特許第6286150号(P6286150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6286150電子部品キャリアテープ供給装置及び電子部品キャリアテープ供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286150
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】電子部品キャリアテープ供給装置及び電子部品キャリアテープ供給方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-167328(P2013-167328)
(22)【出願日】2013年8月12日
(65)【公開番号】特開2014-53601(P2014-53601A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2016年7月27日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0097875
(32)【優先日】2012年9月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500548884
【氏名又は名称】ハンファテクウィン株式会社
【氏名又は名称原語表記】HANWHA TECHWIN CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】崔 亨守
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−299889(JP,A)
【文献】 特開平09−270594(JP,A)
【文献】 特開2008−098499(JP,A)
【文献】 特開平07−326887(JP,A)
【文献】 特開2011−228600(JP,A)
【文献】 特開平11−307992(JP,A)
【文献】 特開2012−195400(JP,A)
【文献】 特開2007−027246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ部と、
前記ボディ部に設けられ、カバーテープが貼り付けられたキャリアテープを案内するキャリアテープ案内部と、
前記ボディ部内部に設けられて前記キャリアテープを移送させる移送部と、を備え、
前記キャリアテープ案内部は、
前記ボディ部の側面に設けられて前記キャリアテープをガイドするガイド部と、
前記キャリアテープの上面に位置するカバー部と、
前記カバー部から前記カバーテープ側に突設される突出部と、を備え
前記キャリアテープが、電子部品を収容する収納空間を有し、
前記突出部が、前記収納空間に挿入されることによって、前記カバーテープを介して、前記キャリアテープ内に位置した前記電子部品を前記キャリアテープに向かって押圧する電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項2】
前記カバー部は、
前記キャリアテープの進行方向と一定角度で前記カバーテープを剥離させるカバーテープ剥離部を備える請求項1に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項3】
前記カバーテープ剥離部は、前記キャリアテープの進行方向に傾いて形成される請求項2に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項4】
前記カバーテープ剥離部の傾斜は、前記キャリアテープ進行方向において後方部分が高くて前方部分が低く形成される請求項3に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項5】
前記カバー部は、
前記カバーテープ剥離部から一定間隔離隔して形成され、前記カバーテープの前記キャリアテープの進行方向への移動を防止する移動防止部をさらに備える請求項2に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項6】
前記突出部は、
前記カバーテープ剥離部に形成される第1突出部を備える請求項2に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項7】
前記突出部は、
前記第1突出部から一定間隔離隔して形成され、前記キャリアテープの進行方向において前記第1突出部より後方側に形成される第2突出部をさらに備える請求項6に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項8】
前記突出部は、湾曲して形成される請求項1に記載の電子部品キャリアテープ供給装置。
【請求項9】
ボディ部と、
前記ボディ部に設けられ、カバーテープが貼り付けられたキャリアテープを案内するキャリアテープ案内部と、
