2つのグループの色の間の少なくとも25nmの波長の差異に対応する。色が波長において明確に分けられている場合、実質的に平行な光ビームのグループの識別はより一層容易になる。
【0017】
一実施形態では、実質的に平行な光ビームの第1のグループの、画像センサの受光面上への投射は、第1の時間周期中に行われ、実質的に平行な光ビームの第2のグループの、画像センサの受光面上への投射は、第2の時間周期中に行われ、および、第1の時間周期は、第2の時間周期に含まれない少なくとも1つの時間周期を含む。この実施形態の利点は、実質的に平行な光ビームのグループのそれぞれに属する光ビームの識別を容易にすることでもある。先の実施形態は、第2の時間周期が、第1の時間周期に含まれない少なくとも1つの時間周期を含むという制限も含む。
【0018】
別の実施形態では、実質的に平行な光ビームの第1および第2のグループを投射する行為は、光をコリメートする行為を含む。
【0019】
さらに別の実施形態では、第1の所定のパターンおよび第2の所定のパターンは、実質的に同一である。この実施形態は、画像センサの誤った位置決めから生じる差異の識別を容易にすることができる。
【0020】
さらなる実施形態では、所定のパターンのうちの少なくとも1つは、実質的に、画像センサの有効表面の一方の端から画像センサの有効表面の他方の端に及ぶ長さを有する平行線を含む。
【0021】
一実施形態によると、方法は、実質的に平行な光ビームの第1のグループを使用して投射したパターンと、実質的に平行な光ビームの第2のグループを使用して投射したパターンとの間の距離を判定することと、前記パターン間の距離に基づいて、少なくとも1つの誤った状態を判定することとをさらに含む。
【0022】
別の実施形態によると、実質的に平行な光ビームの第1のグループおよび実質的に平行な光ビームの第2のグループは、単一の発光デバイスを使用して生成される。
【0023】
別の実施形態では、実質的に平行な光ビームの第1のグループを投射する行為は、実質的に平行な光ビームを、実質的に画像センサの受光面に直交している角度でカメラに送ることと、実質的に平行な光ビームを、方向転換表面で、前記入射角で画像センサの受光面に向かって方向転換させることとを含み、前記光ビームの方向転換は、光ビームがカメラのレンズマウントを通過するまで行われない。この実施形態の利点は、この角度で直接光ビームを送るには、カメラの入射光口が小さすぎて入射角を十分大きくすることができなくても、センサ位置テストの解明を実現することが可能であることである。
【0024】
本発明の別の態様によると、カメラ内の画像センサの位置を測定するための測定システムは、第1の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビームの第1のグループを発するよう配置された第1の光源と、第2の所定のパターンを表す実質的に平行な光ビームの第2のグループを発するよう配置された第2の光源とを備え、第1の光源および第2の光源は、それぞれの光源からの光ビームを他の光源からの光ビームと交差させるよう方向付けられる。このシステムの1つの利点は、カメラ内の画像センサの精密な位置決めを可能にすることである。システムの別の利点は、画像センサの異なるタイプの位置決めの誤りを識別可能であることである。
【0025】
一実施形態によると、第1の光源は、発光デバイス、光コリメータおよびパターン発生器を備える。
【0026】
別の実施形態によると、第1の光源は、発光デバイスからの光ビームを、第2の光源からの光ビームと交差する方向へと方向転換させるよう配置された光方向付け手段を備える。
【0027】
本発明の適用可能性のさらなる範囲は、以下に示す詳細な説明から明らかとなろう。しかしながら、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好適な実施形態を示しているが、単に例示として与えたものであることを理解すべきである。なぜならば、本発明の範囲にあるさまざまな変更および修正が、この詳細な説明から当業者には明らかになるからである。このような装置および方法は変化するものであり、それ故に、本発明は、記載された装置の特定の構成部分または記載された方法のステップに限定されないことを理解されたい。本明細書で用いられる用語は特定の実施形態をのみ説明する目的のものであり、限定を意図しないことも理解されたい。明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、文脈によって別段に明確に示されない限り、1つまたはそれ以上の要素であることを意味するものであることに留意すべきである。したがって、例えば、「a sensor(センサ)」または「the sensor(センサ)」の言及はいくつかのセンサ等を含んでもよい。さらに、単語「comprising(備える)」は他の要素またはステップを除外するものではない。
