(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングの前記第2の空所(1704)から前記ハウジングの前記第1の空所への逆流を防止するために、第1の逆流防止弁(1814)が前記ハウジングに取り付けられており、
前記ハウジングの前記第2の空所から前記ハウジングの前記第2の取付具(1732)への逆流を防ぐために、第2の逆流防止弁(1814)が前記ハウジングに取り付けられている、請求項1又は2に記載の試料収集カセット。
前記少なくとも1つのビーム(1854,1856)は、前記長孔(1864)が前記ビームによって完全に取り囲まれるように、形作られている、請求項6に記載の試料収集カセット。
前記ハウジング(1701)は、前記ハウジングの近位端を形成する基部(1752)を有しており、前記基部(1752)は、中心を有しており、前記出口開口(1770)は、前記ハウジングの前記基部に形成され、前記出口開口は、前記基部の中心から離間した中心を有している、請求項1〜7のいずれか1つに記載の試料収集カセット。
前記ハウジング(1701)は、前記ハウジングの近位部分を形成するシェル(1750)を有しており、前記シェルは、円筒状外壁(1754)を有しており、前記出口開口(1770)は、前記シェルに形成されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の試料収集カセット。
前記ハウジング(1701)と前記キャップ(1862)との間の吸引の損失を防ぐために、シール(1866)が前記ハウジングと前記キャップとの間に配置されている、請求項1〜10のいずれか1つに記載の試料収集カセット。
請求項1〜13のいずれか1つに記載の試料収集カセットと共に用いられるキャッチトレイ(1880)であって、前記キャッチトレイは、前記ハウジングの前記第1の空所に着座し、前記キャッチトレイは、前記ハウジングの前記補助開口部を覆って延在するように位置決めされたスクリーン(1890)と、前記キャッチトレイを前記キャップ(1862)に取外し可能に保持するように前記キャップに係合可能な特徴部(1892)とを備えている、キャッチトレイ。
少なくとも1つの壁(1882,1884,1886,1888)をさらに備えており、前記少なくとも1つの壁は、前記スクリーン(1890)の外周から上方に延在しており、これによって、前記スクリーンおよび前記少なくとも1つの壁は、前記スクリーンの上方において一端が開いた空洞を画定している、請求項14に記載のキャッチトレイ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[I.外観]
図1Aは、本発明によって構成された廃棄物および組織収集システム30を示している。可動ユニットまたはローバーと呼ばれることもあるシステム30は、基部32を備えている。通常、カバーアセンブリおよびドアアセンブリは、可動ユニット30の構成部品を隠しているが、これらの構成部品を見えるようにするために、カバーアセンブリおよびドアアセンブリは、
図1Aにおいて省略されている。基部32の底に取り付けられた車輪34は、システムに可動性をもたらすものである。2つのキャニスタ36,38は、基部32に取り付けられている。これらのキャニスタのうち、第1のキャニスタ36は、略10リットルから40リットルの間にある比較的大きな内部容積を有している。第2のキャニスタ38は、略1リットルから10リットルの間にあるより小さい容積を有している。キャニスタ36,38は、それぞれ、キャップ40,42を有している。
【0014】
図2をさらに参照すると、キャニスタ38のキャニスタキャップ42に取り付けられているのは、マニホールドアセンブリ100である。マニホールドアセンブリ100は、レセプタクル102およびカセット200を備えている。カセット200は、レセプタクル102内に取外し可能に着座している。以下に説明するように、カセット200には、多数の取付具180,181が形成されている。取付具180は、吸引ライン50を受け入れることができるようになっており、取付具181は、灌注ライン51を受け入れることができるようになっている。吸引ライン50および灌注ライン51の各々の遠位端は、吸引付与装置52に取り付けられている。(本明細書において、「遠位側」は、吸引が付与される外科部位に向かう側を指し、「近位側」は、外科部位から離れる側を指している)。
図1Aにおいて、吸引付与装置52は、吸引および灌注を付与するためだけに特に設計されたハンドピースとして概略的に示されているが、これは、例示にすぎず、制限的なものではないことを理解されたい。場合によっては、吸引付与装置52は、吸引および灌注を付与する以外の仕事を行うために外科部位に適用される他の外科工具、例えば、結腸鏡または焼灼工具に組み込まれてもよい。
【0015】
吸引ポンプ58および蠕動ポンプ70も、可動ユニット30の一部である。各キャップ40,42から、ダクトが吸引導管に延在している。
図1Aでは、これらの導管は、破線60として描かれている。これらの導管は、以下の流体経路、すなわち、これらの流体経路を通って、吸引ポンプが、キャニスタ36,38、さらにいえば、これらのキャニスタに接続された吸引チューブを真空吸引するようになっている、流体経路である。吸引ポンプ58が作動すると、その結果として生じた吸引によって、物質が吸引チューブに取り付けられた付与装置内に引き込まれることになる。
【0016】
付与装置52から吸引ポンプ58にわたって、連続的な吸引流体連通経路184が形成されている。廃棄物流れは、レセプタクル102から関連するキャニスタ36内に導かれることになる。この流れに混入した液状物質および小片の固形物質は、流れからキャニスタ38内に沈降する。従って、この廃棄物は、キャニスタ36が空にされるまで、キャニスタ36に貯められることになる。この流れに混入したガスおよびいくらかの少片物質は、キャニスタから吸引ポンプ58に向かって流れることになる。
【0017】
キャニスタ36に取り付けられる代替的なマニホールドレセプタクル1699が示されている。マニホールドレセプタクル1699は、本発明の一部ではない他のマニホールド(図示せず)を受け入れるように形作られている。この特定のマニホールドレセプタクルおよびそこに挿入されるマニホールドは、参照することによってここに含まれる米国特許第7,615,037号に開示されている。
【0018】
図2に示されているように、キャップ42は、キャップの基部の上面から上方に突出する中実キャップヘッド63を有するように、形成されている。空洞64が、キャップヘッド63内に画定されている。レセプタクル102は、この空洞64内に取り付けられている。レセプタクル102は、レセプタクル102のパネルがキャップヘッド63の内部パネルと接触するように、空洞64に取り付けられている。カセット200は、レセプタクル102内に取外し可能に保持されている。灌注取付具180および吸引取付具181は、カセット200から遠位側に延在している。
【0019】
蠕動ポンプ70は、以下のように、すなわち、蠕動ポンプ70の回転によって、灌注液が灌注液源72から灌注ライン162、カセット200、および灌注ライン51を通って付与装置52に送り出され、付与装置52において外科部位に供給されるように、灌注ライン51に連結されている。蠕動ポンプ70は、シャフト72によって偏心ローラ74に接続された回転電動モータ71を備えている。蠕動ポンプ70は、以下にさらに詳細に説明するように、灌注流体を付与装置52に供給するようになっている。灌注液源72から付与装置52にわたって、連続的な灌注流体連通経路182が形成されている。
【0020】
リニアアクチュエータ80は、接続ロッド82を介してピストン300に接続されている。リニアアクチュエータ80は、ロッド82をピストン300に向かう方およびピストン300から離れる方に往復運動させることができる。図示されているピストン300は、スリーブ遠位端部245の方に位置しており、図示されている組織トラップ350は、スリーブ近位端部244の方に位置している。
【0021】
図1Bは、廃棄物収集システム30の操作を制御するための制御システム190を示している。制御システム190は、廃棄物収集システム30内に取り付けられている。制御システム190は、コントローラ192を備えている。コントローラ192は、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはコンピュータとすることができる。コントローラ192は、吸引モータ58,ポンプモータ71、アクチュエータ80,光源129、無線識別(RFID)読取機194、および制御パネル196と連通しており、これらの操作を制御するようになっている。制御パネル196は、ユーザーが廃棄物収集システム30の操作パラメータを選択、制御、および観察することを可能にするボタン、スイッチ、およびディスプレイを備えている。
【0022】
図1Cは、1つの吸引付与装置52、具体的には、結腸鏡検査を行うための結腸鏡52の詳細を示している。結腸鏡52は、端166を有する細長の柔軟チューブ165に接続されたハンドグリップ164を有している。ハンドグリップ164は、灌注流体接続部167、吸引接続部168、光源169、および空気ポンプ170に接続されている。柔軟チューブ165は、吸引通路171、空気通路172、水通路173、および生検弁174を含んでいる。灌注流体接続部167は、灌注ライン51(
図1A)に接続されており、吸引接続部168は、吸引ライン50(
図1A)に接続されている。端166は、外科部位に配置され、吸引、空気、または灌注流体が、端166を通って外科部位に供給されるようになっている。結腸鏡52を用いて、ポリープサンプルを胃腸管から収集または回収することができる。切除工具(図示せず)が、生検弁174および吸引通路171を通って外科部位に挿入されるようになっている。切除工具は、ポリープを切除し、除去することができる。切除工具は、吸引通路171から取り出され、ポリープは、吸引通路171を通って付与された吸引によって切除部位から摘出されることになる。
【0023】
[II.第1の実施形態]
[A.レセプタクル]
図3〜
図6を参照すると、本発明の第1の実施形態のマニホールドアセンブリ100が示されている。マニホールドアセンブリ100は、レセプタクル102、カセット200、ピストン300、および組織トラップ350を備えている。
【0024】
レセプタクル102は、略矩形の形状を有するものとして示されている。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。レセプタクル102は、6つの外部パネル、すなわち、互いに平行に離間して略水平方向に配向された上パネル105および下パネル106と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向されたパネル107,108と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された前パネル109および部分的裏または後パネル110と、によって、画定されている。フランジ112は、パネル105,107,108から周方向外方に直角に延在している。フランジ112は、後面114を有している。レセプタクル102は、どのような適切な材料、たとえば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。
【0025】
前パネル109は、狭幅領域119および広幅領域120を備える水平方向に配向された開口118を画定している。開口118は、レセプタクルの幅を横切って延在しており、前パネル109から後パネル110に向かってレセプタクル102を貫通している。パネル117は、底パネル106から離れる方に直角に延在しており、開口の広幅領域120を画定するように、底パネル116と境界を接している。底パネル116は、パネル107,117間に延在している。底パネル116は、パネル106と略平行である。広幅領域120は、パネル105,107,116,117によって画定されている。広幅領域120は、狭幅領域119と一体になっている。
【0026】
略矩形状のドア開口124は、レセプタクルの縁および側パネル107に隣接する位置において、上パネル105に画定されている。略矩形状の灌注開口126(
図6)は、レセプタクルの縁および側パネル108に隣接する位置において、底パネル106に画定されている。光孔128(
図6)が、フランジ112に離接する位置において、側パネル107に画定されている。ピストン300および組織トラップ350を照明するために、発光ダイオード129のような光源が、光孔128内に取り付けられている。発光ダイオード129は、キャップ42内に取り付けられた電力源(図示せず)に接続されている。開口またはポート130(
図5)は、前パネル109の近くの位置において、底パネル116に画定されている。
【0027】
細長のドア136は、1つまたは複数のヒンジ142を介して上パネル105に回転可能に取り付けられている。
図4および
図5では、ドア136の上縁しか示されていない。ドア136は、上縁138、および足141が取り付けられた広幅区域140を備えている。足141は、ドア136の底から直角に開口118の広幅領域120内に延在している。ドア136は、ヒンジ142を中心として、
図3〜
図5に示されている開位置と
図16に示されている(ドア136が狭幅領域119および広幅領域120の両方を含む開口118を覆う)閉位置との間で回転するようになっている。閉位置では、足141は、吸引開口130を覆って配置され、これによって、キャニスタ38への経路を密封または閉鎖している。ドア136が開位置にあるとき、足141がドア開口124を貫通する。ヒンジ142は、カセット200が通路118から取り外されているときまたは通路118に取り付けられていないとき、ドア136を常時閉位置に付勢するようになっている。
【0028】
(
図4に最もよく示されている)1対の互いに反対を向いて平行になっているL字状の細長レール134は、灌注開口126の下方の位置において、底パネル106から離れる方に延在している。レール134は、それらの間に長孔132を画定している。長孔132は、パネル108から、灌注開口126の下方において、灌注開口126に沿って内方に延在している。互いに反対を向いて平行になっている細長溝135は、各レール134の長さに沿って画定されている。
【0029】
図4を参照すると、灌注カプラー150は、灌注ライン162(
図1A)とカセット200との間に灌注流体接続部をもたらしている。灌注カプラー150は、遠位端153を有する略矩形状の本体152と、広幅の一体化近位ハンドル154と、本体152の両側に位置する1対の互いに反対を向いて平行になっている勾配付き細長側面156と、を有している。圧縮性材料から形成された出口取付具158は、本体152から上方に延在しており、入口ポート160は、本体152の下方において近位ハンドル154に向かって延在している。入口ポート160は、灌注ライン162を保持するための棘付き端(図示せず)を有している。流体連通経路は、本体152を通って、出口取付具158と入口ポート160との間に延在している。灌注ライン162は、入口ポート160と灌注流体源72との間に接続されている。灌注カプラー150は、どのような適切な材料、たとえば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。
【0030】
灌注カプラー150は、長孔132内に挿入され、かつ長孔132から取り出されるようになっている。ユーザーは、ハンドル154を掴み、勾配付き側面156が溝135と係合するように、遠位端153を長孔132に向かって導くことによって、灌注カプラー150を挿入することができる。ハンドル154をレセプタクル102に向かって手で継続的に押し込むことによって、勾配付き側面156を溝135に沿って摺動させ、これによって、ハンドル154がレール134に接触したとき、灌注カプラー150が完全に長孔132内に着座することになる。ユーザーがハンドル154を掴み、灌注カプラー150を長孔132から離れる方に引っ張ることによって、灌注カプラー150を取り外すことができる。
【0031】
識別デバイス376(
図5)は、灌注カプラーに取り付けられている。識別デバイス376は、どのような適切な識別デバイス、例えば、無線識別(RFID)タグまたはデバイス、バーコード、磁気帯片、または他の記憶デバイスであってもよい。識別デバイスは、設定情報、期限情報、および再使用または再処理のための制御情報のような情報を含むことができる。
【0032】
[B.カセット]
図7、
図8、
図9A〜
図9G、および
図10A〜
図10Gは、カセット200の詳細を示している。カセット200は、どのような適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。特に
図7〜
図8を参照すると、カセット200は、略矩形状であり、ハウジング202を有している。ハウジング202は、2つの部品、すなわち、上側ハウジング204および向き合った下側ハウジング206を有している。ハウジングは、2つの部品を用いるものとして示されているが、ハウジング202が単一の一体品として形成されてもよいことも見込まれている。上側ハウジング204および下側ハウジング206は、互いに嵌合され、ハウジング202を形成している。空洞203は、上側ハウジング204と下側ハウジング206との間において、ハウジング202内に画定されている。上側ハウジング204は、平坦な上パネル207、前パネル208、湾曲した後パネル210、および側パネル212,214,215を備えている。パネル208,210,212,214,215は、上パネル207から離れる方に直角に延在している。
【0033】
1対の内部支持パネル218,219は、前パネル208と後パネル210との間に延在している。内部支持パネル218,219は、互いに略平行であり、上パネル207から離れる方に直角に延在している。内部支持パネル218,219は、灌注チューブ通路220を画定している。前パネル210の開口222は、チューブ通路220内に開いている。カバー224は、側パネル214から離れる方に延在しており、上パネル207と共平面をなしている。カバー224は、側パネル214とカバー224との間に延在するいくつかのリブ216によって、機械的に支持されている。アーム226が、後パネル208と隣接する位置において、側パネル214から離れる方に延在しており、上パネル207と共平面をなしている。長孔227は、カバー224とアーム226との間に画定されている。
【0034】
吸引取付具180は、流体連通経路をもたらす90°エルボー取付具であり、アーム226に取り付けられている。吸引取付具180は、吸引ライン50(
図1A)が脱着されるテーパ付き端228、および他の端229を有している。端229は、アーム226から離れる方にいくらか延在している。テーパ付き端228は、カセット200の前面から離れる方を向いており、端229は、下側ハウジング206の方を向いている。上側ハウジング204は、灌注コネクタ260(
図8)をさらに備えている。灌注コネクタ260は、パネル212,215に隣接する位置において、カセット200のコーナ内に配置されている。
図9A〜
図9Gおよび
図10A〜
図10Gをさらに参照すると、灌注コネクタ260は、1対の互いに離間した柔軟足264を備える略L字状の本体262を有している。足264は、本体262から延在し、パネル207上に位置している。灌注コネクタ260は、テーパ付き出口端またはポート266および面取りされた凹状入口端またはポート268を有している。出口端またはポート266は、パネル210,216の一部の間に位置している。灌注コネクタ260は、90°屈曲部またはエルボーをなしており、入口ポート268と出口ポート266との間に灌注液のための流体連通経路を画定している。本体262は、リビングヒンジ270を介してパネル212に取り付けられている。リビングヒンジは、互いに対して移動することが望まれる2つの構成部品間に一体品として形成される薄い柔軟ヒンジまたは撓み軸受である。足264は、本体262にバネ力をもたらし、これによって、本体をパネル207から離れる方に付勢するためのものである。
【0035】
上側ハウジング204は、側面212から遠位側に延在する灌注コネクタ260と一緒に形成または成型されている(
図9E)。この位置では、灌注コネクタ260は、上側ハウジング204の外側に位置している。本体260は、足264が上パネル207上に位置して出口ポート266がパネル210,215の一部の間に位置するように、リビングヒンジ270を中心として空洞203内に回転可能になっている(
図10E)。この位置では、灌注コネクタ260は、上側ハウジング204の内側に位置している。
【0036】
図7および
図8を再び参照すると、下側ハウジング206は、平坦な底パネル230、前パネル232、湾曲した後パネル234、および側パネル236を備えている。パネル232,234,236は、底パネル239から離れる方に直角に延在しており、各々が勾配付き縁237を有している。灌注チューブ端282が貫通することを可能にするU字状開口235は、前パネル232に配置されている。略細長の中空正方形状のカセットスリーブ240は、底パネル230の端238から外方に延在している。
【0037】
スリーブ240は、外面242、内面243、近位端244、遠位端245、および孔246を有している。孔246は、近位端244と遠位端246との間においてスリーブ240を完全に貫通している。吸引開口248は、近位端244の近くにおいて、スリーブ240の片側に画定されている。カセット排出ポート250は、スリーブ240の中心の近くにおいて、スリーブ240の反対側に画定されている。
【0038】
下側ハウジング206は、スリーブ240の上側に取り付けられたレンズ223(
図5)をさらに備えている。レンズ223は、組織トラップ350の内容物を拡大することができる拡大レンズである。ユーザーは、レンズ223を通して、組織トラップ350に収集された任意の組織サンプルを観察することができる。ポンプチューブ280は、灌注チューブ181、端281,282、湾曲したローラ接触区域284、および傾斜区域286を備えている。ポンプチューブ280を下側ハウジング204に組み込んだ後、傾斜区域284は、カセット200の通路220内に配置されることになる。ポンプチューブ280は、どのような適切な材料、例えば、エラストマーまたはシリコーンゴムから形成されていてもよい。端281は、灌注コネクタ260のテーパ付き出口端またはポート266の周りに圧入される。湾曲したローラ接触区域284は、湾曲したパネル210の外面に隣接して該外面に沿って延在するように、配置される。傾斜区域286は、パネル218,219間において灌注チューブ通路220内に配置され、かつ保持されるようになっている。ポンプチューブ280は、傾斜区域286から開口222,235を通して端282にさらに延在している。ポンプチューブ280は、灌注液が出口ポート266から灌注取付具181に流れることを可能にする流体連通経路をもたらすことになる。
【0039】
上側ハウジング204および下側ハウジング206は、互いに嵌合され、カセット200を形成している。ハウジング204,206は、2つのハウジング区域を互いに圧入、スナップ嵌合、または溶着することによって、互いに保持されることになる。他の保持手段、例えば、接着剤が用いられてもよい。ハウジング204,206が一緒に圧縮されて嵌合するとき、勾配付き縁237は、パネル232,234,236を押し付け、それぞれ、パネル208,210,212の内方に着座させることになる。嵌合位置では、カバー224は、遠位端245の近くにおいてスリーブ240の一部にわたって延在している。また、嵌合位置において、アーム226は、近位端244の近くにおいてスリーブ240の一部にわたって延在し、吸引取付具180の端229は、吸引開口248内に嵌合または受容されるようになっている。
【0040】
図5をさらに参照すると、ピストン300は、略矩形状を有するものとして示されている。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。ピストン300は、6つの外面、すなわち、互いに平行に離間して略水平方向に配向された上面302および底面303と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された表面304,305と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された前面306および後面307と、によって画定されている。チャンバ301は、ピストン300内に画定されている。隆起リム308は、前パネル306および表面302,303,304,305から周辺に沿って外方に傾斜して延在している。他の隆起リム310は、後パネル307および表面302,303,304,305から周辺に沿って外方に傾斜して延在している。
【0041】
ピストン300は、近位端318および孔146の方を向いた遠位端319を有している。略矩形の凹部312が、遠位端319の中心の近くに画定されている。凹部312の底は、棚313によって画定されている。開口314は、遠位端319の近くにおいて棚313に配置されている。開口314は、棚313と底面304との間においてピストン300を貫通している。開口316(
