(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の流路は、前記ユニット内の上下方向に形成されている流路、前記緩衝空間の下部に設けられた下部チャンバ、前記緩衝空間、前記緩衝空間の上部に設けられた上部チャンバ、及び室内に通ずる上部チャンバ接続部を結ぶ流路であり、
前記第2の流路は、前記ユニット内の上下方向に形成されている流路と、室内に通ずる下部チャンバ接続部を結ぶ流路であり、
上部チャンバ接続部と下部チャンバ接続部は、前記ユニットの室内側の上部に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のダブルスキンユニット。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施の形態について説明する。
図1〜
図6は、実施の形態にかかるダブルスキンユニット1を示しており、
図1は、ダブルスキンユニット1の正面図、すなわち施工される建物の外側から見た図であり、
図2は、ダブルスキンユニット1の背面図、すなわち施工される建物の内側から見た図である。
図3、
図4、
図5は、各々
図2におけるA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図であり、
図6(a)は、
図4におけるD−D線断面図、
図6(b)は、
図2におけるE−E線断面図、
図6(c)は、
図2におけるF−F線断面図である。
【0016】
ダブルスキンユニット1は、矩形に開口した、ほぼ中空形状の本体フレーム2の当該開口を塞ぐアウターガラス3、インナーガラス4とを有している。外形寸法はもちろん任意に設定できるが、この例では、幅2m、高さ3mm、厚さ250mm程度であり、またアウターガラス3とインナーガラス4との間に形成される緩衝空間Sの厚さは50mm程度を想定したものである。
【0017】
ダブルスキンユニット1の本体フレーム2内の上下には、上部チャンバ20と下部チャンバ30が形成されている。上部チャンバ20の下面側には、多数の開口を有する上部開口板21が配置され、当該開口を通じて緩衝空間Sと連通している。また下部チャンバ30の上面側には、多数の開口を有する下部開口板31が配置され、当該開口を通じて緩衝空間Sと連通している。
【0018】
ダブルスキンユニット1の本体フレーム2の正面側(屋外側)の上部の一側(
図1中の左上)には、上部ガラリ41が設けられており、同じく本体フレーム2の正面側(屋外側)の下部の他側((
図1中の右下))には、下部ガラリ42が設けられている。したがって、上部ガラリ41と下部ガラリ42とは、対角線上に設けられている。
【0019】
上部ガラリ41は、本体フレーム2内において、緩衝空間Sの一側部に垂直方向に形成されている流路43と通じ、流路43は、下部チャンバ30に連通している。緩衝空間Sの一側部は、この流路43の一側面43aによって塞がれている。下部ガラリ42は、本体フレーム2内において、緩衝空間Sの他側部に垂直方向に形成されている流路44と通じている。緩衝空間Sの他側部は、この流路44の一側面44aによって塞がれている。
【0020】
図2に示すように、上部チャンバ20の背面側(室内側)には、上部チャンバ20と直接連通している上部チャンバ接続部22が設けられている。また上部チャンバ接続部22に並んで、下部チャンバ接続部32が設けられている。下部チャンバ接続部32は、流路44を経由して下部チャンバ30と連通している。
【0021】
上部ガラリ41の内側の本体フレーム2内には、防虫網、フィルタなどで構成される清浄部材41aが設けられ、この清浄部材41a、上部ガラリ41を介して、流路43と屋外とが通じている。下部ガラリ42の内側の本体フレーム2内には、防虫網、フィルタなどで構成される清浄部材42aが設けられ、この清浄部材42a、下部ガラリ42を介して、流路44と屋外とが通じている。
【0022】
また本体フレーム2の背面側(室内側)には、上部ガラリ41と対応する位置に、清浄部材41aを保守するためなどに使用される上部ガラリ点検口が開口されており、この上部ガラリ点検口には、上部ガラリ点検プレート41bがビス止めなどによって固定されている。同様に、下部ガラリ42と対応する位置に、清浄部材42aを保守するためなどに使用される下部ガラリ点検口が開口されており、この下部ガラリ点検口には、下部ガラリ点検プレート42bがビス止めなどによって固定されている。
【0023】
また本体フレーム2の背面側(室内側)には、上部チャンバ20に開口する上部チャンバ点検口が形成され、この上部チャンバ点検口には上部チャンバ点検プレート23がビス止めなどによって固定されている。同様に本体フレーム2の背面側(室内側)には、下部チャンバ30に開口する下部チャンバ点検口が形成され、この下部チャンバ点検口には下部チャンバ点検プレート33がビス止めなどによって固定されている。
【0024】
インナーガラス4の頂部の室内側であって、上部チャンバ20の下面側には、ブラインドボックス5が設けられ、ブラインドを設ける際の便宜が図られている。また前記した上部チャンバ20、下部チャンバ30、流路43、44の内面には、断熱材(図示せず)が設けられている。
【0025】
ダブルスキンユニット1は以上の構成を有しており、屋外雰囲気と室内側とは、以下の2つの空気流路が形成されている。すなわち、第1の流路は、上部ガラリ41−流路43−下部チャンバ30−下部開口板31−緩衝空間S−上部開口板21−上部チャンバ20−上部チャンバ接続部22であり、第2の流路は、下部ガラリ42−流路44−下部チャンバ接続部32である。これによって、ダブルスキンユニット1では、上部ガラリ41から下部チャンバ30を通って緩衝空間Sを経て上部チャンバ20から室内側へと通ずる第1の流路と、下部ガラリ30から緩衝空間Sを迂回して室内側へと通ずる第2の流路とを確保している。
【0026】
また実施の形態で用いたダブルスキンユニット1のサイズは、一般のカーテンウォールのサイズと大差ないため、建物構造体に特別な配慮を必要としない。またワンフロアのみ、ワンスパンのみといった部分的な設置も可能である。従来のこの種のダブルスキンは、大規模建物で複数のフロアに施工されていたことに比べると、例えば小規模建物、特定フロアのみの施工も容易となっている。
【0027】
