(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ジメチコノールと、ジメチコーン及び界面活性ブロックコポリマーのブレンド物とを含み、さらにアミノシリコーンを含むシリコーン成分を含有し、ジメチコノールとアミノシリコーンの質量比が1:20〜5:1の範囲であり、かつ、クレンジング界面活性剤を含む、
シャンプー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[シリコーン成分]
疑念を避けるため、シリコーン成分の全ての量は、成分中の全てのシリコーンの量をいい、そのほかの成分、例えば、界面活性ブロックコポリマーは含まない。
【0020】
典型的には、シリコーン成分は、組成物の0.01〜10質量%の量で、さらに好ましくは組成物の0.1〜5質量%、なおさらに好ましくは組成物の0.3〜4質量%、よりなおさらに好ましくは0.5〜3質量%、最も好ましくは0.7〜2.5%の量で、組成物中に存在する。
【0021】
ジメチコノールとジメチコーンとの質量比は、好ましくは1:100〜5:1、より好ましくは1:10〜7:5、なおさらに好ましくは1:5〜4:3、最も好ましくは1:2〜6:5の範囲である。
【0022】
ジメチコノールとアミノシリコーンの質量比は、1:100〜20:1、より好ましくは1:20〜5:1の範囲である。なおさらに好ましくは、ジメチコノールとアミノシリコーンの質量比は1:10〜3:1、最も好ましくは1:5〜1:2の範囲である。
【0023】
ジメチコーンとアミノシリコーンの質量比は、好ましくは1:100〜20:1、より好ましくは1:10〜10:1である。なおさらに好ましくは、ジメチコーンとアミノシリコーンの質量比は1:5〜2:1、最も好ましくは1:2〜3:2の範囲である。
【0024】
好ましくは、ジメチコノールとジメチコーンのD
3,2平均粒径比は、1:500〜1:5、より好ましくは1:100〜1:15、最も好ましくは1:80〜1:30である。ジメチコノールとアミノシリコーンのD
3,2平均粒径比は1:10〜5:1、より好ましくは1:4〜1:1、最も好ましくは1:3〜4:5である。好ましくは、ジメチコーンとアミノシリコーンのD
3,2平均粒径比は、5:1〜100:1、より好ましくは10:1〜50:1、最も好ましくは20:1〜30:1である。
【0025】
好ましくは、シリコーン成分は、その成分の10〜80質量%のジメチコノール、より好ましくは20〜60質量%、なおさらに好ましくは35〜54質量%、なおさらにより好ましくは30〜50質量%のジメチコノールを含有する。
【0026】
好ましくは、シリコーン成分は、その成分の10〜80質量%のジメチコーン、より好ましくは20〜60質量%、なおさらに好ましくは30〜50質量%のジメチコーンを含有する。
【0027】
このましくは、シリコーン成分は、その成分の1〜60質量%のアミノシリコーン、より好ましくは、8〜55質量%、なおより好ましくは15〜40質量%、なおさらにより好ましくは22〜35質量%のアミノシリコーンを含有する。
【0028】
上記シリコーン成分は、好ましくは、組成物中の全シリコーンの少なくとも10質量%、より好ましくは組成物中の全シリコーンの30〜100質量%の量で、組成物中に存在する。最も好ましくは、シャンプー組成物中の全シリコーンは、ジメチコノールと、ジメチコーン及び界面活性ブロックコポリマーのブレンド物と、アミノシリコーンとから本質的になるか又はそれらのみからなる。
【0029】
好ましくは、上記シリコーン成分は、シリコーンコンディショニング剤である。
【0030】
[ジメチコノール]
好ましくは、ジメチコノールは非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤で乳化されている。このましくは、ジメチコノールは不揮発性である。
【0031】
好ましくは、ジメチコノールは、組成物の0.001〜4質量%、より好ましくは全組成物の0.01〜3質量%、なおより好ましくは0.04〜2質量%、なおさらにより好ましくは0.15〜1.2質量%、最も好ましくは0.2〜0.8質量%の量で組成物中に存在する。
【0032】
ジメチコノールそれ自体の粘度(上記エマルション又は最終的なシャンプー組成物ではない)は一般的には25℃において10,000〜10
9cSt(センチストークス)、好ましくは60,000cSt〜500,000,000cSt、さらに好ましくは100,000〜50,000,000cSt、なおさらに好ましくは200,000〜5,000,000cSt、最も好ましくは500,000〜2,000,000cStである。
【0033】