図8)は、遠位端319の近くにおいて底面303に配置されている。開口316は、開口314と同軸である。ピストン300は、スリーブ240の孔246によって受け入れられるように構成されている。ピストン300は、隆起リム308,310が内面243と接触するように、内面243に沿って摺動することができる。ピストン300は、どのような適切な材料、例えば、射出成形エラストマーから形成されていてもよい。ピストン300は、隆起リム308,310と内面243との間にシールをもたらすようになっている。
【0042】
図11A〜
図11Eおよび
図12A〜
図12Eを参照すると、組織トラップ350が示されている。組織トラップ350は、略矩形状である。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。組織トラップ350は、どのような適切な材料、例えば、低デュロメータ硬度プラスチックまたは熱可塑性エラストマーから形成されていてもよい。組織トラップ350は、5つの外部パネル、すなわち、互いに平行に離間して略垂直方向に配向されたパネル352,353と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された前パネル354および後パネル355と、水平方向に配置された底パネル356と、によって画定されている。ノッチ357は、パネル355に配置されている。フランジ358は、前パネル354およびパネル352,353,354,356から周方向外方に延在している。組織トラップ350は、空洞360を画定している。
【0043】
1対の互いに反対を向いて離間した中心特徴部362,364は、側面または端355から遠位側に延在している。中心特徴部362は、側面または端353の近くに位置しており、中心特徴部364は、側面または端352の近くに位置している。中心特徴部362,364は、スリーブ240の孔246(
図7)内への挿入中、組織トラップ350を案内するものである。開口366は、パネル355の内部に隣接する位置において、底パネル356に画定されている。開口366は、空洞360と流体連通している。
【0044】
L字状スクリーン368は、リビングヒンジ374によって、組織トラップ350に回転可能に連結されている。スクリーン368は、矩形状の底区域369および矩形状の側区域370を有している。底区域369は、側区域370と直交している。底区域369を貫通する多数の孔372が画定されている。スクリーン368は、ヒンジ374を中心として、
図11A〜
図11Eに示されているような空洞360内の閉位置と
図12A〜
図12Eに示されているような空洞360の外側の開位置との間で回転可能になっている。
【0045】
(
図3および
図6に最もよく示されている)識別デバイス376が、組織トラップ350の側面352に取り付けられている。識別デバイス376は、どのような適切な識別デバイス、例えば、無線識別(RFID)タグまたはデバイス、バーコード、磁気帯片、または他の記憶デバイスであってもよい。識別デバイスは、設定情報、期限情報、および再使用または再処理のための制御情報のような情報を含むことができる。
【0046】
(
図5および
図6に最もよく示されている)他の識別デバイス378は、カセット200のカバー224に取り付けられている。識別デバイス378は、どのような適切な識別デバイス、例えば、無線識別(RFID)デバイス、バーコード、磁気帯片、または他の記憶デバイスであってもよい。識別デバイスは、設定情報、期限情報、および再使用または再処理のための制御情報のような情報を含むことができる。
【0047】
図13および
図14は、試料容器または試料瓶380を示している。試料容器または試料瓶380は、外パネル382および底パネル383を有する略円筒形状を有している。2つの互いに反対を向いて離間した平坦な把持区域384が、試料容器380の外パネル382に配置されている。区画388は、試料容器380内に画定されている。一実施形態では、区画388は、保存溶液389、例えば、ホルマリンまたは他の適切な保存溶液を含んでいる。他の実施形態では、保存溶液は、省略されている。試料容器380は、区画388の内容物がユーザーによって観察されるように、透明材料から形成されている。
【0048】
管状フランジ386が、パネル382の上方に周方向外方に延在している。管状ネジ部387が、フランジ386の外面に画定されている。円形キャップ390は、管状ネジ部391を有している。キャップ390は、キャップ390を試料容器380に対して回転させ、ネジ部387,391を互いに嵌合させることによって、試料容器380に取り付けられるようになっている。
【0049】
キャップ390は、キャップリテーナ392によって、試料容器380に取外し可能に保持されている。キャップリテーナ392は、細長アーム395を有している、細長アーム395は、フランジ386に取外し可能に取り付けられた近位端396およびアーク状リブ393に取り付けられた遠位端397を有している。リブ393は、タブ394によってキャップ390に接続されている。タブ394は、リブ393とキャップ390との間に弱い接続部をもたらしている。
【0050】
ユーザーは、キャップ390を試料容器380の上に配置する。キャップリテーナ392は、ネジ部387,391と一直線に並んでいる。キャップ390を試料容器380に対して回転させると、タブ394が破断し、キャップ390がキャップリテーナ392から分離する。次いで、ユーザーは、アーム395を引っ張り、キャップリテーナ392を試料容器380から取り外すことができる。
【0051】
図14に示されているように、ユーザーは、組織サンプル398を含む組織トラップ350を区画398内に配置し、これによって、組織トラップ350および組織サンプル398を保存溶液389に浸漬させるとよい。組織サンプル398は、多種多様の組織サンプルとすることができる。例えば、組織サンプル398は、体内の一部からの生検サンプルであってもよいし、結腸からのポリープであってもよい。次いで、キャップ390を試料容器380にねじ込み、これによって、組織サンプル398および組織トラップ350を試料容器380内に密封することになる。
【0052】
[C.第1の実施形態の操作]
図1〜
図14を参照すると、可動ユニット30(
図1)は、ユーザーがカセット200をキャニスタ38に関連するマニホールドアセンブリ100の相補的レセプタクル102内に挿入することによって、使用の準備が整うことになる。このステップは、後パネル215をドア136を開けるように配向させ、カセット102をレセプタクル102内に挿入することによって行われる。ドア136が開くと、足141が開口124を貫通する。後パネル215が後パネル110と接触するまで、カセット200が通路118内に摺動する。この位置において、カセット排出ポート250(
図8)が、吸引導管59に対して着座し、吸引導管59と流体連通する。湾曲したチューブ区域284が蠕動ポンプローラ74に対して押圧され、これによって、ローラ74の回転が灌注流体をポンプチューブ280内に送り込むことになる。
【0053】
RFID読取機194が、挿入されたカセット200のRFIDタグ376を認識し、カセット200がレセプタクル102内に着座されたときに可動ユニット30の操作を可能にする信号をコントローラ192に送信する。カセット200がレセプタクル102内に挿入された後、コントローラ192は、光源129を作動させ、ピストン300および組織トラップ350を照明する。
【0054】
灌注ライン162は、灌注流体源72と灌注カプラー150との間に接続されている。灌注カプラー150は、長孔132内に挿入される。ユーザーは、ハンドル154を掴み、勾配付き側面156が溝135に係合するように、遠位端153を長孔132に向かって導くことによって、灌注カプラー150を挿入することができる。ハンドル154をレセプタクル102の方に手で継続的に押し込むことによって、灌注カプラー150が長孔132内に完全に着座するまで、勾配付き側面156を溝135に沿って摺動させることができる。この位置において、出口取付具158は、灌注コネクタ260を介してポンプチューブ280への接続部をもたらすことになる。従って、出口取付具158は、ポンプチューブ280と流体連通することになる。
【0055】
可動ユニット30は、吸引ライン50を取付具180に取り付け、かつ灌注ライン51を取付具181に取り付けることによって、結腸鏡のような付与装置52をユニットに連結して、使用の準備が終了することになる。
【0056】
カセット200の操作モードは、スリーブ240内のピストン300の位置決めによって選択されるようになっている。ピストン300は、最初、ピストン300がスリーブ240の遠位端244にある
図3に示されている位置にある。これは、バイパス位置である。バイパス位置では、ピストン300は、以下のように、すなわち、凹部312が取付具180の端229の下方に位置して孔314がカセット排出ポートと一直線に並ぶように配向されており、これによって、流体をピストン300を通って流すことが可能になる。
【0057】
可動ユニット30は、吸引ポンプ58および蠕動ポンプ70を作動させることによって、作動される。吸引ポンプ58の作動によって、廃棄物流れは、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、次いで、吸引ライン50を通って取付具180内に導かれることになる。取付具180から、廃棄物流れは、ピストン内を通って、具体的には、凹部312を通って孔314内に,次いで、中空内部空洞301を通って移動する。次いで、廃棄物は、ピストン孔316およびカセット排出ポート250を通って、導管59内に流出する。導管59から、廃棄物流れは、キャニスタ38内に導かれる。この操作モードは、吸引連通経路184が組織トラップ350をバイパスしているので、バイパスモードと呼ばれている。
【0058】
キャニスタ36または38に入る廃棄物流れの液状成分および固形成分は、流れから沈降し、キャニスタ36,38内に保持され、最終的に廃棄されることになる。
【0059】
蠕動ポンプ70の作動によって、灌注流体は、灌注源72から、灌注流体連通経路182に沿って、灌注ライン162、灌注コネクタ150、ポンプチューブ280、灌注取付具181、灌注ライン51を通って、外科部位に付与するための付与装置52内に送り出されるようになっている。
【0060】
ユーザーは、カセット200を用いて、ポリープのような組織サンプルを収集するように選択することができる。カセット200は、スリーブ240内においてピストン300を再位置決めすることによって、組織収集モードに配置されるようになっている。
【0061】
ユーザーは、手動によって、組織トラップ350をスリーブ240内に挿入する。これによって、ピストン300は、スクリーン350から遠位側に、すなわち、スリーブ240のさらに奥に移動することになる。中心特徴部362,364は、組織トラップ350をピストン300のフランジ300内に案内し、パネル306に当接させるためのものである。
【0062】
この位置は、
図2に示されている。この位置では、ピストン300は、スリーブ240の近位端部245の方に配置されている。組織トラップ350がスリーブ240内に完全に挿入されると、フランジ358がカセット近位端244に当接する。これが、組織収集位置である。組織収集位置では、組織トラップ350は、空洞360が取付具180の開口の下に位置して孔366がカセット排出ポート250と一直線に並ぶように、配向され、これによって、流れがピストン組織トラップ350を通ることが可能になる。組織収集位置では、ピストン300は、連通経路の一部ではない。
【0063】
システムが組織収集モードにあるとき、廃棄物流れは、外科部位から吸引連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、次いで、吸引ライン50を通って取付具180内に導かれる。この廃棄物流れは、付与装置52を通る吸引の結果として、吸引付与装置52内に混入した組織サンプル398を含んでいる。取付具180から、廃棄物流れは、空洞360、スクリーン368、孔366、および孔250を通って、導管59内に移動する。導管59から、廃棄物流れは、キャニスタ38内に導かれる。組織サンプル398は、組織トラップ350内のスクリーン368によって捕捉される。この操作モードは、吸引連通経路184が組織トラップ350を通っているので、組織収集モードと呼ばれている。サンプルを組織収集モードによって収集するために、吸引ライン50を遮断または再接続する必要がないことに留意されたい。
【0064】
組織トラップ350を形成するプラスチックは、ユーザーが組織サンプル398を観察することを可能にするために、少なくとも部分的に透明である。組織サンプル398は、光源129によって、組織トラップ350内において照明されるようになっている。
【0065】
組織トラップ350は、ユーザーがリニアアクチュエータ80を作動することによって、スリーブ240から取り外されるようになっている。代替的に、組織トラップ350は、ユーザーが手動によって組織トラップ350を引き出すことによって、またはレバーまたはバネ機構(図示せず)を用いることによって、取り外されるようになっていてもよい。ユーザーは、アクチュエータ80を作動させるために、制御パネル196上のボタンのような入力デバイスを押し込むことになる。アクチュエータ80は、シャフト82をピストン300に直線的に押すように駆動し、これによって、ピストン300をスリーブ240の近位端245から遠位端244に向かって移動させることができる。ピストン300の移動によって、組織トラップ350は、スリーブ240の孔246から外に移動し、ここで、ユーザーが組織トラップ350を掴むことになる。ピストンが近位位置に戻ると、システムは、バイパスモードに戻ったとみなされる。
【0066】
もし手術中の後の時点において、施術者が他の組織サンプルを収集することが有益であると考えたなら、他の組織サンプルを収集するために、他のトラップ350をスリーブ240の孔246内に挿入することができる。多数の組織トラップ350を用いて、多数の組織サンプルを収集することができる。手術中に吸引ライン50を遮断または再接続することなく、多数の組織サンプルを収集することができる。
【0067】
本発明の他の特徴は、このシステムが、バイパス操作モードと組織収集操作モードとの切換を、この移行中に吸引ポンプを停止することなく、行うことができる点にあることを理解されたい。これは、本発明を用いて組織収集を行うとき、手術を行うための全時間長さが吸引ポンプ58を繰返し作動/遮断するために必要な時間によって長引くことがないことを意味している。
【0068】
組織トラップ350をカセット200から取り外した後、ユーザーは、組織トラップ350を試料容器380内に配置する。試料容器380において、組織トラップ350は、
図14に示されているように、保存溶液389内に浸漬され、これによって、組織サンプル398が保存溶液38によって覆われることになる。ユーザーは、試料容器380を覆ってキャップ390を配置する。キャップリテーナ392は、ネジ部391,387と一直線に配置されている。キャップ390を試料容器389に対して回転させると、タブ394が破断し、キャップ390がキャップリテーナ392から分離する。次いで、ユーザーは、アーム395を引っ張り、キャップリテーナ392を試料容器380から取り外すことができる。試料容器380は、分析のために病理学研究所に送られることになる。
【0069】
いったん医学/外科手術が終了し、可動ユニット30の使用がもはや必要でなくなったなら、吸引ライン50および灌注ライン51は、それぞれ、取付具180,181から離脱されるとよく、灌注カプラー150は、レセプタクル102から離脱されるとよい。カセット200は、レセプタクル102から取り外される。カセット200がレセプタクル102から取り外されると、ドア136が、通路118を閉鎖する。ドア136が閉位置にあるとき、足141が導管59を覆っており、これによって、導管59への入口を密封する。通路118の閉鎖によって、レセプタクル102内に残っている廃棄材料の漏れを実質的になくすことができる。カセット200は、医学的廃棄物として廃棄されることになる。
【0070】
使用後に、可動ユニット30は、(図示されておらず、また本発明の一部でもない)ドッカーに連結されるようになっている。キャニスタ36または38内の廃棄材料は、ドッカーを通して処理施設に流されるようになっている。
【0071】
出口取付具158は、本体262と連携して入口ポート268に対してシールを形成する。これらの構成部品は、互いに嵌合されると、足264がバネ力を本体262に加え、これによって、入口ポート268を出口取付具158に付勢するように、寸法決めされている。これらの2つの構成部品の互いに対する圧縮によって、これらの構成部品間に実質的に液密のバリアをもたらすことになる。従って、Oリングまたは他のシール要素をもたらす必要性がなくなる。これによって、カセット200の製造が簡素になる。
【0072】
同様に、本発明の態様において、組織トラップ350および試料容器380を形成するプラスチックは、少なくとも部分的に透明であることも理解されたい。これは、組織サンプルが収集されたことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。さらに、カセット200は、少なくとも部分的に透明な材料から形成されている。これは、カセットがこれまでに用いられておらず、収集された廃棄物を含んでいないことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。
【0073】
[III.第2の実施形態]
[A.レセプタクル]
図15〜
図17を参照すると、本発明の廃棄物および組織収集システムの一部として用いられる第2のマニホールドアセンブリ400の詳細が示されている。マニホールドアセンブリ400は、レセプタクル410、カセット420、および組織トラップ598を備えている。組織トラップ598は、試料容器650を備えており、試料容器650内に組織フィルター600が着座している。レセプタクル402は、第1の実施形態において説明したレセプタクル102と同様である。第2の実施形態におけるレセプタクル410は、レセプタクル102と異なる高さ、長さ、および幅を含む寸法を有している。また、レセプタクル410は、湾曲した後パネル402を備えており、後パネル402の遠位側に凹部404を画定している、
図15のドア136は、
図3のレセプタクル102に示されているような足141を備えていない。
【0074】
図1Aおよび
図15Bをさらに参照すると、キャニスタ38のキャニスタキャップ42に取り付けられているのは、マニホールドアセンブリ400である。マニホールドアセンブリ400は、レセプタクル410およびカセット420を備えている。カセット420は、レセプタクル410内に取外し可能に着座されている。以下に説明するように、カセット420には、多数の取付具490,181が形成されている。取付具490は、吸引ライン50を受け入れるようになっており、取付具181は、灌注ライン51を受け入れるようになっている。吸引ライン50および灌注ライン51の各々の遠位端は、吸引付与装置(結腸鏡)52に取り付けられている。(ここで、「遠位側」は、吸引が付与される外科部位に向かう側を指しており、「近位側」は、外科部位から離れる側を指している。)
図1Aにおいて、吸引付与装置52は、吸引および灌注を付与するためにのみ特別に設計されたハンドピースとして概略的に示されているが、これは、例示にすぎず、制限するものではないことを理解されたい。場合によっては、吸引付与装置52は、吸引および灌注を付与する以外の仕事を行うために外科部位に適用される他の外科工具、例えば、結腸鏡生検工具または焼灼工具内に組み込まれてもよい。
【0075】
キャップ42の内部には、導管59が設けられている。導管59は、レセプタクル410からレセプタクルに関連するキャニスタ36または38内への流体連通経路として機能するものである。カセット420内の吸引流体通路454は、カセット420の後部およびレセプタクルから出て、空洞64の背後に位置する水平方向に配向された導管59に通じている。
【0076】
吸引ポンプ58および蠕動ポンプ70も、可動ユニット30の一部である。(
図1Aに破線によって示されている)導管59,60は、それぞれ、キャニスタ36,38を吸引ポンプ58の入口ポートに接続している。吸引ポンプ58が作動すると、生じた吸引が物質を付与装置52内に、次いで、関連する吸引ライン50、カセット、およびレセプタクル内に引き込むことになる。
【0077】
連続的な吸引流体連通経路184は、付与装置52から吸引ポンプ58にわたって形成されている。廃棄物流れは、レセプタクル410から関連するキャニスタ36に導かれることになる。この流れに混入した液状物質および小片の固形物質は、この流れからキャニスタ38内に沈降する。従って、この廃棄物は、キャニスタ36が空にされるまで、キャニスタ36に貯められることになる。この流れに混入したガスおよび少片物質は、キャニスタから吸引ポンプ58に向かって流れることになる。
【0078】
図2から分かるように、キャップ42は、キャップの基部の上面から上方に突出する中実のキャップヘッド63を有するように、形成されている。空洞64は、キャップヘッド63内に画定されている。レセプタクル410は、空洞64内に取り付けられている。レセプタクル410は、レセプタクル410のパネルがキャップヘッド63の内部パネルと接触するように、空洞64に固定されている。カセット420は、レセプタクル410内に取外し可能に保持されている。灌注取付具180および吸引取付具490が、カセット420から遠位側に延在している。
【0079】
蠕動ポンプ70は、以下のように、すなわち、蠕動ポンプ70の回転によって、灌注液が灌注液源72から灌注ライン162、カセット200、および灌注ライン51を通って、付与装置52に送り出され、付与装置52において外科部位に供給されるように、灌注ライン51に連結されている。蠕動ポンプ70は、偏心ローラ74に接続された回転電動モータ71を備えている。蠕動ポンプ70は、以下にさらに詳細に説明するように、灌注流体を付与装置52に供給することができるようになっている。連続的な灌注流体連通経路182は、灌注液源72から付与装置52にわたって形成されている。
【0080】
[B.カセット]
図18A〜
図18Fおよび
図19をさらに参照すると、カセット420は、略正方形状を有しており、ハウジング422を備えている。ハウジング422は、2つの部品、すなわち、上側ハウジング424および対向する下側ハウジング426を有している。ハウジング422は、2つの部品を用いるように図示されているが、単一の一体品として形成されていてもよいことも見込まれている。上側ハウジング424および下側ハウジング426は、互いに嵌合され、ハウジング422を形成する。空洞423は、上側ハウジング424と下側ハウジング426との間において、ハウジング422内に画定されている。上側ハウジング424は、平坦な上パネル427、前パネル428、湾曲した後パネル430、および側パネル432,434を備えている。パネル428,430,432,434は、上パネル427から離れる方に直角に延在している。ノーズ部435は、前パネル428の中心から外方に延在している。U字状開口436は、パネル432の近くにおいて、前パネル428に配置されている。U字状開口437は、パネル434の近くにおいて、前パネル428に配置されている。U字状開口438は、ノーズ部435に配置されている。U字状開口439は、後パネル430に配置されている。カセット420は、どのような適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。
【0081】
下側ハウジング426は、平坦な底パネル442、前パネル444、湾曲した後パネル446、後パネル450、および側パネル447,448を備えている。パネル444,446,447,448は、底パネル442から離れる方に直角に延在しており、各々、後パネル446を除いて、面取りされた縁449を有している。
【0082】
1対の内部支持パネル452,453は、パネル448に隣接かつ離間した位置において、前パネル444と後パネル450との間に延在している。内部支持パネル452,453は、互いに略平行であり、底パネル442から離れる方に直角に延在している。内部支持パネル452,453は、通路454を画定している。支持パネル452,453は、それぞれ、端部456,457を有している。これらの端部456,457は、パネル444に隣接してかつパネル444からいくらか離間した位置において90°に屈曲し、パネル444と平行に延在し、パネル444の中心に近い端459で終端している。孔458は、後パネル450に配置されている。この孔458は、通路454と流体連通している。孔478は、端459において、底パネル442を貫通している。孔478は、通路454と流体連通している。二次吸引取付具490は、前パネル444を外方に貫通している。二次吸引取付具490は、通路454と流体連通している。二次吸引取付具490は、任意選択的な第2の吸引ライン(図示せず)に連結され、使用されないとき、キャップ491(
図15)によって密封されている。
【0083】