また上部ガラリ41から下部チャンバ30を通って緩衝空間Sを経て上部チャンバ20から室内側へと通ずる第1の流路と、下部ガラリ30から緩衝空間Sを迂回して室内側へと通ずる第2の流路とを確保しているので、たとえば後述のように、第1の流路に通ずるファンを室内側に設置することで、従来のようにダブルスキン内に可動機構を設けることなく、第1の流路を経て外気を室内側に取り入れることができ、また室内側の雰囲気を第2の流路を介して屋外側に排気することができ、換気が容易である。したがって施工が簡単でコストも従来より抑えることができる。
【0028】
また前記第1の流路は、上部ガラリ41−流路43−下部チャンバ30−緩衝空間S−上部開口板31−上部チャンバ20−上部チャンバ接続部22を経て室内側に取り入れることができ、たとえば冬期においては、緩衝空間Sで昇温した空気を室内に供給することができ、日射熱の利用を有効に図ることができる。また夏期においては、緩衝空間に絶えず外気を流すことで、遮熱することができる。
【0029】
次にかかるダブルスキンユニット1を用いた第1の空調システムについて説明する。
図7は、ダブルスキンユニット1とファン51を組み合わせた空調システムとして構成されており、建物Mの室Rに対して空調を行う例を示している。
【0030】
室Rの天井部52には、給気口53、吸込口54が設けられており、ファン51からの給気は、給気口53から室R内へと供給することが可能である。また吸込口54からの空気は、三方ダンパMD1から三方ダンパMD3を経由して、そのまま下部チャンバ接続部32へ流すことが可能である。さらに上部チャンバ接続部22からの空気は、三方ダンパMD2を経由して、ファン51の下流側に導入して、ファン51から給気口53を通じて室R内に供給することが可能である。また上部チャンバ接続部22からの空気は、三方ダンパMD2、三方ダンパMD3を経由して下部チャンバ接続部32へ流すことが可能である。
【0031】
なお本実施の形態では、三方ダンパMD1〜MD3はいずれもモーターダンパを採用している。この空調システムは以上のように構成されており、次に運転例について説明する。
【0032】
[日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)]
これは、冬季や中間期の日中で、暖房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン51は停止し、また三方ダンパMD1〜MD3の動作は
図8の表中の暖Aに示したとおりである。なおここでダンパ動作の項で、三方ダンパMD1、MD2において「右側開」、「下側閉」などとあるのは、
図7に示したように、たとえば三方ダンパMD1についていえば、「右側開」とは右側に位置するダクト口の羽根がダクト口を開放して流路を開にし、「上側閉」とは上側に位置するダクト口の羽根がダクト口を閉止して流路を閉にすることをいう。また三方ダンパMD3についていえば、「左側開」とは、左側に位置するダクト口の羽根がダクト口を開放して流路を開にし、「上側閉」とは上側に位置するダクト口の羽根がダクト口を閉止して流路を閉にすることをいう。
【0033】
[日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)]
これは、冬季や中間期の日中で、暖房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン51は停止し、三方ダンパMD1〜MD3の動作は
図8の表中の暖A及び
図7に示したとおりである。この運転例では、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、室Rに対して日射および緩衝空間S内の昇温した空気によって、室内と室外とは好適な断熱状態が図られる。もちろん日射によって室R内が温められる。
【0034】
[昼間換気運転(暖房負荷:暖B)]
これは、中間期の日中で、暖房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。ファン51を作動させるともに、三方ダンパMD1〜MD3の動作は
図8の表中の暖B及び
図9に示したとおりである。
【0035】
これによって、屋外の外気は、上部ガラリ41から流路43を通じて、下部チャンバ30から緩衝空間Sへと送られ、そのまま上部チャンバ20から上部チャンバ接続部22を通じて、ファン51へと送られる。ファン51によって送風される空気は、給気口53から室Rへと給気される。また室Rの天井部52の空気は、吸込口54から三方ダンパMD1、MD3を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0036】
発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9〜18℃の場合、緩衝空間Sを経ることで、日射によって昇温して、室Rへは18〜27℃の給気を供給することができる。したがって室Rでの暖房を不要としたり、あるいは暖房負荷が軽減されるとともに、室Rの換気を行うことが可能である。
【0037】
[日射遮熱運転(冷房負荷:冷A)]
これは、中間期の日中で、冷房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン51を作動させるともに、三方ダンパMD1〜MD3の動作は
図8の表中の冷A、及び
図10に示したとおりである。
【0038】
これによって、屋外の外気は、上部ガラリ41から流路43を通じて、下部チャンバ30から緩衝空間Sへと送られ、そのまま上部チャンバ20から上部チャンバ接続部22を通じて、ファン51へと送られる。ファン51によって送風される空気は、室Rへ供給されることなく、そのままMD3を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0039】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気を緩衝空間Sに絶えず供給することによって、窓を透過した日射によって室R内が昇温することを抑えることができる。すなわち、この運転例のように、緩衝空間S内に常時新しい外気を流し続けることにより、日射熱が緩衝空間S内の空気に吸収され、室R内に伝わることを抑制できる効果がある。
【0040】
[夜間換気運転(冷房負荷:冷B)]
これは、中間期の夜間に、冷房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。ファン51を作動させるともに、三方ダンパMD1〜MD3の動作は
図8の表中の冷B、及び
図11に示したとおりである。
