特許第6286232号(P6286232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286232
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】オゾン発生装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   C01B13/11 M
   C01B13/11 H
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-39069(P2014-39069)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-160798(P2015-160798A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】川田 吉弘
(72)【発明者】
【氏名】津曲 一郎
【審査官】 廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−010647(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/140747(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/127670(WO,A1)
【文献】 特開2004−122105(JP,A)
【文献】 特開2003−014196(JP,A)
【文献】 特開昭60−029569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/00−13/36
F01N 3/00、3/02
F01N 3/04−3/38
F01N 9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を乾燥させるドライヤーと、
前記ドライヤーの乾燥させた前記空気を用いてオゾンを生成するオゾン発生器と、
直流電圧から交流電圧を生成して前記交流電圧を前記オゾン発生器に印加するDA変換器と、を備え、
前記オゾン発生器は、前記空気の流れる流路において、前記空気の流れる方向である流通方向にて前記ドライヤーよりも下流に位置し、
前記DA変換器は、前記流路にて前記ドライヤーよりも下流、かつ、前記オゾン発生器を超えない部位に位置する
オゾン発生装置。
【請求項2】
前記オゾン発生器は、オゾンを生成する空間を有し、
前記DA変換器は、
前記流路のうち、前記ドライヤーから前記オゾン発生器の前記空間に向かう部分の途中に位置する
請求項1に記載のオゾン発生装置。
【請求項3】
前記流路は、
前記ドライヤーと前記オゾン発生器とが位置する主流路と、前記主流路から分岐した分岐流路とを含み、
前記DA変換器は、前記分岐流路に位置する
請求項1または2に記載のオゾン発生装置。
【請求項4】
前記空気を前記空気よりも酸素の濃度が高い酸素富化空気と、前記空気よりも窒素の濃度が高い窒素富化空気とに分ける酸素富化器をさらに備え、
前記酸素富化空気と前記窒素富化空気とのうち、前記酸素富化空気が前記オゾンの生成に用いられ、
前記酸素富化器は、前記流通方向にて前記ドライヤーよりも下流、かつ、前記オゾン発生器よりも上流に位置し、
前記分岐流路は、前記窒素富化空気を前記酸素富化器から前記ドライヤーに向けて流す窒素富化空気流路であり、
前記DA変換器は、前記窒素富化空気流路に位置する
請求項3に記載のオゾン発生装置。
【請求項5】
前記DA変換器に前記直流電圧を供給する電源であって、前記流路における前記ドライヤーよりも下流、かつ、前記オゾン発生器を超えない部位に位置する前記電源と、
前記電源の内部を通って、前記電源を冷却する冷媒の流れる冷却流路と、をさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載のオゾン発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、空気中の酸素を用いてオゾンを生成するオゾン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の酸素を用いてオゾンを生成するオゾン発生装置が知られている。オゾン発生装置は、例えば、車両に搭載された排気浄化システムに含まれ、排気に含まれる一酸化窒素を酸化するためのオゾンを生成する。排気に含まれる一酸化窒素は、オゾンによって二酸化窒素に酸化され、選択還元触媒にて窒素に還元される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−10647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オゾン発生装置は、交流電圧の印加によってオゾンを生成するオゾン発生器を備えている。オゾン発生器に印加される交流電圧は、スパークギャップスイッチ、ロータリースパークギャップスイッチ、および、テスラコイルなどのDA変換器によって直流電圧から生成される。交流電圧をDA変換器が生成するとき、DA変換器は、変換後の電圧の周波数に応じてオンの状態とオフの状態とを交互に繰り返す。そのため、DA変換器では、DA変換器がオフの状態からオンの状態に変わるたびに熱が発生する。それゆえに、DA変換器の機能を保つためには、DA変換器の温度を高まりにくくすることが求められる。
【0005】
本開示の技術は、DA変換器の温度を高まりにくくすることができるオゾン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の一態様は、空気を乾燥させるドライヤーと、前記ドライヤーの乾燥させた前記空気を用いてオゾンを生成するオゾン発生器と、直流電圧から交流電圧を生成して前記交流電圧を前記オゾン発生器に印加するDA変換器と、を備える。前記オゾン発生器は、前記空気の流れる流路において、前記空気の流れる方向である流通方向にて前記ドライヤーよりも下流に位置し、前記DA変換器は、前記流路にて前記ドライヤーよりも下流、かつ、前記オゾン発生器を超えない部位に位置する。
【0007】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の一態様によれば、ドライヤーにより乾燥された空気の流通によってDA変換器が冷却されるため、DA変換器の温度を高まりにくくすることができる。
【0008】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様において、前記オゾン発生器は、オゾンを生成する空間を有し、前記DA変換器は、前記流路のうち、前記ドライヤーから前記オゾン発生器の前記空間に向かう部分の途中に位置する。
