特許第6286304号(P6286304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286304
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】金属缶用フランジ形成装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 51/26 20060101AFI20180215BHJP
   B21D 19/04 20060101ALI20180215BHJP
   B65D 8/20 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   B21D51/26 L
   B21D19/04 A
   B65D8/20 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-139882(P2014-139882)
(22)【出願日】2014年7月7日
(65)【公開番号】特開2016-16419(P2016-16419A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000186854
【氏名又は名称】昭和アルミニウム缶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(72)【発明者】
【氏名】井山 哲也
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 浩朗
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−032432(JP,A)
【文献】 実公昭63−038020(JP,Y2)
【文献】 特開2005−046855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
B21D 19/04
B21D 39/12
B65D 1/16
B65D 8/20
B21D 22/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属缶の缶胴の横断面円形状ネック部の開口端部を外向きに屈曲してフランジ部を形成する金属缶用フランジ形成装置であって、
前記フランジ部の形成時に前記ネック部の中心軸線に対して交差する方向に配置される自転軸線を中心に回転自在なスピナーを具備し、
前記スピナーは、前記フランジ部の形成時に前記ネック部の内面を保持する保持部と、前記ネック部の開口端部を外向きに屈曲するフランジ加工部と、を有するとともに、
前記保持部は、前記自転軸線上に中心が存在する球面の一部から形成されていることを特徴とする金属缶用フランジ形成装置。
【請求項2】
前記保持部の曲率半径は、前記フランジ部の形成終了時の位置において前記ネック部の中心軸線と前記スピナーの自転軸線との交点からフランジ部の内周縁までの距離に対して−30%〜+30%の範囲に設定されている請求項1記載の金属缶用フランジ形成装置。
【請求項3】
前記フランジ部の形成時に前記ネック部の中心軸線上に配置される回転軸線を中心に前記ネック部に対して相対的に回転駆動する回転ヘッドを具備しており、
前記スピナーの個数は複数個であり、
前記各スピナーは、前記回転ヘッドの前記回転軸線の周囲における周方向に離間した位置に設けられている請求項1又は2記載の金属缶用フランジ形成装置。
【請求項4】
缶胴の横断面円形状ネック部の開口端部を外向きに屈曲してフランジ部を形成するフランジ形成工程を含む金属缶の製造方法において、
前記フランジ形成工程では、請求項1〜3のいずれかに記載の金属缶用フランジ形成装置を用いてフランジ部を形成することを特徴とする金属缶の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の金属缶の製造方法により製造されたことを特徴とする金属缶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物として飲料等が充填される金属缶用フランジ形成装置、金属缶の製造方法及び金属缶に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物として例えば、アルコール(ビール、酎ハイ等)や清涼飲料(炭酸飲料等)などの飲料が充填される飲料用金属缶(飲料缶)は、缶胴、缶胴の開口を閉塞する缶蓋などを備えている。缶胴は例えば有底円筒状に形成されている。缶胴のネック部は横断面円形状に形成されており、その開口端部には缶蓋の外周縁部を巻き締めるためのフランジ部が外向きに屈曲して形成されている。