前記ボディ部内部に設けられて前記キャリアテープを移送させる移送部と、を備える電子部品キャリアテープ供給装置を用いた電子部品キャリアテープ供給方法であって、
前記キャリアテープ案内部が、前記キャリアテープの上面に位置するカバー部と、前記カバー部から前記カバーテープ側に突設される突出部と、を備え、
前記キャリアテープが、電子部品を収容する収納空間を有し、
前記電子部品キャリアテープ供給方法が、
前記電子部品を収容し、上面に前記カバーテープが貼り付けられた前記キャリアテープを前記ボディ部に挿入する段階と、
前記キャリアテープを一定間隔で移送させる段階と、
前記キャリアテープ内で前記カバーテープの上面に接触した前記電子部品を離隔させる段階であって、前記突出部が、前記収納空間に挿入されることによって、前記カバーテープを介して、前記キャリアテープ内に位置した前記電子部品を前記キャリアテープに向かって押圧する、段階と、
前記カバーテープを前記キャリアテープから分離する段階と、
前記カバーテープが剥離された前記キャリアテープから前記電子部品を引き出す段階と、を含む電子部品キャリアテープ供給方法。
【請求項10】
前記電子部品を離隔させる段階は、
前記キャリアテープの移動によって前記カバーテープに貼り付けられた電子部品を1次的に加力し、前記電子部品を前記カバーテープから離隔させる段階と、
1次的に加力後、前記キャリアテープの移動によって前記カバーテープに貼り付けられた電子部品を2次的に加力し、前記電子部品を前記カバーテープから離隔させる段階と、を含む請求項9に記載のキャリアテープ供給方法。
【請求項11】
前記カバーテープを前記キャリアテープから分離した後、前記キャリアテープの移動によって前記電子部品を3次的に前記キャリアテープの底面に加力する段階をさらに含む請求項9に記載のキャリアテープ供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置及び供給方法に係り、さらに詳細には、電子部品キャリアテープ供給装置及びキャリアテープ供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装器は、電子部品を印刷回路基板(printed circuit board;PCB)に実装する装備であり、電子部品供給器から集積回路、ダイオード、コンデンサー、抵抗などの各種電子部品を供給されて印刷回路基板の実装位置まで移送させた後、印刷回路基板上に実装する作業を行う。
【0003】
一般的に電子部品実装器は、電子部品を供給する電子部品キャリアテープ供給装置と、印刷回路基板を移送させるコンベヤーと、ノズルを備えて電子部品供給装置から電子部品を吸着して印刷回路基板上に実装するヘッドアセンブリーと、ヘッドアセンブリーを垂直方向または水平方向に移動させる電子部品移送装置と、を備える。
【0004】
電子部品実装器に装着される電子部品キャリアテープ供給装置には、図1に示したような電子部品リールを用いるテープフィーダが多く使われている。図1は、電子部品キャリアテープ供給装置に装着される電子部品リールを示す斜視図である。
【0005】
図1を参考にすれば、電子部品リール1には約2000個ないし5000個の電子部品5が収納される。電子部品リール1に巻き取られているキャリアテープ3には、収納空間3aが互いに離隔して形成され、収納空間3aに半導体チップなどの電子部品5が収納され、その上部は、カバーテープ2によって密封される。キャリアテープ3のエッジには、所定の間隔をおいて複数の移送孔3bが形成される。
【0006】
電子部品実装器には、複数の電子部品キャリアテープ供給装置が互いに一定間隔で離隔して並列的に配される。電子部品キャリアテープ供給装置は、前述したキャリアテープ3を電子部品実装器に移送する。すなわち、電子部品キャリアテープ供給装置は、電子部品リール1からキャリアテープ3を解くと同時に、キャリアテープ3に取り付けられた電子部品5を覆っているカバーテープ2を剥ぎ取る作用を行う。ヘッドアセンブリーの吸着ノズルは、カバーテープ2が剥ぎ取られたキャリアテープ3に取り付けられた電子部品5を吸着することでキャリアテープ3から電子部品5をピックアップし、これを印刷回路基板の所定位置に移送させる。
【0007】
従来の電子部品キャリアテープ供給装置は、電子部品リール1が装着されたボディ部を備える。電子部品リール1に巻き取られたキャリアテープ3は、スプロケットによって一定ピッチで移送され、キャリアテープ3から分離されるカバーテープ2は、回収装置によって回収される。
【0008】
