(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の構内のそれぞれに設置され、自構内の端末をQoSの制御が可能なネットワークに接続するサーバを備える映像コミュニケーションシステムが、前記端末に映像コミュニケーションを行う環境を提供する映像コミュニケーション環境提供方法であって、
前記サーバが、前記端末の要求に応じて、前記端末と他構内の端末との間の通話セッションを確立する第1の制御ステップと、
前記サーバが、通話セッションにおいて送受信される音声及び映像データを前記端末と前記他構内の端末との間で中継する第2の制御ステップと、
を有し、
前記サーバは、前記第1の制御ステップにおいて、前記端末との間でWebRTCのWebSocketによるコネクションを確立し、前記WebSocketによって確立された前記コネクションを介して前記端末が前記WebRTCの機能を用いて自装置に要求する通話セッションの確立の要求に応じて、前記端末と前記他構内の端末との間の通話セッションを確立し、
前記サーバは、前記第2の制御ステップにおいて、前記WebSocketによって確立された前記コネクションを介して前記音声及び映像データを中継する、
映像コミュニケーション環境提供方法。
前記サーバは、さらに、前記端末の要求に応じて、映像コミュニケーションを行うためのメニュー画面を表示するためのデータを前記端末に送信する第3の制御ステップを有する、
請求項4に記載の映像コミュニケーション環境提供方法。
前記サーバは、さらに、前記端末の要求に応じて、映像コミュニケーションを行うためのメニュー画面を表示するためのデータを前記端末に送信する第3の制御部を備える、
請求項6に記載のサーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インターネットは利用可能な帯域を保証しないベストエフォート型のネットワークである。そのため、このような映像コミュニケーション通信をインターネットを介して行う場合、通話の品質が低下するという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、より高品質な映像コミュニケーション環境を実現することを可能とする映像コミュニケーションシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の構内のそれぞれに設置され、自構内の端末をQoSの制御が可能なネットワークに接続するサーバを備える映像コミュニケーションシステムであって、前記サーバは、前記端末の要求に応じて、前記端末と他構内の端末との間の通話セッションを確立する第1の制御部と、通話セッションにおいて送受信される音声及び映像データを前記端末と前記他構内の端末との間で中継する第2の制御部と、を備える、映像コミュニケーションシステムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の映像コミュニケーションシステムであって、前記サーバは、さらに、前記端末の要求に応じて、映像コミュニケーションを行うためのメニュー画面を表示するためのデータを前記端末に送信する第3の制御部を備える、映像コミュニケーションシステムである。
【0008】
本発明の一態様は、上記の映像コミュニケーションシステムであって、前記QoS制御が可能なネットワークがNGNである、映像コミュニケーションシステムである。
【0009】
本発明の一態様は、上記の映像コミュニケーションシステムであって、前記第1の制御部は、前記端末がWebRTCの機能を用いて要求する通話セッションの確立の要求に応じて、前記端末と前記他構内の端末との間の通話セッションを確立する、映像コミュニケーションシステムである。
【0010】
本発明の一態様は、複数の構内のそれぞれに設置され、自構内の端末をQoSの制御が可能なネットワークに接続するサーバを備える映像コミュニケーションシステムが、前記端末に映像コミュニケーションを行う環境を提供する映像コミュニケーション環境提供方法であって、前記サーバは、前記端末の要求に応じて、前記端末と他構内の端末との間の通話セッションを確立する第1の制御ステップと、通話セッションにおいて送受信される音声及び映像データを前記端末と前記他構内の端末との間で中継する第2の制御ステップと、を有する、映像コミュニケーション環境提供方法である。
【0011】