【0003】
フランジ部を形成する従来の装置は、一般に、自転軸線を中心に回転自在な複数個のスピナー(「スピンナー」又は「ローラ」とも呼ばれている)を具備しており、各スピナーを缶胴のネック部の中心軸線を中心に回転(公転)させた状態のもとで各スピナーをネック部の開口端部に相対的に押し付けることにより、開口端部を外向きに屈曲させてフランジ部を形成する、即ちフランジ加工をするものである。
【0004】
特開昭58−13417号公報(特許文献1)及び特開平6−218463号公報(特許文献2)に記載されたスピナーは、いわゆる「縦回転型スピナー」と呼ばれているものであり、即ちフランジ部の形成時(フランジ加工時)にその自転軸線が缶胴のネック部の中心軸線と平行に配置されるものである。
【0005】
この縦回転型スピナーでは、206口径に多く採用されている4段ネック缶などの多段ネック缶に対してフランジ部の形成を行う場合、ネック部の剛性が高いので特に不具合は生じないが、202〜206口径で採用されることの多い無段ネック(スムースネック)缶に対してフランジ部の形成を行う場合は、ネック部の剛性が低いために横断面形状が多角形状に変形してしまう不具合が発生することが多かった。
【0006】
一方、特開昭63−38020号公報(特許文献3)に記載されたスピナーは、いわゆる「横回転型スピナー」と呼ばれているものであり、即ちフランジ部の形成時にその自転軸線がネック部の中心軸線に対して垂直に交差する方向に配置されるものである。この横回転型スピナーによれば、縦回転型スピナーによる上記不具合を解消し得るという利点がある。
【0007】
従来の横回転型スピナーを用いたフランジ部の形成方法について図10及び11を参照して以下に説明する。なお図10において、金属缶110は例えば無段ネック缶であり、その缶胴111のネック部112は横断面円形状である。
【0008】
同図に示した従来の横回転型スピナー102は、略独楽状であり、回転軸線T1を中心に回転駆動しうる回転ヘッド(図示せず)に、自転軸線S1を中心に回転自在に枢支されている。回転ヘッドの回転軸線T1は、ネック部112のフランジ部113の形成時に、ネック部112の中心軸線P1上に該中心軸線P1と一致して配置され、またスピナー102の自転軸線S1は、フランジ部113の形成時にネック部112の中心軸線P1(即ち回転ヘッドの回転軸線T1)に対して垂直に交差する方向に配置される。なお同図中のO1は、ネック部112の中心軸線P1とスピナー102の自転軸線S1との交点である。
【0009】
スピナー102には、フランジ部113の形成時にネック部112の内面112bを保持する略傘状の保持部103が形成されており、更に保持部103の中心部にネック部112の開口端部112aを外向きに屈曲する略円錐台状のフランジ加工部104が保持部102と滑らかに連なって同軸に一体形成されている。
【0010】
このスピナー102を用いたフランジ部113の形成方法では、スピナー102をネック部112の中心軸線P1を中心に回転(公転)させた状態のもとで、ネック部112をスピナー102に向かってスピナー102に対して相対的に移動させる。すると、ネック部112の内面112bがその内側から保持部103で保持されるとともにこの状態でネック部112の移動に伴いネック部112の開口端部112aがフランジ加工部104に押し付けられて当該開口端部112aがその全周に亘って外向きに屈曲される。これによりフランジ部113が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭58−13417号公報
【特許文献2】特開平6−218463号公報
【特許文献3】実公昭63−38020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかるに、従来の横回転型スピナー102では、図10に示すように保持部103は、スピナー102の自転軸線S1に対して少しずれた位置に中心(曲率中心)Q1が存在する円U1を自転軸線S1を中心に回転させた円回転面の一部から形成されていた。したがって、同図に示すようにスピナー102の自転軸線断面において、保持部103の曲率中心Q1は自転軸線S1を対称線とする線対象位置に2つ存在していた。
【0013】