【0009】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様によれば、DA変換器を冷却するための構造として、オゾン発生器と並列に設けられて、オゾン発生器を迂回する流路や、オゾン発生器と並列に設けられて、かつ、外部に繋がる流路を備える構成と比べて、オゾン発生装置が大型化することが抑えられる。
【0010】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様において、前記流路は、前記ドライヤーと前記オゾン発生器とが位置する主流路と、前記主流路から分岐した分岐流路とを含み、前記DA変換器は、前記分岐流路に位置する。
【0011】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様によれば、DA変換器が分岐流路に位置するため、流路の途中にDA変換器が位置しても、オゾン発生器でのオゾンの生成が、DA変換器によって影響されにくくなる。
【0012】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様において、前記空気を前記空気よりも酸素の濃度が高い酸素富化空気と、前記空気よりも窒素の濃度が高い窒素富化空気とに分ける酸素富化器をさらに備える。前記酸素富化空気と前記窒素富化空気とのうち、前記酸素富化空気が前記オゾンの生成に用いられ、前記酸素富化器は、前記流通方向にて前記ドライヤーよりも下流、かつ、前記オゾン発生器よりも上流に位置し、前記分岐流路は、前記窒素富化空気を前記酸素富化器から前記ドライヤーに向けて流す窒素富化空気流路であり、前記DA変換器は、前記窒素富化空気流路に位置する。
【0013】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様によれば、オゾンの生成に用いられない窒素富化空気によってDA変換器が冷却される。そのため、DA変換器を冷却することによって、オゾン発生器でのオゾンの生成が影響されにくくなる。
【0014】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様に置いて、前記DA変換器に前記直流電圧を供給する電源であって、前記流路における前記ドライヤーよりも下流、かつ、前記オゾン発生器を超えない部位に位置する前記電源と、前記電源の内部を通って、前記電源を冷却する冷媒の流れる冷却流路と、をさらに備える。
【0015】
本開示の技術におけるオゾン発生装置の他の態様によれば、電源が、ドライヤーによって乾燥された空気の流路を構成するため、電源の内部の雰囲気における露点を低くすることができる。それゆえに、電源を冷却する冷却流路が電源の内部を通っても、冷却流路に結露が生じることが抑えられる。結果として、結露による漏電が抑えられながら、電源が冷却される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示のオゾン発生装置を具体化した第1実施形態が搭載されるエンジンの概略構成を制御装置とともに示す構成図である。
図2】第1実施形態におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態におけるオゾン発生装置の一部構成を示すブロック図である。
図4】本開示のオゾン発生装置を具体化した第2実施形態におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】第2実施形態の変形例におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
図6】第2実施形態の変形例におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
図7】本開示のオゾン発生装置を具体化した第3実施形態におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
図8】第3実施形態の変形例におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
図9】他の変形例におけるオゾン発生装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1から図3を参照して本開示のオゾン発生装置を具体化した第1実施形態を説明する。以下では、オゾン発生装置が搭載されるエンジンの構成、オゾン発生装置の構成、オゾン発生器の構成、および、オゾン発生装置の作用を順番に説明する。なお、第1実施形態では、DA変換器がロータリースパークギャップスイッチである例を説明する。
【0018】
[エンジンの概略構成]
図1を参照してエンジンの構成を説明する。
図1が示すように、エンジン10のシリンダブロック11は、一列に並んでいる6つのシリンダ11aを有している。シリンダブロック11の近傍には、シリンダ11aの並ぶ方向に延びるコモンレール12が位置し、コモンレール12は、圧力の高められた燃料、例えば、軽油を溜める。コモンレール12は、6つの燃料噴射弁13に接続し、各燃料噴射弁13は、相互に異なるシリンダ11aに向けて軽油を噴射する。
【0019】
シリンダブロック11は、シリンダ11aに吸入空気を供給する吸気マニホールド14に接続し、吸気マニホールド14におけるシリンダブロック11とは反対側の端部が、吸入空気の流れる吸気管15に接続している。吸気管15には、吸気管15におけるシリンダブロック11側から順にインタークーラー16と、ターボチャージャー17を構成するコンプレッサー17aとが位置している。
【0020】
シリンダブロック11は、シリンダブロック11における吸気マニホールド14と向かい合う位置にて、排気マニホールド18に接続している。排気マニホールド18におけるシリンダブロック11とは反対側の端部が、シリンダブロック11から排出された排気の流れる排気管19に接続している。排気マニホールド18および排気管19は、ターボチャージャー17を構成するタービン17bにそれぞれ接続することによって、相互に接続している。
【0021】
エンジン10は、排気に含まれる窒素酸化物(以下、NO)を減らすことによって排気を浄化する排気浄化装置20を搭載している。排気浄化装置20は、例えば、オゾン供給部21、還元剤供給部22、および、選択還元触媒23を備えている。
【0022】
オゾン供給部21は、オゾン発生装置21a、オゾン供給管21b、および、オゾン供給弁21cを備えている。オゾン発生装置21aは、空気を用いてオゾンを生成し、オゾン発生装置21aの生成したオゾンを排気管19に向けて流すオゾン供給管21bに接続している。オゾン供給管21bは、排気管19の内部に位置する端部にノズルを有している。オゾン供給管21bは、ノズルから排気管19を流れる排気にオゾンを供給する。
【0023】
