(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定タイミング決定部は、前記車両の駆動源が停止する前の、前記携帯通信網の受信電界強度の変化が第1しきい値よりも大きいと判定すると、前記車両から取得する情報に基づいて、前記車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、前記判定部に前記判定動作を中止させる、請求項2記載の車載通信装置。
前記判定タイミング決定部は、前記車両の駆動源が停止する前の、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の変化が第2しきい値よりも大きいと判定すると、前記車両から取得する情報に基づいて、前記車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、前記判定部に前記判定動作を中止させる、請求項2記載の車載通信装置。
前記判定タイミング決定部は、前記車両から取得する情報として、光センサにより検出された車両が受ける光の強度情報と、前記車両の周囲の画像との少なくとも一方を入力し、前記光の強度の変化と、前記車両の周囲の画像の変化との少なくとも一方を検出した場合に、前記無線通信が可能な状態にあるか否かを前記判定部に判定させる、請求項4又は6記載の車載通信装置。
前記判定タイミング決定ステップは、前記車両の駆動源が停止する前の、前記携帯通信網の受信電界強度の変化が第1しきい値よりも大きいと判定すると、前記車両から取得する情報に基づいて、前記車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、前記判定ステップの実行を中止させる、請求項9記載の車載通信装置の制御方法。
前記判定タイミング決定ステップは、前記車両の駆動源が停止する前の、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の変化が第2しきい値よりも大きいと判定すると、前記車両から取得する情報に基づいて、前記車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、前記判定ステップの実行を中止させる、請求項9記載の車載通信装置の制御方法。
前記判定タイミング決定ステップは、前記車両の駆動源が停止する前の、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の変化が第2しきい値以下であると判定すると、所定の時間間隔ごとに前記第1通信部に電源を供給して、前記判定ステップを実行させる、請求項9又は12記載の車載通信装置の制御方法。
前記判定タイミング決定ステップは、前記車両から取得する情報として、光センサにより検出された車両が受ける光の強度情報と、前記車両の周囲の画像との少なくとも一方を入力し、前記光の強度の変化と、前記車両の周囲の画像の変化との少なくとも一方を検出した場合に、前記判定ステップによる判定処理を実行させる、請求項10又は12記載の車載通信装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、車載通信装置の実施形態について、
図1〜
図9を参照しながら詳細に説明する。
図1には、車載通信装置としてのテレマティクスコントロールユニット(以下、TCUと略記する)1の構成が概略的に示されている。
TCU1は、アンテナ11とモデム12とを備える。アンテナ11は、基地局(不図示)から送信される無線信号を受信して、モデム12に出力する。また、アンテナ11は、モデム12から出力される無線信号を出力する。モデム12は、アンテナ11、制御部18及び電源切替部17に接続している。モデム12は、制御部18から制御データを入力し、制御部18の制御に従って無線通信を行う。モデム12は、アンテナ11を介して受信した無線信号からアナログの通信データを取り出し、取り出した通信データを復調してデジタルの通信データに変換する。モデム12は、変換したデジタルの通信データを制御部18に出力する。また、モデム12は、制御部18から入力したデジタルの通信データをアナログ信号に変調して、アンテナ11から出力する。また、モデム12は、電源切替部17から供給される電源によって動作する。
【0010】
TCU1は、リアルタイムクロック(以下、RTCという)13を備える。RTC13は、制御部18に接続すると共に、電源切替部17に接続している。RTC13は、制御部18の指示により計時を行い、指定された時間が経過すると割り込みを発生する等の計時処理を行う。また、RTC13は、電源切替部17から供給される電源によって動作する。
