(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フォトレジスト組成物であって、
100モル%の全繰り返し単位に基づいて、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含む第1のポリマーであって、前記光酸発生繰り返し単位の各々が、アニオン、光酸発生カチオン、及び塩基溶解度向上官能基を含み、前記塩基溶解度向上官能基が、第3級カルボン酸エステル、第2級炭素が少なくとも1つの非置換または置換C
6−40アリールで置換されている第2級カルボン酸エステル、アセタール、ケタール、ラクトン、スルトン、アルファ−フッ素化エステル、ベータ−フッ素化エステル、アルファ,ベータ−フッ素化エステル、ポリアルキレングリコール、アルファ−フッ素化アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記第1のポリマーの前記光酸発生繰り返し単位の各々が独立して、構造
【化1】
を有し、式中、
R
3が、前記繰り返し単位の各々において独立して、H、F、−CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルであり、
nが、前記繰り返し単位の各々において独立して、0または1であり、
L
1及びL
3が各々、前記繰り返し単位の各々において独立して、非置換もしくは置換C
1−20ヒドロカルビレンであり、前記置換C
1−20ヒドロカルビレンが、任意に、−O−、−S−、−NR
4、−PR
4−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−N(R
4)C(O)−、−C(O)N(R
4)−、−OC(O)N(R
4)−、−N(R
4)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−N(R
4)S(O)
2−、−S(O)
2N(R
4)−、−OS(O)
2−、または−S(O)
2O−である、1つ以上の鎖内二価ヘテロ原子含有基を含んでもよく、式中、R
4が、HまたはC
1−12ヒドロカルビルであり、
L
2が、前記繰り返し単位の各々において独立して、−O−、−C(O)−、または−N(R
5)−であり、式中、R
5が、HまたはC
1−12ヒドロカルビルであり、
qが、各光酸発生繰り返し単位において独立して、0、1、2、3、4、または5であり、
rが、各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、0、1、2、3、または4であり、
R
1が、各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、ハロゲン、非置換もしくは置換C
1−40ヒドロカルビル、または非置換もしくは置換C
1−40ヒドロカルビレンであり、
mが、各光酸発生繰り返し単位において独立して、0または1であり、
Xが、各光酸発生繰り返し単位において独立して、一重結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(R
2)
2−、−C(R
2)(OH)−、−C(=O)O−、−C(=O)N(R
2)−、−C(=O)C(=O)−、−S(=O)−、または−S(=O)
2−であり、式中、R
2が、各出現時に独立して、水素またはC
1−12ヒドロカルビルである、第1のポリマーと、
酸の作用下でアルカリ現像液中での溶解度の変化を呈する、第2のポリマーと、を含む、前記フォトレジスト組成物。
フォトレジスト組成物であって、
100モル%の全繰り返し単位に基づいて、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含む第1のポリマーであって、前記光酸発生繰り返し単位の各々が、アニオン、光酸発生カチオン、及び塩基溶解度向上官能基を含み、前記塩基溶解度向上官能基が、第3級カルボン酸エステル、第2級炭素が少なくとも1つの非置換または置換C
6−40アリールで置換されている第2級カルボン酸エステル、アセタール、ケタール、ラクトン、スルトン、アルファ−フッ素化エステル、ベータ−フッ素化エステル、アルファ,ベータ−フッ素化エステル、ポリアルキレングリコール、アルファ−フッ素化アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、第1のポリマーと、
酸の作用下でアルカリ現像液中での溶解度の変化を呈する、第2のポリマーと、を含み、
前記第1のポリマーの前記光酸発生繰り返し単位の各々が、構造
【化2】
を有し、式中、
R
3が、前記光酸発生繰り返し単位の各々において独立して、水素またはメチルであり、
L
2が、前記光酸発生繰り返し単位の各々において−O−であり、
L
3が、前記光酸発生繰り返し単位の各々において独立して、非置換もしくは置換C
1−20ヒドロカルビレンであり、前記置換C
1−20ヒドロカルビレンが、任意に、−O−、−OC(O)−、または−C(O)O−である、1つ以上の鎖内二価ヘテロ原子含有基を含んでもよく、
qが、前記光酸発生繰り返し単位の各々において独立して、1、2、または3であり、
rが、前記光酸発生繰り返し単位の各々において各出現時に0であり、
R1が、各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、ハロゲン、非置換もしくは置換C1−40ヒドロカルビル、または非置換もしくは置換C1−40ヒドロカルビレンであり、
前記光酸発生繰り返し単位の各々における
、1つ、2つ、または3つのR1の中から選択される少なくとも1つ
のR1が、第3級カルボン酸エステル、アセタール、またはケタールを含み、
mが、前記光酸発生繰り返し単位の各々において、1であり、
Xが、前記光酸発生繰り返し単位の各々において、一重結合であり、
前記第2のポリマーが、10〜65モル%の酸不安定繰り返し単位、0〜50重量%の塩基不安定繰り返し単位、0〜40モル%の塩基可溶繰り返し単位、及び0〜15モル%の光酸発生繰り返し単位を含み、
前記フォトレジスト組成物が、乾燥重量に基づいて、
20〜80重量%の前記第1のポリマーと、
10〜60重量%の前記第2のポリマーと、
0.5〜10重量%のクエンチャーと、を含む、前記フォトレジスト組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明者らは、フォトレジスト組成物のフォトリソグラフィー性能が、少なくとも50モル%の繰り返し単位が光酸発生繰り返し単位である第1のポリマーと酸の作用下でアルカリ現像液中での溶解度の変化を呈する第2のポリマーの組み込みによって改善され得ることを決定している。第1のポリマーにおいて、光酸発生繰り返し単位の各々は、光酸発生官能基及び塩基溶解度向上官能基を含む。フォトリソグラフィー性能の改善は、限界寸法均一性の減少、クリア線量エネルギーの減少、及びコントラスト勾配の増大のうちの1つ以上として現れ得る。
【0008】
したがって、一実施形態は、100モル%の全繰り返し単位に基づいて、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含む第1のポリマーであって、光酸発生繰り返し単位の各々が、アニオン、光酸発生カチオン、及び塩基溶解度向上官能基を含み、アニオンまたは光酸発生カチオンのいずれかがポリマー結合され、塩基溶解度向上官能基が、第3級カルボン酸エステル、
第2級炭素が少なくとも1つの非置換または置換C6−40アリールで置換されている第2級カルボン酸エス
テル
、アセタール、ケタール、ラクトン、スルトン、アルファ−フッ素化エステル、ベータ−フッ素化エステル、アルファ,ベータ−フッ素化エステル、ポリアルキレングリコール、アルファ−フッ素化アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、光酸発生カチオンが、構造(I)
【化2】
を有し、式中、qが各光酸発生繰り返し単位において独立して、0、1、2、3、4、または5であり、rが各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、0、1、2、3、または4であり、R
1が各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、ハロゲン、非置換もしくは置換C