本発明の一態様は、上記の映像コミュニケーション環境提供方法であって、前記サーバは、さらに、前記端末の要求に応じて、映像コミュニケーションを行うためのメニュー画面を表示するためのデータを前記端末に送信する第3の制御ステップを有する、映像コミュニケーション環境提供方法である。
【0012】
本発明の一態様は、複数の構内のそれぞれに設置され、自構内の端末をQoSの制御が可能なネットワークに接続し、前記端末の要求に応じて、前記端末と他構内の端末との間の通話セッションを確立する第1の制御部と、通話セッションにおいて送受信される音声及び映像データを前記端末と前記他構内の端末との間で中継する第2の制御部と、を備える、サーバである。
【0013】
本発明の一態様は、上記のサーバであって、前記サーバは、さらに、前記端末の要求に応じて、映像コミュニケーションを行うためのメニュー画面を表示するためのデータを前記端末に送信する第3の制御部を有する、サーバである。
【0014】
本発明の一態様は、複数の構内のそれぞれに設置され、自構内の端末をQoSの制御が可能なネットワークに接続するサーバが、前記端末の要求に応じて、前記端末と他構内の端末との間の通話セッションを確立する第1の制御ステップと、通話セッションにおいて送受信される音声及び映像データを前記端末と前記他構内の端末との間で中継する第2の制御ステップと、を有する、サーバ制御方法である。
【0015】
本発明の一態様は、上記のサーバとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、より高品質な映像コミュニケーション環境を実現することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
図1は、実施形態の映像コミュニケーションシステム1のシステム構成を示すシステム構成図である。
映像コミュニケーションシステム1では、利用者宅2−1に設置された端末3−1は、宅内サーバ4−1を介してNGN5に接続可能である。同様に、利用者宅2−2に設置された端末3−2は、宅内サーバ4−2を介してNGN5に接続可能である。端末3−1及び端末3−2は、映像コミュニケーション通信を行うために、SIP(Session Initiation Protocol)による呼接続の確立を、それぞれ宅内サーバ4−1及び宅内サーバ4−2に指示する。端末3−1及び端末3−2は、宅内サーバ4−1及び宅内サーバ4−2によって確立されたエンドツーエンドの通信セッションを用いて映像コミュニケーション通信を行う。
【0019】
図1では、1つの利用者宅内には1台の端末のみが示されているが、アクセスポイント装置やルータ装置を用いることによって、複数台の端末が利用者宅内に設置されてもよい。また、
図1には、2つの利用者宅が示されているが、NGN5に接続する利用者宅は
図1と異なる数であってもよい。
【0020】
宅内サーバ4−1及び宅内サーバ4−2は、利用者宅内の端末をNGN5に接続するゲートウェイ装置である。宅内サーバ4−1及び宅内サーバ4−2は、それぞれ端末3−1及び端末3−2の接続要求に基づいて、NGN5上に存在するSIPサーバ6との間でSIP通信し、端末3−1と端末3−2との間の通信セッションを確立する。
【0021】
NGN5は、IP(Internet Protocol)技術を利用した次世代通信網である。NGN5は、QoS(Quality of Service)の制御が可能であり、品質の高い通信環境を提供することが可能である。QoSとは、通信データの種類に応じた通信の優先制御や、特定の通信用のネットワーク帯域の予約などの制御を行うことによって一定の通信速度を保証する技術である。
【0022】
実施形態のNGN5では、WebRTCによる映像コミュニケーションに必要な映像コーデック(例えば、VP8などのコーデック。)がネットワークを通過することができるように構成される。NGN5は、SIPサーバ6を備える。SIPサーバ6は、宅内サーバ4−1及び宅内サーバ4−2との間でSIP通信し、端末3−1と端末3−2との間の呼接続の確立を制御する。
【0023】
以下では、説明を簡単にするために、特に区別しない限り、利用者宅2−1及び利用者宅2−2を利用者宅2と記す。同様に、端末3−1及び端末3−2を端末3と記す。同様に、宅内サーバ4−1及び宅内サーバ4−2を宅内サーバ4と記す。
【0024】
図2は、端末3の機能構成を示す機能ブロック図である。