そのため、図11に示すように、フランジ部113の形成時にネック部112は略波状に屈曲してしまい、その結果、形成されるフランジ部113の形状が安定しないし、更にはネック部112や缶胴111が変形することがあった。
【0014】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、フランジ部を所定形状に確実に形成することができる金属缶用フランジ形成装置、フランジ形成装置を用いた金属缶の製造方法、及び金属缶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は以下の手段を提供する。
【0016】
[1] 金属缶の缶胴の横断面円形状ネック部の開口端部を外向きに屈曲してフランジ部を形成する金属缶用フランジ形成装置であって、
前記フランジ部の形成時に前記ネック部の中心軸線に対して交差する方向に配置される自転軸線を中心に回転自在なスピナーを具備し、
前記スピナーは、前記フランジ部の形成時に前記ネック部の内面を保持する保持部と、前記ネック部の開口端部を外向きに屈曲するフランジ加工部と、を有するとともに、
前記保持部は、前記自転軸線上に中心が存在する球面の一部から形成されていることを特徴とする金属缶用フランジ形成装置。
【0017】
[2] 前記保持部の曲率半径は、前記フランジ部の形成終了時の位置において前記ネック部の中心軸線と前記スピナーの自転軸線との交点からフランジ部の内周縁までの距離に対して−30%〜+30%の範囲に設定されている前項1記載の金属缶用フランジ形成装置。
【0018】
[3] 前記フランジ部の形成時に前記ネック部の中心軸線上に配置される回転軸線を中心に前記ネック部に対して相対的に回転駆動する回転ヘッドを具備しており、
前記スピナーの個数は複数個であり、
前記各スピナーは、前記回転ヘッドの前記回転軸線の周囲における周方向に離間した位置に設けられている前項1又は2記載の金属缶用フランジ形成装置。
【0019】
[4] 缶胴の横断面円形状ネック部の開口端部を外向きに屈曲してフランジ部を形成するフランジ形成工程を含む金属缶の製造方法において、
前記フランジ形成工程では、前項1〜3のいずれかに記載の金属缶用フランジ形成装置を用いてフランジ部を形成することを特徴とする金属缶の製造方法。
【0020】
[5] 前項4記載の金属缶の製造方法により製造されたことを特徴とする金属缶。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以下の効果を奏する。
【0022】
前項[1]では、スピナーは、フランジ部の形成時にネック部の中心軸線に対して交差する方向に配置される自転軸線を中心に回転自在であり、更に、スピナーの保持部が、スピナーの自転軸線上に中心が存在する球面の一部から形成されていることにより、フランジ部の形成時に保持部がネック部の内面にその周方向に連続して当接してネック部の内面の曲率が変化しないようにネック部の内面を保持部で保持することができる。これにより、フランジ部を所定形状に確実に形成することができる。
【0023】
前項[2]では、スピナーの保持部の曲率半径が所定範囲に設定されていることにより、フランジ部をより一層確実に所定形状に形成することができる。
【0024】
前項[3]では、複数個のスピナーによってフランジ部を形成することができ、これによりフランジ部の形成を効率良く行うことができる。
【0025】
前項[4]では、前項[1]〜[3]に記載の効果と同様の効果を奏する。
【0026】
前項[5]では、金属缶の製造時において前項[1]〜[3]に記載の効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る金属缶用フランジ形成装置を用いて金属缶の缶胴のネック部の開口端部にフランジ部を形成する前の状態を示す断面図である。
図2図2は、図1の状態における同フランジ形成装置のスピナーと缶胴のネック部とを示す拡大断面図である。
図3図3は、フランジ部の形成開始時の状態を示す断面図である。
図4A図4Aは、図3の状態における斜視図である。
図4B図4Bは、図3の状態における正面図である。
図5図5は、同3の状態におけるスピナーと缶胴のネック部との拡大断面図である。
図6図6は、図5中のX−X線断面図である。
図7図7は、スピナーと缶胴のネック部とをフランジ部の形成途中の状態で示す拡大断面図である。
図8図8は、フランジ部の形成終了時の状態を示す断面図である。
図9図9は、図8の状態におけるスピナーと缶胴のネック部との拡大断面図である。
図10図10は、従来の金属缶用フランジ加工装置のスピナーと金属缶の缶胴のネック部とを示す拡大断面図である。
