特許第6286156号(P6286156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286156
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】トップシール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   B65B51/10 A
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-181497(P2013-181497)
(22)【出願日】2013年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-48129(P2015-48129A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 智紀
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−105669(JP,A)
【文献】 実開昭62−194519(JP,U)
【文献】 特許第4282318(JP,B2)
【文献】 特開2011−073696(JP,A)
【文献】 特許第4741618(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00−51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を包み込むように製袋された包装材料を、同包装材料の搬送方向と直交する左右方向に、一対のトップシーラのシール面で挟んでシールとカットを行うトップシール装置であって、
前記各トップシーラは、前記左右方向に並ぶように種類が異なる複数のシール面を備え、
前記各トップシーラを前記左右方向に移動させることで、前記複数のシール面が切り替えられるように構成されており、
前記複数のシール面は、互いに幅が異なっており、
前記各トップシーラは、前記左右方向の端部が、最も幅広の前記シール面と略同一の幅を有することを特徴とする、
トップシール装置。
【請求項2】
前記一対のトップシーラは、一体的に前記左右方向に移動することを特徴とする、
請求項1に記載のトップシール装置。
【請求項3】
前記一対のトップシーラは、前記左右方向に移動する可動部材に取り付けられ同可動部材を移動することにより、一体的に前記左右方向に移動することを特徴とする、
請求項2に記載のトップシール装置。
【請求項4】
前記一対のトップシーラ前記左右方向に移動可能に支持する一対のレールと、
前記一対のレールが取り付けられ、該一対のレールと一体に前記左右方向に移動する可動部材と、を備えていることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載のトップシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装機を構成するトップシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品や日用品などの物品をピロー包装するラインでは、物品がピロー包装機に次々と供給され、フィルムなどの包装材料によって個別にピロー包装されてピロー包装体が製造される。
【0003】
ピロー包装機には、物品が順次供給されることに合わせて、原反フィルムから包装材料が繰り出されて連続して供給され、筒状に製袋される。包装材料が筒状に製袋される過程において当該包装材料に物品が順次供される。次いで、センターシール装置において、互いに重ねられた包装材料における左右方向(搬送方向に直交する方向)の両端縁(センターシール部)が、一対のバーシーラーで加熱された後に加圧されることで、センターシール(縦シール)される。それから、トップシール装置において、物品の長さに応じたピッチ毎に、左右方向に包装材料のトップシール(横シール)とカットが行われ、ピロー包装体が製造される。
【0004】
トップシール装置には、トップシール幅(トップシールにおける搬送方向の幅)やシール形態(ヒートシール、溶断シールなどの形態)に応じて種々のものがある。例えば、特許文献1に記載のトップシール装置は、主シーラと前進後退可能な副シーラとを備え、トップシール幅の変更を可能にしている。そして、特許文献2に記載のトップシール装置は、複数のシーラを回転可能に備え、シーラを変更することでトップシール幅やシール形態の変更を可能にしている。これらトップシール装置によれば、トップシール幅w,wの異なるピロー包装体ZA1,ZA2を製造することができる(図15(A)及び図15(B)参照)。なお、トップシール幅がwで幅広のトップシールの場合には、図15(B)に示されるように、ホールパンチによる孔を形成するようにしてもよい。この孔により、ピロー包装体ZA2を吊り下げて陳列することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4282318号公報(図3(a)及び図3(b)参照)
