(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図29は本発明に係る作業機1の側面図である。
図30は作業機1の平面図である。
図31は作業機1の正面図である。
図29〜31では、作業機1の一例としてスキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機1はスキッドステアローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類の作業機であってもよい。
【0012】
作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備えている。
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。走行装置5は、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機6が搭載されている。原動機6は、エンジン、モータ等である。実施形態では、エンジンを採用している。
【0013】
尚、本発明の全ての実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(
図29の左側)を前方、運転者の後側(
図29の右側)を後方、運転者の左側(
図29の手前側)を左方、運転者の右側(
図29の奥側)を右方として説明する。
前後に直交する方向である水平方向Kを機体幅方向として説明する。
図31に示すように、機体2の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向Kであって機体2から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向Kであって機体2に近づく方向のことである。
【0014】
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。バケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
【0015】
左側及び右側の各ブーム10の前部同士は、異形の連結パイプ7で連結されている。各ブーム10の基部(後部)同士は、円形の連結パイプ9で連結されている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
【0016】
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸18(第3枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第3枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、第1枢支軸16の前方に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸19(第4枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第4枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって第3枢支軸18の下方に設けられている。
【0017】
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸20(第5枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第5枢支軸20は、機体2に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸21(第6枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第6枢支軸21は、ブーム10であって、第2枢支軸17の前方で且つ第2枢支軸17の上方に設けられている。
【0018】
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が第1枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って第5枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って第2枢支軸17回りに前後揺動する。
【0019】
バケット11は、各ブーム10の前部(先端部)に設けられた装着装置201に着脱可能である。この装着装置201は、装着体23と、ロック機構202と、ロックシリンダ203とを有する。
各ブーム10の前部に枢支ピン24が設けられ、枢支ピン24に装着体23が横軸回りに揺動自在に枢支されている。右側の装着体23と左側の装着体23とは連結部材204によって連結されている。
【0020】
ロック機構202は、装着体23からバケット11が離脱するのを阻止する機構である。ロックシリンダ203は、ロック機構202のロック操作及びロック解除操作を行う。このロックシリンダ203は、複動型油圧シリンダで構成されている。
装着装置201にはバケット11の代わりに別の作業具が装着可能とされている。別の作業具としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
【0021】
左側のブーム10の前部には、油圧取出部322が設けられている。油圧取出部322は、予備アタッチメントに装備された油圧アクチュエータと、ブーム10に設けられた油圧ホースとを接続する装置である。油圧取出部322と予備アタッチメントの油圧アクチュエータとは、別の油圧ホースで接続される。油圧取出部322に供給された作動油は、油圧ホースを通過して油圧アクチュエータに供給される。
【0022】
バケットシリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。このバケットシリンダ15の上部は、各ブーム10に第1バケットシリンダピン26を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。バケットシリンダ15の下部は、装着体23に第2バケットシリンダピン27を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。このバケットシリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
【0023】