本発明の組成物において用いるための好適な乳化されたジメチコノールの例は、組成物中において20ミクロン未満のD
3,2平均粒径、好ましくは5nm〜5ミクロン、より好ましくは20nm〜2ミクロン、なおさらに好ましくは40nm〜1ミクロン、最も好ましくは100〜500nmのD
3,2平均粒径を有する。
【0034】
シリコーンのD
3,2平均液滴径は、レーザー光散乱法を用い、例えば、Malvem Instruments社の2600 D Particle Sizerを使用して測定できる。
【0035】
好適な予め形成されたエマルションの例には、Dow Corning社から入手できるDC 5-7051、DC 1788、DC 1785が包含される。最も好ましいジメチコノールはDC 1788である。
【0036】
[ジメチコーン及び界面活性ブロックコポリマーのブレンド物]
ジメチコーンと界面活性ブロックポリマーとのブレンド物は、典型的には、0.2〜100マイクロメートルの液滴(D
3,2)の平均直径をもつジメチコーンと、ポリエチレンオキシドブロック及びポリプロピレンオキシドブロックを含む4000原子質量単位の平均分子量をもつ界面活性ブロックコポリマーを含む、別々の分散された液滴として存在し、各ブロックは2以上のエチレンオキシド又はプロピレンオキシドモノマー単位のみからなり、そのブロックコポリマー中のプロピレンオキシド単位の平均数は25以上である。
【0037】
界面活性ブロックコポリマーの一つの好ましい形態は下記式Iを有し、ポロキサマー(Poloxamer)のCTFA名を有する。これらはBASF社から「プルロニック」(Pluronic)の商品名で入手できる。
【化1】
【0038】
適切には、式Iのxの平均値は4以上、好ましくは8以上、さらに好ましくは25以上、なおさらに好ましくは50以上、最も好ましくは80以上である。適切にはyの平均値は25以上、好ましくは35以上、さらに好ましくは45以上、最も好ましくは60以上である。
【0039】
界面活性ブロックコポリマーの別の好ましい形態は下記式IIによるものであり、ポロキサミン(Poloxamine)のCFTA名を有する。これらはBASF社から「テトロニック」(Tetronic)の商品名で入手できる。
【化2】
【0040】
適切には、aの平均値は2以上、好ましくは4以上、さらに好ましくは8以上、なおさらに好ましくは25以上、最も好ましくは40以上である。bの平均値は適切には6以上、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、最も好ましくは15以上である。
【0041】
式I中、重合度xは、各ポリエチレンオキシドブロックのものと同じものとして示される。これは、式II中で、EO及びPOブロックそれぞれに対するa及びbについても同じである。明確性のために、これらの重合度は平均値であり、いずれかの具体的な式について完全同一というよりむしろ概略同じであると説明されるべきである。これは、これらの化合物を製造するために用いられる方法の結果であり、ポリマー合成の当業者には知られている。
【0042】
好ましくは、ブロックコポリマーの分子量は適切には4000原子質量単位以上、好ましくは7000以上、より好ましくは10000以上、最も好ましくは12000以上である。
【0043】
平均分子量は適切にはそのポリマーの水酸基数を測定し、次にそれを分子量に変換することによって測定される。これは、数に基づく平均分子量に相当する。
【0044】
好ましくは、界面活性ブロックコポリマーはポロキサマー及び/又はポロキサミンであり、より好ましくは、界面活性ブロックコポリマーはポロキサマーである。
【0045】
上記ブレンド物中のジメチコーンと界面活性ブロックコポリマーの質量比は、好ましくは2:1〜200:1、より好ましくは5:1〜50:1、なおさらに好ましくは10:1〜40:1、最も好ましくは15:1〜30:1の範囲である。
【0046】
本発明の組成物に用いるために適したジメチコーンは、0.2〜100ミクロン、好ましくは0.5〜30ミクロン、より好ましくは2〜20ミクロン、なおさらに好ましくは5〜15ミクロン、最も好ましくは7〜12ミクロンの、組成物中でのD
3,2平均粒径を有する。
【0047】
シリコーンD
3,2平均液滴径は、レーザー光散乱法により、例えば、Malvern Instruments社の2600 D Particle Sizerを使用して測定できる。
【0048】
好ましくは、ジメチコーンそれ自体(ブレンド物ではなく)は、組成物の0.001〜4質量%の量で、より好ましくは全組成物の0.04〜3質量%、なおさらに好ましくは0.1〜2質量%、さらになおより好ましくは0.15〜0.7質量%、最も好ましくは0.2〜0.5質量%の量で組成物中に存在する。