【特許文献2】特開平6−278722号公報(図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のトップシール装置では、異なる種類のシール形態を兼用することができない。そして、特許文献2に記載のトップシール装置では、トップシール幅やシール形態を変更する場合に上下のシーラをそれぞれ変更する必要があるが、一方のシーラの変更を忘れてしまうとシール不良の恐れがあるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、異なる種類のトップシール幅、異なる種類のシール形態に兼用させることができるトップシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、物品を包み込むように製袋された包装材料を、同包装材料の搬送方向と直交する左右方向に、一対のトップシーラのシール面で挟んでシールとカットを行うトップシール装置であって、前記各トップシーラは、前記左右方向に並ぶように種類が異なる複数のシール面を備え、前記各トップシーラを前記左右方向に移動させることで、前記複数のシール面が切り替えられるように構成されており、前記複数のシール面は、互いに幅が異なっており、前記各トップシーラは、前記左右方向の端部が、最も幅広の前記シール面と略同一の幅を有することを特徴とする、トップシール装置である。
【0009】
本発明によれば、トップシーラを左右方向に移動させてシール面を切り替えることで、異なる種類のトップシール幅、異なる種類のシール形態に兼用させることができる。
【0011】
また、上記発明によれば、トップシーラを左右方向に移動させてシール面を切り替えることで、異なる種類のトップシール幅に兼用させることができる。
【0013】
また、上記発明によれば、複数のシーラによるものと比べて、組付け調整が容易である。そして、幅広シール、及び幅狭シールのシール圧を均一にすることができる。
【0014】
)本発明はまた、前記一対のトップシーラは、一体的に前記左右方向に移動することを特徴とする、上記(1)に記載のトップシール装置である。
【0015】
上記発明によれば、一方のトップシーラのシール面を変更するだけで、他方のトップシーラのシール面を変更し忘れるという問題の発生を防止することができる。
【0016】
)本発明はまた、前記一対のトップシーラは、前記左右方向に移動する可動部材に取り付けられ同可動部材を移動することにより、一体的に前記左右方向に移動することを特徴とする、上記()に記載のトップシール装置である。
【0017】
上記発明によれば、可動部材を左右方向に移動させてシール面を切り替えることで、異なる種類のトップシール幅、異なる種類のシール形態に兼用させることができる。
【0018】
)本発明はまた、前記一対のトップシーラを前記左右方向に移動可能に支持する一対のレールと、前記一対のレールが取り付けられ、該一対のレールと一体に前記左右方向に移動する可動部材と、を備えていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のトップシール装置である。
【0019】
上記発明によれば、可動部材を左右方向に移動させる場合において、各トップシーラは、それぞれ、種類の異なる複数のシール面を有する一体となったものであるため、複数の別体のトップシーラを備える場合と比較して、組付け調整や位置調整が容易である。そして、前記可動部材を前記左右方向に移動させることで、前記一対のトップシーラを前記一対のレール上で移動させずに、前記シール面の位置を調整することが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の上記(1)〜()に記載のトップシール装置によれば、異なる種類のトップシール幅、異なる種類のシール形態を兼用させることができる。

【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係るトップシール装置を備えるピロー包装機の概略図である。
図2】第1実施形態に係るトップシール装置の外観斜視図であり、(A)は上下一対のトップシーラを互いに退避させた状態を示し、(B)は上下一対のトップシーラを互いに接触させた状態を示す。
図3図2に示されるトップシール装置の断面図であり、(A)はトップシール幅の狭いトップシールを行う位置にトップシーラが固定されている状態を示し、(B)はトップシーラが固定されていない状態を示し、(C)はトップシール幅の広いトップシールを行う位置にトップシーラが固定されている状態を示す。
図4図2に示されるトップシール装置でトップシール幅の狭いトップシールを行う場合を示し、(A)は上面図であり、(B)は断面図である。
