(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286437
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】被試験部材の可撓性壁に取付けるためのリーク試験装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/02 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
G01M3/02 A
【請求項の数】9
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-537185(P2015-537185)
(86)(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公表番号】特表2015-532431(P2015-532431A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2013070556
(87)【国際公開番号】WO2014060213
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年8月12日
(31)【優先権主張番号】102012219047.3
(32)【優先日】2012年10月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(72)【発明者】
【氏名】デッカー,シルヴィオ
【審査官】
素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−527738(JP,A)
【文献】
特開2006−189425(JP,A)
【文献】
特開2004−028974(JP,A)
【文献】
特開平11−037883(JP,A)
【文献】
米国特許第06634215(US,B1)
【文献】
実開平02−140439(JP,U)
【文献】
実開昭57−063245(JP,U)
【文献】
実公昭41−022318(JP,Y1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0226043(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験部材の可撓性壁に取付けるためのリーク試験装置であって、被試験部材の外側上にあるキャビティを規定し、リーク部を備える薄膜を有し、前記薄膜は前記被試験部材に固着されており、
前記薄膜は感圧性接着フィルムを備え、前記キャビティは前記接着フィルムと前記薄膜との間に形成されていることを特徴とするリーク試験装置。
【請求項2】
補強部材がキャビティ内に備えられ、前記補強部材によって前記キャビティの領域において前記薄膜は前記接着フィルムから間隔を有していることを特徴とする請求項1に記載のリーク試験装置。
【請求項3】
前記補強部材がリングであって、前記リングは前記リングの回転軸線上に形成されるリーク部を有することを特徴とする請求項2に記載のリーク試験装置。
【請求項4】
前記補強部材が開口気孔を有する発泡材料であるという点を特徴とする請求項2に記載のリーク試験装置。
【請求項5】
前記リーク部は1mm未満の直径の穴である請求項1に記載のリーク試験装置。
【請求項6】
前記リーク部は毛管であることを特徴とする請求項1に記載のリーク試験装置。
【請求項7】
前記リーク部は1mm未満の最大直径を有する調整可能な開口であることを特徴とする請求項1に記載のリーク試験装置。
【請求項8】
前記リーク部は規定された透過性を有する透過性薄膜から形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のリーク試験装置。
【請求項9】
前記薄膜は可撓性の柔軟な材料からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のリーク試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被試験部材の外側に取付けるためのリーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試験リークは試験される部材の堅牢さを試験するためのリーク試験システムの試験またはキャリブレーションにおいて見られる。通常、試験される部材は食品、医薬または医薬分野における無菌的にパックされた物材のためのパッケージである。リーク試験は、包装された製品の損傷をもたらすパッケージのリークを検出するために用いる。堅牢性の被試験部材は、製品のパッケージを形成する薄い壁を有する。リーク試験は、リーク試験システムを使用して自動化した方法で実行される。試験される部材の微小なリークによってさえ包装された製品が損なうことがあるという事実を考慮すると、リーク試験システムは、高い信頼性をもって微小リークを検出することが可能でなければならない。リーク試験システムは、定期的に試験されなければならず、必要に応じて、キャリブレーションされなければならない。この目的のために、試験される部材の外側に設けられている試験リーク部が使用される。
【0003】