他の対の内部支持パネル460,461は、湾曲した後パネル446とパネル447に隣接してかつパネル447から離間した位置との間に、波状に延在している。内部支持パネル460,461は、互いに略均等に離間しており、底パネル442から離れる方に直角に延在している。内部支持パネル460,461は、第1の灌注チューブ通路462を画定している。
【0084】
さらなる対の内部支持パネル464,465は、湾曲した後パネル446とパネル447に隣接する位置との間に短い距離にわたって延在している。内部支持パネル464,465は、互いに略平行であり、底パネル442から離れる方に直角に延在している。内部支持パネル464,465は、第2の灌注チューブ通路466を画定している。
【0085】
識別デバイス376(
図16)は、上側ハウジング424の上パネル427に取り付けられている。識別デバイス376は、どのような適切な識別デバイス、例えば、無線識別(RFID)デバイス、バーコード、磁気帯片、または他の記憶デバイスであってもよい。識別デバイスは、設定情報、期限情報、および再使用または再処理のための制御情報を含む情報を含むことができる。
【0086】
図19を参照すると、略矩形の開口468は、前パネル444に配置されている。灌注コネクタ470は、カセット420の(パネル447および開口468に隣接する)コーナに配置されている。灌注コネクタ470は、底パネル442から上方に直角に延在するパネル472を有している。テーパ付きノズル474は、パネル472から遠位方向に延在しており、テーパ付きノズル475は、パネル472から開口468に向かって近位方向に延在している。灌注取付具512は、開口468を貫通し、ノズル475に接続されている。
【0087】
円形ボス480は、前パネル444から外方にかつ底パネル442から下方に延在している。ボス480は、略水平の上パネル482および略垂直の湾曲側面484を有している。側パネル484は、上パネル482と直交している。側パネル484および上パネル482は、管状空洞488(
図17)を内部に画定している。取付具486は、上パネル482から下方にかつ側パネル484から外方に延在している。組織沈殿ポート489は、上パネル482を貫通している。
【0088】
図18A〜
図18Fを再び参照すると、波状のポンプチューブ500は、端502,504、区域505,506,および湾曲したポンプ区域508を有している。ポンプチューブ500は、上側ハウジング424と下側ハウジング426との間において、カセット420内に保持されている。ポンプチューブ500は、どのような適切な材料、例えば、プラスチックまたはシリコーンゴムから形成されていてもよい。端504は、テーパ付きノズル474の周りに圧入されている。区域505は、パネル460,461間の通路462内に配置され、保持されている。区域506は、パネル464,465間の通路466内に配置され、かつ保持されている。湾曲したポンプ区域508は、湾曲した後パネル446の外面に隣接して配置され、該外面に沿って延在している。回転する蠕動ポンプローラ74(
図2)は、ポンプローラ74と湾曲した後パネル446との間において、湾曲したポンプ区域508を移動可能に押圧し、かつ圧搾するように、構成されている。端502は、90°エルボー取付具514の周りに圧入されている。エルボー取付具514は、パネル447に隣接してその内方に位置している。エルボー取付具514は、下方に方向転換し、パネル426の孔510を貫通している(
図17)。ポンプチューブ500は、灌注液を灌注カプラー150から灌注取付具512に流すための流体連通経路をもたらしている。
【0089】
細長のL字状カバー516は、パネル452,453,456,457上に配置され、通路454に流体シールをもたらしている。カバー516は、上パネル517および側パネル518を有している。側パネル518は、パネル452,453,456,457の下方に部分的に延在している。カバー516は、後パネル450の近くに位置する近位端519と、前パネル444の近くに位置する遠位端520とを有している。ダクト522は、上パネル517の下方の遠位端520に配置されている。ダクト522は、孔458を通って配置され、通路454内に延在している。ダクト522は、通路454に流体連通している。
【0090】
上側ハウジング424および下側ハウジング426は、互いに嵌合され、カセット420のハウジング422を形成している。ハウジング424,426は、2つのハウジング区域を互いに圧入またはスナップ嵌合することによって、互いに保持されることになる。代替的に、ハウジング424,426は、接着剤または溶着によって保持されるようになっていてもよい。ハウジング424,426が互いに押圧によって嵌合されると、面取りされた縁450が、パネル444,447,448を押し、それぞれ、パネル428,432,434の内方に着座させるようになっている。
【0091】
カセット420は、弁アセンブリ530をさらに備えている。弁アセンブリ530は、弁部材532を備えている。弁部材532は、リング560および刻み付きノブ580を保持している。
図20A〜
図20Dを参照すると、弁部材532は、上面534、底面535、および側面536を有する略円筒形状を有している。リム537は、側面536の上にいくらか拡がるように、上面534から周方向外方に延在している。互いに向き合って平行に離間した対の段538が、底面535に画定されている。孔540,542は、上面534と底面535との間において弁部材532を貫通している。湾曲した長孔544は、上面534に画定されている。この長孔544は、孔542と同一の拡がりを有している。
【0092】
バイパス通路550は、上面534の幅を実質的に横切って延在するように、上面534に画定されている。バイパス通路550は、中心溝552および部分孔554,556によって画定されている。部分孔554,556は、上面534と直交して弁部材内に部分的に延在している。中心溝552は、部分孔554,556と同一の拡がりを有している。
【0093】
図19を再び参照すると、管状リング560は、上側外面562およびテーパ付き下側外面564と、リム565と、内面566と、底側567と,管状段569とを有している。孔570は、リング580内に画定されている、管状段568は、孔570内に部分的に延在している。
【0094】
刻み付きノブ580は、底パネル582および環状側パネル584を備えている。側パネル584は、底パネル582から直角に延在している。一連の刻み付き部分またはリブ585は、側パネル584の外面の周りに周方向に延在している。ユーザーは、刻み付き部分またはリブ585を手で掴むことができる。開口586は、底パネル582に画定されている。凹部587は、側パネル584の前面に画定されている。ノッチ589が、凹部587の上方において、側パネル584の前面に画定されている。一連の突起588は、底パネル582から上方に直角に延在し、開口586の周りに配置されている。突起588は、柔軟であり、開口586に向かっていくらか内方に傾斜している。リップ590は、各突起588の遠位端に配置され、突起588から内方に延在している。(
図17に示されている)1対の互いに向き合って離間したL字状レール592は、底パネル582の底面の下方に延在している。
【0095】
図15、
図17、
図19および
図20Aを参照すると、弁アセンブリ530は、ボス480に取り付けられている。弁部材532は、上面534がパネル482の底およびパネル442に隣接するように、空洞488内に着座している。この着座によって、リム537が、パネル484の内側に接触している。また、リング560の環状段568は、弁部材532の環状段538を囲み、かつ環状段538と接触している。リング560の内面566が、パネル484の外側に接触している。一方、底パネル582は、リング560の底567を支持している。底面535は、開口586を貫通している。突起588は、リム565の上に延在するリップ590によって、リング560を把持している。
【0096】
具体的には、ノブ580がリング560に対して押されると、突起588が、外方に撓み、表面562,564と接触して摺動し、次いで、リップ590がリム565を超えて移動したとき、突起588が内方に撓み、リング560を把持することになる。突起588は、リング560をボス480に対して圧搾し、これによって、弁アセンブリ530をハウジング422に保持することができる。弁部材532は、ユーザーがノブ580を掴むことによって回転され、これによって、弁アセンブリ530の全体をボス480に対して回転させることができる。
【0097】
図21A〜
図21Fを参照すると、組織フィルター600が示されている。組織フィルター600は、略円筒状である。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。組織フィルター600は、どのような適切な材料、例えば、低デュロメータ硬度プラスチックまたは熱可塑性エラストマーから形成されていてもよい。組織フィルター600は、内容物がユーザーによって観察されるように、透明材料から形成されているとよい。組織フィルター600は、上パネル602によって画定されている。環状の側パネル604は、上パネル602の底から離れる方に直角に延在している。側パネル604は、上パネル602よりも小さい直径を有している。上パネル602は、周方向フランジ606を画定している。
図17に最もよく示されているリップ611は、側パネル604の底から周方向外方に延在している。アーク状に垂直方向に配向された側パネル608,609は、環状の側パネル604から下方に垂れている。U字状に互いに離間して垂直方向に配向されたパネル610は、環状の側パネル604から下方に垂れている。
【0098】
パネル608,609,610は、リザーバー612を画定している(
図22D)。一実施形態では、リザーバー612は、保存溶液389、例えば、ホルマリンまたは他の適切な保存溶液を含むことができる(
図22D)。他の実施形態では、保存溶液は、省略されている。保存溶液389は、箔またはプラスチックシール614によって、リザーバー612内に密封されている。
【0099】
U字状に互いに離間して垂直方向に配向されたパネル610は、矩形状空洞616を画定している。矩形状のスクリーン618は、空洞内616内に取り付けられ、パネル608,610に固着されている。スクリーン618は、空洞616内において、遠位端620からいくらか離間している。開口622は、上パネル602に配置されており、空洞616と連続している。
【0100】
周方向フランジ606は、上パネル602の互いに向き合った側に位置する1対の平行縁623,624と、上パネル602の互いに向き合った側に位置する1対の湾曲縁626,627と、を有している。タブ630は、縁627に隣接する位置においてフランジ606から上方に延在している。タブ630は、組織フィルター600が弁アセンブリ530内に逆向きに挿入されるのを防ぐ位置合わせ特徴部である。タブ630は、組織フィルター600が弁アセンブリ530内に挿入されるとき、ノッチ589内に入るようになっている。
【0101】
ダクト632は、近位端634および遠位端636を有している。ダクト632は、パネル609と略平行になって、パネル609によって部分的に囲まれるように、配向されている。近位端634は、側パネル604を貫通し、上パネル602で終端している。遠位端636は、端620の下方に端620をいくらか超えて延在している。孔638は、ダクト632を貫通している。
【0102】
図22A〜
図22Dは、試料容器または試料瓶650を示している。試料容器または試料瓶650は、外パネル652および底パネル653を有する略円筒形状を有している。1対の互いに反対を向いて離間した平坦な把持区域654は、試料容器650の互いに反対を向いた側において、外パネル652に配置されている。区画658は、試料容器650内に画定されている。試料容器650は、区画658の内容物がユーザーによって単一の平坦壁を通して観察されるように、透明材料から形成されている。壁が平坦な形状を有していることによって、区画の内容物の視覚的な歪みを実質的になくすことができる。
【0103】
環状フランジ666は、パネル652から上方にかつ周方向外方に延在している。環状ネジ部668は、フランジ666の外面に画定されている。円形キャップ680は、側パネル683の内面に位置する環状ネジ部682を有している、キャップ680は、キャップ680を試料容器650に対して回転させ、ネジ部668,682を互いに嵌合させることによって、試料容器650に取り付けられるようになっている。
【0104】
キャップ680は、キャップリテーナ683によって、試料容器650に離脱可能に保持されている。キャップリテーナ683は、細長アーム685を有している。アーム685は、フランジ666に取外し可能に取り付けられた近位端686とアーク状リブ693に取り付けられた遠位端687とを有している。リブ693は、タブ694によって、キャップ680に接続されている。タブ694は、リブ693とキャップ680との間に弱い接続部をもたらしている。
【0105】
識別デバイス376は、キャップ680に取り付けられている。識別デバイス376は、どのような適切な識別デバイス、例えば、無線識別(RFID)デバイス、バーコード、磁気帯片、または他の記憶デバイスであってもよい。識別デバイスは、設定情報、期限情報、患者または試料の追跡情報、および再使用または再処理のための制御情報のような情報を含むことができる。
【0106】
組織サンプル398は、多種多様の組織試料とすることができる。例えば、組織サンプル398は、体内の一部からの生検サンプルであってもよいし、結腸からのポリープであってもよい。組織フィルター600は、リップ611が側パネル652に係合するまで区画658内に摺動されるようになっており、この係合によって、抵抗力が生じ、区画658内にさらに挿入することができる。
【0107】
組織トラップ598は、弁アセンブリ530に取外し可能に連結されるようになっている。トラップ598は、組織フィルター600および試料容器650を水平方向に凹部587内に押し込み、縁623,624をL字状レール592内に摺動させることによって、挿入される。組織トラップ598は、弁アセンブリ530から垂れ下がることになる。組織トラップ598は、組織フィルター600および試料容器650を弁アセンブリ530から離れる方に水平に引っ張り、縁623,624をL字状レール592から引き出すことによって、弁アセンブリ530から取り外される。組織トラップ598は、単一ユニットとして、カセット420に挿入され、かつカセット420から取り外されるようになっている。
【0108】
ユーザーは、キャップ680を組織フィルター600の上に配置する。キャップリテーナ683は、ネジ部668,682と一直線に並んでいる。キャップ680を試料容器650に対して回転させると、キャップ680の内面696が上パネル602に接触する。キャップ680の回転によって、組織フィルター600が、区画658内に向かって下方に移動する。遠位端636が底パネル653に接触するまで、側パネル604およびリプ611が内方に撓み、試料容器パネル652に沿って摺動する。組織フィルター600が区画658内に下方に移動すると、底パネル653に取り付けられた尖った先端698が箔またはプラスチックシール614を突き刺し、保存溶液389を放出させ、
図17に示されているように、組織サンプル398を覆うことになる。
【0109】
キャップ680を試料容器650に対して回転させると、タブ694が破断し、キャップ680がキャップリテーナ683から分離する。次いで、ユーザーは、アーム685を引っ張ることによって、キャップリテーナ683を試料容器650から取り外すことができる。
【0110】
[C.操作]
図1A〜
図1Cおよび
図15〜
図19を参照すると、可動ユニット30(
図1A)は、カセット420を(外科部位から引き込まれた廃棄物が収集されることになる)キャニスタ36または38に関連するマニホールドアセンブリ400の相補的なレセプタクル410内に挿入することによって、使用の準備が整うことになる。このステップは、後パネル431をドア136を開くように配向させて、カセット420をレセプタクル410内に挿入することによって行われる。カセット420は、後パネル431が後パネル110に接触するまで、通路118内に摺動する。この位置において、ダクト522が、吸引導管59に着座し、吸引導管59と流体連通する(
図15B)。湾曲したチューブ区域508が蠕動ポンプローラ74に対して押圧され、これによって、ローラ74の回転が、灌注流体をポンプチューブ500内に送り込む。RFID読取機194が、識別デバイス376、例えば、RFIDタグを認識し、カセット420がレセプタクル410内に着座したときに可動ユニット30の操作を可能にする信号をコントローラ192に送信する。
【0111】
灌注ライン162が、灌注流体源72と灌注コネクタ150との間に接続される。灌注カプラー150が、長孔132内に挿入される。ユーザーは、ハンドル154を掴み、勾配付き側面156が溝135に係合するように、遠位端153を長孔132に向かって案内することによって、灌注カプラー150を挿入することになる。ハンドル154を手でレセプタクル102に向かって継続的に押すことによって、勾配付き側面156を溝135に沿って摺動させ、これによって、灌注カプラー150が長孔132内に完全に着座される。この位置において、取付具158は、孔510を介してエルボー取付具514に接続される。これによって、出口取付具158が、ポンプチューブ500と流体連通することになる。
【0112】
吸引付与装置52と一体の吸引ライン50が、取付具486に取り付けられる。もし吸引付与装置が灌注流体を供給することができるようになっているなら、灌注ライン51が、取付具512に取り付けられる。カセット420が、ノブ580の設定によって、操作モードに設定される。これに応じて、弁アセンブリ532が回転することになる。多くの場合、ノブ580は、弁部材532がバイパス位置に回転するように、設定される。バイパス位置では、弁部材532は、孔554がボス480内の取付具486の開口と一直線に並ぶように、配置されることになる。同時に、これによって、弁部材の孔556がボス孔478と一直線に並ぶことになる。吸引がなされると、これによって、流体が取付具486から流れ、バイパス通路550を通って導かれることになる。
【0113】
吸引ポンプ58を作動させることによって、可動ユニット30が作動される。吸引ポンプ58の作動によって、廃棄物流れは、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50を通って、取付具486内に導かれる。この廃棄物流れは、吸引付与装置52が作用する液状廃棄物および固形廃棄物と、付与装置52に隣接する空気を含んでいる。カセットが前述のバイパスモードにあるとき、廃棄物は、取付具486からバイパス通路550を通って導かれ、孔478を通って通路454に流れ、ダクト522を通って導管59に流れる。導管59から、廃棄物流れは、キャニスタ38内に導かれることになる。
【0114】
蠕動ポンプ70の作動によって、灌注流体は、灌注源72から灌注流体連通経路182に沿って送り出され、灌注ライン162、灌注コネクタ150、ポンプチューブ500、灌注コネクタ472、灌注取付具512、および灌注ライン51を通って、外科部位に付与するための付与装置52内に導かれることになる。
【0115】
ユーザーは、カセット420を用いて、ポリープのような組織サンプルを収集するように選択することができる。ノブ580を回転することによって、カセット420が組織収集モードに配置される。この回転に応じて、弁部材532が回転する。弁部材532は、組織収集位置にあるとき、弁部材の孔540がボス480内の取付具485の開口と一直線に並ぶように、配置されている。弁部材がこの位置に配置されることによって、弁部材の孔542は、孔478と一直線に並ぶことになる。
【0116】
システムが組織収集モードにあるとき、廃棄物および混入した組織サンプルは、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50を通って取付具486内に導かれる。取付具486から、廃棄物流れは、孔540,空洞616、スクリーン618、孔638、孔542、長孔545、孔478を通って、通路454内に導かれ、ダクト522を通って導管59内に導かれる。導管59から、廃棄物流れは、キャニスタ38内に導かれる。組織サンプル398は、組織フィルター600内のスクリーン618によって捕捉されることになる。この操作モードは、吸引流体連通経路184が組織フィルター600を通っているので、組織収集モードと呼ばれている。組織収集モードにおいてサンプルを収集するために、吸引ライン50を遮断または再接続する必要がないことに留意されたい。
【0117】
カセット420および組織トラップ598は、ピンセットのような器具を用いて患者から摘出された組織を収集するために用いられてもよい。この収集を行うために、ノブ580は、摘出組織捕捉モードに回転される。ノブをこのモードに関連する位置に回転させると、弁部材532は、孔540が組織沈殿ポート489と一直線に並ぶように、回転することになる。このとき、長孔544が孔478と一直線に並ぶ。弁部材孔542は、長孔544と一直線に並んだ孔478および組織沈殿ポート489と一直線に並ぶ。弁部材532がこの位置にあるとき、取付具486を通る吸引が生じない。周囲環境から組織沈殿ポート489を通る吸引が生じる。
【0118】
システムが摘出組織捕捉モードにあるとき、組織を摘出するために用いられた器具が、患者から引き出される。組織が付着した器具の遠位端が、組織沈殿ポート489内に挿入される。ポート489を通して引き込まれる吸引が、組織を器具から引き剥がし、該組織を組織トラップ容器650内に引き込むことになる。容器650内に引き込まれる組織と同じように、容器の外への組織の移動は、組織フィルター600によって妨げられることになる。
【0119】
組織トラップ598は、弁アセンブリ530に取外し可能に連結されている。組織トラップ598の取外しの前に、ノブ580がバイパス位置に再び回転され、フィルター600および試料容器650を吸引連通経路から離脱させるようになっている。
【0120】
組織トラップ598は、単一ユニットとしてカセット420から取り外されるようになっている。トラップ598は、組織フィルター600および試料容器650を弁アセンブリ530から離れる方に水平に引っ張ることによって、弁アセンブリ530から取り外される。縁623,624がL字状レール592内に摺動するように、トラップ容器650を凹部587内に水平に押すことによって、他の組織トラップ598を挿入し、他の組織サンプルを収集することができる。次いで、他の組織サンプルを収集するために、ノブ580が、組織サンプル収集位置に再び回転されることになる。多数の組織トラップ600を用いて、多数の組織サンプルを収集することができる。
【0121】
1つの組織トラップ598をカセット420から取り外し、新しいトラップ598を取り付けるこのプロセス中、吸引ポンプ58を遮断する必要がない。換言すれば、吸引付与装置に付与される吸引を妨げることなく、新しい組織トラップ598をカセット420に取り付けることができる。
【0122】
ユーザーは、キャップ680を組織フィルター600の上に配置する。キャップリテーナ683は、ネジ部668,682と一直線に並んでいる。キャップ680を試料容器650に対して回転させると、キャップ680の内面696が上パネル602に接触する。キャップ680の回転によって、組織フィルター600が区画658内に向かって下方に移動する。側パネル604およびリップ611が内方に撓み、遠位端636が底パネル653に接触するまで、試料容器パネル652に沿って摺動する。組織フィルター600が区画内658内において下方に移動すると、底パネル653に取り付けられた尖った先端698が、箔またはプラスチックシール614を突き刺し、保存容器389を放出させ、
図17に示されているように、組織サンプル398を覆うことになる。
【0123】
キャップ680を試料容器650に対して回転させると、タブ694が破断し、キャップ680がキャップリテーナ683から分離する。次いで、ユーザーは、アーム685を引っ張ることによって、キャップリテーナ683を試料容器650から取り外すことができる。
【0124】
いったん医学/外科手術が終了し、可動ユニット30の使用がもはや必要でなくなったなら、吸引ライン50および灌注ライン51は、それぞれ、取付具486,512から離脱されるとよく、灌注カプラー150は、レセプタクル410から離脱されるとよい。カセット420は、レセプタクル410から取り外される。カセット420がレセプタクル410から取り外されると、ドア136が通路118を閉鎖する。通路118の閉鎖によって、レセプタクル410内に残っている廃棄材料の漏れを実質的になくすことができる。カセット420は、医学的廃棄物として廃棄されることになる。
【0125】
出口取付具158は、底パネル426と連携して孔510にシールを形成する。これらの構成部品は、互いに嵌合されると、出口取付具158が底パネル426を押圧するように、寸法決めされている。これらの2つの構成部品の互いに対する圧縮によって、これらの構成部品間に実質的に液密のバリアをもたらすことになる。従って、Oリングまたは他のシール要素をもたらす必要性がなくなる。これによって、カセット420の製造が簡素になる。