左側及び右側の各走行装置5は、本実施形態では前輪5F及び後輪5Rを有する車輪型の走行装置が採用されている。尚、走行装置5としてクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置を採用してもよい。
図1、
図2に示すように、機体2は、メインフレーム205と、支持フレーム206とを有する。
【0024】
メインフレーム205は、右側枠部208と、左側枠部209と、前枠部210と、底枠部211とを有する。右側枠部208は機体2の右部を構成する。左側枠部209は機体2の左部を構成する。前枠部210は機体2の前部を構成する。底枠部211は機体2の底部を構成する。
図3に示すように、右側枠部208及び左側枠部209は、それぞれ、側部部材212と、上板材213と、カバー214とを有する。
【0025】
側部部材212は、第1板材215と、第2板材216とを有する。第2板材216は第1板材215から立ち上がる。詳細には、第2板材216は、第1板材215の外側(機体2の外部側)の端部215aから上方に延びている。本実施形態では、第1板材215と第2板材216とは一枚板を折曲することにより一体形成されている。
上板材213は、側部部材212の上方に位置する。上板材213の下部は側部部材212の第2板材261の上部に重ね合わされてボルトによって取り付けられている。
【0026】
カバー214は、側部部材212の機体内側(機体2の内部側)に配置されている。換言すれば、カバー214は、側部部材212の側方であって走行装置5とは反対側に配置されている。このカバー214は、第3板材217と、第4板材218を有する。第3板材217は第2板材216に対向する。第4板材218は第1板材215の上方に位置し且つ第1板材215に対向する。
【0027】
第4板材218は第3板材217の上端から第2板材216に向けて延びている。第3板材217の下端は第1板材215に接続され、第4板材218の端部は第2板材216に接続されている。本実施形態では、第3板材217と第4板材218とは一枚板を折曲することにより一体形成されている。
側部部材212とカバー214とで伝動ケース219L、219Rを構成している。即ち、側部部材212とカバー214とによって、機体2の右部及び左部には、一対の伝動ケース219L、219Rが形成されている。
【0028】
図4に示すように、伝動ケース219L、219Rの前端は前蓋板220で塞がれ、伝動ケース219L、219Rの後端は後蓋板221で塞がれている。
図3に示すように、各伝動ケース219L、219Rの内部には動力伝達装置222L、222Rが収容されている。動力伝達装置222L、222Rは走行装置5の前輪5F及び後輪5Rに動力を伝達する。
【0029】
右側のカバー214及び左側のカバー214の第3板材217には、それぞれ、走行モータ223L、223Rが取り付けられている。この走行モータ223L、223Rは、静油圧式無段変速機の一部を構成する油圧モータである。右側の走行モータ223Rは右側の動力伝達装置222Rを介して右側の走行装置5の前輪5F及び後輪5Rを駆動する。左側の走行モータ223Lは左側の動力伝達装置222Lを介して右側の走行装置5の前輪5F及び後輪5Rを駆動する。
【0030】
図1、
図2に示すように、前枠部210は、右側枠部208と左側枠部209との前端同士を連結している。この前枠部210は、上板224と、下板225とを有する。上板224は主に上板材213を連結する。下板225は主に側部部材212を連結する。
底枠部211は、主板226と、後部板227と、バンパー部材228(バンパー部)とを有する。主板226は、機体2の前端から後部にわたって設けられている。後部板227は、主板226の後方であって、左側の支持フレーム206と右側の支持フレーム206との間に位置する。この後部板227は、エンジン6の後部の下方位置からエンジン6の後方に向けて延びている。また、後部板227は、後ろ上がり傾斜状に設けられている。
【0031】
バンパー部材228は、一枚の板材からなり、機体2の後端部に位置する。このバンパー部材228は、支持フレーム206の後部同士を連結している。バンパー部材228の右側228aは、右側の支持フレーム206から後方に突出している。バンパー部材228の左側228bは、左側の支持フレーム206から後方に突出している。バンパー部材228の右側228aと左側228bとの間には、機体幅方向に略直線状の連結部228cが形成されている。連結部228cと右部228aとの接続部分及び連結部228cと右部228bとの接続部分は湾曲状とされている。連結部228は後部板227の後端上に載置されて固定されている。
【0032】
図1、
図2に示すように、支持フレーム206は、メインフレーム205の後部の右側及び左側にそれぞれ設けられている。
各支持フレーム206は、一対の支持壁229a、229bと、後壁230とを有する。一方の支持壁229aは、他方の支持壁229bに対して、機体幅方向Kに離れていて、支持壁229aと支持壁229bとは対向している。一対の支持壁229a、229bのうち、一方の支持壁229a(内側の支持壁229aともいう)は、上板材213に固定されている。他方の支持壁229b(外側の支持壁229bともいう)は、内側の支持壁229aの外側に位置する。
【0033】
後壁230は、支持壁229aの後端と支持壁229aの後端とを連結する。一対の支持壁229a、229bの間には後輪5Rの後上方を覆うフェンダ231が設けられている。
支持フレーム206の間には、連結フレーム232が設けられている。この連結フレーム232は、内側の支持壁229aの前部同士を連結する。連結フレーム232は、上板部234と、前板部235とを有する。前板部235は、上板部234の前端から下方側に延びる。
【0034】
図1に示すように、上板部234には、機体側ブラケット236が一対設けられている。
図25に示すように、機体側ブラケット236にキャビン側ブラケット237が枢軸238によって枢支されている。キャビン側ブラケット237は、キャビン3の後部に設けられたブラケットである。したがって、キャビン3は枢軸238を中心として上下揺動可能とされている。
【0035】
図4に示すように、エンジン6の前部には、ポンプハウジング239が設けられている。このポンプハウジング239には、一対の走行ポンプ240F、240Rが前後に並列して設けられている。前側の走行ポンプ240Fの前方には、第1〜3ポンプ241、242、243が前後に並列して設けられている。走行ポンプ240F、240R及び第1〜3ポンプ241、242、243は、エンジン6によって駆動される。
