(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286548
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】貫流式蒸気発生器
(51)【国際特許分類】
F22B 35/10 20060101AFI20180215BHJP
F22B 29/06 20060101ALI20180215BHJP
F22B 21/34 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
F22B35/10
F22B29/06
F22B21/34
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-532313(P2016-532313)
(86)(22)【出願日】2014年7月29日
(65)【公表番号】特表2016-530474(P2016-530474A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】EP2014066220
(87)【国際公開番号】WO2015018686
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年6月2日
(31)【優先権主張番号】102013215456.9
(32)【優先日】2013年8月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508008865
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム・ブローデッサー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ブルックナー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・エファート
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・シュルツェ
(72)【発明者】
【氏名】フランク・トーマス
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−084001(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3046890(JP,U)
【文献】
特開昭59−086802(JP,A)
【文献】
特表2001−505645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 35/10
F22B 21/34
F22B 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫流式蒸気発生器あって、
矩形状横断面の燃焼室(1)を有し、
前記燃焼室の燃焼室壁が、当該貫流式蒸気発生器のほぼ垂直に配置された蒸発管を備え、
前記蒸発管が、管ウェブを介して気密態様で互いに接続されており、底部から頂部まで流動媒体によって貫流されており、
前記燃焼室壁の前記蒸発管が、当該蒸発管の加熱度合いにしたがって、上流側に配置された入口ヘッダと下流側に配置された出口ヘッダとによって組み合わされており、第1被加熱管群(10)と、前記第1被加熱管群(10)よりも加熱されない第2被加熱管群(11)と、を形成し、
前記入口ヘッダそれぞれには、給水供給(20、S1、S2、S3、S4)と、前記蒸発管内にある前記流動媒体の質量流量を制御下で絞るために前記給水供給(20、S1、S2、S3、S4)の領域に設けられた少なくとも1つの制御弁(R、R1、R2、R3、R4)と、が割り当てられており、
前記蒸発管からの前記流動媒体の出口温度を測定するための温度測定手段が、前記出口ヘッダの領域に設けられており、
前記第1被加熱管群(10)と前記第2被加熱管群(11)とのそれぞれには、1つの前記入口ヘッダ及び出口ヘッダが割り当てられており、
前記出口ヘッダそれぞれが、前記制御弁(R、R1、R2、R3、R4)を制御するために1つの温度測定手段を有し、
前記第2被加熱管群(11)が、前記蒸発管を角をなすように配列することによってほぼ矩形状の前記燃焼室(1)の角壁領域(E1、E2、E3、E4)であり、
4つの前記角壁領域(E1、E2、E3、E4)それぞれが、1つの前記制御弁(R1、R2、R3、R4)を有する専用の給水供給ライン(S1、S2、S3、S4)を有することを特徴とする貫流式蒸気発生器。