オゾン供給弁21cは、オゾン供給管21bの状態を開放された状態と閉塞された状態との間で切り替える。オゾン供給弁21cが開くとき、オゾン供給管21bが開放され、オゾン供給弁21cが閉じるとき、オゾン供給管21bが閉塞される。なお、オゾン供給弁21cは、オゾン供給弁21cの開度が変わることで、オゾン発生装置21aからオゾン供給管21bに供給されるオゾンの流量を調節することが可能であってもよい。
【0024】
オゾン供給部21は、排気管19を流れる排気にオゾンを供給して、排気に含まれる一酸化窒素(以下、NO)を二酸化窒素(以下、NO)に酸化する。
還元剤供給部22は、還元剤貯留部22a、還元剤供給管22b、および、還元剤供給弁22cを備えている。還元剤貯留部22aは、例えば、還元剤を溜めるタンクと、タンクに溜められた還元剤を所定の流量で吐出するポンプとを備えている。還元剤は、例えば尿素水である。還元剤供給管22bは、還元剤貯留部22aに接続し、排気管19の内部に位置する端部にノズルを有している。還元剤供給管22bは、ノズルから排気管19を流れる排気に還元剤を供給する。
【0025】
還元剤供給弁22cは、還元剤供給管22bの状態を開放された状態と閉塞された状態との間で切り替える。還元剤供給弁22cが開くとき、還元剤供給管22bが開放され、還元剤供給弁22cが閉じるとき、還元剤供給管22bが閉塞される。なお、還元剤供給弁22cは、オゾン供給弁21cと同様、還元剤供給弁22cの開度が変わることで、還元剤貯留部22aから還元剤供給管22bに供給される還元剤の流量を調節することが可能であってもよい。
【0026】
選択還元触媒23は、還元剤供給部22の供給した還元剤を用いてNOを窒素(以下、N)に還元する反応を促す。排気浄化装置20では、選択還元触媒23が、排気に含まれるNOをNに還元する反応を促すことによって、選択還元触媒23に入る前の排気におけるNOの濃度よりも、還元触媒を出た排気におけるNOの濃度が低くなる。
【0027】
車両は、排気浄化装置20の駆動を制御する制御装置30も搭載している。制御装置30は、例えば、選択還元触媒23の温度や、排気中のNOの濃度などに基づいて、オゾン供給弁21c、および、還元剤供給弁22cの駆動を制御する。
【0028】
[オゾン発生装置の構成]
図2および図3を参照してオゾン発生装置21aの構成を説明する。
図2が示すように、オゾン発生装置21aは、コンプレッサー41、ドライヤー42、および、オゾン発生器43を備えている。
【0029】
コンプレッサー41、ドライヤー42、および、オゾン発生器43は、オゾン発生装置21aの内部を流れる空気の流路を構成している。流路は、コンプレッサー41、ドライヤー42、および、オゾン発生器43を含む。流路は、さらに、コンプレッサー41とドライヤー42とに接続する流路部分21a1、ドライヤー42とオゾン発生器43とに接続する流路部分21a2、および、オゾン発生器43から延びてオゾン供給管21bに接続する流路部分21a3とを含む。流路において、空気の流れる方向が流通方向であり、流通方向において2つの部位の位置が比べられるとき、相対的にコンプレッサー41に近い部位が上流であり、相対的に流路部分21a3に近い部位が下流である。
【0030】
オゾン発生器43から延びる流路部分21a3には、オゾン発生装置21aから出たオゾンが、オゾン発生器43の内部に流れることを抑える逆止弁44が位置している。
コンプレッサー41は、大気に開放された開口部を有し、開口部から入る空気を圧縮して圧縮空気を生成し、圧縮空気をドライヤー42に向けて出す。ドライヤー42は、例えば、中空糸膜を備え、中空糸膜を用いてコンプレッサー41の供給する圧縮空気を乾燥する。オゾン発生器43は、ドライヤー42によって乾燥された圧縮空気を用いてオゾンを生成する。
【0031】
図3が示すように、オゾン発生器43は、外部筐体43aを備え、外部筐体43aの内部には、DA変換器46とオゾン発生部43bとが位置している。DA変換器46は、直流電源45に接続し、直流電源45の供給する直流電圧を交流電圧に変えて、交流電圧をオゾン発生器43に印加する。
【0032】
DA変換器46は、例えば、ロータリースパークギャップスイッチであり、変換器筐体51、電源端子52、オゾン端子53、および、回転部54を備えている。電源端子52は、変換器筐体51の内部における位置が固定されて、かつ、直流電源45に接続し、オゾン端子53は、変換器筐体51の内部における位置が固定されて、かつ、オゾン発生部43bに接続する。
【0033】
回転部54は、筒形状を有して電源端子52とオゾン端子53との間に位置し、中心軸を中心として回転する。回転部54は、外周面から外側に向けて延びる複数の回転端子54aを備え、複数の回転端子54aは、回転部54の周方向にて相互に一定の間隔を空けて位置している。複数の回転端子54aのうち、回転部54の中心を通る1つの直線上に位置する2つの回転端子54aが回転端子群を構成している。
【0034】
DA変換器46では、回転部54が回転することで、1つの回転端子群を構成する一方の回転端子54aと電源端子52との間の距離、および、他方の回転端子54aとオゾン端子53との間の距離の各々が所定の距離以下になる。このとき、一方の回転端子54aと電源端子52との間、および、他方の回転端子54aとオゾン端子53との間の各々にて放電が生じる。
【0035】
これにより、直流電源45の電圧が、オゾン発生部43bに印加される。しかも、回転端子54aは、回転部54の周方向に一定の間隔を空けて位置するため、直流電源45の電圧は、所定の間隔を空けてオゾン発生部43bに印加される。つまり、DA変換器46は、直流電源45の直流電圧を所定の周波数を有する交流電圧に変えてオゾン発生部43bに印加する。
【0036】
DA変換器46は、オゾン発生器43とドライヤー42とに接続する流路部分21a2に接続し、かつ、DA変換器46とオゾン発生器43とに接続して、オゾン発生器43の内部にて流路の一部を構成する流路部分43cに接続している。このように、DA変換器46は、流路にてドライヤー42よりも下流であって、かつ、オゾン発生器43の内部に位置している。そのため、ドライヤー42によって乾燥された圧縮空気は、流路部分21a1を通ってDA変換器46の変換器筐体51に入り、変換器筐体51に入った圧縮空気は、流路部分43cを通ってオゾン発生部43bに入る。
【0037】
オゾン発生部43bは、例えば、内部筐体61、誘電体62、複数の放電電極63、および、誘電電極64を備えている。内部筐体61は、オゾンを生成する空間を形成し、誘電体62は、板形状を有して、オゾンを生成する空間の内部に位置している。
【0038】
複数の放電電極63の各々は、1つの方向に沿って延びる帯形状を有し、複数の放電電極63は、誘電体62の1つの面に、相互に所定の間隔を空けて位置している。複数の放電電極63の各々は、DA変換器46のオゾン端子53に接続している。誘電電極64は、板形状を有して、誘電体62のうち、放電電極63の位置する面と向かい合う面に位置している。
