(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286210
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20180215BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20180215BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180215BHJP
C23C 14/24 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
C23C14/04 A
H05B33/10
H05B33/14 A
C23C14/24 G
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-3152(P2014-3152)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-218732(P2014-218732A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0053238
(32)【優先日】2013年5月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(72)【発明者】
【氏名】韓 政▲ウォン▼
【審査官】
塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第2003−0077370(KR,A)
【文献】
米国特許第04626737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
H01L 51/50
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクフレーム上に引張られて溶接されるファインメタルマスクであって、
開口部が形成されて前記マスクフレームに結合される板状の本体部と、
前記本体部から第1方向に突出するように形成されて第2方向に沿って延長形成される少なくとも1つの第1屈曲部を含む変形部とを含み、
前記変形部が、
前記本体部から前記第1方向に突出するように形成され、前記第2方向と直交する第3方向に延長形成された少なくとも1つの第2屈曲部をさらに含み、
前記本体部の厚さが一定に維持され、前記本体部の異なる寸法のうちの少なくとも1つが増加するように、前記変形部が前記本体部に加えられる引張力によって展開されながら変形するように構成されていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1屈曲部が、複数の第1屈曲部のうちの1つであり、
前記複数の第1屈曲部が、互いに一定間隔で離隔するように形成され、
前記複数の第1屈曲部それぞれの間に前記開口部が位置することを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1屈曲部が、前記本体部の1つ以上の特定領域に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
前記1つ以上の特定領域が、前記本体部の中央領域に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のマスク。
【請求項5】
前記1つ以上の特定領域が、前記本体部の1つ以上の角に隣接して形成されたことを特徴とする請求項3に記載のマスク。
【請求項6】
前記第1屈曲部の垂直断面の形状が、半円形、半楕円形および多角形の中から選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2屈曲部が、複数の第2屈曲部のうちの1つであり、
前記複数の第2屈曲部が、互いに一定間隔で離隔するように形成され、
前記複数の第2屈曲部それぞれの間に前記開口部が位置することを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項8】
前記複数の第2屈曲部が、前記本体部の1つ以上の特定領域に形成されたことを特徴とする請求項1または7に記載のマスク。
【請求項9】
前記1つ以上の特定領域が、前記本体部の中央領域に形成されたことを特徴とする請求項8に記載のマスク。
【請求項10】
前記1つ以上の特定領域が、前記本体部の1つ以上の角に隣接して形成されたことを特徴とする請求項8に記載のマスク。
【請求項11】
前記第2屈曲部の垂直断面の形状が、半円形、半楕円形および多角形の中から選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項12】
前記第1方向が、前記本体部を基準として上方または下方に延長されることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項13】
