【実施例】
【0013】
(パチンコ機10について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、
図2に示すように、遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する第1始動入賞装置30または第2始動入賞装置34へのパチンコ球(遊技球)の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としてのメイン表示装置(表示装置)105が、着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板19(
図1参照)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下部前側に、パチンコ球を貯留する上球皿14および下球皿15が組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿14および下球皿15も一体的に開閉するよう構成される。
【0014】
(中枠)
前記中枠12は、
図1に示すように、上縁をなす上枠部と、下縁をなして打球発射装置等が設置された下枠部と、左側縁をなす左枠部と、右側縁をなす右枠部とから構成され、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。中枠12には、
図6に示すように、遊技盤20を前側から着脱可能に設置し得る遊技盤保持部12aが設けられている。そして中枠12は、外枠11の左上および左下に設けられたヒンジ27,27を介して該外枠11に枢支され、該外枠11に対して左側端部を中心として開閉し得るようになっている。なお中枠12は、上下左右の各枠部が一体成形されたものであってもよいし、各枠部が別体に成形されて組付けたものであってもよい。
【0015】
前記中枠12には、
図6に示すように、前記遊技盤保持部12aの右下角部に、中枠ドッキングコネクタ81,82,83が複数(実施例では3つ)配設されている。このうち第1中枠ドッキングコネクタ81は、遊技盤20を遊技盤保持部12aに取り付けた際に、該遊技盤20の後側に取り付けられた設置部材90(
図3参照)に設置した第3中継基板102の第1ドッキングコネクタ102aに接続されるようになっている。第2中枠ドッキングコネクタ82は、遊技盤20を遊技盤保持部12aに取り付けた際に、前記第3中継基板102に配設した第2ドッキングコネクタ102aに接続される。また、第3中枠ドッキングコネクタ83は、遊技盤20を遊技盤保持部12aに取り付けた際に、前記設置部材90(
図3参照)に配設した第4中継基板103に配設したドッキングコネクタ103aに接続される。
【0016】
(前枠)
前記前枠13は、
図1に示すように、中枠12の外郭形状に略合致する板状に形成されると共に前後方向に開口する前記窓口13aが開設された枠本体の前側に、該窓口13aを囲むように複数の装飾部材13bが取り付けられている。装飾部材13b内には、LEDチップを実装したランプ装置17が複数配設され、各ランプ装置17のLEDチップが発光制御されることで装飾部材13bの光透過部分が明輝されるようになっている。また、前枠13の上部左側および上部右側には、スピーカ18が配設されている。
【0017】
また、
図1に示すように、前枠13の右下方位置には、中枠12に配設された球発射装置(図示せず)および該前枠13の裏側に配設された球送り装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。この操作操作ハンドル16は、回転操作可能な操作レバーを備えており、該操作レバー回転操作することで、球送り装置および球発射装置が連動して作動制御されて、上球皿14に貯留されたパチンコ球が所定間隔で1球ずつ遊技盤20に向けて連続的に発射されるようになっている。
【0018】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図2に示すように、中枠12に設けた遊技盤保持部12aの内縁形状に整合する外縁形状に形成された略矩形の板部材であり、その前側には遊技領域21が設けられると共に、その後側には設置部材90(
図3、
図4参照)が取り付けられるようになっている。実施例の遊技盤20は、透明な合成樹脂材により形成されており、遊技領域21の後側に配設された可動演出装置75,76、装飾部材119、各サブ表示装置106,107,108等が透視可能となっている(
図2では、図面の煩雑を避けるため透視されていない状態で図示している)。遊技盤20の前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール22と、この外レール22の内側に右下部から左上部にかけて並べて配置された内レール23と、外レール22の右上部から内レール23の右下部までの間の右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材24等が配設されており、両レール22,23および盤面飾り部材24で囲まれた内側が前記遊技領域21として構成されている。そして、遊技盤20の遊技領域21内に、多数の遊技釘51や回転案内具52が配設されており、遊技領域21を流下するパチンコ球が、遊技釘51や回転案内具52に接触することで流下方向を不規則に変化したり誘導されるようになっている。また、遊技領域21の最下部に、該遊技領域21を流下したパチンコ球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口25が形成されている。これにより、前枠13の上球皿14から中枠12に配設された球発射装置へ案内されて、該球発射装置から発射されたパチンコ球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21の左上部に打ち出され、該遊技領域21内を流下する際に、該パチンコ球の一部が後述する第1始動入賞装置30、第2始動入賞装置34、特別入賞装置40または普通入賞部材48,49の入賞口等に入賞し、これらに入賞しないパチンコ球は、アウト口25から遊技盤20の裏側へ排出されるようになっている。なお、遊技盤20は、ベニヤ板からなる不透明な木製合板から形成されたものであってもよい。
【0019】
前記遊技盤20には、前後に貫通する複数の装着口が開設されている。これら装着口には、後述する枠状装飾体55、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞装置30、特別入賞装置40、第1普通入賞部材48および第2普通入賞部材49、ゲート部材46等が取り付けられている。すなわち、遊技盤20の略中央において前後に開口する大きな装着口20aには、
図4に示すように、前後に開口した演出窓口55aが形成されたセンター役とも称される環状の枠状装飾体55が配設されている。この装着口20aに枠状装飾体55を配設することで、遊技領域21が、該枠状装飾体55の左側の第1遊技領域21aおよび該枠状装飾体55の右側の第2遊技領域21bに分かれている。枠状装飾体55が配設された装着口21aの下方に開口形成された装着口(図示せず)には、第1始動入賞装置30が配設される。そして、第1始動入賞装置30が配設された装着口の右側に開口形成された装着口(図示せず)に、特別入賞装置40および第2普通入賞部材49が配設される。また、第1始動入賞装置30が配設された装着口の左側に開口形成された装着口(図示せず)に、第1普通入賞部材48が配設される。更に、枠状装飾体55が配設された装着口の右方に開口形成された装着口(図示せず)には、ゲート部材46が配設される。なお、遊技盤20に開設される装着口の形成数、形成位置および開口形状は、遊技盤20に対して取り付けられる各種部品の個数、配設位置および外形形状等に応じて決定される。
【0020】
(第1始動入賞装置30について)
前記第1始動入賞装置30は、
図2に示すように、上方に開口した第1始動入賞口31を備えている。すなわち、第1始動入賞装置30は、遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口であり、該遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。そして第1始動入賞装置30は、第1始動入賞口31に入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御手段としてのメイン制御基板150(
図5参照)へ送信する第1始動入賞検出センサ32(
図5参照)を備えている。これにより、第1始動入賞検出センサ32からの検出信号を受信したメイン制御基板150は、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように払出制御基板155(
図5参照)に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り(当り)抽選(当り判定)を行うようになる。
【0021】
(第2始動入賞装置34について)
前記第2始動入賞装置34は、
図2、
図4および
図15に示すように、前記枠状装飾体55の右部分に配設された電気機器である。この第2始動入賞装置34は、左右方向へ揺動するレバー形態の開閉部材36と、該開閉部材36を開閉動作させる作動手段としての始動入賞ソレノイド37(
図5、
図15参照)とを備えている。開閉部材36は、始動入賞ソレノイド37の作動により、第2始動入賞口35を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に姿勢変位するよう構成されている。すなわち、実施例の第2始動入賞口35は、開閉部材36が姿勢が変位することで、第2始動入賞口35に対するパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。そして、第2始動入賞装置34は、第2始動入賞口35に入ったパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板150へ送信する第2始動入賞検出センサ38(
図5、
図15参照)を備えている。これにより、第2始動入賞検出センサ38からの検出信号を受信したメイン制御基板150は、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板155に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り(当り)抽選(大当り判定)を行うようになる。
【0022】
(特別入賞装置40について)
前記第1遊技領域21bの下流部に配設された特別入賞装置40は、
図2および
図13に示すように、第2遊技領域21bに横長に開口する特別入賞口41が前側に設けられた本体と、該特別入賞口41を開閉自在に閉成するフラップ形態の開閉扉42と、開閉扉42を開閉する開閉手段としての特別入賞ソレノイド43(
図5参照)とを備えている。開閉扉42は、特別入賞ソレノイド43の作動により、特別入賞口41を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に姿勢変位するよう構成されている。そして、特別入賞装置40は、特別入賞口41に入ったパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板150へ送信する特別入賞検出センサ44(