【0028】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照するとともに、現在の好適な実施形態に関し、以下に述べる詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態による、画像センサを位置決めするための配置を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、画像センサに到達する光ビームのグループの概略図である。
【
図3】
図2の画像センサが、光ビームが到達する位置からずれている状態を示す概略図である。
【
図4】
図3の画像センサと同じ位置にある、
図3の画像センサの側面図である。
【
図5a】画像センサが最適な位置に配置される時の、一実施形態による、画像センサ上への線の投射の概略側面図である。
【
図5b】
図5aのセンサによって位置合わせされた光の概略図である。
【
図6a】画像センサが光路に沿ってより遠くに配置される時の、画像センサに到達する光ビームを示す画像センサの概略図である。
【
図6b】
図6aの画像センサによって位置合わせされた光の概略図である。
【
図7a】画像センサが光路に配置されるのが早すぎる時の、画像センサに到達する光ビームを示す画像センサの概略図である。
【
図7b】
図7aの画像センサによって位置合わせされた光の概略図である。
【
図8a】画像センサが光路との関係で傾けて配置される時の、画像センサに到達する光ビームを示す画像センサの概略図である。
【
図8b】
図8aの画像センサによって位置合わせされた光の概略図である。
【
図9】画像センサが図のx軸を中心に傾けられる時の、画像センサによって位置合わせされた光の概略図である。
【
図10】画像センサの受光表面が画像センサの本体との関係で外向きまたは内向きいずれかに膨れ出る時の、画像センサによって位置合わせされた光の概略図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるプロセスのフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態による、コリメート光を発する光源の概略図である。
【
図13】本発明の別の実施形態による、コリメート光を発する光源の概略図である。
【
図14a】本発明の実装形態における画像センサ上へ投射することが可能なパターン例を示す図である。
【
図14b】本発明の実装形態における画像センサ上へ投射することが可能なパターン例を示す図である。
【
図14c】本発明の実装形態における画像センサ上へ投射することが可能なパターン例を示す図である。
【
図14d】本発明の実装形態における画像センサ上へ投射することが可能なパターン例を示す図である。
【
図14e】本発明の実装形態における画像センサ上へ投射することが可能なパターン例を示す図である。
【
図15】一実施形態による、投射されたパターンの光ビームの角度を付けるための光方向付け手段の概略図である。
【
図16】別の実施形態による、投射されたパターンの光ビームの角度を付けるための光方向付け手段の概略図である。
【
図17】さらに別の実施形態による、投射されたパターンの光ビームの角度を付けるための光方向付け手段の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
また、図において、同様の参照符号は、いくつかの図を通して同様または対応する部分を明示する。
【0031】
本発明は、カメラ内の画像センサを位置決めする方法に関し、および、カメラ内の画像センサの誤った位置決めを識別するためのデバイスまたはシステムに関する。
【0032】
ここで