【0041】
これによって、屋外の外気は、下部ガラリ42から流路44を通じて、下部チャンバ接続部32を通じてファン51へと送られる。ファン51によって送風される空気は、供給口53から室Rへ供給される。そして室Rの天井部52の空気は、吸込口54から三方ダンパMD1を経て上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0042】
発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が18〜27℃の場合、これをそのまま室Rへ供給することができ、室Rでの冷房を不要としたり、あるいは冷房負荷を軽減することができ、しかも室Rの換気を行うことが可能である。またかかる運転の場合、上部ガラリ41からの排気の温度は、27〜36℃程度と考えられる。
【0043】
次にダブルスキンユニット1と外気冷房モード付きの全熱交換器61を組み合わせた第2の空調システムについて、
図12に基づいて説明する。空調対象とする室Rは、前記したダブルスキンユニット1とファン51を組み合わせた場合と同じである。
【0044】
この第2の空調システムで採用した全熱交換器61は、主として給気を担うファン62と、排気を担うファン63、直交型の熱交換部64、及び各ファン62、63の各入口側に通ずる流路を開閉するダンパMD4、MD5を有している。ダンパMD4、MD5はモーターダンパを採用している。
【0045】
この空調システムでは、前記三方ダンパMD1は、ファン63の下流側に配置され、三方ダンパMD2のファン側の流路は、熱交換部64及びファン62の入口側に通じている。また熱交換部64の他の流路は、
図12に示したように、吸込口54、ファン63の入口側に通じている。ファン62の出口側は給気口53及び三方ダンパMD3に通じている。この空調システムは以上のように構成されており、次に運転例について説明する。
【0046】
[日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)]
これは、冬季や中間期の日中で、暖房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン62、63、熱交換部64は停止し、また三方ダンパMD1〜MD3、ダンパMD4、MD5の各動作は
図13の表中の暖A、及び
図12に示したとおりである。この日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)では、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、室Rに対して日射および緩衝空間S内の昇温した空気によって、室内と室外とは好適な断熱状態が図られる。もちろん日射によって室R内が温められる。
【0047】
[昼間換気運転(暖房負荷:暖B)]
これは、中間期の日中で、暖房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。ファン62、63を作動させるとともに、熱交換部64は停止する。三方ダンパMD1〜MD3、ダンパMD4、MD5の各動作は
図13の表中の暖B、及び
図14に示したとおりである。
【0048】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を経て昇温し、その後三方ダンパMD2、ダンパMD4から、熱交換部64を迂回してファン62へと送られる。そしてファン62からの送風によって給気口53から室Rへと供給される。
【0049】
そして室Rの天井部52の空気は、吸込口54からダンパMD5、熱交換部64を迂回してファン63へと送られる。そしてファン63からの送風は、三方ダンパMD1、MD3を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0050】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9〜18℃の場合、緩衝空間Sを経ることで、日射によって昇温して、室Rへは18〜27℃の給気を供給することができる。したがって室Rでの暖房を不要としたり、あるいは暖房負荷が軽減されるとともに、室Rの換気を行うことが可能である。
【0051】
[還気熱回収運転(暖房負荷:暖C)]
これは、冬季や中間期で日中、夜間を問わず、暖房負荷が大きく、必要換気量も大きいときの運転である。ファン62、63を作動させるともに、三方ダンパMD1〜MD3、ダンパMD4、MD5の各動作は
図13の表中の暖C、及び
図15に示したとおりである。
【0052】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20へと流れる。そして緩衝空間Sにおいて日射により昇温する。その後昇温した空気は、上部チャンバ接続部22を経て、三方ダンパMD2を経て、熱交換部64を経由してさらに昇温してファン62の入口側へと送られる。そしてファン62からの送風によって給気口53から室Rへと供給される。
【0053】
一方、ファン63の作動により、Rの天井部52の空気は、還気として吸込口54から熱交換部64を経由してファン63へと送られる。この熱交換部64において、前記した上部チャンバ20からの空気と熱交換されて降温する。そして降温後の空気は、ファン63からの送風によって三方ダンパMD1、MD3を経て、下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0054】
この運転では、取り入れた外気は、緩衝空間Sで昇温した後、熱交換部64で室Rからの還気と熱交換されてさらに昇温して、室Rへと供給される。発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9℃以下の場合でも、緩衝空間Sにおいて9℃〜18℃へと昇温させることができ、さらに熱交換部64で還気と熱交換した後、室Rへは18〜27℃の給気を供給することができる。したがって、室Rでの付加的な暖房を不要としたり、あるいは暖房負荷が軽減されるとともに、室Rの換気を行うことが可能である。
【0055】
[日射遮熱運転(冷房負荷:冷A)]
これは、中間期の日中で、冷房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン62を作動させるともに、ファン62、熱交換部64は停止する。三方ダンパMD1〜MD3、ダンパMD4、MD5の各動作は