前記変形部が、少なくとも2つの第1屈曲部を含み、
前記少なくとも2つの第1屈曲部のうちの少なくとも1つは、前記第1方向に突出し、
前記少なくとも2つの第1屈曲部のうちの少なくとも他の1つは、前記第1方向と反対方向に突出することを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項14】
前記変形部が、Cr、Cu、Ni、Fe、Sn、Ti、およびAlのうちのいずれか1つ以上の金属を含むことを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項15】
前記変形部が、ポリマーからなることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項16】
前記変形部が、前記本体部と同一または異なる素材からなることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファインメタルマスク(FMM:fine metal mask)は、大型基板に有機物を蒸着するためのマスクである。蒸着工程を利用して有機発光表示装置を製造するためには、基板上に形成される薄膜などのパターンと同一のパターンを有するファインメタルマスクを整列する。そして、薄膜の元素材を蒸着して所望のパターンの薄膜を形成することが必要である。
【0003】
このようなファインメタルマスクは、金属エッチング(etching)工程、レーザ加工、フォトリソグラフィ(Photolithography)工程、電鋳メッキ工程などの多様な方法で製作される。そして、このようなファインメタルマスクは、平面上にパターンを存在させる方式で製作されている。このように製作されたファインメタルマスクは、マスクフレーム(Mask Frame)上に引張られて溶接された後に蒸着工程に利用されるのが一般的である。
【0004】
一方、ファインメタルマスクの引張時、ファインメタルマスクに加えられる引張力によって引張られる前のファインメタルマスクの厚さに比べて、引張られた後のファインメタルマスクの全体領域で厚さが減少する。これにより、ファインメタルマスクとマスクフレームとの間の引張溶接工程、蒸着工程、蒸着工程進行後の洗浄工程進行時に、ファインメタルマスクの厚さの減少による耐久性の減少でファインメタルマスクが損傷したり破損したりする問題が発生することがある。特に、このような問題は、ファインメタルマスクが次第に大面積化されるにつれ、引張力の増加要求によってさらに重く憂慮されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、引張られた状態でフレームに結合される過程で厚さが減少しないようにしたマスクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態にかかるマスクは、板状となり、開口部が形成された板状の本体部と、前記本体部から第1方向に突出するように形成され、第2方向に沿って延長形成される少なくとも1つの第1屈曲部を含む変形部とを含む。
【0007】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの第1屈曲部は、複数の第1屈曲部のうちの1つであり、前記複数の第1屈曲部は、互いに一定間隔で離隔するように形成され、前記複数の第1屈曲部それぞれの間に前記開口部が位置する。
【0008】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの第1屈曲部は、前記本体部の1つ以上の特定領域に形成される。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記1つ以上の特定領域は、前記本体部の中央領域に形成される。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記1つ以上の特定領域は、前記本体部の1つ以上の角に隣接して形成される。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記第1屈曲部の垂直断面の形状は、半円形、半楕円形および多角形の中から選択されたいずれか1つである。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記変形部は、前記本体部から前記第1方向に突出するように形成され、前記第2方向と直交する第3方向に延長形成された少なくとも1つの第2屈曲部をさらに含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1つの第2屈曲部は、複数の第2屈曲部のうちの1つであり、前記複数の第2屈曲部は、互いに一定間隔で離隔するように形成され、前記複数の第2屈曲部それぞれの間に前記開口部が位置する。
【0014】