【0011】
TCU1は、衝撃検知センサ14を備える。衝撃検知センサ14は、制御部18に接続すると共に、電源切替部17に接続している。衝撃検知センサ14は、TCU1が搭載された車両に生じた衝撃を検出し、検出した衝撃の強さに応じた信号を制御部18に出力する。衝撃検知センサ14としては、例えば、振動センサ、音量センサ、加速度センサ等の、衝撃で車体に発生する振動、音、加速度を検知する装置を用いることができる。
【0012】
TCU1は、GPSアンテナ15と、GPS受信機16とを備える。GPS受信機16は、GPSアンテナ15、制御部18及び電源切替部17に接続している。GPS受信機16は、GPSアンテナ15により受信するGPS信号に基づいて、TCU1が搭載された車両の現在位置を算出する。GPS受信機16は、算出した現在位置を制御部18に供給する。また、GPS受信機16は、定期的に、GPS受信機16がGPS信号を受信可能なGPS衛星の数を制御部18に通知する。
【0013】
TCU1は、電源切替部17を備える。電源切替部17は、モデム12、RTC13、衝撃検知センサ14、GPS受信機16、制御部18及びCAN(Controller Area Network)送受信部20に接続している。また、電源切替部17は、電源ラインに接続し、電源ラインから電力の供給を受ける。電源切替部17は、電源ラインから供給された電力を、制御部18の制御に従って、電源切替部17に接続する各部に供給する。
【0014】
TCU1は、制御部18を備える。制御部18は、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit:不図示)と、メモリ(
図5参照)19とを備える。メモリ19は、磁気的、光学的記憶媒体又は半導体記憶素子で構成される不揮発性記憶装置である。メモリ19には、制御プログラムが記録されている。また、メモリ19は、CPUのワークメモリとして使用され、CPUが演算に使用するデータや、CPUによる演算後のデータ等が保存される。CPUやメモリ19等のハードウェアと、メモリ19に記録された制御プログラムとの協働によって実現される機能ブロックについては、
図5を参照しながら説明する。
【0015】
TCU1は、CAN送受信部20を備える。CAN送受信部20は、制御部18、CANバス50及び電源切替部17に接続している。CANバス50には、複数のECU(Electronic Control Unit)100、光センサ101、撮影装置102等のノードが接続されている。各ノードは、車両に搭載されている。CAN送受信部20は、制御部18の制御に従って、CANバス50に接続したノードとCAN通信プロトコルに従って通信を行う。
【0016】
次に、
図2を参照しながらTCU1の備える電源モードと、各電源モードの場合にTCU1の各部に供給される電力とについて説明する。TCU1は、電源モードとして、通常モードと、低消費電力モードと、超低消費電力モードとを備える。
【0017】
通常モードは、TCU1の各部に、各部が動作可能な電力が供給されるモードである。例えば、車両のイグニッションスイッチ(以下、IGスイッチと略記する)がオンされている場合、TCU1は通常モードの状態にある。
【0018】
低消費電力モードは、TCU1の各部への電力供給が、通常モードの場合よりも制限されたモードである。例えば、車両のIGスイッチがオフであって、TCU1が携帯電話網の通信可能エリア内にある場合に、TCU1は、低消費電力モードとなる。低消費電力モードでは、車両のバッテリ負担を軽減するため、TCU1の各部への電力供給は制限される。TCU1の各部は、省電力モードで動作し、処理を実行可能な待機状態となる。例えば、モデム12は、間欠受信動作により基地局(不図示)から送信される信号を受信している。車両の外部から車両のエアコンを制御する場合、車両の携帯機から送信される制御信号をモデム12で受信する。モデム12が制御信号を受信したことを契機に、TCU1は通常モードに移行し、制御部18は、CAN送受信部20を介して車両に制御信号を送信する。
【0019】
超低消費電力モードは、モデム12への電力供給がオフされたモードである。TCU1の他の各部への電力供給は、低消費電力モードの場合と同様に省電力モードとなる。例えば、車両のIGスイッチがオフであって、TCU1が携帯電話網の通信可能エリア内にない場合に、TCU1は、超低消費電力モードとなる。超低消費電力モードでは、モデム12の電源がオフであるため、無線通信による車両の制御はできないが、電力消費を削減するという観点で最も優れている。