【0039】
オゾン発生部43bでは、複数の放電電極63と誘電電極64との間に交流電圧が印加されることによって、複数の放電電極63の各々の周りにプラズマが生成される。これにより、圧縮空気からオゾンが生成される。
【0040】
[オゾン発生装置の作用]
オゾン発生装置21aでは、ドライヤー42によって乾燥された圧縮空気が、DA変換器46の変換器筐体51を通って、オゾン発生部43bに入る。そのため、変換器筐体51の内部が、変換器筐体51を流れる圧縮空気によって冷却される。それゆえに、DA変換器46にて生じる放電によって、DA変換器46の温度、特に、電源端子52、オゾン端子、および、複数の回転端子54aの温度が高まることが抑えられる。結果として、各端子の温度が高まることによって、各端子の状態が変わることが抑えられる。
【0041】
DA変換器46は、空気の流れる流路のうち、ドライヤー42からオゾン発生器43のオゾンを生成する空間に向かう部分に位置している。そのため、DA変換器46を冷却するための構造を設けることによってオゾン発生装置21aが大型化することが抑えられる。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態のオゾン発生装置によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)ドライヤー42により乾燥された空気の流通によってDA変換器46が冷却されるため、DA変換器46の温度を高まりにくくすることができる。
【0043】
(2)DA変換器46は、ドライヤー42からオゾンを発生する空間に向かう途中に位置する。そのため、DA変換器を冷却するための構造として、オゾン発生器と並列に設けられて、かつ、オゾン発生器を迂回する流路や、オゾン発生器と並列に設けられて、かつ、外部に繋がる流路を備える構成と比べて、オゾン発生装置が大型化することが抑えられる。
【0044】
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・DA変換器46は、外部筐体43aの内部で、ドライヤー42とオゾン発生器43とを接続する流路部分21a2から分岐した分岐流路に位置してもよい。こうした構成では、分岐流路は、流路部分21a2から分岐して、かつ、流路部分21a2に接続してもよいし、分岐流路は、流路部分21a2から分岐して、かつ、オゾン発生部43bを迂回して流路部分21a3に接続してもよい。すなわち、分岐流路は、流路部分21a2の一部を迂回する流路であってもよいし、流路部分21a2の一部、オゾン発生器43、および、流路部分21a3の一部を迂回する流路であってもよい。あるいは、分岐流路は、流路部分21a2から外部に繋がる分岐流路であってもよい。いずれの構成であっても、ドライヤー42により乾燥された空気の流通によってDA変換器46が冷却されるため、DA変換器46の温度が高まりにくくはなる。
【0045】
・DA変換器46は、オゾン発生器43の外部筐体43aの内部に位置していなくともよく、オゾン発生器43とは独立していてもよい。こうした構成では、オゾン発生器43において、DA変換器46は、ドライヤー42よりも下流であって、かつ、オゾン発生器43を超えない部分に位置していればよい。
【0046】
つまり、DA変換器46は、オゾン発生器43の外側であって、かつ、流路部分21a2の途中に位置していてもよい。あるいは、DA変換器46は、流路部分21a2から分岐した分岐流路であって、ドライヤー42とオゾン発生器43との間に位置する分岐流路、あるいは、オゾン発生器43を迂回して流路部分21a3に接続する分岐流路のいずれかに位置してもよい。
【0047】
いずれの構成であっても、ドライヤー42によって乾燥された空気の流通によってDA変換器46が冷却されるため、DA変換器46の温度が高まりにくくなる。
・DA変換器46は、ロータリースパークギャップスイッチでなくともよく、例えば、スパークギャップスイッチ、テスラコイル、および、半導体スイッチなどであってもよい。要は、直流電圧を交流電圧に変えるために、オンの状態とオフの状態とを所定の時間間隔で繰り返すDA変換器であればよい。こうした構成であれば、DA変換器46がオンの状態になるたびに、少なからずDA変換器46において熱が生じる。そのため、DA変換器46が流路に位置する構成であれば、DA変換器46の温度が高まることが抑えられる。
【0048】
・オゾン発生器43は無声放電方式の発生器であればよく、上述した沿面放電型のオゾン発生器に限らず、平行平板型のオゾン発生器でもよい。
・選択還元触媒23は、尿素を用いてNOを選択的に還元する反応を促す触媒ではなく、炭化水素を用いてNOを選択的に還元する反応を促す触媒であってもよい。
【0049】
・排気浄化装置20は選択還元触媒23に限らず、排気の流れる方向において、オゾン発生装置21aよりも下流にディーゼル微粒子捕集フィルター(以下、DPF)を備える構成でもよい。あるいは、排気浄化装置20は、オゾン発生装置21aよりも下流に選択還元触媒23とDPFとの両方を備える構成でもよい。
【0050】
[第2実施形態]
図4を参照して本開示のオゾン発生装置を具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて、オゾン発生装置を構成する要素と、オゾン発生装置におけるDA変換器の位置とが主に異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第2実施形態において第1実施形態と同等の構成に対して第1実施形態と同じ符号を付すことによって、詳しい説明を省略する。
【0051】
[オゾン発生装置の構成]
図4を参照してオゾン発生装置の構成を説明する。
図4が示すように、オゾン発生装置21aは、コンプレッサー41、ドライヤー42、および、オゾン発生器43に加えて、エアタンク71、および、酸素富化器72を備えている。オゾン発生装置21aにおいて、エアタンク71と酸素富化器72とは、ドライヤー42の下流、かつ、オゾン発生器43の上流に位置し、エアタンク71は、酸素富化器72の上流に位置している。
【0052】
エアタンク71は、ドライヤー42で乾燥された圧縮空気を溜めて、オゾン発生器43に供給される圧縮空気の流量を変わりにくくする。酸素富化器72は、例えば中空糸膜で構成された酸素富化膜を有して、エアタンク71を出た圧縮空気よりも酸素の濃度の高い酸素富化空気Goと、エアタンク71を出た圧縮空気よりも窒素濃度の高い窒素富化空気Gnとに、エアタンク71から供給された圧縮空気を分ける。
【0053】
オゾン発生装置21aにおいて、コンプレッサー41、ドライヤー42、エアタンク71、酸素富化器72、および、オゾン発生器43は、オゾン発生装置21aの内部を流れる空気の流路を構成している。