【請求項2】
前記第1被加熱管群(10)が、ほぼ矩形状の前記燃焼室(1)の中間壁領域(M1、M2、M3、M4)であり、
4つの前記中間壁領域(M1、M2、M3、M4)それぞれが、1つの前記制御弁を有する専用の給水供給ラインを有することを特徴とする請求項1に記載の貫流式蒸気発生器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の貫流式蒸気発生器を動作させるための方法であって、
前記第2被加熱管群(11)の前記給水供給(20、S1、S2、S3、S4)が、少なくとも1つの前記制御弁(R、R1、R2、R3、R4)を絞ることによって、前記第1被加熱管群(10)の出口温度を前記第2被加熱管群(11)の出口温度と均一化するような範囲まで減少されることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記第1被加熱管群(10)の給水供給が、少なくとも1つの前記制御弁を絞ることによって、前記第1被加熱管群(10)の出口温度を前記第2被加熱管群(11)の出口温度と均一化するような範囲まで減少されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記出口温度の均一化が、前記第1被加熱管群(10)と前記第2被加熱管群(11)との間で設立されることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルにかかる貫流式蒸気発生器に、及び、請求項5に規定されたようなこのタイプの貫流式蒸気発生器を動作させるための方法に、関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、具体的には、発電所施設のための貫流式または強制流式(forced-flow)の蒸気発生器に関し、これら蒸気発生器は、矩形横断面の燃焼室を有し、燃焼室の燃焼室壁それぞれは、ほぼ垂直に配置された蒸発管を備え、これら蒸発管は、管ウェブを介して互いに気密態様で接続されており、底部から頂部まで流動媒体によって貫流され得る。ここで、燃焼室壁を形成する上記蒸発管を加熱すると、一度(one pass)で流動媒体の蒸発を完了させる。ここで、原理的には、貫流式蒸気発生器の蒸発管は、垂直なもしくは直立した及び/または渦巻き状のもしくは螺旋状の態様で部分的にまたは全長にわたって配置され得る。ここで、貫流式蒸気発生器は、強制流式蒸気発生器として設計され得、ここでは、流動媒体の流動は、供給ポンプによって強制される。
【0003】
まったく垂直な蒸気発生器の概念の本質的な利点は、燃焼室緩衝手段の単純な構造、低製造及び組立費用、並びに、維持の比較的大きい容易性である。螺旋状管を有する燃焼室壁と比較して、この方法において投資費用を著しく低減し得る。しかしながら、設計に起因して、直立管を有するこのタイプの蒸発管の概念における温度不均一性は、螺旋状管を有する燃焼室と比較して、著しく大きい。これにより、燃焼室の加熱領域全てを垂直に通過するように巻回している螺旋における蒸発管と十分な加熱均一性とを達成し得る一方で、直立管の燃焼室管それぞれは、上流側の蒸発器入口ヘッダから下流側の蒸発器出口ヘッダまでの加熱領域それぞれに残っている。したがって、大きく加熱された燃焼室領域にある、例えば燃焼器の近くにあるまたは矩形横断面を有する燃焼室の中間壁領域にある管は、全管長さにわたって継続的にさらに加熱される。あまり加熱されない燃焼室領域にある管、特に矩形横断面の燃焼室の角壁の管は、対照的に、全管長さにわたってあまり加熱されない。螺旋蒸発管を有する設計において、個別の管または管群においてさらに加熱されること及びあまり加熱されないことは、低い一桁のパーセント範囲にある。対照的に、直立管を有する設計の場合では、個別の蒸発管における平均熱吸収に対して著しく大きくさらに加熱すること及びあまり加熱しないことは、知られている。したがって、直立管を有する燃焼室壁の場合における本質的な困難性は、個別の蒸発管間の上述したより大きな加熱不均一性を制御する能力にある。
【0004】