【0020】
図3に、各動作モードにおける消費電流の平均値を示す。IGスイッチがオンであって、TCU1が通常動作モードである場合、TCU1の消費電流の平均値は、1.0Aとなる。IGスイッチがオフであって、TCU1が低消費電力モードである場合、TCU1の消費電流の平均値は、1.0mAとなる。また、IGスイッチがオフであって、TCU1が超低消費電力モードである場合、TCU1の消費電流の平均値は、0.1mAとなる。
【0021】
図4には、IGスイッチがオフされた際に、TCU1が携帯電話網の通信可能エリア内になく、TCU1を低消費電力モードに移行させた場合の消費電流の平均値を示す。携帯電話網の通信可能エリア内にない場合に、TCU1を低消費電力モードに移行させると、モデム12が通信可能な基地局をサーチする必要があるため、消費電流の平均値は、5.0mAと大きくなる。このため、本実施形態は、IGスイッチがオフであって、TCU1が携帯電話網の通信可能エリア内にない場合に、TCU1を超低消費電力モードに移行させる。そして、TCU1は、所定間隔で携帯電話網の通信可能エリア内に復帰したか否かを判定する。この処理の詳細については後述する。
【0022】
次に、制御部18の機能ブロック180について説明する。機能ブロック180は、メモリ19に記録された制御プログラムがCPUにより実行されることによって実現される。制御部18は、機能ブロック180として、入力部181と、出力部182と、判定部183と、判定タイミング決定部184とを備える。
【0023】
入力部181は、制御部18の外部の装置であるモデム12、衝撃検知センサ14、GPS受信機16、CAN送受信部20にバス等の信号線で接続している。また、入力部181は、制御部18の内部の装置であるメモリ19に接続している。また、入力部181は、機能ブロック180内の判定部183及び判定タイミング決定部184に接続している。
入力部181は、制御部18の外部の装置であるモデム12、衝撃検知センサ14、GPS受信機16、CAN送受信部20から出力されるデータを入力する。入力部181は、入力したデータをメモリ19に保存する。また、入力部181は、モデム12から出力される通信可否情報を判定部183に出力する。通信可否情報とは、モデム12が携帯電話網を介した通信が可能な状態にあるか否か、すなわち、携帯電話網の基地局と通信可能な状態にあるか否かを示す情報である。また、入力部181は、モデム12から出力される受信電界強度の情報を判定タイミング決定部184に出力する。受信電界強度の情報とは、モデム12が携帯電話網の基地局から受信する電波の強度を表す情報である。また、入力部181は、GPS受信機16から出力されるGPS衛星数の情報を判定タイミング決定部184に出力する。GPS衛星数の情報は、GPS受信機16がGPS信号を受信可能なGPS衛星の数の情報である。また、入力部181は、CAN送受信部20がノードから受信した割り込み入力を判定タイミング決定部184に出力する。割り込み入力は、光センサ101により測定される、車両が受ける光の強度に変化が生じた場合、撮影装置102により撮影される画像に変化が生じた場合、車両のドアや窓が開閉された場合等に入力される。
【0024】
出力部182は、制御部18の内部の装置である判定部183と判定タイミング決定部184とに接続している。また、出力部182は、制御部18の外部の装置であるモデム12、電源切替部17及びCAN送受信部20にバス等の信号線で接続している。出力部182は、判定部183や判定タイミング決定部184からデータを入力し、入力したデータを、信号線に出力する。
【0025】
判定部183は、モデム12を制御し、モデム12が携帯電話網を介した無線通信が可能な状態にあるか否かを判定する。すなわち、判定部183は、モデム12に、携帯電話網への接続を実行させる。モデム12は、携帯通信網に接続できた場合には、通信可を示す通信可否情報を判定部183に送る。また、モデム12は、携帯電話網に接続できなかった場合には、通信不可を示す通信可否情報を判定部183に送る。判定部183は、モデム12から入力した通信可否情報を判定タイミング決定部184に渡す。
【0026】
判定タイミング決定部184は、入力部181、判定部183、出力部182に接続している。また、判定タイミング決定部184は、制御部18の外部の装置であるRTC13に接続している。判定タイミング決定部184は、車両の駆動源が停止した状態にあり、携帯電話網を介した無線通信が可能な状態ではないと判定部183により判定された場合に、所定の条件が成立するまで、判定部183による判定動作を停止させる。