【0049】
好ましくは、ジメチコーンは、ブレンド物の10〜89質量%の量で、より好ましくはブレンド物の25〜80質量%、さらにより好ましくは35〜75質量%、最も好ましくは48質量%〜68質量%の量でブレンド物中に存在する。
【0050】
好ましくは、界面活性ブロックコポリマーは、ブレンド物の0.1〜15質量%、さらに好ましくはブレンド物の0.5〜8質量%、なおさらに好ましくは1〜5質量%、最も好ましくは2.5質量%〜3.5質量%の量でブレンド物中に存在する。
【0051】
好ましくは、ブレンド物は、ブレンド物の0.1〜20質量%、より好ましくはブレンド物の2〜10質量%の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤をさらに含むことができる。好ましくは、ジメチコーンはブレンド物中でその界面活性剤によって乳化されている。
【0052】
好ましくは、ブレンド物はまた、ブレンド物の10〜89質量%、より好ましくはブレンド物の30〜70質量%、最も好ましくは40〜60質量%で水を含有する。
【0053】
ジメチコーンは水に不溶性である。水に不溶性とは、25℃での水への溶解度が0.01質量%以下であることを意味する。好ましくは、ジメチコーンは不揮発性である。
【0054】
ジメチコーンそれ自体(エマルション又は最終的なシャンプー組成物ではない)の粘度は、25℃で好ましくは1,000〜10,000,000cSt(センチストークス)、より好ましくは5,000〜1,000,000cSt、なおさらに好ましくは15,000〜300,000cSt、最も好ましくは30,000〜100,000cStである。シリコーンオイルの動粘度を測定するために適した方法は当業者に公知であり、例えば、キャピラリー粘度計である。高粘度シリコーンについては、定応力レオメータ(constant stress rheometer)を、粘度を測定するために使用することができる。
【0055】
シリコーンと界面活性ブロックコポリマーのブレンド物は、好ましくは以下のステップによって作られる:
i)シリコーンコンディショニングオイルの水中油型エマルションを調製するステップ、及び
ii)そのエマルション中に界面活性ブロックコポリマーを分散させるステップ。
【0056】
水性エマルションの調製に用いるために適した乳化剤は当分野で周知であり、それには、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤、並びのその混合物が含まれる。シリコーン粒子のための乳化剤として用いられるアニオン性界面活性剤の例は、アルキルアリールスルホネート、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;アルキル硫酸塩類、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム;アルキルエーテル硫酸塩類、例えば、ラウリルエーテル(nEO)硫酸ナトリウム(nは1〜20である);アルキルフェノールエーテル硫酸塩類、例えば、オクチルフェノールエーテル(nEO)硫酸塩(nは1〜20である);及び、スルホコハク酸塩類、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである。
【0057】
シリコーン液滴のための乳化剤として用いるために適した非イオン性界面活性剤の例は、アルキルフェノールエトキシレート、例えば、ノニルフェノールエトキシレートnEO(nは1〜50である)、及びアルコールエトキシレート、例えば、ラウリルアルコールnEO(nは1〜50である);エステルエトキシレート、例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(オキシエチレン単位の数が1〜30である)である。
【0058】
[アミノシリコーン]
アミノシリコーンは、少なくとも1つの一級、二級、又は三級アミノ基、あるいは四級アンモニウム基を含むシリコーンを意味する。適したアミノシリコーンは、EP455,185(Helene Curtis)に記載されており、下に示すトリメチルシリルアモジメチコーンを包含し、充分に水不溶性であって、本発明の組成物に有用である。
【化3】
式中、x+yは約50〜約500の数であり、モル%アミノ官能性は、0.3〜8%、好ましくは0.5〜4%の範囲であり、Rは2〜5の炭素原子を有するアルキレン基である。好ましくは、x+yの数は約100〜約300の範囲であり、モル%アミン官能基は約1.5〜約6%の範囲である。
【0059】