図1を参照すると、本発明の一実施形態による、画像センサ12の高精密度の位置決めを可能にするために、カメラ15のカメラハウジング14内の画像センサ12の位置決めを測定するよう配置された測定システム10または測定デバイスは、2つの光源、ならびに、互いに向けてかつ位置決めされるべき画像センサ12に向けて方向付けられた第1の光源16および第2の光源18を含む。2つの光源16および18から発する光は、一実施形態によると、2つの別々の発光デバイスから生じ得、または、代替の実施形態によると、単一の発光デバイス、および、例えば、プリズム、鏡などのある種の光ビームスプリッタから生じ得る。光源16および18は、所定のパターンを形成するコリメート光を生成するよう配置される。コリメート光またはコリメート光ビームは、実質的に平行である光ビームである。
【0033】
さらに、画像センサは測定システム10の位置決めプロセッサ20に接続される。位置決めプロセッサ20は、カメラハウジング14内の画像センサ12によって取り込まれた画像データを処理するよう配置されたデバイスである。画像データは、カメラハウジング14に配置されたコネクタ22を介してカメラエレクトロニクスによって出力され、次に位置決めプロセッサ20における入力で受け取られ得る。そして、位置決めプロセッサ20は、画像データを処理し、かつ、操作者による可能な偏差技術の判定が可能なデータを操作者に提示し、または、位置決めプロセッサ20は、画像データを処理し、それを分析し、および予期された画像との関係でカメラ15から生じた取り込まれた画像におけるあらゆる偏差を判定する。操作者への提示は、単に、取り込まれた画像の視覚的な提示であってよい。位置決めプロセッサ20が偏差を判定する場合、かかるデータを、位置決めプロセッサ20から受け取ったデータに基づいて画像センサを調整することが可能な調整デバイスに送ることができる。
【0034】
図2において、本発明の理解を容易にするために、簡略化された実施例を示す。この実施例では、コリメート光ビーム40および42の2つのグループ、すなわち、コリメート光40の第1のグループおよびコリメート光42の第2のグループが示される。コリメート光のそれぞれのグループは線を形成している。コリメート光ビームの双方のグループはそれぞれ、入射角α
1およびα
2で画像センサの方へ送られる。コリメート光ビーム40の第1のグループに対する入射角α
1は、コリメート光ビーム42の第2のグループに対する入射角α
2と異なってよい。しかしながら、コリメート光40および42の2つのグループの入射角α
1およびα
2を、同じもの、すなわち、α
1=α
2にすることは有益である場合がある。この実施例では、α
1=α
2=45度である。入射角は、表面に落とす光ビーム48が、入射点52で描かれる垂線50と、によって成す角度である。この実施例の場合、測定システム10は、単線54としての基準面からの所定の距離でのコリメート光ビームの2つのグループ、すなわち、線であるコリメート光40の第1のグループの投射パターンと、線であるコリメート光42の第2のグループの投射パターンとを投射するよう配置されており、コリメート光の第1および第2のグループのこれらの投射パターンは、所定の距離で一致することが意図される。それ故に、画像センサおよび、したがって、画像センサの受光面56が、
図2のように所定の距離で位置決めされる場合、単線は画像センサによって検出される。
【0035】
上述した基準面は、カメラのレンズマウントの性質によって定義され、それにより距離および角度を、カメラ内への光路に、かつ、カメラに取り付けられるレンズの焦点面に関連付ける面であってよい。
【0036】
図3では、
図2と同じ測定システムの機構を使用する。したがって、コリメート光の第1および第2のグループのパターンは線であり、双方のグループにおける光ビームの入射角は45度である。しかしながら、画像センサ12およびその受光面56は、正しく位置決めされていない。受光面の正しい位置は破線枠58によって示される。
図3に見られるように、コリメート光ビーム40および42の各グループの投射線はここで、2つの別の線60および62として受光面に到達している。2つの線の間の距離L1は正しい位置決めからの偏差L2を示す。この実施例では、画像センサ12は正しい位置からの距離で位置決めされるが、依然受光面の正しい位置と平行に位置決めされている。本発明のシステムまたは方法を使用して検出可能な他の誤差は、傾いた画像センサ、平坦ではないセンサ表面などである。
図3の実施例は