図5図2に示されるトップシール装置でトップシール幅の狭いトップシールとトップシール幅の広いトップシールを行う場合を示し、(A)は上面図であり、(B)は断面図である。
図6】第2実施形態に係るトップシール装置の外観斜視図である。
図7図6に示されるトップシール装置の断面図であり、(A)はトップシール幅の狭いトップシールを行う位置にトップシーラが固定されている状態を示し、(B)はトップシーラが固定されていない状態を示し、(C)はトップシール幅の広いトップシールを行う位置にトップシーラが固定されている状態を示し、(D)はトップシール幅のより広いトップシールを行う位置にトップシーラが固定されている状態を示す。
図8図6に示されるトップシール装置でトップシール幅の狭いトップシールを行う場合を示し、(A)は上面図であり、(B)は断面図である。
図9図6に示されるトップシール装置でトップシール幅の狭いトップシールとトップシール幅の広いトップシールを行う場合を示し、(A)は上面図であり、(B)は断面図である。
図10図6に示されるトップシール装置でトップシール幅のより広いトップシールを行う場合を示し、(A)は上面図であり、(B)は断面図である。
図11】第3実施形態に係るトップシール装置の外観斜視図である。
図12】第4実施形態に係るトップシール装置の外観斜視図である。
図13】(A)は第5実施形態に係るトップシール装置の外観斜視図であり、(B)は同トップシール装置の断面図である。
図14】第6実施形態に係るトップシール装置の正面図である。
図15】ピロー包装体の外観斜視図であり、(A)はトップシール幅の狭いものを示し、(B)はトップシール幅の広いものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るトップシール装置について詳細に説明する。
【0023】
[第1実施形態]まず、図1を用いて、トップシール装置15を備えるピロー包装機1の構成について説明する。図1は、ピロー包装機1の概略図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
【0024】
図1に示されるピロー包装機1は、食品や日用品などの物品XA1を順次包装するラインで使用される。このピロー包装機1は、物品供給装置2と、包装材料供給装置3と、包装機本体4と、を備えている。
【0025】
これらピロー包装機1の各部は、制御ユニット(図示省略)によって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0026】
物品供給装置2は、物品XA1を等間隔で搬送すると共に、下流の包装機本体4に当該物品XA1を順次供給する。この物品供給装置2は、フィンガーコンベアから構成される。具体的に、物品供給装置2は、スリットを有する搬送面(符号省略)と、この搬送面上の物品XA1を側方からガイドするサイドガイド(図示省略)と、駆動用のスプロケット(図示省略)と、従動用のスプロケット5と、これらスプロケットに引っ掛けられて走行する環状のチェーン6と、このチェーン6に等間隔のピッチで取り付けられた複数のフィンガー7と、動力源となるサーボモーター(図示省略)と、を備えている。
【0027】
駆動用のスプロケットは、サーボモーターの駆動によって回転する。従動用のスプロケット5は、チェーン6の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。チェーン6は、駆動用のスプロケットの回転によって循環するように走行する。複数のフィンガー7は、スリットを介して搬送面の下方から上方に突出する。これら複数のフィンガー7は、チェーン6の走行によって、搬送面上を走行する。これにより、複数のフィンガー7は、搬送面上の物品XA1を押送して包装機本体4に送り出す。
【0028】
包装材料供給装置3は、帯状を呈するフィルムなどの包装材料YA1を連続して供給する。具体的に、包装材料供給装置3は、原反ロールYB1を保持する一対の原反軸8と、原反ロールYB1から帯状に繰り出された(引き伸ばされた)包装材料YA1をガイドするガイドローラ9と、を備えている。一対の原反軸8は、それぞれ、駆動モーター(図示省略)によって回転するように設けられ、原反ロールYB1を保持する。これら一対の原反ロールYB1は、一方が使用され、他方が予備用となる。ガイドローラ9は、原反ロールYB1から帯状に引き伸ばされた包装材料YA1を、ガイドして、包装機本体4に供給する。なお、原反ロールYB1から包装材料YA1を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラを別途設け、当該フィードローラを動かして包装材料YA1を引き出すフィードローラ駆動式の方法を採用してもよい。
【0029】
包装機本体4は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、包装材料供給装置3から供給される包装材料YA1で包装する。具体的に、包装機本体4は、製袋器10と、ピンチローラ11と、センターシール装置12と、第一の搬送装置13と、上部押え装置14と、トップシール装置(エンドシール装置)15と、第二の搬送装置16と、などを備えている。
