(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0014】
以下の実施形態に係る遊技機は、特に限定されず、例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)が用いられるパチンコ遊技機であっても良いし、或いは、遊技媒体としてメダルが用いられる回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)であっても良い。
ただし、以下では、本実施形態に係る遊技機がパチンコ遊技機である場合を例に説明する。
【0015】
本発明に係る遊技機は、一以上の電子基板を備えており、同一の電子基板または異なる電子基板に設けられている第一コネクタと第二コネクタとが電気的に接続されている。このとき、第一コネクタに含まれる少なくとも一つの端子である第一端子が、第二コネクタが設けられている電子基板に形成されている定電位源またはグランドの少なくとも一方に抵抗を介して接続されていることを特徴とする。
これにより、使用しない空き端子(第一端子)に印加される電圧レベルを固定化することができるので、遊技機の動作不良を防ぐことができる。また、空き端子が生じたとしても、容易に当該空き端子の終端処理が可能であり、かつ当該空き端子を有する電子基板の共通化を図ることができる。
以下、本発明を実現する実施形態に即して、具体的に本発明を説明する。
【0016】
〔第1の実施形態〕
図1は遊技機10の正面図、
図2は遊技機10の遊技盤50を示す正面図である。
なお、以下の説明において、前、後、左、右、上、下などの方向は、特に断りのない限り、遊技機10を正面側(遊技者側)から見たときの方向を指すものとする。
【0017】
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、多数の遊技釘(図示略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射して遊技を行うように構成されており、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られるようになっている。
【0018】
図1に示すように、遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15に設けられた中枠(図示せず)であって遊技盤50を着脱可能に保持している中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うように構成された前枠12と、を備える。
【0019】
前枠12は、その左側部がヒンジ機構21により中枠に対して回動可能に軸支されることにより、中枠に対して開閉可能となっている。前枠12は、シリンダ錠23により施錠及び解錠が可能となっている。
前枠12は、遊技領域50aの前面側を覆うように配置された透明部材25を備えている。透明部材25は、遊技領域50aおよび遊技盤50を、前方から透視可能な状態で保護している。
前枠12は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を一体的に備えている。上球受け皿27と下球受け皿29とは、互いに上下に離間して配置されている。
前枠12は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備えている。操作ハンドル31が回動操作されることによって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0020】
前枠12の上枠部32の左側と右側には、一対のスピーカ33(33a、33b)の一方ずつが配設されている。前枠12の上枠部32と左右側枠部34、36は、それぞれ光透過性のカバーにより形成されており、それらの内部には照明装置35(35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して、音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠12は、上球受け皿27の前方に配設されたボタン37を備えている。ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替える、または遊技機10に関わる種々の情報を遊技者が得たりするために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0021】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口し、該底面口から遊技球を流下させて取り出すことが可能となる。
【0022】
本実施形態における演出表示装置80は、メイン表示装置81とサブ表示装置82とを含んでいる。
メイン表示装置81またはサブ表示装置82としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容することにより構成された液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
【0023】
メイン表示装置81は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側および右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、メイン表示装置81には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄が上下方向あるいは左右方向にスクロールすることにより、演出図柄がメイン表示装置81の表示領域に変動表示される。
【0024】
サブ表示装置82は、メイン表示装置81の上部に配設されている。サブ表示装置82に表示される表示演出は、メイン表示装置81に表示される演出図柄の変動表示とは異なる態様であることが多く、メイン表示装置81とサブ表示装置82の両方の表示演出が互いに相乗的に効果を奏し、遊技者の興趣が高められる。
【0025】
図柄表示装置90は、例えば、メイン表示装置81の右下側など、メイン表示装置81と比べて遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域の面積は、例えば、メイン表示装置81の表示領域の面積と比べて小さく設定されている。
図柄表示装置90には、複数の発光表示素子が配列されている。この発光表示素子は、例えば、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示装置90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示すようになっている。図柄表示装置90は、例えば、特別図柄表示装置91と普通図柄表示装置92とを含んでいる。
【0026】
特別図柄表示装置91は、複数個(例えば16個)のLEDの発光パターンにより特別図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。より詳細に言えば、本実施形態の特別図柄表示装置91は、第1特図表示制御部1151(後述)によって制御される第1特別図柄表示装置91aと、第2特図表示制御部1152(後述)によって制御される第2特別図柄表示装置91bと、を含んでいる。例えば、第1特別図柄表示装置91aは、特別図柄表示装置91を構成する16個のLEDのうち左側の8個により構成される。また、第2特別図柄表示装置91bは、特別図柄表示装置91を構成する16個のLEDのうち右側の8個により構成される。
普通図柄表示装置92は特別図柄表示装置91と比べて少ない数(例えば2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
【0027】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)、風車52、装飾部材といった各種障害物が配置されている。これにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが形成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央からみて内レール53よりも外側に位置している。風車52とは、遊技球の流下方向に変化を与えるための機構であり、遊技盤50に固定された釘状の止着部材と、この止着部材に対して回転可能に軸支された回転部材と、を備える。
【0028】
遊技機10は、操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出し方の強弱を調節することが可能になっている。ここで、遊技領域50aには、第1流路Xと第2流路Yとが形成されており、このうち第1流路Xはその大部分が遊技領域50aの左側に配設されている一方で、第2流路Yはその大部分が遊技領域50aの右側に配設されている。
そして、より弱く打ち出された遊技球(いわゆる左打ちされた遊技球)は主に第1流路Xを転動して流下する一方で、より強く打ち出された遊技球(いわゆる右打ちされた遊技球)は主に第2流路Yを転動して流下するように、各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0029】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の奥には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入球とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
ここで、上記の各種スイッチは、例えば、遊技者が視認できない位置に配置されており、
図1および
図2においては図示していない。
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63及び普通入賞口67(67a、67b、67c)が示されている。なお、