図5参照)を備えている。これにより、特別入賞検出センサ44からの検出信号を受信したメイン制御基板150は、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように前記球払出制御基板155に制御信号を送信する。ここで、特別入賞装置40は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞して第1始動入賞検出センサ32から検出信号がメイン制御基板150へ送信されたか、第2始動入賞口35へパチンコ球が入賞して第2始動入賞検出センサ38から検出信号がメイン制御基板150へ送信されたことを契機として、メイン制御基板150が行う大当り抽選の結果として所定の大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や非確変大当り遊技等の特別遊技)が生起された場合に、該大当りのラウンド演出に基づいて開閉扉42を動作させて特別入賞口41を所定の回数で開放するよう制御される。すなわち、メイン制御基板150は、所定の判定条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段としての機能を備えている。
【0023】
(ゲート部材46について)
前記ゲート部材46は、ゲート部を通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ47(
図5参照)が設けられている。このゲートセンサ47は、前記メイン制御基板150に配線接続されており、該ゲートセンサ47からメイン制御基板150への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ47のパチンコ球の検出)に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて、メイン制御基板150のメイン制御CPU150aは、普図当り判定を行うよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記第2始動入賞装置34の始動入賞ソレノイド37が駆動制御され、開閉部材36が所定時間に亘って開閉動作するようになっている。
【0024】
(第1および第2普通入賞部材48,49について)
前記第1普通入賞部材48および第2普通入賞部材49は、
図2に示すように、遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの普通入賞口48a,49aを備え、遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。第1普通入賞装置48および第2普通入賞装置49は、普通入賞口48a,49aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ50を備えている(
図5参照)。この普通入賞検出センサ50は、前記メイン制御基板150に配線接続されており、普通入賞検出センサ50がパチンコ球を検出すると検出信号をメイン制御基板150に出力し、該メイン制御基板150の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。
【0025】
前述のように構成された遊技盤20では、打球発射装置から発射されたパチンコ球が外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21の左側上部に打ち出された際に、該打球発射装置による打球力を弱く調整した所謂左打ちの場合は、主に遊技領域21の第1遊技領域21aをパチンコ球が流下し、該打球発射装置による打球力を強く調整した所謂右打ちの場合は、主に遊技領域21の第2遊技領域21bをパチンコ球が流下するようになっている。そして、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が第1始動入賞装置30の第1始動入賞口31または第2始動入賞装置34の第2始動入賞口35に入賞して第1始動入賞検出センサ32または第2始動入賞検出センサ38が検出すると、当該パチンコ機10を総合的に制御するメイン制御基板150に対して該始動入賞検出センサ32,38から検出信号が送信される。これに基づいてメイン制御基板150は、大当り抽選を行うと共に、当該大当り抽選の結果に基づいてサブ制御手段としての演出制御基板151に制御信号を出力して、後述するメイン表示装置105の表示部105aにおいて図柄変動演出を行わせるようになっている。そして、メイン表示装置105での図柄変動演出の結果、表示部105aに所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技が生起される。そして、大当り遊技が生起された場合には、特別入賞装置40の特別入賞口41が開放して、多数の賞球を獲得可能な機会が与えられる。
【0026】
(枠状装飾体55について)
前記枠状装飾体55は、
図2、
図4および
図15に示すように、複数の部材を組み付けると共に電気機器等を設置した環状のユニット体である。枠状装飾体55の内側に画成された演出窓口55aは、設置部材90に配設されたメイン表示装置105の表示部105aや、該設置部材90の前側に配設される可動演出装置75,76や、その他の演出装置および装飾部品等が臨むようになっている。枠状装飾体55は、前記装着口20aの左側縁、上縁および右側縁に沿って延在する上枠部56と、該装着口20aの下縁に沿って延在する下枠部57とから構成されている。下枠部57には、ステージ部58が設けられていると共に、該下枠部57におけるステージ部58の後側にカバー部材59が取り付けられている。更に、下枠部57には、電気機器である前記第2始動入賞装置34や発光基板(電気機器)70が配設されている。このような枠状装飾体55は、遊技盤20の装着口20aの開口形状に合わせて環状に形成された枠部材60を備え、前記ステージ部58をなすステージ部材61、前記カバー部材59および第2始動入賞装置34等が、該枠部材60に取り付けられる。
【0027】
(上枠部56について)
前記上枠部56は、
図4および
図15に示すように、前記枠部材60により構成されており、前記装着口20aの開口縁に沿って延在すると共に遊技盤20の前面よりも前方へ突出する枠壁56aと、該枠壁56aの外面から外側へ延在して遊技盤20の前面に当接するフランジ56bとを備えている。枠壁56aは、その前端が遊技盤20の前面から前方へ突出して前記透視保護板19の後面近傍に位置しており(
図13参照)、第1遊技領域21aおよび第2遊技領域21bを流下するパチンコ球が、枠状装飾体55の内側(演出窓口55a)へ移動することを規制する区画壁である。また、枠壁56aは、その後端が遊技盤20の後面に整合しており、装着口20aの内周面を被覆するようになっている。前記フランジ56bは、装着口20aの開口縁より一回り大きい外縁形状に形成されており、枠状装飾体55を遊技盤20の前側から装着口20aへ装着した際に、該遊技盤20の前面に当接するようになる。フランジ56bには、前後に貫通した複数のネジ孔が形成されており、該ネジ孔を介してネジを遊技盤20に締結することで、枠状装飾体55が該遊技盤20に固定される。そして、枠壁56aの左上部に形成されたフランジ56bおよび右上部に形成されたフランジ56bには、
図2に示すように、パチンコ球の直径より大きい間隔(パチンコ球の直径以上でかつ直径の2倍以下)で枠壁56aから離間すると共に該枠壁56aに沿って延在する壁部56cが形成されており、該枠壁56aと壁部56cとの間に球通路56dが形成されている。
【0028】
(ステージ部58について)
前記ステージ部58は、
図15に示すように、枠部材60に取り付けられるステージ部材61により形成され、下枠部57において左右に延在している。このステージ部材61は、上下方向に湾曲すると共に左右方向へ細長い板状部材であり、その上面が、パチンコ球が転動する転動面61aを構成している。ステージ部材61は、全体として下方へ凸となる湾曲形状をなして左端および右端が最も高く、かつ左右中央部が上方へ突出している。そして、中央の突出部の左側部分および右側部分は、転動面61aが前方へ下方傾斜しており、転動面61aを左右に転動したパチンコ球が、前方へ移動して遊技領域21へ落下可能となっている。また、前記下枠部57の左部には、遊技領域21に開口すると共に前記ステージ部58の左部に連通する球取込み部62が設けられており、遊技領域21から該球取込み部62へ入ったパチンコ球が、ステージ部58へ案内されるようになっている。なお、球取込み部62は、前記カバー部材59に形成されている。
【0029】
前記ステージ部材61は、透明または半透明の合成樹脂部材から形成されており、透光性を有している。そして、
図13および
図15に示すように、ステージ部材61における転動面61aの裏面(下面)は、複数の凸状部が形成された光拡散面61bが形成されている。これにより、後述する発光基板70のLEDチップ70aが発光して、下方からステージ部材61に対して光が照射された際には、転動面61aの全体が均一的に明輝されるようになっている。なお、ステージ部材61は、前縁および後縁に、下方へ延出すると共に左右へ延在するリブ61cが形成されている(
図13)。また、ステージ部材61には、発光基板70を取り付ける基板保持部61dが設けられている(
図15)。
【0030】
(カバー部材59について)
前記カバー部材59は、
図4、
図13および
図15に示すように、枠部材60に取り付けた状態において、該枠部材60に取り付けた前記ステージ部材61を、後方、上方および下方の3方向から囲む形状に形成されている。すなわち、カバー部材59は、ステージ部58の後側に位置した縦壁部63と、該縦壁部63の上縁から前方へ延出した上壁部64と、該縦壁部63の下縁から前方へ延出した下壁部65とを備えている。縦壁部63は、ステージ部材61の後縁に当接した状態に配設され、転動面61aを移動するパチンコ球が、該ステージ部材61の後方へ落下するのを防止するようになっている。また、上壁部64は、ステージ部材61の転動面61aから上方へ離間した位置で、該ステージ部材61より前方まで延出しており、転動面61a上を転動する際に跳ね上がったパチンコ球を上方から当て受け可能となっている。また、下壁部65は、ステージ部材61から下方へ離間した位置で前方へ延出しており、該ステージ部材61の転動面61aの裏面(下面)との間に、第12電気配線(電気配線)141を挿通可能な隙間が画成されている(
図13参照)。ここで、カバー部材59は、透明が合成樹脂材から形成されており、縦壁部63の後方を透視可能となっている。
【0031】
前記下枠部57には、
図4および
図15に示すように、ステージ部58の左右中央部の後側部分から、前壁に形成された球出口66cに連通する球送出路66が形成されており、該ステージ部58の中央部から球送出路66へ落下したパチンコ球を、第1始動入賞装置30の上方へ案内し得るよう構成されている。この球送出路66は、カバー部材59の縦壁部63に上下に延在するように形成された縦送出部66aと、前記枠部材60に前後に延在するように形成されて前記縦送出部66aの下部に連通する横送出部66bで形成される。これにより、ステージ部58へ案内されたパチンコ球の一部は、球送出路66を介して遊技領域21における第1始動入賞装置30の上方へ案内される。
【0032】
(発光基板70について)
前記下枠部57には、
図15に示すように、発光基板70が配設されており、演出制御基板151(
図5参照)により発光制御されるようになっている。この発光基板70は、前記ステージ部材61に設けられた基板保持部61dに、複数のLEDチップ70aが実装された面を上方とした水平姿勢で配設されている。従って、発光基板70のLEDチップ70aが発光した際には、転動面61aを下方から照射して、該転動面61aを明輝させる。ここで、前記発光基板70に接続された第12電気配線141(
図5、
図13参照)は、ステージ部材61とカバー部材59の下壁部65との間を右方へ延出され、下枠部57の右部に形成された隙間を介してカバー部材59の外側へ引き出されるようになっている。
【0033】
(入賞装置設置部67について)
前記下枠部57には、
図4および