【0030】
製袋器10は、包装材料供給装置3から供給される包装材料YA1を、物品XA1の搬送方向(前後方向)と直交する左右方向の両端縁が互いに重なるように筒状に製袋する。また、製袋器10は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、筒状に製袋される包装材料YA1に供給する。これにより、物品XA1は、筒状に製袋された包装材料YA1に包まれる。
【0031】
ピンチローラ11は、互いに重なる包装材料YA1の両端縁(以下、センターシール部という。)を挟み込んで、当該センターシール部に搬送力を付与する。
【0032】
センターシール装置12は、一対のバーシーラー12aと、プレスローラ12bと、を備えている。このセンターシール装置12は、一対のバーシーラー12aでセンターシール部を加熱する。そして、センターシール装置12は、加熱されたセンターシール部をプレスローラ12bで圧着してセンターシールする。
【0033】
第一の搬送装置13は、センターシールされた筒状の包装材料YA1を、当該包装材料YA1に包まれた物品XA1と共に、搬送面13aに載せてトップシール装置15に向けて搬送する。この第一の搬送装置13は、トップシール装置15のボックスモーションに合わせて、搬送面13aを搬送方向に伸縮させる。
【0034】
上部押え装置14は、第一の搬送装置13の上方に配置されており、第一の搬送装置13に搬送される物品XA1を包装材料YA1ごと上方から押える。これにより、物品XA1は、水平状態を保持しながら搬送される。
【0035】
トップシール装置15は、上下一対のトップシーラ20,21を所定の軌跡で公転移動させる周知のボックスモーションにより、搬送中の物品XA1の長さに応じたピッチ毎に、当該トップシーラ20,21のシール面20a,20b,21a,21b(図2参照)で上下に挟んで、当該物品XA1を包み込むように筒状に製袋された包装材料YA1の左右方向にトップシール(エンドシール、横シール)とカットを行う。これにより、ピロー包装体ZA1又はZA2(図示はZA1)が製造される。このトップシール装置15は、本発明の要部であり、詳細は後述する。
【0036】
第二の搬送装置16は、ピロー包装体ZA1を搬送面16aに載せてトップシール装置15から搬送する。この第二の搬送装置16は、トップシール装置15のボックスモーションに合わせて、搬送面16aを搬送方向に伸縮させる。
【0037】
次に、図2及び図3を用いて、トップシール装置15の構成について説明する。図2は、トップシール装置15の外観斜視図である。図2(A)は、上下一対のトップシーラ20,21を互いに退避させた状態を示す。図2(B)は、上下一対のトップシーラ20,21を互いに接触させた状態を示す。図3は、トップシール装置15の断面図である。図3(A)は、トップシール幅wの狭いトップシールを行う位置にトップシーラ20,21が固定されている状態を示す。図3(B)は、トップシーラ20,21が固定されていない状態を示す。図3(C)は、トップシール幅wの広いトップシールを行う位置にトップシーラ20,21が固定されている状態を示す。
【0038】
図2(A)及び図2(B)に示されるように、トップシール装置15は、上下一対のトップシーラ20,21と、上下一対のレール22,23と、可動部材(図示省略)と、調整手段(図示省略)と、などを備えている。
【0039】
上方に配置されたトップシーラ20は、上方に配置されたレール22に、いわゆる印籠構造によって、左右方向に移動可能に支持されている。このトップシーラ20は、下方に配置されたトップシーラ21に対向するように、2種類のシール面20a,20bを下方に向けて有している。2種類のシール面20a,20bは、左右方向に並ぶように配置されている。これら2種類のシール面20a,20bは、互いに幅W,Wが異なっている。具体的に、シール面20aは、トップシール幅w図4参照)の狭いトップシールを行うための幅W(=w×2)を有する。シール面20bは、トップシール幅w図5参照)の幅の狭いトップシールとトップシール幅w図5参照)の広いトップシールを行うための幅W(=w+w)を有する。
【0040】
シール面20bには、ピロー包装体ZA2を吊り下げて陳列するための孔を形成するために、ホールパンチ(図示省略)が設けられている。そして、2種類のシール面20a,20bは、トップシーラ20が左右方向に移動することで切り替えられて、選択的に用いられる。そして、トップシーラ20は、左右方向の端部(図面の左手前側の端部)20cが、幅Wの広いシール面20bと略同じ幅Wを有する。そして、この端部20cにおける前後方向の端の位置が、シール面20bにおける前後方向の端の位置と揃っている。なお、シール面20a,20bは、手動又は自動で切り替えられる。自動で切り替えられる場合には、サーボモーターやエアシリンダー等の動力源や動力伝達機構などを備えることになる。