図4の側面図として示される。センサに向けて投射された光ビームのグループを例示するこの簡略化された方法を、以下で他の実施例において使用することとする。
【0037】
図4では、このタイプの測定方法の精度を
図3の実施例を使用して例示する。カメラシステムの光軸64に沿った受光面58の正しい位置から画像センサの受光面56の位置決めにおける偏差を、2つの光ビーム40および42の検出された位置60および62を判定することと、光ビームの入射角を知ることとによって算出することができる。
図4の実施例では、これらの2つの光ビームは正しく位置決めされた受光面58で集束するため、受光面56がカメラシステムの光軸64に沿って移動する場合、互いからの距離L1で検出される。この実施例における45度の入射角により、受光面56の位置と、光軸と平行な方向における受光面58の正しい位置との偏差L2は、受光面56に到達する光ビームの2つの位置の間の距離L1の半分の距離である偏差L2としての形状により、容易に算出可能である。それ故に、この特定のケースでは、光軸方向における位置誤差をL2=L1/2として算出することができる。入射角が別の角度に設定される場合、三角関数を使用して、距離L1に基づく位置誤差L2を算出することができる。
【0038】
この実施例から、測定の精度は画像センサ上の位置の測定の精度に依存するという結論を下すこともできる。例えば、センサ上で測定する位置の精度が1画素の場合、精度は0.5画素となる。画素ピッチが2.2μmである、Aptina MT9P401のような画像センサに対して、精度は1.1μmとなる。
【0039】
一実施形態では、コリメート光ビーム70および72のそれぞれのグループにより画像センサ12上に投射されたパターンは、複数の線である(
図5aおよび5bを参照)。
図5aでは、画像センサ12に向かって進む光ビームが示される。この実施形態では、コリメート光ビーム70および72の2つのグループのそれぞれが、線74および76のパターンを画像センサ上へ投射する。画像センサ上に生じた画像を
図5bに示す。コリメート光ビームの2つのグループからの光ビームは、単一のパターンに集束する。すなわち、コリメート光ビームの第1のグループからのパターンにおける各線74は、コリメート光の第2のグループからのパターンにおける対応する線76に集束するため、コリメート光の第1または第2のグループによって生じた個々のパターンのうちの任意の1つと同一のパターンが生じる。この結果として生じた一致するパターンは、受光面56が正しく位置決めされており、傾いておらず、光路に沿って正しい位置に位置決めされる場合に、実現する。
【0040】
ここで
図6a〜bを参照すると、受光面56が、最適な位置58に位置決めされておらず、例えば、光路に沿った光の進行方向をさらに考慮して、光路に沿ってより遠くの位置に位置決めされ、最適な受光面と平行である場合、
図6bに示されるパターンは画像センサ12によって位置合わせされる。パターンは、コリメート光ビーム70および72の2つの別のグループからの光ビームが画像センサの位置決めによって一致しない線を形成しているという結果を受けて、受光表面の最適な位置決めと比較して、線74および76の2倍の数を含む。それ故に、コリメート光ビーム70の第1のグループからの光ビームは線74として位置合わせされ、コリメート光ビーム72の第2のグループからの光ビームは線76として位置合わせされる。上記のように、互いに重なり合っていたはずの2つの線の間の距離L1は、光軸に沿った方向における位置の誤差を示す。さらに、最適に位置決めされた受光面58との関係で、受光面56が光路より手前に位置決めされているか、または光路に沿ってさらに遠くに位置決めされているかに関係なく、最適な位置からの偏差が同じである場合、すなわち、
図6a〜bを
図7a〜bと比べて、受光面56を光路より距離x手前に、または光路に沿ってさらに遠くの距離xに位置決めする場合、パターンは同一となる。後の記載において、誤差の方向を見つけ出す方式を説明する。
【0041】
図8a〜bでは、コリメート光ビーム70および72の2つのグループからの光ビームが、互いに重なり合うべきである2つの線74および76間の距離L1が、
図8bの一番左の位置で重なり合っている状態から、一番右の位置で互いから最長距離で離れている状態へと、受光面56に沿って変化する線のパターンを形成する。これは、受光面56、したがって、画像センサ12が、
図8aに示されるように傾くことによって生じる。