図15に示すように、前記第2始動入賞装置34を設置する入賞装置設置部67が設けられている。すなわち、下枠部57の右部に入賞装置設置部67が設けられており、第2始動入賞装置34を取り付けたベース部材68が、該入賞装置設置部67にネジにより固定されるようになっている。なお、始動入賞ソレノイド37は入賞装置設置部67に対して後側から取り付けられ、開閉部材36は、該入賞装置設置部67に対して前側から取り付けられる。
【0034】
また、下枠部57の前側には、
図2および
図15に示すように、複数(実施例では3つ)の装飾部材71,72,73が配設されている。各装飾部材71,72,73は、左右に並んで配設されている。ここで、中央に配設された装飾部材71は、ステージ部材61の左右長に匹敵する左右長の板状部材であり、前面が所要の意匠が施されていると共に非透光性に形成されており、前記発光基板70を視認不能に構成されている。また、正面左側に配設された装飾部材72は、所要の意匠形状に形成されていると共に非透光性に形成されており、カバー部材59に形成された前記球取込み部62の前側に位置して、該球取込み部62を視認不能に構成されている。更に、正面右側に配設された装飾部材73は、所要の意匠形状に形成されていると共に非透光性に構成されており、前記入賞装置設置部67の前側に位置して、第2始動入賞装置34を視認不能に構成されている。
【0035】
更に、前記カバー部材59の後側には、
図4および
図13〜
図16に示すように、配線案内部122が設けられている。この配線案内部122は、前記発光基板70に接続された第12電気配線141および前記第2始動入賞装置34に接続された第10および第11電気配線(電気配線)139,140を、内部に収容すると共に後方へ案内するものである。なお、配線案内部122の詳細については後述する。
【0036】
(設置部材90について)
前記設置部材90は、
図3および
図4に示す如く、遊技盤20の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の設置壁部91と、該設置壁部91の外周縁部から前方に突出する外周壁部92とを備えて、設置壁部91から前方に開口した箱状に形成されている。外周壁部92の前端には、該外周壁部92から外方へ延出する取付板部93が形成されている。そして、取付板部93を遊技盤20の後面に当接させた状態で、該取付板部93を遊技盤20にネジ止めすることで、設置部材90が該遊技盤20の後面に固定される。また、設置部材90における設置壁部91の前側には、遊技盤20の後面との間に空間が画成され、前記可動演出装置76,76、サブ表示装置106,107,108、装飾部材119等が配設される(
図2参照)。
【0037】
(設置壁部91について)
前記設置壁部91は、
図3および
図4に示すように、その後面に対してメイン表示装置105が着脱自在に取り付けられると共に、枠状装飾体55の演出窓口55aと前後に整列する位置に、略矩形状の表示開口(開口)94が前後に開口するよう開設されている。表示開口94には、設置壁部41の後面に取り付けたメイン表示装置105の表示部105aが後方から臨むようになり、表示開口94および演出窓口55aを介して該メイン表示装置105の表示部105aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。設置壁部91は、中央に開口する表示開口94の左方に位置する左板部91a、表示開口94の右方に位置する右板部91b、表示開口94の上方に位置する上板部91cおよび下方に位置する下板部91dから構成されている。上板部91cの前側は、上サブ表示装置106の設置部とされており、左板部91aの前側は、左サブ表示装置107の設置部とされているが配設されていると共に、右板部91bの前側は、右サブ表示装置108の設置部とされている。なお、上サブ表示装置106、左サブ表示装置107および右サブ表示装置108は、夫々の上板部91c、左板部91aおよび右板部91bの前側に位置する初期位置(
図2参照)と、表示開口94の前側となる移動位置(図示せず)の間を円弧状に移動可能に構成されている。そして、各サブ表示装置106,107,108は、夫々の移動位置において、その全体が演出窓口55aの領域内へ移動するようになる。
【0038】
(基板設置部について)
そして、前記設置部材90は、
図3および
図9に示すように、設置壁部91における下板部91dの後側に、後述する複数(実施例では4つ)の基板設置部95,96,97,98が設けられている。なお、以下の説明において、左側(
図9では右側)に位置する基板設置部を第1基板設置部95と指称し、中央に位置する基板設置部を第2基板設置部96と指称し、右側(
図9では左側)下方に位置する基板設置部を第3基板設置部97と指称すると共に、右側上方に位置する基板設置部を第4基板設置部98と指称する。第1基板設置部95には、配線接続部としての第1中継基板100が設置され、第2基板設置部96には、配線接続部としての第2中継基板101が設置される。第3基板設置部97には第3中継基板102が設置され、第4基板設置部98には第4中継基板103が設置される。また、下板部91dの後側には、該下板部91dから後方へ離間して板状の基板取付部材(図示せず)が取り付けられるようになっており、該基板取付部材には、前記メイン制御基板150が収容された基板ケースが取り付けられる。従って、基板設置部95,96,97,98に設置された第1〜第4中継基板100〜103は、基板取付部材により後方からカバーされるようになっている。
【0039】
(第1中継基板100について)
前記第1中継基板100は、
図5および
図9に示すように、前記演出制御基板151と、前記可動演出装置75,76および発光基板70等とを電気的に接続するプリント基板である。すなわち、第1中継基板100には、演出制御基板151からの第7電気配線136の端部に連結された配線コネクタが接続される基板コネクタ100aが配設されている。また、第1中継基板100には、可動演出装置75,76からの電気配線の端部に連結された配線コネクタが接続される基板コネクタ100bや、枠状装飾体55に配設された発光基板70からの第12電気配線141に端部に接続された配線コネクタや、その他の電気部品からの電気配線の配線コネクタが接続される基板コネクタ100bが設けられている。このような第1中継基板100は、前記第1基板設置部95に対し、係止片やネジにより固定される。
【0040】
(第2中継基板101について)
前記第2中継基板101は、
図5および
図9に示すように、メイン制御基板150と、該メイン制御基板150に対して信号の入出力が行われるセンサおよび該メイン制御基板150により制御される電気部品とを、電気的に接続するプリント基板である。すなわち、第2中継基板101には、メイン制御基板150からの第4電気配線133(
図5参照)の端部に連結された配線コネクタが接続される基板コネクタ101aが配設されている。また、第2中継基板101には、前記第1始動入賞装置30に配設された第1始動入賞検出センサ32からの電気配線が接続される基板コネクタ101b、第2始動入賞装置34に配設された始動入賞ソレノイド37からの電気配線(第10電気配線139)および第2始動入賞検出センサ38からの電気配線(第11電気配線140)が接続される基板コネクタ101bが設けられている。更に、第2中継基板101には、前記特別入賞装置40に配設された特別入賞検出センサ44からの電気配線が接続される基板コネクタ101b、前記ゲートセンサ47からの電気配線が接続される基板コネクタ101b、前記第1普通入賞部材48および第2普通入賞部材49に配設された普通入賞検出センサ49からの電気配線が接続される基板コネクタ101bが設けられている。また更に、第2中継基板101には、前枠12、遊技盤20および設置部材90等に配設された磁気センサ等の各種センサ(図示せず)からの電気配線の端部に連結された配線コネクタが接続される基板コネクタ101b等が配設されている。
【0041】
(第3中継基板102について)
前記第3中継基板102は、
図5に示すように、中枠12に設置された払出制御基板155と前記メイン制御基板150とを電気的に接続するプリント基板である。この第3中継基板102は、遊技盤20を中枠12の遊技盤保持部12aに取り付けることで、該中枠12の遊技盤保持部12aに臨む位置に配設された前記第1、第2中枠ドッキングコネクタ81,82に電気的に接続されるドッキングコネクタを備えている。実施例の第3中継基板102は、
図10に示すように、払出制御基板155の電源出力部に電気的に接続された前記第1中枠ドッキングコネクタ81に分離可能に接続される第1ドッキングコネクタ102aと、払出制御基板155の信号出力部に電気的に接続された前記第2中枠ドッキングコネクタ82に接続される第2ドッキングコネクタ102bとを備えている。また、第3中継基板102は、プリント回路により第1ドッキングコネクタ102aと電気的に接続されている基板コネクタ102cと、プリント回路により第2ドッキングコネクタ102bと電気的に接続されている基板コネクタ102dとを備えている。基板コネクタ102cは、メイン制御基板150の信号入力部に接続される第3電気配線132(
図5、
図10参照)が接続され、基板コネクタ102dは、メイン制御基板150の電源入力部に接続される第2電気配線131(
図5、
図10参照)が接続される。
【0042】
(第4中継基板103について)
第4中継基板103は、
図5に示すように、前記前枠13に配設された各種電気機器(ランプ装置17、スピーカ18)からの電気配線が接続される前枠中継基板157と前記演出制御基板151とを電気的に接続するプリント基板である。この第4中継基板103は、遊技盤20を中枠12の遊技盤保持部12aに取り付けることで、該中枠12の遊技盤保持部12aに臨む位置に配設された前記第3中枠ドッキングコネクタ83に分離可能に接続されるドッキングコネクタを備えている。実施例の第4中継基板103は、
図7、
図8および
図10に示すように、前枠13に配設された前枠中継基板157に電気的に接続された前記第3中枠ドッキングコネクタ83に分離可能に接続されるドッキングコネクタ(接続手段)103aと、プリント回路により該ドッキングコネクタ103aに電気的に接続されて、演出制御基板151からの第8電気配線137(
図5、
図10参照)が接続される基板コネクタ103bとを備えている。
【0043】
(メイン制御基板150について)
実施例のパチンコ機10の遊技を総合的に制御するメイン制御基板150は、
図5に示すように、制御動作を所定の手順で実行することができるメイン制御CPU150a、メイン制御CPU150aの制御プログラムを格納するメイン制御ROM150b、および必要なデータの書き込みおよび読み出しができるメイン制御RAM150cを備えている。メイン制御基板150は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をメイン制御RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、メイン制御基板150では、第1始動入賞装置30の前記第1始動入賞検出センサ32または第2始動入賞装置34の前記第2始動入賞検出センサ38から検出信号が入力されると、メイン制御CPU150aがメイン制御ROM150bから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数とメイン制御ROMに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。またメイン制御基板150では、大当り判定の結果が肯定の場合には、変動パターンテーブルから大当り演出用の変動パターンを決定する。これに対して、大当り判定の結果が否定の場合には、変動パターンテーブルからはずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り演出用およびはずれ演出用の変動パターンの決定は、大当り判定と同様に、メイン制御CPUがメイン制御ROMから取得した乱数により行う。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、メイン制御基板150の大当り判定の結果に応じて出力された演出制御基板151の制御信号に基づいて、表示制御基板152の表示制御CPU152aがメイン表示装置105に所定の演出表示を行わせると共に、メイン制御基板150の制御により出力された球払出しに係る制御信号に基づいて、図示しない球払出装置によって所定数の賞球が上球皿14へ払い出される。