【0041】
下方に配置されたトップシーラ21は、下方に配置されたレール23に、いわゆる印籠構造によって、左右方向に移動可能に支持されている。このトップシーラ21は、上方に配置されたトップシーラ20に対向するように、かつ、トップシーラ20のシール面20a,20bと対応するように、2種類のシール面21a,21bを上方に向けて有している。2種類のシール面21a,21bは、左右方向に並ぶように配置されている。これら2種類のシール面21a,21bは、互いに幅W,Wが異なっている。具体的に、シール面21aは、トップシール幅wの狭いトップシールを行うための幅Wを有する。シール面21bは、トップシール幅wの狭いトップシールとトップシール幅wの広いトップシールを行うための幅Wを有する。シール面21aは、上方に配置されたトップシーラ20のシール面20aに対向する。シール面21bは、上方に配置されたトップシーラ20のシール面20bに対向する。
【0042】
シール面21bには、ピロー包装体ZA2を吊り下げて陳列するための孔を形成するために、ホールパンチ(符号省略)が設けられている。そして、種類のシール面21a,21bは、トップシーラ21が左右方向に移動することで切り替えられて、選択的に用いられる。そして、トップシーラ21は、左右方向の端部(図面の左手前側の端部)21cが、幅wの広いシール面21bと略同じ幅Wを有する。そして、この端部21cにおける前後方向の端の位置が、シール面21bにおける前後方向の端の位置と揃っている。なお、シール面21a,21bは、上方に配置されたトップシーラ21のシール面21a,21bの切替えと一緒に、手動又は自動で切り替えられる。
【0043】
なお、これら一対のトップシーラ20,21には、左右方向に貫通した一対の孔(符号省略)が形成されており、当該一対の孔に、加熱用のカートリッジヒータが差し込まれる。なお、トップシール幅に応じてカートリッジヒータの数を増やしても良い。具体的に、トップシール幅wの広いトップシールを行うシール面20b,21bにおけるトップシーラ20,21には、2本以上のカートリッジヒータを差し込むようにしても良い。
【0044】
上下一対のレール22,23は、それぞれ、物品XA1(図1参照)の搬送経路を横切るように、左右方向に沿って配置されている。上方に配置されたレール22は、トップシーラ20を左右方向に移動可能に支持する。下方に配置されたレール23は、トップシーラ21を左右方向に移動可能に支持する。本実施形態のように、2種類のシール面20a,20b,21a,21bを有するトップシーラ20,21の場合には、レール22,23の内側の側壁とトップシーラ20,21の端部の側面とを当接させて位置決めを行う。
【0045】
可動部材(図示省略)は、シール面20a,20b,21a,21bの左右方向の位置を調整するための枠材であり、調整手段(図示省略)によって左右方向に移動可能に設けられている。この可動部材には、一対のレール22,23が取り付けられている。これにより、可動部材は、一対のレール22,23と一体に左右方向に移動する。結果、調整手段によって可動部材を左右方向に移動させることで、一対のトップシーラ20,21を一対のレール22,23上で移動させずに、シール面20a,20b,21a,21bの位置を調整可能にする。なお、調整手段には、手動で動かすボールねじ構造等を採用したり、あるいは、自動で動かす構造等を採用したりすればよい。
【0046】
次に、図4及び図5を用いて、トップシール装置15の作用について説明する。図4は、トップシール装置15でトップシール幅wの狭いトップシールを行う場合を示す。図4(A)は、上面図である。図4(B)は断面図である。図5は、トップシール装置15でトップシール幅wの狭いトップシールとトップシール幅wの広いトップシールを行う場合を示す。図5(A)は、上面図である。図5(B)は断面図である。
【0047】
図4(A)及び図4(B)に示されるように、搬送中の物品XA1を包み込むように筒状に製袋された包装材料YA1を、幅Wを有するシール面20a,21aで挟んで左右方向(図面における手前から奥の方向)にシールとカットを行うことで、トップシール幅がwのピロー包装体ZA1が製造される。
【0048】
図5(A)及び図5(B)に示されるように、搬送中の物品XA1を包み込むように筒状に製袋された包装材料YA1を、幅Wを有するシール面20b,21bで挟んで左右方向(図面における手前から奥の方向)にシールとカットを行うことで、トップシール幅がwとwのピロー包装体ZA2が製造される。
【0049】
このように、トップシール装置15によれば、トップシーラ20,21をレール22,23に沿って左右方向に移動させてシール面20a,20b,21a,21bを切り替えることで、異なる種類のトップシール幅w,wに兼用させることができる。
【0050】