【0054】
流路は、コンプレッサー41、ドライヤー42、エアタンク71、および、オゾン発生器43を含む。流路は、コンプレッサー41とドライヤー42とに接続する流路部分21a1、および、オゾン発生器43から延びてオゾン供給管21bに接続する流路部分21a3とを含む。流路は、さらに、ドライヤー42とエアタンク71とに接続する流路部分81、エアタンク71と酸素富化器72とに接続する流路部分82、および、酸素富化器72とオゾン発生器43とに接続する流路部分83を含む。
【0055】
酸素富化器72とオゾン発生器43とに接続する流路部分83は、酸素富化器72の内部で生成される酸素富化空気Goと窒素富化空気Gnとのうち、酸素富化空気Goをオゾン発生器43に向けて流す酸素富化空気流路である。
【0056】
流路において、コンプレッサー41、ドライヤー42、エアタンク71、オゾン発生器43、および、上述した4つの流路部分21a1,81,82,83が、オゾン発生器43に向けてオゾンを生成するための空気を流すための流路である主流路を構成している。
【0057】
一方で、流路は、さらに、酸素富化器72とドライヤー42とに接続する分岐流路84を含み、分岐流路84は、酸素富化器72で生成された窒素富化空気Gnをドライヤー42に向けて流す窒素富化空気流路である。分岐流路84を通じてドライヤー42に供給された窒素富化空気Gnは、ドライヤー42の内部の水分をドライヤー42の外部にパージするパージガスとして機能する。分岐流路84は、上述した主流路から分岐した分岐流路の一例である。
【0058】
分岐流路84の途中には、上述したDA変換器46が位置している。このように、第2実施形態では、第1実施形態のように、オゾン発生器43の内部にDA変換器46が位置するのではなく、DA変換器46は、オゾン発生器43から独立した状態で、流路に位置している。
【0059】
分岐流路84の途中であって、DA変換器46とドライヤー42との間には、分岐流路84を流れてドライヤー42に供給される窒素富化空気Gnの流量を調節する流量調節弁85が位置している。
【0060】
[オゾン発生装置の作用]
オゾン発生器43に交流電圧を印加するDA変換器46は、窒素富化空気を流す分岐流路84の途中に位置している。このように、DA変換器46は、主流路から分岐した分岐流路に位置するため、オゾン発生装置21aにおける流路の途中にDA変換器46が位置しても、オゾン発生器43に供給される圧縮空気の流量が、DA変換器によって影響されにくくなる。それゆえに、オゾン発生器43でのオゾンの生成が、DA変換器46によって影響されにくくなる。
【0061】
また、流量調節弁85は、分岐流路84のうち、DA変換器46とドライヤー42との間の部分に位置している。そのため、流量調節弁85によって流量が調節される前の窒素富化空気GnがDA変換器46に供給される。それゆえに、流量調節弁85の開度が小さくされても、DA変換器46を通過する窒素富化空気Gnの流量は小さくならないため、DA変換器46が冷却されにくくなることが抑えられる。
【0062】
以上説明したように、第2実施形態のオゾン発生装置によれば、上述した(1)に準じた効果に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(3)DA変換器46が分岐流路84に位置するため、流路の途中にDA変換器46が位置しても、オゾン発生器43でのオゾンの生成が、DA変換器46によって影響されにくくなる。
【0063】
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・流量調節弁85は、分岐流路84のうち、DA変換器46とドライヤー42との間の部分ではなく、酸素富化器72とDA変換器46との間の部分に位置してもよい。こうした構成であっても、DA変換器46は、分岐流路84の途中に位置するため、上述した(1)および(3)の各々に準じた効果を得ることはできる。
【0064】
・ドライヤー42はエアタンク71の上流ではなく、エアタンク71の下流に位置してもよい。こうした構成であっても、DA変換器46が、流路におけるドライヤー42の下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位に位置していれば、上述した(1)および(3)の各々に準じた効果を得ることはできる。あるいは、エアタンク71は省略されてもよい。
【0065】
図5が示すように、DA変換器46は、上述した主流路から分岐した分岐流路84ではなく、主流路に位置してもよい。DA変換器46が主流路に位置する構成であれば、例えば、図5が示す第1部位であって、酸素富化器72とオゾン発生器43との間の流路部分83の途中に位置してもよいし、図5が示す第2部位であって、エアタンク71と酸素富化器72との間の流路部分82の途中に位置してもよい。あるいは、DA変換器46は、図5が示す第3部位であって、ドライヤー42とエアタンク71との間の流路部分81の途中に位置してもよい。こうした構成であっても、DA変換器46は、オゾン発生装置21aにおける空気の流路に位置するため、DA変換器46は、DA変換器46を流れる空気によって冷却される。それゆえに、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
【0066】
図5が示すように、DA変換器46は、主流路から分岐した分岐流路に位置するとき、図5における第1部位から第3部位のいずれかにおいて、主流路から分岐した分岐流路に位置してもよい。こうした構成であっても、DA変換器46は、DA変換器46を流れる空気によって冷却されるため、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。なお、分岐流路が第1部位において分岐する流路、すなわち、流路部分83から分岐する流路であるとき、分岐流路は、流路部分83から外部に繋がる分岐流路であってもよい。
【0067】
図5が示す構成においても、ドライヤー42はエアタンク71の上流ではなく、エアタンク71の下流に位置してもよい。こうした構成であっても、DA変換器46が、流路におけるドライヤー42の下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位に位置していれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。あるいは、エアタンク71は省略されてもよい。
【0068】
図6が示すように、DA変換器46は、主流路から分岐した分岐流路に位置するとき、上述した分岐流路84以外の部分に位置してもよい。DA変換器46は、例えば、図6が示す第1部位であって、流路部分83と流路部分21a3とに接続する分岐流路86の途中に位置してもよく、DA変換器46が分岐流路86に位置するとき、分岐流路86におけるDA変換器46よりも下流には、逆止弁86aが位置していることが好ましい。逆止弁86aは、オゾン発生器43から出たオゾンが、分岐流路86に流れることを抑える。