本発明の一実施形態では、前記複数の第2屈曲部は、前記本体部の1つ以上の特定領域に形成される。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記1つ以上の特定領域は、前記本体部の中央領域に形成される。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記1つ以上の特定領域は、前記本体部の1つ以上の角に隣接して形成される。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記第2屈曲部の垂直断面の形状は、半円形、半楕円形および多角形の中から選択されたいずれか1つである。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記第1方向は、前記本体部を基準として上方または下方に延長される。
【0019】
本発明の一実施形態では、前記変形部は、少なくとも2つの第1屈曲部を含み、前記2つの第1屈曲部のうちの少なくとも1つは、前記第1方向に突出し、前記2つの第1屈曲部のうちの少なくとも他の1つは、前記第1方向と反対方向に突出する。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記変形部は、Cr、Cu、Ni、Fe、Sn、TiおよびAlのうちのいずれか1つ以上の金属を含む。
【0021】
本発明の一実施形態では、前記変形部は、ポリマー(polymer)からなる。
【0022】
本発明の一実施形態では、前記変形部は、前記本体部と同一または異なる素材からなる。
【0023】
本発明の一実施形態では、前記本体部の厚さは一定に維持され、前記本体の異なる寸法のうちの少なくとも1つは増加するように、前記変形部が前記本体部に加えられる引張力によって展開されながら変形する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態にかかるマスクは、引張られる過程で変形部が展開されながら全体的な形状のみが変形し、厚さは減少せずに維持される。このように、マスク全体の厚さが初期の厚さをほぼそのまま維持することによって、全体的な耐久性が増大し、前記引張溶接工程、蒸着工程および洗浄工程などでマスクの耐久性問題による損傷または破損を防止することができる。
【0025】
そして、本発明にかかるマスクの耐久性の増大によって、生産工程での使用時間が増加する。そして、これによって追加的なマスク製作量を減少させることができ、有機発光表示装置の生産原価の節減に寄与することができる。
【0026】
また、本発明にかかるマスクの引張溶接時、外部から高い引張力が印加される場合にも、外力に対して抵抗性を有するようになる。これによって、大面積の有機発光表示装置を製造するためにマスクの大きさをさらに増加させても、マスクの形状が安定的に維持され、蒸着工程での信頼性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかるマスクを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示された本発明の第1実施形態にかかるマスクにおいて開口部の変形例を示す斜視図である。
【
図3】(A)は、
図2に示された本発明の第2実施形態にかかるマスクにおけるA−A’ライン断面図であり、(B)ないし(E)は、変形部の多様な垂直断面の形状を示す断面図である。
【
図4】
図2に示された本発明の第2実施形態にかかるマスクにおいて変形部の変形例による多様な断面の形状を示す断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態にかかるマスクを示す斜視図である。
【
図6A】本発明の第3実施形態にかかるマスクを示す斜視図である。
【
図6B】
図6Aに示された本発明の第3実施形態にかかるマスクにおけるB−B’ライン断面図である。
【
図6C】
図6Aに示された本発明の第3実施形態にかかるマスクにおけるC−C’ライン断面図である。
【
図7A】本発明の第4実施形態にかかるマスクを示す平面図である。
【
図7B】
図7Aに示された本発明の第4実施形態にかかるマスクにおけるD−D’ライン断面図である。
【
図8A】本発明の第5実施形態にかかるマスクを示す平面図である。
【
図8B】
図8Aに示された本発明の第5実施形態にかかるマスクにおけるE−E’ライン断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参考にして、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
また、様々な実施形態において、同一の構成を有する構成要素については、同一の符号を用いて代表的な第1実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については、同一の参照符号を付す。
【0031】
明細書全体において、ある部分が他の部分に「連結」されているとする時、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に別の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態にかかるマスクを示す斜視図である。