【0036】
走行ポンプ240F、240Rは、走行モータ223L、223Rと共に静油圧式無段変速機の一部を構成する可変容量油圧ポンプである。前側の走行ポンプ240Fは、左側の走行モータ223Lを駆動し、後側の走行ポンプ240Rは右側の走行モータ223Rを駆動する。
第1〜3ポンプ241、242、243は、定容量型のギヤポンプである。第1ポンプ241は、作業装置4に装備された油圧アクチュエータや作業装置4に取り付けられる油圧アタッチメントに装備された油圧アクチュエータを駆動する。第2ポンプ242は、作動油を増量するのに使用され、第3ポンプ243は、主として制御信号圧力の供給用に使用される。
【0037】
運転席8の前部の右側及び左側には、走行レバー244L、244R(操作レバー)が設けられている。この走行レバー244L、244Rは、走行ポンプ240F、240Rを操作するレバーであり、走行ポンプ240F、240Rを操作することで走行装置5が操作される。左側の走行レバー244Lは、前側の走行ポンプ240Fを操作する。右側の走行レバー244Rは後側の走行ポンプ240Rを操作する。
【0038】
運転席8の前側下方には、作業装置4用の制御弁245(作業制御弁という)が配置されている。この作業制御弁245は、バルブボディ内に、ブーム制御弁と、バケット制御弁(作業具制御弁)と、アタッチメント制御弁とが組み込まれている。ブーム制御弁は、ブームシリンダ14を制御する弁である。バケット制御弁は、バケットシリンダ15を制御する弁である。アタッチメント制御弁は、バケット11の代わりに取り付けられるアタッチメントに装備された油圧アクチュエータを制御する弁である。
【0039】
エンジン6の後方には、ボンネット530が設けられている。このボンネット530は一端側がヒンジによって支持フレーム206に取り付けられて開閉可能である。バンパー部材228の後端は、ボンネット530よりも後方に突出している。エンジン6とボンネット530との間には、燃料タンク532が配置されている。この燃料タンク532は、ボンネット530に取り付けられている。
【0040】
図5に示すように、エンジン6の前側及び後側には、エンジン6を支持するマウント部材249F、249Rが設けられている。エンジン6の前側は一対の前側のマウント部材249Fによって支持され、エンジン6の後側は1つの後側のマウント部材249Rによって支持されている。
図6に示すように、エンジン6の後部(背面)であって下部には、出力軸246が突出されている。即ち、エンジン6の前面とは反対側である後部(背面)には、出力軸246が突出されている。出力軸246は、コンプレッサ及びオルタネータを駆動する。
【0041】
また、エンジン6の背面、即ち、出力軸264の後端側の下部には、取付け面250が後方を向く後部取付部251が設けられている。後部取付部251は、右側に設けられた第1取付部251Rと、左側に設けられた第2取付部251Lとを有している。
図8に示すように、第1取付部251R及び第2取付部251Lの取付け面250にはねじ穴252が設けられている。第1取付部251R及び第2取付部251Lはエンジン6のクランクケースに鋳造で一体形成されている。
【0042】
図8、
図9に示すように、後側のマウント部材249Rは、第1支持部材253と、弾性部材254と、第2支持部材255とを有する。第1支持部材253は、第1取付部251R及び第2取付部251Lに取り付けられる。弾性部材254は、第1支持部材253に取り付けられる。第2支持部材255は、弾性部材254を支持する。
第1支持部材253は、
図7、
図8、
図9に示すように、対向取付部256と、第1アーム部257と、第2アーム部258と、連結部259と、第1突出部260と、第2突出部261とを有する。
【0043】
対向取付部256は、右側に設けられた第3取付部256Rと、左側に設けられた第4取付部256Lとを有している。第3取付部256Rは、第1取付部251Rに対向して取り付けられる。第4取付部256Lは、第2取付部251Lに対向して取り付けられる。
図8に示すように、第3取付部256R及び第4取付部256Lには、それぞれ前後に貫通するボルト挿通孔262が形成されている。第3取付部256R及び第4取付部256Lのボルト挿通孔262に、エンジン6の後方からボルトを挿通する。そして、ボルトを、第1取付部251R及び第2取付部251Lのねじ穴252に螺合することによって、第1支持部材253(第3取付部256R及び第4取付部256L)を、第1取付部251R及び第2取付部251Lに取り付けることができる。
【0044】
第1アーム部257は、第3取付部256Rから後方に向けて(略真後ろに向けて)に延びている。第2アーム部258は、第4取付部256Lから後方に向けて(略真後ろに向けて)に延びている。
連結部259は、第1アーム部257と第2アーム部258とを連結している。この連結部259に弾性部材254が取り付けられる。連結部259には、弾性部材254を取り付けるための取付孔263が形成されている。
【0045】
弾性部材254は、ゴム(又はその他のゴム様弾性体)によって形成されている。この弾性部材254は、半球状の上防振部材264と下防振部材265とに上下に分割されている。上防振部材264と下防振部材265とには、それぞれ筒体267が上下に貫通されて固定されている。上防振部材264の下側外周及び下防振部材265の上側外周には、リング体268が固定されている。
【0046】
上防振部材264のリング体268は、上方から取付孔263に嵌められ、下防振部材265のリング体268は、下方から取付孔263に嵌められている。下防振部材265のリング体268と、下防振部材265のリング体268とで取付孔263の周囲の壁部269を挟み込んでいる。
上防振部材264の上には、押え板273(規制部材)が設けられている。この押え板273を貫通して上下の筒体267にスタッドボルト270が挿通されている。スタッドボルト270の上端側にはナット271が螺合されている。
【0047】
第1突出部260は、連結部259の下面から下方に突出している。この第1突出部260は下方に筒状に形成されている。第1突出部260の内部が環状の縁部で形成された挿入孔272とされている。
第2突出部261は、連結部259から上方に突出している。この第2突出部261は取付孔263の両側に設けられ且つ取付孔263の縁部に沿っている。また、第2突出部261は押え板273の下方に位置している。
【0048】