図13の表中の冷A、及び
図16に示したとおりである。
【0056】
これによって、屋外の外気は、上部ガラリ41から流路43を通じて、下部チャンバ30から緩衝空間Sへと送られ、そのまま上部チャンバ20から上部チャンバ接続部22を通じて、三方ダンパMD2を経て、熱交換部64を迂回してファン62へと送られる。ファン62によって送風される空気は、室Rへ供給されることなく、そのまま三方ダンパMD3を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0057】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気を緩衝空間Sに絶えず供給することによって、窓を透過した日射によって室R内が昇温することを抑えることができる。すなわちこの運転例のように、緩衝空間S内に常時新しい外気を流し続けることにより、日射熱が緩衝空間S内の空気に吸収され、室R内に伝わることを抑制できる効果がある。
【0058】
[夜間換気運転(冷房負荷:冷B)]
これは、中間期の夜間に、冷房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。ファン62、63を作動させるともに、熱交換部64は停止する。三方ダンパMD1〜MD3、ダンパMD4、MD5の各動作は
図13の表中の冷B、及び
図17に示したとおりである。
【0059】
これによって、屋外の外気は、下部ガラリ42から流路44を通じて、下部チャンバ接続部32を通じて三方ダンパMD2、熱交換部64を迂回して、ダンパMD4からファン62へと送られる。ファン62によって送風される空気は、供給口53から室Rへ供給される。そして室Rの天井部52の空気は、吸込口54から熱交換部64を迂回してダンパMD4を経て、ファン63へと送られる。その後三方ダンパMD1を経て上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0060】
かかる運転の場合、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が18〜27℃の場合、これをそのまま室Rへ供給することができ(外気冷房モード)、室Rでの冷房を不要としたり、あるいは冷房負荷を軽減することができ、しかも室Rの換気を行うことが可能である。またかかる運転の場合、上部ガラリ41からの排気の温度は、27〜36℃程度と考えられる。
【0061】
[還気熱回収運転(冷房負荷:冷C)]
これは、日中、夜間を問わず、冷房負荷が大きく、必要換気量も大きいときの運転である。ファン62、63を作動させるともに、三方ダンパMD1〜MD3、ダンパMD4、MD5の各動作は
図13の表中の冷C、及び
図18に示したとおりである。
【0062】
これによって、屋外の外気は、下部ガラリ42から流路44を通じて、下部チャンバ接続部32を通じて三方ダンパMD2を経て、熱交換部64で後述の還気と熱交換されて降温した後、ファン62の入口側へと送られる。そしてファン62からの送風によって給気口53から室Rへと供給される。
【0063】
一方、ファン63の作動により、Rの天井部52の空気は、還気として吸込口54から、熱交換部64を経由してファン63へと送られる。この熱交換部64において、前記した上部チャンバ20からの空気と熱交換されて昇温する。そして昇温後の空気は、ファン63からの送風によって三方ダンパMD1を経て、上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0064】
この運転では、取り入れた外気は、熱交換部64で室Rからの還気と熱交換されて降温して、室Rへと供給される。発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が27℃〜36の場合でも、熱交換部64で還気と熱交換した後、室Rへは18〜27℃の給気を供給することができる。したがって、室Rでの付加的な冷房を不要としたり、あるいは冷房負荷が軽減されるとともに、室Rの換気を行うことが可能である。
【0065】
このように全熱交換機61を室内側に設置した第2の空調システムにおいては、前記した「冷C」運転において、緩衝空間Sを介さずに直接外気を空調システムの系統に取り入れ、また排気を緩衝空間Sを経由して屋外に放出している。これによって外気を極力低温の状態で取り入れて空調システムの冷房負荷を減らすことが可能になっている。ダブルスキンを採用していない通常の建物でも同様に、外気を直接空調システムに取り入れることは行われているが、外気取り入れ口として別途ガラリやベントキャップを外壁に設ける必要がある。これに対して第2の空調システムで採用しているダブルスキンユニット1では、本体フレーム2に、上部ガラリ41、下部ガラリ42が設けられているため、そのような開口を新たに設ける必要はない。また緩衝空間Sに貯まる日射熱についていえば、従来のダブルスキンでは緩衝空間上下に開口を形成し、貯まった日射熱は自然換気で屋外に放出している。これに対して第2の空調システムでは、緩衝空間Sに貯まる日射熱は、ファン63からの送風により、いわば排気流を利用して屋外に押し出すようにしているので、従来のような自然換気にたよらずに、確実にこれを屋外に放出することができる。したがって貫流負荷の低減も従来より大きい。
【0066】
以上説明したことから、上記の第2の空調システムは、次のようにまとめられる。ここでは、第1のファンと第2のファンと熱交換部を有する全熱交換器が前記室内側に設けられる。前述の基本形態でのファンの機能は、第1のファンが担う。そして、前記第1のファンの上流側流路は、次の(1)〜(4)のいずれかに切り替え可能である。
(1)前記熱交換部を迂回して前記第1の流路と接続。
(2)前記熱交換部を経由して前記第1の流路と接続。
(3)前記熱交換部を迂回して前記第2の流路と接続。
(4)前記熱交換部を経由して前記第2の流路と接続。
また、前記第1のファンの下流側流路は、室への給気流路または前記第2の流路とに切り替え可能とされる。
一方、前記第2のファンの上流側流路は、次の(5)〜(6)のいずれかに切り替え可能である。
(5)前記熱交換部を迂回して、室から出た空気の流路と接続。
(6)前記熱交換部を経由して、室から出た空気の流路と接続。
また、前記第2のファンの下流側流路は、前記第1の流路または前記第2の流路とに切り替え可能とされる。
なお、上の説明ではいずれのファンも全熱交換器の機内に納められた構成を示したが、全熱交換部(素子)とファンをそれぞれ別にケーシングに納めた別体としてもかまわない。