図2に図示される入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
また、作動ゲート63は、通過した遊技球が再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプのものであるが、本明細書では、作動ゲート63も入賞口であるものとし、且つ、遊技球が作動ゲート63を通過することも「入球」と称する。
【0030】
第1始動口57は、例えば、遊技領域50aの中央下部(メイン表示装置81の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の奥には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、特別図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立し得るとともに、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件が成立する。
本実施形態においては、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yを転動して流下したときよりも、遊技球が第1流路Xを転動して流下したときの方が、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配設されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側に大部分が配設された第1流路Xに設けられている。
【0031】
第2始動口59は、例えば、遊技領域50aの右下部(メイン表示装置81の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59を遊技球が入球しやすい開放状態または入球しにくい閉鎖状態に切り換え可能な開閉部材であり、アクチュエータAC1により作動し、当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに切り換える。なお、普通電動役物61の制御については、後述する。
第2始動口59の奥には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、特別図柄変動ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
本実施形態においては、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xを転動して流下したときよりも、遊技球が第2流路Yを転動して流下したときの方が、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配設されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側に大部分が配置された第2流路Yに設けられている。
【0032】
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(メイン表示装置81の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3が配設されている。作動ゲート63に入球した遊技球を普通図柄変動スイッチSW3で検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が成立し得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、普通図柄変動スイッチSW3により遊技球が検知されても、賞球の払出条件は成立しない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
【0033】
大入賞口55は、例えば、第2始動口59の上流側(メイン表示装置81の右下側)に配置されている。大入賞口55の開口部には、アクチュエータAC2により作動して当該大入賞口55の開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。大入賞口55の奥には、大入賞口55に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配置されている。カウントスイッチSW4が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が成立する。
【0034】
大入賞口56は、大入賞口55の上流側(メイン表示装置81の右側)に配置されている。大入賞口56の開口部には、アクチュエータAC3により作動して開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。大入賞口56の奥には、大入賞口56に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配置されている。カウントスイッチSW5が大入賞口56に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が成立する。
また、遊技盤50には大入賞口56に連通した連通路(図示なし)が設けられており、この連通路には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW0が配置されている。なお、この連通路は、遊技球の通過経路が複数に分岐するように構成されている。そして、分岐後の複数の通過経路(複数の分岐路)のうち特定の通過経路(特定の分岐路)に、上記カウントスイッチSW0が設けられている。更に、この連通路には、振分部材が設けられている。この振分部材は、複数の通過経路(複数の分岐路)のうちのいずれか1つの分岐路を選択的に開放させることによって、遊技球を当該いずれか1つの分岐部に振り分けるように作動する。
例えば、大当り遊技時には、カウントスイッチSW0が配置された通過経路(分岐路)が、予め設定された一定長さの時間の間だけ開放される。そして、カウントスイッチSW0による遊技球の検知を契機として、その時に行われている大当り遊技の終了後に確変状態が特典として付与される。すなわち、確変状態の付与の有無を制御している当選確率制御部1141(後述)が、遊技球が特定の通過経路(分岐路)を通過することに起因して、遊技者にとって有利な特典を付与する。
【0035】
大入賞口55は、第1始動口57または第2始動口59への入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選した場合に行われる大当り遊技中に、特別電動役物65の開動作によって開放され、当該大入賞口55への遊技球の入球が許容される。
また、大入賞口56は、第1始動口57または第2始動口59への入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選した場合に行われる大当り遊技中に、特別電動役物66の開動作によって開放されて、当該大入賞口56への遊技球の入球が許容される。
いずれの大当り遊技が行われる場合にも、遊技者が賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態においては、遊技球が第2流路Yを転動して流下するときには、第1流路Xを転動して流下するときよりも、大入賞口55または大入賞口56に入球しやすくなるように、各種障害物が配設されている。
【0036】
普通入賞口67(67a、67b、67c)は、メイン表示装置81の左下部に配置されている。普通入賞口67の奥には入球した遊技球を検知するカウントスイッチ(図示なし)が配置されている。普通入賞口67に入球した遊技球をこのカウントスイッチで検知することにより、賞球の払出条件が成立し得る。
【0037】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入球しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0038】
次に、
図3を用いて遊技機10の制御構成について説明する。
図3は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、遊技機10は、
図3に示される制御構成以外の制御構成を備えていても良いし、
図3に示されるすべての制御構成を必ずしも備えていなくても良い。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、一部の制御構成の追加又は削除が許容される。
【0039】
遊技機10は、主制御基板200(
図5)を備えている。この主制御基板200は、
図3に示される各制御構成の機能のうち、少なくとも一部の機能を含む種々の機能を、当該主制御基板200と、当該主制御基板200に電気的に接続されている機能部品と、の協働により実現する。
より具体的には、主制御基板200は、所定の制御プログラムに従って制御動作を実行するCPU(Central Processing Unit)201(
図5)と、当該CPU201の制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(Random Access Memory)(図示せず)と、を備えている。
このうちCPU201がROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込みまたは読み出すことによって、種々の機能を実現することができる。
なお、
図3に図示している各種の制御構成の機能としては、1つの電子基板のみで実現できる機能、複数の電子基板の相互間で種々のデータの授受を行うことにより実現できる機能、電子基板と当該電子基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより実現できる機能等が混在している。これらの各種機能を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0040】
ここで、