第2支持部材255は、連結部259の下方に位置している。この第2支持部材255は、筒体274と、固定部275とを有する。
筒体274は、機体2の底枠部211の後部板227の上面に固定されている。この筒体274は、平面視で横長の楕円筒形状を呈している。
固定部275は、板材で構成され、平面視で楕円形状である。この固定部275は、筒体274の上端に設けられた開口を塞いでいる。また、固定部275は、筒体274の上端に固定されている。また、この固定部275の上面に弾性部材254が載置されて、エンジン6が弾性的に支持されている。即ち、弾性部材254によって防振されている。
【0049】
この固定部275には、挿通孔276を形成する環状の縁部が形成されている。この挿通孔276には、スタッドボルト270が挿通される。固定部275の下面の挿通孔276に対応する部位には、ナット277が固着されている。挿通孔276には、スタッドボルト270の下端側が挿通され且つ該スタッドボルト270の下端がナット277に螺合されている。スタッドボルト270の上端側のナット271を締め付けることにより、弾性部材254が第2支持部材255に取り付けられる。
【0050】
固定部275には、上方に突出する突出部材278が設けられている。この突出部材278は円柱状の棒材で構成されている。この突出部材278は第1突出部260の挿入孔272に挿通されている。
第1突出部260及び第2突出部261は、弾性部材254の変形量を制限するストッパを構成している。具体的には、第1突出部260が第2支持部材255に接当すること、又は第2突出部261が押え板273に接当することで弾性部材254の変形量が制限される。
【0051】
また、突出部材278が、第1突出部260の挿入孔272の縁部(内面)に接当することで、弾性部材254の水平方向の変形が制限される。
上述したマウント部材249Rにあっては、エンジン6の後部に後方を向く後部取付部251を設け、マウント部材249Rの第1支持部材253は、後部取付部251に対向して取り付けられる対向取付部256を有する。これによって、マウント部材249Rの第1支持部材253がエンジン6の後部の後部取付部251に対して後方から取り付けられるので、エンジン6の後部の側方に第1支持部材253の取付け用のスペースが必要でなく、エンジン6の後部の周辺部品のレイアウト性及びメンテナンス性がよい。
【0052】
また、対向取付部256、第1アーム部257、第2アーム部258、連結部259、第1突出部260及び第2突出部261を鋳造により一体形成して、第1支持部材253をコンパクトに形成している。
また、
図6に示すように、第1支持部材253の幅H1は、第1取付部251Rと第2取付部251Lとの外側面間の間隔H2以下とされている。これによって、第1支持部材253が後部取付部251から幅方向に、はみ出さない。これによって、エンジン6の後部の周辺部品のレイアウト性及びメンテナンス性を向上させることができる。例えば、エンジン6の後部左側に、エンジンオイルフィルタ279を設けた場合には、エンジンオイルフィルタ279のメンテナンス性を向上させることができる。また、第1支持部材253を鋳物で形成することで、第1支持部材253の構造を簡素することができる。
【0053】
また、弾性部材254の変形量を制限するストッパを構成する第1突出部260及び第2突出部261を第1支持部材253として鋳物で一体形成することにより、部品点数の削減が図れる。
図10に示すように、第2支持部材255とバンパー部材228との間には、機体2を横切る油圧ホース280が設けられている。エンジン6後方の機体2の底部に、機体2を横切る油圧ホース280を集中配置することにより、機体2を横切る油圧ホース280が機体2内部の点検時や整備時に邪魔になることがない。また、エンジン6後方に油圧ホース280を集中配置することにより、ボンネット530を開けた場合、油圧ホース280の配置を容易に行うことができる。また、エンジン6後方に油圧ホース280を集中配置することにより、製造時に油圧ホース280を組み付けやすい。また、エンジン6後方に油圧ホース280を配置することにより、大きな曲げ半径で油圧ホース280を配置することができ、油圧脈動による摩耗へたり等が発生し難い。
【0054】
第2支持部材255の筒体274が平面視で楕円筒形状をしているので、該筒体274は、油圧ホース280のホースガイドとなる。また、バンパー部材228の連結部228cと右部228aとの接続部分及び連結部228cと左部228bとの接続部分が湾曲状とされているので、該バンパー部材228も油圧ホース280のホースガイドにもなる。また、第2支持部材255とバンパー部材228を油圧ホース280のガイド部材として利用することにより、部品を兼用することができる。
【0055】
図11に示すように、エンジン6の側方であって且つボンネット530の前方には、ライドコントロール弁281、アキュムレータ282、バケット水平制御弁283、クイックヒッチ弁284及びオイルフィルタ285が設けられている。
ライドコントロール弁281は、砂利、砕石などの運搬作業で、不整地走行時に生じる機体2のピッチングやバウンドを軽減するための弁である。ブームシリンダ14のボトム圧変動をアキュムレータ282に吸収させるように開閉制御される。バケット水平制御弁283は、ブーム10が上下揺動している場合に、バケット11内の砂利、砕石などがバケット11から落下することを抑制すべく、バケットシリンダ15を制御してバケット11が略同じ姿勢を保つ弁である。
【0056】
図30に示すように、クイックヒッチ弁284は、装着装置201のロックシリンダ203を制御する弁である。オイルフィルタ285は、第3ポンプ243から吐出されたパイロット油に含まれる異物を除去するフィルタである。このオイルフィルタ285は定期的に交換する部品である。
ボンネット530を開けると、ライドコントロール弁281、アキュムレータ282、バケット水平制御弁283、クイックヒッチ弁284及びオイルフィルタ285に容易にアクセスすることができるので、これらのメンテナンス性がよい。
【0057】
また、ライドコントロール弁281、バケット水平制御弁283、クイックヒッチ弁284は、作業機の仕様によっては、オプションとして後から搭載する場合がある。そこで、ライドコントロール弁281、バケット水平制御弁283、クイックヒッチ弁284の設置位置を、機体2後部で且つボンネット530を開けるとアクセスし易いところに設定することにより、ライドコントロール弁281、バケット水平制御弁283、クイックヒッチ弁284の後付けを容易に行うことができる。