【0067】
次にダブルスキンユニット1とウォールスルー型パッケージエアコン71を組み合わせた第3の空調システムについて、
図19に基づいて説明する。空調対象とする室Rは、前記した空調システムと同じである。
【0068】
この第3の空調システムで採用したウォールスルー型のパッケージエアコン71は、ファン72、73、圧縮機74、四方弁75、膨張弁76を有している。そしてこのパッケージエアコン71は、冷媒の流路に、熱交換部77、78をそれぞれ有している。熱交換部77は、ファン72から送風される空気と熱交換を行い、熱交換部78は、ファン73から送風される空気と熱交換を行う。
【0069】
上部チャンバ接続部22は、三方ダンパMD1、MD2と通じており、三方ダンパMD1、MD2は、その切り替え操作で下部チャンバ接続部32とも通ずる。三方ダンパMD1の残りの接続部は、分岐した一つが、三方ダンパMD6を介して、ウォールスルー型パッケージエアコン71のファン72の下流側と通じ、分岐した残りの一つは、三方ダンパMD7を介して、パッケージエアコン71のファン73の下流側と通じている。また三方ダンパMD2の残りの接続部は、ファン72の上流側と通じている。三方ダンパMD6の残りの接続部は、給気口53に通じている。三方ダンパMD7の残りの接続部は、給気口53に通じている。ファン73の上流側の空気流路は、吸込口54に通じている。この第3の空調システムは以上のように構成されており、次に運転例について説明する。
【0070】
[日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)]
これは、冬季や中間期の日中で、暖房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン72,73、冷媒の運転を含むパッケージエアコン71は全て停止し、三方ダンパMD1、MD2、MD6、MD7の各動作は
図20の表中の暖A、及び
図19に示したとおりである。この日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)では、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、室Rに対して日射および緩衝空間S内の昇温した空気によって、室
内と室外とは好適な断熱状態が図られる。もちろん日射によって室Rが温められる。
【0071】
[昼間換気運転(暖房負荷:暖B)]
これは、中間期の日中で、暖房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。パッケージエアコン71のファン72、73は作動させるが、冷媒の運転は停止する。三方ダンパMD1、MD2、MD6、MD7の各動作は
図20の表中の暖B、及び
図21に示したとおりである。
【0072】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を経て、三方ダンパMD2からファン72へと送られる。そしてファン72からの送風によって、給気口53から室Rへと供給される。
【0073】
そして室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン73へと送られる。そしてファン73からの送風は、三方ダンパMD7、MD1を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0074】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9〜18℃の場合、緩衝空間Sを経ることで、日射によって昇温して、室Rへは18〜27℃の給気を供給することができる。したがって室Rでの暖房を不要としたり、あるいは暖房負荷が軽減されるとともに、室Rの換気を行うことが可能である。
【0075】
[暖房運転(暖房負荷:暖C)]
これは、冬季や中間期で日中、夜間を問わず、暖房負荷が大きく、必要換気量も大きいときの運転である。パッケージエアコン71のファン72、73を作動させ、また冷媒の運転も行う。四方弁75は暖房側に切り替える。三方ダンパMD1、MD2、MD6、MD7の各動作は
図20の表中の暖C、及び
図22に示したとおりである。
【0076】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を経て、三方ダンパMD2からファン72へと送られる。したがって、上部ガラリ41から取り入れられた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を流れる過程で、日射によって昇温する。そしてパッケージエアコン71内の熱交換部77によって冷媒(熱媒)と熱交換された後降温し、三方ダンパMD6、三方ダンパMD1を経て、下部チャンパ接続部32から流路44、下部チャンパ30を経て、下部ガラリ42から外気に放出される。
【0077】
一方、室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン73へと送られる。そしてパッケージエアコン71内の熱交換部78によって冷媒(熱媒)と熱交換された後昇温し、三方ダンパMD7を経て、給気口53から室Rへと供給される。
【0078】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9℃以下の場合でも、パッケージエアコン71内の熱交換部77へは、緩衝空間S内で日射により昇温された9〜18℃の空気を送ることができ、一方、室Rからの還気が18〜27℃の場合、熱交換部78によって冷媒(熱媒)と熱交換された後、これを27〜36℃まで昇温させて給気口53から室Rへと供給することが可能である。したがってパッケージエアコン71の暖房負荷を軽減して、室Rに対する暖房運転を好適に行うことができる。
【0079】
[日射遮熱運転(冷房負荷:冷A)]
これは、中間期の日中で、冷房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。パッケージエアコン71は、ファン72のみを作動させ、ファン73は停止させ、また冷媒の運転も停止する。三方ダンパMD1、MD2、MD6、MD7の各動作は
図20の表中の冷A、及び
図23に示したとおりである。
【0080】