図3に示すように、遊技機10は、遊技を統括的に制御する主制御部1000を備える。主制御部1000は、遊技の結果に影響を及ぼし、または及ぼすおそれがある機能を実行する。
図3に示すように、主制御部1000は多数の制御構成を有し、これらの制御構成が互いに接続されている構成となっている。ただし、ここに図示している構成は一例であって、必ずしもこれに限るものではない。
【0041】
主制御部1000が備える主な制御構成としては、特図抽選制御部1130、普図抽選制御部1170、遊技状態制御部1140、図柄表示制御部1150、変動パターン決定部1110、情報伝送部1115等が挙げられる。
【0042】
特図抽選制御部1130は、特別図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または大当り遊技を管理する機能を有している。
普図抽選制御部1170は、普通図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または普図当りを管理する機能を有している。
遊技状態制御部1140は、確変状態の有無や変短状態の有無を管理し、これらの付与や解除(通常状態への移行)を制御する機能を有している。
図柄表示制御部1150は、特別図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄を、図柄表示装置90に表示させる機能を有している。
【0043】
変動パターン決定部1110は、特別図柄変動ゲームにおいて図柄が変動してから停止するまでの時間の長さである変動時間および当該変動時間を示す情報(変動時間情報)が含まれる変動パターン(変動条件)を決定する機能を有している。また、変動パターン決定部1110によって決定された変動パターンは、情報伝送部1115を介して演出制御部1010に出力されてメイン表示装置81における表示演出(リーチ演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部1115は、主制御部1000に含まれる各構成要素にて生成された制御情報(コマンド)を他の構成要素(例えば、演出制御部1010等)に出力する機能を有している。情報伝送部1115によって出力されるコマンドには、上述の変動時間情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、保留されている乱数値に関する情報または当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
演出制御部1010は、遊技機10によって行われる遊技、特に特別図柄変動ゲームに関連する演出を制御する機能を有している。
【0044】
以下、主制御部1000の各機能について、より詳細に説明する。
【0045】
主制御部1000は、第1特図抽選値取得部1111と、第2特図抽選値取得部1112と、特図保留制御部1120と、を備える。
【0046】
第1特図抽選値取得部1111は、第1始動口57への遊技球の入球を契機として取得された抽選値を保留記憶しておく。第2特図抽選値取得部1112は、第2始動口59への遊技球の入球を契機として取得された抽選値を保留記憶しておく。
後述するように、特図抽選制御部1130は、特図選択部1132を備えている。この特図選択部1132は、第2特図抽選値取得部1112に抽選値が保留記憶されている場合、第1特図抽選値取得部1111に抽選値が保留記憶されているか否かに拘らず、第2特図抽選値取得部1112に保留記憶された抽選値に基づいて当否抽選を行うことができる。
【0047】
より具体的には、第1特図抽選値取得部1111は、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口57への入球が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、当該大当り判定用乱数を専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第1特図抽選値取得部1111が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0048】
第2特図抽選値取得部1112は、第2始動口スイッチSW2によって第2始動口59への入球が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、当該大当り判定用乱数を専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第2特図抽選値取得部1112が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0049】
特図保留制御部1120は、特図抽選制御部1130が特別図柄変動ゲームに係る制御または大当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で第1特図抽選値取得部1111または第2特図抽選値取得部1112によって保留記憶されている抽選値(大当り判定用乱数)を読み出す。第1特図抽選値取得部1111及び第2特図抽選値取得部1112の双方が、同時に一つ以上の抽選値を保留記憶している場合については、特図保留制御部1120は、第2特図抽選値取得部1112によって保留記憶されている抽選値を優先的に読み出すことができる。
すなわち、大当り抽選部1131は、特図保留制御部1120によって読み出された抽選値を用いて大当り抽選を実行する。よって、結果的に、第1特図抽選値取得部1111に保留記憶されている抽選値よりも、第2特図抽選値取得部1112に保留記憶されている抽選値を優先的に処理する動作(いわゆる優先変動処理)が行われることになる。
【0050】
ここで、遊技機10が稼働しているときには、随時、遊技機10の内部で乱数が生成されており、当該乱数は種々の抽選処理に用いられている。乱数の生成方式については、専用ICにより生成する方式(ハードウェア方式)、専用のプログラムにより生成する方式(ソフトウェア方式)、あるいはこれらの組み合わせによって生成する方式がある。本実施形態では既述の大当り判定用乱数を含めて数種の乱数を用いるが、これらの生成は上に挙げた方式のいずれを用いて行うようにしても構わない。
【0051】
特図保留制御部1120は、第1特図抽選値取得部1111に保留格納されている抽選値の数と、第2特図抽選値取得部1112に保留格納されている抽選値の数と、をそれぞれ監視している。また、特図保留制御部1120は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部1150に指令を出してもよいし、メイン表示装置81に表示させるように情報伝送部1115を介して演出制御部1010に指令を出してもよい。
【0052】
特図抽選制御部1130は、大当り抽選と大当り遊技を司るものであり、大当り抽選部1131と、特図選択部1132と、大当り遊技制御部1133と、を有している。
【0053】
大当り抽選部1131は、第1始動口57または第2始動口59への遊技球の入球が検知されることを契機として取得された抽選値(大当り判定用乱数)を用いて大当りの当否抽選を行う。なお、大当り抽選部1131によって行われる抽選の当選確率は、通常状態のときには確変状態のときよりも低くなっており、確変状態のときには通常状態のときよりも高くなっている。
ここで、本明細書において、入球が検知されることを契機として所定の処理(大当りの当否抽選等)を行うということは、入球を検知することを一つの条件として、その後に当該所定の処理を実行しうることを意味する。すなわち、入球が検知されたとしても、必ずしも当該所定の処理を実行しなくてもよい。例えば、本実施形態においては、第1特図抽選値取得部1111の抽選値保留数が上限数(例えば4個)に達しているときに、新たに第1始動口スイッチSW1によって入球が検知されたり、あるいは第2特図抽選値取得部1112の抽選値保留数が上限数(例えば4個)に達しているときに、新たに第2始動口スイッチSW2によって入球が検知されたりしても、特別図柄変動ゲームの始動条件は成立せず、したがって、上記所定の処理は行われない。
【0054】
特図選択部1132は、大当り抽選部1131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択し、選択された特別図柄を図柄表示制御部1150(第1特図表示制御部1151または第2特図表示制御部1152)に通知して、当該選択された特別図柄を特別図柄表示装置91(第1特別図柄表示装置91aまたは第2特別図柄表示装置91b)に表示させる。
ここでいう選択としては、当否抽選にて取得された抽選値に対応する特別図柄の種類が1つである場合など、選択をせずに一意に決定される場合も含まれる。
【0055】
本実施形態における大当り遊技は、大当り遊技制御部1133により制御される。
まず、大当り抽選部1131による当否抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置91に表示される特別図柄変動ゲームで特図選択部1132により選択された大当り図柄が停止表示された後、大当り遊技は開始される。
大当り遊技が開始される前に、大当り遊技制御部1133は特図保留制御部1120等に指令を出し、大当り抽選に関する処理または当り抽選に関する処理を、大当り遊技中については一時停止させる。
大当り遊技が開始されると、大当り遊技制御部1133は情報伝送部1115を介して演出制御部1010に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部1010は大当り遊技制御部1133の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(規定ラウンド数)を上限として複数回行われる。
例えば、1回のラウンド遊技中(1ラウンド中)には、大入賞口55または大入賞口56に規定個数(入球上限数)の遊技球が入球する迄の間、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、大入賞口55または大入賞口56が開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。