好ましくは、アミノシリコーンは、CTFA名「アモジメチコン」を有するアミノ官能性ポリシロキサンである。
【0060】
好ましくは、アミノシリコーンは、ジメチコノール及びジメチコーンとは異なる。好ましくは、アミノシリコーンは不揮発性である。
【0061】
好ましくは、アミノシリコーンは、組成物の0.005〜4質量%の量で、より好ましくは全組成物の0.01〜2質量%、なおさらに好ましくは0.04〜1質量%、なおよりさらに好ましくは0.1〜0.7質量%、最も好ましくは0.2〜0.5質量%の量で、組成物中に存在する。
【0062】
好ましくは、アミノシリコーンは非イオン性及び/又はカチオン性界面活性剤で乳化される。
【0063】
本発明の組成物に用いるために適する乳化されたアミノシリコーンは、好ましくは、10nm〜20ミクロン、好ましくは30nm〜5ミクロン、より好ましくは80nm〜2ミクロン、なおさらに好ましくは120nm〜1.5ミクロン、最も好ましくは200nm〜800nmの、組成物中でのD
3,2平均粒径を有する。
【0064】
アミノシリコーン自体(エマルション又は最終的なシャンプー組成物ではなく)の粘度は、通常、25℃で10〜500,000cSt(センチストークス)、好ましくは100cSt〜200,000cSt、より好ましくは500〜20,000cSt、なおさらに好ましくは1,000〜6,000cStである。
【0065】
本発明において用いるために適した乳化されたアミノシリコーンの具体例には、例えば、DC 929、DC 939、DC 949、SM 8704C、SM 8904(全てDow Corning社より)が含まれる。
【0066】
[洗浄界面活性剤(クレンジング界面活性剤)]
好ましい態様では、上記組成物は洗浄界面活性剤(クレンジング界面活性剤)を含有する。
【0067】
適切なアニオン性クレンジング界面活性剤の例は、アルキル硫酸塩類、アルキルエーテル硫酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルカノイルイセチオネート、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、N−アルキルサルコシネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、並びにアルキルエーテルカルボン酸及びその塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム、並びにモノ、ジ、及びトリエタノールアミン塩である。そのアルキル及びアシル基は通常8〜18、好ましくは10〜16の炭素原子を含み、これらは不飽和でもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、並びにアルキルエーテルカルボン酸及びその塩は、1分子当たり1〜20のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位を含んでいてもよい。
【0068】
本発明の組成物に用いるための典型的なアニオン性クレンジング界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸、及びN−ラウリルサルコシンナトリウムが含まれる。
【0069】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩及びアルキルエーテル硫酸塩である。これらの物質は、それぞれ式R
2OSO
3M及びR
1O(C
2H
4O)
xSO
3M(式中、R
2は8〜18の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは約1〜約10の価を有する整数であり、Mはカチオン、例えば、アンモニウム、アルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン、一価の金属、例えば、ナトリウム及びカリウム、及び多価金属カチオン、例えば、マグネシウム及びカルシウムである)を有する。より好ましくは、R
2は12〜14の炭素原子を有し、分岐鎖よりむしろ直鎖である。
【0070】
好ましいアニオン性クレンジング界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルエーテル(n)EO硫酸ナトリウム(nは1〜3である)から、より好ましくはラウリルエーテル(n)EO硫酸ナトリウム(nは1〜3)から選択され、最も好ましくはラウリルエーテル(n)EO硫酸ナトリウム(n=1)である。
【0071】