電子部品リール1に収納された電子部品5がいずれも供給されれば、電子部品キャリアテープ供給装置に装着された電子部品リール1が入れ替えられねばならない。作業者が電子部品リール1を入れ替る時には、新たな電子部品リール1をボディ部に装着した後、電子部品キャリアテープ供給装置の前方に装着されたロッカーを解除し、キャリアテープ案内部を持ち上げて新たに入れ替えられた電子部品リール1のキャリアテープ3とカバーテープ2とを、電子部品キャリアテープ供給装置の所定部分に連結する。電子部品リール1の装着と、キャリアテープ3及びカバーテープ2の連結と、が完了すれば、キャリアテープ案内部を下げてロッカーをロック位置に切り替える。
【0009】
前記のようにキャリアテープ3の装着が完了すれば、電子部品キャリアテープ供給装置が作動してキャリアテープ3からカバーテープ2を分離する。カバーテープ2がキャリアテープ3から分離された後、吸着ノズルによりキャリアテープ3内部の電子部品5を吸着して外部に引き出せる。この時、前記のようにカバーテープ2がキャリアテープ3から分離される瞬間、静電気などによって電子部品5がカバーテープ2と共に外部に引き出されるか、または位置が変更される。特に、前記のように電子部品5が外部に引き出されるか、または位置が変更される場合、吸着ノズルは電子部品5を吸着できなくて作業が行われない恐れがある。したがって、カバーテープ2をキャリアテープ3から分離する時、電子部品5がカバーテープ2によって外部に引き出されるか、または位置が変更されることを防止する必要がある。
【0010】
一方、前記のような電子部品キャリアテープ供給装置は、特許文献1に具体的に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2008−0096312号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、カバーテープの除去時に電子部品の移動を防止する電子部品キャリアテープ供給装置及びキャリアテープ供給方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面は、ボディ部と、前記ボディ部に設けられ、カバーテープが貼り付けられたキャリアテープを案内するキャリアテープ案内部と、前記ボディ部内部に設けられて前記キャリアテープを移送させる移送部と、を備え、前記キャリアテープ案内部は、前記ボディ部の側面に設けられて前記キャリアテープをガイドするガイド部と、前記キャリアテープの上面に位置するカバー部と、前記カバー部から前記カバーテープ側に突設される突出部と、を備える電子部品キャリアテープ供給装置を提供する。
【0014】
また、前記カバー部は、前記キャリアテープの進行方向と一定角度で前記カバーテープを剥離させるカバーテープ剥離部を備える。
【0015】
また、前記カバーテープ剥離部は、前記キャリアテープの進行方向に傾いて形成される。
【0016】
また、前記カバーテープ剥離部の傾斜は、前記キャリアテープ進行方向を中心として後面部分が高くて前面部分が低く形成される。
【0017】
また、前記カバー部は、前記カバーテープ剥離部から一定間隔離隔して形成され、前記カバーテープの前記キャリアテープの進行方向への移動を防止する移動防止部をさらに備える。
【0018】
また、前記突出部は、前記カバーテープ剥離部に形成される第1突出部を備える。
【0019】
また、前記突出部は、前記第1突出部から一定間隔離隔して形成され、前記キャリアテープの進行方向を中心として前記第1突出部より後面側に形成される第2突出部をさらに備える。
【0020】
また、前記突出部は、湾曲して形成される。
【0021】
本発明の他の側面は、電子部品を収容し、上面にカバーテープが貼り付けられたキャリアテープをボディ部に挿入する段階と、前記キャリアテープを一定間隔で移送させる段階と、前記キャリアテープ内で前記カバーテープの上面に接触した前記電子部品を離隔させる段階と、前記カバーテープを前記キャリアテープから分離する段階と、前記カバーテープが剥離された前記キャリアテープから前記電子部品を引き出す段階と、を含む電子部品キャリアテープ供給方法を提供する。
【0022】
また、前記電子部品を離隔させる段階は、前記キャリアテープの移動によって前記カバーテープに貼り付けられた電子部品を1次的に加力し、前記電子部品を前記カバーテープから離隔させる段階と、1次的に加力後、前記キャリアテープの移動によって前記カバーテープに貼り付けられた電子部品を2次的に加力し、前記電子部品を前記カバーテープから離隔させる段階と、を含む。
【0023】
また、前記カバーテープを前記キャリアテープから分離した後、前記キャリアテープの移動によって前記電子部品を3次的に前記キャリアテープの底面に加力する段階をさらに含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態は、カバーテープとキャリアテープとの剥離時、電子部品がカバーテープについて外部に引き出されることを防止する。特に電子部品キャリアテープ供給装置は、電子部品の位置を吸着ノズルの位置に整列させることで電子部品実装器の誤作動を防止し、作業の効率性及び迅速性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】電子部品キャリアテープ供給装置に装着される電子部品リールを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による電子部品キャリアテープ供給装置を示す側面図である。