1−40ヒドロカルビル、または非置換もしくは置換C
1−40ヒドロカルビレンであり、mが各光酸発生繰り返し単位において独立して、0または1であり、Xが各光酸発生繰り返し単位において独立して、一重結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(R
2)
2−、−C(R
2)(OH)−、−C(=O)O−、−C(=O)N(R
2)−、−C(=O)C(=O)−、−S(=O)−、または−S(=O)
2−であり、式中、R
2が各出現時に独立して、水素またはC
1−12ヒドロカルビルであり、Z
−が遊離または一価モノアニオンである、第1のポリマーと、酸の作用下でアルカリ現像液中での溶解度の変化を呈する、第2のポリマーと、を含む、フォトレジスト組成物である。
【0009】
50〜100モル%の範囲内で、第1のポリマー中の光酸発生繰り返し単位の含有量は、60〜100モル%、具体的には70〜100モル%、より具体的には80〜100モル%、さらにより具体的には90〜100モル%、またより具体的には95〜100モル%であり得る。本明細書で使用されるとき、「繰り返し単位」という用語は、重合可能なモノマーの残基である二価の単位を指す。逆に、「繰り返し単位」は、一価の基、例えば、重合開始剤に由来する末端基を含まない。
【0010】
第1のポリマーの光酸発生繰り返し単位の各々は、アニオン、光酸発生カチオン、及び塩基溶解度向上官能基を含む。アニオン及び光酸発生カチオンの組み合わせは、構造(I)
【化3】
を有し、式中、qは各光酸発生繰り返し単位において独立して、0、1、2、3、4、または5であり、rは各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、0、1、2、3、または4であり、R
1は各光酸発生繰り返し単位において各出現時に独立して、ハロゲン、非置換もしくは置換C
1−40ヒドロカルビル、または非置換もしくは置換C
1−40ヒドロカルビレンであり、mは各光酸発生繰り返し単位において独立して、0または1であり、Xは各光酸発生繰り返し単位において独立して、一重結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(R
2)
2−、−C(R
2)(OH)−、−C(=O)O−、−C(=O)N(R
2)−、−C(=O)C(=O)−、−S(=O)−、または−S(=O)
2−であり、式中、R
2は各出現時に独立して、水素またはC
1−12ヒドロカルビルであり、Z
−は遊離または一価モノアニオンである。本明細書で使用されるとき、「ヒドロカルビル」という用語は、単独で使用されるか、または別の用語の接頭辞、接尾辞、または断片として使用されるかにかかわらず、それが具体的に「置換ヒドロカルビル」と特定されない限り、炭素及び水素のみを含有する残基を指す。ヒドロカルビル残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分岐状、飽和、または不飽和であり得る。それは、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分岐状、飽和、及び不飽和炭化水素基の組み合わせを含有することもできる。ヒドロカルビル残基が置換されると記載される場合、それは、炭素及び水素に加えてヘテロ原子を含有することができる。
【0011】
光酸発生カチオンがポリマー結合される場合、光酸発生カチオンは一価であり、Z
−は遊離モノアニオンである。逆に、Z
−がポリマー結合される場合、光酸発生カチオンは遊離カチオンであり、Z
−は一価モノアニオンである。
【0012】
アニオンZ
−は、スルホネート(−SO
3−)、スルホンアミデート(スルホンアミドのアニオン、−S(O)
2N
−R
3(式中、R
3がHまたは非置換もしくは置換C
1−12ヒドロカルビルである))、またはスルホンイミデート(スルホンイミドのアニオン、−S(O)
2N
−S(O)
2R
3(式中、R
3がHまたは非置換もしくは置換C
1−12ヒドロカルビルである))を含んでもよい。
【0013】
光酸発生官能基に加えて、第1のポリマーの各光酸発生繰り返し単位は、塩基溶解度向上官能基を含む。塩基溶解度向上官能基は、塩基溶解性である官能基(例えば、ポリアルキレングリコール、アルファ−フッ素化アルコール)、酸触媒脱保護後に塩基溶解性である官能基(例えば、第3級エステル、アセタール、ケタール、第2級カルボン酸エステルであって、この第2級炭素が少なくとも1つの非置換または置換C
6−40アリールで置換される)、及び塩基触媒脱保護後に塩基溶解性である官能基(例えば、フッ素化エステル、ラクトン、スルトン)を含む。塩基溶解度向上官能基の例として、第3級カルボン酸エステル、
第2級炭素が少なくとも1つの非置換もしくは置換C6−40アリールで置換されている第2級カルボン酸エステル
、アセタール、ケタール、ラクトン、スルトン、アルファ−フッ素化エステル、ベータ−フッ素化エステル、アルファ,ベータ−フッ素化エステル、ポリアルキレングリコール、アルファ−フッ素化アルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられ
る。いくつかの実施形態では、塩基溶解度向上官能基は、第3級カルボン酸エステル、アセタール、ケタール、ラクトン、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、塩基溶解度向上官能基は、第3級カルボン酸エステル、ラクトン、またはこれらの組み合わせである。塩基溶解度向上官能基は、アニオンまたは光酸発生カチオン中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、塩基溶解度向上官能基は、光酸発生カチオン中に存在する。
【0014】
第1のポリマーのいくつかの実施形態では、光酸発生繰り返し単位は、単一のモノマーに由来する。あるいは、光酸発生繰り返し単位は、少なくとも2つの異なるモノマーに由来してもよい。
【0015】
ポリマーは、100モル%の全繰り返し単位に基づいて、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含む。ポリマーが100モル%未満の光酸発生繰り返し単位を含む場合、他の繰り返し単位は、光酸発生官能基を含んでも含まなくてもよく、それらは、塩基溶解度向上官能基を含んでも含まなくてもよい。かかる他の繰り返し単位が由来し得るモノマーの例は、
【化4-1】
【化4-2】
であり、
式中、R
aの各出現は独立して、H、F、−CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルである。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のポリマーは、2,500〜10,000ダルトン、具体的には3,000〜7,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のポリマーの光酸発生官能基は、ポリマー結合アニオン及び非ポリマー結合カチオンを含む。例えば、いくつかの実施形態では、光酸発生繰り返し単位の各々は独立して、構造
【化5】
を有し、式中、R
3は繰り返し単位の各々において独立して、H、F、−CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルであり、nは繰り返し単位の各々において独立して、0または1であり、L
1及びL
3は各々、繰り返し単位の各々において独立して、非置換もしくは置換C
1−20ヒドロカルビレンであり、置換C
1−20ヒドロカルビレンは、任意に、−O−、−S−、−NR
4、−PR
4−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−N(R
4)C(O)−、−C(O)N(R
4)−、−OC(O)N(R
4)−、−N(R
4)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−N(R
4)S(O)
2−、−S(O)
2N(R
4)−、−OS(O)
2−、または−S(O)
2O−である、1つ以上の鎖内二価ヘテロ原子含有基を含んでもよく、式中、R
4はHまたはC
1−12ヒドロカルビルであり、L