端末3は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、端末プログラムを実行する。端末3は、端末プログラムの実行によって、通信部31、入力部32、映像入力部33、表示部34及び制御部35を備える装置として機能する。
なお、端末3の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。端末プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。端末プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0025】
通信部31は、LAN(Local Area Network)等の通信インターフェースを用いて構成される。通信部31は、宅内サーバ4との間で通信する。
入力部32は、端末3の利用者が操作を入力するための入力装置である。入力部32は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置を用いて構成される。入力部32は、上記の入力装置を接続するための入力インターフェースとして構成されてもよい。入力部32は、取得された利用者の入力情報を制御部35に出力する。
【0026】
映像入力部33は、端末3の利用者が映像コミュニケーションを行う際に自身の映像を端末3に入力するための入力装置である。映像入力部33は、例えば、カメラなどの撮像装置を用いて構成される。映像入力部33は、上記の入力装置を接続するための入力インターフェースとして構成されてもよい。映像入力部33は、取得された映像データを制御部35に出力する。なお、映像入力部33は、映像に加えて音声を入力する装置として構成されてもよい。
【0027】
表示部34は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、タッチパネル等の表示装置である。表示部34は、上記の表示装置を端末3に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。表示部34は、利用者が映像コミュニケーションを行うための通話メニュー画面や、通話画面などの画面を表示する。通話メニュー画面とは、利用者が映像コミュニケーションを行うための操作を入力するための操作メニューを表示する画面である。通話画面とは、通話中に通話先の相手の映像を表示する画面である。
【0028】
制御部35は、端末3がWebRTCを用いた映像コミュニケーション通信を行うための制御を行う。具体的には、制御部35は、WebRTCの機能を備えたウェブブラウザである。制御部35は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)制御部351、SIPクライアント352及びWebRTC制御部353を備える。
なお、本実施形態では、制御部35は、WebRTCを標準機能として備えるウェブブラウザを用いて構成される。そのため、制御部35は、WebRTCの機能を追加するための専用のプラグインを必要としない。
【0029】
HTTP制御部351は、宅内サーバ4との間でHTTP通信を行うHTTPクライアントとして機能する。HTTP制御部351は、宅内サーバ4から通話メニュー画面や通話画面を表示するためのデータを取得する。HTTP制御部351は、通話先となる端末3への発信操作が入力されると、通話先となる端末3に対する発信の実行をSIPクライアント352に指示する。
【0030】
SIPクライアント352は、宅内サーバ4との間でWebSocket通信を確立する。WebSocketとは、HTTPサーバとウェブブラウザとの間の双方向通信を実現する通信規格である。WebSocketは、RFC 6455としてプロトコル仕様が策定されている。WebSocketは、HTTPとは異なる独自の軽量プロトコルによって通信を行う。そのため、WebSocketには、通信のオーバーヘッドが小さく、長時間に渡る通信であってもHTTPコネクションを占有する必要がないというメリットがある。
【0031】
また、WebSocketでは、WebSocketによって接続された装置間でSIP通信を行うことが可能である(SIP over WebSocket)。そのため、SIPクライアント352は、宅内サーバ4との間でWebSocketによりコネクションを確立することによって、宅内サーバ4との間でSIP通信することが可能となる。この端末3と宅内サーバ4との間のSIP通信により、発信元の端末3と発信先の端末3との間で呼接続による通話セッションを確立することが可能となる。