ただし、1回のラウンド遊技は、当該ラウンド遊技中における大入賞口55または大入賞口56への入球数や大入賞口55または大入賞口56の開放時間に拘わらず、大入賞口55または大入賞口56の開閉回数が所定回数に達することにより終了するようになっていても良い。
【0056】
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55または大入賞口56が開放される。
【0057】
大当り遊技制御部1133は、大入賞口55または大入賞口56を開放させるために、ラウンド数・開閉回数・入球上限数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を、以下に説明する特別電役制御部1190に伝送する。
【0058】
特別電役制御部1190は、大当り遊技制御部1133から受けた指令に従って、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。また、特別電役制御部1190は、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55または大入賞口56に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW4またはカウントスイッチSW5の検知に基づいて監視しており、入球上限数に達したとき、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を閉鎖させる。
【0059】
大当り遊技制御部1133は、情報伝送部1115を介して、演出制御部1010に対し、ラウンド遊技中における演出(ラウンド演出)に関する指令を出す。演出制御部1010は、大当り遊技制御部1133による指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技制御部1133は、情報伝送部1115を介して、演出制御部1010に対し、大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部1010は、大当り遊技制御部1133の指令に従い、所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行する。
以上により、大当り遊技は終了する。
なお、本実施形態の大当り遊技においては、遊技球が第2流路Yを転動して流下する方が大入賞口55に入球し易いため、いわゆる右打ちの方が遊技者にとって有利である。
【0060】
遊技状態制御部1140は遊技状態を制御する機能であり、当選確率制御部1141と変短制御部1142とを有している。
【0061】
当選確率制御部1141にはカウントスイッチSW0による検知結果が通知され、当選確率制御部1141は、当該通知を契機として確変状態を付与する。
すなわち、カウントスイッチSW0が配置された通過経路が一定時間開放される大当り遊技の終了時に、当該大当り遊技の開始から終了までにカウントスイッチSW0による検知が発生したか否かを判定し、当該検知が発生した場合には、当選確率制御部1141は確変状態を付与する。
変短制御部1142は、大当り遊技制御部1133によって実行される大当り遊技が、確変状態のときに当選した大当り遊技であるか否かに拘わらず、当該大当り遊技の終了を契機として変短状態を付与する。
【0062】
遊技機10は、普図抽選値取得部1113と普図保留制御部1160を備える。
普図抽選値取得部1113は、普通図柄変動スイッチSW3によって作動ゲート63への入賞が検知されると、普通図柄変動ゲームの抽選値として用いられる当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。普図抽選値取得部1113が保留できる抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
普図保留制御部1160は、普図抽選制御部1170が普通図柄変動ゲームに係る制御または普図当りに係る制御を行っていないとき、普図抽選値取得部1113によって保留記憶されている抽選値(当り判定用乱数)を変短状態と通常状態とのそれぞれにおいて所定の周期で読み出す。
【0063】
普図保留制御部1160は普図抽選値取得部1113に保留格納されている抽選値の数を監視している。また、普図保留制御部1160は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部1150に指令を出してもよいし、メイン表示装置81に表示させるように情報伝送部1115を介して演出制御部1010に指令を出してもよい。
【0064】
遊技機10は、普図抽選制御部1170と普通電役制御部1180を備える。普図抽選制御部1170は普図当り抽選と普図当り遊技を司る機能であり、当り抽選部1171と普図選択部1172と当り遊技制御部1173とを有する。
【0065】
当り抽選部1171は、普図保留制御部1160によって普図抽選値取得部1113から読み出された当り判定用乱数を用いて、普通電動役物61を開放状態に変化させるか否かの開放抽選を行う。なお、当り抽選部1171によって行われる抽選の当選確率は、通常状態のときには変短状態のときよりも低くなっており、変短状態のときには通常状態のときよりも高くなっている。
【0066】
普図選択部1172は、当り抽選部1171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を決定し、決定された普通図柄を図柄表示制御部1150(普図表示制御部1153)に伝達して普通図柄表示装置92に表示させる。普通図柄表示装置92に対応している二つのLEDは一方が当り、一方がはずれに対応しており、普図表示制御部1153は普図選択部1172が決定した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
【0067】
当り遊技制御部1173は、当り抽選部1171による当り抽選に当選したとき、アクチュエータAC1による作動によって所定の開放条件で普通電動役物61を開放させるための指令を普通電役制御部1180に出す。
この指令に基づき、普通電役制御部1180は、普通電動役物61を制御する。
なお、変短状態では、普通電動役物61の開放状態の単位時間(1回の開放状態の継続時間)または開放回数が増加するようになっている。
【0068】
上述のように、遊技機の機種変更に伴い、動作部の数や構造が変更され、主制御基板や中継基板などの電子基板における端子の必要数が変わる場合がある。
【0069】
ここで、動作部としては、遊技の制御に用いられる動作部、遊技機の状態を示す動作部、又は、遊技の演出に用いられる動作部が挙げられる。
このうち「遊技の制御に用いられる動作部」は、遊技球が特定の入賞口に入球することを契機として開始され、各種の機能部により決定された遊技の結果の出力が行われるまでの一連の遊技処理に用いられる動作部である。具体的には、一連の遊技の契機となる、始動口などの入賞口への入球を検知するカウントスイッチや、上記決定された遊技の結果の出力を行う、普通電動役物、特別電動役物として付設された開閉部材や遊技の結果と連動して動作する部材を作動させるアクチュエータ(ソレノイドアクチュエータやモータアクチュエータ)などが、「遊技の制御に用いられる動作部」に該当する。
また、「遊技機の状態を示す動作部」としては、遊技機10に設置された不正な部品や磁石を用いて遊技球を誘導する不正行為などを検出するための磁気センサや、扉の開放を検出するセンサなどが挙げられる。
また、「遊技の演出に用いられる動作部」としては、遊技機10における遊技の演出に用いられる出力手段(以下「出力手段」という)が含まれる。この出力手段としては、例えば、演出表示装置、スピーカ、装飾ランプ(LED)等が挙げられる。また、その他の出力手段としては、演出表示装置、スピーカ、装飾ランプが設けられた基板(被制御基板)や、演出用の可動式役物を駆動する演出用アクチュエータなども含まれる。
ここで、「遊技の演出」とは、遊技のために実行される一連の処理と連動して、またはこれらの処理を契機として実行され、遊技者が認識可能に出力される演出をいう。
【0070】
なお、遊技機10が回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)である場合、動作部としては、メダルがベットされるなどの始動条件が成立している場合に始動操作の通知を受け、この通知に起因して内部抽選を行い、リールの停止操作を受けてリールの停止パターンを判別し、入賞に対応した特典を付与してメダル処理を行うまでの一連の遊技処理に用いられる動作部が挙げられる。
より具体的には、「遊技の制御に用いられる動作部」としては、投入されたメダルを検出するスイッチ、メダルのベット操作を検出するスイッチ、始動レバーに対する操作を検出するスイッチ、リールの停止操作を行うための停止ボタンに対する操作を検出するスイッチ、メダルの払い出し動作を行うためのアクチュエータなどが挙げられる。
また、「遊技機の状態を示す動作部」としては、扉の開放を検出するセンサなどが挙げられる。
また、「遊技の演出に用いられる動作部」としては、スピーカ、装飾ランプ(LED)等が挙げられる。
【0071】
本実施形態に係る遊技機は、機種変更に伴い、動作部の数や構造が変更され、主制御基板や中継基板などの電子基板における端子の必要数が変わる場合においても、旧機種が備える電子基板のうち少なくともいずれかの電子基板を、新機種においても利用(共用)することが可能なように構成されている。
なお、本明細書において、遊技機の機種変更とは、遊技機の構造又は仕様の変更などを意味する。
以下、詳細に説明する。
【0072】
図4は第1の実施形態に係る遊技機10の旧機種に位置付けられる遊技機20、すなわち従来の遊技機である遊技機20の内部回路構成を示す概略説明図である。
図5は第1の実施形態に係る遊技機10の内部回路構成を示す概略説明図である。