【0058】
図12、
図13に示すように、走行レバー244L、244Rは、レバー支持体339に支持されている。このレバー支持体339は、右側の伝動ケース219Rと、左側の伝動ケース219Rとにわたって設けられている。
レバー支持体339は、第1取付部材340と、第2取付部材341と、連結部材342と、第1支持筒343と、第2支持筒344とを有する。
【0059】
第1取付部材340は右側の伝動ケース219Rに取り付けられている。第2取付部材341は左側の伝動ケース219Lに取り付けられている。
第1取付部材340及び第2取付部材341は、取付壁345と、延設壁346と、前壁347と、後壁348とを有する。
第1取付部材340の取付壁345は、伝動ケース219Rの第4板材218の上面に取り付けられる。第2取付部材341の取付壁345は、伝動ケース219Lの第4板材218の上面に取り付けられる。
【0060】
第1取付部材340の延設壁346は、第1取付部材340の取付壁345から伝動ケース219Rの第3板材217に沿って下方に延びる。第2取付部材341の延設壁346は、第2取付部材341の取付壁345から伝動ケース219Lの第3板材217に沿って下方に延びる。
第1取付部材340の前壁347は、第1取付部材340の取付壁345の前端から上方に延びる。第2取付部材341の前壁347は、第2取付部材341の取付壁345の前端から上方に延びる。
【0061】
第1取付部材340の後壁348は、第1取付部材340の取付壁345の後端から上方に延びる。第2取付部材341の後壁348は、第2取付部材341の取付壁345の後端から上方に延びる。
連結部材342は円柱状の棒材によって構成されている。連結部材342は、第1取付部材340の延設壁346と、第2取付部材341の延設壁346とを連結している。
【0062】
第1支持筒343は、連結部材342の右部に嵌めこまれ、当該第1支持筒343は、右部側で軸心回りに回転自在である。第2支持筒344は、連結部材342の左部に嵌めこまれ、当該第2支持筒344は、左部側で軸心回りに回転自在である。
第1支持筒343には、右側の走行レバー244Rの下端側が固定されている。これにより、右側の走行レバー244Rが第1支持筒343と共に回転して前後に揺動可能である。第2支持筒344には、左側の走行レバー244Lの下端側が固定されている。これにより、左側の走行レバー244Lが第2支持筒344と共に回転して前後に揺動可能である。
【0063】
第1支持筒343には、第1アーム349が固定されている。この第1アーム349には、第1連動リンク350の前端側が枢支されている。この第1連動リンク350の後端側は、後側の走行ポンプ240Rの斜板を操作する図示省略の操作装置に連結されている。右側の走行レバー244Rを揺動することにより、走行ポンプ240Rの斜板を操作することができる。
【0064】
第2支持筒344には、第2アーム351が固定されている。この第2アーム351には、第2連動リンク352の前端側が枢支されている。この第2連動リンク352の後端側は、走行ポンプ240Fの斜板を操作する図示省略の操作装置に連結されている。左側の走行レバー244Lを揺動することにより、走行ポンプ240Fの斜板を操作することができる。
【0065】
走行レバー244L、244Rの下部は屈曲している。右側の走行レバー244Rの下部は、第1取付部材340の前壁347と後壁348との間に位置している。左側の走行レバー244Lの下部は、第2取付部材341の前壁347と後壁348との間に位置している。
第1取付部材340の前壁347と後壁348とには、それぞれ右ストッパ353が取り付けられている。右側の走行レバー244Rが右ストッパ353に接当することで、右側の走行レバー244Rの揺動量が規制される。
【0066】
第2取付部材341の前壁347と後壁348とには、それぞれ左ストッパ354が取り付けられている。左側の走行レバー244Lが左ストッパ354に接当することで、左側の走行レバー244Lの揺動量が規制される。
また、各走行レバー244L、244Rの下部には、ダンパー355の前端側が枢支されている。このダンパー355の後端側は、機体2側(伝動ケース219L、219R)に設けられたステー356に枢支されている。このダンパー355は、走行レバー244L、244Rを支持している。走行レバー244L、244Rを比較的遅い速度で揺動させた場合には、ダンパー355は、比較的抵抗なく走行レバー244L、244Rの揺動に追従して伸縮する。走行レバー244L、244Rを過度の速度で揺動させた場合には、ダンパー355は、抵抗となる。
【0067】
以上によれば、右側の伝動ケース219R上に取り付けられる第1取付部材340と、左側の伝動ケース219L上に取り付けられる第2取付部材341とを連結部材342で連結している。そして、連結部材342に、右側の走行レバー244R及び左側の走行レバー244Lを揺動自在に支持している。そのため、第1取付部材340、第2取付部材341及び走行レバー244L、244Rを組み付けた状態で、この組み付け構造物を伝動ケース219L、219R上に、上から置いて組み付けることができ、走行レバー244L、244Rの組付けを容易にすることができる。
【0068】
また、第1取付部材340及び第2取付部材341に、ストッパ353、354を取り付ける壁部347、348を設けているので、ストッパ353、354を、第1取付部材340及び第2取付部材341と一緒に取り付けることができ、組付けを容易にすることができる。
図14、
図15、
図20に示すように、運転席8の前方であって下方には、フロアステップ306が設けられている。フロアステップ306は運転席8の前側の床を構成していて、足乗せステップ290と、中央ステップ305とを有している。足乗せステップ290は、運転席8の前方において、右側及び左側に配置されている。中央ステップ305は、右側の足乗せステップ290と、左側の足乗せステップ290との間に配置されている。
【0069】
中央ステップ305は、上壁305aと、側壁305bとを有する。上壁305aは、後述する搭載部289の上方で且つ足乗せステップ290よりも上方に位置する。側壁305bは上壁305aの縁部から足乗せステップ290へと延びている。フロアステップ306の下方に搭載部289並びに作業制御弁245及び切替弁304が配置されている。
【0070】