【0032】
SIPクライアント352は、HTTP制御部351から、通話先となる端末3に対する発信の指示を受けると、宅内サーバ4が通話先となる端末3に発信するためのSIP信号を生成し、宅内サーバ4に送信する。その後、宅内サーバ4によって自端末と発信先の端末3との間で通話セッションが確立される。SIPクライアント352は、通話セッションが確立されると、WebRTC制御部353に通話先の端末3の接続情報を通知する。接続情報とは、通話先の端末3との間で映像コミュニケーション通信を行うためのIPアドレス及びポート番号の情報である。
【0033】
WebRTC制御部353は、SIPクライアント352から通知された通話先の端末の接続情報に基づいて、通話先の端末3との間でRTP(Real-time Transport Protocol)通信を行う。WebRTC制御部353は、映像入力部33から出力された映像データを通話先の端末3に送信する。また、WebRTC制御部353は、通話先の端末3から送信された映像データをHTTP制御部351に出力する。
【0034】
図3は、宅内サーバ4の機能構成を示す機能ブロック図である。
宅内サーバ4は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、サーバプログラムを実行する。宅内サーバ4は、サーバプログラムの実行によって、
第1通信部41、第2通信部42、記憶部43、HTTP制御部44、SIP中継部45、SIP制御部46及びWebRTC制御部47を備える装置として機能する。
なお、宅内サーバ4の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。サーバプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。サーバプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0035】
第1通信部41は、LAN等の通信インターフェースを用いて構成される。第1通信部41は、端末3との間で通信する。
第2通信部42は、LAN等の通信インターフェースを用いて構成される。第2通信部42は、NGN5との間で通信する。
記憶部43は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部43は、通話メニュー画面や通話画面などの画面を表示するためのHTTPファイル431を予め記憶している。HTTPファイル431は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルやJavaScript(登録商標)などのファイルである。
【0036】
HTTP制御部44は、HTTPリクエストを処理するHTTPサーバである。HTTP制御部44は、端末3のHTTPファイル取得の要求(HTTP GET)を受け付け、指定されたHTTPファイルを記憶部43から取得し、端末3に送信する。
【0037】
SIP中継部45は、端末3との間でWebSocketによるコネクションを確立する。SIP中継部45は、WebSocketを介して、端末3から送信されたSIP信号を受信する。SIP中継部45は、受信されたSIP信号をSIP制御部46に中継する。
【0038】
SIP制御部46は、第2通信部42を介して、SIPサーバ6との間で通信する。SIP制御部46は、端末3から送信されたSIP信号に基づいて、SIPサーバ6との間でSIP通信し、通話先となる端末3に対する着信要求を送信する。着信要求は、SIPサーバ6によって発信先の利用者宅の宅内サーバ4に送信される。SIP制御部46は、発信先の宅内サーバ4の着信応答をSIP信号に変換し、SIP中継部45に出力する。
WebRTC制御部47は、発信元の端末3と発信先の端末3との間のRTP通信を中継する。
【0039】
図4は、通話メニュー画面の具体例を示す図である。
図4の通話メニュー画面7は、通話先の相手の一覧を管理するアドレス帳の態様で構成された通話メニュー画面の具体例である。画面表示71には、通話先となる相手の一覧が表示される。画面表示71の右側には、通話先となる相手ごとに発信ボタン72が配置される。入力ポインタ73は、利用者が通話メニュー画面7から操作を入力するために表示されるオブジェクトである。入力ポインタ73は、例えば、入力部32に接続されたマウスのカーソルである。利用者は、入力ポインタ73を発信ボタン72に重畳させて、発信ボタン72を押下することによって、発信ボタン72に対応する通話先となる相手の端末3に発信する。