また、判定タイミング決定部184は、所定の条件を、車両の駆動源が停止する前の、携帯通信網の受信電界強度の変化と、車両の駆動源が停止する前の、第2通信部がGPS信号を受信可能なGPS衛星の数の変化との少なくとも一方に基づいて決定する。なお、本実施形態においては、車両の駆動源はエンジンであるが、車両が電気自動車である場合には、モータが駆動源となる。また、車両がハイブリッド車である場合には、エンジンとモータとの少なくとも一方を意味する。また、判定タイミング決定部184は、動作モードが超低消費電力モードである場合に、RT13から割り込み信号を入力すると、起動して通常モードに移行する。
【0027】
判定タイミング決定部184の処理について具体的に説明する。判定タイミング決定部184は、エンジンの駆動中に、モデム12から所定間隔で送信される、携帯電話網の受信電界強度の情報を入力し、メモリ19に順次保存する。また、判定タイミング決定部184は、エンジンの駆動中に、GPS受信機16から所定間隔で送信される、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の情報を入力し、メモリ19に順次保存する。また、判定タイミング決定部184は、CAN送受信部20から所定間隔で送信される、車両の情報としての速度情報を入力し、メモリ19に順次保存する。
また、判定タイミング決定部184は、IGキーがオフされた旨の通知を車両の情報としてCAN送受信部20を介して入力すると、モデム12に携帯通信網への接続を実行させ、モデム12が携帯通信網への接続が可能であるか否かを判定部183に判定させる。判定タイミング決定部184は、判定部183から通信可の通信可否情報を入力した場合、電源切替部17を制御して、TCU1を低消費電力モードに移行させる。また、判定タイミング決定部184は、判定部183から通信不可の通信可否情報を入力した場合、電源切替部17を制御して、TCU1を超低消費電力モードに移行させる。
【0028】
判定タイミング決定部184は、TCU1が超低消費電力モードに移行した場合に、所定の条件が成立すると、モデム12に電源を供給して、携帯電話網の通信可能エリアに復帰したか否かを判定部183に判定させる。所定の条件は、エンジン停止前にメモリ19に保存した、携帯電話網の受信電界強度の情報と、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の情報との少なくとも一方に基づいて決定される。判定タイミング決定部184は、車両のエンジンが停止する前の受信電界強度の変化が、第1しきい値よりも大きいか否かを判定(以下、第1判定と呼ぶ)する。又は、判定タイミング決定部184は、車両のエンジンが停止する前のGPS衛星数の変化が、第2しきい値よりも大きいか否かを判定(以下、第2判定と呼ぶ)する。判定タイミング決定部184は、第1判定で肯定判定がされた場合、又は第2判定で肯定判定がされた場合には、車両から取得する情報に基づいて車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、判定部183による判定を中止させる。肯定判定とは、受信電界強度の変化が第1しきい値よりも大きいと判定される場合であり、GPS衛星数の変化が第2しきい値よりも大きいと判定される場合である。
また、判定タイミング決定部184は、第1判定が否定判定である場合、又は第2判定が否定判定である場合、所定の時間間隔で、判定部183による判定を実行させる。否定判定とは、受信電界強度の変化が第1しきい値以下と判定される場合であり、GPS衛星数の変化が第2しきい値以下と判定される場合である。
【0029】
図6には、GPS信号を受信可能なGPS衛星数と、受信電界強度との変化の一例を示す。
図6に示す例では、通信可能エリア内では、−70dBm程度の中電界であった受信電界強度が、通信可能エリアの外への移動により大幅に劣化し、例えば、−120dBmまで低下した場合が示されている。また、通信可能エリア内では、6個程度であった受信可能なGPS衛星数が、突然ゼロになった場合が示されている。このような受信電界強度やGPS衛星数の大きな変動は、車両が、外部からの電波を遮蔽されるような環境に入ったことが要因であると想定される。電波が遮蔽されるような環境とは、例えば、車両が車庫に入った場合が想定される。