【0126】
同様に、本発明の態様において、組織フィルター600および試料容器650を形成するプラスチックは、少なくとも部分的に透明であることも理解されたい。これは、組織サンプルが収集されたことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。さらに、カセット420は、少なくとも部分的に透明な材料から形成されている。これは、カセットがこれまでに用いられておらず、収集された廃棄物を含んでいないことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。
【0127】
[IV.第3の実施形態]
[レセプタクル]
図23〜
図25を参照すると、本発明の廃棄物および組織収集システムの一部として用いられる第3のマニホールドアセンブリ700が示されている。マニホールドアセンブリ700は、レセプタクル702およびカセット800を備えている。レセプタクル702は、略正方形状を有するものとして示されている。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。
【0128】
レセプタクル702は、5つの外部パネル、すなわち、互いに平行に離間する略水平方向に配向された上パネル705および底パネル706と、互いに平行に離間する略垂直方向に配向されたパネル707,708と、略垂直方向に配向された後パネル709と、によって画定されている。レセプタクル702は、近位端710および遠位端712を有している。底パネル706は、近位端710の近くに配置された切欠部714を画定している。レセプタクル702は、どのような適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。
【0129】
レセプタクル702は、水平方向に配向された空洞または通路716を画定している。空洞または通路716は、レセプタクル702の幅を横切って延在し、レセプタクル702の後パネル708に延在している。略丸形状の開口720は、後パネル709の近くにおいて上パネル705に画定されている。開口722は、パネル708に隣接する遠位端712において、後パネル709を貫通している。1対の互いに平行に向き合った細長溝724は、パネル707,708の内面の各々に画定されている。溝724は、空洞または通路716の方に向いている。上パネル705は、近位端710において1対の互いに隣接して同一の拡がりを有するノッチ746,748を画定している。ノッチ746は、ノッチ748よりも上パネル705内にいくらか深く延在している。
【0130】
いくつかの孔が、上パネル705を貫通している。これらの孔760,762,764,766,768,770は、上パネル705を通って空洞716内に延在している。ワックスモータまたはリニアアクチュエータ80が、孔760〜770の各々の上に取り付けられており、その1つのみが
図24Bに示されている。ロッド81の一端は、アクチュエータ80に接続され、ロッド81の丸形状の他端は、ピンチ弁872上に位置している。ロッド81は、ピンチ弁872と接触するために、上パネル705を貫通している。
【0131】
灌注カプラー730が、水瓶1500のような灌注液源とカセット800との間に流体接続部をもたらしている。灌注カプラー730は、面706の底側(下)からパネル707に隣接して近位端710に向かって延在している。灌注カプラー730は、近位端734および遠位端736を備える略矩形状の本体732を有している。1対の略平行のアーム738は、近位端734に向かって延在しており、それらの間に長孔742を画定している。互いに向き合った溝740は、それぞれ、長孔742と向き合うようにして、アーム738の内面に画定されている。フィンガー部744は、各アーム738に配置され、溝740内に延在している。
【0132】
[B.カセット]
図26および
図27を参照すると、カセット800の詳細が示されている。カセット800は、略矩形状であり、ハウジング822を備えている。ハウジング822は、3つの部分、すなわち、上側ハウジング824、向き合った下側ハウジング826、および上側ハウジング824と下側ハウジング826との間に配置されたゴムシート1000を有している。ハウジング822は、2つの部分を有するものとして示されているが、単一の一体品として形成されてもよいことも見込まれている。上側ハウジング824、ゴムシート1000、および下側ハウジング826は、互いに嵌合され、ハウジング822を形成している。空洞827は、上側ハウジング824と下側ハウジング826との間において、ハウジング822内に画定されている。
【0133】
上側ハウジング824は、平坦な上パネル828、前パネル829、後パネル830、および側パネル832,834を備えている。パネル828,829,830,832,834は、上パネル828から離れる方に直角に延在している。上側ハウジング824は、近位端835および遠位端836を有している。テーパ区域837は、遠位端836において、それぞれ、パネル832,834に画定されている。テーパ区域831は、カセット800の挿入中に、ハウジング822をレセプタクル702内に案内するものである。カセット800は、どのような適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。一実施形態では、カセット800は、透明材料から形成されている。
【0134】
図26、
図27および
図30A〜
図30Cに示されているように、柔軟タブ838が、U字状スリット840によって、上パネル828に画定されている。突起841は、柔軟タブ838から上方に延在し、一連の平行リブ842は、柔軟タブ838から上方に延在し、柔軟タブ838の長軸と直交して配向されている。柔軟タブ838は、ユーザーによって加えられる手動の押込みによって、いくらか変位するようになっている。傾斜面844は、上パネル828の柔軟タブ838に隣接する位置において、前パネル829に向かって下方に傾斜し、U字状開口846の上方の前パネル829の中心で略終端している。傾斜面844は、透明である。
【0135】
他のU字状開口847は、パネル834の近くにおいて、前パネル829に配置されている。付加的なU字状開口848は、パネル835の近くにおいて、前パネル829に配置されている。浅いノッチ849は、開口846,848間においてパネル829に画定されている。さらに他のU字状開口852は、パネル834の近くにおいて、後パネル830に配置されている。
【0136】
図30A〜
図30Cを参照すると、6つのピンチ弁が、上パネル828に画定されている。ピンチ弁は、柔軟であり、ソレノイドまたはワックスモータ(図示せず)のような装置によって、下方に押し込まれるようになっている。灌注供給ピンチ弁860は、略U字状スリット862によって、上パネル828に画定されている。灌注供給ピンチ弁860は、空洞827内の方を向く下方延在フィンガー部864を有している。
【0137】
器具洗浄灌注ピンチ弁866は、略U字状スリット868によって上パネル828に画定されている。器具洗浄用灌注ピンチ弁866は、空洞827の方を向く下方延在フィンガー部870を有している。
【0138】
吸引バイパスピンチ弁872は、略U字状スリット874によって、上パネル828に画定されている。吸引ピンチ弁872は、空洞827内の方を向く下方延在フィンガー部876を有している。組織収集吸引ピンチ弁878は、略U字状スリット880によって、上パネル828に画定されている。組織収集吸引ピンチ弁878は、空洞827内の方を向く下方延在フィンガー部882を有している。
【0139】
他の組織収集吸引ピンチ弁884は、略U字状スリット886によって、上パネル828に画定されている。組織吸収吸引ピンチ弁884は、空洞827の方を向く下方延在フィンガー部888を有している。ピンセット洗浄吸引ピンチ弁890は、略U字状スリット892によって、上パネル828に画定されている。ピンセット洗浄吸引ピンチ弁890は、空洞827内の方を向く下方延在フィンガー部894を有している。
【0140】
リニアアクチュエータ80(
図24B)は、これらのピンチ弁を押し込み、該ピンチ弁を開けることができる。
図24Bにおいて、アクチュエータ80は、ピンチ弁872に接触しているロッド81に接続された状態で示されている。ロッド81を下降させると、フィンガー部876が吸引通路1076に接触する。吸引通路1076は、フィンガー部876と底パネル932との間で圧搾され、これによって、吸引通路1076を通る流体流れが遮断されることになる。ロッド81を持ち上げると、フィンガー部876が吸引通路1076から持ち上がり、流体流れが吸引通路10876を通ることが可能になる。
【0141】
上パネル828の湾曲したパネル部分896は、凹部897を画定している。湾曲したパネル部分896は、後パネル830を始端とし、ドーム898に向かって延在している。半円状ドーム898は、上パネル828に画定されている。半円状長孔900は、ドーム898と湾曲したパネル部分896との間において、上パネル828に画定されている。
【0142】
1対の互いに離間して湾曲したパネル902,903は、長孔900から近位端835に向かって延在している。パネル902,903は、互いに略平行であり、上パネル828から離れる方に直角に延在しており、通路904を画定している。他の対の互いに離間したパネル905,906は、それぞれ、フィンガー部864,870間に配置されている。パネル905は、上パネル828から直角に延在し、パネル903の近位端に接合し、通路908を形成している。パネル906は、上パネル828から直角に延在し、湾曲して傾斜面844で終端し、パネル902と連携して通路910を形成している。パネル911は、パネル902,906間に配置されており、傾斜面844に隣接している。パネル911は、上パネル828から離れる方に直角に延在している。パネル902,911,906は、傾斜面844に隣接する位置において、1対の出口912を画定している。
【0143】
付加的な対の互いに離間して湾曲したパネル914,916は、長孔900からフィンガー部870に向かって延在し、パネル902で終端している。パネル914,916は、互いに略平行であり、上パネル828から離れる方に直角に延在し、通路917を画定している。互いに略平行に離間したパネル918,919は、パネル834に隣接する位置において、実質的に近位端835と遠位端836との間に延在している。パネル918,919は、互いに略平行であり、上パネル828から離れる方に直角に延在し、通路920を画定している。互いに離間して略湾曲したパネル926,927は、V字形状を形成し、実質的にパネル919,917間に延在している。パネル926,927は、上パネル828から離れる方に直角に延在し、通路928を画定している。通路928は、通路920に合流している。分岐部922は、通路920からフィンガー部888の方向に傾斜している。
【0144】
図26、
図27および
図28A〜
図28Cを参照すると、下側ハウジング826は、上面932、底面934、および側面937,938を有する基部パネル930を備えている。下側ハウジング826は、近位端935および遠位端936を有している。ポスト940は、側面937と遠位端936とのコーナにおいて、上面932から直角に延在している。楔状柱942は、側面938と遠位端936とのコーナにおいて、上面932から直角に延在している。取付具944は、柱942を貫通している。取付具944は、Oリング947を受け入れるように寸法決めされた環状溝946を含む外向きテーパ付き遠位端945を有している。
【0145】
他の楔状柱948は、側面938と近位端935とのコーナにおいて、上面932から直角に延在している。取付具949は、柱948を貫通している。取付具949は、吸引ライン50(
図1A)を受け入れるように寸法決めされた外向きテーパ付き近位端950を有している。付加的な楔状柱952は、側面937と近位端935とのコーナにおいて上面932から直角に延在している。取付具954は、柱952を貫通している。取付具954は、灌注ライン51(
図1A)を受け入れるように寸法決めされた外向き遠位端955を有している。灌注ライン51を取付具954に保持するために、一連の円錐または棘956は、取付具954を取り囲んでいる。棘956のより広い基部は、前パネル935の方を向いている。
【0146】
取付具958は、前パネル面935から直角に延在している。凹部960は、取付具958のすぐ遠位側の位置において、上面932に画定されている。略正方形のストッパー962は、近位端935の凹部960に隣接する位置において、上面932から直角に延在している。傾斜パネル964は、柱952に隣接する位置おいて上面932から上方に傾斜し、ストッパー962に隣接する箇所で終端している。傾斜パネル964は、底面934に溝990を画定している。凹部963は、ストッパー962の下方において、底面934に画定されている。
【0147】
傾斜パネル967は、上面932から上方に傾斜している。具体的には、傾斜パネル967は、下側ハウジング826の中心に近い位置を始端とし、ドーム968で終端している。ドーム968は、上面932から遠位側に延在している。凹部969は、傾斜パネル967およびドーム968の下方において、底面934に画定されている。凹み966は、上面932に画定されている。凹み966は、柱952から傾斜パネル967の上方に延在し、ドーム968の外周を迂回し、傾斜パネル967の下方に延在し、孔970で終端している。孔970は、パネル930を貫通している。
【0148】
1対の平行の凹み965は、傾斜パネル964の幅に沿って延在するように、傾斜パネル964に画定されている。他の凹み972は、凹み966,965間に延在するように、上面932に画定されている。孔974,975は、パネル930を貫通するように、パネル930に画定されている。凹み976は、柱942,948間に延在するように、上面932に画定されている。凹み976は、取付具949,945と同軸であり、同一の拡がりを有している。凹み978は、凹部960と孔974との間に延在するように、上面932に画定されている。凹み980は、凹み976と孔974との間に延在するように、上面932に画定されている。凹み981は、凹み976と孔975との間に延在するように、上面932に画定されている。
【0149】
U字状の半円レール982は、近位端935および側面938に隣接する方に向かって、底面934の下方から直角に延在している。レール892は、互いに向き合った端983および内方を向いたリップ984を有している。レール982および底面934は、凹部985を画定している。丸形のボス986は、底面934から凹部985内に延在し、孔975を取り囲んでいる。凹部988は、レール982と側面937との間において、底面934に画定されており、孔970を取り囲んでいる。
【0150】
図26、
図27および
図29A〜
図29Cを参照すると、柔軟シート1000の詳細が示されている。柔軟シート1000は、上側ハウジング824と下側ハウジング826との間に挟まれている。柔軟シート1000は、どのような適切な材料、例えば、ゴムまたはシリコーンゴムから形成されていてもよい。
【0151】
柔軟シート1000は、上面1032、底面1034、および側面1037,1038を有する基部パネル1030を備えている。柔軟シート1000は、近位端1035および遠位端1036を有している。傾斜区域1042は、側面1038と遠位端1036とのコーナにおいて、上面1032から遠位側に傾斜している。傾斜区域1042は、柱942を覆うための区域である。他の傾斜区域1044は、側面1038と近位端1035とのコーナにおいて、上面1032から遠位側に傾斜している。傾斜区域1044は、柱948を覆うための区域である。さらに他の傾斜区域1048は、側面1037と近位端1035とのコーナにおいて、上面1032から遠位側に傾斜している。傾斜区域1048は、柱952を覆うための区域である。
【0152】
傾斜パネル1067は、上面1032から上方に傾斜している。具体的には、傾斜パネル1967は、柔軟シート1000の中心に近い位置を始端とし、ドーム1068で終端している。ドーム1068は、上面1032から遠位側に延在している。凹部1069は、傾斜パネル1067およびドーム1068の下方において、底面1034に画定されている。
【0153】
パネル1051,1052,1053,1050は、上面1032から近位端1035に向かって直角に延在し、器具洗浄チャンバ1050を画定している。パネル1053,1052は、パネル1054からパネル1051に向かって下方に傾斜している。U字状ポート1056は、パネル1051に画定されている。
【0154】
灌注通路1066は、底面934に向かって開くように、パネル1030に画定されている。灌注通路1066は、傾斜パネル1048の端1069から傾斜パネル1067に沿って延在し、ドーム1068の外周を迂回し、傾斜パネル1067に沿って延在し、端1070で終端している。
【0155】
一組の互いに平行の灌注チューブ1065は、底面1034に開くように、パネル1030に画定されている。灌注チューブ1065は、傾斜パネル1064の幅に沿って延在しており、器具洗浄チャンバ1050で終端している。他の灌注チューブ1072は、底面1034に開くように、パネル1030に画定されている。灌注チューブ1072は、灌注チューブ1065と灌注通路1076との間に延在している。灌注チューブ1065,1066,1072は、互いに流体連通している。
【0156】
吸引チューブ1076は、底面1034に向かって開くように、パネル1030に画定されている。吸引チューブ1076は、傾斜区域1044,1046間に延在している。吸引チューブ1078は、底面1034に開くように、パネル1030に画定されている。吸引チューブ1078は、接合部1082と器具洗浄チャンバ1050との間に延在している。吸引チューブ1080は、底面1034に開くように、パネル1030に画定されている。吸引チューブ1080は、吸引チューブ1076と接合部1082との間に延在している。器具洗浄チャンバ1050、吸引チューブ1076,1078,1080は、互いに流体連通している。吸引チューブ1081は、吸引チューブ1076と接合部1083との間に延在している。吸引チューブ1076,1081は、互いに流体連通している。
【0157】
略正方形のストッパー1086は、近位端1035の器具洗浄チャンバ1050に隣接する位置において、上面1032から直角に延在している。凹部1088は、ストッパー1086の下方において、底面1034に画定されている。キャップ1090は、柔軟アーム1092に接続されている。アーム1092は、傾斜パネル1064に隣接する位置において、近位端1035に接続されている。
【0158】
上側ハウジング824および下側ハウジング826は、それらの間のゴムシート1000と嵌合され、カセット800のハウジング822を形成している。ハウジング824,826は、2つのハウジング区域を一緒に圧入またはスナップ嵌合することによって、互いに保持されている。一実施形態では、ハウジング824,826は、接着剤によって互いに保持されている。嵌合位置において、ゴムシート1000は、上側ハウジング824と下側ハウジング825との間に挟まれている。上側ハウジング824と下側ハウジング826との間の圧縮力によって、ゴムシート1000と下側ハウジング826との間に流体経路シールが形成されている。
【0159】
図31および
図32を参照すると、組織トラップ1198が示されている。組織トラップ1198は、組織フィルター1200が着座された試料容器1400を備えている。組織トラップ1200は、略円筒状である。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。組織フィルター1200は、どのような適切な材料、例えば、低デュロメータ硬度プラスチックまたは熱可塑性エラストマーから形成されていてもよい。組織フィルター1200は、内容物がユーザーによって観察されるように、透明材料から形成されているとよい。
【0160】
組織フィルター1200は、上パネル1202によって画定されている。上パネル1202は、底面1203および上面1204を有している。孔1250は、凹部1252によって取り囲まれるように、上パネル1202に画定されている。開口1254は、上パネル1202に画定されている。略環状の側パネル1206は、上パネル1202の周縁および底面1203から離れる方に直角に延在している。平坦な部分1256は、環状の側パネル1206の互いに反対を向く側に配置されている。柔軟なプロングまたはタング1258は、各平坦な部分1256から外方に延在しており、間隙1260だけ各平坦な部分から離間している。
【0161】
1対の並置された細長の中空チューブ1210,1216は、底面1203から遠位方向に延在している。チューブ1210は、近位端1211および遠位端1212を有している。チューブ1216は、近位端1217および遠位端1218を有している。近位端1211,1217は、底面1203に接続されている。一実施形態では、チューブ1210,1216は、保存溶液389(
図22D)、例えば、ホルマリンまたは他の適切な保存溶液を含むことができる。他の実施形態では、保存溶液は、省略されている。保存溶液389は、チューブ1210,1216内において、箔またはプラスチックシール1236によって密封されている。
【0162】
他の細長チューブ1222は、底面1203から遠位方向に延在している。チューブ1222は、近位端1224および遠位端1226を有している。近位端1224は、底面1203に接続されている。底パネル1227は、チューブ1222の遠位端1126に配置されている。近位端1224と遠位端1226との間に延在する細長の開口1228は、チューブ1222に画定されている。チューブ1222は、空洞1230を有している。空洞1230は、開口1254と連続しているかまたは同じ拡がりを有している。スクリーン1234は、遠位端1226の近くにおいて、チューブ1222の直径を横切って延在している。スクリーン1234によって捕捉された組織サンプル398は、
図31に示されている。
【0163】
細長のダクト1240は、底面1203から遠位方向に延在している。ダクト1240は、近位端1242(図示せず)および遠位端1244を有している。近位端1242は、底面1203に接続されている。遠位端1244は、チューブ1210,1216の端をいくらか超えて延在している。遠位端1244と孔1250との間に延在する孔1246は、ダクト1240に画定されている。
【0164】
試料容器または試料瓶1400は、丸められたコーナを有する略正方形である。試料容器1400は、外パネル1402および底パネル1404を有している。2つの互いに離間した平坦な把持区域1406は、試料容器1400の外パネル1402の互いに反対を向く側に配置されている。区画1408は、試料容器1400内に画定されている。試料容器1400は、上端1410および底端1412を有している。試料容器1400は、区画1408の内容物がユーザーによって観察されるように、透明材料から形成されている。
【0165】
環状フランジ1416は、上端1410においてパネル1402から周方向外方に延在している。フランジ1416は、内面1418および外面1420を有している。環状ネジ部1422は、外面1420に画定されている。2つの互いに向き合った区域1424は、内面1418に配置されている。段1426は、内面1418の全周にわたって、内面1418から延在している。段1426は、フランジ1416からパネル1402に向かって下方に傾斜している。
【0166】
リム1430は、底パネル1404から周方向下方に延在している。リム1430は、外パネル1402から内方に傾斜する勾配付きまたは角度付き縁1432を有している。ボス1436は、リム1430の一方の側面に隣接する位置において、底パネル1404から遠位側に延在している。尖った先端1437は、底パネル1404から上方に区画1408内に延在している。窓1438は、外パネル1402に配置されている。窓1438によって、ユーザーは、区画1408の内容物を観察することができる。
【0167】
円形キャップ1450は、上パネル1452および環状側パネル1454を有している。側パネル1454は、上パネル1452から下方に直角に延在している。ユーザーがキャップをより掴みやすくするために、刻み付きリブ1456は、側パネル1454の外面に配置されている。リム1458は、上パネル1452から上方に直角に延在している。環状ネジ部1460は、側パネル1454の内面に画定されている。環状フランジ1462は、側パネル1454からいくらか平行に離間した位置において、下上パネル1452から離れる方に直角に延在している。1対の互いに向き合ったノッチ1464は、フランジ1462に画定されている。長孔1466は、フランジ1462と側パネル1454との間に画定されている。
【0168】