【0033】
図1を参照すれば、本発明の第1実施形態にかかるマスク100は、本体部110と、変形部120とを含む。
【0034】
本体部110は、板状となり、複数の開口部111aが形成される。このような本体部110は、剛性に優れた金属からなることが好ましい。これは、本体部110が、図示しないマスクフレームに溶接によって結合される場合、溶接による変形を最少化することができる。それだけでなく、本体部110の自重によって変形するのを防止することができる。例えば、本体部110は、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)またはステンレススチール(SUS)からなるとよい。あるいは、本体部110は、前記物質が1つ以上混合された混合物からなるか、前記物質からなる複数の層(layer)からなるとよい。
【0035】
そして、開口部111aは、ディスプレイ装置の製造に用いられる基板に形成される1つの画素に対応する大きさになるものである。一般的な有機発光表示装置は、グリーン画素、ブルー画素、およびレッド画素の3つの画素が1つのグループをなして色を表現できるが、開口部111aは、各画素1つに対応する大きさである。
【0036】
ここで、有機発光表示装置は、グリーン画素、ブルー画素、およびレッド画素の3つの画素が1つのグループをなして色を表現すると記載したが、これは説明の便宜のために仮定したものに過ぎず、設計によってはグループに白色発光画素を追加することも可能である。
【0037】
そして、
図2に示されているように、開口部111bは、本体部110にパターン化されて形成できる。このようなパターン化された開口部111bは、電鋳(Electro forming)法によって微細なパターニングと、表面平滑性を得るように形成できる。そして、開口部111bは、エッチング法や、レーザ加工などによって製造できる。開口部111bがエッチング法によって製造される場合、フォトレジストを利用して開口部111bと同一のパターンを有するレジスト層を薄板に形成するか、パターンを有するフィルムを薄板に付着した後、薄板をエッチングする方法によって形成できる。
【0038】
変形部120は、複数の第1屈曲部121を含む。第1屈曲部121は、本体部110から第1方向に突出するように形成され、本体部110を横切る第2方向に沿って形成される。
【0039】
より詳細に説明すれば、第1屈曲部121は、1つまたは複数からなるとよい。変形部120が複数の第1屈曲部121からなる場合、複数の第1屈曲部121は、第1間隔P1で離隔するように形成できる。この時、第1屈曲部121それぞれの断面が同一であると見られるが、1つ以上の第1屈曲部121は、互いに異なる断面を有することができる。
【0040】
そして、複数の第1屈曲部121それぞれの間に開口部111a、111bが位置できる。
図1および
図2を参照すれば、開口部111a、111bは、第2間隔P2で離隔するように形成できる。
図2を参照すれば、パターンをなす開口部111bそれぞれは、第3間隔P3で離隔するように形成できる。
【0041】
つまり、第1屈曲部121は、本体部110で開口部111aが形成されない部分に形成できる。例えば、開口部111aが本体部110を横切るライン形状に形成された場合、第1屈曲部121は、いずれか1つの開口部111aと、これに隣接した他の開口部111aとの間に形成できる。これとは異なって、開口部111aがパターンをなすように形成された場合、本体部110で開口部111aの間ごとに第1屈曲部121が形成できる。
【0042】
そして、
図1および
図2で第1屈曲部121が本体部110全体にわたって形成されたものとして示したが、これに限定されず、第1屈曲部121は、本体部110の特定領域に形成されることも可能である。
【0043】
例えば、図示しないが、第1屈曲部121が本体部110の中央領域にのみ形成できる。これとは異なって、第1屈曲部121が本体部110のいずれか1つの角に隣接した領域にのみ形成できる。
【0044】
このような構造からなる変形部120は、本体部110と同一の素材からなるとよい。
【0045】
これとは異なって、変形部120は、本体部110と異なる素材からなるとよい。変形部120の素材の一例として、Cr、Cu、Ni、Fe、Sn、TiおよびAlのうちのいずれか1つ以上の金属を含むことができる。また、変形部120は、ポリマー(polymer)からなるとよい。ポリマーは、1種類または複数種類の構成単位が互いに多数の化学結合で重合されて連結されている分子からなる化合物である。
【0046】
図3(A)は、
図2に示された本発明の第2実施形態にかかるマスクにおけるA−A’ライン断面図であり、(B)ないし(E)は、変形部の多様な垂直断面の形状を示す断面図である。
【0047】