上述した問題を解決する方法であって非常に有効であり既に特許文献1に開示されている方法は、「低質量流束」設計として知られているものにしたがって直立管を設計することである。この解決法において、結果として個別の蒸発管の肯定的な処理能力特性をもたらす最も低い可能性のある質量流量密度は、主に直立管を対象としている。具体的には、これは、より加熱される管がより高い処理能力を有し、あまり加熱されない管がより低い処理能力を有すること、を意味する。したがって、許容不可能なほど高い温度不均一性の発生は、物理学的法則の目標用途を用いて、単独で効果的に影響が弱められ得る。しかしながら、設備の効率度合いに関する要求が近年絶えず上昇しており、そのため、生蒸気の温度及び圧力が同様に絶えず上昇しており、さらに、発電所施設を用いて対象とされ得る負荷範囲がますます大きくなっているので、上記「低質量流束」設計をさらに開発する必要性がある。
【0005】
新規に開発した材料の使用並びに発電所施設の処理中に及び動作中にこれら材料を維持する能力により、可能性の
ある温度不均一性をさらに低減することをさらに必要とする。
【0006】
質量流量分布を個別の燃焼室壁領域に、ひいてはさまざまな群の蒸発管に分割し、その後、対象とする態様でこれを操作することは、明らかである。具体的には、これは、高温加熱される壁領域が好ましくは比較的大きな貫流速度を有するものであり、低温加熱される壁領域が比較的小さな貫流速度を有するものである、ことを意味する。このために、さまざまな加熱領域を考慮するために、燃焼室を壁領域それぞれに分割しなければならない。これは、入口及び出口ヘッダをセグメント化することによって行われる。ここで、ヘッダセグメントそれぞれは、加熱を示す壁領域に割り当てられる。入口領域において、ヘッダセグメントそれぞれには、専用の給水供給ラインが設けられている。上記供給ラインの適切な幾何学的構造を選択することによって、または、上記供給ラインの領域に追加の開口プレートを設置することによって、加熱状況それぞれに応じて、全体給水質量流量を個別のヘッダセグメントに分割することを対象の態様で実行し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第4431185号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、互いに構成された供給ラインまたは開口プレートは、幾何学的に、これら絞り動作が負荷と共に変化するという決定的な欠点を有する。したがって、蒸発器における質量流量分布及び蒸発器出口における関連する温度不均一性は、システムによる規定された負荷範囲に関してのみ最適化され得る。さらに、供給ライン及び開口プレート双方は、対象とする態様で設計されており、燃焼チャンバの状況にわたる熱分布の正確な知識がある場合にのみ、互いに対して構成され得る。発生する熱分布がその後に発電所施設の動作中に供給ラインまたは開口プレートの設計計算において使用した分布から変わると、温度不均一性は、最も好ましくない場合においてさらに上昇し得る。したがって、開口プレートのあるまたはない供給ラインの幾何学的用途を介した設計をさらに保証する考えは、一部の状況においてさらに覆される。
【0009】
したがって、本発明の目的は、改良した貫流式蒸気発生器とこのタイプの貫流式蒸気発生器を動作させるための対応する方法と、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を有する貫流式蒸気発生器及び請求項5の特徴を有する方法を用いて、達成される。
【0011】
本発明の利点は、燃焼室壁の蒸発管をそれらの加熱度合いにしたがって入口ヘッダによって組み合わせるという事実を用いて、これら入口ヘッダが、各場合において上流側に配置されており、より加熱される管群とあまり加熱されない管群とを形成し、少なくとも1つの制御弁が、給水のひいては蒸発管を貫流する流動媒体の質量流量を制御下で絞るために対応する給水供給の領域に設けられ、蒸気管からの流動媒体の出口温度を測定するための温度測定手段が、出口ヘッダの領域に設けられ、これら出口ヘッダが、少なくとも1つの制御弁のための可変制御を判断するために、下流側に配置されており、このため、貫流式蒸発器の設計をほぼ変更しない場合においてさえも、直立管を有する燃焼室の温度不均一性を発電施設の負荷範囲全体において少ない支出で効果的に最小化し得る、という事実にある。最も好ましい場合において、制御調整としての1つのみの追加の制御弁と対応する制御概念とは、この目的のために設けられる。ここで、このタイプの貫流式蒸気発生器を動作させるための本発明にかかる方法は、少なくとも1つの制御弁を絞ることによって、より加熱される管群の出口温度があまり加熱されない管群の出口温度と等しくなるまたは同様のレベルになるような範囲まで、あまり加熱されない管群の給水供給を減らすことを規定する。
【0012】