キャップ1450は、該キャップ1450を試料容器1400に対して回転させ、ネジ部1422,1460を嵌合させることによって、試料容器1400の上端1410に取り付けられようになっている。また、キャップ1450は、試料容器1400の底端1412に取付けられてもよい。この場合、ユーザーが、リム1458をリム1430に隣接して配置し、リム1430に押し付けることになる。勾配付き縁1432がリム1458をリム1430と摩擦接触させるように案内し、これによって、キャップ1450を試料容器1400の底に保持することができる。
【0169】
識別デバイス376は、外パネル1402に取り付けられている。識別デバイス376は、前述した識別デバイスと同じ構造を有しており、同じ機能を果たすようになっている。
【0170】
組織サンプル398は、多種多様の組織試料とすることができる。例えば、組織サンプル398は、体内位置からの生検サンプルであってもよいし、または結腸からのポリープであってもよい。組織フィルター1200は、プロングまたはタング1258が段1426の上の平坦な区域1424と係合するまで、区画1408内に摺動することになる。この時点で、段1426が、区画1408内への組織フィルター1200のさらなる挿入に対して抵抗力をもたらすことになる。
【0171】
組織トラップ1198は、カセット800に取外し可能に連結されるようになっている。トラップ1190は、組織フィルター1200および試料容器1400を空洞985内に水平に押し込み、フランジ1416およびネジ部1422をL字状レール982内に摺動させ、リップ984にて保持させることにより、挿入される。トラップ1198は、カセット800の下方に垂れ下がることになる。トラップ1198は、組織フィルター1200および試料容器1400をカセット800から離れる方に水平に引っ張ることによって、カセット800から取り外される。多数の組織トラップ1200を用いて、多数の組織サンプルを収集することができる。
【0172】
ユーザーは、キャップ1450を組織フィルター1200の上に配置する。キャップ1450を試料容器1400に対して回転させると、キャップの上パネル1452の上面が組織フィルター1200の上パネル1204に接触する。ネジ部1422,1460によって、キャップ1450の回転が組織フィルター1200を下方に区画1408内に移動させる。段1426によって、プロングまたはタング1258が内方に撓み、パネル1206の底縁が段1426に当接するまで、試料容器パネル1406に沿って摺動する。組織フィルター1200が下方に区画1408内に移動すると、底パネル1404に取り付けられた尖った先端1437は、箔またはプラスチックシール1236を突き刺し、保存溶液389(
図17)を放出させ、組織サンプル398を覆うことになる。
【0173】
図33および
図34を参照すると、水瓶1500が示されている。水瓶1500は、略矩形状を有するものとして示されている。他の形状、例えば、丸形状または楕円形状が用いられてもよい。水瓶1500は、6つの外部パネル、すなわち、互いに平行に離間して略垂直方向に配向されたパネル1502,1504と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向されたパネル1506,1508と、略水平方向に配向された底パネル1510と、によって画定されている。上パネル1511は、側パネル1502,1504,1506,1508から上方に傾斜している。側パネル1502,1504,1506,1508は、底パネル1510と直交している。水瓶1500は、上端1514および底端1512を有している。
【0174】
パネル1502,1504,1506,1508,1510,1511は、水瓶1500内にリザーバー1520を画定している。水瓶1500は、どのような適切な材料、例えば、ブロー成形プラスチックから形成されていてもよい。一実施形態では、水瓶1500は、リザーバー1520の内容物またはレベルがユーザーによって観察されるように、透明材料から形成されている。
【0175】
水瓶1500は、上壁1511から離れる方に延在するネック1524を有している。環状フランジ1526は、ネック1524を取り囲んでいる。ネジ部1528は、上端1514において、ネック1524の外面に画定されている。開口1530は、リザーバー1520へのアクセスを可能にしている。細長のチューブ1540は、端1542,1544を有している。円形キャップ1560は、ネジ部1562、一端における環状フランジ1564、および小径ネック1566を有している。孔1570,1572は、フランジ1564に画定されている。
【0176】
水瓶1500は、灌注流体によって充填されている、水瓶1500は、チューブ端1542をキャップ1560の孔1570に通し、チューブ端1544を開口1530を通して瓶1500内に配置することによって、組み込まれることになる。孔1572によって、瓶1500の内側の空圧と瓶1500の外側の空圧とが均等になり、これによって、真空が瓶1500の内側に生じないことになる。
【0177】
水瓶1500は、レセプタクル702に取外し可能に連結されるようになっている。水瓶1500は、ユーザーが手動によって水瓶1500を、アーム740が撓んでネック1566を掴むように、長孔742内に水平に摺動させることによって、挿入される。水瓶1500は、フランジ1564によって支持されたカセット800の下方に垂れ下がることになる。フィンガー部744が、水瓶1500を長孔742から脱落しないように保持する。水瓶1500は、ユーザーが手動によって水瓶1500をカセット800から離れる方に水平方向に引っ張り、これによって、アーム740を撓ませ、ネック1566をフィンガー部744を超えて摺動させることによって、カセット800から取り外されることになる。
【0178】
[C.操作]
図1A〜
図1C、
図15B、および
図23〜
図34を参照すると、可動ユニット30(
図1A)は、ユーザーがカセット800を(外科部位から引き込まれる廃棄物が収集されることになる)キャニスタ38に関連するマニホールドアセンブリ700の相補的なレセプタクル702内に挿入することによって、使用の準備が整うことになる。このステップは、カセット800のテーパ区域837をレセプタクル702の溝724と一直線に並べ、カセット800を通路または空洞716内に摺動させることによって、行われる。後パネル830がレセプタクル702の後パネル709に接触するまで、側面832,834が溝724に沿って摺動する。この位置において、取付具944は、吸引導管59に着座し、吸引導管59と流体連通することになる(
図15B)。柔軟タブ838のリブ842が、上パネル705の前縁749の下方に撓む。柔軟タブ842は、カセット800を空洞または通路716内に保持することになる。
【0179】
蠕動ポンプローラ74が、灌注通路1076と接触するように、開口720を通って取り付けられる。灌注通路1076が、蠕動ポンプローラ74と凹み966との間で圧搾され、その結果、ローラ74の回転によって、灌注流体が灌注通路1076を通って送り出されることになる。ローラ74およびポンプモータ71は、上パネル705と直交するように画定された垂直軸からある角度だけずれて取り付けられており、これによって、ローラ74は、ドーム898と接触することなく、自在に回転することができる。
【0180】
RFID読取機194は、RFIDタグのような識別デバイス376を認識し、カセット800は、レセプタクル702内に着座したときに可動ユニット30の作動を可能にする信号をコントローラ192に送信する。
【0181】
水瓶1500は、アーム740が撓んでネック1566を掴むように、水平方向に長孔742内に挿入されることによって、レセプタクル702に取り付けられる。水瓶1500は、フランジ1564によって支持されたカセット800の下方に垂れ下がる。フィンガー部744によって、水瓶1500は、長孔742から脱落しないように保持されることになる。この位置において、環状フランジ孔1570は、孔970に対して押圧され、灌注通路1066と流体連通している。
【0182】
組織フィルター1200および試料容器1400は、組織フィルター1200および試料容器1400を空洞985内に水平に挿入し、フランジ1416およびネジ部1422をL字状レール982内に摺動させ、リップ984によって保持させることによって、カセット800に取り付けられる。組織フィルター1200および試料容器1400は、カセット800の下方に垂れ下がることになる。
【0183】
可動ユニット30は、吸引ライン50を取付具949に取り付けると共に灌注ライン51を取付具954に取り付けることによって、結腸鏡のような付与装置52をユニットに連結することによって、使用の準備が完了することになる。キャップ1090は、最初、第2の吸引取付具958を覆って配置されており、これによって、第2の吸引取付具958を密封している。
【0184】
可動ユニット30は、吸引ポンプ58および蠕動ポンプ70を作動させることによって、作動される。オペレータは、制御パネル196を用いて、操作モードを選択することになる。オペレータがバイパスモードを選択すると、ピンチ弁アクチュエータ80によって、ピンチ弁884,878が閉じられ、ピンチ弁872が開けられる。吸引ポンプ58の作動によって、廃棄物流れは、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50を通って、取付具949に導かれる。この廃棄物流れは、吸引付与装置52が作用する液状廃棄物および固形廃棄物および付与装置に隣接する空気を含んでいる。取付具949から、廃棄物流れは、凹み976、吸引チューブ1076、および取付具944を通って、導管59内に導かれる。導管59から、廃棄物流れは、関連するキャニスタ36または38内に導かれる。この操作モードは、吸引流体連通経路184が組織フィルター1200をバイパスするので、バイパスモードと呼ばれている。
【0185】
キャニスタ36または38に入る廃棄物流れの液状成分および固形成分は、流れから沈降し、キャニスタ36,38内に保持され、最終的に廃棄されることになる。
【0186】
蠕動ポンプ70の作動によって、灌注流体は、水瓶1500から灌注流体連通経路182に沿って、チューブ1540、孔970、凹み966、灌注通路1076、取付具954、および灌注ライン51を通って、付与装置52に送り込まれ、外科部位に供給されることになる。
【0187】
ユーザーは、カセット800を用いて、ポリープのような組織サンプルを収集するように選択することができる。カセット800は、アクチュエータ80によっていくつかのピンチ弁を移動させることによって、操作モードに選択される。オペレータは、制御パネル196を用いて、操作モードを選択するようになっている。オペレータが組織収集モードを選択すると、ピンチ弁872,890は閉じられ、ピンチ弁884,878が開けられる。
【0188】
可動ユニット30は、吸引ポンプ58および蠕動ポンプ70を再作動することによって、再作動されることになる。システムがこの操作モードにあるとき、廃棄物流れは、混入している組織サンプルと共に、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50を通って、取付具949内に導かれる。この廃棄物流れは、付与装置398が作用する液状および固形廃棄物および組織サンプル398と共に付与装置52に隣接する空気を含んでいる。
【0189】
取付具949から、廃棄物流れは、凹み976および吸引チューブ1076、凹み980および吸引チューブ1080、孔974、空洞1230、スクリーン1234、孔1246、孔1250、孔975を通って、凹み981および吸引チューブ1081、凹み976および吸引チューブ1976内に送られ、取付具944を通って、導管59に導かれる。導管59から、廃棄物流れは、関連するキャニスタ36または38内に導かれる。組織サンプル398は、組織フィルター1200内のスクリーン1234によって捕捉されることになる。この操作モードは、吸引流体連通経路184が組織フィルター1200を通っているので、組織収集モードと呼ばれている。組織収集モードによってサンプルを収集するために、吸引ライン50を遮断または再接続する必要がないことに留意されたい。
【0190】
ユーザーは、カセット800および組織トラップ1198を用いて、器具によって摘出された組織サンプルを収集するように選択することができる。カセット800は、アクチュエータ80によって選択されたピンチ弁を移動させることによって、摘出組織捕捉モードに配置される。オペレータは、制御パネル196を用いて、カセットをこのモードに配置することになる。摘出組織捕捉モードでは、ピンチ弁872,878が閉じられ、ピンチ弁884,890が開けられる。キャップ1090が、取付具958から取り外されることになる。
【0191】
システムが摘出組織捕捉モードにあるとき、廃棄物流れは、吸引流体連通経路184に沿って、取付具958から器具洗浄チャンバ1050内に引き込まれる。ユーザーは、器具(図示せず)によって保持された組織サンプル398を取付具958を通して器具洗浄チャンバ1050内に送るとよい。透明傾斜面844を通して、器具洗浄チャンバ1050内の組織サンプルを観察することができる。
【0192】
オペレータは、制御パネル196を用いて、灌注流体の供給を調整することができる。アクチュエータ80の1つによってピンチ弁866を開けると、灌注流体が器具洗浄チャンバ1050に供給される。加圧された灌注流体は、灌注通路1076から灌注チューブ1072,1065を通って器具洗浄チャンバ1050内に導かれ、これによって、器具洗浄チャンバ1050内に置かれた組織サンプルを洗浄することができる。
【0193】
取付具949から、組織サンプルおよび廃棄物流れは、凹み978および吸引チューブ1078、孔974、空洞1230、スクリーン1234、孔1246、孔1250、孔975を通って、凹み981および吸引チューブ1081、凹み976および吸引チューブ1076、および取付具944を通って、導管59内に導かれる。導管59から、廃棄物流れは、関連するキャニスタ36または38内に導かれる。組織サンプル398は、組織フィルター1200内のスクリーン1234によって捕捉される。この操作モードは、吸引流体連通経路184が器具洗浄チャンバ1050および組織フィルター1200を通っているので、ピンセットサンプル収集モードと呼ばれている。
【0194】
組織トラップ1198を取り外すために、オペレータは、最初、制御パネル196を用いて、可動ユニット30の操作モードをバイパスモードに戻す。これによって、吸引連通経路を組織トラップ1198から外すことができる。組織フィルター1200および試料容器1400は、組織フィルター1200および試料容器1400をカセット800から離れる方に水平に引っ張り、試料容器1400をレール982に沿って外に摺動させることによって、カセット800から取り外される。他の組織サンプルを収集するために、他の組織フィルター1200および試料容器1400をレール982に沿って空洞985内に水平方向に押し込むことによって、他の組織フィルター1200および試料容器1400が挿入されてもよい。組織トラップ1198は、単一ユニットとしてカセット800に挿入され、かつカセット800から取り外されるようになっている。
【0195】
1つの組織トラップ1198をカセット800から取り外し、新しいトラップ11982を取り付けるこのプロセ中に、吸引ポンプ58を遮断する必要がない。換言すれば、吸引付与装置に付与される吸引を妨げることなく、新しい組織トラップ1198をカセット800に取り付けることができる。
【0196】
他の組織サンプルを収集するために、オペレータは、制御パネル196を用いて、可動ユニット30の操作モードを組織サンプル収集モードに戻すことになる。
【0197】
ユーザーは、キャップ1450を組織フィルター1200の上に配置する。キャップ1450を試料容器1400に対して回転させると、キャップの上パネル1452の内面が、組織フィルター1200の上パネル1204に接触する。ネジ部1422,1460によって、キャップ1450の回転が、組織フィルター1200を下方に区画1408内に移動させることになる。壁1462によって、プロングまたはタング1258が内方に撓み、パネル1206の底縁が段1426に当接するまで、試料容器パネル1406に沿って摺動する。組織フィルター1200が下方に区画1408内に移動すると、底パネル1404に取り付けられた尖った先端1437が、箔またはプラスチックシール1236を突き刺し、保存溶液389(
図17)を放出させ、組織サンプル398を覆うことになる。
【0198】
いったん医学/外科手術が終了し、可動ユニット30の使用がもはや必要でなくなったなら、吸引ライン50および灌注ライン51は、それぞれ、取付具949,958から離脱される。柔軟タブ838を手動によって押し込み、カセット800を手動によってレセプタクル702から引っ張ることによって、カセット800が取り外される。次いで、カセット800は、医学廃棄物として廃棄されることになる。
【0199】
使用後、可動ユニット30は、(図示されておらず、また本発明の一部でもない)ドッカーに連結される。キャニスタ36または38内の廃棄材料は、ドッカーを通して、処理施設に流されることになる。
【0200】
同様に、本発明の態様では、組織フィルター1200および試料容器1400を形成するプラスチックは、少なくとも部分的に透明であることを理解されたい。これは、組織サンプルが収集されたことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。さらに、カセット800は、少なくとも部分的に透明な材料から形成されている。これは、カセットがこれまでに用いられておらず、収集された廃棄物を含んでいないことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。
【0201】
本発明は、吸引流体連通経路が組織サンプル容器の内側または外側を通るように選択的に変更されることを可能にするものである。
【0202】
[V.第4の実施形態]
[A.レセプタクル]
図35〜
図42は、
図1Aの収集システムの一部である代替的なマニホールドレセプタクル1699と共に用いられる代替的なカセット1700を示している。マニホールド受器と呼ばれることもあるマニホールドレセプタクル1699は、参照することによってここに含まれることになる米国特許第7,615,037号に詳細に開示されている。
【0203】
図35および
図36を特に参照すると、マニホールドレセプタクル1699は、3つの主静止部品を備えている。ハウジング1602は、カセット1700の近位端を受け入れている。受器アダプター1604は、マニホールドレセプタクルのハウジング1602を関連するキャニスタキャップ40(
図1A)に保持している。また、アダプター1604は、マニホールドハウジング1602から関連するキャニスタ36への流路として機能する導管59も備えている。ロックリング1606は、マニホールドハウジング1602の遠位端(前端)に取り付けられている。ロックリング1066には、カセット1700がレセプタクル1699内に装着されたときに、カセット1700が適切に位置合わせされることを確実にする幾何学的特徴部が形成されている。
【0204】
ハウジング1602は、ハウジング1602を貫通する同軸通路または孔1610,1612を画定するように、形成されている。バネ付勢ドア1634は、ハウジング1602の遠位端に取り付けられている。ドア1634は、カセット1700の挿入によって選択的に開き、カセット1700の取外しによって選択的に閉じることができるようになっている。
【0205】
ハウジング1602から関連するキャニスタ36への流体連通経路をもたらす導管59は、80°から90°の曲がりを有するようにエルボー状に形作られている。導管59の遠位端は、カセット1700内に延在するようになっている。
【0206】
ロックリング1606は、略リング状であり、中心に位置する貫通開口1615を有している。多数の孔1616は、リングを長手方向に貫通している。孔1616は、ロックリング1606をマニホールドアセンブリ1602に保持するために用いられる締め具を受け入れるものである。ロックリング1606は、1対の長孔1618,1620を画定するように、さらに形成されている(長孔1618は、
図35において、カセット1700の背後に位置している)。長孔1618,1620は、貫通開口1615と連続しており、開口1615からロックリング1606の近位端まで半径方向外方に延在している。長孔1618,1620は、直径方向において互いに向き合っており、互いに異なる円弧状輪郭を有している。長孔1618は、長孔1620によって画定された円弧よりも大きい円弧を画定している。
【0207】
長孔1618,1620は、いずれも、ロックリング1606の長さにわたって延在している。ロックリング1606は、その近位端に1対の溝1622を有するように、さらに形成されている。各溝は、円弧状に形作られており、ロックリングの内部に形成されている。また、各溝1622は、長孔1618,1620の1つと連続している。これらの溝1622は、略直径方向において互いに向き合っている。ロックリング1606の近位端がハウジング1602の遠位側を向いた面と当接することによって、溝1622は、以下にさらに詳細に説明するように、カセット1700と一体のタブが通過する長孔として機能することになる。
【0208】
弁ディスク1632は、通常、導管59への開口を覆っている。カセット1700が挿入されていないとき、バネ付勢ドア1634は、ウジング1602の孔1610への遠位端開口に跨っている。
【0209】
マニホールドレセプタクル1699は、弁ディスク1632がハウジング1602内の特定の回転位置にあるとき、弁ディスク1632が導管59への開口を覆うように、構成されている。弁ディスク1632は、孔1638を導管59と一直線に並べるように、回転可能になっている。
【0210】
[B.カセット]
図37〜
図39をさらに参照すると、カセット1700の主な構成部品が示されている。カセット1700は、近位シェル1750を有するハウジング1701を備えている。近位シェル1750の遠位側にキャップ1702が取り付けられている。シェル1750は、一端が開いており、キャプ1702が該開端を覆っている。シェル1750およびキャップ1702は、どのような適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。カセット1700およびハウジング1701の内部は、チャンバまたは空所1704になっている(
図38B)。
【0211】
図41A〜
図41Eを参照すると、シェル1750は、略円筒形状を有している。シェル1750は、円形の近位端または基部1752を有し、該基部1752から環状の側壁1754が上方に延在するように、形成されている。リップ1756は、側壁1754の開上端の周りを周方向に延在している。リップ1756は、半径方向外方に突出している。2つのフィンガー部1761,1762およびタブ1763は、側壁1754の頂部から遠位側(上方)に延在している。各フィンガー部1761,1762は、円弧状の断面輪郭を有している。フィンガー部1761は、比較的大きい円弧を画定している。フィンガー部1762は、比較的小さい円弧を画定している。
【0212】
開口1770は、シェル基部1752に形成されている。この開口は、弁ディスク1632と一体のボスを受け入れるように、寸法決めされている。シェルは、開口1770がシェル1750の長軸から芯ずれした軸を中心とするように、形成されている。円形リップ1772は、開口1770の周りを囲んでシェル基部1762から下方に延在している。リップ1772は、開口1770の外周を画定するシェル基部1752の環状区域から半径方向に離間している。
【0213】
滴ストッパー1774は、マニホールド開口1770内に装着されている。滴ストッパー1774は、ポリイソプレンゴムのような圧縮性エラストマー材料から形成されている。滴ストッパー1774は、1対のリップ1775を有しており、スリットまたは長孔1790がこれらのリップ1775間に位置している。長孔1790によって、導管59が滴ストッパー1774内を通ってチャンバ1704内に入ることができ、吸引流体連通経路の一部を形成している。カセット1700がレセプタクル1699から取り外されると、滴ストッパー1774によって、開口1770からのどのような材料の流出も遮られることになる。
【0214】
図40A〜
図40Eは、カセットキャップ1702の詳細を示している。キャップ1702は、ポリプロピレンまたは同様のプラスチックの単一片から形成されている。キャップ1702は、端1705,1706および円筒チューブ状のスカート1707を有している。キャップ1702は、ハウジング1701がレセプタクル1699内に配置され、かつレセプタクル内において回転することを可能にするように、寸法決めされている。スカート1707の近位端1705において、2つのタブ1708,1709は、半径方向外方に延在している。タブ1708,1709は、直径方向において互いに向き合っている。これらのタブは、互いに異なる円弧を画定している。タブ1708は、比較的大きい円弧を画定しており、このタブは、マニホールドレセプタクルのロックリング長孔1618内にスリップ嵌合するように設計されている。タブ1709は、小さい円弧を画定しており、このタブは、マニホールドレセプタクルのロックリング長孔1620内にスリップ嵌合するように設計されている。
【0215】