これによって、屋外の外気は、上部ガラリ41から流路43を通じて、下部チャンバ30から緩衝空間Sへと送られ、そのまま上部チャンバ20から上部チャンバ接続部22を通じて、三方ダンパMD2を経てファン72へと送られる。ファン72によって送風される空気は、室Rへ供給されることなく、そのまま三方ダンパMD6、MD1を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0081】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気を緩衝空間Sに絶えず供給することによって、窓を透過した日射によって緩衝空間S内が昇温することを抑えることができる。たとえブラインドを下ろしていても、緩衝空間S内の空気は昇温するため、この運転例のように、緩衝空間S内に常時新しい外気を流し続けることにより、インナーガラス4を通じて熱が室R内に伝わることを抑制できる効果がある。それによってインナーガラス4を通じて、熱が室内に伝わることを抑制できる。
【0082】
[夜間換気運転(冷房負荷:冷B)]
これは、中間期の夜間に、冷房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。パッケージエアコン71は、ファン72、73は作動させ、また冷媒の運転は停止する。三方ダンパMD1、MD2、MD6、MD7の各動作は
図20の表中の冷B、及び
図24に示したとおりである。
【0083】
これによって、屋外の外気は、下部ガラリ42から流路44を通じて、下部チャンバ接続部32を通じて三方ダンパMD2からファン72へと送られる。ファン72によって送風される空気は、三方ダンパMD6を経て、供給口53から室Rへ供給される。一方室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン73へと送られ、三方ダンパMD7、MD1を経て、上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0084】
かかる運転の場合、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が18〜27℃の場合、これをそのまま室Rへ供給することができ、室Rでの冷房を不要としたり、あるいは冷房負荷を軽減することができ、しかも室Rの換気を行うことが可能である。またかかる運転の場合、上部ガラリ41からの排気の温度は、27〜36℃程度と考えられる。
【0085】
[冷房運転(冷房負荷:冷C)]
これは日中、夜間を問わず、冷房負荷が大きく、必要換気量も大きいときの運転である。パッケージエアコン71のファン72、73を作動させ、また冷媒の運転も行う。四方弁75は冷房側に切り替える。三方ダンパMD1、MD2、MD6、MD7の各動作は
図20の表中の冷C、及び
図25に示したとおりである。
【0086】
この運転では、下部ガラリ42から取り入れた外気は、流路44、下部チャンバ接続部32を経て、三方ダンパMD2からファン72へと送られる。そしてパッケージエアコン71内の熱交換部77によって冷媒(熱媒)と熱交換された後昇温し、三方ダンパMD6、三方ダンパMD1を経て、上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0087】
一方、室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン73へと送られる。そしてパッケージエアコン71内の熱交換部78によって冷媒と熱交換された後降温し、三方ダンパMD7を経て、給気口53から室Rへと供給される。
【0088】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が27〜36℃の場合、パッケージエアコン71内の熱交換部77で熱交換された後、36〜45℃の空気として大気中に放出される。一方、室Rからの還気が18〜27℃の場合、熱交換部78によって冷媒と熱交換された後、これを9〜18℃まで降温させて給気口53から室Rへと供給することが可能である。
【0089】
そしてウォールスルー型のパッケージエアコン71を室内側に設置した第3の空調システムにおいては、前記した第2の空調システムと同様、前記した「冷C」運転において、緩衝空間Sを介さずに直接外気を空調システムの系統に取り入れ、また排気を緩衝空間Sを経由して屋外に放出しているから、外気を極力低温の状態で取り入れて空調システムの冷房負荷を減らすことが可能になっている。しかも前記した第2の空調システムと同様、第3の空調システムで採用しているダブルスキンユニット1では、本体フレーム2に、上部ガラリ41、下部ガラリ42が設けられているため、外壁等に別途開口を新たに設ける必要はない。また緩衝空間Sに貯まる日射熱についても、ファン73からの送風によって排気流を利用して屋外に押し出すようにしているので、自然換気にたよらずに、確実にこれを屋外に放出することができ、貫流負荷の低減効果も従来より大きいものである。
【0090】
以上説明したことから、上記の第3の空調システムは、次のようにまとめられる。ここでは、第2の空調システムの全熱交換器に替えて冷凍サイクル(ヒートポンプ)が設けられる。すなわち、冷媒の冷凍サイクルの流路において膨張弁の前後に設けられた第1の熱交換部と第2の熱交換部と、前記第1の熱交換部に空気を流す第1のファンと、前記第2の熱交換部に空気を流す第2のファンとを有するパッケージエアコンが前記室内側に設けられる。前述の基本形態でのファンの機能は、第1のファンが担う。そして、ダンパ等を介して以下のように機能させる。
・前記第1の熱交換部の下流側流路は、室の給気側流路、前記第1の流路または前記第2の流路と接続切り替え可能とされる。
・前記第2の熱交換部の下流側流路は、室の給気側流路、前記第1の流路または前記第2の流路と接続切り替え可能とされる。
・前記第1の熱交換部の上流側流路は、前記第1の流路または前記第2の流路と接続切り替え可能とされる。
また、前記第2の熱交換部の上流側流路は、室から出た空気の流路と接続されている。
なお、上の説明ではいずれのファンも熱交換部(例えばコイル)も1つの機内に納められた構成を示したが、熱交換部(素子)とファンをそれぞれ別にケーシングに納めた別体としてもかまわない。
【0091】
次にダブルスキンユニット1と外気冷房モード付きのウォールスルー型のパッケージエアコン81を組み合わせた第4の空調システムについて、
図26に基づいて説明する。空調対象とする室Rは、前記した空調システムと同じである。
【0092】
