特許第6286379号(P6286379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6286379商品販売データ処理装置、データ処理端末およびその制御プログラム、ならびにステーション装置およびその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286379
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、データ処理端末およびその制御プログラム、ならびにステーション装置およびその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20180215BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   G07G1/12 331F
   G07G1/00 301D
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-24233(P2015-24233)
(22)【出願日】2015年2月10日
(65)【公開番号】特開2016-148917(P2016-148917A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】木田 智晃
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−021595(JP,A)
【文献】 特開平04−038592(JP,A)
【文献】 特開2015−022361(JP,A)
【文献】 特開2007−102331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 1/14
H04L 13/00−13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを備え、このバッテリからの電力の供給を受けて動作して商品販売に関わるデータ処理を行う携帯型のデータ処理端末と、このデータ処理端末とは別体であり、外部からの電力の供給を受けて動作する据え置き型のステーション装置とを含み、
前記ステーション装置は、
前記データ処理端末と通信する第1の通信ユニットと、
前記データ処理端末からの要求に応じた処理を実行する処理デバイスと、
前記処理デバイスによる前記処理の実行状況を表す状況データを前記データ処理端末へと繰り返し送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第1の制御ユニットと、
前記処理デバイスが、前記外部からの電力の供給が停止したことによる処理の中断から復帰したことに応じて、要求データを前記データ処理端末へと送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第2の制御ユニットと、
を具備し、
前記データ処理端末は、
記憶ユニットと、
前記ステーション装置と通信する第2の通信ユニットと、
前記第2の通信ユニットが最も新しく受信した前記状況データを記憶するように前記記憶ユニットを制御する第3の制御ユニットと、
前記第2の通信ユニットが前記要求データを受信したことに応じて、前記記憶ユニットが記憶している前記状況データを前記ステーション装置へと送信するように前記第2の通信ユニットを制御する第4の制御ユニットと、
を具備し、
前記ステーション装置はさらに、前記状況データが前記第1の通信ユニットにより受信されたことに応じて、当該状況データに基づいて前記中断した処理を再開するように前記処理デバイスを制御する第5の制御ユニットを具備する、
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記第1の制御ユニットは、前記処理デバイスによる前記処理の実行状況が、前記第5の制御ユニットによる制御の下で前記処理を再開するのに適するものとして予め定められた1つまたは複数の区切り状況となる毎に、前記状況データを前記ステーション装置へと送信するように前記第2の通信ユニットを制御することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
外部からの電力の供給を受けて動作する据え置き型のステーション装置とともに商品販売データ処理装置を構成するものであり、バッテリを備え、このバッテリからの電力の供給を受けて動作して商品販売に関わるデータ処理を行う携帯型のデータ処理端末であって、
前記ステーション装置が、
前記データ処理端末と通信する第1の通信ユニットと、
前記データ処理端末からの要求に応じた処理を実行する処理デバイスと、
前記処理デバイスによる前記処理の実行状況を表す状況データを前記データ処理端末へと繰り返し送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第1の制御ユニットと、
前記処理デバイスが、前記外部からの電力の供給が停止したことによる処理の中断から復帰したことに応じて、要求データを前記データ処理端末へと送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第2の制御ユニットと、
状況データが前記第1の通信ユニットにより受信されたことに応じて、当該状況データに基づいて前記中断した処理を再開するように前記処理デバイスを制御する第5の制御ユニットと、
を具備
記憶ユニットと、
前記ステーション装置と通信する第2の通信ユニットと、
前記第2の通信ユニットが最も新しく受信した前記状況データを記憶するように前記記憶ユニットを制御する第3の制御ユニットと、
前記第2の通信ユニットが前記要求データを受信したことに応じて、前記記憶ユニットが記憶している前記状況データを前記ステーション装置へと送信するように前記第2の通信ユニットを制御する第4の制御ユニットと、
を具備したことを特徴とするデータ処理端末。
【請求項4】
バッテリを備え、このバッテリからの電力の供給を受けて動作して商品販売に関わるデータ処理を行う携帯型のデータ処理端末とともに商品販売データ処理装置を構成するものであり、外部からの電力の供給を受けて動作する据え置き型で、かつ前記データ処理端末とは別体のステーション装置であって、