2は繰り返し単位の各々において独立して、−O−、−C(O)−、または−N(R
5)−であり、式中、R
5はHまたはC
1−12ヒドロカルビルであり、q、r、R
1、m、及びXは、構造(I)について定義される。
【0018】
他の実施形態では、第1のポリマーの光酸発生官能基は、ポリマー結合カチオン及び非ポリマー結合アニオンを含む。例えば、いくつかの実施形態では、光酸発生繰り返し単位の各々において、R
1の1つの出現は、構造(II)または(III)に存在し(すなわち、R
1の1つの出現は、qまたはrの0ではない出現に関連する)、光酸発生カチオンをポリマーに共有結合し、構造
【化6】
を有し、式中、R
3は繰り返し単位の各々において独立して、H、F、−CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルであり、L
4は繰り返し単位の各々において独立して、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、−C(O)O−、−C(O)C(O)−、または−C(O)N(R
5)−であり、式中、R
5はHまたはC
1−12ヒドロカルビルであり、pは繰り返し単位の各々において独立して、0または1であり、L
5は繰り返し単位の各々において独立して、非置換または置換C
1−20ヒドロカルビレンであり、置換C
1−20ヒドロカルビレンは、任意に、−O−、−S−、−NR
4、−PR
4−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−N(R
4)C(O)−、−C(O)N(R
4)−、−OC(O)N(R
4)−、−N(R
4)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−N(R
4)S(O)
2−、−S(O)
2N(R
4)−、−OS(O)
2−、または−S(O)
2O−である、1つ以上の鎖内二価ヘテロ原子含有基を含んでもよく、式中、R
4は、HまたはC
1−12ヒドロカルビルである。
【0019】
特定の実施形態では、第1のポリマーは、5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのホモポリマー、5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートのホモポリマー、5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのホモポリマー、5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートと5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートのコポリマー、5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートと5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む。
【0020】
第1のポリマーに加えて、フォトレジスト組成物は、第2のポリマーを含む。第2のポリマーは、酸の作用下でアルカリ現像液中での溶解度の変化を呈する。アルカリ現像液は、例えば、0.26標準TMAH水溶液であり得る。酸は、フォトレジスト組成物中の光酸発生官能基の活性化放射線への露光により発生し得る。光酸発生官能基は、光酸発生繰り返し単位中に、第2のポリマー中に、または非ポリマー結合光酸発生剤中に存在し得る。第2のポリマーの溶解度の変化は、光発生酸の第2のポリマー中の酸不安定官能基との反応のためであり得る。例えば、第2のポリマーは、第3級カルボン酸エステル、
第2級炭素が少なくとも1つの非置換もしくは置換C6−40アリールで置換されている第2級カルボン酸エステル、
アセタール、ケタール、またはこれらの組み合わせ
を含んでもよい。第2のポリマーの溶解度のさらなる変化は、第2のポリマー官能基のアルカリ現像液中の塩基でのイオン化またはそれとの反応のためであり得る。例えば、第2のポリマー中の第3級カルボン酸エステルは、酸と反応してカルボン酸及び第3級アルコールを形成することができ、カルボン酸は、塩基と反応してカルボキシレートアニオンを形成することができる。
【0021】
特定の実施形態では、第2のポリマーは、1〜70モル%の酸不安定繰り返し単位、0〜60モル%の塩基不安定繰り返し単位、0〜60モル%の塩基可溶繰り返し単位、及び0〜50モル%の光酸発生繰り返し単位を含み、第2のポリマー中の酸不安定繰り返し単位、塩基不安定繰り返し単位、塩基可溶繰り返し単位、及び光酸発生繰り返し単位の合計は、100モル%である。
【0022】
より特定の実施形態では、第2のポリマーは、10〜65モル%の酸不安定繰り返し単位、0〜50重量%の塩基不安定繰り返し単位、0〜40モル%の塩基可溶繰り返し単位、及び1〜15モル%、具体的には2〜10モル%の光酸発生繰り返し単位を含む。
【0023】
第1のポリマー及び第2のポリマーに加えて、フォトレジスト組成物は、任意に、さらに、光破壊可能
クエンチャー、光速度及び/もしくは酸拡散を調節するためのアミンもしくはアミド添加剤、溶媒、界面活性剤、またはこれらの組み合わせを含む。
【0024】
フォトレジスト組成物は、アミンまたはアミド化合物を含んでもよい。これらの化合物は、「
クエンチャー」と呼ばれることもあるが、光破壊可能
クエンチャーとは化学的にはっきり異なる。アミンまたはアミド化合物は、C
1−30有機アミン、イミン、もしくはアミドを含むか、または強塩基(例えば、ヒドロキシドまたはアルコキシド)もしくは弱塩基(例えば、カルボキシレート)のC
1−30第4級アンモニウム塩であり得る。アミンまたはアミド化合物の例として、アミン、例えば、トレーガー塩基;ヒンダードアミン、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)及びジアザビシクロノネン(DBN);N−保護アミン、例えば、N−t−ブチルカルボニル−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルアミン;ならびにイオン性化合物、例えば、第4級アルキルアンモニウム塩、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)及びテトラブチルアンモニウムラクテートが挙げられる。
【0025】
光破壊可能
クエンチャーの例として、トリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリフェニルスルホニウム3−ヒドロキシアダマンタンカルボキシレート、トリフェニルスルホニウムカンフルスルホネート、及びt−ブチルフェニルジベンゾチオフェニウム1−アダマンタンカルボキシレートが挙げられる。
【0026】
成分の溶解、分配、及びコーティングに一般に好適な溶媒は、アニソール;エステル、例えば、乳酸エチル、メチル2−ヒドロキシブチレート(HBM)、n−ブチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、PGMEAとも呼ばれる)、メトキシエチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、及びガンマ−ブチロラクトン;アルコール、例えば、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールメチルエーテル、PGMEとも呼ばれる)及び1−エトキシ−2プロパノール;ケトン、例えば、シクロヘキサノン及び2−ヘプタノン;ならびにこれらの組み合わせを含む。
【0027】
界面活性剤は、フッ素化及び非フッ素化界面活性剤を含み、好ましくは非イオン性である。フッ素化非イオン性界面活性剤の例として、ペルフルオロC
4界面活性剤、例えば、3M Corporationから入手可能なFC−4430及びFC−4432界面活性剤;ならびにフルオロジオール、例えば、OmnovaのPOLYFOX(商標)PF−636、PF−6320、PF−656、及びPF−6520フルオロ界面活性剤が挙げられる。
【0028】
フォトレジスト組成物の極めて特定の実施形態では、第1のポリマーの光酸発生繰り返し単位の各々は、構造
【化7】
を有し、式中、R
3は光酸発生繰り返し単位の各々において独立して、水素またはメチルであり、L