また、トップシーラ20,21は、左右方向の端部20c,21cが、最も幅Wの広いシール面20b,21bと略同じ幅Wを有するので、幅広シール、及び幅狭シールのシール圧を均一にすることができる。
【0051】
そして、可動部材(図示省略)を左右方向に移動させる場合において、トップシーラ20,21は、それぞれ、種類の異なる複数のシール面20a,20b,21a,21bを有する一体となったものであるため、複数の別体のトップシーラを備える場合と比較して、組付け調整や位置調整が容易である。また、可動部材を左右方向に移動させることで、一対のトップシーラ20,21を一対のレール22,23上で移動させずに、シール面20a,20b,21a,21bの位置を調整することが可能である。
【0052】
[第2実施形態]次に、図6及び図7を用いて、トップシール装置35の構成について説明する。図6は、トップシール装置35の外観斜視図である。図7は、トップシール装置35の断面図である。図7(A)は、トップシール幅wの狭いトップシールを行う位置にトップシーラ40、41が固定されている状態を示す。図7(B)は、トップシーラ40,41固定されていない状態を示す。図7(C)は、トップシール幅wの広いトップシールを行う位置にトップシーラ40,41が固定されている状態を示す。図7(D)は、トップシール幅wのより広いトップシールを行う位置にトップシーラ40,41が固定されている状態を示す。
【0053】
なお、ここでは、トップシール装置35の特徴部分のみを説明し、トップシール装置15と同様の構成、作用、及び効果についての説明は適宜省略する。また、以降に説明する各実施形態についても、特徴部分のみを説明する。
【0054】
図6に示されるように、トップシール装置35は、上下一対のトップシーラ40,41と、上下一対のレール42,43と、固定手段45(図7参照)と、可動部材(図示省略)と、調整手段(図示省略)と、などを備えている。
【0055】
上方に配置されたトップシーラ40は、3種類のシール面40a,40b,40cを有している。3種類のシール面40a,40b,40cは、互いに幅W,W,Wが異なっている。具体的に、シール面40aは、トップシール幅w図8参照)の狭いトップシールを行うための幅W(=w×2)を有する。シール面40bは、トップシール幅w図9参照)の狭いトップシールとトップシール幅w図9参照)の広いトップシールを行うための幅W(=w+w)を有する。シール面40cは、トップシール幅w図10参照)のより広いトップシールを行うための幅W(=w×2)を有する。そして、トップシーラ40は、左右方向の端部(図面の左手前側の端部)40dが、最も幅Wの広いシール面40cと略同じ幅Wを有する。
【0056】
下方に配置されたトップシーラ41は、3種類のシール面41a,41b,41cを有している。3種類のシール面41a,41b,41cは、互いに幅W,W,Wが異なっている。具体的に、シール面41aは、トップシール幅w図8参照)の狭いトップシールを行うための幅W(=w×2)を有する。シール面41bは、トップシール幅w図9参照)の狭いトップシールとトップシール幅w図9参照)の広いトップシールを行うための幅W(=w+w)を有する。シール面41cは、トップシール幅w図10参照)のより広いトップシールを行うための幅W3(=w×2)を有する。そして、トップシーラ41は、左右方向の端部(図面の左手前側の端部)41dが、最も幅Wの広いシール面41cと略同じ幅Wを有する。なお、トップシーラ40,41によるトップシール幅wは、トップシール幅wと同じ幅となるように設定しておいても良い。すなわち、シール面40c,41cは、トップシール幅wの広いトップシールを行うための幅(=w×2)を有するように設定しておいても良い。
【0057】
図7に示されるように、下方のトップシーラ41の底面には、位置決めすべき箇所に適宜窪み41e,41f,41gが形成されている。図7(A)に示されるように、位置決め手段45となるボールプランジャーの先端が窪み41eに入っている場合、トップシール幅wの狭いトップシールを行う位置に上下一対のトップシーラ40,41を固定する。図7(B)に示されるように、ボールプランジャーの先端が窪み41e,41f,41gに入っていない場合、上下一対のトップシーラ40,41は固定されていない。図7(C)に示されるように、ボールプランジャーの先端が窪み41fに入っている場合、トップシール幅wの広いトップシールを行う位置に上下一対のトップシーラ40,41を固定する。図7(D)に示されるように、ボールプランジャーの先端が窪み41gに入っている場合、トップシール幅wのより広いトップシールを行う位置に上下一対のトップシー40,41を固定する。
【0058】