より加熱される管群及びあまり加熱されない管群それぞれには、好ましくは、各場合において、1つの入口ヘッダ及び出口ヘッダが割り当てられており、出口ヘッダそれぞれは、1つの温度測定手段を有する。ここで、混合する温度をここで測定するので、温度測定手段は、好ましくは、出口ヘッダから出るラインに設置されている。
【0013】
具体的には、角壁領域に明確なあまり加熱されない管群を有するほぼ矩形の燃焼チャンバの場合において、4つの角壁領域それぞれが、各場合において、1つの専用の制御弁を有する専用の給水供給を有することは、有利であり得る。貫流式蒸気発生器において複数の直立管を有する蒸発器壁の出口において温度分布がさらに均一化されることは、必要ならばモジュール式態様でも実行し得る上記改善により、達成され得る。このような状況の下、管を有する貫流式蒸気発生器を入口から出口までの完全な経路に備え付けることは、さらに想定可能であり、その結果、今まで設けられていた逆ヘッダ(reversing header)を省略し得る。ここで、動的安定性に必要となり得る圧力均一性は、さらに高価でない圧力均一化ヘッダを用いて実現され得る。
【0014】
本発明にかかる貫流式蒸気発生器のまたは強制流式蒸気発生器のさらに有利な発展は、さらなる従属請求項から集められ得る。
【0015】
ここで、以下の図面を用いて、例として本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる矩形状燃焼室を有する貫流式蒸気発生器の横断面を図式的に示す図である。
【
図2】本発明の第2実施形態を図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、燃焼室1内の蒸発管を貫流する流動媒体の質量流量分布をより加熱される管群10とあまり加熱されない管群11とにセグメント化し、対象とする態様でこれら貫流速度を操作する概念に基づいている。具体的には、これは、高温加熱されている壁領域が比較的により大きな貫流速度を有するはずであり、低温加熱されている壁領域がそれに応じたより低い貫流速度を有するはずであることを意味している。このため、
図1及び
図2における例を用いて示すように、全体的な燃焼室1は、加熱領域が異なる壁領域E1〜E4及びM1〜M4それぞれに分割されている。本明細書において、これは、(強制流式の)貫流式蒸気は正規の下端部において(詳細には図示しない)入口ヘッダを用いて蒸発管を管群10及び11に少なくともセグメント化することによって、起こる。
【0018】
貫流式蒸気発生器の燃焼室1を通る(
図1において図式的に示す)横断面において、12のセグメント化された管群10及び11が分かる。ここで、燃焼室壁それぞれには、角部にある2つの入口ヘッダセグメントとこれら2つの入口ヘッダセグメント間にある入口ヘッダセグメントとが割り当てられている。ここで、入口ヘッダセグメントそれぞれは、加熱を示す壁領域、あまり加熱されない角壁領域E1〜E4とより加熱される中間壁領域M1〜M4とに割り当てられており、ここで、角壁領域E1〜E4は、各場合において、2つの隣接する燃焼室壁の角部における
2つの入口ヘッダセグメントに割り当てられている。ここで、角壁領域E1〜E4それぞれには、対応する入口ヘッダに給水を供給するための給水供給ラインS1〜S4が割り当てられている。ここで、
図1に示すように、これら給水供給ラインは、給水主供給ライン20から対応して分岐され得、各場合において、対応する入口ヘッダセグメントを介して角壁それぞれにある隣接する燃焼室壁の2つの管群に(
図1で矢印を用いて示す)給水を供給し得る。ここで、給水主供給ライン20及び給水供給ラインS1〜S4は、角壁領域の管群11への給水供給を形成する。そして、制御弁Rを給水主供給ライン20に設けると、角部領域E1〜E4の管群11における蒸発管に供給される給水質量流量によって、個別の角壁領域E1〜E4への仮定した熱分布における様々な負荷及び設計の不確実性に適切に対処し得、これら角壁領域は、制御弁Rの制御下にある開閉を用いて現在の動作状態に適応される。
図1は、給水主供給ライン20から中間壁領域M1〜M4の管群10に給水を供給することを示していない。
【0019】
流動媒体の出口温度を測定するために下流側に配置された出口ヘッダの領域に設けられた温度測定手段を用いて、あまり加熱されない管群11の給水供給20は、あまり加熱されない管群11の出口温度がより加熱される管群10の出口温度と等しくなる範囲まで制御弁Rを絞ることによって、低減され得、これにより、貫流式蒸気発生器の出口における全体温度プロファイルを均質化する。その後、測定した温度に応じた態様で、熱吸収が低い壁領域がより低い貫流を有し、熱吸収がより高い壁領域がより高い貫流を有するので、許容できないほど高い温度不均一性は、この方法において、効果的にかつ大きな支出なく防止され得る。