【0042】
図9では、コリメート光ビーム70および72の2つのグループからの光ビームは、コリメート光ビーム70および72の各グループから、線74および76として互いに交わる線のパターンを生じさせ、さまざまな方向に傾斜している。受光表面が最適な位置にある時、このパターンが画像センサ12によって位置合わせされ、システムが依然
図5bのパターンを生じさせるよう配置される場合、斜め線74および76は、画像センサが
図9で定義されるx軸を中心に傾くことを示す。
【0043】
平坦ではないが画像センサの本体との関係で外向きまたは内向きいずれかに膨れ出ている受光表面を有する画像センサ12は、受光表面が最適な位置にありかつ平坦である時、システムであろうと他のものであろうと、
図5bのパターンを生じさせるよう配置される場合、
図10に示されるものと同様なパターンを位置合わせすることができる。最適な位置からの他の偏差は、センサによって位置合わせされたパターンが、画像センサ12が光軸を中心に回転する場合、光軸64に直交する面で画像センサ12に対してセンタリングされているかを調査または分析するために検出され得る。これらの位置誤差を、位置ずれしたパターンとして、すなわち、パターンの中心が画像センサの中心に位置合わせされていないとして、または、回転したパターンとして、例えば、パターンが画像センサ12の端と合わせられていないとして、検出することができる。
【0044】
上記の実施例の多くにおいて、最適な位置またはセンサ表面の凹凸による画像センサの位置の偏差は、迅速かつ容易に発見および識別され得る。しかしながら、補正方向は、検出されたパターンからは明白ではない。例えば、上記で提示した実施例では、画像センサ12によって位置合わせされたパターンは、画像センサ12の位置が光路に沿って最適な位置から特定の距離にある場合、この位置が光路の手前にあるか、光路に沿ってより遠くにあるかに関係なく、同一である。上記の実施例で、画像センサのこれらの2つの異なる位置におけるパターン間の差異は、光ビームが画像センサに到達する場合の
図6a〜bと
図7a〜bとの間の差異を見ると、位置のうちの1つでコリメート光ビームの第1のグループによって投射されたパターンからの線は、コリメート光ビームの第2のグループによって投射されたパターンからの線の一方の側に位置合わせされ、画像センサの他の位置では、コリメート光ビームの第1のグループによって投射されたパターンからの線は、コリメート光ビームの第2のグループによって投射されたパターンからの線の他方の側に位置合わせされることである。画像センサによって位置合わせされたパターンが表しているのはこれらの2つの位置のうちのどちらであるかを検出するために、システムは、パターン内の特定の線の原点を、すなわち、この実施形態では、線がコリメート光ビームの第1のグループから生じているか、コリメート光ビームの第2のグループから生じているかを、判定するよう配置可能である。
【0045】
これを実現するための1つの方法は、コリメート光ビームの第1のグループからの光ビームが、コリメート光の第2のグループからの光ビームとは異なる波長を有するようにすることである。例えば、第1のグループからの光ビームは青であってよく、第2のグループからの光ビームは赤であってよい。さまざまなグループからの光ビームの他の波長を使用することができる。例えば、コリメート光の第1および第2のグループ間での波長の差異は、25nmほどの小ささであってよい。
【0046】
コリメート光ビームのさまざまなグループからの光ビーム間での検出可能な差異を実現する別の方法は、さまざまな地点でさまざまなグループからの光ビームを、時を違えず送ることである。例えば、第1のグループからの光ビームを時間tで送り、第2のグループからの光ビームをt+t
dで送る。あるいは、第1のグループからの光ビームを、p時間単位の周期性によって周期的に送ることができる。すなわち、周期番号nを時間p
*nで送る。そして、第2のグループからの光ビームを、同じ周期性によってではあるが第1のグループとは別の半分の周期で送ることができる。すなわち、第2のグループからの周期番号nを時間p
*n+p/2で送ることができる。
【0047】
検出可能な差異を実現するための他の方法は、コリメート光ビームの他のグループより幅広の線を投射するコリメート光ビームのグループのうちの1つを有すること、他のグループより光度の低い光を投射するグループのうちの1つを有すること、または、これらの実施形態双方を組み合わせることである。