【0040】
なお、発信先の端末3の宛先情報は、予め、HTTPファイル431に記録されている。宛先情報とは、通話先となる相手の端末3に発信するための識別情報であり、例えば、電話番号などの情報である。発信ボタン72が押下されると、HTTP制御部351は、押下された発信ボタン72に対応する宛先情報をSIPクライアント352に出力し、その宛先情報に対する発信を指示する。
【0041】
図5は、通話画面の具体例を示す図である。
通話画面8は、発信元の端末3と発信先の端末3との間で通話セッションが確立された後に表示される画面である。通話画面8は、例えば、映像表示領域81、映像表示領域82、文字入力領域83及び履歴表示領域84を備える。
映像表示領域81には、通話中の相手の映像が表示される。映像表示領域82には、通話中の自身の映像が表示される。したがって、映像表示領域82に表示される自身の映像は、通話中の相手の通話画面8における映像表示領域81に表示される映像と同じである。
【0042】
文字入力領域83は、通話中の相手に文字情報を伝達するために、利用者が文字情報を入力するための領域である。文字入力領域83に入力された文字情報は、通話中の相手の通話画面8における履歴表示領域84に表示される。
通話画面8が上記のように構成されることによって、利用者は、音声及び映像による通話と、文字による会話を1つの画面で同時に行うことが可能となる。
【0043】
図6、
図7、
図8及び
図9は、実施形態の映像コミュニケーションシステム1において端末3が行う呼接続処理の流れを表すシーケンス図である。
本シーケンス図では、説明を簡単にするために、発信元の端末が利用者宅2−1の端末3−1であり、発信先の端末が利用者宅2−2の端末3−2であると仮定して説明する。また、利用者宅内の端末3及び宅内サーバ4の各機能部には、発信元と発信先とを区別するために、名称の語尾に「−1」又は「−2」を付与して記載する。「−1」が付与された機能部は、発信元の端末3−1及び宅内サーバ4−1の機能部を表す。同様に、「−2」が付与された機能部は、発信先の端末3−2宅内サーバ4−2の機能部を表す。
【0044】
まず、端末3−1は、通話メニュー画面を表示するためのHTTPファイル431の取得要求(HTTP GET)を宅内サーバ4−1に送信する(ステップS101)。HTTP制御部44−1は、端末3−1の要求を受け付ける(ステップS102)。HTTP制御部44−1は、HTTPファイル431を記憶部43から取得し、端末3−1に送信する(ステップS103)。端末3−1は、HTTPファイル431を取得する(ステップS104)。端末3−1のHTTP制御部351−1は、取得されたHTTPファイル431に基づいて、通話メニュー画面を表示部34に表示する(ステップS105)。
【0045】
通話メニュー画面が表示されると、利用者は、表示された通話メニュー画面から通話先相手に対する発信の実行を入力する。
【0046】
次に、HTTP制御部351−1は、利用者による発信実行の入力を受け付ける(ステップS106)。HTTP制御部351−1は、発信実行の入力を受け付けると、端末3−2に対する発信の実行をSIPクライアント352−1に指示する。SIPクライアント352−1は発信実行の指示を受けると、宅内サーバ4−1にWebSocket接続の要求(HTTP GET Upgrade:websocket)を送信する(ステップS107)。宅内サーバ4−1のSIP中継部45−1は、要求を受け付けると、WebSocketを生成し(ステップS108)、SIPクライアント352−1に応答(HTTP Switichng Protocols)する(ステップS109)。SIPクライアント352−1は、SIP中継部45−1の応答を受信し、WebSocket接続を確立する(ステップS110)。
【0047】