前記データ処理端末が、
記憶ユニットと、
前記ステーション装置と通信する第2の通信ユニットと、
前記第2の通信ユニットが最も新しく受信した状況データを記憶するように前記記憶ユニットを制御する第3の制御ユニットと、
前記第2の通信ユニットが要求データを受信したことに応じて、前記記憶ユニットが記憶している前記状況データを前記ステーション装置へと送信するように前記第2の通信ユニットを制御する第4の制御ユニットと、
を具備
前記データ処理端末と通信する第1の通信ユニットと、
前記データ処理端末からの要求に応じた処理を実行する処理デバイスと、
前記処理デバイスによる前記処理の実行状況を表すものとした前記状況データを前記データ処理端末へと繰り返し送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第1の制御ユニットと、
前記処理デバイスが、前記外部からの電力の供給が停止したことによる処理の中断から復帰したことに応じて、前記要求データを前記データ処理端末へと送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第2の制御ユニットと、
状況データが前記第1の通信ユニットにより受信されたことに応じて、当該状況データに基づいて前記中断した処理を再開するように前記処理デバイスを制御する第5の制御ユニットと、
を具備することを特徴とするステーション装置。
【請求項5】
外部からの電力の供給を受けて動作する据え置き型のステーション装置とともに商品販売データ処理装置を構成するものであり、バッテリと、記憶ユニットと、前記ステーション装置と通信する第2の通信ユニットとを備え、前記バッテリからの電力の供給を受けて動作して商品販売に関わるデータ処理を行う携帯型のデータ処理端末を制御するコンピュータを、
前記ステーション装置が、
前記データ処理端末と通信する第1の通信ユニットと、
前記データ処理端末からの要求に応じた処理を実行する処理デバイスと、
前記処理デバイスによる前記処理の実行状況を表す状況データを前記データ処理端末へと繰り返し送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第1の制御ユニットと、
前記処理デバイスが、前記外部からの電力の供給が停止したことによる処理の中断から復帰したことに応じて、要求データを前記データ処理端末へと送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第2の制御ユニットと、
状況データが前記第1の通信ユニットにより受信されたことに応じて、当該状況データに基づいて前記中断した処理を再開するように前記処理デバイスを制御する第5の制御ユニットと、
を具備
前記第2の通信ユニットが最も新しく受信した前記状況データを記憶するように前記記憶ユニットを制御する第3の制御ユニットと、
前記第2の通信ユニットが前記要求データを受信したことに応じて、前記記憶ユニットが記憶している前記状況データを前記ステーション装置へと送信するように前記第2の通信ユニットを制御する第4の制御ユニットと、
して機能させるための制御プログラム。
【請求項6】
バッテリを備え、このバッテリからの電力の供給を受けて動作して商品販売に関わるデータ処理を行う携帯型のデータ処理端末とともに商品販売データ処理装置を構成するものであり、外部からの電力の供給を受けて動作する据え置き型で、かつ前記データ処理端末とは別体であるとともに、前記データ処理端末と通信する第1の通信ユニットと、前記データ処理端末からの要求に応じた処理を実行する処理デバイスとを備えたステーション装置を制御するコンピュータを、
前記データ処理端末が、
記憶ユニットと、
前記ステーション装置と通信する第2の通信ユニットと、
前記第2の通信ユニットが最も新しく受信した状況データを記憶するように前記記憶ユニットを制御する第3の制御ユニットと、
前記第2の通信ユニットが要求データを受信したことに応じて、前記記憶ユニットが記憶している前記状況データを前記ステーション装置へと送信するように前記第2の通信ユニットを制御する第4の制御ユニットと、
を具備
前記処理デバイスによる前記処理の実行状況を表すものとした前記状況データを前記データ処理端末へと繰り返し送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第1の制御ユニットと、
前記処理デバイスが、前記外部からの電力の供給が停止したことによる処理の中断から復帰したことに応じて、前記要求データを前記データ処理端末へと送信するように前記第1の通信ユニットを制御する第2の制御ユニットと、
状況データが前記第1の通信ユニットにより受信されたことに応じて、当該状況データに基づいて前記中断した処理を再開するように前記処理デバイスを制御する第5の制御ユニットと、
して機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置、データ処理端末およびその制御プログラム、ならびにステーション装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等における商品販売に関わるデータ処理(商品販売データ処理)を、主として携帯型のデータ処理端末を利用して行うことは、既に実現されている。
【0003】
しかしながら、商品販売データ処理に関わる一部のデバイスは、データ処理端末の使い勝手を考慮して、データ処理端末には搭載されない場合がある。例えば、商品販売データ処理のうちのレシート発行のためのプリンタは、データ処理端末には搭載されないことが多い。
【0004】
そこで、プリンタ等を搭載した据え置き型のステーション装置を、データ処理端末とは別体で用意することが考えられる。そしてこの場合に一般には、データ処理端末は、そのデータ処理端末に設けられているバッテリから供給される電力を受けて動作するのに対し、ステーション装置は外部から供給される電力を受けて動作する。このため、ステーション装置は、外部からの電力の供給が、例えば停電などといった何らかの事情により絶たれると、動作を続けることができない。