図3を参照すれば、変形部120の垂直断面の形状は、半円形、半楕円形および多角形であり得る。例えば、
図3に示されているように、(A)半円形、(B)半楕円形、(D)三角形および(E)台形などになるとよい。そして、(C)に示されているように、変形部120で本体部110に隣接した部分は曲線からなり、上面は平面からなることも可能である。
【0048】
図3(A)ないし
図3(E)に示されているように、多様な第1屈曲部121はそれぞれ、第1方向に突出形成できる。
【0049】
図4に示されているように、変形部120は、本体部110を基準として上方または下方に突出して形成できる。そして、変形部120は、上方に突出したものと、下方に突出したものとが交互になるように形成されることも可能である。
【0050】
より詳細に説明すれば、いずれか1つの第1屈曲部121aは上方に突出し、このような第1屈曲部121aに隣接して位置する他の第1屈曲部121a’は下方に突出するように形成できる。
【0051】
図1に戻って、このような構造からなる本発明にかかるマスク100が、図示しないマスクフレームに結合される前、変形部120の形状は、前述のように、本体部110に対して突出した形状を維持する。そして、本発明にかかるマスク100が引張られて、図示しないマスクフレームに結合される過程で、変形部120は外力によって次第に展開されながら変形する。
【0052】
最終的に、本発明にかかるマスク100が、図示しないマスクフレームに結合された状態では、変形部120が平らに展開された形状になるとよい。つまり、本発明にかかるマスク100は、引張られる過程で変形部120が展開されながら全体的な形状のみが変形し、厚さは減少せずに維持される。このように、マスク100全体の厚さが初期の厚さをほぼそのまま維持することによって、全体的な耐久性が増大し、引張溶接工程、蒸着工程および洗浄工程などでマスク100の耐久性問題による損傷または破損を防止することができる。
【0053】
そして、本発明にかかるマスク100の耐久性の増大によって、生産工程での使用時間が増加する。そして、これによって追加的なマスク100製作量を減少させることができ、有機発光表示装置の生産原価の節減に寄与することができる。
【0054】
また、本発明にかかるマスク100の引張溶接時、外部から高い引張力が印加される場合にも、外力に対して抵抗性を有するようになる。これによって、大面積の有機発光表示装置を製造するためにマスク100の大きさをさらに増加させても、マスク100の形状が安定的に維持され、蒸着工程での信頼性が維持できる。
【0055】
図5は、本発明の第2実施形態にかかるマスクを示す斜視図である。
【0056】
図5を参照すれば、本発明の第2実施形態にかかるマスク200において、変形部220は、少なくとも1つの第2屈曲部222をさらに含むことができる。
【0057】
第2屈曲部222は、本体部110から第1方向に突出するように形成され、第2方向と直交する第3方向に本体部110を横切るように形成される。
【0058】
図5を参照すれば、第2屈曲部222は、1つまたは複数からなるとよい。変形部220が複数の第2屈曲部222からなる場合、複数の第2屈曲部222は、第4間隔P4で離隔するように形成できる。そして、複数の第2屈曲部222それぞれの間に開口部110bが位置できる。
【0059】
このような構造による本発明の第2実施形態にかかるマスク200は、前述した本発明の第1実施形態にかかるマスク100(
図1参照)とは異なって、本体部110で第2方向および第3方向に沿って変形部220が形成されている。そのため、マスク200が第2方向に引張られる場合にもマスク200全体の厚さが維持できるだけでなく、第3方向に引張られる場合にもマスク200全体の厚さが維持できる。
【0060】
そして、
図5において、第2屈曲部222が本体部110全体にわたって形成されるものとして示したが、これに限定されず、第2屈曲部222は、本体部110の特定領域に形成されることも可能である。
【0061】
例えば、図示しないが、第2屈曲部222が本体部110の中央領域にのみ形成できる。これとは異なって、第2屈曲部222が本体部110のいずれか1つの角に隣接した領域にのみ形成されることも可能である。
【0062】
そして、図示しないが、いずれか1つの第2屈曲部222は上方に突出し、これに隣接した他の第2屈曲部222は下方に突出するように形成されることも可能である。
【0063】
図6Aは、本発明の第3実施形態にかかるマスクを示す斜視図であり、
図6Bは、
図6Aに示された本発明の第3実施形態にかかるマスクにおけるB−B’ライン断面図であり、
図6Cは、
図6Aに示された本発明の第3実施形態にかかるマスク100におけるC−C’ライン断面図である。
【0064】
図6Aを参照すれば、本発明の第3実施形態にかかるマスク300は、本体部110と、変形部320とを含む。本体部110は、前述した第2実施形態にかかるマスク200(
図5参照)に含まれている本体部110と同一であるので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0065】