【0069】
あるいは、DA変換器46は、図6が示す第2部位であって、流路部分83と流路部分82とに接続する分岐流路87の途中に位置してもよい。あるいは、DA変換器46は、図6が示す第3部位であって、流路部分82と流路部分81とに接続する分岐流路88の途中に位置してもよい。
【0070】
いずれの構成であっても、DA変換器46は、オゾン発生装置21aにおける空気の流路に位置するため、DA変換器46は、DA変換器46を流れる空気によって冷却される。そのため、上述した(1)および(3)の各々に準じた効果を得ることはできる。
【0071】
なお、図6では、DA変換器46の位置を説明する便宜上、分岐流路84および流量調節弁85の図示が省略されている。
図6が示す構成において、DA変換器46は、2つの端部のうち、一方の端部が流路部分81に接続し、かつ、他方の端部が流路部分83に接続する分岐流路に位置してもよい。あるいは、DA変換器46は、2つの端部のうち、一方の端部が流路部分82に位置し、かつ、他方の端部が流路部分21a3に接続する分岐流路に位置してもよい。さらには、DA変換器46は、2つの端部のうち、一方の端部が流路部分81に接続し、かつ、他方の端部が流路部分21a3に接続する分岐流路に位置してもよい。こうした構成であっても、乾燥された圧縮空気がDA変換器46に供給される構成であれは、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
【0072】
図6が示す構成においても、ドライヤー42はエアタンク71の上流ではなく、エアタンク71の下流に位置してもよい。こうした構成であっても、DA変換器46が、流路におけるドライヤー42の下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位に位置していれば、上述した(1)および(3)の各々に準じた効果を得ることはできる。あるいは、エアタンク71は省略されてもよい。
【0073】
図6が示す構成においては、オゾン発生装置21aが、上述した3つの分岐流路86,87,88のいずれを備える場合であっても、以下のような構成とすることができる。すなわち、オゾン発生装置21aは、各流路部分におけるDA変換器46よりも上流の部位と、DA変換器46よりも下流の部位との各々に、流路部分の状態を開放された状態と閉塞された状態との間で変える切替弁が位置していてもよい。
【0074】
こうした構成では、オゾン発生器43にてオゾンが生成されているとき、各切替弁が、DA変換器46が位置する流路部分を閉塞する一方、オゾン発生器43にてオゾンが生成されていないとき、各切替弁が、DA変換器46が位置する流路部分を開放すればよい。そして、各切替弁が、DA変換器46が位置する流路部分を開放しているとき、直流電源45からオゾン発生器43への電圧の印加が停止された状態で、コンプレッサー41からオゾン発生器43に向けた圧縮空気の供給が行われればよい。
【0075】
これにより、オゾン発生器43にてオゾンが生成されていないときに、DA変換器46の位置する流路部分に圧縮空気が供給される。そのため、DA変換器46を冷却するための構成によって、オゾン発生器43でのオゾンの生成が影響されにくくなる。
【0076】
なお、こうした切替弁を有しない構成であっても、直流電源45からオゾン発生器43への電圧の印加が停止された状態で、コンプレッサー41からオゾン発生器43に向けた圧縮空気の供給が行われてもよい。これにより、オゾン発生器43でのオゾンの発生が行われていないときに、DA変換器46が圧縮空気によって冷却される。
【0077】
[第3実施形態]
図7を参照してオゾン発生装置を具体化した第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、オゾン発生装置を冷却する構成を備える点が主に異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第3実施形態において第1実施形態と同等の構成に対して第1実施形態と同じ符号を付すことによって、詳しい説明を省略する。
【0078】
[オゾン発生装置の構成]
図7を参照してオゾン発生装置の構成を説明する。
図7が示すように、オゾン発生装置21aは、コンプレッサー41、ドライヤー42、オゾン発生器43、および、直流電源45を備えている。直流電源45は、ドライヤー42の下流、かつ、オゾン発生器43の上流に位置している。ドライヤー42は、例えば、大気圧での露点が−10℃以下になる程度に、コンプレッサー41から供給された圧縮空気を乾燥する。
【0079】
コンプレッサー41、ドライヤー42、直流電源45、および、オゾン発生器43は、オゾン発生装置21aの内部を流れる空気の流路を構成している。流路は、コンプレッサー41、ドライヤー42、直流電源45、および、オゾン発生器43を含む。流路は、上述した3つの流路部分21a1,21a2,21a3を含んでいる。流路は、さらに、ドライヤー42とオゾン発生器43との間に位置する分岐流路91を含み、分岐流路91の2つの端部の各々は、ドライヤー42とオゾン発生器43との間に位置する流路部分21a2に接続している。
【0080】
オゾン発生装置21aは、冷却器101と、冷却器101に接続する冷却流路102とを備えている。冷却流路102は、2つの端部を有し、2つの端部の各々が冷却器101に接続し、冷却流路102は、2つの端部の間に、直流電源45の筐体の内部を通る流路部分102aと、オゾン発生器43の筐体の内部を通る流路部分102bとを含んでいる。
【0081】
冷却器101は、冷却流路102の内部に冷媒、例えば、冷却水を循環させ、冷却器101は、例えば、オゾン発生器43を通る流路部分102bから、直流電源45を通る流路部分102aに向けて冷却水を流す。
【0082】
[オゾン発生装置の作用]
直流電源45は、空気の流路を構成し、かつ、流路のうちで、ドライヤー42よりも下流に位置している。そのため、直流電源45の内部は、乾燥された圧縮空気によって冷却され、かつ、大気圧では直流電源45の内部にて結露が生じない程度にまで乾燥される。それゆえに、冷却水の流れる冷却流路102の一部が直流電源45の内部を通っても、直流電源45の内部を通る冷却流路102に結露が生じない状態で、直流電源45の内部が冷却される。
【0083】
このように、直流電源45の内部を乾燥させることにより、結露による漏電を抑えながら、直流電源45を冷却水によって冷却することができる。結果として、例えば、直流電源45の筐体の外周面に位置するヒートシンクや、ヒートシンクに空気を送るためのファンを有する構成と比べて、直流電源45を冷却するための構成が大型化することが抑えられる。