【0005】
データ処理端末からの要求に応じた処理をステーション装置で実行している最中に、ステーション装置への電力の供給が絶たれた場合には、当該処理は停止され、再開することはできない。データ処理端末では、エラーとして扱い、ステーション装置の動作が復帰したのちに、上記の処理の実行を、改めてデータ処理端末に要求することになる。
【0006】
このため、ステーション装置への電力の供給が絶たれるまでに実行済みの処理は無駄となり、ステーション装置では最初から処理をやり直さねばならず、効率が悪かった。
【0007】
このような事情から、ステーション装置への電力供給が絶たれたことによって中断した処理を、電力供給の再開後に継続して実行できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−137979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ステーション装置への電力供給が絶たれたことによって中断した処理を、電力供給の再開後に継続して実行可能とする商品販売データ処理装置、データ処理端末およびその制御プログラム、ならびにステーション装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の商品販売データ処理装置は、バッテリを備え、このバッテリからの電力の供給を受けて動作して商品販売に関わるデータ処理を行う携帯型のデータ処理端末と、このデータ処理端末とは別体であり、外部からの電力の供給を受けて動作する据え置き型のステーション装置とを含む。ステーション装置は、第1の通信ユニット、処理デバイス、第1、第2、第5の制御ユニットを含む。データ処理端末は、記憶ユニット、第2の通信ユニット、第3、第4の制御ユニットを含む。第1の通信ユニットは、データ処理端末と通信する。処理デバイスは、データ処理端末からの要求に応じた処理を実行する。第1の制御ユニットは、処理デバイスによる処理の実行状況を表す状況データをデータ処理端末へと繰り返し送信するように第1の通信ユニットを制御する。第2の制御ユニットは、処理デバイスが、外部からの電力の供給が停止したことによる処理の中断から復帰したことに応じて、要求データをデータ処理端末へと送信するように第1の通信ユニットを制御する。第2の通信ユニットは、ステーション装置と通信する。第3の制御ユニットは、第2の通信ユニットが最も新しく受信した状況データを記憶するように記憶ユニットを制御する。第3の制御ユニットは、第2の通信ユニットが要求データを受信したことに応じて、記憶ユニットが記憶している状況データをステーション装置へと送信するように第2の通信ユニットを制御する。第5の制御ユニットは、状況データが第1の通信ユニットにより受信されたことに応じて、当該状況データに基づいて中断した処理を再開するように処理デバイスを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る商品販売データ処理装置の外観の斜視図。
図2】一実施形態に係る商品販売データ処理装置の外観の斜視図。
図3図1,2に示す商品販売データ処理装置の電気的要素のブロック図。
図4図3中のドッキングステーションに設けられたCPUによる制御処理のフローチャート。
図5図3中のタブレットPCに設けられたCPUによる制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態の一例を、図面を用いて説明する。
【0013】
図1および図2は本実施形態に係る商品販売データ処理装置(以下、「処理装置」と略記する)100の外観の斜視図である。
【0014】
処理装置100は、データ処理端末10とドッキングステーション20とを含む。
【0015】
データ処理端末10とドッキングステーション20とは互いに別体である。データ処理端末10は、ドッキングステーション20に対して着脱が可能である。かくして処理装置100は、図1に示す装着状態と図2に示す離脱状態とをそれぞれ形成可能である。データ処理端末10は、使用者による携帯が可能である。ドッキングステーション20は、通常は据え置いて使用される。すなわちドッキングステーション20は、据え置き型のステーション装置の一例である。
【0016】
データ処理端末10は、タブレットタイプのパーソナルコンピュータ(以下、タブレットPCと称する)11にジャケット12を被せて構成されている。ジャケット12は、開口12aを有し、タブレットPC11のタッチパネル11aの操作面を外部に露出させている。ジャケット12には、リーダ・ライタ13と、データ処理端末10をドッキングステーション20に電気的に接続するためのコネクタ14とが設けられている。
【0017】
リーダ・ライタ13は、データカードに記録されたデータを読み取る。リーダ・ライタ13は、データカードにデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。リーダ・ライタ13は、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。なお、図1,2においては、リーダ・ライタ13が磁気式である場合を示している。
【0018】
ドッキングステーション20は、その上面にデータ処理端末10を載置するための載置面20aを有している。図1,2では図示されていないが、ドッキングステーション20には、装着状態においてコネクタ14と結合するコネクタが設けられている。
【0019】
図3は処理装置100の電気的要素のブロック図である。なお、図3において図1,2に示されるのと同一の要素には、図1,2と同一の番号を付している。
【0020】
データ処理端末10は、タブレットPC11、リーダ・ライタ13およびコネクタ14に加えて、ハブ15を備える。
【0021】