2は光酸発生繰り返し単位の各々において−O−であり、L
3は光酸発生繰り返し単位の各々において独立して、非置換または置換C
1−20ヒドロカルビレンであり、置換C
1−20ヒドロカルビレンは、任意に、−O−、−OC(O)−、または−C(O)O−である1つ以上の鎖内二価ヘテロ原子含有基を含んでもよく、qは光酸発生繰り返し単位の各々において独立して、1、2、3、4、または5であり、rは光酸発生繰り返し単位の各々において各出現時に0であり、光酸発生繰り返し単位の各々におけるR
1の少なくとも1つの出現は第3級カルボン酸エステル、アセタール、またはケタールを含み、mは光酸発生繰り返し単位の各々において1であり、Xは光酸発生繰り返し単位の各々において一重結合であり、第2のポリマーは、10〜65モル%の酸不安定繰り返し単位、0〜50重量%の塩基不安定繰り返し単位、0〜40モル%の塩基可溶繰り返し単位、及び0〜15モル%の光酸発生繰り返し単位を含み、フォトレジスト組成物は、乾燥重量に基づいて、20〜80重量%の第1のポリマー、10〜60重量%の第2のポリマー、及び0.5〜10重量%の
クエンチャーを含む。
【0029】
フォトレジスト組成物を使用して、フォトレジストを含むフィルムを形成することができ、基材上のフィルムは、コーティングされた基材を構成する。かかるコーティングされた基材は、(a)基材であって、その表面上にパターン化される1つ以上の層を有する基材、及び(b)パターン化される1つ以上の層上にフォトレジスト組成物の層を含む。好ましくは、パターン化は、248nm未満、具体的には193nmまたは13.4nmの波長の紫外線照射を用いて行われる。電子デバイスを形成する方法は、(a)基材上にフォトレジスト組成物の層を適用することと、(b)フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン様式で露光することと、(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフ像を提供することとを含む。いくつかの実施形態では、放射線は、紫外線(UV)、超紫外線(EUV)、または電子ビーム(eビーム)放射線である。
【0030】
パターンの現像は、いずれかのポジティブトーン現像(PTD)により達成することができ、パターン−様式で露光された領域は、水性塩基現像液、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液の作用により除去される。ポジティブトーン現像液の例は、0.26標準TMAH水溶液である。あるいは、同じパターン−様式の露光は、有機溶媒現像液を用いて現像されて、ネガティブトーン現像(NTD)を提供することができ、パターンの非露光領域は、ネガティブトーン現像液の作用により除去される。ネガティブトーン現像に有用な溶媒は、溶解、分配、及びコーティングにも有用な溶媒を含む。ネガティブトーン現像液の溶媒の例として、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチル2−ヒドロキシイソブチレート(HBM)、n−ブチルアセテート、メトキシエチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、及びガンマ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。したがって、パターンを作成する方法は、フォトレジスト組成物層を化学放射線にパターン様式で露光することと、パターンを、水性アルカリ性現像液での処理により現像してポジティブトーンレリーフ像を形成するか、または有機溶媒現像液での処理により現像してネガティブトーンレリーフ像を形成することとを含む。
【0031】
基材は、任意の寸法及び形状であってよく、好ましくはフォトリソグラフィーに有用な基材、例えば、シリコン、二酸化シリコン、シリコンオンインシュレーター(SOI)、歪みシリコン、ヒ化ガリウム;コーティングした基材、例えば、窒化シリコン、酸窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタルでコーティングした基材;極薄ゲート酸化膜、例えば、酸化ハフニウム;金属または金属コーティングした基材、例えば、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、これらの合金でコーティングした基材;及びこれらの組み合わせである。本明細書中の基材の表面は、例えば、半導体製造のための基材上の1つ以上のゲートレベル層または他の限界寸法層を含む、パターン化される限界寸法層を含んでもよい。基材は、例えば、直径200ミリメートル、300ミリメートル以上などの寸法、またはウエハ製作に有用な他の寸法を有する円形ウエハとして形成してもよい。
【0032】
本発明は、以下の非限定的な実施例によりさらに例示される。
【0033】
実施例1
図1は、5−(3,5−ジメチル−4−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム((1S,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネートの調製のための合成スキームである。
【0034】
5−(3,5−ジメチル−4−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム((1S,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート。5−(3,5−ジメチル−4−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム((1S,4S)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネートクロリド(19.4g、35.6mmol)及びカンフルスルホネートナトリウム(9.52g、37.4mmol)を、ジクロロメタン(200mL)及び水(200mL)中に溶解し、室温で一晩撹拌した。層を分離し、有機相を水(6×150mL)で洗浄し、濃縮した。粗固体を最小量のジクロロメタン中に溶解し、メチルtert−ブチルエーテル(500mL)中に沈殿させ、濾過し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(19.0g、72%)を得た。
1H NMR(500MHz,(CD
3)
2CO)δ:8.52(d,J=7.8Hz,2H),8.33(d,J=7.8Hz,2H),7.97(dt,J=8.4,0.9Hz,2H),7.76(dt,J=8.1,0.9Hz,2H),7.32(s,2H),4.56(s,2H),2.86(d,J=17.7Hz,1H),2.72(t,J=7.5Hz,1H),2.35(d,J=17.7Hz,1H),2.22(s,6H),2.13〜2.28(m,2H),1.44〜1.97(m,26H),1.26(d,J=9Hz,1H)。
【0035】
実施例2
図2は、2−(2−メトキシエトキシ)エチル4−トシレートの調製のための合成スキームである。
【0036】
2−(2−メトキシエトキシ)エチル4−トシレート。水(350mL)中の水酸化ナトリウム(62g、1.55mol)をテトラヒドロフラン(350mL)中の2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(110g、912mmol)に激しく撹拌しながら0℃で一度に慎重に添加し、5分間撹拌した。次いで、テトラヒドロフラン(350mL)中の塩化トシル(209g、1.09mol)を10分間にわたって添加し、室温まで温め、4時間撹拌した。反応混合物を水(350mL)で希釈し、メチルtert−ブチルエーテル(2×700mL)で抽出した。合わせた有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液(2×500mL)、水(3×500mL)で洗浄し、スルホン酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、透明な油として表題化合物(221g、88%)を得た。
1H NMR(500MHz,(CD
3)