WebSocket接続が確立されると、SIPクライアント352−1は、自端末の登録をSIPサーバ6に要求するためのSIP信号(REGISTER)を生成し、宅内サーバ4−1に送信する(ステップS111)。宅内サーバ4−1のSIP中継部45−1は、SIP信号を受信しSIP制御部46−1に中継する(ステップS112)。SIP制御部46−1は、中継されたSIP信号に基づいてSIPサーバ6との間でSIP通信し、端末3−1の登録を要求(REGISTER)する(ステップS113)。SIPサーバ6は、要求を受け付け、端末3−1のアドレス情報を自サーバのデータベースに登録する(ステップS114)。SIPサーバ6は、登録完了の応答(SIP OK)をSIP制御部46−1に送信する(ステップS115)。SIP制御部46−1は、登録完了の応答を受信する(ステップS116)。SIP制御部46−1は、登録完了の応答をSIP信号(SIP OK)に変換し、SIP中継部45−1に送信する(ステップS117)。SIP中継部45−1は、SIP信号(SIP OK)を端末3−1に中継する(ステップS118)。
【0048】
端末3−1は、ステップS101〜118の処理を行うことによってSIPサーバ6に自装置の情報を登録する。
図6及び
図7では記載が省略されているが、発信先の端末3−2についても、同様の処理を行うことによってSIPサーバ6に登録を行う。発信元の端末3−1及び発信先の端末3−2の情報がSIPサーバ6に登録されることによって、端末3−1と端末3−2との間で呼接続の通信を行うことが可能となる。
【0049】
SIPクライアント352は、SIPサーバ6への登録が完了すると、端末3−2に発信するためのSIP信号(INVITE)を生成し、宅内サーバ4−1に送信する(ステップS119)。宅内サーバ4−1のSIP中継部45−1は、SIP信号を受信しSIP制御部46−1に中継する(ステップS120)。SIP制御部46−1は、中継されたSIP信号に基づいてSIPサーバ6との間でSIP通信し、SIPサーバ6に端末3−2への発信(INVITE)を要求する(ステップS121)。SIPサーバ6は、自サーバに登録されている情報を参照し発信先の端末3−2のアドレス情報を取得する。SIPサーバ6は、取得された端末3−2のアドレス情報に基づいて、発信先の宅内サーバ4−2に着信要求(INVITE)を発信する(ステップS122)。
【0050】
宅内サーバ4−2のSIP制御部46−2は、SIPサーバ6の着信要求を受け付けると、着信要求をSIP信号(INVITE)に変換する。SIP制御部46−2は、SIP信号をSIP中継部45−2に送信する(ステップS123)。SIP中継部45−2はSIP信号を端末3−2に中継する(ステップS124)。端末3−2のSIPクライアント352−2は、SIP信号を受信し、着信要求を受け付ける(ステップS125)。SIPクライアント352−2は、端末3−1から着信要求を受信したことをHTTP制御部に通知する。
【0051】
ステップS119〜125の処理が行われることによって、端末3−1から送信された着信要求(INVITE)が端末3−2に送信される。ステップS123が完了した時点における端末3−1の状態は、例えば、通話画面が表示された状態で発信音がなっている状態である。端末3−2の状態は、例えば、通話画面が表示された状態で着信音がなっている状態である。このとき、端末3−1の通話画面には、例えば、端末3−1の利用者の映像のみが表示され、通話先の相手の映像が表示される領域には、呼び出し中である胸を示す情報が表示される。また、端末3−2の通話画面には、例えば、端末3−2の利用者の映像のみが表示され、端末3−1の着信要求に対し着信するか否かのポップアップが表示される。
端末3−2の利用者は、端末3−1との間で通話を開始するために、端末3−1の発信を着信する操作を入力する。
【0052】
次に、端末3−2のHTTP制御部44−2は、利用者の着信操作の入力を受け付ける。HTTP制御部44−2は、端末3−1の発信に対する着信の応答をSIPクライアント352−2に指示する。SIPクライアント352−2は、着信したことを応答するためのSIP信号(200 OK)を生成し、宅内サーバ4−2に送信する(ステップS126)。
【0053】
宅内サーバ4−2のSIP中継部45−2は、SIP信号を受信し、着信の応答をSIP制御部46−2に中継する(ステップS127)。SIP制御部46−2は、SIP信号に基づいてSIPサーバ6とSIP通信し、端末3−1の発信に対して着信したことを応答(200 OK)する(ステップS128)。SIPサーバ6は、宅内サーバ4−2から着信の応答を受信すると、宅内サーバ4−1とSIP通信し、応答を中継する(ステップS129)。
【0054】