本実施形態では、旧機種の遊技機20(
図4)の一部の電子基板である主制御基板200を新機種の遊技機10においても共用する場合について説明する。
【0073】
旧機種の遊技機20と新機種の遊技機10とのうち、先ず、旧機種の遊技機20の内部回路構成について、
図4を用いて説明する。
【0074】
図4においては、旧機種の遊技機20の内部回路構成の一部を抜粋して示している。
図4に示すように、遊技機20は、例えば、主制御基板200及び中継基板300を含む複数の電子基板を備えているとともに、それぞれが動作部であるカウントスイッチ510及びカウントスイッチ520を備えている。
【0075】
カウントスイッチ510及びカウントスイッチ520の各々は、例えば、
図3に示される第1始動口スイッチSW1、第2始動口スイッチSW2、普通図柄変動スイッチSW3、カウントスイッチSW4、カウントスイッチSW5、カウントスイッチSW0のうちの何れか1つに該当する。
なお、
図4においては省略しているが、遊技機20は、例えば3つ以上のカウントスイッチを備えているとともに、ソレノイドやランプ等の動作部も備えている。
【0076】
各カウントスイッチ510、520は、主制御基板200から供給される電力により動作し、それぞれ対応する入賞口等への入球を検出して検出信号を出力する。
各カウントスイッチ510、520は、対応する入賞口に入球した遊技球が通過する開口部501と、遊技球が開口部501を通過した場合に検出信号を出力する検出信号出力部502と、を備えている。
【0077】
中継基板300は、例えば、コネクタ310と、コネクタ320と、コネクタ330と、を備えている。
中継基板300の各コネクタ310、320、330は、それぞれ内端子と外端子とを有する1つ以上の端子を備えている。
より具体的には、コネクタ310は、電力中継端子311と、信号中継端子312と、信号中継端子313と、を備えている。コネクタ320は、電力中継端子321と、信号中継端子322と、を備えている。コネクタ330は、電力中継端子331と、信号中継端子332と、を備えている。
更に、中継基板300には、電力中継線部301と、信号中継線部302、303と、分岐電力線部304と、を含むプリント配線パターンが形成されている。このうち電力中継線部301は、電力中継端子311の内端子と電力中継端子321の内端子とを相互に電気的に接続している。信号中継線部302は、信号中継端子312の内端子と信号中継端子322の内端子とを相互に電気的に接続している。信号中継線部303は、信号中継端子313の内端子と信号中継端子332の内端子とを相互に電気的に接続している。分岐電力線部304は、電力中継線部301上の分岐点と電力中継端子331の内端子とを相互に電気的に接続している。
なお、中継基板300は、
図4に示される以外のコネクタやプリント配線パターンを有していても良い。中継基板300における何れのコネクタの何れの端子も、空き端子とはなっていない。
【0078】
主制御基板200は、例えば、遊技機20における遊技を統括的に制御し、遊技の結果に影響を及ぼす各種機能を実行するものである。
主制御基板200では、動作部から送られた検出信号に応じて遊技機20における遊技状態(例えば、確変状態、変短状態など)の制御を行う。
【0079】
主制御基板200は、カウントスイッチ510、520の検出結果等を用いた演算処理を行うCPU201と、カウントスイッチ510、520に電力を供給する電力供給部202と、電源部203と、カウントスイッチ510、520の検出結果に応じて出力値が変化するように接続された比較器204、205と、グランド206と、コネクタ210と、複数の抵抗素子R201、R202、R203、R204と、を備えている。
主制御基板200のこれらの構成要素は、主制御基板200に形成されたプリント配線パターンを介して相互に電気的に接続されている。
【0080】
コネクタ210は、電力供給部202の電力を出力するための電力ポート211と、比較器204に入力される信号を受ける信号ポート212と、比較器205に入力される信号を受ける信号ポート213と、を備えている。コネクタ210の各端子、すなわち電力ポート211、信号ポート212及び信号ポート213の各々は、内端子と外端子とを有しており、各内端子は、主制御基板200のプリント配線パターンにそれぞれ接続されている。
【0081】
比較器204、205は、(+)側端子、(−)側端子及び出力端子をそれぞれ備えている。
各比較器204、205は、(+)側端子と(−)側端子とに印加された2つの電圧を比較し、その比較結果を示す論理値(1か0(HかL))を出力端子から出力する。
ここで、比較器204の(−)側端子は信号ポート212に対して電気的に接続されており、当該(−)側端子には、カウントスイッチ510からの検出信号が入力されるようになっている。同様に、比較器205の(−)側端子は信号ポート213に対して電気的に接続されており、当該(−)側端子には、カウントスイッチ520からの検出信号が入力されるようになっている。すなわち、信号ポート212及び信号ポート213は、入力ポートとして機能する。
【0082】
電力供給部202は、カウントスイッチ510、520に対して電力を供給するものであり、電力ポート211に対して電気的に接続されている。
ここで、主制御基板200は、電力供給部202と電力ポート211とを相互に接続するプリント配線パターンにおける中間部に位置する第1分岐部から分岐した第1分岐線を有している。第1分岐線の一端は第1分岐部に接続され、他端はグランド206に接続され、且つ、第1分岐線には抵抗素子R201、R202が直列に設けられている。
更に、主制御基板200は、第1分岐線における抵抗素子R201と抵抗素子R202との間に位置する第2分岐部から分岐した第2分岐線を有している。第2分岐線の一端は第2分岐部に接続され、他端は各比較器204、205(+)側端子に対して並列に接続されている。
【0083】
ここで、比較器204の出力端子とCPU201とを相互に電気的に接続する出力ラインには、抵抗素子R203を介して電源部203が接続されている一方で、比較器205の出力端子とCPU201とを相互に電気的に接続する出力ラインには、抵抗素子R204を介して電源部203が接続されている。
【0084】
電力供給部202は、例えば12Vの電力を供給する。また、電源部203は、例えば5Vの電圧を供給する。
【0085】
なお、主制御基板200は、
図4に示される以外のコネクタやプリント配線パターンを有していても良い。主制御基板200における何れのコネクタの何れの端子も、空き端子とはなっていない。
【0086】
更に、遊技機20は、接続部材410を備えており、当該接続部材410は、主制御基板200のコネクタ210と中継基板300のコネクタ310とを相互に電気的に接続している。
接続部材410は、コネクタどうしを相互に電気的に接続可能なものであれば、特に限定されず、例えば、複数の配線を束ねることにより構成されたワイヤーハーネスであっても良いし、ボード・ツー・ボード・コネクタであっても良い。
接続部材410は、伝送線411、412、413を有している。このうち伝送線411は、電力ポート211の外端子と電力中継端子311の外端子とを相互に電気的に接続しており、伝送線412は、信号ポート212の外端子と信号中継端子312の外端子とを相互に電気的に接続しており、伝送線413は、信号ポート213の外端子と信号中継端子313の外端子とを相互に電気的に接続している。
【0087】
更に、遊技機20は、カウントスイッチ510と中継基板300とを相互に電気的に接続する伝送線611、612と、カウントスイッチ520と中継基板300とを相互に電気的に接続する伝送線621、622と、を備えている。
伝送線611は、カウントスイッチ510の検出信号出力部502とコネクタ320の電力中継端子321の外端子とを相互に電気的に接続しており、伝送線612は、カウントスイッチ510の検出信号出力部502とコネクタ320の信号中継端子322の外端子とを相互に電気的に接続している。
同様に、伝送線621は、カウントスイッチ520の検出信号出力部502とコネクタ330の電力中継端子331の外端子とを相互に電気的に接続しており、伝送線622は、カウントスイッチ520の検出信号出力部502とコネクタ330の信号中継端子332の外端子とを相互に電気的に接続している。
【0088】
図4に示す各構成要素は以上のように接続されているため、カウントスイッチ510に対する電力供給は、電力供給部202から、電力ポート211、伝送線411、電力中継端子311、電力中継線部301、電力中継端子321及び伝送線611を介して行われる。
また、カウントスイッチ510による検出信号は、検出信号出力部502から、伝送線612、信号中継端子322、信号中継線部302、信号中継端子312、伝送線412、信号ポート212を介して、比較器204の(−)側端子に対して入力される。
同様に、カウントスイッチ520に対する電力供給は、電力供給部202から、電力ポート211、伝送線411、電力中継端子311、電力中継線部301、分岐電力線部304、電力中継端子331及び伝送線621を介して行われる。
また、カウントスイッチ520による検出信号は、検出信号出力部502から、伝送線622、信号中継端子332、信号中継線部303、信号中継端子313、伝送線413、信号ポート213を介して、比較器205の(−)側端子に対して入力される。
【0089】
ここで、比較器204、205の(+)側端子には電力供給部202から一定の電圧(定電圧)が印加されている。この一定の電圧は、グランド206に接続された抵抗素子R202と抵抗素子R201の影響で降下された電位(基準電位)である。
比較器204の(−)側端子に対してカウントスイッチ510からの検出信号が入力されたときには、比較器204の(−)側端子の電位が、比較器204の(+)側端子の電位(基準電位)を上回ることにより、比較器204からの出力が(0から1に、もしくは、1から0に)切り替わる、すなわち、カウントスイッチ510が遊技球を検出したときには、比較器204から出力される論理値が切り替わる。
