(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286582
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】ホイールディスクアセンブリおよびホイールディスクアセンブリを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
F01D 11/00 20060101AFI20180215BHJP
F01D 5/30 20060101ALI20180215BHJP
F01D 5/02 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
F01D11/00
F01D5/30
F01D5/02
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-565346(P2016-565346)
(86)(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公表番号】特表2017-515038(P2017-515038A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015057053
(87)【国際公開番号】WO2015165678
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】14166363.3
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508008865
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サッシャ・デュンクス
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト・ヘル
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・カンプカ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・コルク
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ランゲ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァチェスラフ・ヴァイツマン
【審査官】
川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05662458(US,A)
【文献】
特表2010−507747(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0088419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 11/00
F01D 5/02
F01D 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールディスク(2;15;27)、前記ホイールディスク(2;15;27)の外周に沿って固定された多数のブレードデバイス(3;16;28)、および互いに半径方向に離間した2つの環状溝(5,6;18,19;30,31)に保持される多数のシールプレート(4;17;29)を有するホイールディスク装置(1;14;26)であって、
第1環状溝(5;18;30)が前記ホイールディスク(2;15;27)に設けられるとともに、環状突起(7;20;32)によって軸方向外側が区切られ、
第2環状溝(6;19;31)が、互いに隣接するよう配置され、かつ個々のブレードデバイス(3;16;28)にそれぞれ設けられた多数の環状溝セグメントによって画定され、
前記環状突起(7;20;32)を通り軸方向に延在する少なくとも1つの凹所(8;21;33)が設けられ、円周方向における前記凹所の最小の幅は、内部直径における前記シールプレート(4;17;29)の幅より大きいため、シールプレート(4;17;29)を前記凹所(8;21;33)を通り軸方向に前記環状溝(5,6;19,19;30,31)の間に挿入し、かつ前記環状溝によって前記円周方向に誘導することができ、
前記少なくとも1つの凹所(8;21;33)を閉じるために、前記ホイールディスク(2;15;27)に取り外し可能に固定されるように設計された少なくとも1つの閉鎖部品(10;23;35;38)が設けられ、
前記ホイールディスク(2;15;27)に互いに対向して配置されるように設計された2つの凹所(8;21;33)が設けられ、
前記閉鎖部品(10;23;35;38)が、対応して設計された前記凹所(8;21;33)のポケット(9;22;34)と適切な構成状態で係合する突起(11;24;36;39)を有することを特徴とする、ホイールディスク装置(1;14;26)。
【請求項2】
前記ポケット(9)が前記環状突起(7)全体を通り軸方向に延在し、かつ前記半径方向においてアンダーカットを形成することを特徴とする、請求項1に記載のホイールディスク装置(1)。
【請求項3】
前記適切な構成状態における前記閉鎖部品(10)が前記ホイールディスク(2)にかしめられることを特徴とする、請求項2に記載のホイールディスク装置(1)。
【請求項4】
前記適切な構成状態において前記第1環状溝(18)に面する前記凹所(21)の側部から始まる前記ポケットが前記環状突起(20)の一部を通り軸方向に延在し、かつ前記半径方向においてアンダーカットを形成することを特徴とする、請求項1に記載のホイールディスク装置(14)。
【請求項5】
充填部品(25)を設けることができ、前記充填部品(25)は、前記適切な構成状態において前記閉鎖部品(23)に隣接するよう配置され、かつ前記第1環状溝(18)の溝基部の一部を画定することを特徴とする、請求項4に記載のホイールディスク装置(14)。
【請求項6】
前記ポケット(34)が前記環状突起(32)を通り半径方向に延在し、かつ前記軸方向においてアンダーカットを形成し、
前記閉鎖部品(35;38)が、前記適切な構成状態において前記第1環状溝(30)の溝基部の一部を画定する充填部分(37)を有することを特徴とする、請求項1に記載の前記ホイールディスク装置(26)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のホイールディスク装置(1;14;26)を取り付ける方法であって、
第1ステップにおいて、すべての前記ブレードデバイス(3;16;28)が前記ホイールディスク(2;15;27)の前記外周の適切な位置に固定され、かつ次のステップにおいて、前記シールプレート(4;17;29)が取り付けられる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールディスク、ホイールディスクの外周に沿って固定された多数のブレードデバイス、および互いから離れて半径方向に離間した2つの環状溝に保持される多数のシールプレートを有するホイールディスク装置に関し、第1環状溝は、ホイールディスクに設けられるとともに、環状突起によって軸方向外側が区切られ、第2環状溝は、多数の環状溝セグメントによって画定され、多数の環状溝セグメントは、互いに隣接するよう配置され、個々のブレードデバイスにそれぞれ設けられている。