【0084】
以上説明したように、第3実施形態のオゾン発生装置によれば、上述した(1)に準じた効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(4)直流電源45が、ドライヤー42によって乾燥された空気の流路を構成するため、直流電源45の内部の雰囲気における露点を低くすることができる。それゆえに、直流電源45を冷却する冷却流路102が直流電源45の内部を通っても、冷却流路102に結露が生じることが抑えられる。結果として、結露による漏電が抑えられながら、直流電源45が冷却される。
【0085】
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・直流電源45は、分岐流路91に位置していなくともよく、直流電源45は、流路部分21a2の途中に位置してもよいし、流路部分21a2から分岐した流路であって、かつ、オゾン発生器43を迂回して流路部分21a3に接続する流路に位置してもよい。こうした構成であっても、直流電源45に乾燥した圧縮空気が供給され、かつ、直流電源45が冷却水によって冷却される以上は、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
【0086】
・直流電源45は、オゾン発生器43の内部、すなわち、オゾン発生器43の有する外部筐体43aの内部に位置してもよい。こうした構成であっても、直流電源45に乾燥した圧縮空気が供給され、かつ、直流電源45が冷却水によって冷却される以上は、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
【0087】
・直流電源45とDA変換器46との両方が、分岐流路91の途中に位置してもよい。こうした構成では、DA変換器46が直流電源45の下流に位置していることが好ましい。こうした構成によっても、直流電源45およびDA変換器46に乾燥した圧縮空気が供給され、かつ、直流電源45が冷却水によって冷却される以上は、上述した(1)および(4)の各々に準じた効果を得ることはできる。
【0088】
・直流電源45、および、DA変換器46の各々は、ドライヤー42よりも下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位であれば、流路部分21a2の途中に位置してもよいし、流路部分21a2から分岐した分岐流路に位置してもよい。なお、直流電源45とDA変換器46とが流路において離れて位置するとき、直流電源45の下流にDA変換器46が位置することが好ましい。
【0089】
・直流電源45やDA変換器46が、分岐流路91あるいはその他の分岐流路に位置するとき、各分岐流路における直流電源45あるいはDA変換器46よりも上流の部位と、下流の部位との各々に、分岐流路の状態を開放された状態と閉塞された状態との間で変える切替弁が位置してもよい。
【0090】
こうした構成では、オゾン発生器43にてオゾンが生成されているとき、切替弁が、直流電源45あるいはDA変換器46が位置する流路部分を閉塞する。一方で、オゾン発生器43にてオゾンが生成されていないとき、切替弁が、直流電源45あるいはDA変換器46が位置する流路部分を開放する。そして、切替弁が、直流電源45あるいはDA変換器46が位置する流路部分を開放しているとき、直流電源45からオゾン発生器43への電圧の印加が停止された状態で、コンプレッサー41からオゾン発生器43に向けた圧縮空気の供給が行われればよい。
【0091】
これにより、オゾン発生器43にてオゾンが生成されていないときに、直流電源45あるいはDA変換器46の位置する流路部分に圧縮空気が供給される。そのため、直流電源45あるいはDA変換器46を冷却するための構成によって、オゾン発生器43でのオゾンの生成が影響されにくくなる。
【0092】
なお、こうした切替弁を有しない構成であっても、直流電源45からオゾン発生器43への電圧の印加が停止された状態で、コンプレッサー41からオゾン発生器43に向けた圧縮空気の供給が行われてもよい。これにより、オゾン発生器43でのオゾンの発生が行われていないときに、DA変換器46が圧縮空気によって冷却される。
【0093】
・冷却器101は、直流電源45を通る流路部分102aから、オゾン発生器43を通る流路部分102bに向けて冷却水を流してもよい。こうした構成であっても、直流電源45が冷却水によって冷却される以上は、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
【0094】
図8が示すように、冷却流路102は、上述した2つの流路部分102a,102bに加えて、流路部分21a2のうち、ドライヤー42よりも下流であって、分岐流路91よりも上流である部分を冷却する流路部分102cを含んでもよい。これにより、ドライヤー42から出た圧縮空気の温度を低くすることもできる。
【0095】
・冷却流路102は、図8が示す部分のうち、オゾン発生器43を冷却する流路部分102bを備える一方で、直流電源45を冷却する流路部分102aと、ドライヤー42の下流の流路部分21a2を冷却する流路部分102cを備えていない構成でもよい。こうした構成であっても、冷却器101および冷却流路102によれば、オゾン発生器43を冷却することはできる。
【0096】
・冷却流路102は、図8が示す部分のうち、直流電源45を冷却する流路部分102aを備える一方で、オゾン発生器43を冷却する流路部分102bと、ドライヤー42の下流の流路部分21a2を冷却する流路部分102cを備えていない構成でもよい。こうした構成であっても、冷却器101および冷却流路102によれば、直流電源45を冷却することはできるため、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
【0097】
・冷却流路102は、図8が示す部分のうち、ドライヤー42の下流の流路部分21a2を冷却する流路部分102cを備える一方で、オゾン発生器43を冷却する流路部分102bと、直流電源45を冷却する流路部分102aとを備えていない構成でもよい。こうした構成であっても、ドライヤー42を出た圧縮空気を冷却することはできる。
【0098】
・冷却流路102は、図8が示す部分のうち、オゾン発生器43を冷却する流路部分102bと、ドライヤー42の下流の流路部分21a2を冷却する流路部分102cとを備えている一方で、直流電源45を冷却する流路部分102aを備えていない構成でもよい。こうした構成であっても、オゾン発生器43を冷却すること、および、ドライヤー42を出た圧縮空気を冷却することはできる。
【0099】