同様に、比較器205の(−)側端子に対してカウントスイッチ520からの検出信号が入力されたときには、比較器205の(−)側端子の電位が、比較器205の(+)側端子の電位(基準電位)を上回ることにより、比較器205からの出力が(0から1に、もしくは、1から0に)切り替わる、すなわち、カウントスイッチ520が遊技球を検出したときには、比較器205から出力される論理値が切り替わる。
【0090】
CPU201は、比較器204、205からの出力に基づいて、監視対象の端子(ここでは、比較器204、205の(−)側端子)に印加される電圧電位が一定値を超えたか否かを判定する。換言すれば、CPU201は、各カウントスイッチ510、520による遊技球の検出の有無を監視している。
そして、CPU201は、各カウントスイッチ510、520による遊技球の検出結果に基づいて、遊技の制御(賞球の付与等)を行う。
【0091】
ここで、遊技機20を機種変更することにより、動作部(例えばカウントスイッチ)が減少する場合、減少する分の動作部と対応する主制御基板200のポートが空き端子となる。
より具体的には、例えば、新機種の遊技機が
図4に示すカウントスイッチ520を有していない装置構成となる場合に、新機種においても主制御基板200を共用しようとすれば、本来であれば、主制御基板200の信号ポート213が空き端子となってしまう。
このような事情に対し、遊技機20の新機種にあたる遊技機、すなわち本実施形態に係る遊技機10が、以下に説明する構成となっていることにより、主制御基板200における空き端子の発生を回避しつつ、遊技機20の主制御基板200を遊技機10においても共用することが可能となる。
【0092】
以下、本実施形態に係る遊技機10、すなわち新機種の遊技機の内部回路構成について、遊技機20の内部回路構成との相違点を中心に、
図5を用いて説明する。
【0093】
図5に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技機20におけるのと同様の主制御基板200と、遊技機20におけるのと同様の接続部材410と、を備えている。
遊技機10は、
図4に示すカウントスイッチ510、520のうち、カウントスイッチ510は備えているが、カウントスイッチ520は備えていない。
また、遊技機10は、カウントスイッチ510に付随する伝送線611、612は備えているが、カウントスイッチ520に付随する伝送線621、622(
図4)は備えていない。
更に、遊技機10は、
図4に示す中継基板300を備えていない代わりに、
図5に示す中継基板700を備えている。
【0094】
中継基板700は、コネクタ310(
図4)の代わりにコネクタ710を備え、コネクタ320(
図4)の代わりにコネクタ720を備えている。また、中継基板700は、コネクタ330(
図4)を備えていない。
更に、中継基板700は、電力中継線部301(
図4)及び信号中継線部302(
図4)とそれぞれ同様の電力中継線部701及び信号中継線部702を備えている。また、中継基板700は、信号中継線部303(
図4)及び分岐電力線部304(
図4)を備えていない。
【0095】
コネクタ720は、コネクタ320の電力中継端子321及び信号中継端子322とそれぞれ同様の電力中継端子721及び信号中継端子722を備えている。
【0096】
コネクタ710は、本発明に係る第二コネクタに相当し、電力中継端子711と、信号中継端子712と、無効端子713と、を備えている。
電力中継端子711及び信号中継端子712は、コネクタ310における電力中継端子311及び信号中継端子312とそれぞれ同様のものである。
電力中継線部701は、電力中継端子711の内端子と電力中継端子721の内端子とを相互に電気的に接続している。信号中継線部702は、信号中継端子712の内端子と信号中継端子722の内端子とを相互に電気的に接続している。
無効端子713は、本発明に係る第二端子に相当し、配線パターン703上に抵抗704とグランド705とが設けられており、抵抗704を介してグランド705に接続されている。また、無効端子713も、他の端子と同様に内端子及び外端子を有している。
【0097】
接続部材410の伝送線411は、コネクタ210の電力ポート211の外端子とコネクタ710の電力中継端子711の外端子とを相互に電気的に接続し、伝送線412はコネクタ210の信号ポート212の外端子とコネクタ710の信号中継端子712の外端子とを相互に電気的に接続し、伝送線413はコネクタ210の信号ポート213の外端子とコネクタ710の無効端子713の外端子とを相互に電気的に接続している。
【0098】
上述のように無効端子713に電気的に接続している信号ポート213は、無効端子713を介して抵抗704とグランド705に接続しており、本発明に係る第一端子に相当する。また、信号ポート213を含んでいるコネクタ210は、本発明に係る第一コネクタに相当する。
換言すれば、本実施形態に係る遊技機10では、異なる電子基板(主制御基板200と中継基板700)に設けられている第一コネクタ(コネクタ210)と第二コネクタ(コネクタ710)とが電気的に接続されている。すなわち、第一コネクタが設けられている電子基板(主制御基板200)と、第二コネクタが設けられている電子基板(中継基板700)と、が異なる。
また、第一コネクタに含まれる少なくとも一つの端子である第一端子(信号ポート213)が、第二コネクタが設けられている電子基板に形成されているグランド705に抵抗704を介して接続されている。すなわち、第一端子に対してターミナル処理(終端処理)がなされている。
【0099】
また、換言すれば、遊技機に用いられる遊技機用電子基板(中継基板700)に、他の電子基板(主制御基板200)に設けられている第一コネクタ(コネクタ210)と電気的に接続する第二コネクタ(コネクタ710)と、グランド705が設けられている。そして、第二コネクタ(コネクタ710)に含まれる少なくとも一つの端子である第二端子(無効端子713)が、グランド705に抵抗704を介して接続されているとも解される。
なお、本実施形態では無効端子713が抵抗704を解してグランド705に接続されている実施例で説明したが、グランド705に代えて定電位源が設けられている実施例であっても、本発明と同様の効果を奏する。すなわち、中継基板700には、グランドまたは定電位源の少なくとも一方が設けられていればよい。
ここで定電位源とは、電位誤差が所定の許容範囲に収まる電力供給部である。また、グランドは、所定の許容範囲が零に近い定電位源ともいえる。
【0100】
このように主制御基板200と中継基板700とが接続している遊技機10においては、本来であれば空き端子となる信号ポート213が、接続部材410の伝送線413によってコネクタ710の無効端子713に対して接続されており、空き端子の発生が回避された構造となっている。
【0101】
ここで、無効端子713は、中継基板700内においてグランド705(または定電位源)に接続されているため、比較器205の(−)側端子に入力される電位の値が一定に維持されるので、比較器205の出力端子から出力される論理値も一定に維持される。
換言すれば、第一コネクタ(コネクタ210)が設けられている電子基板と同一の電子基板(主制御基板200)にプロセッサ(CPU201)が設けられており、第一端子(信号ポート213)は、プロセッサのポートである。第一端子が抵抗を介してグランドに接続されていることによって、プロセッサにおいて無効(Low)と判断される基準電圧である無効レベルを下回る電圧が第一端子に印加される。すなわち、本実施形態において空き端子である信号ポート213がプルダウンされる。
なお、本実施形態では、第一コネクタ(コネクタ210)が設けられている電子基板と同一の電子基板(主制御基板200)にプロセッサ(CPU201)が設けられている実施例で説明したが、第一コネクタが設けられている電子基板とは異なる電子基板に上述のプロセッサを設けてもよい。
また、本実施形態では、第一端子が抵抗を介してグランドに接続する実施例で説明したが、第一端子が抵抗を介して定電位源に接続されていることによって、プロセッサにおいて有効(High)と判断される基準電圧である有効レベルを超える電圧が第一端子に印加されてもよい。すなわち、本実施形態において空き端子である信号ポート213はプルアップされてもよい。
【0102】
上述のように構成されているので、プロセッサのポートに対する過度なレベルの印加を防ぐことができ、プロセッサの暴走や破損を防止することができる。
なお、上述のプロセッサのポートとは、プロセッサと外部装置との入出力インターフェースとして機能する端子であり、入力ポートであってもよく出力ポートであってもよい。
【0103】
これまで述べたように、本実施形態によれば、簡易な構成によって、主制御基板200を共用化することができ、且つ、主制御基板200及び中継基板700における空き端子の発生を回避することが可能である。
そして、機種変更の際には、主制御基板200を変更することなく、中継基板300を中継基板700に変更することにより、旧機種の遊技機20から新機種の遊技機10への移行を行うことが可能となる。
【0104】
なお、本実施形態では、第一コネクタ(コネクタ210)と第二コネクタ(コネクタ310)とが、異なる電子基板に設けられている実施例で説明したが、これらが同一の電子基板に設けられている実施例で本発明が実施されても、本実施形態と同様の効果を奏しうる。
【0105】
〔第2の実施形態〕
図6は第2の実施形態に係る遊技機10(
図7)の旧機種に位置付けられる遊技機20の内部回路構成を示す概略説明図であり、
図7は第3の実施形態に係る遊技機10の内部回路構成を示す概略説明図である。
本実施形態に係る遊技機10は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る遊技機10と相違する。
【0106】
先ず、
図6に示す旧機種の遊技機20の内部回路構成を説明する。
図6においては、旧機種の遊技機20の内部回路構成の一部を抜粋して示している。