2CO)δ:7.81(d,J=8.0Hz,2H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),4.14〜4.19(m,2H),3.63〜3.68(m,2H),3.49〜3.53(m,2H),3.39〜3.44(m,2H),3.26(s,3H),3.47(s,3H)。
【0037】
実施例3
図3は、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−1,3−ジメチルベンゼンの調製のための合成スキームである。
【0038】
2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−1,3−ジメチルベンゼン。ジメチルホルムアミド(200mL)をナトリウムヒドリド(油中の60重量%としての18g、450mmol)に添加した。次に、ジメチルホルムアミド(100mL)中の2,6−ジメチルフェノール(50g、409mmol)を滴加し、50℃まで加熱し、ここで、ジメチルホルムアミド(200mL)中の2−(2−メトキシエトキシ)エチル4−トシレート(113g、413mmol)を滴加し、一晩撹拌した。反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル(1L)で希釈し、水(1L)で洗浄した。水層をメチルtert−ブチルエーテル(500mL)で戻し抽出し、合わせた有機物を1M水酸化カリウム(3×300mL)、塩酸(1重量%、2×500mL)、水(2×500mL)、塩水(1×250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、透明な油として表題化合物(90.5g、90%)を得た。
1H NMR(300MHz,(CD
3)
2CO)δ:6.99(d,J=7.8Hz,2H),6.88(t,J=7.8Hz,1H),3.90〜3.94(m,2H),3.75〜3.80(m,2H),3.64〜3.68(m,2H),3.50〜3.54(m,2H),3.31(s,3H),2.26(s,6H)。
【0039】
実施例4
図4は、5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−ジベンゾチオフェン−5−イウムヨージドの調製のための合成スキームである。
【0040】
5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−ジベンゾチオフェン−5−イウムヨージド。イートン試薬(60mL)を、0℃のジクロロメタン(60mL)中の酸化ジベンゾチオフェン(20.0g、0.1mol)及び2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−1,3−ジメチルベンゼン(24.7g、0.11mol)の溶液に添加し、室温まで温め、一晩撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、水(300mL)の添加により緩徐に反応停止処理し、メチルtert−ブチルエーテル(2×250mL)で洗浄した。有機層を捨て、水(100mL)中のヨウ化ナトリウム(30g、0.200mmol)を激しく撹拌しながら水層に添加した。沈殿物を濾過し、大量の水で洗浄し、最小量のアセトン中に懸濁し、室温で1時間撹拌し、濾過して、灰白色の固体として表題化合物(30.2g、57%)を得た。
1H NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:8.52(d,J=8.0Hz,2H),8.33(d,J=8.0Hz,2H),7.96(t,J=7.5Hz,2H),7.75(d,J=7.5Hz,2H),7.31(s,2H),3.94(vist,J=5.5Hz,2H),3.67(vist,J=5.0Hz,2H),3.55(vist,6.0Hz,2H),3.42(vist,J=4.5Hz,2H),3.21(s,3H),2.20(s,6H)。
【0041】
実施例5
図5は、5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの調製のための合成スキームである。
【0042】
5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート。5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−ジベンゾチオフェン−5−イウムヨージド(13.0g、24.3mmol)及びトリエチルアンモニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(8.22g、24.8mmol)を、ジクロロメタン(150mL)及び水(150mL)中に溶解し、室温で一晩撹拌した。層を分離し、有機層を水(8×150mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、白色の吸湿性固体として表題化合物(15.1g、97%)を得て、これを不活性窒素雰囲気下で保管した。
1H NMR(500MHz,(CD
3)
2CO)δ:8.52(d,J=8.0Hz,2H),8.38(d,J=8.5Hz,2H),8.00(t,J=7.5Hz,2H),7.80(t,J=8.0Hz,2H),7.51(s,2H),6.13〜6.16(m,1H),5.67〜5.69(m,1H),4.77t,J=15.5Hz,2H),4.02〜4.05(m,2H0,3.73〜3.77(m,2H),3.58〜3.62(m,2H),3.44〜3.49(m,2H),3.25(s,3H),2.26(s,6H),1.13(s,3H)。
【0043】
実施例6
図6は、5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの調製のための合成スキームである。
【0044】
5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート。5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウムクロリド(37.8g、47.4mmol及びN,N,N−トリメチル−1−フェニルメタンアミニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(18.9g、49.8mmol)を、DCM(250mL)及び水(250mL)中に溶解し、25℃で一晩撹拌した。層を分離し、水相をジクロロメタン(100mL)で抽出し、合わせた有機層を水(8×200mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、灰白色の固体として表題化合物(36.0、77%)を得た。
1H NMR(500MHz,(CD
3)
2CO)δ:(8.52〜8.56(m,2H),8.37(d,J=8Hz,1H),8.31(d,J=8.5Hz,1H),7.99〜8.06(m,2H),7.78〜7.85(m,3H),7.63(dd,J=9,1.5Hz,1H),7.31(d,J=9Hz,1H),6.16〜6.19(m,1H),5.64〜6.69(m,1H),5.62(s,2h),4.72〜4.79(m,2H),4.50〜4.65(m,2H),4.42〜4.47(m,1H),3.96(s,3H),2.99〜3.07(m,1H),2.63〜2.70(m,1H),2.10〜2.30(m,4H),(1.42〜2.09(m,31H)。
【0045】
実施例7
図7は、5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートの調製のための合成スキームである。
【0046】
5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネート。5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウムクロリド(40.0g、50.2mmol)及びN,N,N−トリメチル−1−フェニルメタンアミニウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネート(23.0g、52.6mmol)を、ジクロロメタン(300mL)及び水(300mL)中に溶解し、室温で一晩撹拌した。層を分離し、有機相を水(7×250mL)で洗浄し、濃縮して、白色の固体として表題化合物(43.4g、83%)を得た。