【0044】
(演出制御基板151について)
前記演出制御基板151には、
図5に示すように、演出制御CPU151aを備えると共に、該演出制御CPU151aには、演出制御ROM151bおよび演出制御RAM151cが接続されている。また、演出制御CPU151aは、実行可否判定用乱数や動作演出パターン抽選用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM151cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、演出制御ROM151bには、メイン表示装置105の表示部105aおよび前記サブ表示装置106,107,108における演出内容を制御する表示制御基板152に制御信号を送信するプログラムや、前枠13等に配設されたランプ装置17を制御するランプ制御基板153(
図5参照)を制御するプログラムや、前枠13に配設されたスピーカ18を制御する音制御基板154を制御するプログラムが記憶されている。更に、演出制御ROM151bには、可動演出装置75,76およびその他の演出装置等を作動制御するプログラム等も記憶されている。
【0045】
(表示制御基板152について)
前記表示制御基板152には、
図5に示すように、表示制御CPU152aを備えると共に、該表示制御CPU152aには、表示制御ROM152bおよび表示制御RAM152cが接続されている。表示制御基板152は、演出制御基板151から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、メイン表示装置105に表示される図柄および背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御すると共に、各サブ表示装置106,107,108に表示される画像や映像等の表示内容を制御するよう構成される。
【0046】
ランプ制御基板153は、演出制御基板151から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える前記ランプ装置17の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。また、音制御基板154は、演出制御基板151から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える前記スピーカ18からの音楽や音声の出力タイミングや大きさ等を制御するものである。
【0047】
(メイン表示装置105について)
前記メイン表示装置105は、
図2〜
図4に示すように、各種図柄を表示可能な表示部105aをなす液晶パネルを収容ケースに収容したユニット部材である。メイン表示装置105は、設置部材90の設置壁部91の後側に設けられた表示装置設置部99に取り付けることで、表示部105aが、前記表示開口94に後方から整合して前方から視認可能となる。そして、メイン表示装置105の収容ケースの後面には、当該パチンコ機10の遊技演出を制御する前記演出制御基板151が収容された演出制御基板ケース158と、前記表示制御基板152が収容された表示制御基板ケース159とが取り付けられている。メイン表示装置105の表示部105aは、飾図を変動表示可能な図柄列が複数列(例えば3列)表示可能となっており、第1始動入賞装置30または第2始動入賞装置34へのパチンコ球の入賞を契機として、表示制御基板152の制御に基づいて各図柄列の飾図が変動開始されると共に背景画像等が表示され、選択された図柄変動演出(リーチ演出や外れ演出等)を行った後に、予め決定された最終停止図柄を、入賞ライン上に停止表示するようになっている。なお実施例では、メイン表示装置105として、表示部105aが液晶パネルである液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置も採用可能である。
【0048】
(パチンコ機10の電気系統について)
実施例のパチンコ機10は、
図5に示すように、外部の主幹電源(交流24V)に接続される電源基板156を備え、該電源基板156と前記払出制御基板155とが第1電気配線130により電気的に接続されている。電源基板156では、交流24Vの電気が供給されることで、24Vの交流電流および5V、12V、30V等の直流電流を生成して、第1電気配線130を介して払出制御基板155へ供給する。
【0049】
前記払出制御基板155は、外部端子板(図示せず)を介してホールコンピュータに電気的に接続されており、該ホールコンピュータとの間で各種データの入出力が行われる。また、払出制御基板155は、前記第3中継基板102、第2電気配線131および第3電気配線132を介して前記メイン制御基板150に電気的に接続されている。すなわち、払出制御基板155からメイン制御基板150に対して、第2電気配線131を介して各種電圧の直流電源が供給されると共に、第3電気配線132を介して各種信号が送受信される。また、払出制御基板155は、メイン制御基板150からの制御信号(制御コマンド)に基づいて、払出制御装置を作動制御する。更に、払出制御基板155は、打球発射装置を作動制御する発射制御基板や球貸し装置を制御する球貸し制御基板(図示せず)とも電気的に接続されている。
【0050】
前記メイン制御基板150は、
図5に示すように、前記第2中継基板101に対して第4電気配線133を介して電気的に接続されている。この第2中継基板101には、前記第1始動入賞装置30に配設された第1始動入賞検出センサ32からの電気配線と、第2始動入賞装置34に配設された第2始動入賞検出センサ38からの電気配線(第10電気配線139)および始動入賞ソレノイド37からの電気配線(第11電気配線140)とが、電気的に接続されている。また、第2中継基板101には、前記特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ49、ゲートセンサ47および各種検出センサ(振動センサ、磁気センサ等)等が電気配線を介して電気的に接続されている。従って、前記各種センサからの検出信号が、前記第2中継基板101および第4電気配線133を介してメイン制御基板150に入力される。
【0051】
前記演出制御基板151は、
図5に示すように、第5電気配線134を介して前記メイン制御基板150と電気的に接続されており、該メイン制御基板150から所定電圧の直流電流が供給されると共に、該メイン制御基板150から各種制御信号が入力される。この演出制御基板151は、前記メイン表示装置105および各サブ表示装置106,107,108を制御する表示制御基板152に対して、第6電気配線135を介して電気的に接続されており、該演出制御基板151から表示制御基板152に対して所定電圧の直流電流が供給されると共に、各種制御信号が送信されるようになっている。また、演出制御基板151は、前記第1中継基板100に対して、第7電気配線136を介して電気的に接続されている。この第1中継基板100には、前記設置部材90に配設されている可動演出装置75,76、発光基板(図示せず)およびその他の電気機器と、前記遊技盤20に配設されている電気機器、すなわち前記枠状装飾体55に配設されている前記発光基板70等が、電気配線により電気的に接続されている。従って、設置部材90に配設されている電気機器および遊技盤20に配設されている電気機器(第1、第2始動入賞装置30,34および特別入賞装置40は除く)は、演出制御基板151からの制御信号により作動制御される。
【0052】
また、前記演出制御基板151は、
図5に示すように、前記第4中継基板103に対して、第8電気配線137を介して電気的に接続されている。従って、演出制御基板151は、中枠12に配設されて第4中継基板103のドッキングコネクタ103aに接続される前記第3中枠ドッキングコネクタ83と、前枠13に配設されて該第3中枠ドッキングコネクタ83に対して第9電気配線138により接続される前枠中継基板157(
図5参照)とを介して、該前枠13に配設されたランプ装置17やスピーカ18等と電気的に接続されている。ここで、中枠12に配設された第3中枠ドッキングコネクタ83と前枠中継基板157とは、前枠13に配設された前枠端子板161を介して電気的に接続されている(
図5参照)。
【0053】
前記演出制御基板151には、メイン制御基板150からの各種信号が入力される信号入力ラインに接続された信号ライン保護用ダイオード160が配設されている(
図5参照)。この信号ライン保護用ダイオード160は、メイン制御基板150からの電気供給を行う前記第2電気配線131が接続される電源供給ラインに、定常電圧よりも高い電圧の電流が流れた場合に、信号ラインを保護するためのものである。
【0054】
(遊技盤20の着脱)
実施例のパチンコ機10は、前記中枠12の遊技盤保持部12aに対し、前記遊技盤20が着脱可能に取り付けられている。そして、パチンコ機10は、中枠12に配設された前記第1〜第3中枠ドッキングコネクタ81〜83や、遊技盤20の後側に取り付けられた設置部材90に配設された各ドッキングコネクタ102a,102b,103aとが規格化されており、同一規格で遊技内容が異なる別の遊技盤20に交換が可能となっている。ここで、遊技盤20を中枠12から取り外すことで、該遊技盤20側(設置部材90)に配設されている前記第3中継基板102の第1、第2ドッキングコネクタ102a,102bと、中枠12側の前記第1、第2中枠ドッキングコネクタ81,82との電気的な接続が解除される。また、遊技盤20側に配設されている前記第4中継基板103のドッキングコネクタ103aと、中枠12側の前記第3中枠ドッキングコネクタ83との電気的な接続も解除される。一方、遊技盤20を中枠12の遊技盤保持部12aに取り付ける際には、該遊技盤20側に配設されている第3中継基板102の第1、第2ドッキングコネクタ102a,102bと、中枠12側の第1、第2中枠ドッキングコネクタ81,82とが電気的に接続される。また、遊技盤20側に配設されている第4中継基板103のドッキングコネクタ103aと、中枠12側の第3中枠ドッキングコネクタ83とが電気的に接続される。
【0055】
そして、前記中枠12に対する遊技盤20の着脱に際して、前記第3中継基板102のドッキングコネクタ102a,102bと中枠12側の第1、第2中枠ドッキングコネクタ81,82とが電気的に接続または接続解除されると、払出制御基板155からメイン制御基板150への電源供給ラインおよび信号ラインが電気的に接続または接続解除されることになる。また、前記第4中継基板103のドッキングコネクタ103aと中枠12側の第3中枠ドッキングコネクタ83とが電気的に接続または接続解除されると、前記演出制御基板151と前記前枠中継基板157とが電気的に接続または接続解除されることになる。
【0056】
(遊技盤20の着脱に伴う活線挿脱について)