図6に示すように、遊技機20は、例えば、主制御基板200及び中継基板300を含む複数の電子基板を備えているとともに、動作部であるアクチュエータを備えている。このアクチュエータは、ソレノイドアクチュエータ、モータアクチュエータなどであるが、ここでは、遊技機20がアクチュエータとしてソレノイドアクチュエータ540、550を備えているものとする。
【0107】
ソレノイドアクチュエータ540、550の各々は、例えば、
図3に示されるアクチュエータAC1、AC2、AC3のうちの何れか1つに該当する。
ソレノイドアクチュエータ540、550は、主制御基板200から供給された電力によってコイルが励磁されることにより駆動し、当該ソレノイドアクチュエータ540、550と対応する開閉部材または特別電動役物を作動させる。
ソレノイドアクチュエータ540、550は、CPU201の制御下で駆動する。
なお、
図6においては省略しているが、遊技機20は、例えば3つ以上のソレノイドアクチュエータを備えていても良い。また、遊技機20は、例えば、カウントスイッチやランプ等の動作部も備えている。
【0108】
図6に示す中継基板300は、
図4に示す中継基板300と同様に構成されている。
なお、
図6に示す中継基板300における何れのコネクタの何れの端子も、空き端子とはなっていない。
【0109】
更に、遊技機20は、ソレノイドアクチュエータ540と中継基板300とを相互に電気的に接続する伝送線641、642と、ソレノイドアクチュエータ550と中継基板300とを相互に電気的に接続する伝送線651、652と、を備えている。
伝送線641は、ソレノイドアクチュエータ540とコネクタ320の電力中継端子321の外端子とを相互に電気的に接続しており、伝送線642は、ソレノイドアクチュエータ540とコネクタ320の信号中継端子322の外端子とを相互に電気的に接続している。
同様に、伝送線651は、ソレノイドアクチュエータ550とコネクタ330の電力中継端子331の外端子とを相互に電気的に接続しており、伝送線652は、ソレノイドアクチュエータ550とコネクタ330の信号中継端子332の外端子とを相互に電気的に接続している。
【0110】
図6に示す主制御基板200は、ソレノイドアクチュエータ540、550の動作制御を行うCPU201と、ソレノイドアクチュエータ540、ソレノイドアクチュエータ550に対して電力(例えば30ボルトの電力)を供給する電力供給部207と、CPU201からの制御信号に基づきソレノイドアクチュエータ540、550の駆動制御に用いられる駆動信号を出力するドライバ端子208、218と、コネクタ210と、グランド209と、抵抗素子R205、抵抗素子R206と、を備えている。なお、駆動対象がソレノイドではなくモータである場合は、ドライバ端子208、218は、モータドライブとする。
【0111】
各ドライバ端子208、218は、入力端子(IN端子)、GND端子及び出力端子を備えている。
各ドライバ端子208、218のGND端子は、グランド209に対して電気的に接続されている。
CPU201からドライバ端子208のIN端子への入力ラインには抵抗素子R205が設けられ、CPU201からドライバ端子218のIN端子への入力ラインには抵抗素子R206が設けられている。
CPU201は、ドライバ端子208、218の入力端子(IN端子)に電圧印加を行うことにより、ドライバ端子208、218からソレノイドアクチュエータ540、550に対する駆動信号の出力を制御する。
ドライバ端子208、218は、CPU201の制御下で、ソレノイドアクチュエータ540、550に対して駆動信号を出力する。
【0112】
主制御基板200のコネクタ210は、
図4〜
図6に示されるコネクタ210と同様に、電力ポート211と、信号ポート212と、信号ポート213と、を備えている。
本実施形態の場合、電力ポート211の内端子には、主制御基板200のプリント配線パターンを介して電力供給部207が接続されている。また、信号ポート212の内端子には、主制御基板200のプリント配線パターンを介してドライバ端子208の出力端子が接続されている。また、信号ポート213の内端子には、主制御基板200のプリント配線パターンを介してドライバ端子218の出力端子が接続されている。
そして、電力ポート211は、電力供給部207の電力を出力するために用いられ、信号ポート212は、ソレノイドアクチュエータ540の駆動信号を出力するために用いられ、信号ポート213は、ソレノイドアクチュエータ550の駆動信号を出力するために用いられる。すなわち、信号ポート212及び信号ポート213は、出力ポートとして機能する。
【0113】
更に、遊技機20は、主制御基板200と中継基板300とを相互に電気的に接続する接続部材410を備えている。この接続部材410は、
図4〜
図6に示される接続部材410と同様に、伝送線411、412、413を備えている。
接続部材410の伝送線411は、電力ポート211の外端子と電力中継端子311の外端子とを相互に電気的に接続している。接続部材410の伝送線412は、信号ポート212の外端子と信号中継端子312の外端子とを相互に電気的に接続している。接続部材410の伝送線413は、信号ポート213の外端子と信号中継端子313の外端子とを相互に電気的に接続している。
【0114】
なお、主制御基板200は、
図6に示される以外のコネクタやプリント配線パターンを有していても良い。主制御基板200における何れのコネクタの何れの端子も、空き端子とはなっていない。
【0115】
図6に示す各構成要素は以上のように接続されているため、ソレノイドアクチュエータ540に対する電力供給は、電力供給部207から、電力ポート211、伝送線411、電力中継端子311、電力中継線部301、電力中継端子321及び伝送線641を介して行われる。また、ソレノイドアクチュエータ540に対する駆動信号の供給は、ドライバ端子208から、信号ポート212、伝送線412、信号中継端子312、信号中継線部302、信号中継端子322及び伝送線642を介して行われる。
同様に、ソレノイドアクチュエータ550に対する電力供給は、電力供給部207から、電力ポート211、伝送線411、電力中継端子311、電力中継線部301、分岐電力線部304、電力中継端子331及び伝送線651を介して行われる。また、ソレノイドアクチュエータ550に対する駆動信号の供給は、ドライバ端子218から、信号ポート213、伝送線413、信号中継端子313、信号中継線部303、信号中継端子332及び伝送線652を介して行われる。
【0116】
ここで、例えば、新機種の遊技機が
図6に示すソレノイドアクチュエータ550を有していない装置構成となる場合に、新機種においても主制御基板200を共用しようとすれば、本来であれば、主制御基板200の信号ポート213が空き端子となってしまう。
このような事情に対し、遊技機20の新機種にあたる遊技機、すなわち本実施形態に係る遊技機10が、以下に説明する構成となっていることにより、主制御基板200における空き端子の発生を回避しつつ、遊技機20の主制御基板200を遊技機10においても共用することが可能となる。
【0117】
以下、本実施形態に係る遊技機10、すなわち新機種の遊技機の内部回路構成について、遊技機20の内部回路構成との相違点を中心に、
図7を用いて説明する。
【0118】
図7に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技機20(
図6)におけるのと同様の主制御基板200と、遊技機20(
図6)におけるのと同様の接続部材410と、を備えている。
遊技機10は、
図6に示すソレノイドアクチュエータ540、550のうち、ソレノイドアクチュエータ540は備えているが、ソレノイドアクチュエータ550は備えていない。
また、遊技機10は、ソレノイドアクチュエータ540に付随する伝送線641、642は備えているが、ソレノイドアクチュエータ550に付随する伝送線651、652(
図6)は備えていない。
更に、遊技機10は、
図6に示す中継基板300を備えていない代わりに、
図7に示す中継基板700を備えている。
【0119】
本実施形態の場合、
図7に示すように、配線パターン703上に抵抗704とグランド705が接続されており、無効端子713は、中継基板700に設けられたグランド705に対して抵抗704を介して電気的に接続されている。すなわち、無効端子713に対してターミナル処理(終端処理)がなされている。
このため、本来はソレノイドアクチュエータ550を駆動させるための駆動信号が、ドライバ端子218から、信号ポート213、伝送線413、無効端子713及び配線パターン703を介して抵抗704に入力されても、当該駆動信号が抵抗704において無効化されるので、遊技機10における誤動作の発生を回避させることができる。よって、本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0120】
なお、本実施形態では、各端子がグランド705に接続される実施例で説明したが、グランド705に代えて定電位源に接続しても同様の効果を奏する。
【0121】
〔第3の実施形態〕
図8は第3の実施形態に係る遊技機10(
図9)の旧機種に位置付けられる遊技機20の内部回路構成を示す概略説明図であり、
図9は第3の実施形態に係る遊技機10の内部回路構成を示す概略説明図である。
【0122】
先ず、
図8に示す旧機種の遊技機20の内部回路構成について説明する。
図8においては、旧機種の遊技機20の内部回路構成の一部を抜粋して示している。
図8に示すように、遊技機20は、例えば、メイン表示制御基板250と、サブ表示基板810と、サブ表示基板850と、サブ表示装置82と、サブ表示装置83と、を備えている。
サブ表示装置82は、
図2に図示しているサブ表示装置82と同じ表示装置であり、種々の演出画像等を表示することができる。
サブ表示装置83は、サブ表示装置82と同種の表示装置である。
メイン表示制御基板250は、サブ表示装置82とサブ表示装置83とを制御することができる。また、メイン表示制御基板250は、ここでは図示しないメイン表示装置81(
