特許第6286427号(P6286427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス エスエイエスの特許一覧

<>
  • 特許6286427-自動車用のディスプレイ 図000002
  • 特許6286427-自動車用のディスプレイ 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286427
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】自動車用のディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20180215BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20180215BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   G02B27/01
   B60K35/00 A
   H04N5/64 511A
【請求項の数】10
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-525851(P2015-525851)
(86)(22)【出願日】2013年8月5日
(65)【公表番号】特表2015-527612(P2015-527612A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013066384
(87)【国際公開番号】WO2014023690
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年6月30日
(31)【優先権主張番号】12/02193
(32)【優先日】2012年8月6日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502175756
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス エスエイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】マククェト、 エリック
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−043531(JP,A)
【文献】 特開2012−150420(JP,A)
【文献】 特開平09−109732(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02479598(EP,A1)
【文献】 実開平01−068938(JP,U)
【文献】 実開平02−062473(JP,U)
【文献】 特表2009−515768(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/063632(WO,A1)
【文献】 特開平07−329603(JP,A)
【文献】 特開2008−268883(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/111201(WO,A1)
【文献】 特表2013−543598(JP,A)
【文献】 特開昭62−137236(JP,A)
【文献】 実開昭62−181436(JP,U)
【文献】 特開2006−062501(JP,A)
【文献】 特開2007−126049(JP,A)
【文献】 特開2006−248323(JP,A)
【文献】 特開2011−145655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00 − 37/06
H04N 5/64
B60R 9/00 − 11/06
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のディスプレイ(10)であって、
像を生成して前記ディスプレイ(10)のユーザの通常視認方向(15)に、一光路(12)に沿って前記像を投影する投影モジュール(11)を含み、
前記ディスプレイ(10)は反射及び/又は表示要素(13)と、前記反射及び/又は表示要素(13)の保持器とを含み、
前記保持器は、前記反射及び/又は表示要素(13)と前記保持器とを別個に動かすように構成された回転モータ要素(M)及び伝動要素(3)を含み、
前記反射及び/又は表示要素(13)は、前記保持器に対して複数の角度表示位置間で可動であり
記保持器は複数の並進位置状態間で垂直方向に可動であるディスプレイ(10)。
【請求項2】
前記反射及び/又は表示要素(13)は、前記複数の角度表示位置のほかに休止位置に位置決め可能であり、
前記反射及び/又は表示要素(13)の前記休止位置は、前記反射及び/又は表示要素(13)の前記保持器の休止位置状態に対応する請求項1に記載のディスプレイ(10)。