ここで、実施例のパチンコ機10は、外部電源から前記電源基板156に電源が供給されて、前記メイン制御基板150および演出制御基板151等の各基板に電気が供給されている状態(電源ON状態)において、前記中枠12に対する遊技盤20の着脱が可能となっている。このため、電源ON状態において、中枠12に対する遊技盤20の着脱作業が行われることがあり得る(「活線挿脱」とも云う)。このような電源ON状態において、中枠12に対して遊技盤20を取り付けた場合には、払出制御基板155とメイン制御基板150との接続と同時に突然通電され、演出制御基板151と前記前枠中継基板157との接続と同時に突然通電される。また、電源ON状態において、中枠12から遊技盤20を取り外した場合には、払出制御基板155とメイン制御基板150との接続解除と同時に通電が突然遮断され、演出制御基板151と前記前枠中継基板157との接続解除と同時に通電が突然遮断されてしまう。このように、前記中枠12に対する遊技盤20の着脱に際して前記活線挿脱が発生した場合には、演出制御基板151から前枠中継基板157への電気供給ライン162(
図8参照)に、定常状態よりも高い電圧(サージ電圧)が瞬発的にかかると共に、高電圧の電流(サージ電流)が瞬間的に流れることがある。このように、演出制御基板151から前枠中継基板157への電気供給ライン162にサージ電圧がかかった場合には、演出制御基板151に配設されたICまたはその他の基板部品(前記信号ライン保護用ダイオード160を含む)や、前枠中継基板157に配設された基板部品が、破損したり焼損するおそれがある。
【0057】
(定電圧ダイオード145について)
そこで、実施例のパチンコ機10では、前記演出制御基板(第1基板)151から前記前枠中継基板(第2基板)157への電気供給ライン162とアースライン163(
図8参照)との間に、定電圧ダイオード145が介装されている。この定電圧ダイオード145は、逆方向(電流が流れない方向)に電圧をかけて使用する所謂ツェナーダイオードであって、定常電圧より高い電圧の電流が印加された場合に、電流だけを増加させて電圧を所定の電圧に抑えて定電圧とする特性を有している。すなわち、定電圧ダイオード145は、電圧に対する耐性が強く、所定の降伏電圧(ツェナー電圧)が設定されており、この降伏電圧を上回る逆バイアスの電圧がかかった場合に、アバランシェ降伏現象(自由電子が電界で加速されて衝突電離を引き起こすことが繰り返し発生すると大電流が流れる現象)により、電圧を降伏電圧に安定化するようになっている。例えば、降伏電圧が5.0Vに設定された定電圧ダイオード145では、5.0V以上の逆バイアス電圧が印加された場合に、電圧を5.0Vに維持して電流を流すようになる。なお、定電圧ダイオード145の降伏電圧は、活線挿脱により演出制御基板151から前枠中継基板157への電源供給ライン162に瞬発するサージ電圧よりも充分低い値が選定される。
【0058】
実施例では、前記演出制御基板151から前枠中継基板157への5.0Vの前記電気供給ライン162とアースライン163との間に、降伏電圧が5.0Vに設定された定電圧ダイオード145が介装されている。ここで、定電圧ダイオード145は、カソード側が電源供給ライン162に接続されると共にアノード側がアースライン163に接続されている。従って、中枠12に対する遊技盤20の着脱時により活線挿脱が発生した場合には、前記定電圧ダイオード145を介装したことにより、当該電気供給ライン162では5.0Vよりも電圧が上昇しない。これにより、演出制御基板151に配設されたICや前記信号ライン保護用ダイオード160等の基板部品や、前枠中継基板157に実装された基板部品の破損または焼損を防止可能となっている。なお、実施例では、定電圧ダイオード145として、NPX Semiconductors N.V.社製のPTVS5V0P1UPが採用されている。但し、定電圧ダイオード145はこれに限らず、同等の性能を有するものであれば、様々な定電圧ダイオードを採用可能である。
【0059】
(定電圧ダイオードの配設位置について)
実施例では、
図7および
図8に示すように、前記演出制御基板151と前枠中継基板157とを電気的に接続する前記第4中継基板(中継基板)103に、定電圧ダイオード145を配設してある。すなわち、第4中継基板103において、演出制御基板151からの前記電源供給ライン162をなす電気供給配線164と、前記アースライン163をなすアース配線165との間に、該定電圧ダイオード145を介装してある。電源供給配線164は、電源供給ライン162に接続される前記基板コネクタ103bのB7端子とドッキングコネクタ103aの7B端子とを電気的に接続するプリント配線であり、アース配線165は、アースライン163に接続される基板コネクタ103bの2A端子および2B端子に接続するプリント配線である。これにより、前記中枠12に対する遊技盤20の着脱に伴う活線挿脱の発生時には、定電圧ダイオード145の降伏電圧(5.0V)と同じ定電圧(5.0V)の電流が電源供給ライン162に流れるようになり、該降伏電圧より高い電圧の電流は該電源供給ライン162に流れない。従って、前記演出制御基板151からの電源供給ライン162には、定電圧ダイオード145の降伏電圧(5.0V)以上の電圧の電流が流れないので、該演出制御基板151のICや基板部品が破損したり焼損することを防止し得る。
【0060】
また、前記定電圧ダイオード145は、
図7(b)に示すように、前記第4中継基板103において、前記ドッキングコネクタ103aおよび基板コネクタ103bが配設された表面(板面)103Aと反対の裏面(板面)103Bに、前記定電圧ダイオード145が配設されている。この裏面103Bは、前記電源供給配線164およびアース配線165を含むプリント回路が形成された面である。これにより、
図10に示すように、前記設置部材90の第4基板設置部98に第4中継基板103を設置した状態では、該第4中継基板103の表面103Aが設置部材90から後方へ露出する一方、該第4中継基板103の裏面103Bが設置部材90の設置壁部91(下板部91d)と対向するので、前記定電圧ダイオード145は設置部材90から後方へ露出していない。これにより、前記定電圧ダイオード145が、第4中継基板103の裏面103Bよりも突出した状態で該中継基板103に配設されていても、前記中枠12に対する遊技盤20の着脱作業に際して、定電圧ダイオード145が中枠12やその他の部材、部位と接触することがない。従って、定電圧ダイオード145が他部材と接触することによる該定電圧ダイオード145の物理的な破損を防止することが可能となっている。また、定電圧ダイオード145が他部材と接触した衝撃により、電源供給配線164との接続不良またはアース配線165との接続不良が発生することも防止し得る。
【0061】
本願発明者は、前記定電圧ダイオード145を、演出制御基板151から前枠中継基板157への電源供給ライン162とアースライン163との間に介装しない場合には、前記中枠12に対する遊技盤20の着脱に伴う活線挿脱が発生すると、前記演出制御基板151に配設された前記信号ライン保護用ダイオード160やその他の基板部品が破損する事象を確認していた。しかしながら、前記定電圧ダイオード145を、前記電源供給ライン162とアースライン163との間に介装した場合には、中枠12に対する遊技盤20の着脱に伴う活線挿脱が多数回発生しても、演出制御基板151に配設された前記信号ライン保護用ダイオード160やその他の基板部品が破損する事象が発生しないことを確認した。すなわち、電源供給ライン162とアースライン163との間に介装した定電圧ダイオード145が、中枠12に対する遊技盤20の着脱に伴う活線挿脱の発生時に、演出制御基板151に配設されたICや基板部品を保護することに有効に寄与することになる。
【0062】
(基板コネクタおよび配線コネクタの固定部について)
前記第1〜第4中継基板100〜103に配設された各基板コネクタ100a,100b,101a,101b,102a,102b,103a,103bは、接続される電線の本数に応じた複数の端子ピンが配列された矩形のボックス型端子である。そして、基板コネクタ100a〜103bおよび電気配線における電線の端部に連結された配線コネクタには、両コネクタの接続を固定する固定部110が設けられたものがある。ここでは、第3中継基板102に設けられた基板コネクタ102cと、該基板コネクタ102cに接続される前記第3電気配線132の端部に連結される配線コネクタ132aとを例示して、
図10および
図11を引用して説明する。
【0063】
図10および
図11に示すように、実施例の固定部110は、矩形状に形成された基板コネクタ102cの一辺に設けられた係止受部111と、第3電気配線132に連結された配線コネクタ132aに設けられた係止部112とで構成されている。この固定部110は、第3電気配線132の配線コネクタ132aが基板コネクタ102cに対して適切に差し込んで接続されると、該配線コネクタ132aを該基板コネクタ102cから外す方向において係止部112が係止受部111に係止するよう構成されている。これにより、配線コネクタ132aが基板コネクタ102cに接続されて係止部112が係止受部111に係止した状態では、当該配線コネクタ132aが基板コネクタ102cから外すことが不可能となる。
【0064】
また、前記配線コネクタ132aまたは基板コネクタ102cには、
図10および
図11に示すように、前記固定部110における係止部112と係止受部111との係止を解除する操作部が設けられている。実施例では、配線コネクタ132aに、操作部としての操作片113が、係止部112と一体をなすレバー状に形成されている。この操作片113は、配線コネクタ132aに連なった支点部を境として前記係止部112と反対側に延出している。そして、操作片113を配線コネクタ132aの外面に近接する方向へ押して、該操作片113が該配線コネクタ132a側へ変位することで、係止部112が係止受部111から離間する方向へ変位して該係止部112と係止受部111との係止が解除され、配線コネクタ132aを基板コネクタ102cから引き抜いて外すことが可能となる。
【0065】
(電気配線の配設態様について)
次に、実施例のパチンコ機10において、固定部110を備えた基板コネクタに接続する前記電気配線の特徴的な配設態様について、図面を引用して説明する。ここでは、前記第3中継基板102に設けられた基板コネクタ102c,102dと、該基板コネクタ102cに接続される前記第3電気配線132と、該基板コネクタ102dに接続される前記第2電気配線131とを例示して説明する。
【0066】
図10は、前記第3中継基板102の基板コネクタ102dに接続される電源用の前記第2電気配線131および該第3中継基板102の基板コネクタ102dに接続される信号用の前記第3電気配線132の配設態様とを示す説明図である。ここで、第3中継基板102は、横長の基板であり、
図10における基板左側に前記第1ドッキングコネクタ102aおよび第2ドッキングコネクタ102aが上下の関係で配置されていると共に、基板右側に前記信号用の基板コネクタ(第2コネクタ)102cおよび電源用の基板コネクタ(第2コネクタ)102dが左右の関係で配置されている。そして、信号用の基板コネクタ102cおよび電源用の基板コネクタ102dは、何れも長方形のボックス型端子であり、長手方向が左右となる向きで、第3中継基板102の板面から突出している。更に、信号用の基板コネクタ102cおよび電源用の基板コネクタ102dは、固定部110を構成する係止受部111が、第3基板設置部97に第3中継基板102を設置した状態において上方となる向きで該第3中継基板102に配設されている。
【0067】
そして、
図10および
図11に示すように、実施例では、基板コネクタ102cに接続する信号用の前記第3電気配線132における電線132bからなる本体は、該第3電気配線132の配線コネクタ(第1コネクタ)132aに設けられた前記操作片113を上から覆う状態で延在して、メイン制御基板150に向けて配設されている。同様に、基板コネクタ102dに接続する電源用の前記第2電気配線131における電線131bからなる本体は、該第2電気配線131の配線コネクタ(第1コネクタ)131aに設けられた前記操作片113を上から覆う状態で延在して、メイン制御基板150に向けて配設されている。ここで、信号用および電源用の各基板コネクタ102c,102dは、横長の長方形に形成されて係止受部111が上側に位置しており、各電気配線131,132の配線コネクタ131a,131bは、操作片113が上側に位置する向きで、該基板コネクタ102b,102bに接続される。従って、信号用の第3電気配線132の電線132bは、配線コネクタ132aから上方へ曲げて上方へ延在させることで、当該第3電気配線132の配線コネクタ132aに設けられた操作片113を覆うようになる。また、電源用の第2電気配線131の電線131bは、配線コネクタ131aから上方へ曲げて上方へ延在させることで、当該第2電気配線131の配線コネクタ131aに設けられた操作片113を覆うようになる。