次に、図8図9及び図10を用いて、トップシール装置35の作用について説明する。図8は、トップシール装置35でトップシール幅wの狭いトップシールを行う場合を示す。図8(A)は、上面図である。図8(B)は断面図である。図9は、トップシール装置35でトップシール幅wの狭いトップシールとトップシール幅wの広いトップシールを行う場合を示す。図9(A)は、上面図である。図9(B)は、断面図である。図10は、トップシール装置35でトップシール幅wのより広いトップシールを行う場合を示す。図10(A)は、上面図である。図10(B)は、断面図である。
【0059】
図8(A)及び図8(B)に示されるように、搬送中の物品XA1を包み込むように筒状に製袋された包装材料YA1を、幅Wを有するシール面40a,41aで挟んで左右方向(図面における手前から奥の方向)にシールとカットを行うことで、トップシール幅がwのピロー包装体ZA1が製造される。
【0060】
図9(A)及び図9(B)に示されるように、搬送中の物品XA1を包み込むように筒状に製袋された包装材料YA1を、幅Wを有するシール面40b,41bで挟んで左右方向(図面における手前から奥の方向)にシールとカットを行うことで、トップシール幅がwとwのピロー包装体ZA2が製造される。
【0061】
図10(A)及び図10(B)に示されるように、搬送中の物品XA1を包み込むように筒状に製袋された包装材料YA1を、幅Wを有するシール面40c,41cで挟んで左右方向(図面における手前から奥の方向)にシールとカットを行うことで、トップシール幅がwのピロー包装体ZA3が製造される。
【0062】
[第3実施形態]次に、図11を用いて、トップシール装置55の構成について説明する。図11は、トップシール装置55の外観斜視図である。
【0063】
図11に示されるように、トップシール装置55は、上下一対のトップシーラ20,21と、上下一対のレール22,23と、連結手段24と、可動部材(図示省略)と、調整手段(図示省略)と、などを備えている。
【0064】
連結手段24は、上下一対のトップシーラ20,21を互いに連結して、当該トップシーラ20,21を互いに一体にして左右方向に移動可能にする。具体的に、連結手段24は、上方のトップシーラ20に固定された一対のフランジ24aと、下方のトップシーラ21に固定された一対のフランジ24bと、下方のフランジ24bに固定され情報のフランジ24aを貫通する一対の連結棒24cと、などを備えている。フランジ24a,24bは、連結棒24cに沿って、互いに近接離隔するように移動する。これにより、上下一対のトップシーラ20,21が互いに近接離隔する。
【0065】
このように、トップシール装置55によれば、上下に配置されたトップシーラ20,21が、互いに一体となって左右方向に移動するので、一方のトップシーラ20のシール面20a,20bを変更するだけで、他方のトップシーラ21のシール面21a,21bを変更し忘れるという問題の発生を防止することができる。
【0066】
[第4実施形態]次に、図12を用いて、トップシール装置65の構成について説明する。図12は、トップシール装置65の外観斜視図である。
【0067】
図12に示されるように、トップシール装置65は、上下一対のトップシーラ40,41と、上下一対のレール42,43と、連結手段44と、位置決め手段45(第2実施形態を示す図7を参考)と、可動部材(図示省略)と、調整手段(図示省略)と、などを備えている。
【0068】
[第5実施形態]次に、図13を用いて、トップシール装置75の構成について説明する。図13(A)は、トップシール装置75の外観斜視図である。図13(B)は、トップシール装置75の断面図である。
【0069】
図13(A)及び図13(B)に示されるように、トップシール装置75は、上下一対のトップシーラ80,81と、上下一対のレール82,83と、位置決め手段85と、可動部材(図示省略)と、調整手段(図示省略)と、などを備えている。
【0070】
上方に配置されたトップシーラ80は、上方に配置されたレール82に嵌め込まれ、左右方向に移動可能に支持されている。下方に配置されたトップシーラ81は、下方に配置されたレール83に嵌め込まれ、左右方向に移動可能に支持されている。
【0071】
位置決め手段85であるボールプランジャーは、各レール82,83の中央を貫通するように配置され、その先端がトップシーラ80,81に形成された窪みに入ることで、当該トップシーラ80,81を位置決めする。
【0072】
[第6実施形態]次に、図14を用いて、トップシール装置95の構成について説明する。図14は、トップシール装置95の正面図である。
【0073】
図14に示されるように、トップシール装置95は、上下一対のトップシーラ100,101と、駆動機構102と、可動部材103と、調整手段104と、などを備えている。
【0074】
上方に配置されたトップシーラ100は、左右方向に並ぶように2種類のシール面100a,100bを有している。2種類のシール面100a,100bは、互いに幅(図示省略)が異なっている。この2種類のシール面100a,100bは、可動部材103が左右方向に移動することで切り替えられて、選択的に用いられる。
【0075】