判定タイミング決定部184は、エンジンが停止し、動作モードが超低消費電力モードとなると、エンジン停止前にメモリ19に保存した携帯電話網の受信電界強度の情報を使用して第1判定を行う。又は、判定タイミング決定部184は、エンジン停止前にメモリ19に保存したGPS信号を受信可能なGPS衛星数の情報とを使用して第2判定を行う。第1判定が肯定判定である場合、又は第2判定が肯定判定である場合、判定タイミング決定部184は、車両から取得する情報に基づいて車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、判定部183による判定を中止させる。例えば、遮蔽物が車庫である場合には、車庫のシャッターが開かれたことを検出した場合に、判定部183に判定処理を実行させる。シャッターの開閉は、例えば光センサ101や撮影装置102で検出することができる。例えば、シャッターが開かれ、車両が受ける光の強度の変化を光センサ101で検出した場合や、撮影装置102により撮影される画像の変化を検出した場合に、判定タイミング決定部184は、車両の周囲の状況に変化があったと判定する。また、衝撃検知センサ14により車両に衝撃を受けたことが検出された場合に、判定タイミング決定部184が、判定部183に判定処理を実行させてもよい。また、GPS受信機16で算出される車両の現在位置に変化が生じた場合に、判定タイミング決定部184が、判定部183に判定処理を実行させてもよい。さらに、車両から取得する情報として、車両のドアや窓が開閉された情報を入力した場合に、判定タイミング決定部184が、判定部183に判定処理を実行させてもよい。
【0030】
図7は、GPS信号を受信可能なGPS衛星数と、受信電界強度との変化の他の例を示す。
図7に示す例では、携帯電話網の受信電界強度も、受信可能なGPS衛星数も少しずつ劣化(減少)している。このような場合、TCU1を搭載した車両が、携帯電話網の基地局が整備された都心から、基地局数の少ない郊外へ移動した場合が想定される。すなわち、基地局からの電波が距離減衰によってTCU1に到達していないことにより通信可能エリア外となったと考えられる。このような場合、頻繁に、判定部183に判定処理を実行させるのは好ましくない。
判定タイミング決定部184は、エンジン停止前にメモリ19に保存した情報を使用して第1判定又は第2判定を行う。第1判定又は第2判定が否定判定である場合、判定タイミング決定部184は、予め定められた一定周期ごとに、携帯電話網に接続可能であるか否を判定する。
ここで、無線通信を行う通信部が、車両に搭載されたTCU1のモデム12である場合と、携帯電話であるとの相違点について説明する。車両のIGスイッチがオフの場合、TCU1が移動して、携帯電話網の通信可能エリア内に直ちに復帰する可能性は低い。このため、判定部183に、携帯電話網の通信可能エリア内に復帰したか否かを判定させる判定間隔は十分長くとることができる。一方、携帯電話は、通常、ユーザによって持ち歩かれる。通信可能エリアに復帰したかどうかの判定間隔を長く設定すると、通信可能エリアに復帰しているにも関わらず、通信ができない場合がある。このため、携帯電話の場合、通信可能エリアに復帰したかどうかの判定間隔を長く設定することはできない。
【0031】
次に、
図8及び9に示すフローチャートを参照しながら制御部18の処理フローを説明する。制御部18は、まず、モデム12から受信電界強度の情報を入力したか否かを判定する(ステップS1)。モデム12は、所定時間ごとに、携帯電話網の受信電界強度の情報を制御部18に送る。制御部18は、モデム12から受信電界強度の情報を入力すると(ステップS1/YES)、入力した受信電界強度の情報をメモリ19に保存し(ステップS2)、ステップS3に移行する。メモリ19には、受信電界強度の情報が時間の経過順に保存される。また、制御部18は、ステップS1の判定が否定判定の場合、ステップS3の判定に移行する。ステップS3では、制御部18は、GPS受信機16からGPS信号を受信可能なGPS衛星数の情報を入力したか否かを判定する(ステップS3)。GPS受信機16は、所定時間ごとに、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の情報を制御部18に送る。制御部18は、GPS受信機16からGPS衛星数の情報を入力すると(ステップS3/YES)、入力したGPS衛星数の情報をメモリ19に保存し(ステップS4)、ステップS5に移行する。メモリ19には、GPS衛星数の情報が時間の経過順に保存される。また、制御部18は、ステップS3の判定が否定判定の場合、ステップS5の判定に移行する。
【0032】