1H NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:8.52(d,J=7.8Hz,2H),8.31(d,J=8.1Hz,1H),8.26(d,J=8.1Hz,1H),7.97(t,J=7.8Hz,2H),7.75(t,J=7.8Hz,2H),7.71(d,J=2.4Hz,1H),7.35(dd,J=9.0,2.4Hz,1H),7.22(d,J=9.0Hz,1H),6.12〜6.17(m,1H),5.76〜5.82(m,1H),4.87(s,2H),4.63(t,J=15.6Hz,2H),4.59(s,2H),4.35(t,J=7.5Hz,1H),3.82(s,3H),2.92〜3.10(m,2H),2.56〜2.68(m,1H),1.35〜2.25(m,36H)。
【0047】
実施例8
図8は、5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの調製のための合成スキームである。
【0048】
5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート。5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウムクロリド(40.0g、59.2mmol)及びN,N,N−トリメチル−1−フェニルメタンアミニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(23.6g、62.2mmol)を、ジクロロメタン(300mL)及び水(300mL)中に溶解し、室温で一晩撹拌した。層を分離し、有機相を水(7×250mL)で洗浄し、半分の体積まで濃縮し、メチルtert−ブチルエーテル(1.5L)中に沈殿させた。沈殿物を濾過し、メチルtert−ブチルエーテル(2×500mL)で洗浄し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(39.1g、76%)を得た。
1H NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:8.53(d,J=7.8Hz,2H),8.34(d,J=8.1Hz,2H),8.27(d,J=7.8Hz,2H),7.97(t,J=7.5Hz,2H),7.75(dt,J=7.8,2.7Hz,1H),7.68(d,J=1.8Hz,1H),7.38(dd,J=9.0,2.1Hz,1H),7.23(d,J=9.0Hz,1H),6.12(viss,1H),5.77(viss,1H),4.64(t,J=15.6Hz,2H),4.60(s,2H),4.25(d,J=7.2Hz,1H),4.05〜4.21(m,2H),3.82(s,3H),3.36〜3.51(m,2H),2.14〜2.20(m,1H),1.38〜2.04(m,17H)。
【0049】
実施例9
概して、ポリマー分子量を、開始剤末端基とPAG単位の炭素のうちの1個との統合により2秒間の緩和遅延で動作するVarian300Megahertz NMR分光計で得られた
13C NMRスペクトルから決定した。
【0050】
図9は、5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのホモポリマーの調製のための合成スキームである。
【0051】
5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのホモポリマー。5−(4−メトキシ−3−(4−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−((2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−ジベンゾチオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(10.0g、10.2mmol)を、乳酸エチル/ガンマ−ブチロラクトン(3/7 v/v、15.0g)中に溶解した。開始剤2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)(1.00g)を、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v、1.00g)中に溶解した。モノマー及び開始剤溶液を、80℃まで予熱したフラスコに4時間にわたって滴加し、続いて開始剤を追加した。反応混合物を2時間撹拌し、室温まで冷却し、メタノール(17g)で希釈し、ジイソプロピルエーテル(800g)中に沈殿させた。ポリマーを濾過し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(8.00g、80%、重量平均分子量3972)を得た。
【0052】
実施例10
図10は、5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートのホモポリマーの調製のための合成スキームである。
【0053】
5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートのホモポリマー。5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネート(1.00g、0.953mmol)を、乳酸エチル/ガンマ−ブチロラクトン(3/7 v/v、1.50g)中に溶解した。2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)(0.150g)を、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v、0.150g)中に溶解した。モノマー及び開始剤溶液を、75℃まで予熱したフラスコに滴加し、8時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、アセトン(0.900g)で希釈し、アセトン/ジイソプロピルエーテル(1:1 25.0g)由来の粘着性固体として沈殿し、上清を移し、アセトン(2.40g)及びメタノール(0.500g)中に再溶解し、ジイソプロピルエーテル(20×反応体積)中に沈殿させた。ポリマーを濾過し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(0.550g、55%、重量平均分子量3,000ダルトン)を得た。
【0054】
実施例11
図11は、5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのホモポリマーの調製のための合成スキームである。
【0055】
5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのホモポリマー。5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(15.0g、17.3mmol)を、乳酸エチル/ガンマ−ブチロラクトン(3/7 v/v、60.0g)中に溶解した。2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)(2.25g)を、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v、2.25g)中に溶解した。モノマー及び開始剤溶液を、90℃まで予熱したフラスコに4時間にわたって滴加した。反応混合物を室温まで冷却し、テトラヒドロフラン(10×反応体積)及びアセトン(5×反応体積)で希釈し、ジイソプロピルエーテル(2000g)中に沈殿させた。ポリマーを濾過し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(7.96g、53%、重量平均分子量3,476ダルトン)を得た。
【0056】
実施例12
図12は、5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートと5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートのコポリマーの調製のための合成スキームである。
【0057】