好ましくは、アルキルエーテル硫酸塩の量は全組成物の0.5質量%〜25質量%、より好ましくは3質量%〜18質量%、最も好ましくは6質量%〜15質量%である。
【0072】
本発明の組成物中のアニオン性クレンジング界面活性剤の総量は、一般に、0.5質量%〜45質量%、より好ましくは1.5質量%〜20質量%の範囲である。
【0073】
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。最も好ましくは、非イオン性界面活性剤は0〜5質量%の範囲で存在する。
【0074】
本発明の組成物に含有されることができる非イオン性界面活性剤には、脂肪族(C
8〜C
18)の一級又は二級の直鎖状又は分岐状鎖のアルコール又はフェノール類とアルキレンオキシド、通常はエチレンオキシドとの縮合生成物であって、一般的には6〜30のエチレンオキシド基を有するものが含まれる。アルキルエトキシレートが特に好ましい。式R−(OCH
2CH
2)
nOH(式中、RはC12〜C15のアルキル鎖であり、
は5〜9である)を有するアルキルエトキシレートが最も好ましい。
【0075】
その他の好適な非イオン性界面活性剤には、モノ又はジアルキルアルカノールアミドが含まれる。具体例には、ココモノ又はジエタノールアミド及びココモノイソプロパノールアミドが含まれる。
【0076】
本発明の組成物に含有されることができるさらなる非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(APG)である。典型的には、APGは、1つ以上のグリコシル基のブロックに結合した(任意選択により場合によっては架橋基を介して結合した)アルキル基を含むものである。好ましいAPGは下記式によって定義される:
PO−(G)
n
式中、Rは、飽和又は不飽和であってよい分岐又は直鎖アルキル基であり、Gはサッカリド基である。
【0077】
Rは約C
5〜約C
20の平均アルキル鎖長を表すことができる。好ましくは、Rは約C
8〜約C
12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくは、Rの値は、約9.5〜約10.5の間にある。Gは、C
5又はC
6モノサッカリド基から選択されることができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノース、及びそれらの誘導体からなる群から選択してよい。好ましくは、Gはグルコースである。
【0078】
重合度nは、約1〜約10以上の値を有することができる。好ましくは、nの値は、約1.1〜約2の間である。最も好ましくは、nの値は約1.3〜約1.5である。
【0079】
本発明に用いるために好適なアルキルポリグルコシドは市販されており、例えば、Seppic社のOramix NS10、Henkel社のPlantaren 1200及びPlantaren 2000として特定される物質が含まれる。
【0080】
本発明の組成物中に含有される、糖から誘導されるその他の非イオン性界面活性剤には、C
10〜C
18N−アルキル(C
1〜C
6)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、C
12〜C
18N−メチルグルカミド(例えば、国際公開第92/06154号及び米国特許第5,194,639号明細書に記載されている)、及びN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、C
10〜C
18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドが包含される。
【0081】
両性界面活性剤又は両性イオン界面活性剤は、全組成物の0.5質量%〜約8質量%、好ましくは1質量%〜4質量%の範囲の量で含有されることができる。
【0082】
両性界面活性剤又は両性イオン界面活性剤の例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(sultaine)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン(alkylamidopropyl hydroxysultaine)、アシルタウレート、及びアシルグルタメート(これらにおいてアルキル及びアシル基は8〜19の炭素原子を有する)が含まれる。本発明のシャンプーに用いるための典型的な両性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、及びナトリウムココアンホアセテートが含まれる。
【0083】
特に好ましい両性界面活性剤又は両性イオン界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0084】