【0068】
ここで、前記信号用の第3電気配線132における配線コネクタ132aの操作片113は、
図10に示すように、左右方向が幅寸法W1となる板状片である。一方、信号用の第3電気配線132の配線コネクタ132aは、複数(実施例では11個)の端子ピンが横一列に並ぶと共に2列に並んだ構成となっており、各端子ピンに電線132bが夫々接続されている。従って、信号用の第3電気配線132は、11個の端子ピンの配設幅と略同じかまたは僅かに狭い幅寸法W2で、電線132bが操作片113側へ曲げられるようになり、信号用の第3電気配線132の本体は、この幅寸法W2の幅で操作片113を覆うことになる。ここで、信号用の第3電気配線132における本体の幅寸法W2は、操作片113の幅寸法W1より大きく設定されている。
【0069】
また、前記電源用の第2電気配線131における配線コネクタ131aの操作片113は、
図10に示すように、左右方向が幅寸法W1となる板状片である。一方、電源用の第2電気配線131の配線コネクタ131aは、複数(実施例では11個)の端子ピンが横一列に並ぶと共に2列に並んだ構成となっており、各端子ピンに電線131bが夫々接続されている。従って、電源用の第2電気配線131は、11個の端子ピンの配設幅と略同じかまたは僅かに狭い幅寸法W2で、電線131bが操作片113側へ曲げられるようになり、電源用の第2電気配線131の本体は、この幅寸法W2の幅で操作片113を覆うことになる。ここで、電源用の第2電気配線131における本体の幅寸法W2は、操作片113の幅寸法W1より大きく設定されている。
【0070】
すなわち、実施例の第3中継基板102では、信号用の第3電気配線132の配線コネクタ132aに配設した操作片113を、当該第3電気配線132の本体で覆うよう構成したことで、操作片113の操作が該第3電気配線132の本体により規制されて、係止受部111と係止部112とのロックを解除することが困難となっている。従って、実施例の電気配線の配設態様によれば、信号用の第3電気配線132の配線コネクタ132aと第3中継基板102の信号用の基板コネクタ102cとの接続を解除する不正行為を行い難くなっている。同様に、電源用の第2電気配線131の配線コネクタ131aに配設した操作片113を、当該第2電気配線131の本体で覆うよう構成したことで、操作片113の操作が該第2電気配線131の本体により規制されて、係止受部111と係止部112とのロックを解除することが困難となる。従って、実施例の電気配線の配設態様によれば、電源用の第2電気配線131の配線コネクタ131aと第3中継基板102の電源用の基板コネクタ102dとの接続を解除する不正行為を行い難くなっている。特に、第3中継基板102の基板コネクタ102cに接続される信号用の第3電気配線132および基板コネクタ102dに接続される電源用の第2電気配線131は、何れも前記メイン制御基板150に接続される電気配線であり、当該パチンコ機10において特に重要な電気配線である。このように重要な第2電気配線131および第3電気配線132に対して、実施例の配線態様によれば、別途の不正規制部材を装着することなく操作片113の不正操作を抑制することが可能である。
【0071】
(配線支持片116について)
前記設置壁部91の下板部91dの後面には、
図10および
図11に示すように、前記第3電気配線132の電線132bを保持する配線支持片116が設けられている。この配線支持片116は、第3基板設置部97の上方に設けられており、実施例では、第3基板設置部97に設置した第3中継基板102に配設された第3基板コネクタ102cの略真上に離間した位置に設けられている。配線支持片116は、下板部91dの後面から後方へ立設され、L字形をなして側方および上下に開口すると共に弾性変形が可能となっており、第3電気配線132の電線132bを側方から挿入して支持することが可能となっている。従って、第3基板コネクタ102cに接続された第3電気配線132の電線132bは、該第3基板コネクタ102cの上方に向けて延出させることで、操作片113を覆った状態で配線支持片116に支持させることが可能である。
【0072】
(支持壁115について)
図10および
図11に示すように、前記第3基板設置部97の上縁に、支持壁(支持部)115が設けられている。この支持壁115は、前記第3基板設置部97に第3中継基板102を設置した状態において、前記信号用の基板コネクタ102cおよび電源用の基板コネクタ102dの近傍でかつ前記信号用の第3電気配線132および電源用の電気配線131の本体が延在する側に設けられている。そして、支持壁115は、前記第3基板設置部97に第3中継基板102を設置した状態において、信号用の基板コネクタ102cおよび電源用の基板コネクタ102dの高さ寸法よりも高い寸法に設定されている(
図11参照)。従って、支持壁115は、信号用の第3電気配線132の配線コネクタ132aおよび電源用の第2電気配線131の配線コネクタ131aよりも後方へ突出している。これにより、操作片113を上から(後方から)覆う状態で延在する該第3電気配線132の本体をなす電線132bおよび第2電気配線131の本体をなす電線131bを、支持壁115の先端で支持すると共に位置規制することが可能となっている。ここで、支持壁115による各電気配線131,132の本体の位置規制とは、該電気配線131,132が下板部91dの後面側へ移動することを規制することを意味する。
【0073】
そして、
図10および
図11に示すように、前記支持壁115が、前記信号用の基板コネクタ102cおよび電源用の基板コネクタ102dの上方に隣接して位置し、かつ操作片113よりも後方へ突出していることで、該支持壁115と各基板コネクタ102b,102bとの間に指先や器具を挿入し難くなっている。すなわち、操作片113,113に隣接して設けられている支持壁115の存在により該操作片113,113の操作が更に困難となり、操作片113を操作して第3電気配線132の配線コネクタ132aを配線コネクタ102cから外す不正行為や、操作片113を操作して電源用の第2電気配線131の配線コネクタ131aを配線コネクタ102dから外す不正行為を好適に規制可能となっている。
【0074】
(第2および第3電気配線の保持について)
実施例では、
図10および
図11に示すように、前記信号用の第3電気配線132および電源用の第2電気配線131と異なる電気配線が、該第3電気配線132および第2電気配線131と交差する方向へ延在している。すなわち、前記第4中継基板103の基板コネクタ103bに配線コネクタ137aが接続される第8電気配線137の電線137bが、第3中継基板102の上方に隣接する位置において設置壁部91の後側を左右方向へ延在して、前記演出制御基板151に接続されている。この第8電気配線137は、第3中継基板102から上方へ延在する信号用の第3電気配線132および電源用の第2電気配線131に対して、後側から近接する位置を左右方向に延在している。また、第8電気配線137は、前記配線支持片116に隣接した位置に設けられた別の配線支持片117に支持され、設置壁部91から離間する後方への移動が規制されている。従って、第8電気配線137は、信号用の第3電気配線132および電源用の第2電気配線131が、設置壁部91の下板部91dから離間する後方へ移動することを規制し得る。これにより、信号用の第3電気配線132の電線132bまたは電源用の第2電気配線131の電線131bを設置壁部91(下板部91d)から離間するように後方へ移動させて、該電気配線132,131の配線コネクタ132a,131aに配設された操作片113,113を操作することを規制可能となっている。
【0075】
(第1中継基板100における基板コネクタの配設態様について)
図12に示すように、前記第1中継基板(基板)100は、該基板100の一方に片寄って配設された基板コネクタ(第2コネクタ)100a,100bと、該基板100の前記一方と反対の他方に片寄って配設された基板コネクタ(第2コネクタ)100a,100bとは、反対となる外側に操作片113が位置する姿勢で該第1中継基板100に配設されている。すなわち、第1中継基板100は、矩形状の該基板100における上下方向の略中央において左右方向へ延在する境界ラインLを境として、該境界ラインLより上方に位置する基板コネクタ100a,100bは、固定部110および操作片113が上側に位置するように該第1中継基板100に配設されている。また、前記境界ラインLを境として、該境界ラインLより下方に位置する基板コネクタ100a,100bは、固定部110および操作片113が下側に位置するように該第1中継基板100に配設されている。
【0076】
従って、第1中継基板100では、前記第3中継基板102と同様に、固定部110および操作片113を覆うように電気配線の電線を配設することが可能である。この場合に、前記境界ラインLより上方に位置する各基板コネクタ(第2コネクタ)100a,100bに配線コネクタ(第1コネクタ)が接続された電気配線の電線は、上方へ曲げて延在するように配設する。また、境界ラインLより下方に位置する各基板コネクタ(第2コネクタ)100bに配線コネクタ(第1コネクタ)が接続された電気配線の電線は、下方へ曲げて延在するように配設する。これにより、第1中継基板100の上方に片寄って配設された基板コネクタ100a,100bに接続された電気配線の電線と、該基板100の下方に片寄って配設された基板コネクタ100a,100bに接続された電気配線の電線とが、上下の反対向きに分けて延在するようになるので、基板コネクタ100a,100bに接続された各電気配線が第1中継基板100上で重なって煩雑になったり嵩張ることを防止し得る。
【0077】
また、
図12に示すように、第1中継基板100の上方に片寄って配設されかつ、上下に隣接して位置する基板コネクタ100a,100bにおいては、下側に位置する基板コネクタ100bに接続された電気配線の電線が、上側に位置する基板コネクタ100a,100bを覆うように延出させ得る。従って、上側に位置する基板コネクタ100a,100bの固定部110および操作片113を、下側に位置する基板コネクタ100a,100bに接続された電気配線の電線でも覆うことが可能であり、配線コネクタを基板コネクタから取り外す不正行為をより一層困難にし得る。同様に、第1中継基板100の下方に片寄って配設されかつ、上下に隣接して位置する基板コネクタ100a,100bにおいては、上側に位置する基板コネクタ100bに接続された電気配線の電線が、下側に位置する基板コネクタ100bを覆うように延在させ得る。従って、下側に位置する基板コネクタ100bの固定部110および操作片113を、上側に位置する基板コネクタ100bに接続された電気配線の電線でも覆うことが可能であり、配線コネクタを基板コネクタから取り外す不正行為をより一層困難にし得る。
【0078】
(第2始動入賞装置34および発光基板70の電気配線の配設構造について)
実施例のパチンコ機10は、前述すると共に
図4および
図15に示すように、遊技盤20に配設した前記枠状装飾体55に、メイン制御基板150により作動制御される前記第2始動入賞装置34が配設されていると共に、演出制御基板151により発光制御される前記発光基板70が配設されている。これら第2始動入賞装置34および発光基板70は、何れも遊技盤20の中央に近い位置に配設されている。そこで、実施例のパチンコ機10では、前記第2始動入賞装置34からの第10電気配線139および第11電気配線140と、発光基板70からの第12電気配線141とを、設置部材90の後側へ延出させるための配線導通部120が設けられている。この配線導通部120は、