5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートと5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネートのコポリマー。5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(3.00g、8.25mmol)及び5−(4−メトキシ−3−(4−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−1−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(2−(メタクリロイルオキシ)アセトキシ)エタンスルホネート(7.00g、6.67mmol)を、乳酸エチル/ガンマ−ブチロラクトン(3/7 v/v、15.0g)中に溶解した。2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)(1.50g)を、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v、1.50g)中に溶解した。モノマー及び開始剤溶液を、75℃まで予熱したフラスコに4時間にわたって滴加した。反応混合物を室温まで冷却し、メタノール/ジイソプロピルエーテル(1:1、20×反応体積)由来の粘着性固体として沈殿し、アセトン(20.0mL)及びメタノール(0.300g)中に再溶解し、ジイソプロピルエーテル/メタノール(19:1 v/v、2,000mL)から再沈殿させ、濾過し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(6.00g、60%、重量平均分子量2,500)を得た。
【0058】
実施例13
図13は、5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートと5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのコポリマーの調製のための合成スキームである。
【0059】
5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートと5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートのコポリマー。5−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(4.50g、12.4mmol)及び5−(4−メトキシ−3−(2−(2−(((1R,3S,5r,7r)−2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソ−1−(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(10.5g、12.1mmol)を、乳酸エチル/ガンマ−ブチロラクトン(3/7 v/v、60.0g)中に溶解した。2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)(2.25g)を、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v、2.25g)中に溶解した。モノマー及び開始剤溶液を、75℃まで予熱したフラスコに4時間にわたって滴加した。反応混合物を室温まで冷却し、テトラヒドロフラン(5×反応体積)及びアセトン(5×反応体積)で希釈し、ジイソプロピルエーテル(20×反応体積)から沈殿させ、濾過し、乾燥させて、白色の固体として表題化合物(11.0g、73%、重量平均分子量2,700ダルトン)を得た。
【0060】
実施例14
酸発生剤単位を有するテトラポリマーの調製。ヒール溶液を、2−フェニルプロパン−2−イルメタクリレート(0.39g)、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート(0.33g)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(0.57g)、及び5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(0.31g)を12.81gの乳酸エチル/ガンマ−ブチロラクトン(7/3 v/v)中に溶解することにより作製した。供給溶液を、2−フェニルプロパン−2−イルメタクリレート(185.54g、0.967mol)、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート(204.27g、1.26mol)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(127.98g,0.29mol)、及び5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(81.5g、0.132mol)を606gの乳酸エチル:ガンマ−ブチロラクトン(30/70 v/v)中に溶解することにより調製した。開始剤溶液を、65.96gの開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))を66gのアセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v)中に溶解することにより調製した。重合を、水凝縮器及びフラスコ中の反応を監視するための温度計を装着した2Lの3首丸底フラスコ中で行った。内容物を、オーバーヘッド撹拌器を用いて撹拌した。反応器にヒール溶液を充填し、内容物を75℃まで加熱した。供給溶液及び開始剤溶液を、シリンジポンプを用いて4時間にわたって反応器に供給した。次いで、内容物をさらに2時間撹拌し、これにより、反応を、ヒドロキノン(2.0g)を用いて反応停止処理した。内容物を室温まで冷却し、10×(重量)ジイソプロピルエーテル/メタノール95/5(w/w)から2回沈殿させた。得られたポリマーを50℃で24時間の各沈殿ステップ後に真空下で乾燥させて、5,200ダルトンの重量平均分子量、1.5の分散性、ならびに36.0モル%、47.5モル%、11.0モル%、及び5.5モル%の各モノマーのモノマー組成を有する500gのポリマーを得た。
【0061】
実施例15
酸発生剤単位を有するテトラポリマーの調製。5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの代わりに、等モルの5−フェニル−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートを使用したことを除いては、実施例14のプロセスを繰り返した。得られたポリマーは、6,300ダルトンの重量平均分子量、1.4の分散性、ならびに36.5モル%、47.5モル%、12.0モル%、及び5モル%のそれぞれのモノマー含有量を有した。
【0062】
実施例16
酸発生剤単位を有するテトラポリマー(TBPPDBTS−F2)の調製。5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの代わりに、等モルの5−(4−(tert−ブチル)フェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェン−5−イウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートを使用したことを除いては、実施例14のプロセスを繰り返した。得られたポリマーは、5,200ダルトンの重量平均分子量、1.6の分散性、ならびに34モル%、51モル%、9モル%、及び6モル%のそれぞれのモノマー含有量を有した。
【0063】
実施例17
酸発生剤単位を有するテトラポリマーの調製。5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの代わりに、等モル量の実施例9のモノマーを使用したことを除いては、実施例14のプロセスを繰り返した。得られたポリマーは、5,200ダルトンの重量平均分子量、1.5の分散性、ならびに38モル%、46モル%、10モル%、及び6モル%のそれぞれのモノマー含有量を有した。
【0064】
実施例18