キャップスカート1707は、端1705において、内向きテーパが付されたリム1710を有するように、形成されている。リム1710に隣接して、スカート1707は、スカートの内部の周りに周方向に延在する外方延在段1712を有している。キャップ1702は、段1712の上のスカート1707の内径が略0.5mmだけシェルリップ1756の内径よりも小さくなるように、寸法決めされている。カセット1700が組み込まれるとき、シェル1750は、リップ1756が圧縮されて段1712上に着座するように、キャップ1702内に挿入されることになる。リップ1756の周りへのキャップスカート1707の内面の圧縮によって、キャップとスカートとの間の吸引の損失が実質的に排除されることになる。
【0216】
多数のリブは、スカート1707の内面から内方に延在して段1712の上に配置されている。2対の互いに隣接するリブ1713および他の対の互いに隣接するリブ1714が設けられている。リブ1713は、シェルフィンガー部1761がリブ1713間にすべり嵌合するのに十分な距離を隔てて、円弧に沿って互いに離間している。リブ1714は、(フィンガー部1761ではなく)タブ1763がリブ1714間にすべり嵌合するのに十分な距離を隔てて、互いに離間している。従って、シェルフィンガー部1761、タブ1763、およびリブ対1713,1714は、これらの構成要素が互いに組み合わされたとき、カセットシェル1750およびカセットキャップ1702の適切な位置合わせを促進することになる。
【0217】
半バレル1716は、スカート1707の下半分から遠位側に延在しており、矩形状ハウジングまたはボックス1718は、スカート1707の上半分から遠位側に延在している。半円面1719は、スカート1707の上端まで延在しており、他の半円面1720が、半バレル1716の上端まで延在している。面1720は、中心に位置する孔1721および面1720の底の近くに位置する取付具1734を有するように、形成されている。取付具1734は、チャンバ1704と流体連通する貫通孔1722を有している。(
図38Bに最もよく示されている)平坦壁1724は、面1719,1720間に延在している。円孔1725(
図38B)は、面1720に隣接する位置において壁1724を貫通している。
【0218】
ハウジングまたはボックス1718は、一端が閉じた孔1727を画定する矩形状スリーブ1726を画定している。スリーブ126の基部は、壁1724によって画定されている。開口1729は、端キャップ1706の面に形成されており、孔を画定するスリーブ1726は、この端キャップから内方に延在している。入口取付具1734は、ハウジング1718の頂部から延在している。取付具1738の孔1728は、孔1727と流体連通している。具体的には、孔1728は、スリーブ1726の(壁1724の表面と反対側の)内面
1715に開いている。半円リム1730は、ハウジング1718から半径方向外方に延在している。リム1730は、キャップ端1706の平面と共平面であり、かつ連続している。
【0219】
取付具1732,1734は、吸引ライン50を受け入れるように寸法決めされている。
【0220】
略U字状の半フランジ1736は、バレル1716の端から離れる方に延在している。ポスト1738は、ボックス1718の頂部から離れる方に直角に延在しており、リム1730および取付具1734からいくらか離間している。
【0221】
図37Aおよび
図37Bを参照すると、取外し可能なキャップ1740は、取付具1732,1734に対して設けられている。取外し可能なカバー1741が、スリーブ1726の開口1729を覆うために設けられている。カバー1741は、ユーザーによって掴まれるハンドル1742およびスリーブ1726内に装着される部分を有している。取付具キャップ1740およびカバー1741は、それぞれ、いくつかのアーム1746を有する繋ぎ紐1744によって、カセットキャップ1702に一体に取り付けられている。アーム1746は、ポスト1738に係留されている。
【0222】
カセット1700は、以下、
図38B、
図38Cおよび
図38Dを参照して説明するフラッパ弁ユニット1800を備えている。フラッパ弁ユニット1800は、圧縮性柔軟材料、例えば、ポリイソプレンまたは他のエラストマー材料の単一片から形成されている。フラッパ弁ユニット1800は、ディスク状ハブ1802を有している。ハブ1802には、中心貫通孔1804が形成されている。
【0223】
フラッパ弁ユニット1800は、カセットキャップ1702の面1720に取り付けられている。ポスト1806は、孔1804を通って、面1720の孔1721内に挿入されている。ポスト1806は、面1720に熱接合され、これによって、フラッパ弁ユニット1800をカセットキャップ1702に保持することができる。
【0224】
また、フラッパユニットハブ1802は、多数の環状リブ1810,1812を有している。1つのリブ1810は、ハブ1802の遠位側および近位側を向いた両面の各々から外方に延在している。1つのリブ1812も、ハブ1802の両面の各々から外方に延在している。リブ1810は、ハブ貫通孔1804の近くに配置されている。リブ1812は、リブ1810を取り囲んでいる。各リブ1810,1812は、内方に傾斜した断面輪郭を有している。従って、各リブ1810,1812は、ハブ面から外方に延在しており、ハブ孔1804を通る長軸の方を向くように傾斜している。
【0225】
フラッパ弁1814は、ハブ1802に旋回可能に接続され、ハブ1802から延在している。フラッパ弁1814は、それぞれ、取付具ポート1722および孔1725を覆っている。フラッパ弁ユニット1800の一体部分であるヒンジ1816は、各フラッパ弁1814をハブ1802に旋回可能に接続している。ヒンジ1816は、弁を形成する材料の一部から形成されており、隣接ハブ1802およびフラッパ弁1800よりも薄い断面厚みを有している。ポート1722を覆う弁1814は、ハブ1802と略平面であることを理解されたい。孔1725を覆う弁1814は、ハブ1802に対してある角度、ここでは、直角に傾斜している。
【0226】
各フラッパ弁1814は、略ディスク状である。各フラッパ弁1814は、関連するポート1722および孔1725の各々を覆い、かつポートを取り囲む領域に当接するように、寸法決めされている。一般的に、各フラッパ弁1814は、関連するポート1722および孔1725の内径よりも大きい略4mm大きい直径を有している。従って、1つのフラッパ弁1814は、面1720に当接し、他のフラッパ弁1814は、壁1724の底に当接することになる。フラッパ弁1814は、ポート1722および孔1725からチャンバ1704内への流体流れを可能にする一方、チャンバ1704からポート1722および孔1725への流体流れを阻止する一方向弁として作用している。
【0227】
図39A、
図39B、
図42A〜
図42E、および
図43を参照すると、組織トラップ1850の詳細が示されている。組織トラップ1850は、略矩形状である。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。組織トラップ1850は、どのような適切な材料、例えば、低デュロメータ硬度プラスチックまたは熱可塑性エラストマーから形成されていてもよい。組織トラップ1850は、ホルダー1852およびキャッチトレイ1880を備えている。ホルダー1852は、4つのパネル、すなわち、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された側ビーム1854,1856と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された前ビーム1858および後ビーム1860と、によって画定されている。側ビーム1854、1856は、ビームの中心の近くにおいて下方に湾曲した上端1857を有している。円形フランジ1862は、前ビーム1858から周方向外方に延在し、下側部分に平坦な区域または縁1863を有している。ホルダー1852は、該ホルダーを貫通する中空長孔1864を画定している。ホルダー1852およびキャッチトレイ1880は、いずれも射出成形プラスチックから形成することができる。一実施形態では、このプラスチックは、ユーザーが組織トラップ1850の内容物を観察することを可能にするために、透明であるとよい。
【0228】
円形のOリング1866は、フランジ1862の近位面と当接している。Oリング1866は、組織トラップ1850が孔1727内に挿入されたとき、フランジ1862とキャップ端1706との間にシールをもたらすものである。一実施形態では、Oリング1866が省略されてもよい。この実施形態では、シールは、フランジ1862とキャップ端1706との間に直接形成されるようになっている。
【0229】
ホルダー1852は、1対の並置されたレール1868を備えている。レール1868は、側パネル1854,1856の底内面から直角方向内方に長孔1864内に延在している。
【0230】
フィルターまたはキャッチトレイ1880は、組織トラップ1850に取外し可能に連結されている。キャッチトレイ1880は、略矩形状であり、4つの壁および底メッシュによって画定されている。キャッチトレイ1880は、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された側壁1882,1884と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された前壁1886および後壁1888と、を備えている。底メッシュまたはスクリーン1890が、壁1882〜1888の底に取り付けられている。壁1882〜1888およびスクリーン1890は、空洞1894を画定する(図番が付されていない)一端が開いたシェルを形成している。メッシュ1890は、孔を含んでおり、これによって、流体がメッシュ1890を通過することができる。リップ1892は、壁1882〜1888の頂部から周方向外方に延在している。
【0231】
フィルターまたはキャッチトレイ1880は、ホルダー1852内に挿入可能になっていると共に、ホルダー1852から取外し可能になっている。フィルターまたはキャッチトレイ1880は、キャッチトレイ1880を長孔1864内に挿入し、壁1882〜1888の底がレール1868に当接してリップ1892が壁1882〜1888の頂部に位置するまで、キャッチトレイ1880を押し込むことによって、ホルダー1852内に配置される。フィルターまたはキャッチトレイ1880は、キャッチトレイ1880を長孔1864から持ち上げることによって、ホルダー1852から取り外される。
【0232】
識別デバイス1896は、組織トラップ1850の後パネル1860に取り付けられている。識別デバイス1896は、どのような適切な識別デバイス、例えば、無線識別(RFID)タグまたはデバイス、バーコード、磁石、または他のデバイスであってもよい。識別デバイス1896の存在は、レセプタクル1699内に取り付けられたセンサ1897(
図36)によって検出可能である。一実施形態では、センサ1897は、ホール効果センサとすることができる。センサ1897を用いて、カセット170内への組織トラップ1850の挿入を検出し、組織トラップ1850の内部を照明するために光源1898(
図36)を点灯させるようになっている。
【0233】
組織トラップ1900の代替的態様または実施形態は、
図44および
図45A〜
図45Eに示されている。組織トラップ1900は、単一の一体片である。組織トラップ1900は、略矩形状である。他の形状、例えば、丸形状、楕円形状、または正方形状が用いられてもよい。組織トラップ1900は、どのような適切な材料、例えば、低デュロメータ硬度プラスチックまたは熱可塑性プラスチックエラストマーから形成されていてもよい。組織トラップ1900は、4つのパネル、すなわち、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された側パネル1902,1904と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された前パネル1906および後パネル1908と、によって画定されている。円形フランジ1910は、前パネル1906から周方向外方に延在し、下側部分に平坦な区域または縁1912を有している。組織トラップ1900の実施形態では、Oリングの使用が省略されている。スクリーン1914は、パネル1902〜1908の底に取り付けられており、組織トラップ1900の底を形成している。スクリーン1914は、孔を含んでおり、これによって、流体がスクリーン1914を通過することができる。パネル1902〜1908およびスクリーン1914は、空洞1916を画定している。識別デバイス1896は、組織トラップ1900の後パネル1908に取り付けられている。
【0234】
本発明のこれらの態様では、フランジ1910は、マニホールド内において開口1727を覆うキャップとして機能するようになっている。本発明のこれらの態様では、試料を収集する必要がないとき、キャップ、すなわち、(本質的にスクリーン1914が取り付けられていない)フランジ1910は、出口開口内に着座することになる。従って、流体は、混入した組織を濾過または収集することなく、出口開口から空間1727を通って流れることになる。試料を収集することが有益な手術の時期において、組織トラップ1900が、空所内に挿入されることになる。廃棄物流れ内に混入する組織は、スクリーン1914によって捕捉されることになる。
【0235】
[C.第4の実施形態の操作]
図1A〜
図1C、
図35〜
図38、および
図43を参照すると、可動ユニット30(
図1A)は、ユーザーがカセット1700をキャニスタ36に関連する相補的なレセプタクル1699に挿入することによって、使用の準備が整うことになる。ユーザーは、キャップ1702を掴み、カセット1700をレセプタクル1699内に挿入する。これによって、シェル基部1752が、ドア1634を開き、チャンバ1610内に摺動する。シェル基部は、弁ディスク1632に向けられている。可動ユニット30を機能させるためには、弁ディスクボス1636がシェル開口1770内に着座しなければならない。ロックリング長孔1618,1620およびマニホールドタブ1708,1709は、協働して、弁ディスク1632へのカセット1700のこの位置合わせを確実なものにする。具体的には、これらの構成部品が配置されると、長孔1618内へのマニホールドタブ1708の位置決めによって、シェル開口1770が弁ディスクボス1636と一直線に並ぶように、カセット1700が回転可能に位置決めされる。カセットがこのように位置決めされた後、カセット1700をレセプタクル1699内に継続的に挿入すると、シェル基部1752が弁ディスクボス1636の周りに装着されることになる。
【0236】
次いで、カセット1700を回転させ、これによって、弁ディスクボス1636および弁ディスク1632を同じように回転させる。この回転によって、弁孔1638が導管59への遠位端開口と整合し、これによって、チャンバ1704と導管59との間に流体連通をもたらすことが可能になる。
【0237】
カセットがレセプタクル1699内に着座したとき、最初に、カセットシェルの遠位端は、弁ボス1636に着座する。さらに詳細には、このとき、ボス1636がシェル開口1770内に延出する。これによって、ボス1636と(開口1770を画定する)シェル基部1750の周囲区域との間に、滴ストッパー1774が液密バリアを形成することになる。
【0238】
2つの吸引ラインをカセット1700に取り付けることができる。もし吸引を導入させる必要があるが、流体流れから組織を収集する必要がない場合、この流れが通る吸引ラインが取付具1732に取り付けられる。これは、例えば、麻酔医によって用いられる吸引チューブが取り付けられる取付具である。組織の一部を収集することが望まれる場合に用いられる吸引ラインは、取付具1732に取り付けられる。もし吸引ラインが取付具1732または1734の1つに取り付けられていない場合、キャップが該取付具を覆って配置されたままとなることを理解されたい。従って、このキャップが、該取付具を通る吸引の不必要な損失を阻止することになる。
【0239】
吸引ポンプ58を作動させることによって、可動ユニット30が作動される。この吸引は、フラッパ弁1814の各々をそれらの開状態に撓ませるのに十分である。もし吸引ラインが取付具1732に取り付けられていたなら、流体流れは、この吸引ラインを通ってカセットチャンバ1704内に引き込まれる。チャンバ1704から、この流体流れは、導管59を通って、関連するキャニスタ内に導かれることになる。
【0240】
また、ポンプ58による吸引によって、流体流れを取付具1734に取り付けられた吸引ラインを通って引き込むこともできる。トラップ1850のフランジ1862は、ハウジング開口1729に取外し可能に装着されたキャップとして機能する。フランジ1862が適所に位置するとき、Oリング1866が、カセットの前端とトラップフランジ1862との間の外側界面における吸引の損失を防ぐことになる。この流れに混入した材料の収集に関心がない場合、フィルター1880は、トラップホルダー1852内に配置されない。流体流れは、カセットを通って濾過されることがなく、導管59を覆って外に導かれることになる。
【0241】
代替的に、カセットがこのバイパスモードで操作されるとき、トラップ1850はカセットに装着されないようになっていてもよい。この場合、カバー1741は、カセット開口1729に装着されている。カバー1741は、エラストマー材料の層を含んでいるとよい。このエラストマー層は、カセットとカバーとの間の界面における吸引の損失を防ぐシールとして機能する。
【0242】
ユーザーは、カセット1700を用いて、ポリープのような組織サンプルを収集することができる。もしカバー1741が配置されているなら、ハンドル1742を掴み、手動によってカバー1741を引っ張ることによって、カバーが取り外される。キャッチトレイ1880を備える組織トラップ1850が、スリーブ1726内に挿入される。ユーザーは、フランジ1862を掴み、近位パネル1860を開口1729を通してスリーブ1726および孔1727内に配置する。組織トラップ1850は、Oリング1866がキャップ端1706に当接するまで、スリーブ1726内に摺動する。Oリング1866は、フランジ1862とキャップ端1706との間に吸引シールをもたらす。この操作モードは、吸引流体連通経路が組織トラップ1850を通っているので、組織サンプル収集モードと呼ばれている。
【0243】
代替的に、もしカバーが配置されていないなら、フィルターのないトラップをカセットから簡単に引き出すことができる。フィルター1880をトラップホルダー1852内に着座させる。次いで、トラップをスリーブ1726内に再着座させることができる。
【0244】
フィルターを有するトラップをカセット内に挿入するこのプロセスは、吸引付与装置のヘッドにおける吸引の引込みを中断させることを理解されたい。この吸引の遮断は、施術者が収集することを意図する組織が不注意によってカセットを通して廃棄物収集キャニスタ内に引き込まれる可能性を実質的になくすように機能する。
【0245】
組織トラップ1850がスリーブ1726内に着座したとき、センサ1897が、組織トラップ1850の存在を検出し、識別デバイス1896を認識する。センサ1897は、コントローラ192と連通している(
図1B)。コントローラ192は、組織トラップ1850の内部を照明するために、光源1898を点灯させることができる。
【0246】
組織サンプル収集モードにおいて、廃棄物流れは、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50Bを通って取付具1734内に導かれる。この廃棄物流れは、付与装置を通って引き込まれる吸引の結果として、吸引付与装置52内に混入した組織サンプル398を含んでいる。取付具1734から、廃棄物流れは、ポート1728、空洞1894、底メッシュ1890、孔1725,フラッパ弁1814、チャンバ1704を通って、導管59内に導かれる。導管59から、廃棄物流れは、キャニスタ36内に導かれることになる。
【0247】
組織サンプル398は、組織トラップ1850内においてキャッチトレイ1880の底メッシュ1890によって捕捉される。この操作モードは、吸引流体連通経路184が組織トラップ1850を通っているので、組織収集モードと呼ばれている。組織収集モードにおいてサンプルを収集するために、吸引ライン50Bを遮断または再接続する必要がないことに留意されたい。
【0248】
キャップ1702および組織トラップ1850を形成しているプラスチックは、少なくとも部分的に透明であり、これによって、ユーザーは、空洞1894内の組織トラップ398を観察することができる。組織サンプル398は、組織トラップ1850内において、光源1898によって照明されるようになっている。
【0249】
組織トラップ1850は、ユーザーが手動によってフランジ1862をカセット1700の水平軸と平行の方向に引っ張ることによって、スリーブ1726から取り外されることになる。組織トラップ1850がスリーブ1726から取り外された後、組織サンプル398を含むキャッチトレイ1880が、ホルダー1852から取り外される。ユーザーは、ホルダー1852の下縁1857におけるキャッチトレイ1880のリップ1892を掴み、このリップ1892を持ち上げることによって、キャッチトレイ1880をホルダー1852から分離することができる。
【0250】
図14を付加的に参照すると、組織キャッチトレイ1880を取り外した後、ユーザーは、キャッチトレイ1880を試料容器380(
図14)内に配置する。試料容器380において、キャッチトレイ1880は、保存溶液389内に浸漬され、これによって、組織サンプル398が保存溶液389によって覆われることになる。ユーザーは、試料容器380の上にキャップ390を配置する。キャップリテーナ392は、ネジ部391,387と一直線に配置されている。キャップ390を試料容器380に対して回転させると、タブ394が破断し、キャップ390をキャップリテーナ392から分離する。従って、ユーザーは、アーム395を引っ張ることによって、キャップリテーナ392を試料容器380から取り外すことができる。試料容器380は、分析するために病理学研究所に送られる。次いで、吸引の損失を防ぐために、ドア1741がスリーブ1726の開口1729に再配置されることになる。
【0251】
組織トラップ1850を再び取外すこのプロセスは、吸引付与装置のヘッドにおける吸引の引込みを中断させることを理解されたい。これによって、施術者は、施術者が収集することを望むサンプルの全体が実際に収集されることを確実にするために、捕捉した組織を簡単に吟味する機会を得ることができる。もし施術者がこのサンプルのさらなる収集が必要であると判断したなら、施術者は、現在のフィルターをカセットに再着座させるかまたは新しいフィルターをカセットに装着することができる。
【0252】
もし手順中の後の時点において、施術者が他の組織サンプルを収集することが有益であると考えた場合、他の組織サンプルを収集するために、他のキャッチトレイ1880をホルダー1852内に挿入し、組織トラップ1850をスリーブ1726および孔1727内に再挿入することができる。多数のスクリーン1880を用いることによって、多数の組織サンプルを収集することができる。手術中に吸引ライン50Bを遮断または再接続することなく、多数の組織サンプルを収集することができる。
【0253】
いったん医学/外科手術が終了し、可動ユニット30の使用がもはや必要でなくなったなら、吸引ライン50A,50Bは、それぞれ、取付具1732,1734から取り外されるとよい。次いで、キャップ1740が、それぞれ、取付具1732,1734に再配置され、ドア1741が開口1729に再配置される。次いで、カセット1700がレセプタクル1699から取り外される。タブ1708,1709がそれぞれ長孔1618,1620と一直線に並ぶように、カセット1700を回転させる。カセット1700を回転させた結果として、弁ディスク1632が、同じように回転する。弁ディスク1632の回転によって、ディスクが再配向され、受器アダプター導管59の開端を再び覆うことになる。
【0254】
いったんカセット1700が適切に位置決めされたなら、該カセット1700は、レセプタクル1699から手動によって引き出され、これによって、ドア1634が閉じることになる。滴ストッパー1774が弁ディスクボス1632の遠位端を通過すると、滴ストッパーの(長孔1790を画定する)互いに向き合った区域が一緒になり、開口1770を再び閉じることになる。開口1770の閉鎖によって、カセット内に残っている廃棄材料の漏れを実質的になくすことができる。カセット1700およびホルダー1852は、医学廃棄物として廃棄されることになる。
【0255】
使用後に、可動ユニット30は、(図示されておらず、また本発明の一部を構成しない)ドッカーに連結される。キャニスタ36内の廃棄材料は、ドッカーを通って処理施設に流れることになる。
【0256】
同様に、本発明の態様では、カセット1700および組織トラップ1850を形成するプラスチックが少なくとも部分的に透明であることも理解されたい。これは、組織サンプルが収集されたことを確認する迅速な手段を医療従事者にもたらすことになる。加えて、これは、カセットがこれまで使用されておらず、収集した廃棄物を含んでいないことを確認する迅速な手段を医療従事者にもたらすことになる。