この第4の空調システムで採用した外気冷房モード付きのウォールスルー型のパッケージエアコン81は、ファン82、83、圧縮機84、四方弁85、膨張弁86を有している。そしてこのパッケージエアコン81は、冷媒の流路に、熱交換部87、88をそれぞれ有している。熱交換部87は、ファン82から送風される空気と熱交換を行い、熱交換部88は、ファン83から送風される空気と熱交換を行う。ファン82から送風される空気は、一部が熱交換部87の上流側で分岐して、熱交換部88をバイパスして、熱交換部88の下流側の空気流路に導入可能である。当該バイパスの流路には、ダンパMD8が設けられている。またファン83から送風される空気の一部は、熱交換部88の上流側で分岐して、熱交換部87の上流側で、ファン82から送風される空気の流路に導入可能になっている。ダンパMD8、ダンパMD9はモーターダンパを採用している。
【0093】
上部チャンバ接続部22は、三方ダンパMD1、MD2と通じており、三方ダンパMD1、MD2は、その切り替え操作で下部チャンバ接続部32とも通ずる。三方ダンパMD1の残りの接続部は、パッケージエアコン81のファン82の下流側と通じている。また三方ダンパMD2の残りの接続部は、ファン82の上流側と通じている。ファン83の下流側の空気流路は、熱交換部88を経て、給気口53に通じている。ファン83の上流側の空気流路は、吸込口54に通じている。なおパッケージエアコン81は基本的には冷房運転を想定して設計されており、ファン82、83の容量も冷房運転を想定して選定され、ファン82の風量はファン83の風量よりも大きいものである。したがって室R内が正圧となるのを防止するため、たとえば外気を導入して暖房負荷や冷房負荷に対処する場合(後述の「暖B」、「冷B」運転)、ファン82を通過した外気の一部のみを室R内に導入し、ファン83を通過する還気の一部だけを室外に捨てるようにして、外気導入量と室内空気排気量の調整が行われる。したがって、図示の都合上、
図29、
図31における系統の空気流の方向を示す矢印については、そのことに留意して理解される。
【0094】
[日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)]
これは、冬季や中間期の日中で、暖房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。ファン82、83、冷媒の運転を含むパッケージエアコン81は全て停止し、ダンパMD8、MD9は閉鎖される。三方ダンパMD1、MD2の各動作は
図26の表中の暖A、及び
図26に示したとおりである。この日射蓄熱運転(暖房負荷:暖A)では、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、ダブルスキンユニット1の緩衝空間S内の空気が、アウターガラス3を透過した日射によって温められて昇温される。これによって、室Rに対して日射および緩衝空間S内の昇温した空気によって、室内と室外とは好適な断熱状態が図られる。もちろん日射によって室R内が温められる。
【0095】
[昼間換気運転(暖房負荷:暖B)]
これは、中間期の日中で、暖房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。パッケージエアコン81のファン82、83は作動させるが、冷媒の運転は停止する。ダンパMD8、MD9は開放される。三方ダンパMD1、MD2の各動作は
図27の表中の暖B、及び
図28に示したとおりである。
【0096】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を流れる過程で昇温し、三方ダンパMD2からファン82へと送られる。そしてファン82からの送風によって、ダンパMD8を経て、給気口53から室Rへと供給される。
【0097】
一方室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン83へと送られる。そしてファン83からの送風は、ダンパMD9を経て、パッケージエアコン81を出た後、MD1を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0098】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9〜18℃の場合、緩衝空間Sを経ることで、日射によって昇温して、室Rへは18〜27℃の給気を供給することができる。したがって室Rでの暖房を不要としたり、あるいは暖房負荷が軽減されるとともに、室Rの換気を行うことが可能である。
【0099】
[暖房運転(暖房負荷:暖C)]
これは、冬季や中間期で日中、夜間を問わず、暖房負荷が大きく、必要換気量も大きいときの運転である。パッケージエアコン81のファン82、83を作動させ、また冷媒の運転も行う。四方弁85は暖房側に切り替える。ダンパMD8、MD9は閉鎖される。三方ダンパMD1、MD2の各動作は
図27の表中の暖C、及び
図29に示したとおりである。
【0100】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を経て、三方ダンパMD2からファン82へと送られる。したがって、上部ガラリ41から取り入れられた外気は、流路43、下部チャンバ30、緩衝空間S、上部チャンバ20、上部チャンバ接続部22を流れる過程で、日射によって昇温する。そしてパッケージエアコン81内の熱交換部87によって冷媒(熱媒)と熱交換された後降温し、三方ダンパMD1を経て、下部チャンパ接続部32から流路44、下部チャンパ30を経て、下部ガラリ42から外気に放出される。
【0101】
一方、室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン83へと送られる。そしてパッケージエアコン81内の熱交換部88によって冷媒(熱媒)と熱交換された後昇温し、給気口53から室Rへと供給される。
【0102】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が9℃以下の場合でも、パッケージエアコン81内の熱交換部87へは、9〜18℃の空気を送ることができ、一方、室Rからの還気が18〜27℃の場合、熱交換部88によって冷媒(熱媒)と熱交換された後、これを27〜36℃まで昇温させて給気口53から室Rへと供給することが可能である。したがってパッケージエアコン81の暖房負荷を軽減して、室Rに対する暖房運転を好適に行うことができる。