酸発生剤単位を有しないターポリマーの調製。ヒール溶液を、2−フェニルプロパン−2−イルメタクリレート(1.94g)、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート(1.7g)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(2.81g)を72gの乳酸エチル:ガンマ−ブチロラクトン(30/70 v/v)中に溶解することにより作製した。供給溶液を、2−フェニルプロパン−2−イルメタクリレート(33.08g)、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート(35.97g)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(23.91g)を94gの乳酸エチル:ガンマ−ブチロラクトン(30/70 v/v)中に溶解することにより調製した。開始剤溶液を、11gの開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))を11gのアセトニトリル/テトラヒドロフラン(2/1 v/v)中に溶解することにより調製した。重合を、水凝縮器及びフラスコ中の反応を監視するための温度計を装着した2Lの3首丸底フラスコ中で行った。内容物を、オーバーヘッド撹拌器を用いて撹拌した。反応器にヒール溶液を充填し、内容物を75℃まで加熱した。供給溶液及び開始剤溶液を、シリンジポンプを用いて4時間にわたって反応器に供給した。次いで、内容物をさらに2時間撹拌し、その後、反応を、ヒドロキノン(1.0g)を用いて反応停止処理した。内容物を室温まで冷却し、10×(重量)イソプロピルエーテル/メタノール95/5(w/w)から2回沈殿させた。得られたポリマーを50℃で24時間の各沈殿ステップ後に真空下で乾燥させて、5,000ダルトンの重量平均分子量、1.5の分散性、ならびに43モル%、46モル%、及び11モル%のそれぞれのモノマー含有量を有する100gのポリマーを得た。
【0065】
実施例19
フォトレジスト組成物の調製及び処理。フォトレジスト組成物の調製で使用した非ポリマー光酸発生剤及び光破壊可能
クエンチャー(集合的に「添加剤」)を表1に要約する。フォトレジスト組成物を表2に要約する。実施例19のポジティブ−トーンフォトレジスト組成物を、成分1、乳酸エチル中の実施例17のポリマーの5.33gの10重量%溶液;成分2、乳酸エチル中の添加剤A−1の10.373gの2重量%溶液;成分3、乳酸エチル中のテトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの0.320gの0.5重量%溶液;成分4、乳酸エチル中の添加剤A−2の0.356gの2重量%溶液;成分5、乳酸エチル中のフッ素化界面活性剤(Omnova PF656)の0.107gの0.5重量%溶液;成分6、4.737gの乳酸エチル;及び成分7、8.775gの2−ヒドロキシイソブチル酸メチルエステルを合わせることにより調製した。調合したレジストを0.01マイクロメートル(μm)のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタに通した。このようにして調製したレジストを、シリコンウエハ上にスピンコートし、ソフトベークして、担体溶媒を除去し、フォトマスクを通してEUV放射線に露光した。次いで、画像化されたレジスト層を110℃で60秒間ベークし、その後、水性アルカリ性組成物で現像した。
【0067】
以下の表2について、成分1〜7は、実施例19における記述に対応する。成分量を括弧内にグラム単位で表す。
【0069】
限界寸法均一性。限界寸法均一性(CDU)は、全て最良露光/最良焦点で取られた、各視界(FOV)につき36個のコンタクトホールを測定する10個のFOVに対して計算された3Sigma(3標準偏差)である。各データ点は、変動及びノイズを消去するために、各リソグラフィースロットで実行される標準EUVフォトレジストに事前に正規化されている。表3及び4に提示される結果は、最低の(最良の)CDU値が、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーを有する発明実施例26及び27フォトレジストにより示されることを示す。これらの発明実施例は、50モル%未満の光酸発生繰り返し単位を有するポリマーを有し、非ポリマー結合光酸発生剤を有するか、または有しない比較実施例よりも性能が優れていた。表3及び4において、実施例26及び27のCDUを1に正規化し、「◇」で指定する。この実施例よりも性能が0〜15%劣っている比較実施例を「●」で指定し、この実施例よりも性能が15〜35%劣っている比較実施例を「■」で指定し、この実施例よりも性能が35%超劣っている比較実施例を「□」で指定する。表3において、「ポリPAG」は、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーを指し、「ポリマー結合PAG」は、50モル%未満の量の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーを指し、「遊離PAG」は、非ポリマー結合光酸発生剤を指す。
【0072】
コンタクトホール露光寛容度。露光寛容度%(EL%)を、1:1ハーフピッチで30nmのコンタクトホールについて100nmの焦点深度(DoF)に限定した10%限界寸法(CD)境界を有する、線量及び焦点(FEM)を通してCDデータから計算した。表5に提示される結果は、最大の(最良の)露光寛容度が、50モル%未満の光酸発生繰り返し単位を有するポリマーと組み合わせた50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーを含有する発明実施例26により示されることを示す。この発明実施例は、50モル%未満の光酸発生繰り返し単位を有するポリマー及び非−ポリマー結合光酸発生剤を有する比較実施例よりも性能が優れていた。表5において、実施例26の露光寛容度を1に正規化し、「◇」で指定する。この実施例よりも性能が0〜10%劣っている比較実施例を「●」で指定し、この実施例よりも性能が10〜20%劣っている比較実施例を「■」で指定し、この実施例よりも性能が20%超劣っている比較実施例を「□」で指定する。
【0074】
線幅粗度。LWR値を、800ボルト(V)の加速電圧、8.0ピコアンペア(pA)のプローブ電流で動作し、1.0デジタルズームで200Kx倍率を用いて、フレーム数を64に設定した、Hitachi 9380 CD−SEMを用いたトップダウン走査電子顕微鏡(SEM)により決定した。LWRを40nmのステップで2μmの線の長さにわたって測定し、測定した領域の平均LWRとして報告した。表6に提示される結果は、最低の(最良の)LWR値が発明実施例28及び29により示されることを示す。表6において、実施例28及び29のLWRは、比較実施例よりも顕著な改善を示す。LWRが20〜40%改善したものを「■」で指定し、LWRが40%を超えて改善したものを「□」で指定する。発明実施例28のフォトレジストは、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーの形態の光酸発生剤、及び50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーを含有する。発明実施例29のフォトレジスト組成物は、50〜100モル%の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーの形態の光酸発生剤を含有する。比較実施例30のフォトレジスト組成物は、50モル%未満の光酸発生繰り返し単位を含むポリマーの形態の光酸発生剤を含有する。比較実施例23、24、及び25のフォトレジスト組成物は、遊離光酸発生剤の形態の光酸発生剤を含有する。
【0076】
線及び空間露光寛容度。露光寛容度%(EL%)値を、1:1のハーフピッチで25nmの線及び空間について100nmの焦点深度(DoF)に限定した10%限界寸法(CD)境界を有する、線量及び焦点(FEM)を通してCDデータから計算した。表7に提示される結果は、最大の(最良の)露光寛容度が発明実施例28により示されることを示す。改善された性能を「◇」で印付け、同様の性能を「●」で指定し、劣った性能を
で印付ける。