宅内サーバ4−1のSIP制御部46−1は、着信応答を受けると、SIP信号(200 OK)を生成し、SIP中継部45−1に送信する(ステップS130)。SIP中継部45−1は、SIP信号(200 OK)を受信し、端末3−1に中継する(ステップS131)。端末3−1のSIPクライアント352−1は、SIP信号(200 OK)を受信すると、通話先の端末3−2とRTP通信するための宛先情報をWebRTC制御部353−1に通知し、通話セッションを確立する(ステップS132)。通話セッションが確立されると、WebRTC制御部353−1は、端末3−2のWebRTC制御部353−2との間でRTP通信を開始する(ステップS133)。WebRTC制御部353−1は、映像入力部33から取得された映像データを端末3−2に送信する。また、WebRTC制御部353−1は、端末3−2から送信された映像データを受信し、HTTP制御部351−1に出力する。HTTP制御部351−1は、端末3−2から送信された映像データを通話画面に表示する。
【0055】
このように構成された実施形態の映像コミュニケーションシステム1では、映像コミュニケーションを行う端末3のエンドツーエンドの通信がNGN5を介して行われる。NGN5では、帯域制御や優先制御などのQoSの制御によって高品質な通信を行うことができる。そのため、映像コミュニケーションシステム1は、より高品質な映像コミュニケーション環境を実現することが可能となる。
【0056】
また、実施形態の映像コミュニケーションシステム1では、宅内サーバ4及びNGN5はWebRTCに対応している。そのため、利用者は、プラグインの導入や専用アプリケーションを端末に導入することなく、ウェブブラウザを用いて映像コミュニケーションを行うことが可能となる。
【0057】
<変形例>
HTTP制御部351がSIPクライアント352に出力する宛先情報は、端末3が備える補助記憶装置等に予め記録されてもよい。
通話メニュー画面は、
図4に示された態様に限定されない。例えば、通話メニュー画面から発信する操作は、HTMLで表示されたリンクを選択する操作によって実現されてもよい。
1つの利用者宅2内には、複数の宅内サーバ4が設置されてもよい。
【0058】
通話画面は、
図5に示された態様に限定されない。例えば、通話画面8の映像表示領域81、映像表示領域82、文字入力領域83及び履歴表示領域84は、
図5と異なる配置であってもよい。また、通話画面には、映像表示領域81、映像表示領域82、文字入力領域83及び履歴表示領域84以外の領域が表示されてもよい。
端末3は、HTTPファイルの取得を宅内サーバ4とは別の装置から取得してもよい。例えば、端末3がインターネットに接続可能である場合、端末3は、インターネット上のHTTPサーバからHTTPファイルを取得してもよい。さらに、HTTPファイルは端末3が備える補助記憶装置等に予め記憶されてもよい。
【0059】
図10は、映像コミュニケーションシステム1の利用シーンの一具体例を示す図である。
図10では、端末3の通話先が企業のコールセンター20の端末である場合の例が示されている。企業サーバ11は、企業がインターネット10上で公開しているホームページを提供するHTTPサーバである。利用者宅2には、宅内サーバ4にアクセスポイント12が接続されている。端末3は、アクセスポイント12及び宅内サーバ4を介してNGN5に接続する。また、端末3は、公衆回線を介してインターネット10に接続可能である。
【0060】
このような、利用シーンにおいては、端末3は矢印A1、A2及びA3で示される通信を行うことによって、コールセンター20の端末との間で映像コミュニケーション通信を行うことができる。
矢印A1は、端末3が、企業サーバ11からHTTPファイルを取得することを表している。取得されたHTTPファイルによって、企業のホームページ9が端末3の表示部34に表示される。利用者は、ホームページ9に表示された発信リンク91を選択することによって、企業のコールセンター20に発信する。
【0061】
矢印A2は、宅内サーバ4によって、端末3とコールセンター20の端末との間で呼接続が行われ、通話セッションが確立されることを表している。
矢印A3は、確立された通話セッションによって端末3とコールセンター20の端末との間で映像コミュニケーション通信が行われることを表している。
【0062】
上述した実施形態における端末3及び宅内サーバ4をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0063】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。