ハブ15は、タブレットPC11、リーダ・ライタ13およびコネクタ14のそれぞれに接続される。ハブ15は、タブレットPC11がリーダ・ライタ13およびドッキングステーション20の双方との間でデータ通信することを可能とする。ハブ15は、装着状態にあっては、ドッキングステーション20からコネクタ14を介して供給される電力を、タブレットPC11およびリーダ・ライタ13へと供給する。ハブ15は、分離状態にあっては、タブレットPC11から出力される電力をリーダ・ライタ13へと供給する。タブレットPC11とリーダ・ライタ13およびドッキングステーション20との間でのデータ通信には、例えば既存の規格を利用することができ、一例としてはUSB(universal serial bus)の利用が想定される。この場合にハブ15としては、既存のUSBハブを用いることができる。
【0022】
タブレットPC11は、タッチパネル11aの他に、CPU(central processing unit)11b、ROM(read-only memory)11c、RAM(random-access memory)11d、補助記憶ユニット11e、無線LANユニット11f、通信ユニット11g、充電ユニット11h、バッテリ11iおよび伝送システム11jを含む。
【0023】
タッチパネル11aは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11bへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0024】
CPU11b、ROM11c、RAM11dおよび補助記憶ユニット11eは、伝送システム11jにより接続されてコンピュータを構成する。
【0025】
CPU11bは、上記のコンピュータの中枢部分に相当する。CPU11bは、ROM11cおよびRAM11dに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、タブレットPC11としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0026】
ROM11cは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11cは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM11cは、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11cは、CPU11bが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0027】
RAM11dは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11dは、CPU11bが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11dは、CPU11bが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0028】
補助記憶ユニット11eは、上記のコンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11eは、CPU11bが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11bでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11eは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット11eとしては、典型的にはEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)が利用される。補助記憶ユニット11eとしては、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)なども使用できる。補助記憶ユニット11eは、記憶ユニットに相当する。
【0029】
ROM11cまたは補助記憶ユニット11eに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。データ処理端末10の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11cまたは補助記憶ユニット11eに記憶された状態にて行われる。しかし、データ処理端末10は、制御プログラムがROM11cまたは補助記憶ユニット11eに記憶されない状態で譲渡され、別途に譲渡された制御プログラムが、補助記憶ユニット11eに書き込まれても良い。制御プログラムの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行える。
【0030】
無線LANユニット11fは、無線LANを介してのデータ通信を行う。無線LANユニット11fとしては、例えばIEEE 802.11シリーズ規格に準拠した既存の通信デバイス等を利用できる。無線LANユニット11fは、主としてドッキングステーション20と無線データ通信を行うために使用される。無線LANユニット11fは、第2の通信ユニットに相当する。
【0031】
通信ユニット11gは、ハブを介して接続されるリーダ・ライタ13やドッキングステーション20と通信する。通信ユニット11gとしては、例えばUSB通信デバイスを利用できる。
【0032】
充電ユニット11hは、装着状態にあっては、ハブ15を介してドッキングステーション20からの電力の供給を受けて動作し、バッテリ11iを充電する。充電ユニット11hは、分離状態にあっては、バッテリ11iが出力する電力を、ハブ15を介してリーダ・ライタ13へと供給する。
【0033】
バッテリ11iは、充電ユニット11hから供給される電力を蓄え、この蓄えた電力をタブレットPC11に含まれる電気的要素のそれぞれや、リーダ・ライタ13へと供給する。
【0034】
伝送システム11jは、タッチパネル11a、CPU11b、ROM11c、RAM11d、補助記憶ユニット11e、無線LANユニット11f、通信ユニット11gおよび充電ユニット11hの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11jは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0035】