特許文献1(EP1119755B1)から、被試験部材の壁に試験ガスを透過する再包装可能なパッチリークを提供することは公知である。パッチリークは試験される部材の外側に固着する円周接着性端を有する。パッチリークは、試験される部材に故意に作られた穴を閉じ、規定されたリークを形成する。被試験部材の外側で被試験部材内部からパッチリークを経て外側に逃れる試験ガスが検出されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許1119755号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、生産ラインのパッケージの非破壊試験を考慮に入れた改良された試験リーク部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリーク試験装置は、請求項1の特徴によって規定される。
リーク試験装置は、薄膜および接着フィルムを備えている。リーク試験装置は、接着フィルムを使用して被試験部材の外側に固定される。キャビティが薄膜と接着フィルムとの間に形成される。キャビティの領域において、薄膜には規定のリーク部を備えている。キャビティは試験ガスを含み、試験ガスはリーク部を経て漏れリーク試験システムによって検出される。このようにして、この装置は、試験リークを形成して被試験部材がそれに試験漏出を提供することによって破壊されない効果を提供する。試験リーク部は、単に被試験部材の外側で固定されて、既定のリーク率でリーク部を通してのがれるガスの規定量を含むだけである。リーク試験システムを試験するかまたはキャビテーションを行うために、本発明のリーク試験装置は、リーク試験システムによって通常試験される部材に同部材を損傷することなく固着されることができる。次いで、被試験部材がリーク試験システムに供給され、リーク試験装置の助けによりリーク試験システムは試験され、キャリブレーションされる。
【0007】
この点に関しては、接着フィルムおよび可撓性の薄膜が、可撓性で、形状変化する材料であること、特に被試験部材のパッケージ材またはそれに少なくとも類似している材料の中でできている場合特に有利である。これは試験またはキャビテーションされるリーク試験システムが通常の寸法、形状および性質を有する被試験部材に積載される。
【0008】
好ましくは、補強装置は、例えばリングまたは開口気孔を有する発泡材料の形で、薄膜と接着フィルムとの間のキャビティに設けられている。補強装置は、薄膜と接着フィルムとの間に間隔を置き安定したキャビティを試験ガスに提供するのに役立つ。リングが用いられる場合、リングの開口部領域に、例えばリングの縦中心軸線またはその同心円上にリーク部が設けられる。補強部材として開口気孔を有する発泡材料を有する場合、試験ガスを受け入れて同時に安定性を増加させる。開口気孔を有する発泡材料に代わるものとして、空気もまたは試験ガスを特関するいかなる材料も用いることができ、キャビティに必要な安定性を提供する。
キャビティの容量は、一回の試験またはいくつかの試験のために使用されることができるに充分な小さな大きさでよい。
【0009】
接着フィルムを使用して、リーク試験装置は被試験部材の外側に固着される。接着フィルムおよび薄膜は可撓性材料からなることが優位である。次いでリーク試験装置は石膏によって固着される。あるいは、リーク装置は堅くてもよい。試験リーク部は、試験後、損傷を与えずに被試験部材から取り除かれることができる。
チーク部試験装置のリーク部は1ミリメートル未満の直径を有するフィルムの小開口の形であることができる。あるいは、リーク部はほとんどの1ミリメートルの可変的な直径を有する可調開口として、または、浸透性フィルムとして設計されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図1の線II〜IIに沿ったリーク試験装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1はリーク試験装置の平面図であり、
図2は
図1の線II〜IIに沿ったリーク試験装置の断面図である。リーク試験装置は、薄膜4、接着フィルム3および補強装置5から成り、試験リーク部を形成する。薄膜4および接着フィルム3は、等しい外径を有する円形形状の中である。薄膜4が、接着フィルム3上に位置してその縁部分で固定して接合される。薄膜の中心の同心のまわりで接着フィルム3周辺領域において、薄膜は接着フィルム3に付着されず後者と共にキャビティ1を形成する。その中心で、薄膜4は1ミリメートル未満の直径を有する小開口の形でキャビティ2を備えている。キャビティ1に含まれる試験ガスがリーク部を通してリークすることができ、リーク試験システムによって検出されるように、リーク部2はキャビティ1に繋がっている。キャビティ1の外縁部領域に、薄膜4を接着剤から離すリングの形態で補強部材5が備えられ、これにより安定なキャビティ1を生成する。これは、薄膜が接着フィルム3に固着することによりリーク部2による試験ガスの流出特徴を変えてしまうリスクを低下させる。
【0012】
薄膜4の反対側に、接着フィルム3は粘着テープまたは石膏のタイプの接着材層を備えている。この接着材層を使用して、被試験部材を損傷することなく試験リーク部は被試験部材の外側に固着されることができる。
【符号の説明】
【0013】
1 チャンバー
2 リーク部
3 接着フィルム
4 薄膜
5 補強部材