図13および
図14に示すように、前記設置部材90に設けられた配線導出部121と、前記枠状装飾体55に設けられた配線案内部122とから構成されている。すなわち、配線導通部120は、前記枠状装飾体55の後側から後方へ略直線状に延在するように設けられており、第2始動入賞装置34および発光基板70からの第10〜第12電気配線139,140,141を、設置部材90の後側へ直線状に配設し得るようになっている。
【0079】
(配線導出部121について)
前記配線導出部121は、
図13および
図14に示すように、設置部材90における前記表示開口94に隣接する位置において、該設置部材90の前後方向に開口するように開設されている。そして、配線導出部121は、設置部材90の設置壁部91において、表示開口94の開口縁に開口すると共に該設置壁部91の前後に開口している。実施例の配線導出部121は、設置壁部91において、矩形状に形成された表示開口94における下縁の右側に偏った位置に、上方および前後に開口した溝部である。ここで、配線導出部121の形成位置は、配線接続部である前記第2基板設置部96と第3基板設置部97との間の上方に位置している。従って、第2始動入賞装置34または発光基板70に接続されて後方へ延出する前記第10〜第12電気配線139,140,141が、表示開口94内から、電線を配線導出部121へ挿入することが可能となっている。そして、配線導出部121に挿入された各電気配線139,140,141は、設置部材90の後側において、第2基板設置部96に隣接した位置へ延出するようになる。そして、配線導出部121に挿入された第10〜第12電気配線139,140,141は、表示開口94の下縁よりも下方に位置するようになり、該表示開口94へはみ出さない。
【0080】
なお、実施例では、
図2および
図15に示すように、設置部材90の設置壁部91における下板部91dの前側に、表示開口94の下縁に臨む装飾部材119が設けられている。従って、この装飾部材119の上部には、前記配線導出部121の前側に対応する位置に、上方へ開口すると共に前後に開口する凹部119aが設けられている。すなわち、凹部119aは、配線導出部121と前後方向へ整列するように形成されている。従って、第10〜第12電気配線139,140,141の電線は、配線導出部121および凹部119aに挿入される。
【0081】
(配線案内部122について)
前記配線案内部122は、
図13〜
図16に示すように、前記枠状装飾体55の後面から前記配線導出部121へ向けて開口している。配線案内部122は、前記枠状装飾体55のカバー部材59における縦壁部63の後面から後方へ延出した筒状部である。配線案内部122の前後長は、カバー部材59の縦壁部63の後面と設置部材90の設置壁部91における下板部91dとの間の前後間隔に合わせて設定されている。実施例では、下板部91dの前側に前記装飾部材119が配設されているため、配線案内部122の前後長は、カバー部材59の縦壁部63の後面と装飾部材119の前面との間の前後間隔に合わせて設定される。ここで、実施例では、配線案内部122が、枠状装飾体55と別体に形成されて、該枠状装飾体55にネジ止めされるようになっている。なお、配線案内部122は、枠状装飾体55(カバー部材59)と一体に形成したものであってもよい。
【0082】
前記配線案内部122は、
図16に示すように、枠状装飾体55への取り付け前の状態では、前側および後側に開口する角筒状に形成されており、その上壁および左側壁には、枠状装飾体55にネジ止めするためのネジ(図示せず)が挿通する取付部123,123が形成されている。そして、配線案内部122は、カバー部材59の縦壁部63の後面に設けられた取付ボス63a,63aに対して前記取付部123,123をネジにより固定することで、前側開口が塞がれた状態で該カバー部材59に取り付けられる。なお、
図16(a)に示すように、カバー部材59の縦壁部63は、配線案内部122が取り付けられる部分に対応する領域に、磨りガラス状に処理された不透明部63bが設けられている。これにより、配線案内部122に挿通された前記第10〜第12電気配線139,140,141は、不透明部63bにより前側から透視不能に構成されている。
【0083】
前記配線案内部122は、
図16(a)および
図16(b)に示すように、その右側壁に、前後に延在すると共に、該右側壁の後端に開口するスリット124が形成されている。このスリット124は、枠状装飾体55のカバー部材59の後面に配線案内部122が取り付けられた状態において、該カバー部材59の右後方外側に引き出された前記第10〜第12電気配線139,140,141を、当該配線案内部122内へ収容するためのものである。ここで、前記スリット124は、
図13および
図16(a)に示すように、前後方向の中途位置において下方へ凸となる屈曲部を有しており、該屈曲部の前側部分が前方へいくにつれて上方傾斜していると共に、該屈曲部の後側部分が後方へいくにつれて上方傾斜している。すなわち、スリット124は、側面視において略V字状に延在している。これにより、配線案内部122内を前後方向へ直線状に延在するよう収容された前記第10〜第12電気配線139,140,141が、振動等により該スリット124を介して配線案内部122の外側へ抜け出ることを規制し得るようになっている。なお、スリット124の延在形状は、V字状に限らず、S字状に湾曲したり、ジグザグ状に折れ曲がって延在するよう形成されたものであってもよい。
【0084】
また、
図16(a)に示すように、配線案内部122の右側壁には、該右側壁の前縁に隣接すると共に、前記スリット124に連通する配線挿通口125が形成されている。この配線挿通口125は、スリット124よりも上下開口幅が大きく設定されており、該配線挿通口125とスリット124との境界部に段差が形成されている。これにより、スリット124を介して配線案内部122内へ収容した第10〜第12電気配線139,140,141は、該配線挿通口125に位置させることで、段差部によりスリット124側へ移動し難くなっている。
【0085】
また、
図13および
図16(b)に示すように、配線案内部122の後端部における下側部分は、下方にいくにつれて前方へ変位するよう傾斜した切り欠き部126が形成されている。これにより配線案内部122は、
図13に示すように、設置壁部91の下板部91d(装飾部材119)の前面に対して後端部の上側部分が近接した状態において、該下板部91d(装飾部材119)との間に隙間が形成されるようになっている。これにより、例えば、設置壁部91の下板部91dの前側に配設した電気部品からの電気配線を、隙間を介して配線導出部121へ通すことを可能とする。
【0086】
実施例の前記配線案内部122は、透明または半透明の合成樹脂から形成されて透光性を有しており、該配線案内部122の近傍に配設されている発光基板のLEDチップが発光した際に、その光を透過可能に構成されている。そして、配線案内部122の内壁面は、透過した光を拡散可能な光拡散面127となっている。実施例では、
図16(a)および
図16(b)に示すように、配線案内部122における電気配線の挿通方向(前後方向)へ延在する突状部が周方向へ複数並んで形成されており、光拡散面127は所謂波板状に形成されている。これにより、配線案内部122は、外側から照射されて壁部を透過した光が光拡散面127で拡散され、該壁部から外方へ反射させ得るように構成されている。なお、光拡散面127を形成する各突状部の外面は曲面に形成されている。従って、配線案内部122内に挿通した第10〜第12電気配線139,140,141が光拡散面127に接触した場合に、該電気配線139,140,141が突状部に引っ掛かり難いので、該第10〜第12電気配線139,140,141の外側被覆材が摩耗し難くなっている。
【0087】
従って、前記配線導通部120を備えた実施例のパチンコ機10は、遊技盤20の装着口20aに取り付けられた枠状装飾体55に配設した電気機器である第2始動入賞装置34からの第10電気配線139および第11電気配線140と、発光基板70からの第12電気配線141とを、設置部材90の設置壁部91に形成した表示開口94に隣接して設けられた配線導出部121を介して該設置部材90の後側へ延出させることができる。これにより、第2始動入賞装置34や発光基板70の電気配線139,140,141は、遊技盤20の後面に沿わせると共に設置部材90の外周壁部92および設置壁部91の外側を沿わせるように迂回して配設する場合と比べて、配設距離が大幅に短くなって該電気配線139,140,141が短くなっている。また、前記第10〜第12電気配線139,140,141は、遊技盤20と設置部材90とを組み付ける際に、表示開口94の内側から配線導出部121へ挿入するだけで設置部材90の後側へ延出するようになる。そして、枠状装飾体55の後側に配設した配線案内部122に各電気配線139,140,141を収容することで、枠状装飾体55と設置壁部91との間の空間に該電気配線139,140,141が露出しない。
【0088】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0089】
(枠状装飾体55の組み立て)
前記枠状装飾体55は、
図15に示すように、枠部材60に対して、後側からステージ部材61、カバー部材59、装飾部材71〜73等を取り付ける。このとき、カバー部材59を枠部材60に取り付ける前に、ステージ部材61の基板保持部61dに対して発光基板70を保持させる。そして、ステージ部材61を取り付けた枠部材60に対するカバー部材59の取り付け時に、発光基板70に接続された第12電気配線141を、右方(
図15では左方)へ延在させた状態でステージ部材61とカバー部材59の下壁部65との間の空間に収容すると共に、ステージ部材61の右端とカバー部材59の右端との間の隙間から外方へ延出させる。
【0090】
また、前記第2始動入賞装置34は、
図15に示すように、枠部材60に設けられた入賞装置設置部67に対して、始動入賞ソレノイド37を組み付けたベース部材68を後側から取り付けると共に、開閉部材36を前側から取り付ける。また、入賞装置設置部67に設けた開口に対して、第2始動入賞検出センサ38を取り付ける。そして、始動入賞ソレノイド37に接続された第10電気配線139および第2始動入賞検出センサ38に接続された第11電気配線140を、枠部材60の後方へ延出させる。
【0091】
(配線案内部122の取り付けおよび配線処理)
そして、カバー部材59の縦壁部63の後面に、配線導通部120を構成する配線案内部122を取り付ける。次いで、配線案内部122に形成されたスリット124を介して、前記第10〜第12電気配線139,140,141を、該配線案内部122内へ挿入する。そして、第10〜第12電気配線139,140,141は、配線案内部122に形成された配線挿通口125に電線を挿通させた状態で、該配線案内部122の後側開口から外方へ延出させる(
図14参照)。
【0092】
図14に示すように、前記各部材を組み付けた枠状装飾体55は、遊技盤20の装着口20aに対して、該遊技盤20の前側から組み付ける。これにより、枠状装飾体55に組み付けた前記配線案内部122は、該遊技盤20の後面から後方へ延出した状態となる。そして、各種機器、装置および部材を取り付けた遊技盤20に対して前記設置部材90を取り付けることで、該設置部材90の設置壁部91に設けられた配線導出部121の前側に、前記配線案内部122の後側開口が前側から対向するようになり、配線導通部120を構成する該配線導出部121および配線案内部122が前後方向に整列する(
図13)。
【0093】