図11図11は、図10中のX1−X1線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0029】
図1において、10は金属缶である。金属缶10は例えば2ピース缶であり、有底円筒状の缶胴11と、缶胴11の開口を閉塞する缶蓋(図示せず)とを具備している。本実施形態では、金属缶10は例えばアルミニウム(その合金を含む)製であり、缶胴11はDI(Drawing and Ironing)成形により製造されたものである。また、缶胴11のネック部12は絞り加工が施されており、その横断面形状は円形状である。ネック部12の中心軸線Pは缶胴11の中心軸線と一致している。金属缶10の内部には、内容物として例えば、アルコール(ビール、酎ハイ等)や清涼飲料(炭酸飲料等)などの飲料が充填される。
【0030】
金属缶10のネック部12の寸法及び形状は限定されるものではないが、特に、金属缶10が202〜206口径の無段ネック缶のようにネック部の剛性が低い缶において本発明は極めて有効であり、ネック部12の横断面形状が多角形状になるように変形してしまうという上述した縦回転型スピナーによる不具合を解消することができる。本実施形態では、金属缶10は例えば204口径の無段ネック(スムースネック)缶である。なお204口径とは、缶蓋を巻締めた後の巻締め部の外径がおよそ2インチ+(04/16)インチであり、所謂呼称径であることを意味している。
【0031】
本実施形態に係る金属缶用フランジ形成装置1は、図8及び9に示すように、金属缶10の缶胴11のネック部12の開口端部12aをその全周に亘って外向きに屈曲してフランジ部13を形成する(即ちフランジ加工をする)ものであり、図1に示すように、回転ヘッド6、複数個のスピナー2などを具備している。
【0032】
回転ヘッド6は、その回転シャフト6aの回転軸線Tを中心にネック部12に対して相対的に回転駆動しうるように構成されている。さらに、回転軸線Tは、フランジ部13の形成時にネック部12の中心軸線P上に該中心軸線Pと一致して配置される。
【0033】
図4Aに示すように、スピナー2の個数は例えば3個であり、その形状は略独楽状である。そして、各スピナー2は、回転ヘッド6の回転軸線Tの周囲における周方向に等間隔に離間した位置に、スピナー2の自転軸線Sを中心に回転自在(詳述するとフリー回転可能)に環状ボールベアリング7a、7b(図3参照)を介して枢支されている。
【0034】
なお、図2、4A、4B、5〜7及び9では、スピナー2の形状、フランジ部13の形成時におけるスピナー2の位置などを理解し易くするため、回転ヘッド6は図示省略されている。
【0035】
各スピナー2の自転軸線Sは、図2に示すように、回転ヘッド6の回転軸線Tに対して垂直に交差する方向に配置されており、これにより、フランジ部13の形成時において各スピナー2の自転軸線Sがネック部12の中心軸線Pに対して垂直に交差する方向に配置されるようになっている(図9参照)。
【0036】
スピナー2は、保持部3、フランジ加工部4などを一体に有している。
【0037】
保持部3は、図5、7及び9に示すように、フランジ部13の形成時にネック部12の内面12bを保持するものであり、略傘状に形成されている。フランジ加工部4は、ネック部12の開口端部12aを外向きに屈曲するものであり、保持部3の中心部に保持部3と滑らかに連なるように略円錐台状に外向きに突出して保持部3と同軸に一体形成されている。
【0038】
さらに、保持部3は、図2に示すように、スピナー2の自転軸線S(詳述すると、自転軸線Sの延長線)上に中心(曲率中心)Qが存在する球面Uの一部から形成されており、すなわち単一の曲率中心Q及び曲率半径Rを有する曲面から形成されている。
【0039】
保持部3の曲率半径Rは、図9に示すように、フランジ部13の形成終了時の位置においてネック部12の中心軸線Pとスピナー2の自転軸線Sとの交点Oからフランジ部13の内周縁13aまでの距離Lに対して−30%〜+30%の範囲に設定されていることが望ましく、更に距離Lに対して−20%〜+20%の範囲に設定されていることが望ましく、特に距離Lと等しいこと即ちR=Lであることが望ましい。
【0040】
次に、本実施形態のフランジ形成装置1を用いたフランジ部13の形成方法について以下に説明する。
【0041】