・冷却流路102は、図8が示す部分のうち、直流電源45を冷却する流路部分102aと、ドライヤー42の下流の流路部分21a2を冷却する流路部分102cとを備えている一方で、オゾン発生器43を冷却する流路部分102bを備えていない構成でもよい。こうした構成であっても、直流電源45を冷却すること、および、ドライヤー42から出た圧縮空気を冷却することはできる。
【0100】
図8の示す冷却流路102は、冷却流路102のうちで、冷媒の流れる部分を切り替えることのできる切替弁を備える構成でもよい。冷却流路102は、例えば、複数の切替弁を備えることで、冷却流路102のうち、3つの流路部分102a,102b,102cの少なくとも1つに冷媒が流れる状態に変えることができる。なお、切替弁は、上述した制御装置30によって、開いた状態と閉じた状態との間で変えられる構成であればよい。こうした構成では、制御装置30は、例えば、オゾン発生器43の温度、直流電源45の温度、および、圧縮空気の温度に基づいて、各切替弁の状態を開いた状態と閉じた状態との間で変えればよい。
【0101】
・冷媒は、冷却水でなくともよく、例えば、フッ素系の不活性液体が用いられてもよい。要は、冷却流路102の内部を流れて、直流電源45などを冷却することのできる液体であればよい。
【0102】
・第3実施形態と第2実施形態の構成とを組み合わせて実施してもよい。すなわち、第2実施形態のオゾン発生装置21aにおいて、直流電源45は、分岐流路84の途中に位置してもよいし、上述した主流路のうち、ドライヤー42よりも下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位に位置してもよい。さらには、直流電源45は、図6が示す3つの分岐流路86,87,88のいずれかに位置してもよい。
【0103】
・第3実施形態と、図5が示す第2実施形態の変形例の構成とを組み合わせて実施してもよい。すなわち、第2実施形態の変形例におけるオゾン発生装置21aにおいて、直流電源45は、分岐流路84の途中に位置してもよいし、上述した主流路のうち、ドライヤー42よりも下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位に位置してもよい。さらには、直流電源45は、図6が示す3つの分岐流路86,87,88のいずれかに位置してもよい。
【0104】
・第3実施形態と、図6が示す第2実施形態の変形例の構成とを組み合わせて実施してもよい。すなわち、第2実施形態の変形例におけるオゾン発生装置21aにおいて、直流電源45は、分岐流路84の途中に位置してもよいし、上述した主流路のうち、ドライヤー42よりも下流、かつ、オゾン発生器43を超えない部位に位置してもよい。さらには、直流電源45は、図6が示す3つの分岐流路86,87,88のいずれかに位置してもよい。
【0105】
[他の変形例]
なお、上述した第1実施形態から第3実施形態の各々は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0106】
図9が示すように、第1実施形態および第3実施形態の各々のオゾン発生装置21aは、コンプレッサー41、ドライヤー42、および、オゾン発生器43に加えて、酸素富化器72と、ボルテックスチューブ111とを備えてもよい。酸素富化器72は、ドライヤー42から供給された圧縮空気を酸素富化空気Goと、窒素富化空気Gnとに分ける。ボルテックスチューブ111には、酸素富化器72から窒素富化空気Gnが供給され、ボルテックスチューブ111は、相対的に温度の高い暖気Ghと、相対的に温度の低い冷気Gcとに窒素富化空気Gnを分ける。
【0107】
オゾン発生装置21aにおいて、コンプレッサー41、ドライヤー42、オゾン発生器43、酸素富化器72、および、ボルテックスチューブ111は、空気の流路を構成している。流路は、コンプレッサー41、ドライヤー42、オゾン発生器43、酸素富化器72、および、ボルテックスチューブ111を含み、かつ、上述した2つの流路部分21a1,21a3を含む。
【0108】
流路は、さらに、ドライヤー42と酸素富化器72とに接続する流路部分121、酸素富化器72とオゾン発生器43とに接続して、酸素富化空気Goを流す流路部分122、および、酸素富化器72とボルテックスチューブ111とに接続して、窒素富化空気Gnを流す流路部分123を含む。流路は、さらに、ボルテックスチューブ111とドライヤー42とに接続して、暖気Ghを流す流路部分124、および、ボルテックスチューブ111とオゾン発生器43とに接続して、冷気Gcを流す流路部分125を含む。
【0109】
ボルテックスチューブ111から出る気体のうち、暖気Ghは、ドライヤー42をパージするパージガスとして機能し、冷気Gcは、オゾン発生器43を冷却する冷却ガスとして機能する。
【0110】
第3実施形態のオゾン発生装置21aと、図9が示す構成とを組み合わせて実施するときには、酸素富化空気Goの流れる流路部分122に、直流電源45が位置する分岐流路が接続していればよい。なお、図9が示す構成は、上述した第1実施形態の変形例、および、第3実施形態の変形例の各々とも組み合わせて実施することができる。
【0111】
また、第2実施形態のオゾン発生装置21aと、上述したボルテックスチューブ111とを組み合わせる実施するときには、図9が示す構成において、ドライヤー42と酸素富化器72とに接続する流路部分121の途中に、エアタンク71が位置していればよい。さらには、ボルテックスチューブ111は、上述した第2実施形態の変形例の各々とも組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0112】
10…エンジン、11…シリンダブロック、11a…シリンダ、12…コモンレール、13…燃料噴射弁、14…吸気マニホールド、15…吸気管、16…インタークーラー、17…ターボチャージャー、17a,41…コンプレッサー、17b…タービン、18…排気マニホールド、19…排気管、20…排気浄化装置、21…オゾン供給部、21a…オゾン発生装置、21a1,21a2,21a3,81,82,83,102a,102b,102c,121,122,123,124,125…流路部分、21b…オゾン供給管、21c…オゾン供給弁、22…還元剤供給部、22a…還元剤貯留部、22b…還元剤供給管、22c…還元剤供給弁、23…選択還元触媒、30…制御装置、42…ドライヤー、43…オゾン発生器、43a…外部筐体、43b…オゾン発生部、44…逆止弁、45…直流電源、46…DA変換器、51…変換器筐体、52…電源端子、53…オゾン端子、54…回転部、54a…回転端子、61…内部筐体、62…誘電体、63…放電電極、64…誘電電極、71…エアタンク、72…酸素富化器、84,86,87,88,91…分岐流路、85…流量調節弁、101…冷却器、102…冷却流路、111…ボルテックスチューブ。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9