【0020】
ここで、好ましくは、蒸発器出口において、中間壁領域からのより加熱される管群10の温度測定手段は、「高温加熱」システムとして組み合わされ得、角壁領域からのあまり加熱されない管群11の温度測定手段は、「低温加熱」システムとして組み合わされ得る。「高温加熱」として組み合わされたシステムの測定温度が大きすぎると、制御弁をさらに絞ることによって、角壁領域を通る貫流を低減し得、逆に、中間壁領域における貫流を上昇し得、その結果、中間壁領域の平均温度を所望レベルまで下げる。
【0021】
さらなるコストとコストを管理できるまたはコストを抑える制御技術への支出とを維持するため、関連する制御弁を含む個別のヘッダセグメントの最大数をできるだけ制限すべきである。ここで、
図1に示すように、最も簡素なシステムは、給水主供給ライン20にある1つのみの追加の制御弁Rからなる。ここで、燃焼室の4つの角壁領域E1〜E4は、互いの間で実質的に同じ加熱を受け、それにより、給水供給ラインS1〜S4及び給水主供給ライン20を介して共通の給水供給を有する共通の管群として組み合わされ得る、と仮定する。これに対する類似態様において、残りの中間壁領域M1〜M4は、同様に、(詳細には示さないが)対応する給水供給を用いて組み合わされ、共通の管群を形成する。
【0022】
個別の角壁領域E1〜E4間の(及び場合によってはさらに同様に、個別の中間壁領域M1〜M4間の)互いの不均一性は、同様に、考慮され均一化され、最低4つの制御弁R1〜R4は、
図2に示すように、給水供給ラインS1〜S4それぞれに設置されるものである。すなわち、角壁領域E1〜E4それぞれには、他の角壁領域には依存しない個別に制御した態様で、給水が供給され得る。ここで、4つの角壁システムE1〜E4それぞれは、有利には、自身の温度制御手段を有する。そして、角壁領域それぞれの出口における流動媒体の温度分布に応じて、これら温度制御手段は、個別に共に絞られ、それにより、比較的均質な出口温度プロファイルを貫流式蒸気発生器の蒸発器の全周壁にわたって設定する。しかしながら、予想通り、個別の制御弁R1〜R4の互いとの間の調整に関して、制御技術への支出がここでも生じる。
【0023】
発電施設の動作中の柔軟性よりなる要求が増加している背景に対して、上述した例示的な実施形態及びさらなる追加の組合せを想定してもよく、同様に、本発明に含まれる。例えば、さらに同様に、個別の中間壁領域M1〜M4の互いとの間の及び角壁領域E1〜E4に対する不均一性を考慮し、対応する給水供給ラインと上記高温加熱された中間壁
領域を絞るための制御弁とを設けている場合に、均一化してもよい。角壁領域E1〜E4の管群における供給ラインにある専用の制御弁を同時に省略すると、角壁領域を通る貫流は、まず、例えば固定的に設置された絞り弁を用いて、中間壁領域における給水質量流量の制御をまず初めの段階でできるような範囲まで、この具体的な場合において制限され得る。上述した状況においてのみ、完全開放型制御を高温加熱された中間壁システムの供給ラインに取り付ける場合において、これら貫流は、大きく、それにより、高温加熱しているにもかかわらず、中間壁システムは、角管システムと比較して低出口温度を有する。中間壁システムの制御弁をさらに絞ることによって、全システムの出口温度を均質化するために、その後に大きくなりすぎるようになる中間壁システムを通る貫流は、再び減少される。
【0024】
温度不均一性を補償するために計画した設計の貫流式蒸気発生器に加え、給水供給における設計に欠陥がある分配器システムは、同様に、本発明の貫流式蒸気発生器にかかる設計及び本発明にかかる方法を用いて、快適に吸収され得る。また、燃焼室の設計中に考慮されなかった加熱不均一性は、否定的な結果なく本発明を用いて信頼性良く取り扱われ得る。また、いくつかの状況において、加熱不均一性に柔軟に対処し得るので、以前は可能ではなかった燃料の組合せを使用し得る。結局のところ、本発明は、貫流式蒸気発生器の、ひいては発電所施設全体の動作可能時間を増加させる。
【符号の説明】
【0025】
1 燃焼室、10 より加熱される管群、11 あまり加熱されない管群、20 給水供給,給水主供給ライン、E1,E2,E3,E4 角壁領域,角壁システム、M1,M2,M3,M4 中間壁領域、R,R1,R2,R3,R4 制御弁、S1,S2,S3,S4 給水供給,給水供給ライン