【0103】
[日射遮熱運転(冷房負荷:冷A)]
これは、中間期の日中で、冷房負荷、必要換気量も少ないときの運転である。パッケージエアコン81は、ファン82のみを作動させ、ファン83は停止させ、また冷媒の運転も停止する。ダンパMD8、MD9は開放される。三方ダンパMD1、MD2の各動作は
図27の表中の冷A、及び
図30に示したとおりである。
【0104】
これによって、屋外の外気は、上部ガラリ41から流路43を通じて、下部チャンバ30から緩衝空間Sへと送られ、そのまま上部チャンバ20から上部チャンバ接続部22を通じて、三方ダンパMD2を経てファン82へと送られる。ファン82によって送風される空気は、室Rへ供給されることなく、そのまま三方ダンパMD1を経て下部チャンバ接続部32、流路44を通じて下部ガラリ42から屋外に排気される。
【0105】
この運転では、上部ガラリ41から取り入れた外気を緩衝空間Sに絶えず供給することによって、窓を透過した日射によって緩衝空間S内が昇温することを抑えることができる。たとえブラインドを下ろしていても、緩衝空間S内の空気は昇温するため、この運転例のように、緩衝空間S内に常時新しい外気を流し続けることにより、インナーガラス4を通じて、熱が室R内に伝わることを抑制できる効果がある。それによってインナーガラス4を通じて、熱が室内に伝わることを抑制できる。
【0106】
[夜間換気運転(冷房負荷:冷B)]
これは、中間期の夜間に、冷房負荷は小さいが、換気量が多いときの運転である。パッケージエアコン81は、ファン82、83は作動させ、また冷媒の運転は停止する。ダンパMD8、MD9は開放する。三方ダンパMD1、MD2の各動作は
図27の表中の冷B、及び
図31に示したとおりである。
【0107】
これによって、屋外の外気は、下部ガラリ42から流路44を通じて、下部チャンバ接続部32を通じて三方ダンパMD2からファン82へと送られる。ファン82によって送風される空気は、ダンパMD8を経て、供給口53から室Rへ供給される。一方室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン83へと送られ、ダンパMD9を経て、バッケージエアコン81を出た後、三方ダンパMD1を経て、上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0108】
かかる運転の場合、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が18〜27℃の場合、これをそのまま室Rへ供給することができ(外気冷房モード)、室Rでの冷房を不要としたり、あるいは冷房負荷を軽減することができ、しかも室Rの換気を行うことが可能である。またかかる運転の場合、上部ガラリ41からの排気の温度は、27〜36℃程度と考えられる。
【0109】
[冷房運転(冷房負荷:冷C)]
これは日中、夜間を問わず、冷房負荷が大きく、必要換気量も大きいときの運転である。パッケージエアコン81のファン82、83を作動させ、また冷媒の運転も行う。四方弁85は冷房側に切り替える。ダンパMD8、MD9は閉鎖する。三方ダンパMD1、MD2の各動作は
図27の表中の冷C、及び
図32に示したとおりである。
【0110】
この運転では、下部ガラリ42から取り入れた外気は、流路44、下部チャンバ接続部32を経て、三方ダンパMD2からファン82へと送られる。そしてパッケージエアコン81内の熱交換部87によって冷媒(熱媒)と熱交換された後昇温し、三方ダンパMD1を経て、上部チャンバ接続部22、緩衝空間S、下部チャンバ30、流路43を通じて上部ガラリ41から屋外に排気される。
【0111】
一方、室Rの天井部52の空気は、吸込口54からファン83へと送られる。そしてパッケージエアコン81内の熱交換部88によって冷媒と熱交換された後降温し、給気口53から室Rへと供給される。
【0112】
かかる運転によれば、発明者らの試算では、取り入れ外気の温度が27〜36℃の場合、パッケージエアコン81内の熱交換部87で熱交換された後、36〜45℃の空気として大気中に放出される。一方、室Rからの還気が18〜27℃の場合、熱交換部88によって冷媒と熱交換された後、これを9〜18℃まで降温させて給気口53から室Rへと供給することが可能である。
【0113】
そしてウォールスルー型のパッケージエアコン81を室内側に設置した第4の空調システムにおいても、前記した第2、第3の空調システムと同様、前記した「冷C」運転において、緩衝空間Sを介さずに直接外気を空調システムの系統に取り入れ、また排気を緩衝空間Sを経由して屋外に放出しているから、外気を極力低温の状態で取り入れて空調システムの冷房負荷を減らすことが可能になっている。しかも前記した第2、第3の空調システムと同様、ダブルスキンユニット1の本体フレーム2には、上部ガラリ41、下部ガラリ42が設けられているため、外壁等に別途開口を新たに設ける必要はない。また緩衝空間Sに貯まる日射熱についても、ファン82からの送風によって排気流を利用して屋外に押し出すようにしているので、自然換気にたよらずに、確実にこれを屋外に放出することができ、貫流負荷の低減効果も従来より大きいものである。
【0114】
以上説明したことから、上記の第4の空調システムは、次のようにまとめられる。すなわち、冷媒の冷凍サイクルの流路において膨張弁の前後に設けられた第1の熱交換部と第2の熱交換部と、前記第1の熱交換部の上流側設けられた第1のファンと、前記第2の熱交換部の上流側に設けられた第2のファンとを有するパッケージエアコンが前記室内側に設けられる。そして、以下のような空気流路を有する。
・前記第1の熱交換部の下流側流路は、前記第1の流路または前記第2の流路と接続切り替え可能である。
・前記第2の熱交換部の下流側流路は、室の給気側流路に接続されている。
・前記第1の熱交換部の上流側流路は、室から出た空気の流路、前記第1の流路または前記第2の流路と接続切り替え可能である。
・前記第2の熱交換部の上流側流路は、室から出た空気の流路と接続される。
・前記第1のファンの下流側は、前記第1の熱交換部及び前記第2の熱交換部を迂回して室の給気流路に切り替え可能である。
さらに、前記第2のファンの下流側は、前記第2の熱交換部を迂回して前記第1の熱交換への流路に切り替え可能である。
第1のファンが基本的な実施形態と共通すること、それぞれのファンや熱交換部を1つの機内でなく別体ユニットとしてもよいことは、第2、第3の空調システムの説明と同じである。