ステップS5では、制御部18は、CAN送受信部20から車両の情報を表すデータを受信したか否かを判定する(ステップS5)。車両の情報には、車速、IGスイッチ等の操作情報、光センサ101で測定される光の強度情報、撮影装置102により撮影される画像の情報等が含まれる。CAN送受信部20は、CANバス50を介して車両の情報を表すデータを受信した場合、受信したデータを制御部18に送る。制御部18は、CAN送受信部20から車両の情報を表すデータを入力すると、入力したデータをメモリ19に保存し(ステップS6)、ステップS7の処理に移行する。また、制御部18は、ステップS5の判定が否定判定の場合、ステップS7の判定に移行する。
ステップS7では、制御部18は、IGスイッチがオフされたか否かを判定する(ステップS7)。制御部18は、CAN送受信部20を介してIGスイッチオフの通知を受信すると(ステップS7/YES)、ステップS8の処理に移行する。また、IGスイッチオフの通知を受信していない場合(ステップS7/NO)、制御部18は、ステップS1の処理に移行し、ステップS1〜S7の処理を繰り返す。
【0033】
次に、
図9に示すフローチャートを参照しながらステップS7移行の処理について引き続き説明する。ステップS8では、制御部18は、携帯電話網への接続が可能な状態であるか否かをモデム12に問い合わせる(ステップS8)。モデム12は、携帯電話網に接続中の場合には、通信可を示す通信可否情報を制御部18に送る。また、モデム12は、携帯電話網に接続していない場合には、携帯電話網への接続を試みる。携帯電話網に接続できた場合には、モデム12は、通信可を示す通信可否情報を制御部18に送る。また、モデム12は、携帯電話網に接続できなかった場合には、通信不可を示す通信可否情報を制御部18に送る。
【0034】
制御部18は、モデム12からの通信可否情報により携帯電話網への接続が可能(すなわち、通信可能エリア内に位置する)と判定すると(ステップS8/YES)、低消費電力モードに移行する(ステップS9)。低消費電力モードでは、モデム12、GPS受信機16は、省電力モードであるため、TCU1は所定時間ごとに起動して、基地局から送信される通信データや、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。また、制御部18は、CAN送受信部20からIGスイッチがオンされた旨の通知を入力したか否かを判定する(ステップS10)。IGスイッチがオンされた旨の通知を入力すると(ステップS10/YES)、制御部18は、通常モードに移行し、ステップS1からの処理を行う。また、IGスイッチがオンされた旨の通知を入力していない場合(ステップS10/NO)、制御部18は、CAN送受信部20からIGスイッチがオンされた旨の通知を入力するまで待機する(ステップS10)。
【0035】
次に、ステップS8の判定において、携帯電話網への接続が不可能(否定判定)である場合について説明する。制御部18は、通信不可を示す通信可否情報をモデム12から入力した場合(ステップS8/NO)、メモリ19に保存した受信電界強度の情報により、受信電界強度の変化が第1しきい値以下か否かを判定する(ステップS11)。メモリ19には、エンジンが駆動中の受信電界強度の情報が時間の経過順に保存されている。制御部18は、エンジンが停止する直前の受信電界強度の情報を用いて、エンジン停止直前の受信電界強度の変化が第1しきい値以下か否かを判定する(ステップS11)。エンジン停止直前の受信電界強度の変化が第1しきい値以下である場合(ステップS11/YES)、制御部18は、基地局数の少ない郊外への移動と判定し、超低消費電力モードに移行する(ステップS12)。そして、制御部18は、一定時間を経過(ステップS13/YES)するごとに、モデム12の電源をオンし(ステップS15)、携帯電話網への接続が可能な状態であるか否かをモデム12に問い合わせる(ステップS8)。また、一定時間を経過する前に、IGスイッチがオンされた場合には(ステップS14/YES)、制御部18は、動作モードを通常モードに移行させ、ステップS1からの処理を実行する。