【0257】
カセット1700は、レセプタクル1699内に着座したときにいくらか上方に角度が付いているかまたは傾斜しているので、組織トラップ1850もいくらか上方に角度が付いている。組織トラップ1850に付着した液状廃棄物は、組織トラップ1850が取り外されるとき、スリーブ1726内に流れることによって、廃棄物が外科環境内に漏れないように防ぐことができる。
【0258】
カセット1700の角度のついた配向によって、可動ユニット30が作動中、近位シェル基部開口1770が、入口ポート1722,1728の下方に位置する、すなわち、重力方位にあることが確実になる。これによって、カセット内の廃棄物がポート1722、1728または組織トラップ1850に向かって上流に流れる可能性をなくすことができる。
【0259】
また、フラッパ弁ユニット1800によって、カセット1700から吸引ライン50A,50B内への廃棄物の漏れが阻止されることになる。個々のフラッパ弁1814は、通常、ポート1722および孔1725を覆っており、吸引ポンプ58が作動され、取付具キャップ1740が取り外されたとき、ポンプによって生じる吸引によって、フラッパ弁1814を開位置に撓ませるのに十分な圧力ヘッドが生じることになる。その結果、廃棄物流れは、カセットチャンバ1704内に導かれることになる。ポンプの作動が停止したとき、ヒンジ1816の十分な弾性力によって、フラッパ弁1814は、隣接面または壁に対して閉位置に戻ることになる。
【0260】
組織トラップ1850を用いて説明したのと同じように、組織トラップ1900を用いて組織サンプルを収集することができる。組織トラップ1900は、単一の一体品であり、別体のスクリーンを有していないので、組織サンプルが組織トラップ1900によって収集され、組織トラップ1900がスリーブ1726から取り外された後、組織トラップ1900の全体が、保存容器380内に配置されることになる。追加的な組織サンプルを収集するために、他の未使用の組織トラップ1900が、スリーブ1726内に挿入されてもよい。
【0261】
[VI.第5の実施形態]
[A.カセット]
図46〜
図48を参照すると、カセット2000の他の実施形態が示されている。カセット2000は、
図35および
図36のレセプタクル1699と関連して用いられるようになっている。カセット2000は、カセット1700といくつかの共通する構成部品および特徴を共有している。カセット2000のシェル1750および組織トラップ1850,1900は、カセット1700において前述したものと同じである。キャップ2002の内部特徴部は、キャップ1702に対して前述したものと同じである。しかし、ハウジングまたはボックス2018は、キャップ2002から取外し可能になっている。カセット2000のハウジングまたはボックス2018は、キャップ2002の残りとは別に成形されている。キャップ1702のハウジングまたはボックス1718は、単一の一体品である。
【0262】
カセット2000は、ハウジング2001を備えている。ハウジング2001は、遠位側にキャップ2002が取り付けられた近位シェル1750と、取外し可能なサンプルハウジングまたはボックス2018と、を有している。キャップ2002およびサンプルハウジング2018は、どのような適切な材料、たとえば、射出成形プラスチックから形成されていてもよい。
【0263】
キャップ2002は、キャップ1702と同一の端1705,1706およびスカートを有している。キャップ2002は、ハウジング1701がレセプタクル1699内に配置されることを可能にすると共に、レセプタクル1699内において回転することを可能にするように、寸法決めされている。スカート1707の近位端1705において、2つのタブ1708,1709が半径方向外方に突出している(タブ1708のみが
図47に示されている)。タブ1708は、マニホールドレセプタクルのロックリング長孔1618内にすべり嵌合するように、設計されている。タブ1709は、マニホールドレセプタクルのロックリング長孔1620内にすべり嵌合するように、設計されている。
【0264】
半バレル1716は、スカート1707の下半分から遠位側に延在している。半円面1719は、スカート1707の近位端1707を覆って延在しており、他の半円面1720は、バレル1716の近位端を覆って延在している。平坦な壁1724は、面1719と面1720との間に延在している。平坦な壁1724は、面1719と面1720との間に延在している。1対の互いに反対を向いて平行に離間したL字状レール2004は、壁1724から上方に直角に延在している。細長の長孔2006は、レール2004の各々の長さに沿って配置されている。円孔1725は、レール2004の中心間でかつ面1720から離間した位置において、壁1724を貫通している。
【0265】
略U字状の半フランジ1736は、面1720から遠位方向に延在している。カセット1700と一体になっている取付具1732は、ここでも、カセット2000と一体になっている。カセット170と同様に、この取付具1732は、組織を収集する必要のない流体流れをカセット2000内に引き込むことを可能にする取付具として機能するものである。
【0266】
図49A〜
図49Eを付加的に参照すると、取外し可能なハウジングまたはボックス2018は、略矩形状であり、5つの側面または壁、すなわち、互いに平行に離間して略水平方向に配向された上壁2040および底壁2042と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向された側壁2044,2046と、略垂直方向に配向された(壁2044,2046と直交する)後壁2048と、を備えている。ハウジング2018は、端2036,2038を有している。半円フランジ2050は、壁2040〜2046の端2036から半径方向外方に延在している。細長の隆起スプライン2054は、側壁2044,2046の底において、側壁2044,2046の各々の長さに沿ってそこから離れるように直角に延在している。サンプルハウジング2018がキャップ2002に取り付けられたとき、スプライン2054は、レール2004の長孔2006内に摺動し、該長孔2006と嵌合されることになる。
【0267】
孔2027を有する細長矩形状の内部スリーブ2026は、壁2040〜2046によってハウジング2018内に画定されている。スリーブ2026は、フランジ2050で終端する箇所において、開口2030が画定されている。孔2052は、底壁2042を貫通している。
【0268】
取付具1734は、上壁2040から離れて直角に延在している。取付具1734は、中空チューブの形態にある。取付具1734は、吸引ライン50Bを受け入れるように寸法決めされている(
図36)。取付具1734内を通るポート1728が画定されている。このポート1728は、孔2027と流体連通している。
【0269】
ポスト1738は、フランジ2050および取付具1734からいくらか離間した位置において、上壁2040から離れて直角に延在している。取外し可能なキャップ1740は、取付具1732,1734に対して設けられている。取外し可能なカバー1741は、スリーブ2026の開口2030を覆うために設けられている。カバー1741は、ユーザーによって掴まれるハンドル1742、およびスリーブ1726内に嵌合する部分を有している。取付けキャップ1740およびカバー1741の各々は、いくつかのアーム1746を有する繋ぎ紐1744によって、サンプルハウジング2018に一体に取り付けられている。アーム1746は、ポスト1738に係留されている。
【0270】
サンプルハウジング2018は、キャップ2002に取付け可能である。ユーザーは、ハウジング2018を掴み、スプライン2054をレール2004の長孔2006と一直線に並ぶように配向させる。ハウジング2018を面1719に向かって近位方向に移動させる。後壁2048が面1719と接触するまで、スプライン2054をレール2004に沿って摺動させる。この位置において、ハウジング2018の孔2052の軸心は、キャップ2002の孔1725の軸心と一直線に並ぶ。ポート1728,孔2027,孔2052,1725、およびチャンバ1704との間に、流体連通経路が形成されることになる。
【0271】
サンプルハウジング2018は、
図42A〜
図42Eの組織トラップまたは
図45A〜
図45Eの組織トラップ1900のいずれかと共に用いることができる。カバー1741が開口2030から取り外された後、組織トラップ1850または1900のいずれかが、孔2027内に挿入され、これによって、カセット200をレセプタクル1699と共に用いる準備が整うことになる。
【0272】
[B.第5の実施形態の操作]
図1A〜
図1C,
図36、
図38B、および
図46〜
図49を参照すると、可動ユニット30(
図1A)は、カセット1700と同様に、カセット2000を用いて操作されるようになっている。可動ユニット30は、ユーザーが、ハウジング2018が取り付けられたカセット2000をキャニスタ36に関連する相補的なレセプタクル1699内に挿入することによって、使用の準備が整うことになる。ユーザーは、キャップ2002を掴み、カセット2000をレセプタクル1699内に挿入し、これによって、シェル基部1752が、ドア1634を開け、チャンバ1610内に摺動する。次いで、シェル基部1752は、弁ディスク1732上に着座し、キャップ2002は、前述したのと同じように、レセプタクル1699内に保持される。
【0273】
吸引ポンプ58の作動によって、取付具1732,1734を通る流体流れの引き込みが生じる。取付具1734を通って引き込まれた流体流れは、ボックススリーブ2026およびボックス孔2052を通って流れる。ボックス孔2052から、流体流れは、カセット孔1725を通って流れる。実際には、カセット孔1725は、ボックス孔2052よりも大きい直径を有しており、ボックス孔2052の周囲の全体を超えて半径方向に延在している。これらの孔のこの相対的な寸法決めおよび位置決めによって、ボックス2018とカセットの隣接面との間の流体の漏れを実質的になくすことができる。
【0274】
ユーザーは、カセット2000を用いて、ポリープのような組織サンプルを収集するように選択することができる。ユーザーは、ハンドル1742を掴み、手動によってカバー1741を引っ張ることによって、カバー1741をスリーブ2026から取り外すことになる。キャッチトレイ1880を備える組織トラップ1850(
図42A〜
図42E)が、スリーブ2026内に挿入される。ユーザーは、フランジ1862を掴み、近位端1860を開口2030を通ってスリーブ2026および孔2027内に配置することができる。Oリング1866がフランジ2050に当接するまで、組織トラップ1850がスリーブ2026内に摺動する。Oリング1866は、フランジ1862とフランジ2050との間に吸引シールをもたらすことになる。この操作モードは、吸引流体連通経路が組織トラップ1850を通っているので、組織サンプル収集モードと呼ばれている。
【0275】
システムが組織サンプル収集モードにあるとき、廃棄物流れは、外科部位から吸引流体連通経路184に沿って付与装置52内に引き込まれ、吸引ライン50Bを通って、取付具1734内に導かれる。この廃棄物流れは、吸引付与装置52を通して引き込まれた吸引の結果として、付与装置内に混入した組織サンプル398を含むことができる。取付具1734から、廃棄物流れは、ポート1728、空洞1894,底メッシュ1890、孔2052、孔1725、フラッパ弁1814、チャンバ1704を通って、導管59内に導かれる。導管59から、廃棄物流れは、キャニスタ36内に流れることになる。
【0276】
組織サンプル398は、組織トラップ1850内においてキャッチトレイ1850の底メッシュ1890によって捕捉される。この操作モードは、吸引流体連通経路184が組織トラップ1850を通っているので、組織収集モードと呼ばれている。組織収集モードにおいてサンプルを収集するために、吸引ライン50Bを遮断または再接続する必要がないことに留意されたい。
【0277】
組織トラップ1850は、ユーザーが手動によってフランジ1862をカセット2000の水平軸と平行の方向に引っ張ることによって、スリーブ2026から取り外される。組織トラップ1850がスリーブ2026から取り外された後、組織サンプル398を含むキャッチトレイ1880が、ホルダー1852から取り外される。ユーザーは、ホルダー1852の下縁1857におけるキャッチトレイ1880のリップ1892を掴み、かつこのリップ1892を持ち上げることによって、キャッチトレイ1880をホルダー1852から分離させることができる。
【0278】
組織キャッチトレイ1880を取り外した後、前述したように、ユーザーは、キャッチトレイ1880を試料容器内に配置することができる。
【0279】
もし手順中の後の時点において、施術者が他の組織サンプルを収集することが有益であると考えたなら、他の組織サンプルを収集するために、他のキャッチトレイ1880をホルダー1852内に挿入し、組織トラップ1850をスリーブ2026および孔2027内に再挿入することができる。多数のスクリーン1880を用いて、多数の組織サンプルを収集することができる。手順中に吸引ライン50Bを遮断または再接続することなく、多数の組織サンプルを収集することができる。
【0280】
カセット1700を有する組織トラップ1900を用いて前述したように、カセット200を有する組織トラップ1900を用いて、組織サンプルを同じように収集することができる。
【0281】
可動ユニット30を一日のうちにいくつかの外科手術中に用いるいくつかの例では、生じた医学廃棄物の経費および量を低減させるために、多数回の手術中にカセット2000の一部を再使用すると有利であることに留意されたい。具体的には、カセット2000のキャップ2002およびシェル1750は、一日を通して再使用され、組織ハウジング2018は、可動ユニット30が用いられる新しい患者ごとに取り換えられることになる。
【0282】
サンプルハウジング2018は、キャップ2002から取外し可能である。吸引ライン50A,50Bが、それぞれ、取付具1732,1734から遮断される。キャップ1740が、それぞれ、取付具1732,1734に再配置され、ドア1741が、開口2030に再配置される。ユーザーは、ハウジング2018を掴み、ハウジング2018を引っ張り、これによって、ハウジング2018を面1719から遠位方向に移動させるとよい。スプライン2054がレール2004から分離するまで、スプライン2054がレール2004に沿って摺動する。サンプルハウジング2018は、医学的廃棄物として廃棄されることになる。次いで、前述したように、他のサンプルハウジング2018が、キャップ2002に取り付けられる。
【0283】
医学/外科手術が終了し、可動ユニット30がもはや必要ではないその日の最後に、吸引ライン50A,50Bが、それぞれ、取付具1732,1734から遮断されるとよい。キャップ1740が、それぞれ、取付具12732,1734に再配置され、ドア1741が開口2030に再配置される。次いで、カセット2000が、前述したのと同じようにレセプタクル1699から取り外される。カセット2000およびホルダー1852は、医学廃棄物として廃棄されることになる。
【0284】
使用後、可動ユニット30は、(図示されておらず、また本発明の一部をなすものではない)ドッカーに連結される。キャニスタ36内の廃棄材料は、ドッカーを通して、治療施設に流される。
【0285】
同様に、本発明の種々の態様では、ハウジング2018を備えるカセット2000および組織フィルター1850を形成するプラスチックが少なくとも部分的に透明であることを理解されたい。これは、組織サンプルが収集されたことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。加えて、これは、カセットがこれまでに用いられておらず、収集された廃棄物を含んでいないことを確認する迅速手段を医療従事者にもたらすことになる。
【0286】
同様に、カセット1700が組織を捕捉するために用いられるときと同じように、吸引流れは、トラップを設置するプロセスおよびトラップを取り外すプロセス中に中断されるようになっている。これによって、関心のある組織が収集の前にキャニスタに流れる可能性を低減させることができる。また、これによって、収集後に、濾過されない流体流れがキャニスタに導かれることが可能になる前に関心のある組織の全てを収集することを確実にする機会を施術者にもたらすことになる。
【0287】
[VII.灌注カセット]
可動ユニット30と共に用いられる灌注アセンブリ2100は、
図50〜
図54に示されている。灌注アセンブリ2100は、外科部位への灌注流体の源をもたらすものである。灌注アセンブリ2100は、灌注カセット2102および水瓶2200を備えている。
【0288】
水瓶2200は、略矩形状である。他の形状、例えば、丸形状または楕円形状が用いられてもよい。水瓶2200は、6つの外部パネル、すなわち、互いに平行に離間して略垂直方向に配向されたパネル2202,2204と、互いに平行に離間して略垂直方向に配向されたパネル2206,2208と、略水平方向に配向された底パネル2210と、によって画定されている。上パネル2211は、パネル2202,2204,2206,2208から内方に傾斜している。側パネル2202,2204,2206,2208は、底パネル2210と直交している。水瓶2200は、上端2214および底端2212を有している。
【0289】
パネル2202,2204,2206,2208,2210,2211は、水瓶2100内においてリザーバー2220を画定している。水瓶2100は、どのような適切な材料、たとえば、ブロー成形プラスチックから形成されていてもよい。一実施形態では、水瓶2100は、リザーバー2120の内容物またはレベルがユーザーによって観察されるように、透明材料から形成されている。
【0290】
水瓶2100は、上壁2211から離れる方に延在するネック2224を有している。環状フランジ2226は、ネック2224から半径方向外方に延在し、ネック2224を取り囲んでいる。ネジ部2228は、端2214に向かってネック2224の外面に画定されている。開口2230によって、リザーバー2220へのアクセスが可能になる。
【0291】
円形キャップ2260は、キャップの環状内面に画定されたネジ部2262と、キャップの環状外面に画定された凹んだ刻み部2264と、を有している。キャップ2260は、上壁2266を有している。棘付き取付具2268は、上壁2266の外面から離れる方に直角に延在している。棘付き取付具2268は、中空チューブを内部に有している。また、U字状突起2270は、上壁2266の外面から離れる方に直角に延在している。孔2272は、突起2270に画定されている。孔2274,2276は、上壁2266を貫通している。
【0292】
ダックビル弁2280は、孔2276内に着座しており、リザーバー2220に向かって壁2266の内面から離れる方に延在している。ダックビル弁2280は、ポリイソプレンゴムのような圧縮性エラストマー材料から形成されている。ダックビル弁2280は、1対のリップを有しており、スリット2282がそれらの間に形成されている。ダックビル弁2280によって、蠕動ポンプ70の操作中に、空気がリザーバー2220内に引き込まれることが可能になる。空気は、周囲環境からスリット2282を通ってリザーバー2220内に流れることができる。リザーバー2220の内容物による液圧は、ダックビル弁2280のリップを押圧し、スリット2282を閉じた状態で保持し、これによって、どのような液漏れも防ぐことができる。従って、ダックビル弁2280は、空気が水瓶2200内に流れることを可能にすると共に、液体が水瓶2200から漏れるのを防ぐ一方向弁である。
【0293】
灌注カセット2102は、水瓶2200に取外し可能に連結されている。灌注カセット2102は、略Y字状ハウジング2104およびホースまたはチューブ2300を備えている。ハウジング2104は、端2106、2108,2110を有している。孔2112,2114,2116は、ハウジング2104を通って、ハウジング2104の内部空洞2120内に延在している。内方に湾曲した壁2118は、端2108,2110間に延在している。
【0294】
ハウジング2104は、シーム2124に沿って互いにスナップ嵌合された2つの互いに分離した半体または区域2122,2150から形成されている。区域2122は、平坦な壁2123、および縁2126を有する湾曲した外周側壁2124を備えている。壁2123の上区域は、縁2128に沿って終端している。側壁2124は、壁2123と略直交している。区域2150は、平坦な壁2152、および縁2156をそれぞれ有する1対の湾曲した部分的外周外壁2154,2155を有している。壁2154は、端2106から端2112に延在している。壁2155は、端2106から端2114に延在している。壁2152の上区域は、縁2158に沿って終端している。湾曲した逆Y字状壁2118は、側壁2154,2155から離間して、空洞2120内に配置されている。湾曲した壁2118は、壁2152と略直交している。フランジ2119を保持するいくつかのU字状のチューブは、壁2152に取り付けられ、壁2152から空洞2120内に直角に延在している。
【0295】
側壁2154および壁2118は、チューブ通路2160を画定している。側壁2155および壁2118は、チューブ通路2162を画定している。枝部2164は、壁2152の縁2158から内方に直角に延在している。ボスおよび長孔2166は、壁2123の縁2128から内方に直角に延在している。枝部2164は、長孔2166内に圧入され、かつ受け入れられるように寸法決めされている。
【0296】
チューブ2300は、端2302,2303、湾曲したローラ接触区域2306、および曲げ部2308、2310,2312を備えている。チューブ2300は、どのような適切な材料、例えば、エラストマーまたはシリコーンゴムから形成されていてもよい。
【0297】
灌注カセット2102は、以下のようにして組み込まれるようになっている。最初、チューブ2300は、曲げ部2310が通路2160内に位置し、かつ曲げ部2308が通路2162内に位置するように、ハウジング区域2150内に配置される。チューブ2300は、チューブ2300がチューブ保持フランジ2119内に摺動し、該フランジ2119によって保持されるように、ハウジング区域2150に押し込まれる。端2302は、縁2128と面一になるように位置決めされる。湾曲したローラ接触区域2306は、湾曲した壁2118に隣接して接触している。端2304は、開口2116を通って側壁2155を超えて延在している。次いで、キャップ2260は、枝部2164がキャップ孔2272内に圧入されてチューブ端2302が棘付き取付具2268を覆って摺動するように、ハウジング区域2150と共に配置される。ハウジング区域2122,2150が、互いに嵌合され、ハウジング2104を形成する。ハウジング区域2122,2150は、2つのハウジング区域を互いに圧入、スナップ嵌合、または溶着によって、互いに保持されることになる。接着剤のような他の保持手段が用いられてもよい。ハウジング区域2122,2150が嵌合されたとき、枝部2164は、長孔2166内に圧入される。
【0298】
灌注アセンブリ2100は、キャップ2260および灌注カセット2102を水瓶2200にねじ込むことによって、得られる。水瓶2200は、灌注流体によって充填されている。キャップ2260の回転によって、キャップネジ部2262が瓶ネジ部2228と嵌合する。灌注流れをリザーバー2220から孔2274、取付具2268、およびチューブ2300を通ってチューブ端2304に流すための灌注流体連通経路が形成されたことになる。チューブ端2304は、灌注ライン、例えば、
図1Aの灌注ライン51に接続することができる。
【0299】
図1Aおよび
図51を特に参照すると、灌注アセンブリ2100は、可動ユニット30の一部である灌注アセンブリ受器2400によって受け入れられるようになっている。灌注アセンブリ受器2400は、可動ユニット30のキャップ42内に配置されている。キャップ42は、上面2402を有している。矩形状の長孔2410は、表面2402からキャップ42内に延在しており、底面2414を有している。矩形状の周方向段2412が、長孔2410内に延在している。座ぐり孔2420は、長孔2410の上に位置し、上面2402から長孔2410に延在しており、環状段2422を画定している。
【0300】
蠕動ポンプ70は、キャップ42に連結された回転電動モータ71を備えている。モータ71は、シャフト72によって、偏心ローラ74に接続されている。電動モータ71は、ローラ74の回転をもたらすものである。蠕動ポンプローラ74は、灌注流体をチューブ2300を通って押し出すように、壁2118に対して湾曲したチューブ区域2306を押圧するようになっている。
【0301】