ドッキングステーション20は、CPU20b、ROM20c、RAM20d、プリンタ20e、通信ユニット20f、無線LANユニット20g、有線LANユニット20h、ドロワインタフェース20i、電源ユニット20j、伝送システム20kおよびコネクタ20m,20n,20pを含む。
【0036】
CPU20b、ROM20cおよびRAM20dは、伝送システム20kにより接続されてコンピュータを構成する。
【0037】
CPU20bは、上記のコンピュータの中枢部分に相当する。CPU20bは、ROM20cおよびRAM20dに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、ドッキングステーション20としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0038】
ROM20cは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM20cは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM20cは、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM20cは、CPU20bが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0039】
RAM20dは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。RAM20dは、CPU20bが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM20dは、CPU20bが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0040】
ROM20cに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。ドッキングステーション20の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM20cに記憶された状態にて行われる。しかし、ドッキングステーション20は、制御プログラムがROM20cに記憶されない状態で譲渡され、別途に譲渡された制御プログラムが、別途に設けられる補助記憶ユニットに書き込まれても良い。制御プログラムの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行える。補助記憶ユニットとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
【0041】
プリンタ20eは、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどである。プリンタ20eは、主として、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行するために使用される。本実施形態においては、プリンタ20eが処理デバイスに相当する。
【0042】
通信ユニット20fは、コネクタ20mを介して接続されるデータ処理端末10や、コネクタ20nを介して接続される外部機器と通信する。通信ユニット20fとしては、例えばUSB通信デバイスを利用できる。そして、通信ユニット20fおよびコネクタ20mにより、データ処理端末10を接続するためのポートが構成されている。そして装着状態にあっては、このポートにデータ処理端末10が接続される。
【0043】
無線LANユニット20gは、無線LANを介してのデータ通信を行う。無線LANユニット20gとしては、例えばIEEE 802.11シリーズ規格に準拠した既存の通信デバイス等を利用できる。無線LANユニット20gは、主としてデータ処理端末10と無線データ通信を行うために使用される。無線LANユニット20gは、第1の通信ユニットに相当する。
【0044】
有線LANユニット20hは、有線LANを介してのデータ通信を行う。有線LANユニット20hとしては、例えばIEEE 802.3シリーズ規格に準拠した既存の通信デバイス等を利用できる。有線LANユニット20hは、主として、図示しないPOS(point-of-sale)サーバと有線データ通信を行うために使用される。
【0045】
ドロワインタフェース20iは、コネクタ20p,201を介して接続されるCPU20bとドロワ200との通信を仲介する。
【0046】
電源ユニット20jは、商用電源からの電力の供給を受けて動作し、ドッキングステーション20に含まれる電気的要素のそれぞれや、データ処理端末10へと動作電力を供給する。
【0047】
伝送システム20kは、CPU20b、ROM20c、RAM20d、プリンタ20e、プリンタ20e、通信ユニット20f、無線LANユニット20g、有線LANユニット20h、ドロワインタフェース20iおよび電源ユニット20jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム20kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0048】
コネクタ20mは、装着状態においてコネクタ14と電気的に結合する。
【0049】
コネクタ20nは、図示しない外部機器との接続ケーブルに取り付けられた図示しないコネクタと電気的に結合する。
【0050】
コネクタ20pは、ドロワ200との接続ケーブルに取り付けられたコネクタ201と電気的に結合する。
【0051】
なお、コネクタ14,20m,20n,20p,201は、図3においては模式的に示しており、実際にはより多数の接点を備えることがある。
【0052】
次に以上のように構成された処理装置の動作について説明する。
【0053】
分離状態にあるとき、データ処理端末10は、バッテリ11iが蓄えている電力を使用して動作する。装着状態にあるときにデータ処理端末10では、充電ユニット11hが、電源ユニット20jから供給される電力を使用してバッテリ11iを充電する。データ処理端末10は、バッテリ11iから出力される電力を使用して動作する。分離状態および装着状態のいずれにおいても、ドッキングステーション20は、商用電源からの電力の供給を受けて電源ユニット20jが出力する電力を使用して動作する。