フロアステップ306上には、ゴム製のステップカバー358が設けられている。ステップカバー358は、足乗せステップ290及び中央ステップ305の上部を覆っている。
フロアステップ306の後方で且つ運転席8の下方には、カバー部材357が設けられている。カバー部材357は運転席8の下方側を覆っている。
【0071】
このカバー部材357は、第1カバー359と、第2カバー360と、ヒンジ361とを有する。第1カバー359は、運転席8の下方に位置する。第2カバー360は、第1カバー359の前端と、フロアステップ306の後端(足乗せステップ290及び中央ステップ305の後端)との間に設けられている。ヒンジ361は、第1カバー359の前端と第2カバー360の上端とを連結している。これによって、第1カバー359に対して第2カバー360が揺動自在とされている。
【0072】
第1カバー359は、メインカバー部362と、延出部363L、363Rとを有する。
第1メインカバー部362は、運転席8の下方に位置していて、運転席8の下面側に設けられたクッション材374が接当する。第1メインカバー部362には、運転席8が載置される。延出部363Lは、第1メインカバー部362の左側に設けられ、延出部363Rは、第1メインカバー部362の右側に設けられている。左側の延出部363Lは、機体2に向けて左方に突出している。右側の延出部363Rは、機体2に向けて右方に突出している。左側の延出部363L及び右側の延出部363Rは、機体2に固定したブラケットに取り付けられる。
【0073】
図14、
図16に示すように、第1メインカバー部362は、上壁364と下壁365とを有する。この上壁364と下壁365とによって空間366が形成されている。空間366には、空気(気体)が収容されている。言い換えれば、第1メインカバー部362は、中空状である。
各延出部363L、363Rの前部には、走行レバー244L、244Rを通す通し穴367を形成する環状の縁部が形成されている。通し穴367を形成する縁部は、平面視で矩形状である。各延出部363の通し穴367に対応する部分には、走行レバー244L、244Rをカバーする樹脂カバー368が設けられる。
【0074】
第2カバー360は、第2メインカバー部369と、取付部370L、370Rとを有する。取付部370Lは、第2メインカバー部369の左側に設けられ、取付部370Rは、第2メインカバー部369の右側に設けられている。取付部370L、370Rは、機体2に固定したブラケットに取り付けられる。
図17に示すように、第2メインカバー部369は、前壁371と後壁372とを有する。この前壁371と後壁372とによって空間371が形成されている。空間371には、空気(気体)が収容されている。言い換えれば、第2メインカバー部369が中空状である。
【0075】
図18に示すように、ヒンジ361は、第1カバー359と第2カバー360とを繋げる部分を、一部を薄肉(厚みを薄く)にすることにより構成されている。
カバー部材357は、本実施形態ではブロー成形によって形成されている。
カバー部材357を直角に曲げた板金部品で形成した場合では、機体2に設置された走行レバー244L、244Rに対してカバー部材357を上から近づけ、通し穴367に走行レバー244L、244Rを通す作業時に、直角に曲がっているカバー部材357を走行レバー244L、244Rの周辺の部品に接触しないように、作業を慎重に行う必要がある。即ち、走行レバー244L、244Rに対してカバー部材357を通す作業に、相当の手間が発生する。
【0076】
これに対して、本実施形態のカバー部材357では、第1カバー359と第2カバー360がヒンジ361によって連結しているので、作業時には、第1カバー359と第2カバー360とが平板状となる状態にして、通し穴367に走行レバー244L、244Rを通すことが可能となる。それゆえ、走行レバー244L、244Rを通し穴367に容易に通すことができ、カバー部材357の組み付けが容易となる。
【0077】
また、カバー部材357を直角に曲げた板金部品で形成したものでは、広範囲にわたって断熱材を貼り付ける必要がある。これに対して、本実施形態のカバー部材357では、ブロー成形により形成される空気層が断熱効果を有するため断熱材の貼り付けが不要である。
図19〜
図21に示すように、支持台286は、主板226の前部に取り付けられている。この支持台286は、板材を組み合わせて形成され、取付部287L、287Rと、脚部288と、搭載部289と、足乗せステップ290と、ペダル取付部291と、連結ステー292とを有する。
【0078】
取付部287Lは、主板226の左寄りに設けられ、取付部287Rは、主板226の右寄りに設けられている。各取付部287L、287Rは、主板226にボルト293によって固定されている。
脚部288は、各取付部287L、287Rから上方に立ち上がっている。図例では、脚部288は、取付部287L、287Rの機体幅方向Kの中央側の端部287aから上方に延びている。
【0079】
搭載部289は、左側の脚部288の上端と、右側の脚部288の上端とを連結している。この搭載部289に作業制御弁245が搭載されている。作業制御弁245は搭載部289の上面に横置きで載置されている。
足乗せステップ290は、右側の取付部287Rの上方及び左側の取付部287Lの上方にそれぞれ設けられている。足乗せステップ290は、各取付部287L、287Rの上面に設けられた支持ブラケット294の上端に固定されている。また、足乗せステップ290は、搭載部289よりも上方に位置している。
【0080】
ペダル取付部291は、左側の足乗せステップ290及び右側の足乗せステップ290のそれぞれに設けられている。ペダル取付部291は、一対の支持板291aによって構成されている。一対の支持板291aは、機体幅方向Kで対向している。一対の支持板291aの上部間には、ペダル軸295が設けられている。ペダル軸295にペダル296L、296Rが揺動可能に支持されている。したがって、ペダル296L、296Rによって、前方或いは後方に踏込み操作が行うことが可能である。
【0081】
支持ブラケット294には、機体幅方向Kに向けられた軸心を有する支軸297が設けられている。この支軸297の右側には、第1筒部材298が嵌め込まれ、支軸297の左側には、第2筒部材299が嵌め込まれている。第1筒部材298は、支軸297の軸心回りに回転可能である。第2筒部材299は、支軸297の軸心回りに回転可能である。
【0082】