灌注アセンブリ2100は、ユーザーが、手動によって、ハウジング2140が段2412上に位置すると共にキャップ2260が段2422上に位置するように、灌注アセンブリ2100を長孔2410および座ぐり孔2420内に挿入することによって、使用の準備が整うことになる。この位置において、蠕動ポンプローラ74は、湾曲したチューブ区域2306に係合し、該区域2306を壁2118に対して押圧する。チューブ端2304は、付与装置52に接続された灌注ライン51に接続されている。
【0302】
電動モータ71および蠕動ポンプ70の作動によって、灌注流体は、灌注流体連通経路182に沿って、水瓶2200のリザーバー2220から、孔2274、取付具2268、およびチューブ2300を通って、チューブ端2304、灌注ライン51、および付与装置52に導かれ、付与装置52において、外科部位に供給されることになる。
【0303】
図55および
図56を参照すると、可動ユニット30と共に用いられる灌注アセンブリ2500の代替的実施形態が、
図50〜
図54に示されている。灌注アセンブリ2500は、灌注カセット2502および水瓶2200を備えている。灌注カセット2502は、水瓶2200と平行に配置される代わりに水瓶2200に対して直角、すなわち、90°に配向されている以外、灌注カセット2102と同じ特徴を有している。
【0304】
[VIII.第6の実施形態]
図57および
図58は、本発明の代替的カセット2600を示している。カセット2600は、カセット1700の変更形態である。カセット2600は、近位シェル2602を備えている。シェル2602は、シェル1750と同様の形状および構造を有している。キャップ2610は、シェル2602の遠位端を覆って配置されている。スリーブ2640は、キャップ2610から前方に延在している。スリーブ2640には、スリーブの近位開端から内方に延在する空所2652が形成されている。スクリーンホルダー2702は、空所2652内に摺動可能に受け入れられるように形作られている。また、スクリーンホルダーは、フィルターまたはスクリーン2741を備えるキャッチトレイ2740を取外し可能に支持するように、形作られている。
【0305】
シェル2602は、シェルの外壁に沿って延在する(部番が付されていない)平行溝を有するように、形成されていることが分かるだろう。これらの溝は、本発明に関連するものではない。シェル2602は、空洞2604を画定している。流体は、出口2606から放出される前に、空洞2604を通って流れることになる。シェル空所2604内に取外し可能に装着されたフィルター2605が示されている。フィルター2605をシェル2602内に配置させる手段は、本発明の一部をなすものではない。
【0306】
以下、
図57、
図59および
図60を参照して、カセットキャプ2610について説明する。カセットキャップ2610は、単一の一体品として形成されており、円筒状スカート2612を有するように形作られている。スカート2612は、シェル2602の遠位開端の周りに延在するように、寸法決めされている。略円形の端プレート2614は、スカート2612の遠位端から内方に延在している。端プレート2614は、キャプ2610の遠位端を形成している。取付具2616は、キャップ端プレート2614から外方に延在している。取付具2616は、吸引ライン50を受け入れるように設計されている。取付具2616を通る(部番が付されていない)孔は、シェル2602およびキャップ2610によって画定されたカセット2600内の空所2604内に通じている。本発明の図示されている態様では、取付具2616は、カセット2600の中心長軸(すなわち、カセット2600が、レセプタクル1699内にあるとき、プレート2614を通るこの長軸を中心として回転されるようになっている、中心長軸)から半径方向に離間した位置から前方に延在している。
【0307】
図57、
図59および
図60に最もよく示されているように、スリーブ2640は、キャップ2610と一体的に形成されている。スリーブ2640は、キャップ端プレート2614から前方に延在している。本発明の図示されている態様では、スリーブ2640の外側本体は、矩形断面を有している。しかし、この設計特徴は、制限的なものではないことを理解されたい。楕円面プレート2642は、スリーブ2640の遠位端の周りに延在している。本発明の図示されている態様では、面プレートを通る主軸(長軸)および取付具2616を通る中心軸は、カセット2600を通る長軸を中心として直径方向において互いに向き合った側に配置されている。
【0308】
面プレート2642は、遠位側(前方)に突出する2つの楕円状ウエブ2644,2648を有するように、形成されている。1つのウエブ2644は、面プレート2642の外周の周りから前方に延在している、第2のウエブ2468は、ウエブ2646と同様、閉ループウエブであり、ウエブ2464の内方に位置している。圧縮性シール2646は、ウエブ2644,2648間に圧縮されている。
【0309】
スリーブ2640は、空所2652が面プレート2642から内方に延在するように、形成されている。スリーブ2642は、空所2652が上側チャンバ2654および下側チャンバ2656を備えるように、形成されている。上側チャンバ2654は、本質的に矩形断面を有している。上側チャンバ2654は、スリーブ2640の内面で終端している。スリーブ下側チャンバ2656は、上側チャンバ2654のすぐ下方に位置している。下側ハウジング2656は、略矩形断面を有している。下側チャンバ2656は、上側チャンバ2654と略同一長さを有しているが、上側チャンバ2654よりも断面高さおよび断面幅が小さくなっている。また、空所は、下側チャンバ2656の下方に位置する溝2658も備えている。溝2658は、下側チャンバ2656の長さにわたって延在している。溝2658は、半円断面を有している。溝2658の最も広い部分(下側チャンバ2658と直接連続する部分)は、下側チャンバの幅よりも小さくなっている。
【0310】
本発明の多くの態様では、(上側チャンバ2654の頂部を画定する)スリーブ2640の長手方向に延在する内面および(溝2758の基部を画定する)長手方向に延在する内面は、互いに平行である。製造上の理由から、これらの表面は、スリーブ面プレート2642の面と直交する面からいくらかずれしている。さらにいえば、スリーブ空所2652は、スリーブ面プレート2642に対して直角に延在していない。
【0311】
カセットキャップ2610は、取付具2664がスリーブ2640の上面から離れる方に延在するように、さらに形成されている。取付具2664は、吸引ライン50を受け入れるように形作られている。取付具を通る孔は、空所2642の上側チャンバ2654の頂部内に開いている。また、カセットキャップ2610は、開口2666が空所の遠位端に隣接して形成されるように、形作られている。開口2666は、キャップ端プレート2614を通る流体経路をもたらすことになる。開口2666は、円形状である。キャップ2610は、溝2658および遠位チャンバの隣接する近位端が開口2666に延在するように、形成されている。取付具2616および開口2666は、端プレート2614を貫通するカセット長軸を中心として互いに向き合う側に位置している。
【0312】
本発明の図示されている態様では、スリーブ2640は、一端が閉じた孔2670を有するものとして示されている。この孔は、キャップ端プレート1614から前方に延在している。孔2670は、製造の目的のために設けられており、それ以外では本発明に関連するものではない。
【0313】
円筒状ボス2678は、キャップ端プレート2614の近位側(内側)を向いた面から内方に延在している。ボス2678は、略円筒状である。基部2676は、ボス2678の一部の周りに延在しており、端プレート2614から外方に突出している。基部は、ボス2676の外径よりも大きい外径を有している。
【0314】
本発明のカセット2600が組み立てられると、
図28にのみ示されている弁アセンブリ2682が、基部2676およびボス2678を覆って着座するようになっている。弁アセンブリ2682は、弁アセンブリ1800と本質的に同じである。弁アセンブリ2682の弁は、フラッパ弁1814の1つが取付具2616の近位開端に着座するように、位置決めされている。第2のフラッパ弁は、開口2666を画定するキャップ2610の構造特徴部に着座している。弁アセンブリ2682は、基部2676に着座する(部番が付されていない)ハブを有している。ボス2678に圧入されるリング2684は、ハブ、さらにいえば、弁アセンブリの全体をキャップ端プレート2614に保持している。
【0315】
本発明の図示されている態様では、キャップ2610は、取付具2616と同軸のチューブ2688を有している。チューブ2688は、端プレート2614の内面を超えて延在している。チューブ2690が、開口2666の周りから近位側に延在している。チューブ2688,2690は、いずれもカセット2600の長軸に対して傾斜している(すなわち、直交していない)近位端を有している。フラッパ弁1814は、チューブ2688,2690のこれらの近位端開口に対して着座している。弁アセンブリ2682を形成する材料の弾性によって、弁1814は、チューブ2688,2690の近位端に対して押圧されるように付勢されることになる。
【0316】
取付具キャップ2687は、カセットキャップ2610と共に成形されるようになっている。成形されたアセンブリの一部でもある柔軟な繋ぎ紐2686は、取付具キャップ2687をカセットキャップ2610に保持するために、スカート2612の遠位端から延在している。
【0317】
図61Aおよび
図61Bを参照して、組織トラップと呼ばれることもあるスクリーンホルダー2702について説明する。スクリーンホルダー2702は、単一片ユニットとして形成されている。スクリーンホルダー2702は、面プレート2704を有するように形作られている。面プレート2704は、プレートの近位側を向いた面の外周がシール2646に対して着座するように、形作られている。プルタブ2706は、プレート2704の遠位側を向いた面(常に露出している面)から離れる方に直角に延在している。スクリーンホルダー2702は、タブ2706がプレート2704の上側部分から離れる方に延在するように、形作られている。スクリーンホルダーは、凹み2708が面プレート2704の露出した表面から内方に延在するように、さらに形作られている。凹み2708は、成形の目的のために設けられている。
【0318】
トレイホルダー2712は、面プレート2704の近位側を向いた面(常に隠れた表面)から延在している。トレイホルダー2712は、略U字状ビームの形態にあり、ビームの互いに向き合った端は、面プレート2704に隣接するビームの部分である。トレイホルダー2712は、トレイホルダーの湾曲した半円部分が多数の互いに離間したフィンガー部2714を有するように、形成されている。タブ2716は、フィンガー部2714の2つから内方に延在している。トレイホルダー2712は、小さな三角形状のリブ2718(1つのみが図示されている)がホルダーの互いに反対を向く側面から外方に延在するように、さらに形成されている。トレイホルダーは、互いに反対を向くリブ2718の最外面間の左右幅が、スリーブ2640内の上側チャンバ2654を横切る断面幅よりも略0.5mm大きくなるように、形成されている。リム2720(2つが図示されている)は、トレイホルダー2712の内方を向いた面から内方に延在している。リム2720は、トレイホルダー2712の底縁に隣接して位置している。
【0319】
2つの脚2724,2728は、トレイホルダー2720から下方に延在している。2つの脚のうち、遠位側の脚2724は、トレイホルダー2720から直接下方に延在している。
図61Bに示されていないが、脚2724は、面プレート2704から近位側に離れて位置している。2つの脚のうち、近位側の脚2728は、トレイホルダーの湾曲した近位端から下方にかつ遠位側(前方)に延在している。スキッド2726は、脚2724,2728の自由端間に延在している。脚2724,2728およびスキッド2726は、スリーブ2640内の溝2658内に着座するように、寸法決めされている。
【0320】
キャッチトレイ2740は、キャッチトレイ1880と同じように設計されている。
図57に概略的に示されている組織を捕捉するためのスクリーン27841は、キャッチトレイの基部をなしている。スクリーン2741は、スクリーン1890と本質的に同じである。一組の壁2742は、スクリーンの外周から外方に延在している。リム2744は、壁2742の上縁から外方に延在している。キャッチトレイ2740は、トレイホルダー2720の互いに向き合った側面および近位端によって画定された空洞内に着座するように、寸法決めされている。キャッチトレイ2740は、トレイがそのように着座したとき、トレイの近位端の湾曲した近位側壁2742が、トレイホルダータブ2716と当接し、フィンガー部2714の外方撓みをもたらすように、さらに寸法決めされている。トレイホルダーフィンガー部2714およびタブ2716が付勢されていない位置に戻ろうとするときにキャッチトレイ2740に対してトレイホルダーフィンガー部2714およびタブ2716によって加えられる力は、トレイをトレイホルダー2712に取外し可能に保持するように作用する。
【0321】
本発明のいくつかの態様では、カセット2600を形成する構成部品は、キャッチトレイ2740がトレイホルダー2712に装着されたとき、スキッド2726の底面からキャッチトレイリム2744の上面までの距離が、スリーブ2640内の(上側チャンバ2654の頂部および溝2658の基部を画定する)それぞれの面間の上下方向の高さよりも略0.5mm大きくなるように、構成されている。
【0322】
カセット2600は、カセット1700と同様、
図62に示されているように、カセット2600をレセプタクル1699内に挿入し、回転させることによって、使用の準備が整えられる。収集する価値のある組織サンプルを含む流体流れが通る吸引ライン50は、取付具2664に取り付けられる。収集する価値のある組織サンプルを含んでいない流体流れが通る吸引ライン50は、取付具2616に取り付けられる。本発明のこの態様では、スリーブ2640、従って、空所2652は、カセット2600の残りから前方に離間していることを理解されたい。
【0323】
スクリーンホルダー2702は、スリーブ空所2652内に着座される。スクリーンホルダーリブ2718の外面間の幅が空所2652の上側チャンバ2654を横切る幅よりもいくらか大きくなっていることによって、リブは、チャンバ2652を画定するスリーブ2640の内面を押し付けられることになる。これは、スクリーンホルダー2704をスリーブ2640に対していくらか圧縮された状態で保持するのに役立つことになる。取付具2664を通って流れる流体から試料を収集する必要がない期間中、キャッチトレイは、トレイホルダー2740内に着座されないようになっている。カセット2600がこの状態で作動されると、流体流れは、取付具2664から空所2652および開口2666を通って導かれることになる。開口2664から、流体は、フィルター2605を横切って空所2604内に導かれ、出口開口2606を通って外に出る。キャッチトレイ2740はスクリーンホルダー2704に装着されていないので、この流体流れは、スクリーン濾過されない。何故なら、この流れは、スリーブ空所2652を通らないからである。
【0324】
カセット2600の操作中、スクリーンホルダーの面プレート2704の内面は、シール2646に対して配置されていることを理解されたい。シール2646に対するプレート2704の当接によって、スリーブ2640とスクリーンホルダー2704との界面における吸引の損失が防がれることになる。
【0325】
試料を収集することが有益であるとき、スクリーンホルダー2702がスリーブ2640から取り外され、これによって、キャッチトレイ2704をホルダーに装着させることができる。このステップは、カセット2600への吸引を維持しながら行うことができる。スクリーンホルダー2702は、タブ2706を引っ張ることによって、取り外される。さらに具体的には、タブ2706の位置付けによって、該タブを引っ張ると、スクリーンホルダーの面プレート2704がスリーブ2640に装着されたシール2646に対して外方かつ下方に枢動することになる。換言すれば、この動作を行うユーザーは、面プレート2704をレバーとして用いることによって、該プレートをスリーブ2640に保持する吸引力に打ち勝つことができる。
【0326】
スクリーンホルダー2702がスリーブ2640から引き出された時点において、キャッチトレイ2740がトレイホルダー1712内に着座される。前述したように、フィンガー部2714の撓みによって、トレイホルダーフィンガー部2714およびタブ2716は、キャッチトレイをトレイホルダー2712内の空洞内に離脱可能に保持することができる。次いで、スクリーンホルダーが、スリーブ空所2652内に再挿入されることになる。
【0327】
キャッチトレイリム2744とスキッド2726との間の上下方向の高さが上側チャンバ2654の頂部と溝2658の基部との間の上下方向の高さよりも大きい本発明の態様では、トレイホルダー脚2724,2728が撓むことになる。スクリーンホルダー2702を形成する材料の弾性によって、脚2724,2728は、トレイホルダー2712を介してキャッチトレイ2740に力を加える。この力が、上側チャンバ2654を画定するスリーブ2640の内面に対してキャッチトレイリム2744を付勢することになる。流体が再びスクリーン空所2652を通って流れるとき、これは、取付具2666から流体流れの全体が本質的にキャッチトレイ2640と一体のスクリーンを横切ることを確実なものになる。従って、この流体流れ内のどのような大きいもの、理想的には、施術者が研究するために捕捉することを望む組織は、キャッチトレイ2740内に捕捉されることになる。
【0328】
カセット2600の設計によって、スリーブ2640がマニホールドレセプタクル1690の前方に位置することを理解されたい。典型的には、カセット2600または少なくともスリーブ2640は、透明な材料から形成されている。要するに、本発明のこれらの特徴によって、医療従事者は、流体流れが廃棄物収集ユニット内に導かれる前に、スリーブ空所2652を通る流れを観察することができる。これによって、医療従事者は、研究のために必要な組織がいつキャッチトレイ2740内に捕捉されたかを判断することができる。
【0329】
キャッチトレイ2740を迅速に観察する能力は、スリーブ2640がカセット2600の残り、すなわち、カセットハウジングの前方に位置するという事実によって、さらに高められることになる。スリーブのこの突き出た配置によって、従事者は、必然的に、目をスリーブおよびスリーブ内に着座したキャッチトレイに向けることになる。
【0330】
本発明のこの実施形態の代替的態様では、キャッチトレイは、スクリーンホルダーと一体である。本発明のこれらの態様では、付加的な構成部品である本質的な面プレート2704も設けられている。この面プレートは、取付具2666を通ってカセット内に放出される流れから試料を収集する必要がないとき、スリーブ2640に装着された第2のキャップとして機能する。
【0331】
[IX.代替的実施形態]
例示的な実施形態を参照して、本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされてもよく、本発明の要素および特徴が等価物に置き換えられてもよいことが理解されるだろう。例えば、一実施形態の要素および/または特徴は、他の実施形態の要素および/または特徴と組み合わされてもよいし、または置き換えられてもよいことも見込まれている。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定のシステム、装置、または構成要素を本発明の示唆に適合させるように、多くの修正がなされてもよい。本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に制限されるべきではないことが意図されている。
【0332】
例えば、本発明の全ての態様が、記載されている特徴の全てを必ずしも有していなくてもよい。本発明の種々の実施形態の特徴は、互いに組み合わされてもよい。同様に、本発明の全ての態様が、ここに記載されている高可動性の廃棄物収集ユニット、すなわち、ローバー30を必ずしも備えていなくてもよい。例えば、本発明のいくつかの態様では、廃棄物収集ユニットは、外部吸引源に接続された可動ユニットまたは静止ユニットから単純に構成されていてもよい。マニホールドレセプタクルおよび相補的なマニホールドは、この廃棄物収集ユニットに取り付けられることになる。
【0333】
例えば、本発明の全ての態様が、吸引導管として機能するのに加えて灌注流体を供給する機構を必ずしも備えていなくてもよい。同様に、本システムは、概して、医学廃棄物を収集するシステムの一部として用いられるように設計されているが、本発明の他の態様は、この機能を有していなくてもよい。従って、本発明のいくつかの態様は、比較的小さいキャニスタ、すなわち、10リットル以下の廃棄物を保持することができるキャニスタしか有していなくてもよい。本発明のこれらの態様では、廃棄物は、手術の主な対象物の副生成物(組織)としてのみ収集(回収)されるようになっている。本発明のこれらの態様では、それ故、カセットは、吸引が付与される部位に流体を送る出すことを容易にする構成部品を備えていなくてもよいことも理解されたい。
【0334】
同様に、本発明の使用は、胃腸管から組織を収集するためのシステムに制限されるものではない。本発明の他の態様では、吸引付与装置は、食道内に挿入されるように設計されてもよい。従って、吸引付与装置は、食道または胃から組織を含む材料を引き込むために用いられてもよい。本発明のさらに他の態様は、肺管内に挿入される装置と共に用いられてもよい。本発明のこれらの態様は、これらの肺管または肺から組織を選択的に回収するために用いられてもよい。
【0335】
さらに、本発明のいくつかの態様では、カセットは、それ自体のフィルターを有していてもよい。システムが組織収集モードにないとき、吸引付与装置が作用する部位から引き込まれる流体流れは、このフィルターを通って流れることになる。従って、このフィルターは、廃棄物収集ユニットの他の構成部品の操作に悪影響を与える可能性のある固形物を捕捉するように機能する。これらの固形物は、縫合糸および施術者がさらなる研究のために保存することを望んでいない組織片を含んでいる。
【0336】
本発明のこの態様では、組織トラップは、選択的にカセットフィルターの上流に位置するようにこのカセットフィルターと真っ直ぐに配置されるようになっている。組織トラップの位置決めまたは弁の作動のいずれかによって、流体流れ内に混入された組織の一部が吸引付与装置内に含まれていると施術者が気付いたとき、組織トラップが、カセットフィルターと真っ直ぐに配置されることになる。
【0337】
図35〜
図44に関して説明した本発明の態様では、スクリーン1890は、常に矩形であるとは限らない。本発明のいくつかの態様では、もしスクリーンが湾曲していたなら、単一壁は、組織が捕捉される空洞を画定するために、スクリーンの周囲に延在するようになっているとよい。同様に、本発明のこの実施形態の全ての態様において、第2の取付具1732は、必ずしも設けられていなくてもよい。さらに、キャッチトレイ1880をホルダー1852に離脱可能に保持するために、代替的な手段が設けられてもよい。これらの代替的係合機構として、磁石およびスナップ式取付具が挙げられる。キャッチトレイがホルダーから垂れ下がる本発明の態様では、トレイは、ホルダーから延在する単一ビームから垂れ下がるようになっていてもよい。
【0338】
取付具1732,1734を通る逆流を阻止する逆流阻止弁は、記載されているものと異なっていてもよい。例えば、傘弁のような一方向弁が、取付具1732,1734の各々に取り付けられていてもよい。
【0339】
同様に、本発明のいくつかの実施形態では、カセットの出口開口1770は、カセットの近位端基部の中心に位置していてもよい。同様に、本発明の全てのカセットにおいて、必ずしも、シェルが円筒状側壁を有する相補的な受器内において回転するように設計されている必要がない。本発明の代替的態様では、シェルは、多角形状を有していてもよい。
【0340】
本発明のこの態様の利点は、吸引流れが常に濾過され、材料を収集システムの下流側の構成部品に導く損傷ガ生じる可能性を阻止することである。研究のために組織の吸引を保持することが望ましいとき、満たされた廃棄物カセットフィルターから抽出する必要がなく、組織を回収することがきる。キャップ1740を取付具1732,1734に保持する繋ぎ紐は、削除されてもよい。さらに、本発明の全ての態様において、カセットは、必ずしもバイパス取付具1732を備えていなくてもよい。本発明のさらに他の態様では、本発明のカセットのいずれか1つに複数のバイパス取付具が設けられていてもよい。
【0341】
Oリング以外の構造、例えば、ガスケットが、キャップ1862との間にシールをもたらすようになっていてもよい。
【0342】
本発明の構成部品を制御するために、種々の手段が用いられてもよい。例えば、図示されていない足スイッチアセンブリが設けられてもよい。このアセンブリと一体の1つまたは複数の足スイッチを用いて、吸引ポンプまたは灌注ポンプを制御するようになっていてもよい。従って、添付の特許請求の範囲の目的は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるこのような変更形態および修正形態の全てを包含することである。