図3図2に示したキャリアテープ案内部を示す斜視図である。
図4図3のIV−IV線の断面図である。
図5図3に示したキャリアテープ案内部の第1作動状態を示す概念図である。
図6図3に示したキャリアテープ案内部の第2作動状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、添付した図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され、単に本実施形態は本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。一方、本明細書で使われた用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書で、単数形は、文章で特に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる”含む(comprises)”及び/または”含み(comprising)”は、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子において、一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。第1、第2などの用語は多様な構成要素の説明時に使われるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態による電子部品キャリアテープ供給装置100を示す側面図である。
【0028】
図2を参考にすれば、電子部品キャリアテープ供給装置100は、外観を形成するボディ部110を備える。電子部品キャリアテープ供給装置100は、ボディ部110に設けられてカバーテープ2が貼り付けられたキャリアテープ3を案内するキャリアテープ案内部120を備える。この時、キャリアテープ案内部120は、ボディ部110に回動自在に設けられる。
【0029】
また、電子部品キャリアテープ供給装置100は、ボディ部110の内部に設けられ、キャリアテープ3の下側に配されてキャリアテープ3を移送させる移送部130を備える。この時、移送部130は、キャリアテープ3の移送孔3bにその一部が挿入されるスプロケット131を備える。また、移送部130は、スプロケット131に連結されてスプロケット131を回転させる駆動部132を備える。
【0030】
以下では、キャリアテープ案内部120について詳細に説明する。
【0031】
図3は、図2に示したキャリアテープ案内部120を示す斜視図である。図4は、図3のIV−IV線の断面図である。
【0032】
図3及び図4を参考にすれば、キャリアテープ案内部120は、ボディ部110の側面に設けられてキャリアテープ3をガイドするガイド部121を備える。また、キャリアテープ案内部120は、ガイド部121から折り曲げられて形成され、キャリアテープ3の上面を包むカバー部123を備える。
【0033】
カバー部123には、カバーテープ2が挿入される挿入ホール(図示せず)が形成される。この時、挿入ホール(図示せず)は、位置によって第1挿入ホール124a及び第2挿入ホール124bを備える。また、カバー部123には、スプロケット131の一部が挿入されて突出するスプロケット挿入ホール125が形成される。この時、スプロケット挿入ホール125には、移送孔3bに挿入されたスプロケット131の一部が突出し、スプロケット131の回転時にスプロケット131がカバー部123に衝突することを防止する。
【0034】
一方、カバー部123は、キャリアテープ3の進行方向と一定角度でカバーテープ2を折り曲げるカバーテープ剥離部(図示せず)を備える。前記カバーテープ剥離部は、傾いて形成される。具体的に前記カバーテープ剥離部は、キャリアテープ3の進行方向に沿って傾いて形成される。特に前記カバーテープ剥離部の傾斜は、キャリアテープ3の進行方向を中心として後面部分が高くて前面部分が低く形成される。
【0035】
また、前記カバーテープ剥離部は、第1挿入ホール124a部分に形成される第1カバーテープ剥離部126aと、第2挿入ホール124b部分に形成される第2カバーテープ剥離部126bと、を備える。
【0036】
カバー部123は、前記カバーテープ剥離部から一定間隔離隔して形成される移動防止部127を備える。この時、移動防止部127は、カバーテープ2がキャリアテープ3の進行方向に移動することを防止する。
【0037】
特に前記のような移動防止部127は、第2カバーテープ剥離部126bから一定間隔離隔して形成される。具体的に移動防止部127は、第2カバーテープ剥離部126bと共に第2挿入ホール124bを形成する。