【0048】
ここで
図11を参照すると、一実施形態では、画像センサ12の位置決めは、画像センサ上へのコリメート光ビームの第1のグループの光ビームからのパターンを所定の入射角で投射することによって行われる(ステップ202)。コリメート光ビームの第2のグループの光ビームからのパターンも、所定の入射角で画像センサ12上へ投射される(ステップ204)。コリメート光ビームの2つの異なるグループからの光ビームの投射を、コリメート光ビームの2つのグループにおける同じ光の色または異なる光の色を使用する場合、同時に、または実質的に同時に行うことができる。あるいは、光ビームの1つのグループからのパターンを他と分けるために、光を同じ周期性によって交互に送る場合、第1のグループの光ビームからのパターンの投射を、第2のグループからの光ビームの投射とは異なる地点で、時を違えず行う。画像センサで受け取った光の位置は、検出かつ位置合わせされる(ステップ206)。受け取った光の位置は、さらなる処理のために、位置決めプロセッサ20で位置合わせされる。次に、検出された位置に基づく調整情報を、調整インターフェースに転送する(ステップ208)。この調整情報は、画像センサの現在の位置が誤った位置であるか否かを示す。一実施形態では、調整情報は、間違って位置決めしないために、どのようにして、かつ、どれくらいで、画像センサは調整されるべきなのかも示す。
【0049】
調整インターフェースへの転送は、画像または画像のストリームをディスプレイへ転送することを含むことができる。画像または画像ストリームを転送する場合、調整インターフェースは、位置決めプロセッサとディスプレイとの間のインターフェースか、ディスプレイそのものかのいずれかである。
【0050】
あるいは、調整情報の調整インターフェースへの転送は、偏差距離、偏差方向、さまざまな寸法での偏差角などの転送の任意の組み合わせを含んでよく、調整インターフェースは、画像センサの位置決めを調整するよう配置される画像センサ調整アセンブリに接続されてよい。調整インターフェースがカメラと位置決めプロセッサとの間のインターフェースである場合、このような調整アセンブリをカメラに組み込むことができる。
【0051】
調整情報が転送されていた場合、画像センサの位置および/または傾きは、転送された調整情報に基づいて調整される(ステップ210)。調整情報がディスプレイ上に表示される場合、操作者は、画像センサの再位置決めを制御し、一実施形態にしたがって、ディスプレイ上の調整情報を繰り返し読み込み、画像センサを繰り返し再位置決めすることができる。画像センサ調整アセンブリへ転送されている調整情報の場合、画像センサ調整アセンブリは、調整情報にしたがって調整を行う。
【0052】
ここで
図12を参照すると、一実施形態によると、光源16もしくは18、または光源16および18は、レーザの形式での発光デバイス250、コリメータ252、およびパターン生成レンズ254を備えることができる。レーザ250は、任意のレーザであってよく、一実施形態では、光ビームの2つのグループを提供するために、異なる波長の光を発する2つのレーザを、異なる光源16および18に対して使用することができ、光ビームの波長は2つのグループにおいて異なる。コリメータ252は、レーザからの光をコリメートするために、レーザ250の光路に配置される。レーザ250から光が発せられる時にレーザからの光がコリメートされる場合、コリメータ252を使用する必要はない(
図13を参照)。次いで、コリメート光は、所定のパターンを画像センサ12上へ投射するために、パターン生成レンズ254を通して画像センサ12上へ方向付けされる。
【0053】
画像センサ上へ投射されたパターンは、画像センサが誤った位置にあることによって、第2のパターンとの関係によるパターンの歪みまたは変態を容易に測定または見るようにする任意の設計であってよい。あるいは、上述した直線パターンに対して、パターンを、複数の均等に間隔をあけたドットによって形成することができ(
図14aを参照)、単一のパターンにおけるドット間または2つのパターンのドット間の距離は、画像センサの誤った位置決めを示すことができる。使用可能な別のパターンは、単一の円(
図14dを参照)、複数の円(
図14cを参照)、十字パターン(
図14dを参照)、または、クロスハッチングパターン(