また、エンジン停止直前の受信電界強度の変化が第1しきい値よりも大きいと判定すると(ステップS11/NO)、制御部18は、車両周辺の遮蔽物により電波が遮蔽されていると判定して、超低消費電力モードに移行する(ステップS16)。そして、制御部18は、割り込み入力があるまで待機する(ステップS17)。例えば、光センサ101で検出される、車両が受ける光の強度の変化や、撮影装置102により撮影される画像の変化が検出された場合に、制御部18は、光センサ101や撮影装置102から割り込み入力を入力する。また、衝撃検知センサ14により車両に衝撃を受けたことが検出された場合に、制御部18は、衝撃検知センサ14から割り込み入力を入力する。割り込み入力を検出すると(ステップS17/YES)、制御部18は、モデム12の電源をオンし(ステップS15)、携帯電話網への接続が可能な状態であるか否かをモデム12に問い合わせる(ステップS8)。また、割り込み入力を検出する前に、IGスイッチがオンされた場合には(ステップS18/YES)、制御部18は、動作モードを通常モードに移行させ、ステップS1からの処理を実行する。
なお、この処理フローでは、ステップS11の判定において、受信電界強度の変化が第1しきい値以下であるか否かを判定していた。これ以外に、GPS信号を受信可能なGPS衛星数の変化に基づいてステップS11の判定を行ってもよいし、受信電界強度の変化とGPS衛星数の変化とに基づいてステップS11の判定を行ってもよい。
【0036】
以上、説明したように本実施形態は、車両のエンジンが停止した状態にあり、携帯電話網を介した無線通信が可能な状態ではないと判定部183により判定された場合には、モデム12を動作させてモデム12が無線通信を可能な状態にあるか否かを判定部183に判定させる判定動作を、所定の条件が成立するまで停止させる。このため、車両のエンジンが停止した状態にあり、携帯電話網を介した無線通信が可能な状態ではない場合の電力消費を削減することができる。
また、本実施形態は、エンジン停止前の、モデム12とGPS受信機16との少なくとも一方の通信状況の変化に基づいて、モデム12に、携帯電話網への接続を実行させる条件を決定する。例えば、エンジン停止前の、携帯電話網の受信電界強度の変化が第1しきい値よりも大きい場合、又はGPS衛星数が第2しきい値よりも大きい場合、携帯電話網の通信可能エリア内に車両が存在するが、車庫等の建物によって電波を遮蔽される場合が想定される。また、エンジン停止前の、携帯電話網の受信電界強度の変化が第1しきい値以下の場合、又はGPS衛星数が第2しきい値以下の場合は、基地局が整備された都心から、基地局数の少ない郊外に移動した場合が想定される。このため、車両の停車位置における通信状況を適切に判断して、モデム12に、携帯電話網への接続を実行させるタイミングを変更することで、モデム12による無駄な通信を削減し、エンジン停止状態での消費電力を削減することができる。
【0037】
また、携帯電話網の受信電界強度の変化が第1しきい値よりも大きい場合、又はGPS衛星数が第2しきい値よりも大きい場合には、車両が、電波の受信を遮蔽された状況下にあると判定される。この場合、車両から取得する情報に基づいて、車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで、モデム12に、携帯電話網への接続を中止させる。従って、車両の周囲の状況に変化があると判定されるまで携帯電話網への接続を行わないことで、携帯電話網への接続動作による無駄な消費電力を削減することができる。
【0038】
また、携帯電話網の受信電界強度の変化が第1しきい値以下の場合、又はGPS衛星数が第2しきい値以下の場合は、車両が、電波の受信を遮蔽された状況下にはないと判定される。この場合、モデム12に、所定の時間間隔で携帯電話網への接続を実行させる。気温や天候等の変化により電波距離減衰特性が変動し、携帯電話網への接続が可能となる場合もある。このため、所定の時間間隔で携帯電話網への接続を実行することで、携帯電話網に接続可能な場合には接続し、携帯電話網を介して情報を取得することができる。
【0039】
また、エンジンが停止し、モデム12が携帯電話網を介した通信が可能な状態にはないと判定されると、モデム12への電源供給を停止させる。従って、エンジンが停止した場合に、車両のバッテリの消費電力を削減することができる。
【0040】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものである。ただし、これに限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。例えば、上述した実施形態では、IGスイッチがオフされた場合に、TCU1の動作モードを変更していた。これ以外に、例えば、電気自動車において、車両の走行可能状態とは別にアクセサリースイッチがオンオフできる場合、アクセサリースイッチのオンによりTCU1の動作モードを通常モードから超低消費電力モードに移行させてもよい。