図2参照)を制御することもできる。
サブ表示基板810は、サブ表示装置82に接続されている電子基板であって、メイン表示制御基板250から電送される制御信号等をサブ表示装置82に中継すると共に、サブ統括基板(図示せず)から伝送される制御信号等をサブ表示装置82の縁に設けられている演出用LED(図示せず)に中継する。なお、サブ統括基板から伝送される制御信号等を演出用LEDに中継するために、サブ表示基板810はコネクタ840を有している。
サブ表示基板850は、サブ表示装置83に接続されている電子基板であって、メイン表示制御基板250から電送される制御信号等をサブ表示装置83に中継すると共に、サブ統括基板(図示せず)から伝送される制御信号等をサブ表示装置83の縁に設けられている演出用LED(図示せず)に中継する。なお、サブ統括基板から伝送される制御信号等を演出用LEDに中継するために、サブ表示基板850はコネクタ880を有している。
なお、サブ表示基板810またはサブ表示基板850は、上述の制御信号等を中継する他に、CPUやROM等(図示せず)を備えており、主体的にサブ表示装置82、サブ表示装置83または演出用LED等を制御する機能を有していてもよい。
【0123】
メイン表示制御基板250とサブ表示装置82とは、コネクタ260と、接続部材460と、コネクタ820と、配線パターン825と、コネクタ830と、接続部材835と、を介して上述の制御信号等の授受を行う。また、メイン表示制御基板250とサブ表示装置83とは、コネクタ270と、接続部材470と、コネクタ860と、配線パターン865と、コネクタ870と、接続部材875と、を介して上述の制御信号等の授受を行う。
上述の制御信号等を授受する回路は、メイン表示制御基板250または他の基板(図示せず)に設けられているCPU(図示せず)が生成する制御信号を出力する信号ラインと、メイン表示制御基板250または他の基板に設けられている電力供給部(図示せず)から出力される電力ラインと、サブ表示装置82またはサブ表示装置83とグランドとを接続するグランドラインと、を含む。より具体的には、信号ポート264、信号ポート265、信号ポート274または信号ポート275に接続されている回路が、上記の信号ラインに該当する。電力ポート261、電力ポート262、電力ポート271または電力ポート272に接続されている回路が、上記の電力ラインに該当する。グランドポート263、グランドポート266、グランドポート273またはグランドポート276に接続されている回路が、上記のグランドラインに該当する。
なお、メイン表示制御基板250とサブ表示装置82との間で授受する制御信号等と、メイン表示制御基板250とサブ表示装置83との間で授受する制御信号等とは、同様である。また、上記の電力ポート261、電力ポート262、グランドポート263、信号ポート264、信号ポート265およびグランドポート266は、コネクタ260に含まれる端子である。そして、上記の電力ポート271、電力ポート272、グランドポート273、信号ポート274、信号ポート275およびグランドポート276は、コネクタ270に含まれる端子である。
【0124】
旧機種の遊技機20は、上記のように、メイン表示制御基板250と複数のサブ表示装置(サブ表示装置82とサブ表示装置83)との間で制御信号等を授受するための回路を、パラレルで有している。
【0125】
次に、
図9に示す本実施形態に係る遊技機10の内部回路構成について、第3の実施形態における旧機種の遊技機20(
図8)との相違点を中心に説明する。
【0126】
本実施形態に係る遊技機10は、
図9に示すとおり、遊技機20(
図8)の構成からサブ表示基板850とサブ表示装置83とが省かれており、その代わりに端末処理基板900が設けられている。
メイン表示制御基板250、サブ表示基板810およびサブ表示装置82に係る構成要素については、遊技機10と遊技機20とで同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0127】
端末処理基板900はコネクタ910を有しており、コネクタ910はメイン表示制御基板250のコネクタ270と接続部材470を介して接続されている。ここで、コネクタ270が上記の第一コネクタに該当し、コネクタ910が第二コネクタに該当する。
より詳細には、コネクタ910に含まれる電力ポート911が電力ポート271に接続されており、コネクタ910に含まれる電力ポート912が電力ポート272に接続されており、コネクタ910に含まれるグランドポート913がグランドポート273に接続されている。そして、コネクタ910に含まれる信号ポート914が信号ポート274に接続されており、コネクタ910に含まれる信号ポート915が信号ポート275に接続されており、コネクタ910に含まれるグランドポート916がグランドポート276に接続されている。
【0128】
図9に示すように、コネクタ910(第二コネクタ)に含まれる端子のうち、グランド接続が割り当てられているグランドポート913およびグランドポート916(グランド端子)は抵抗を介さずにグランド924に接続されている。また、コネクタ910に含まれる端子のうち、電力ポート911、電力ポート912、信号ポート914および信号ポート915は抵抗921、抵抗922または抵抗923を介してグランド924に接続されている(グランド端子を除く端子が第二端子である)。
換言すれば、コネクタ270(第一コネクタ)に含まれる端子のうち、グランド接続が割り当てられているグランドポート273およびグランドポート276(グランド端子)は抵抗を介さずにグランド924に接続されている。また、コネクタ270に含まれる端子のうち、電力ポート271、電力ポート272、信号ポート274および信号ポート275は抵抗921、抵抗922または抵抗923を介してグランド924に接続されている(グランド端子を除く端子が第一端子である)。
すなわち、サブ表示装置83またはサブ表示基板850が省かれて使用されなくなったコネクタ270に含まれるすべての端子が、端末処理基板900(コネクタ910)に接続されることによって適切に終端処理される。
【0129】
上記において電力ポート271と電力ポート272とが同一の抵抗921を介してグランド924に接続されているのは、電力ポート271から出力される電力と電力ポート272から出力される電力とは、概ね同電位であって同位相であるからである。一方、上記において信号ポート274と信号ポート275とが、各々異なる抵抗922または抵抗923を介してグランド924に接続されているのは、信号ポート274から出力される制御信号と信号ポート275から出力される制御信号とは個別のものであって、同電位および同位相となることが稀であるからである。
【0130】
抵抗921の抵抗値は、抵抗922または抵抗923の抵抗値より大きくなるのが一般的である。電力ラインの電位レベルは信号ラインの電位レベルに比べて一般的に大きいため、適切に終端処理するためには、より大きな抵抗値を要するからである。
【0131】
本実施形態の遊技機10は、上記のような構成を有することによって、第一コネクタ(270)が不要になる機種変更が発生したとしても、第一コネクタを第二コネクタ(コネクタ910)に接続するだけで終端処理が可能であるため、第一コネクタを有する電子基板(メイン表示制御基板250)の共通化を図ることができる。従って、在庫リスクが低下し、リユース効果が上がり、製品単価の抑制に寄与できる。
【0132】
なお、本実施形態では、各端子がグランド924に接続される実施例で説明したが、グランド924に代えて定電位源に接続しても同様の効果を奏する。
【0133】
上記の実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)一以上の電子基板を備える遊技機であって、同一の前記電子基板または異なる前記電子基板に設けられている第一コネクタと第二コネクタとが電気的に接続されており、前記第一コネクタに含まれる少なくとも一つの端子である第一端子が、前記第二コネクタが設けられている前記電子基板に形成されている定電位源またはグランドの少なくとも一方に抵抗を介して接続されている遊技機。
(2)前記第一コネクタが設けられている前記電子基板と同一の前記電子基板または異なる前記電子基板にプロセッサが設けられており、前記第一端子は、前記プロセッサのポートであり、前記第一端子が前記抵抗を介して前記定電位源に接続されていることによって、前記プロセッサにおいて有効と判断される基準電圧である有効レベルを超える電圧が前記第一端子に印加される、または、前記第一端子が前記抵抗を介して前記グランドに接続されていることによって、前記プロセッサにおいて無効と判断される基準電圧である無効レベルを下回る電圧が前記第一端子に印加される(1)に記載の遊技機。
(3)前記第一コネクタに含まれる端子のうち、グランド接続が割り当てられているグランド端子は前記抵抗を介さずに前記グランドに接続されており、前記第一コネクタに含まれる端子のうち、前記グランド端子を除く端子が前記第一端子である(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記第一コネクタが設けられている前記電子基板と、前記第二コネクタが設けられている前記電子基板と、が異なる(3)に記載の遊技機。
【0134】
さらに、上記の実施形態は以下の技術思想を包含する。
(a)遊技機に用いられる遊技機用電子基板であって、他の電子基板に設けられている第一コネクタと電気的に接続する第二コネクタと、定電位源またはグランドの少なくとも一方と、が設けられており、前記第二コネクタに含まれる少なくとも一つの端子である第二端子が、前記定電位源または前記グランドに抵抗を介して接続されている遊技機用電子基板。
(b)前記第二コネクタに含まれる端子のうち、グランド接続が割り当てられているグランド端子は前記抵抗を介さずに前記グランドに接続されており、前記第二コネクタに含まれる端子のうち、前記グランド端子を除く端子が前記第二端子である(a)に記載の遊技機用電子基板。