図1及び2に示すように、フランジ形成装置1の回転ヘッド6は、缶胴11に対して例えば上側に離間して配置されている。この回転ヘッド6をその回転軸線Tが缶胴11のネック部12の中心軸線P上に中心軸線Pと一致するように配置し、この状態で回転ヘッド6をその回転軸線T(即ちネック部12の中心軸線P)を中心にネック部12に対して相対的に回転駆動させる。その回転数は例えば200〜1000回転/minである。これにより、各スピナー2が回転ヘッド6の回転軸線T(ネック部12の中心軸線P)を中心に回転(公転)する。そして、ネック部12をスピナー2に向かって中心軸線Pに沿ってスピナー2に対して相対的に上昇移動させる。
【0042】
すると、図3〜6に示すように、各スピナー2の保持部3にネック部12(詳述するとネック部12の開口端部12a)の内面12bが同時に当接する。これにより、各スピナー2がその自転軸線Sを中心に回転(自転)しながら回転ヘッド6の回転軸線T(ネック部12の中心軸線P)を中心にネック部12の開口端部12aに沿って周方向に回転(公転)する。
【0043】
さらに、こうして各スピナー2の保持部3にネック部12の内面12bが当接することで、ネック部12の内面12bの曲率が変化しないようにネック部12(詳述するとネック部12の開口端部12a)の内面12bがその内側から各スピナー2の保持部3で保持される。このとき、保持部3は上述したようにスピナー2の自転軸線S上に中心Qが存在する球面Uの一部から形成されているので、図6に示すように、保持部3はネック部12の内面12bにその周方向に連続して当接するとともにこの状態でネック部12の内面12bを保持している。
【0044】
ネック部12の上昇移動に伴いネック部12の開口端部12aが各スピナー2のフランジ加工部4に押し付けられ、これにより図7に示すように当該開口端部12aがその全周に亘って外向きに屈曲されていく。そして最終的に、図8及び9に示すようにネック部12の開口端部12aに所定形状のフランジ部13が形成される。
【0045】
本実施形態のフランジ形成装置1を用いて金属缶10を製造する場合には、缶胴11のネック部12の開口端部12aを外向きに屈曲してフランジ部13を形成する工程(即ちフランジ形成工程)を、上述したフランジ部13の形成方法により行い、次いで、常法に従って缶胴11内に内容物として例えば飲料を充填したのち缶蓋の外周縁部をフランジ部13で巻き締める。これにより、内部に飲料が充填された金属缶10が得られる。
【0046】
本実施形態によれば、図6に示すように、フランジ部13の形成時において各スピナー2の保持部3はネック部12の内面12bにその周方向に連続して当接してネック部12の内面12bの曲率が変化しないようにネック部12の内面12bを保持している。これにより、フランジ部13を所定形状に確実に形成することができるし、更にはフランジ部13の形成時にネック部12や缶胴11が変形するのを確実に抑制することができる。
【0047】
さらに、スピナー2の保持部3の曲率半径Rが距離Lに対して−30%〜+30%の範囲に設定されることにより、フランジ部13をより一層確実に所定形状に形成することができる。
【0048】
さらに、3個のスピナー2によってフランジ部13を形成することができ、これによりフランジ部13の形成を効率良く行うことができる。
【0049】
以上で本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々に変更可能である。
【0050】
また本発明では、スピナー2の自転軸線Sは、本実施形態のように回転ヘッド6の回転軸線T(即ちネック部12の中心軸線P)に対して垂直に交差する方向に配置されていることが特に望ましいが、これに限定されず、回転ヘッド6の回転軸線T(ネック部12の中心軸線P)に対して交差する方向(例えば斜めに交差する方向)に配置されていれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、内容物として飲料等が充填される金属缶用フランジ形成装置、金属缶の製造方法及び金属缶に利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1:金属缶用フランジ形成装置
2:スピナー
3:保持部
4:フランジ加工部
6:回転ヘッド
10:金属缶
11:缶胴
12:ネック部
12a:ネック部の開口端部
12b:ネック部の内面
13:フランジ部
S:スピナーの自転軸線
Q:保持部の曲率中心
T:回転ヘッドの回転軸線
P:ネック部の中心軸線
O:PとSとの交点
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11