(配線導通部120に関連する電気配線の配設処理)
前記遊技盤20に前記設置部材90を組み付ける際に、配線案内部122の後側開口から後方へ延出している前記第10〜第12電気配線139,140,141を、設置部材90の表示開口94内に引き込むと共に、該第10〜第12電気配線139,140,141の各電線を、該表示開口94内から前記配設導出部121へ挿入する。これにより、第10〜第12電気配線139,140,141は、第2基板設置部96と第3基板設置部97のと間の上方において、配線導出部121から設置壁部91の後方へ延出する。設置壁部91の後方へ延出した第10および第11電気配線139,140は、各電線が1つの配線コネクタ142に接続されており、前記第2中継基板101における所定の基板コネクタ101bに該配線コネクタ142を接続する。また、設置壁部91の後方へ延出した第12電気配線141は、電線の端部に配線コネクタ143が接続されており、前記第1中継基板100における所定の基板コネクタ100bに該配線コネクタ143を接続する(
図13参照)。
【0094】
従って、前記遊技盤20に取り付けられた枠状装飾体55に配設されている第2始動入賞装置34に接続された第10、第11電気配線139,140と、発光基板70に接続された第12電気配線141とを、設置部材90に形成した表示開口94に隣接して設けられた配線導出部121を介して該設置部材90の後側へ延出させて、該設置部材90の後側に配設された第1中継基板100または第2中継基板101に接続することができる。これにより、第2始動入賞装置34から第2中継基板101までの各電気配線139,140の配設距離が短くなるので、該電気配線139,140の電線の短縮化を図り得る。また、発光基板70から第1中継基板100までの第12電気配線141の配設距離も短くなるので、該第12電気配線141の電線の短縮化を図り得る。従って、第10〜第12電気配線139〜141の長さが短くなるので、材料費が削減されてコストを抑えることができると共に、電気配線の配設作業を簡単にすることができる。
【0095】
そして、設置部材90に設けられた配線導出部121は、表示開口94に開口すると共に前後に開口する溝部であるから、配線案内部122から後方へ延出した各電気配線139,140,141の電線を、該表示開口94側から該配線導出部121へ容易に挿入することができ、各電気配線139,140の配設作業が容易になると共に作業時間の短縮化も図り得る。また、枠状装飾体55の後側に取り付けられた配線案内部122は、設置部材90の設置壁部91に設けられた配線導出部121の前方まで延出するようになっているので、前記第10〜第12電気配線139,140,141が、遊技盤20の後側と設置壁部91の前側との間に画成された空間へ殆ど露出しない。これにより、各電気配線139,140,141が、前記空間内に配設された前記可動演出装置76やその他の部材と接触することが回避され、該電気配線139,140,141が切断したり損傷することを防止し得る。
【0096】
(第3中継基板102に関連する電気配線の配線処理)
図10および
図11に示すように、前記第3中継基板102の基板コネクタ102cに、メイン制御基板150の信号入出力部に接続される第3電気配線132の配線コネクタ132aを接続して、該第3電気配線132の本体を、上方へ曲げると共に上方へ延出させる。これにより、第3電気配線132は、前記支持壁115の先端に接触すると共に、配線コネクタ132aに設けられた操作片113を覆うようになる。また、第3中継基板102の基板コネクタ102dに、メイン制御基板150の電源入力部に接続される第2電気配線131の配線コネクタ131aを接続して、該第2電気配線131の本体を、上方へ曲げると共に上方へ延出させる。これにより、第2電気配線131は、前記支持壁115の先端に接触すると共に、配線コネクタ131aに設けられた操作片113を覆うようになる。また、第4中継基板103の基板コネクタ103bに接続される第8電気配線137を、前記第2電気配線131および第3電気配線132の後側を通して、該基板コネクタ103bに接続する。
【0097】
従って、第3中継基板102の基板コネクタ102cに接続した配線コネクタ132aに設けられた操作片113が、第3電気配線132の配線の本体により覆われるので、指先を操作片113に掛け難いので該操作片113の操作を行い難くなり、当該配線コネクタ132aを基板コネクタ102cから外すことが困難となる。同様に、第3中継基板102の基板コネクタ102dに接続した配線コネクタ131aに設けられた操作片113が、第2電気配線131の配線の本体により覆われるので、指先を操作片113に掛け難いので該操作片113の操作を行い難くなり、当該配線コネクタ131aを基板コネクタ102dから外すことが困難となる。従って、第2電気配線131の配線コネクタ131aと基板コネクタ102dとの接続を解除して、メイン制御基板150への電気供給を遮断する不正行為を困難にし得ると共に、第3電気配線132の配線コネクタ132aと基板コネクタ102cとの接続を解除して、メイン制御基板150に対する信号の入出力を遮断する不正行為を困難にし得る。すなわち、操作片113を操作して基板コネクタ102c,102dと配線コネクタ131a,132aとの接続を不正に解除するような事態を、追加のコストをかけることなく簡単に規制することが可能である。
【0098】
そして、第2電気配線131の本体の幅寸法W2は、該第2電気配線131に接続された配線コネクタ131aに設けられた操作片113の幅寸法W1より大きいので、該操作片113が第2電気配線131からはみ出ることなく覆われて、該操作片113に対する操作を更に困難にし得る。また、第3電気配線132の本体の幅寸法W2は、該第3電気配線132に接続された配線コネクタ132aに設けられた操作片113の幅寸法W1より大きいので、該操作片113が第3電気配線132からはみ出ることなく覆われて、該操作片113に対する操作を更に困難にし得る。
【0099】
また、基板コネクタ102cに接続された配線コネクタ132の操作片113および基板コネクタ102dに接続された配線コネクタ131の操作片113が、第3中継基板102が設置された第3基板設置部97の上方に隣接して設けられた支持壁115に隣接している。これにより、配線コネクタ132と支持壁115との間および配線コネクタ131と該支持壁115との間に指先や器具を入れ難くなるので、各操作片113,113の操作を更に困難にし得る。また更に、第2電気配線131および第3電気配線132の電線131b,132bは、前記第8電気配線137により設置壁部91から離間する後方への移動が困難に押さえられているので、各電気配線131,132の電線131b,132bを後方へ移動させて操作片113を操作することも困難にし得る。
【0100】
(中枠12に対する遊技盤20の着脱について)
実施例のパチンコ機10では、
図7および
図8に示すように、前記演出制御基板151から前記前枠中継基板157への電源供給ライン162とアースライン163との間に、定電圧ダイオード145を介装してある。従って、電源基板156に外部電源が供給された状態で中枠12に対する遊技盤20の着脱が行われて、設置部材90に配設された第3中継基板102のドッキングコネクタ102a,102bと中枠12側の第1、第2中枠ドッキングコネクタ81,82との活線挿脱や、第4中継基板103のドッキングコネクタ103aと中枠12側の第3中枠ドッキングコネクタ83との活線挿脱が発生した場合には、前記電源供給ライン162に、定常電圧よりも高い電圧の電流が流れることを前記定電圧ダイオード145により防止し得る。すなわち、中枠12に対する遊技盤20の着脱に伴う活線挿脱が発生した場合に、演出制御基板151から前枠中継基板157への電源供給ライン162に定常電圧よりも高い電圧の電流が流れないので、該演出制御基板151に配設されたICや電子部品の破損や焼損を防止し得る。また、前記前枠中継基板157に電気的に接続された前記ランプ装置17およびスピーカ18等の電気機器に対しても、定常電圧よりも高い電圧の電流が流れることが阻止されるので、該前枠中継基板157の基板部材の破損や電気機器の故障を防止し得る。
【0101】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、活線挿脱対策の定電圧ダイオードを、演出制御基板から前枠中継基板への電源供給ラインとアースラインとの間に介装した場合を例示したが、この定電圧ダイオードの配設位置はこれに限らない。すなわち、活線挿脱による保護対象の基板と該保護対象の基板と電気的に接続される基板を接続する電源供給ラインとアースラインとの間に、定電圧ダイオードを介装することで、当該保護対象の基板に配設された基板部品を好適に保護し得る。
(2)定電圧ダイオードの配設位置は、基板と基板とを電気的に接続する中継基板に限定されない。例えば、メイン制御基板における電源供給ラインとアースラインとの間、演出制御基板における電源供給ラインとアースラインとの間、表示制御基板における電源供給ラインとアースラインとの間、等に定電圧ダイオードを介装してもよい。また、基板と基板とを電気的に接続する電気配線(ハーネス)における電源供給電線とアース電線とに、定電圧ダイオードを接続するようにしてもよい。
(3)実施例では、降伏電圧が5.0Vの定電圧ダイオードを例示したが、採用される定電圧ダイオードはこれに限らない。すなわち、介装される電源供給ラインに印加される電圧に応じて、適切な降伏電圧の定電圧ダイオードが選択される。
(4)活線挿脱が発生する接続手段は、実施例で例示したドッキングコネクタに限らず、電気配線における電線の端部に接続された配線コネクタと、該配線コネクタが接続される基板コネクタとからなる接続手段も対象とされる。
(5)実施例では、固定部および操作部を備えた基板コネクタに配線コネクタを接続する電気配線として、第3中継基板の基板コネクタに接続される第2電気配線および第3電気配線の配線処理について説明したが、当該配線処理は、固定部および操作部を備えた基板コネクタに配線コネクタを接続する全ての電気配線において実施可能である。
(6)実施例では、遊技盤の後側へ延出した電気配線を配設する配線導通部を、設置部材における表示窓口に臨む位置に設けたが、該設置部材における該表示開口から離れた位置において設けてもよい。
(7)配線導出部は、表示窓口の下縁に限らず、該表示窓口の左側縁、右側縁または上縁に開口するように形成してもよい。
(8)設置部材の設置壁部に設けられる配線導出部は、前後に開口して電気配線が挿入可能な形状であればよく、凹状の溝部に限らず、上下および前後に開口したスリット形態や、前後にのみ開口する貫通口であってもよい。
(9)配線案内部は、筒状に構成されたものに限らず、上方や側方に開口した半樋状に形成されたものであってもよい。
(10)枠状装飾体の縦壁部に前後へ貫通する貫通口を形成して、配線案内部の前側開口を該貫通口に整合させた状態で、該配線案内部を枠状装飾体に取り付けることで、前記貫通口から配線案内部内へ電気配線を直接に挿入するようにしてもよい。
(11)配線案内部の取付位置は、遊技盤に取り付けられる枠状装飾体の後側に限らず、該遊技盤に取り付けられる別の部材の後側に設けたり、該遊技盤の後面に取り付けるようにしてもよい。
(12)実施例では、メイン制御基板と演出制御基板とで分けて各種制御を行うようにしたが、メイン制御基板で行う制御を演出制御基板で行うようにしたり、逆に演出制御基板が行う制御をメイン制御基板で行うようにしてもよい。すなわち、メイン制御基板と演出制御基板とを分けることなく1つの制御基板として、パチンコ機の全体を制御する構成を採用し得る。
(13)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、外部電源から電気が供給される各種基板を備えると共に、基板と電気的に接続される各種電気部品を備えたアレンジボール機やスロットマシン等であってもよい。