上述した両性界面活性剤又は両性イオン界面活性剤の任意の混合物も適している。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと、上述したさらなる両性界面活性剤あるいは両性イオン界面活性剤との混合物である。好ましいさらなる両性界面活性剤あるいは両性イオン界面活性剤は、ナトリウムココアンホアセテートである。
【0085】
[カチオン性沈着ポリマー]
カチオン性ポリマーは、性能を高めるための、シャンプー組成物中の好ましい成分である。
【0086】
好適なカチオン性ポリマーは、カチオン置換基を有するホモポリマーであるか、又は2種以上のモノマーから形成されるカチオン性ポリマーである。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、一般的に、100000〜200万ダルトンである。これらのポリマーは、カチオン性窒素含有基、例えば、四級アンモニウム又はプロトン化されたアミノ基、あるいはそれらの混合基を有する。ポリマーの分子量が低すぎる場合は、コンディショニング効果が低い。高すぎる場合は、高い伸長粘度が、組成物を注いだときに組成物の糸引きをもたらすという問題が生じるおそれがある。
【0087】
カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部の上に置換基として存在する。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合は、ポリマーはスペーサーとなる非カチオン性モノマー単位を含むことができる。そのようなポリマーは、CTFA化粧品成分辞典第三版(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary, 3rd edition)に記載されている。カチオン性モノマーと非カチオン性モノマーの比は、必要とされる範囲のカチオン電荷密度(これは通常0.2〜3.0meq/gである)をもつポリマーが得られるように選択される。ポリマーのカチオン電荷密度は、窒素測定のための化学的試験のもと、米国薬局方中に記載されたケルダール法(Kjeldahl法)によって適切に測定される。
【0088】
好適なカチオン性ポリマーには、例えば、カチオン性アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキル及びジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトン、及びビニルピロリドンなどとのコポリマーが含まれる。そのアルキル及びジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1〜C7アルキル基、より好ましくはC1〜3アルキル基を有する。その他の好適なスペーサーには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコール、及びエチレングリコールが含まれる。
【0089】
カチオン性アミンは、組成物の具体的な種類及び組成物のpHに応じて、一級、二級、又は三級アミンであることができる。一般的には、二級及び三級アミン、特に三級アミンが好ましい。
【0090】
アミン置換されたビニルモノマー及びアミン類は、アミンの形態で重合され、次に四級化によってアンモニウムに変換されることができる。
【0091】
カチオン性ポリマーは、アミン及び/又は四級アンモニウムで置換されたモノマー及び/又はそれと適合性のあるスペーサーモノマーに由来するモノマー単位の混合を含んでなることができる。
【0092】
適したカチオン性ポリマーには例えば以下のものが含まれる。
− カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、これには例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、並びにアクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマーが含まれ、この産業分野において(CTFA)それぞれポリクォータニウム6(Polyquaternium 6)及びポリクォータニウム7(Polyquaternium 7)といわれる。
− 3〜5の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモ及びコポリマーのアミノアルキルエステルの無機酸塩類(米国特許第4,009,256号明細書に記載されている)。