【請求項3】
前記反射及び/又は表示要素(13)の異なる角度表示位置間において、前記反射及び/又は表示要素(13)は、前記反射及び/又は表示要素(13)の前記保持器に統合された回転軸まわりの回転動を受ける請求項1又は2に記載のディスプレイ(10)。
【請求項4】
前記反射及び/又は表示要素(13)は、前記回転モータ要素及び伝動要素(3)によって回転軸まわりに回転される請求項1から3のいずれか一項に記載のディスプレイ(10)。
【請求項5】
前記反射及び/又は表示要素(13)の前記回転軸は実体的な軸である請求項3又は4に記載のディスプレイ(10)。
【請求項6】
前記反射及び/又は表示要素(13)を覆う手段を含み、
前記覆う手段は、休止位置にある場合の前記反射及び/又は表示要素(13)を覆う請求項1から5のいずれか一項に記載のディスプレイ(10)。
【請求項7】
前記ユーザを認識する音声認識装置をさらに含み、
前記反射及び/又は表示要素(13)は、前記音声認識装置が認識したユーザに適合された表示位置に位置決めされる請求項1から6のいずれか一項に記載のディスプレイ(10)。
【請求項8】
前記複数の角度表示位置は、前記反射及び/又は表示要素(13)の直立位置を含む請求項1から7のいずれか一項に記載のディスプレイ(10)。
【請求項9】
前記反射及び/又は表示要素(13)は、前記モータ要素(M)によって、直接又は伝動要素(3)を介して駆動される請求項1から8のいずれか一項に記載のディスプレイ(10)。
【請求項10】
前記モータ要素(M)は、ウォームギア駆動の形態にある伝動要素(3)とともに動作する請求項1から9のいずれか一項に記載のディスプレイ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用のディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、特許文献1に記載されるようなフロントガラスに向けて又は反射要素に向けて像を投影することを含むヘッドアップディスプレイ(HUD)が知られている。
【0003】
ヘッドアップディスプレイにより、自動車の前方領域視野内に情報を投影することができる。その結果、当該車の運転者はこの情報を、自動車の前方領域から目を離すことなく読み取ることができる。それと同時に、情報は、運転者が目の調整を変える必要なしに読み取ることができる。
【0004】
車のユーザの必要性に鑑み、車のユーザの頭部(又は目)のいくつかの位置に対して反射要素が使用可能な場合に有利である。
【0005】
かかる先行技術装置の一つの欠点は、ディスプレイを異なる位置に配置することができるがゆえに、制御又は位置変更機構を収容するべく比較的大きな余地が必要となる点にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,214,413号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の具体的な目的は、特に上述したような、先行技術の欠点を克服するとともに、ユーザの頭部の異なる高さに調整可能となるように制御することができる反射及び/又は表示要素を有するヘッドアップディスプレイを提案することにある。このディスプレイは、頻繁に使用されても高い安定性及び長い寿命を有する機構を含む。
【0008】
本発明によれば、この目的は、特に自動車用のディスプレイによって達成される。これは、像を生成して当該ディスプレイ(10)のユーザの通常視認方向(15)に、一光路(12)に沿って当該像を投影する投影モジュール(11)を含む。当該ディスプレイ(10)は、反射及び/又は表示要素(13)を含む。当該反射及び/又は表示要素(13)は、複数の様々な表示位置間で可動である。当該ディスプレイ(10)は、反射及び/又は表示要素(13)の保持器を含む。当該保持器は、様々な位置決め状態間で垂直方向に動くことができる。
【0009】
この形態のディスプレイに一実施例によれば、有利なことに、反射要素の動き機構を、簡単かつ安定した態様で、しかもそれが比較的狭い空間内で達成できるように配列することができる。
【0010】
本発明の他の好ましい改善は、反射及び/又は表示要素(13)が、複数の様々な表示位置のほかに休止位置に位置決めできる点にある。反射及び/又は表示要素(13)の休止位置は、反射及び/又は表示要素(13)の保持器の休止位置状態に対応する。
【0011】
この形態のディスプレイの一実施例によれば、有利なことに、休止位置にある場合の反射要素に対する損傷リスクをなくすか又は少なくとも低減することができる。
【0012】
本発明の他の好ましい改善は、反射及び/又は表示要素(13)の異なる表示位置間において、反射及び/又は表示要素(13)が、反射及び/又は表示要素(13)の保持器に統合された回転軸まわりの回転動を受ける点にある。
【0013】
この形態のディスプレイの一実施例によれば、有利なことに、反射及び/又は表示要素の動きを簡単かつ機械的に安定した態様で与えることができる。