第1筒部材298には、第1リンク300の一端が連結されている。第1リンク300の他端には、バケット制御弁のスプールが連結されている。第2筒部材299には、第2リンク301の一端が連結されている。第2リンク301の他端には、ブーム制御弁のスプールが連結されている。
また、第1筒部材298には、第3リンク302の一端が連結されている。第3リンク302の他端には、右側のペダル296Rが連結されている。第2筒部材299には、第4リンク303の一端が連結されている。第4リンク303の他端には、左側のペダル296Lが連結されている。
【0083】
したがって、右側のペダル296Rによってバケットシリンダ15を制御するバケット制御弁を操作することができる。また、左側のペダル296Lによってブームシリンダ14を制御するブーム制御弁を操作することができる。
連結ステー292は、左側及び右側の足乗せステップ290の前部同士を連結している。この連結ステー292の後面には、切替弁304が取り付けられている。この切替弁304は、速度切替弁と、ブレーキ切替弁とが組み込まれている。速度切替弁は、走行モータ223L、223Rを低速モードか高速モードかのいずれかに切り替える弁である。ブレーキ切替弁は、走行モータ223L、223Rのブレーキを入り切りする弁である。
【0084】
以上によれば、支持台286は、機体2の底枠部211に取り付けられる取付部287L、287Rと、この取付部287L、287Rから上方に立ち上がる脚部288と、この脚部288の上側に設けられた搭載部289とを有し、搭載部289に作業制御弁245を搭載している。そのため、作業制御弁245を機体2の底部から浮かせた状態に設置でき、作業制御弁245に泥が堆積するのを防止することができる。
【0085】
また、作業制御弁245を搭載した支持台286に、作業制御弁245を操作するペダル296L、296Rを支持しているので、作業制御弁245とペダル296L、296Rとを連結する連結機構をコンパクトにすることができる。
また、支持台286に、作業制御弁245と、ペダル296L、296Rと、これら作業制御弁245と、ペダル296L、296Rを連動連結する連結機構とを組み付けた状態で、この組み付け構造物を生産ラインで機体2に組み付けることができ、容易に組み付けすることができる。
【0086】
図1、
図2、
図19に示すように、機体2の前枠部210と底枠部211とのコーナー部には、清掃口307を形成する環状の縁部が設けられている。具体的には、前枠部210の下板225には、第1開口308を形成する縁部が形成され、底枠部211の主板226には、第2開口309を形成する縁部が形成されている。第1開口308を形成する縁部と、第2開口309を構成する縁部とがコーナ部で繋がることで、清掃口307を形成する縁部が形成されている。言い換えれば、第1開口308及び第2開口309によって、清掃口307が構成されている。
【0087】
清掃口307は蓋板310によって閉塞されている。この蓋板310は、第1部分311と、第2部分312とを有する。第1部分311は、第1開口308を塞ぎ、第2部分312は、第2開口309を塞ぐ。第1部分311は第2部分312の前端から上方に延びている。
第2部分312の後端312aは、第2開口309の縁部を形成する壁部309aの上に載っている。
図2に示すように、第1部分311は、前枠部210の下板225にボルトによって固定されている。このボルト375を外すと、蓋板310は、第2部分312の後端312aを壁部309aに接触させた状態で、即ち、後端312aを視点として、下方に動かすことができる。蓋板310を下方に動かすことにより、機体2の底部の前部に溜まった泥を排出することができる。
【0088】
図22は、作業制御弁245から後方に設けられる第1〜4鋼管(油圧配管)313、314、315、316を示している。
第1鋼管313、第2鋼管314はブーム制御弁から出力される作動油を流通させる鋼管である。第3鋼管315、第4鋼管316はバケット制御弁から出力される作動油を流通させる鋼管である。第1鋼管313は、右側の伝動ケース219Rの内面、即ち、右側の伝動ケース219Rの第3板材217に沿って延ばされる。第2〜4鋼管314、315、316は、左側の伝動ケース219Lの内面、左側の伝動ケース219Lの第3板材217に沿って延ばされる。
【0089】
作業制御弁245から後方に配置される第1〜4鋼管313、314、315、316を伝動ケース219L、219Rの内面に沿って延ばすことにより、伝動ケース219L、219Rの内面側を有効に利用することができる。言い換えれば、伝動ケース219L、219Rの内面の空きスペースを利用することができる。なお、第1〜4鋼管313、314、315、316は、機体2の底部に泥が溜まった際に、泥に埋もれないように機体2の底部から浮かせて取り付けられる。第2〜4鋼管314、315、316には、図示省略の油圧ホースが接続され、当該油圧ホースは、バケット水平制御弁283に接続される。これによって、組み付け時の応力を逃がしている。
【0090】
図23は、作業制御弁245から後方に設けられる第5〜7鋼管(油圧配管)317、318、319を示している。この第5〜7鋼管317、318、319は、アタッチメント制御弁から出力される作動油を流通させる鋼管である。
第5〜7鋼管317、318、319は、作業制御弁245から上方に立ち上がって左側の伝動ケース219Lへ向けて延び、その後、左側の伝動ケース219Lの上方を該伝動ケース219Lに沿って後方に延びている。即ち、第5〜7鋼管317、318、319は、左側の伝動ケース219であって、第4板材218の上面に沿って後方に延びている。
【0091】
また、第5〜7鋼管317、318、319は、左側の伝動ケース219L上(第4板材218)に固定された支持ステー320にクランプ321によって取り付けられている。
第5〜7鋼管317、318、319の端部には、それぞれ油圧ホースが接続される接続部材317a、318a、319aが設けられている。この接続部材317a、318a、319aに接続された油圧ホースは、機体2の後端側から左側のブーム10の内部を通って該ブーム10の前部側に設けた油圧取出部322に接続される。
【0092】
第5〜7鋼管317、318、319に対する油圧ホースの接続を伝動ケース219L上方で行うようにしたので、油圧ホースの接続や固定に必要な作業スペースを確保でき、安定した組み付けが可能とされている。また、伝動ケース219Lの上方に接続部材317a、318a、319aや支持ステー320及びクランプ321があるので、泥土の影響を受けにくい。
【0093】
図24〜