【0038】
一方、キャリアテープ案内部120は、カバー部123に形成される突出部(図示せず)を備える。この時、前記突出部は、カバー部123からカバーテープ2側に突設される。具体的に前記突出部は、カバー部123の下面からカバーテープ2側に突設される。
【0039】
前記突出部は複数備えられる。具体的に前記複数の突出部は、第1カバーテープ剥離部126aに形成される第1突出部128aと、第1突出部128aと一定間隔離隔して形成される第2突出部128bと、を備える。この時、第2突出部128bは、キャリアテープ3の進行方向を中心として第1突出部128aより後面側に形成される。
【0040】
また、前記複数の突出部は、第2カバーテープ剥離部126bに形成される第1突出部128cを備える。この時、第2カバーテープ剥離部126bに形成される第1突出部128cは、前述した第1カバーテープ剥離部126aに形成される第1突出部128aと区別するために、第3突出部128cであると以下では説明する。
【0041】
第3突出部128cは、第2カバーテープ剥離部126bの一端に形成され、カバーテープ2側に突設される。この時、第3突出部128cは、前述した第1突出部128aと類似して形成される。
【0042】
一方、第1突出部128aないし第3突出部128cは、湾曲して形成される。この時、第1突出部128aないし第3突出部128cは、半円状に形成される。また、第1突出部128aないし第3突出部128cは、一面が傾いて形成される。
【0043】
例えば、第1突出部128aないし第3突出部128cの傾斜は、キャリアテープ3の進行方向に形成される。この時、第1突出部128aないし第3突出部128cは、キャリアテープ3の進行方向を中心として後面側が前面側より小さく形成される。したがって、第1突出部128aないし第3突出部128cは、カバーテープ2の進行方向によって順次に加圧する。
【0044】
一方、キャリアテープ案内部120は、カバー部123に形成され、電子部品5が外部に引き出された後でキャリアテープ3を案内する排出ガイド部129を備える。この時、排出ガイド部129は曲率のあるように形成される。具体的に排出ガイド部129は、ボディ部110の上側方向から下側方向に低くなりつつ曲率のあるように形成される。したがって、排出ガイド部129は、カバーテープ2が分離されたキャリアテープ3から電子部品5が分離された後、キャリアテープ3をボディ部110の下側にガイドする。
【0045】
以下では、電子部品キャリアテープ供給装置100の作動について、キャリアテープ案内部120を中心として詳細に説明する。
【0046】
図5は、図3に示したキャリアテープ案内部120の第1作動状態を示す概念図である。図6は、図3に示したキャリアテープ案内部120の第2作動状態を示す概念図である。
【0047】
図5及び図6を参考にすれば、電子部品キャリアテープ供給装置100を電子部品実装器に装着した後、キャリアテープ3からカバーテープ2を分離して第1挿入ホール124aまたは第2挿入ホール124bに挿入する。この時、カバーテープ2は、ユーザの選択によって第1挿入ホール124aまたは第2挿入ホール124bに挿入される。
【0048】
前記のように、カバーテープ2を第1挿入ホール124aまたは第2挿入ホール124bに挿入した後、カバーテープ2は、第1カバーテープ剥離部126aまたは第2カバーテープ剥離部126bを中心としてキャリアテープ3の逆方向に折り曲げられる。
【0049】
この時、カバーテープ2は、折り曲げられた部分が第1カバーテープ剥離部126aまたは第2カバーテープ剥離部126bに支持される。特に前記のように折り曲げられた部分のカバーテープ2の一端は、カバーテープ回収部(図示せず)に挿入される。
【0050】
一方、以下では説明の便宜のために、第2カバーテープ剥離部126bにカバーテープ2がかかる場合を中心として詳細に説明する。
【0051】
前記のようにカバーテープ2の設置が完了すれば、電子部品キャリアテープ供給装置100が作動を始めつつ駆動部132が駆動する。この時、駆動部132の作動によってスプロケット131が回転し、スプロケット131の一部は移送孔3bに挿入されてキャリアテープ3を一方向に移動させる。
【0052】
前記のように駆動部132の作動中に前記カバーテープ回収部が作動し、カバーテープ2をキャリアテープ3の進行方向の逆方向に移動させる。この時、カバーテープ2は、第2カバーテープ剥離部126bに沿って移動しつつキャリアテープ3と分離される。特にカバーテープ2は、第2カバーテープ剥離部126bの傾斜に沿って前記のように移動する。
【0053】
一方、前記のようにキャリアテープ3とカバーテープ2とが剥離される場合、カバーテープ2には、静電気などによって電子部品5がくっつくことがある。この時、電子部品5は、収納空間3aの下面から一定距離離隔した状態でカバーテープ2にくっつく。