【0054】
データ処理端末10は、タブレットPC11におけるアプリケーションプログラムの実行によって、商品販売に関わるデータ処理を行う。商品販売に関わるデータ処理とは、既存のPOS端末やキャッシュレジスタなどで行われている処理である。データ処理端末10は、装着状態および分離状態のいずれであっても、上記のデータ処理を行うことができる。ただし、データ処理端末10はプリンタを備えないので、レシートを発行することはできない。そこで、タブレットPC11は、プリントが必要になった場合には、ドッキングステーション20に対してプリントを要求する。このようなプリント要求は、装着状態にあっては、コネクタ14,20mを介した有線通信および無線LANを介した無線通信のいずれにより行われても良く、分離状態にあっては、無線LANを介した無線通信により行われる。
【0055】
データ処理端末10は、複数のドッキングステーション20のいずれかをユーザの指示または予め定められた条件に従って選択し、その選択したドッキングステーション20に対して印刷を要求することとしても良い。この場合、1つのドッキングステーション20に装着されているデータ処理端末10が、その装着先とは異なるデータ処理端末10に対して無線LANまたは有線LANを介して印刷を要求することとしても良い。ドッキングステーション20は、複数のデータ処理端末10からのプリント要求をそれぞれ受け付けるようにしても良い。
【0056】
かくして、プリントを要求するデータ処理端末10と、装着されたデータ処理端末10とが、同一の場合もあるし、異なる場合もある。そこで以下においては、いずれのケースであっても、プリントを要求するデータ処理端末10を要求端末と称する。
【0057】
また、データ処理端末10が複数存在する場合、これらのデータ処理端末10のそれぞれから1つのドッキングステーション20に対してプリントが要求される場合もある。これらのデータ処理端末10のいずれがドッキングステーション20に装着されるかも不定である。しかしながら、以下に説明する制御処理のために、データ処理装置10とドッキングステーション20とは、一対一で予め関連付けられている。そこで以下においては、後述する制御処理を実行するCPU20bが設けられているドッキングステーション20に関連付けられたデータ処理端末10を、関連付け端末と称する。従って、関連付け端末となるデータ処理装置10は、要求端末となるデータ処理端末10と同一である場合もあるし、別々である場合もある。
【0058】
ドッキングステーション20において、電源ユニット20jへの商用電源からの電力供給が開始され、電源ユニット20jからCPU20bへと電力が供給されるようになると、CPU20bが起動する。そしてCPU20bは、ROM20cに記憶された制御プログラムに従って制御処理を開始する。
【0059】
図4はCPU20bによる制御処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0060】
Act1においてCPU20bは、ドッキングステーション20の前回の動作停止が、電源ユニット20jへの電力供給の異常によるものであるか否かを確認する。そしてCPU20bは、そのような異常による停止ではないならばNoと判定し、Act2へと進む。
【0061】
Act2においてCPU20bは、要求端末となるデータ処理端末10から送信される指示データが到来したか否かを確認する。そしてCPU20bは、指示データが無線LANユニット20gまたは通信ユニット20fで受信されていないならばNoと判定し、Act2を繰り返す。かくしてCPU20bはAct2において、指示データが到来するのを待ち受ける。
【0062】
さて、タブレットPC11は、レシート発行が必要となったならば、プリントの実行をドッキングステーション20に対して指示する。この場合には、予め定められた指示データをドッキングステーション20に対して無線LANユニット11fまたは通信ユニット11gから送信する。この指示データは、無線LANユニット20gまたは通信ユニット20fによって受信され、その旨がCPU20bへと通知される。そしてCPU20bは、この通知を受けてAct2にてYesと判定し、Act3へと進む。
【0063】
Act3においてCPU20bは、要求端末に対してプリント指示に対する応答を行った上で、その後に要求端末から送信されるプリントデータを無線LANユニット20gまたは通信ユニット20fに受信させる。そしてCPU20bは、これにより受信されたプリントデータをRAM20dに保存する。
【0064】
Act4においてCPU20bは、上記のようにRAM20dに保存したプリントデータに基づいたプリントを開始するようにプリンタ20eに指示する。この指示に応じてプリンタ20eは、RAM20dに保存されたプリントデータが表す画像を用紙に対してプリントする。
【0065】
なお、CPU20bは、プリントデータの全てをRAM20dに保存し終えるのよりも先に、プリントを開始するようにプリンタ20eに指示しても良い。
【0066】
Act5においてCPU20bは、プリントが終了したか否かを確認する。そしてCPU20bは、まだプリントが行われているならばNoと判定し、Act6へと進む。
【0067】
Act6においてCPU20bは、プリントの現在の実行状況が、区切り状況であるか否かを確認する。区切り状況とは、プリントを中断、再開するのに適する実行状況として予め定められる。区切り状況は、例えばドッキングステーション20の設計者などによって任意に定められて良い。一例として区切り状況は、レシートにおける1品目分の情報をプリントし終えた状況や、店舗ロゴなどの画像オブジェクトの1つをプリントし終えた状況として定めることが考えられる。そしてCPU20bは、プリントの現在の実行状況が区切り状況ではないならばNoと判定し、Act5に戻る。
【0068】