下方に配置されたトップシーラ101は、左右方向に並ぶように2種類のシール面101a,101bを有している。2種類のシール面101a,101bは、互いに幅(図示省略)が異なっている。この2種類のシール面101a,101bは、可動部材103が左右方向に移動することで切り替えられて、選択的に用いられる。シール面101aは、上方に配置されたトップシーラ100のシール面100aに対向する。シール面101bは、上方に配置されたトップシーラ100のシール面100bに対向する。
【0076】
駆動機構102は、上下一対のトップシーラ100,101を所定の軌跡で公転移動させる周知のボックスモーションにより、トップシールとカットを実現する。駆動機構102によるボックスモーションは、周知であり、ここでの説明は省略する。その詳細は、例えば特開2010−105669号を参照されたい。
【0077】
可動部材103には、上下一対のトップシーラ100,101が取り付けられている。この可動部材103は、調整手段104により、上下一対のトップシーラ100,101と一体に左右方向に移動する。
【0078】
調整手段104は、可動部材103を左右方向に移動させる。これにより、複数のシール面100a,100b,101a,101bが切り替えられる。なお、本実施形態では、手動で動かすボールねじ構造を採用しているが、この構造に限定されず、また、自動で動かす構造であっても良い。
【0079】
本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0080】
すなわち、上記各実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。例えば、シール面の種類は、2種類、3種類のみならず、4種類以上となるようにしてもよい。
【0081】
あるいは、上記各実施形態の構成要素を、可能な範囲で他の実施形態に適用してもよい。
【0082】
あるいは、上記各実施形態では、ボックスモーションによりトップシールを行うトップシール装置15,35,55,65,75,95を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転式のトップシール装置であってもよい。
【0083】
あるいは、上記各実施形態では、下方に配置されたトップシーラ21,41のみに対してボールプランジャーが作用する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上方に配置されたトップシーラ20,40のみに対してボールプランジャーが作用したり、上下一対のトップシーラ20,21,40,41のそれぞれに対してボールプランジャーが作用したりするようにしてもよい。
【0084】
あるいは、上記各実施形態では、トップシーラ40,41,80,81を位置決めする位置決め手段45として、ボールプランジャーを備えている場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、クリックストップ機能を有する機構などであってもよい。
【0085】
あるいは、上記各実施形態では、トップシール幅w,w,wの異なるピロー包装体ZA1,ZA2,ZA3を製造するトップシール装置15,35,55,65,75,95を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シール形態が異なるトップシール装置であってもよい。シール形態としては、ラベルシーラ、通常幅のシーラ、ヒートシーラ、溶断シーラなど、各シーラによるシール形態が挙げられる。例えば、ラベルシーラと通常幅のシーラとを切り替えるように構成したり、ヒートシーラと溶断シーラとを切り替えるように構成したりすることが考えられる。
【0086】
より具体的に、複数の種類のシール面を有するトップシーラが取り付けられた可動部材を左右方向に移動させる場合の態様は、複数の種類のシール面をもつ1つ(一体もの)のトップシーラであることに限定されず、種類の異なる複数のトップシーラを可動部材に取り付けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0087】
15,35,55,65,75,95 トップシール装置
20,21,40,41,80,81,100,101 トップシーラ
20a,20b,21a,21b,40a,40b,40c,41a,41b,41c,80a,80b,81a,81b,100a,100b,101a,101b シール面
20c,21c,40d,41d,80c,81c 端部
22,23,42,43,82,83 レール
45,85 位置決め手段
XA1 物品
YA1 包装材料
,W,W
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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