変形部320は、前述した実施形態にかかるマスク200(
図5参照)に含まれている変形部220(
図5参照)とは異なって、複数の第3屈曲部323からなる。第3屈曲部323は、本体部110から突出するように形成され、パターン(pattern)をなすように形成される。第3屈曲部323の形状の一例として、半球、円錐および多角錐の中から選択されたいずれか1つになるとよい。
【0066】
図6Aを参照すれば、複数の第3屈曲部323がパターンをなすように形成された形状を挙げて説明すれば、第3屈曲部323が横に5個位置し、縦に5個位置する。つまり、計25個の第3屈曲部323がパターンをなして本体部110に形成される。
【0067】
この時、第3屈曲部323それぞれは、第2方向に第7間隔P7、第3方向に第8間隔P8で離隔するように形成できる。
【0068】
ここで、第3屈曲部323が横に5個配置され、縦に5個配置されたものに限定されず、設計によって第3屈曲部323の個数は変更可能である。
【0069】
図6Aに示された本発明の第3実施形態にかかるマスク300では、第3屈曲部323が本体部110の開口部111bの対角線方向の空き空間に位置できる。これによって、
図6Bおよび
図6Cに示されているように、本体部110の開口部111bの横および縦方向の空き空間には第3屈曲部323が位置しなくてもよい。そして、第3屈曲部323は、互いに横および縦方向に互いに一定間隔をなすように位置できる。
【0070】
そして、図示しないが、このような変形部320の一例として、第3屈曲部323が本体部110全体に形成されず、本体部110の特定領域に形成されることも可能である。例えば、第3屈曲部323は、本体部110の中央領域にのみ形成できる。
【0071】
より詳細には、第3屈曲部323が本体部110の中央部分に横に3個配置され、縦に3個配置される。これとは異なって、本体部110の周縁に隣接した領域に沿って第3屈曲部323が形成され、本体部110の中央部分には第3屈曲部323が形成されなくてもよい。
【0072】
図7Aは、本発明の第4実施形態にかかるマスクを示す平面図であり、
図7Bは、
図7Aに示された本発明の第4実施形態にかかるマスクにおけるD−D’ライン断面図である。
【0073】
図7Aおよび
図7Bを参照すれば、第4屈曲部423は、多角錐になるとよい。前述した第3実施形態にかかるマスク300(
図6A参照)では、第3屈曲部323(
図6A参照)が半球形となっているが、本発明の第4実施形態にかかるマスク100では、第4屈曲部423が多角錐になるとよい。例えば、
図7Aに示されているように、第4屈曲部423は、多角錐の中でも四角錐になるとよい。そして、図示しないが、第4屈曲部423が四角錐、五角錐などとなり得ることは自明である。
【0074】
図8Aは、本発明の第5実施形態にかかるマスクを示す平面図であり、
図8Bは、
図8Aに示された本発明の第5実施形態にかかるマスクにおけるE−E’ライン断面図である。
【0075】
図8Aおよび
図8Bを参照すれば、本発明の第5実施形態にかかるマスク500において、変形部520を構成する第5屈曲部523は、図面に示された形状にパターンをなすことができる。本発明の一実施形態によれば、第5屈曲部523の一部は、第2方向に第7間隔P7、第3方向に第8間隔P8で離隔するように形成できる。一方、第5屈曲部523の他の一部は、第2方向に第9間隔P9、第3方向に第10間隔P10で離隔するように形成できる。より詳細に説明すれば、変形部520の形状は、1つの開口部111bを中心として、上下左右それぞれに第5屈曲部523が位置するものであり得る。
【0076】
このような構造からなる本発明の第5実施形態にかかるマスク500の引張時、本体部110に加えられる引張力によって変形部520が展開されながら変形し、引張される前のマスク500の厚さに比べて、引張された後のマスク500の厚さがほぼ同一に維持できる。
【0077】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、これまで参照した図面と記載された発明の詳細な説明は単に本発明の例示的なものであり、これは、単に本発明を説明するための目的で使用されたものであって、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、これより多様な変形および均等な他の実施形態が可能である点を理解することができる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付した特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0078】
100、200、300、400、500:マスク
110:本体部
111a、111b:開口部
120、220、320、420、520:変形部
121:第1屈曲部
222:第2屈曲部
323:第3屈曲部