かくしてCPU20bは、Act5,Act6においては、プリントが終了するか、あるいはプリントの現在の実行状況が区切り状況となるのを待ち受ける。そして、CPU20bは、プリントの現在の実行状況が区切り状況となったならば、Act6にてYesと判定し、Act7へと進む。
【0069】
Act7においてCPU20bは、現在の実行状況を表す状況データを、関連付け端末に対して、無線LANユニット20gから送信させる。そしてCPU20bはこののちに、Act5,Act6の待ち受け状態に戻る。かくしてCPU20bは、プリンタ20eによりプリントが行われている間には、このプリントの現在の実行状況が区切り状況となる毎に状況データを送信する。CPU20bは、状況データを、現在の実行状況を別のタイミングにおいて再現するのに必要なデータを含むものとして生成する。状況データに含めるデータは、例えば、要求端末を識別するデータ、プリントデータを識別するためのデータ、ならびにプリントデータのどの位置までのプリントを終えたのかを表すデータなどである。かくして制御プログラムに基づいて図4に示す制御処理をCPU20bが実行することによって、CPU20bを中枢部分とするコンピュータは第1の制御ユニットとして機能する。
【0070】
プリンタ20eは、プリントデータに応じたプリントを最後まで終えると、その旨をCPU20bに通知する。そうするとCPU20bは、Act5においてYesと判定し、Act8へと進む。
【0071】
Act8においてCPU20bは、プリントが終了したことを通知するための予め定められた終了データを、関連付け端末に対して無線LANユニット20gから送信させる。そしてこののちにCPU20bは、Act2の待ち受け状態に戻る。
【0072】
さて、タブレットPC11が動作状態にあるとき、CPU11bは、ROM11cまたは補助記憶ユニット11eに記憶された制御プログラムに従って制御処理を実行する。
【0073】
図5はCPU11bによる制御処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0074】
Act21においてCPU11bは、上記のようにドッキングステーション20から送信された状況データが到来したか否かを確認する。そしてCPU11bは、状況データが到来していないならばNoと判定し、Act22へと進む。
【0075】
Act22においてCPU11bは、上記のようにドッキングステーション20から送信された終了データが到来したか否かを確認する。そしてCPU11bは、終了データが到来していないならばNoと判定し、Act23へと進む。
【0076】
Act23においてCPU11bは、後述するようにドッキングステーション20から送信される要求データが到来したか否かを確認する。そしてCPU11bは、要求データが到来していないならばNoと判定し、Act21へと戻る。
【0077】
かくしてCPU11bはAct21〜Act23において、状況データ、終了データおよび要求データのいずれかが到来するのを待ち受ける。そしてCPU11bは、状況データまたは終了データが無線LANユニット11fで受信されたならば、Act21またはAct22にてYesと判定し、Act24またはAct25へと進む。
【0078】
Act24においてCPU11bは、無線LANユニット11fにより受信された状況データを、補助記憶ユニット11eに保存する。このときにCPU11bは、既に別の状況データが補助記憶ユニット11eに保存されているならば、新たに受信された状況データで上書き保存する。そしてこののちにCPU11bは、Act21〜Act23の待ち受け状態に戻る。
【0079】
かくしてCPU11bは、前述のようにドッキングステーションから繰り返し送信される状況データのうちで、無線LANユニット20gが最も新しく受信した状況データを記憶しているように補助記憶ユニット11eを制御する。つまり制御プログラムに基づいて図5に示す制御処理をCPU11bが実行することによって、CPU11bを中枢部分とするコンピュータは第3の制御ユニットとして機能する。
【0080】
Act25においてCPU11bは、状況データが補助記憶ユニット11eに保存されているならば、それを補助記憶ユニット11eから消去する。そしてこののちにCPU11bは、Act21〜Act23の待ち受け状態に戻る。
【0081】
かくしてCPU11bは、ドッキングステーション20に対して指示したプリントが終了するまでの間に限って、状況データを記憶しているように補助記憶ユニット11eを制御する。
【0082】
さて、例えば停電などにより商用電源からの電源ユニット20jへの電力の供給が、プリンタ20eがプリントを実行している最中に断たれた場合、プリンタ20eのプリント動作は中断されるが、要求端末へと終了データが送信されないままとなる。このため、プリンタ20eのプリント動作が中断された後も、その中断以前に最後にドッキングステーション20からデータ処理端末10へと送信された状況データが補助記憶ユニット11eに保存され続ける。
【0083】
商用電源からの電源ユニット20jへの電力の供給が再開してCPU20bが図4に示す制御処理を開始した場合、CPU20bはAct1においてYesと判定し、Act9へと進む。
【0084】
Act9においてCPU20bは、予め定められた要求データを、関連付け端末に対して無線LANユニット20gから送信させる。要求データは、関連付け端末において保存している状況データの送信を、関連付け端末に対して要求するものである。かくして制御プログラムに基づいて図4に示す制御処理をCPU20bが実行することによって、CPU20bを中枢部分とするコンピュータは第2の制御ユニットとして機能する。
【0085】
Act10においてCPU20bは、状況データが到来したか否かを確認する。
【0086】
さて、上記のようにして無線LANユニット20gから送信された要求データは、関連付け端末の無線LANユニット11fで受信される。これに応じて関連付け端末においてCPU11bは、図5中のAct23でYesと判定し、Act26へと進む。
【0087】
Act26においてCPU11bは、状況データが補助記憶ユニット11eに保存されているか否かを確認する。そしてCPU11bは、保存されているならばYesと判定してAct27へと進み、保存されていないならばNoと判定してAct28へと進む。