− カチオン性ポリアクリルアミド(国際公開第95/22311号に記載されている)。
【0093】
用いることができるその他のカチオン性ポリマーには、カチオン性ポリサッカリドポリマー、例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、及びカチオン性グアーガム誘導体が含まれる。
【0094】
本発明の組成物において用いるのに適したカチオン性ポリサッカリドポリマーは、下記式のモノマーを含む。
【化4】
式中、Aはアンヒドログルコース残基、例えば、デンプン又はセルロースアンヒドログルコース残基である。Rは、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基、あるいはそれらの組み合わせである。R1、R2、及びR3は独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基を表し、各基は約18以下の炭素原子を含む。各カチオン基については炭素原子の合計数(すなわち、R1、R2、及びR3中の炭素原子の合計)が好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性の対イオンである。
【0095】
別の種類のカチオン性セルロースには、ラウリルジメチルアンモニウムで置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第四級アンモニウム塩が含まれ、これは当産業において(CTFA)ポリクォータニウム24といわれる。これらの材料は、Amerchol Corporationから、例えば、Polymer LM-200の商品名で入手できる。
【0096】
その他の適したカチオン性ポリサッカリドポリマーには、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許3,962,418号明細書に記載されている)、及びエーテル化セルロース及びデンプンのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号明細書に記載されている)が含まれる。
【0097】
用いることができる特に適したタイプのカチオン性ポリサッカリドポリマーは、カチオン性グアーガム誘導体、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(Rhodia社からJAGUARの商品名のシリーズで市販されている)である。そのような材料の例は、JAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15、JAGUAR C17、及びJAGUAR C16、Jaguar CHT、及びJAGUAR C162である。
【0098】
上記カチオン性ポリマーのいずれかの混合物を用いてもよい。
【0099】
カチオン性ポリマーは、通常、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の総質量に基づいて、0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜1質量%、さらに好ましくは0.08〜0.5質量%のカチオン性ポリマーの量で存在する。
【0100】
[任意成分]
本組成物は、ヘアケア製品のためのその他の機能性活性剤、例えば、フケ防止剤を含んでいてもよい。フケ防止剤は、フケに抗する活性剤であり、典型的には抗菌剤であり、好ましくは抗真菌剤である化合物である。
【0101】
抗真菌剤は典型的にはマラセチア属(Malassezia spp.)に対して約50mg/ml以下の最小阻害濃度を示す。
【0102】
好適なフケ防止剤には、アゾ−ル系抗真菌剤、オクトピロックス、金属ピリチオン塩類、及びそれらの混合物が包含される。好ましいアゾ−ル系抗真菌剤は、ケトコナゾール及びクリンバゾールである。好ましい金属ピリチオン塩類は、亜鉛、銅、銀、及びジルコニウムピリチオンである。最も好ましいものは亜鉛ピリチオンである。
【0103】
好ましくは、フケ防止剤は、組成物の0.01〜5質量%で、さらに好ましくは組成物の0.1〜2.5質量%で存在する。
【0104】
本発明の組成物は、性能及び/又は消費者への受容性を高めるためのその他の成分を含むことができる。そのような成分には、香料、染料及び顔料、pH調節剤、真珠光沢剤又は乳白剤、粘度調節剤、及び保存料又は抗菌剤が包含される。これらの成分のそれぞれは、その目的を達成するために有効な量で存在する。一般に、これらの任意選択成分は、個々に、全組成物の5質量%以下の量で含まれる。
【0105】