図14eを参照)である。さらなるパターンは、この説明に基づいて考慮することにより明白となろう。
【0054】
いくつかのアプリケーションでは、画像センサ12の受光面56を考慮して、コリメート光が大きい入射角を有するようにして、カメラ15の特徴によってブロックされることなく画像センサ12に達することは難しい場合がある。これは、画像センサ12によって位置合わせされる光を受け取るよう配置されるカメラハウジング14における開口から遠い所で画像センサ12が配置される場合、特に難しい。この問題は、数個の方法で克服することが可能となろう。1つの方法は、システムの機構に光方向付け手段270を含むことである。光方向付け手段は、光路に対して平行に送られるコリメート光ビーム70および72を、画像センサの受光面56に向かって入射角αを有する経路へと方向転換するよう配置され、多くの場合、これは、画像センサ12の受光面56に直交することも意味する。入射角αの値を、前述にしたがって選択してもよい。
【0055】
図15では、光方向付け手段270の一実施形態を示す。光の方向転換は、壁272の光ビームの反射を使用して行われる。光方向付け手段270は、光誘導材料の屈折率によってその壁272への反射を可能にする光誘導材料の部品(piece)、または、壁272を反射的にしたチューブであってよい。前記チューブの断面は、任意の形状、例えば、円形、正方形、三角形、楕円形、長方形、星形、または任意の他の多角形であってよい。
【0056】
代替の実施形態を
図16に示す。この実施形態では、光方向付け手段270は、小さい幅、例えば、画像センサ12の幅と同様の幅を有するよう設計される。光方向付け手段270を小さくする1つの理由は、有用な光ビームを生成するために、画像センサ12の受光面56にかなり近い光方向付け手段を得るために、小さいカメラの開口からの挿入を可能にすることにある。この実施形態は、入ってくる光の方向を所望の入射角を有する光ビームへ方向転換するために、明確に選択された入射角で光ビームの屈折および反射を可能にする光誘導材料の1つの本体または個々の本体の配置であってよい。光方向付け手段270の理解を容易にするために、1つの特定の光ビームの光方向付け手段からの経路をここで説明する。光ビームは、屈折を受ける表面274で光方向付け手段に入射し、表面276へ方向付けされ、そこでは、入射角は、光ビームが表面278へ向かって反射されるほど大きく、表面278では、光ビームはもう一度屈折し、所望の方向を有する光ビームは、光方向付け手段から外れて進んでいる。
図17に示す光方向付け手段270の実施形態は、
図16に示すものと同様である。この実施形態は、
図16の実施形態と同様に小さい幅を有し、
図16の実施形態に加えて、この実施形態の高さはさらに低い。別の差異は、光路の組織内にある。
図16の実施形態では、光方向付け手段270の出口部分の一方の側の光路70すべてが、光方向付け手段270の出口部分の別の側から光路72の方へ方向付けされる。
図17の実施形態では、別の光路72の方へ方向付けされた光路70は、常に、光方向付け手段270を出て互いに隣り合う。すなわち、これらの間に位置決めされる他の光路はない。
【0057】
上記のような光方向付け手段を実装するシステムでは、光方向付け手段を光源と見なす場合がある。実施形態がコリメート光の2つの異なるグループを使用し、それによって、光方向付け手段が、前述したいずれかの方法で互いに区別されるコリメート光の2つの異なるグループを出力する場合、光方向付け手段を2つの別の光源と見なすことが可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 測定システム
12 画像センサ
14 カメラハウジング
15 カメラ
16 第1の光源
18 第2の光源
20 位置決めプロセッサ
22 コネクタ
23 調整インターフェース
40 コリメート光、光ビーム
42 コリメート光、光ビーム
48 光ビーム
50 垂線
52 入射点
54 単線
56 受光面
58 受光面
60 線、位置
62 線、位置
64 光軸
70 コリメート光ビーム、光路
72 コリメート光ビーム、光路
74 線
76 線
250 発光デバイス、レーザ
252 コリメータ
254 パターン生成レンズ
270 光方向付け手段
272 壁
274 表面
276 表面
278 表面
L1 距離
L2 偏差
α
1 入射角
α
2 入射角