【0088】
Act27においてCPU11bは、補助記憶ユニット11eに記憶されている状況データを、要求データへの応答として、無線LANユニット11fから送信させる。そしてCPU11bはこののちに、Act21〜Act23の待ち受け状態に戻る。かくして制御プログラムに基づいて図5に示す制御処理をCPU11bが実行することによって、CPU11bを中枢部分とするコンピュータは第4の制御ユニットとして機能する。
【0089】
Act28においてCPU11bは、予め定めた通知データを、要求データへの応答として、無線LANユニット11fから送信させる。通知データは、状況データが無いことを通知するためのデータである。そしてCPU11bはこののちに、Act21〜Act23の待ち受け状態に戻る。
【0090】
上記のようにして無線LANユニット11fから送信された状況データまたは通知データは、要求データの送信元であるドッキングステーション20の無線LANユニット20gで受信される。状況データが無線LANユニット20gで受信されたことに応じて当該ドッキングステーション20においてCPU20bは、図4中のAct10でYesと判定し、Act11へと進む。
【0091】
Act11においてCPU20bは、上記の受信された状況データに基づいて、中断したプリントの対象となっていたプリントデータを要求端末から受信し、RAM20dに保存する。具体的には、状況データに基づいて要求端末およびプリントデータを特定し、このプリントデータの送信を要求端末に対して要求する。そしてCPU20bは、この要求に応じて要求端末が送信し、無線LANユニット20gまたは通信ユニット20fにより受信されたプリントデータをRAM20dに保存する。
【0092】
なお、不揮発性の補助記憶デバイスをドッキングステーション20に備え、Act3におけるプリントデータの保存先を上記の補助記憶デバイスとするならば、Act11は省略できる。ただし、Act3においてプリントデータの全てを保存し終えることができない恐れがある場合には、Act11は省略すべきではない。CPU20bが、Act3においてプリントデータの全てを保存し終えているか否かを確認し、保存し終えている場合にのみAct11をパスしても良い。
【0093】
Act12においてCPU20bは、中断していたプリントの再開をプリンタ20eに指示する。CPU20bは具体的には、RAM20dに保存されたプリントデータに基づくプリントを、上記の受信された状況データが表す状況から開始するようにプリンタ20eに指示する。CPU20bはこののち、Act5およびAct6の待ち受け状態へと移行し、以降の処理を前述したのと同様に行う。かくして制御プログラムに基づいて図4に示す制御処理をCPU20bが実行することによって、CPU20bを中枢部分とするコンピュータは第5の制御ユニットとして機能する。
【0094】
以上のように処理装置100によれば、ドッキングステーション20でのプリント実行中に、その実行状況を表した状況データを、商用電源からの電力の供給が断たれた状態でも動作可能であるデータ処理端末10において保存しておく。そしてドッキングステーション20への商用電源からの電力の供給が断たれたことによりプリントが中断した場合には、電力供給の再開によりドッキングステーション20が再起動したことに応じて、データ処理端末10にて保存していた状況データをドッキングステーション20に戻し、この状況データが表す状況からプリントを再開する。従って、中断された時の状況に近い状況からプリントを再開することが可能であり、中断されていたプリントを最初からやり直す必要がない。
【0095】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0096】
ドッキングステーション20からの状況データの送信のタイミングは、一定の時間間隔毎のタイミングとするなど、任意に変更が可能である。
【0097】
電力供給の再開後に継続して実行する処理は、プリンタ20eにおけるプリントには限らず、任意の処理であって良い。例えば、有線LANユニット20hからPOSサーバ(図示せず)への大量のデータ転送を、電力供給の再開後に継続して実行する処理とすることができる。この場合、CPU11bは、POSサーバへと転送すべきデータを、通信ユニット11gから送信する。CPU20bは、上記のデータを通信ユニット20fが受信したならば、それをRAM20dに一時的に記憶させる。そしてCPU20bは、RAM20dに一時的に記憶した上記のデータを、有線LANユニット20hからPOS端末に宛てて送信する。この送信を行っている間にCPU20bは、転送対象となっているデータのうちの何%を送信し終えたかを表す状況データを、関連付け端末へと繰り返し送信する。CPU20bは、電力供給の停止に伴って上記のデータ送信を中断した場合、電力供給の再開後、関連付け端末から状況データを取得する。当該状況データに基づいてCPU20bは、転送対象となるデータを再取得し、状況データが表す量のデータは送信し終えているとして、その続きのデータの送信を開始する。
【0098】
ドッキングステーション20に代えて、データ処理端末10を着脱可能とはしないステーション装置を用いても良い。
【0099】
データ処理端末10は、タブレットPC11を用いずに構成されても構わない。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
100…商品販売データ処理装置(処理装置)、10…データ処理端末、11…パーソナルコンピュータ(タブレットPC)、11a…タッチパネル、11b…CPU、11c…ROM、11d…RAM、11e…補助記憶ユニット、11f…無線LANユニット、11g…通信ユニット、11h…充電ユニット、11i…バッテリ、11j…伝送システム、20…ドッキングステーション、20a…CPU、20c…ROM、20d…RAM、20e…プリンタ、20f…通信ユニット、20g…無線LANユニット、20h…有線LANユニット、20i…ドロワインタフェース、20j…電源ユニット、20k…伝送システム。
図1
図2
図3
図4
図5