好ましくは、本組成物は、組成物の少なくとも5質量%の水、より好ましくは全組成物の15〜95質量%、さらにいっそう好ましくは35〜88質量%、なおさらにいっそう好ましくは45〜82質量%、最も好ましくは65〜85質量%の水を含む。
【0106】
本発明の組成物は主として個体、個人の毛髪の少なくとも一部に局所適用することが意図されており、洗い流す(rinse-off)組成物又はつけたままにしておく(leave-on)組成物のいずれかであり、乾燥及び/又は湿った、ダメージを受けた及び/又はダメージを受けていない毛髪の処理のためのものである。
【0107】
本発明を、以下の非限定的な実施例を参照して説明する。
【0108】
[例1]
標準的な方法によってシャンプー組成物を作り、それは表1に示す配合を有していた。
【0110】
[例2]
この例は、シャンプー1が、シャンプーA及びシャンプーBの両方よりも良好なコンディショニング性能を有することを実証している。
【0111】
毛髪の小束(各束、10g、25cm長さ、及び3.5cm幅)を、シャンプーのコンディショニング性能を試験するために使用した。毛髪の小束をヘプタン及びジエチルエーテルにそれぞれ30〜60分入れ、次に過剰な溶媒を除去した。次に、毛髪の小束を毛髪の小束1gあたり0.05mlの量で水中14質量%SLES(1EO)によって2回洗浄し、次に充分にすすいだ。その毛髪の小束を次にヘアスリーブに入れ、毛髪の小束1g当たり0.05mlの量のシャンプーを用いて試験シャンプーで処理し、すすいだ。試験シャンプーによる処理ステップをもう一度繰り返した。その後、毛髪の小束に、同じ市販のヘアコンディショナーを、毛髪の小束1gあたり0.1ml量のヘアコンディショナーを塗布し、次にすすぎ工程を行った。次に、毛髪の小束を55℃で60分乾燥させ、評価開始前にその毛髪の小束のセットを一定温度/湿度の部屋に少なくとも30分間入れた。コンディショニングについての6つの特性を評価した。
【0112】
合計6人に依頼して一人当たり12セットを評価してもらった。その人たちに小束のペアを与えて、各特性についてより良いと思った毛髪の小束を選択するように頼んだ。シャンプー1とシャンプーAを比較した結果を表2に示しており、シャンプーAとシャンプーBを比較した結果を表3に示している。これらの表は、顕著な差を有する特性のみを示している。その他の特性は同等性を示した。
【0115】
これらの表からわかるとおり、シャンプー1は、より良好な「湿潤時のスムーズさ」、「湿潤時の櫛通り」、及び「乾燥時の櫛通り」の利点を毛髪にもたらすことができる。試験者は、シャンプーA及びシャンプーBの両方よりもシャンプー1が明確に好ましいと表明した。シャンプーに本発明のシリコーン成分を組み込むことが、それらのうちの2つのシリコーンのみを組み込むよりも良好なコンディショニング益をもたらすことが実証された。これらのデータは、本発明の組成物が、改善されたヘアコンディショニング益をもたらすことを明らかに示している。
【0116】
[例3]
シャンプー組成物を標準的な方法によって作ったが、それは表4に示した配合を有する。
【0118】
[例4]
この例は、シャンプー5が、シャンプー6よりも良好なコンディショニング及び洗浄性能を有することを実証している。
【0119】
シャンプー組成物5及び6をパネル試験で評価した。肩までの長さ又はそれより長い、自分自身痛んでいると認識している毛髪をもつ36人のパネリストが試験を行った。それぞれの人に、4週間にわたって使用するために60mlのプラスチックボトルの上記2つのそれぞれのシャンプーを供与した。各製品は少なくとも2回使用され(最多で4回)、ただ一つの製品をいずれかの一週間に使用した。パネリストたちは、それぞれの通常の習慣にしたがってそれぞれの通常のシャンプーに代えて試験品を使用し、パネリストたちが試験品を使用したその同じ日には、コンディショナー又は従来のムースの使用を控えた。試験は、同じ数のパネリストが各製品を各週に使用するようにバランスをとった。各週の最後に、各パネリストは、一連の特性に対して、その週に試験したシャンプーを採点する質問表に回答した。
【0120】
例えば、泡立ちの量、すすぎまでの時間、からまりを櫛ですく容易さ、ボリュームを含めた21の特性を、シャンプーの適用、シャンプーのすすぎ、湿った段階、及び乾燥した段階のあいだで比較した。泡立つまでの時間(90%有意なレベル)、泡の耐性(95%の有意なレベル)、及び水を流した状態での滑らかな感触(90%の有意なレベル)においてシャンプー5がシャンプー6よりも優れていることがわかった。全てのその他の特性は同等性を示した。その他の特性を犠牲にすることなく、シャンプー6よりも良好なコンディショニング及び洗浄性能をシャンプー5が有することが実証された。