【0014】
本発明の一代替形式によれば、
・反射及び/又は表示要素、
・反射及び/又は表示要素の保持器、
・反射及び/又は表示要素と当該反射及び/又は表示要素の保持器
のいずれかを、回転モータ要素及び伝動要素によって回転軸まわりに回転することもできる。
【0015】
本発明の好ましい改善は、反射及び/又は表示要素の回転軸が実体的な軸である点にある。
【0016】
本発明の好ましい改善は、ディスプレイが、反射及び/又は表示要素を覆う手段を含む点にある。この覆う手段は、休止位置にある場合の反射及び/又は表示要素を覆う。
【0017】
この形態のディスプレイの一実施例によれば、有利なことに、反射要素が第1休止位置にある場合にさらに一層、反射要素に対する損傷リスクをなくすか又は少なくとも低減することができる。
【0018】
本発明の一つの特定された非制限的実施例の以下の説明を読むことにより、本発明の他の特徴及び利点が判明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、その好ましい達成手段を言及する以下の説明によって良好に理解される。データが非制限的な例として与えられ、添付の概略図面を参照して説明される。
【0020】
図1】本発明に係るディスプレイの概略断面図である。
図2】本発明に係るディスプレイの反射及び/又は表示要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面の図1に示されるように、本発明に係るディスプレイ10は投影モジュール11を含む。投影モジュール11は、ディスプレイ10のユーザの通常視認方向15の像を光路12に沿って生成する。
【0022】
光路12は通常、少なくとも一つの反射及び/又は表示要素13を含む。この配列において光路12は、図1に示されるように、一つの反射要素(単数)を含む。しかしながら、光路12は2つの反射要素を含むこともできる。ディスプレイ10は、反射要素13によって若しくは表示要素(例えば薄膜トランジスタ「TFT」)によって、又は反射及び/若しくは表示要素によって作ることができる。
【0023】
通常視認方向15は、特に車の運転者のようなディスプレイ10のユーザが、車の前に位置する外部を、フロントガラス14を介して見る場合の視線方向である。
【0024】
本発明によれば、反射及び/又は表示要素13は、フロントガラス14から一定距離に位置する要素である。本発明の一つの好ましい実施例によれば、反射及び/又は表示要素13は、休止位置及び表示位置に位置決めすることができる。反射及び/又は表示要素13が休止位置に位置決めされた場合、反射及び/又は表示要素13は、例えば、ほぼ水平方向となるように配向とされる。反射及び/又は表示要素13が表示位置に位置決めされた場合、反射及び/又は表示要素13は、ディスプレイのユーザが反射及び/又は表示要素13を介して視認できるように、典型的な直立方向又はほぼ垂直方向に位置決めされる。しかしながら、本発明によれば、反射及び/又は表示要素13が休止位置に位置決めされた場合に、反射及び/又は表示要素13をほぼ垂直方向に配向し、反射及び/又は表示要素13の休止位置から表示位置への位置変化を並進動によって達成することも可能でありかつ好ましい。
【0025】
反射及び/又は表示要素13の異なる位置は、ユーザの頭部の異なる高さに調整される表示位置に対応する。これが意味するのは、反射及び/又は表示要素13が異なる表示位置間で変化し得る全角度が、特に2°〜20°、好ましくは4°〜10°のような数度又は約10〜15度の比較的狭い範囲内に包含されるということである。反射及び/又は表示要素13はモータ要素Mによって、直接又は伝動要素3を介して駆動される。モータ要素Mは特に、リニアモータ要素又は、特に電気ステッピングモータ要素のような回転モータ要素である。
【0026】
反射及び/又は表示要素13の位置変更は、音声作動すなわち音響信号による作動とすることができる。これを目的として、ディスプレイは、音声認識装置を含むか又は音声認識装置に連結される。このタイプの音声認識装置が特定の車両運転者(又はユーザ)を認識する場合にいつでも、反射要素13を、当該運転者にとって理想的に適合されたディスプレイ位置に、記憶された複数位置から位置決めすることができる。
【0027】
本発明によれば、反射及び/又は表示要素13には保持要素又は保持器が接続される。保持器又は保持要素は、特に伝動要素3によって、異なる位置状態間で垂直方向に動くことができる。ディスプレイ10の反射及び/又は表示要素13は、モータ要素Mによって回転軸Dまわりに回転させることができる。モータ要素Mは、ウォームギア駆動の形態にある伝動要素によって動作するリニアモータ要素又は回転モータ要素であり得る。
【符号の説明】
【0028】
3 伝動要素
10 ディスプレイ
11 投影モジュール
12 光路
13 反射及び/又は表示要素
14 フロントガラス
15 通常視認方向
図1
図2