図26に示すように、右側の伝動ケース219Rの上面には、作動油を貯留する作動油タンク323が設けられている。具体的には、右側の伝動ケース219Rであって、第4板材218の上面には、一対の取付ブラケット324F、324Rが設けられている。一方の取付ブラケット324Fは、作動油タンク323の前面を支持し、他方の取付ブラケット324Rは、作動油タンク323の後面(背面)を支持している。伝動ケース219R上に作動油タンク323を設けることで、伝動ケース219Rの上方の空間を有効利用でき、また、作動油タンク323の設置場所を確保することができる。
【0094】
作動油タンク323の上部には給油口325を有する給油管326が設けられている。この給油管326は、右側の支持フレーム206であって、支持壁229aに向けて屈曲している。支持壁229aには給油口325を外部に露出させるための開口327が形成されている。また、作動油タンク323の前部には、作動油の量を確認するためのオイルゲージ328が設けられている。機体2の右側枠部208の上板材213には、オイルゲージ328を視認するための視認穴329が設けられている。給油口325及びオイルゲ
ージ328は、ブーム10を最も下げた状態で、ブーム10の下方に位置する。また、給油口325及びオイルゲージ328は、前輪5Fと後輪5Rとの間に設けられている。
【0095】
機体2に開口327及び視認穴329が設けられ、給油口325及びオイルゲージ328はブーム10を下げた状態でブーム10の下方に位置するので、常時、給油及びオイルゲージ328の確認が可能である。特に、給油口325及びオイルゲージ328は、前輪5Fと後輪5Rとの間に設けられている。そのため、作業者は、前輪5Fと後輪5Rとの間のスペースから機体2に近づくことができる。そして、作業者は、オイルゲージ328を確認しながら給油を簡単に行うことができる。
【0096】
また、ボンネット530内に作動油タンク323が設けられていると、ボンネット530を開けないと、給油及びオイルゲージ328の確認ができない、ボンネット530を開けるスペースがないと給油及びオイルゲージ328の確認ができないという問題があるが、本実施形態では、このような問題がない。
図25、
図26に示すように、左側及び右側の伝動ケース219L、219Rのうち、作動油323が設けられていない伝動ケース219L上には、一対のガススプリング330が設けられている。即ち、作動油タンク323とは反対側となる伝動ケース219L上には、一対のガススプリング330が配置されている。この一対のガススプリング330は機体幅方向Kで並べて配置されている。さらに言い換えると、一対の伝動ケース219L、219Rのうち、一方の伝動ケースに作動油323が設けられ、他方の伝動ケースに一対のガススプリング330が設けられている。
【0097】
ガススプリング330は、キャビン3を枢軸238を中心として持ち上げる際において、伸長してキャビン3の揺動をアシストする。また、ガススプリング330は延びきった状態で、キャビン3を持上げた状態に保持する。
伝動ケース219Lの第4板材218の上面には、第1支持ステー331が固定されている。この第1支持ステー331には、一本の第1ピン332が設けられている。一対のガススプリング330の下部(下端部)は、一本の第1ピン332によって枢支されている。一対のガススプリング330の上部(上端部)は、キャビン3の後部下部に固定した第2支持ステー333に一本の第2ピン334によって枢支されている。
【0098】
伝動ケース219上にガススプリング330を設けることで、伝動ケース219上の空間を有効利用でき、また、ガススプリング330の設置場所を確保することができる。2本のガススプリング330を設けることにより、1本のガススプリング330が使用できなくなった場合でも、もう一本でキャビン3を支持することができる。また、片側に2本のガススプリング330を設けることにより、第1支持ステー331、第2支持ステー333、第1ピン332及び第2ピン334を兼用化することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0099】
図27、
図28に示すように、ガススプリング330には、規制部材335を設けてもよい。この規制部材335は、ガススプリング330が最も伸長したときにガススプリング330の収縮を規制する部材である。規制部材335は、本体336と、バネ部材337と、取っ手338とを有する。
本体336は、上壁336aと、側壁336bと、前壁336cと、後壁336dとを有する。
【0100】
上壁336aは、ガススプリング330のチューブ330aに嵌る第1部分(図示省略)と、ガススプリング330のロッド330bに嵌る第2部分(図示省略)とを有する。側壁336bの下端は、ガススプリング330の下端の第1ピン332に枢支されている。
バネ部材337は、前壁336cとチューブ330aとの間に配置されている。バネ部材337は、側壁336bがチューブ330aに向けて近づくように、本体336を矢印G1方向に付勢している。取っ手338は、上壁336aに設けられている。
【0101】
規制部材335において、ガススプリング330が伸長する際に、上壁336aは、チューブ330a上を摺動する。
図21に示すように、ガススプリング330が最も伸長すると、バネ部材337によって本体336が矢印G1方向に付勢されているので、本体336が矢印G1方向に揺動し上壁336aの第2部分がロッド330bに嵌る。
これによって、上壁336aがチューブ330aの下端部に接当可能となり、ガススプリング330の収縮が規制される。取っ手338を持って、本体336を矢印G2方向に揺動することにより、上壁336aの第2部分をロッド330bから外すことができる。即ち、本体336を矢印G2方向に揺動することにより、ガススプリング330の収縮の規制を解除することができる。
【0102】
したがって、規制部材335は、ガススプリング330のロッド330bに第2部分が嵌った規制位置と、ロッド330bから第2部分が離れた許容位置とに姿勢変更である。そして、規制位置では、ガススプリング330に接触して当該ガススプリングの伸縮を規制し、許容位置では、ガススプリングの伸縮を許容する。これにより、ガススプリング330において、伸長状態が保持できずに伸縮する方向に力が働いた場合などに、規制部材335によってキャビン3を上昇させた状態に保持することができる。
【0103】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。