【0054】
前記のように電子部品5がカバーテープ2にくっつく場合、カバーテープ2がキャリアテープ3から剥離されるときに電子部品5がカバーテープ2と共に外部に引き出される恐れがある。したがって、吸着ノズルは電子部品5を吸着できず、電子部品実装器に誤作動が発生する。
【0055】
この時、前記のようにキャリアテープ3が移動する場合、第2カバーテープ剥離部126bの下側に配される電子部品5は、第3突出部128cによって収納空間3aの内側に引き込まれる。具体的に第3突出部128cは、カバーテープ2に静電気などによってくっついた電子部品5をキャリアテープ3の底面側に加力する。
【0056】
また、前記のようにキャリアテープ3が移動する場合、第2突出部128bもカバーテープ2を加力する。具体的に第2突出部128bは、第3突出部128cよりキャリアテープ3の進行方向を中心として後面側に配され、カバーテープ2及び電子部品5を加力する。
【0057】
特に第2突出部128bは、キャリアテープ3の移動によって1次的にカバーテープ2に取り付けられた電子部品5を加力する。また、第3突出部128cは、キャリアテープ3の移動によって、第2突出部128bによって加力された電子部品5を2次的に加力する。
【0058】
この時、第1突出部128aないし第3突出部128cは、収納空間3a側にその一部が挿入されるように形成される。特にキャリアテープ3が移動する時、第1突出部128aないし第3突出部128cは、収納空間3aの内部側にカバーテープ2を押すことができる。
【0059】
前記のようにカバーテープ2が収納空間3aの内部側に押される場合、カバーテープ2にくっついた電子部品5は収納空間3aの底面に移動する。この時、電子部品5は、カバーテープ2から分離されて収納空間3aの底面に載置される。
【0060】
特にキャリアテープ3が移動する場合、第2突出部128bが先ずカバーテープ2の下側を加力する。この時、第2突出部128bは、前述したようにカバーテープ2を加力して電子部品5を収納空間3aの底面に移動させる。
【0061】
前記のように第2突出部128bがカバーテープ2を加力した後、キャリアテープ3が移動しつつカバーテープ2がキャリアテープ3と分離される。
【0062】
この時、前述したようにカバーテープ2が剥離される時、第3突出部128cは再びカバーテープ2を加力する。特に前記のように第3突出部128cは、カバーテープ2を加力しつつ電子部品5が第2挿入ホール124bに突出することを防止する。
【0063】
したがって、収納空間3aに配される電子部品5の場合には、1次的に第2突出部128bによってカバーテープ2から分離され、2次的に第3突出部128cによってカバーテープ2にくっついて外部に引き出されることが防止される。
【0064】
一方、前記のように位置が整列された電子部品5は、電子部品実装器の吸着ノズルに正確に吸着される。特に、従来のように電子部品5がカバーテープ2と共に引き出されることによる電子部品実装器の誤作動を防止する。
【0065】
この時、吸着ノズルは、位置の整列された電子部品5を吸着して外部に引き出せる。具体的に吸着ノズルは、電子部品5をキャリアテープ3の外部に引き出して外部の電子機器に移動させる。
【0066】
したがって、電子部品キャリアテープ供給装置100は、カバーテープ2とキャリアテープ3との剥離時、電子部品5がカバーテープ2にくっついて外部に引き出されることを防止する。特に電子部品キャリアテープ供給装置100は、電子部品5の位置を吸着ノズルの位置に整列させることで電子部品実装器の誤作動を防止し、作業の効率性及び迅速性を高める。
【0067】
たとえ本発明が前記言及された望ましい実施形態に関して説明されたとしても、発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに多様な修正や変形を行える。したがって、特許請求の範囲は本発明の趣旨に属する限り、かかる修正や変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、電子部品キャリアテープ供給装置及びキャリアテープ供給方法関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0069】
100 電子部品キャリアテープ供給装置
110 ボディ部
120 キャリアテープ案内部
121 ガイド部
123 カバー部
124a 第1挿入ホール
124b 第2挿入ホール
125 スプロケット挿入ホール
126a 第1カバーテープ剥離部
126b 第2カバーテープ剥離部
127 移動防止部
128a 第1突出部
128b 第2突出部
128c 第3突出部
129 排出ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6