【背景技術】
【0002】
冒頭に述べたタイプのホイールディスク装置は、従来技術において異なる実施形態によって既知である。取り付け中、ブレードデバイスは、ホイールディスクの溝に押し込まれ、シールプレートがまた引き続き2つの環状溝に挿入される。最後の2つのブレードデバイスが設置できるように、ブレードデバイスがホイールディスクの関連する溝に取り付けられることができる環状溝内の重複部分にわたって全てのシールプレートを先に取り付け、移動なければならない。そしてシールプレートは、適切な位置に円周方向に再度移動され、移動しないように適切に固定される。
【0003】
既知のホイールディスク装置の欠点は、2つの隣接するブレードデバイスを最初に取り外さなければならず、実際には相当な費用が掛かるため、整備のためのみにシールプレートを分解することが困難であるということである。
【0004】
さらなるホイールディスク装置は、特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】英国特許出願公開第 905 582号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来技術から出発して、本発明の目的は、シールプレートを容易に取り外し、再度取り付けることができるような、冒頭に述べたタイプのホイールディスク装置を提供することである。
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、冒頭で述べたタイプのホイールディスク装置を提供し、環状突起を通り軸方向に延在する少なくとも1つの凹所が設けられ、円周方向におけるその最小幅は、内部直径におけるシールプレートの幅より大きいため、シールプレートが環状溝の間の凹所を通り軸方向に挿入でき、かつ環状溝によって円周方向に誘導される。このような凹所の効果によって、シールプレートは、全てのブレードデバイスがホイールディスクに既に取り付けられていたとしても、関連する環状溝に容易に取り付けることができ、その結果として、取り付けは、非常に柔軟な形になる。また、費用をかけることなく、凹所を通る問題もなく、整備のために、個々のシールプレートを取り外すことができる。本発明によると、少なくとも1つの閉鎖部品が設けられ、これは、少なくとも1つの凹所を閉じるためにホイールディスクに取り外し可能に固定されるように設計される。このような閉鎖部品は、凹所の領域に配置されたシールプレートが運転中に軸方向に移動できないことを保証する。
【0008】
本発明の実施形態によると、2つの凹所が設けられ、それらは、ホイールディスクにおいて互いに対向して配置されるように設計される。凹所の特に180°の円周方向オフセットにより、一方ではシールプレートの取り付け、および取外しが容易になる。さらに、第1凹所に対向して配置された第2凹所の設置により潜在的な不均衡が補償される。
【0009】
少なくとも1つの閉鎖部品が好都合に設けられ、それは、凹所を閉じるためにホイールディスクに取り外し可能に固定することができる。このような閉鎖部品は、凹所の領域に配置されたシールプレートが運転中に軸方向に移動できないことを保証する。
【0010】
閉鎖部品は、それに対応して設計された凹所のポケットに適切な構成状態で係合する突起を好ましく有する。このように、閉鎖部品は、凹所において適切な構成状態で軸方向にまたは半径方向に固定される。
【0011】
本発明の代替形によると、ポケットは、環状突起全体を通り軸方向に延在し、かつ半径方向においてアンダーカットを形成する。突起が関連するポケットに導入される場合に、閉鎖部品は、それに対応して軸方向に凹所に挿入されることができる。
【0012】
閉鎖部品を適切な位置に軸方向に固定するために、前記閉鎖部品は、例えば閉鎖部品の材料をこの目的のために凹所に隣接して設けられた切欠きに変形させることによって、ホイールディスクにかしめることができる。
【0013】
本発明のさらなる代替形によると、ポケットは、適切な構成状態の第1環状溝に面する凹所の側から、軸方向に環状突起の一部を通り延在し、半径方向にアンダーカットを形成する。それに対応して設計される突起を有する閉鎖部品はホイールディスクに設けられた第1環状溝に半径方向に挿入することができ、そして、突起を有する環状突起に向かって軸方向に動かされ、突起がポケットを区切る壁に当接するようになるまで関連するポケットに導入される。
【0014】
本発明によると、軸方向に固定するために充填部品を設けることができ、充填部品は、閉鎖部品に隣接して適切な構成状態で配置され、および第1環状溝の溝基部の一部を画定する。適切な構成状態において、充填部品は、シールプレートによって半径方向に固定され、かつ閉鎖部品の軸方向の動きを防ぐ。
【0015】
本発明のさらなる代替形によると、ポケットは、環状突起を通り半径方向に延在し、かつ軸方向においてアンダーカットを形成し、閉鎖部品は、充填部分を有し、充填部分は、適切な構成状態において、第1環状溝の溝基部の一部を画定する。それに対応して設計される突起を有する閉鎖部品は、適切な構成状態において、ポケットに収容される突起によって軸方向に固定され、かつ充填部分および第2環状溝の間に配置されたシールプレートによって半径方向に固定される。
【0016】
さらに、本発明は、本発明によるホイールディスク装置を取り付ける方法を提供し、第1ステップにおいて、全てのブレードデバイスがホイールディスクの外周に適切な位置で固定され、次のステップにおいて、シールプレートが取り付けられる。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照する、本発明によるホイールディスクの多数の実施形態の以下の説明により明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】完全に取り付けられた状態の、本発明の第1実施形態によるホイールディスク装置の斜視図である。
【
図2】
図1に示すホイールディスク装置のホイールディスクの部分的な斜視図であり、部分的な図は、凹所が設けられたホイールディスクの領域を示す。
【
図3】部分的に取り付けられた状態の、
図1に示すホイールディスク装置の部分的な斜視図である。
【
図4】
図2および
図3に示す凹所を閉じるよう機能する、
図1に示すホイールディスク装置の閉鎖部品の斜視図である。
【
図5】完全に取り付けられた状態の、
図1に示すホイールディスク装置の部分的な斜視図である。
【
図6】閉鎖部品によって閉じられた凹所の領域における
図5に示すホイールディスク装置の拡大斜視図を示す。
【
図7】完全に取り付けられた状態の、本発明の第2実施形態によるホイールディスク装置の部分的な斜視図である。
【
図8】凹所が設けられたホイールディスクの領域を示す、
図7に示すホイールディスク装置のホイールディスクの部分的な斜視図である。
【
図9】部分的に取り付けられた状態の、
図7に示すホイールディスク装置の部分的な斜視図である。
【
図10】
図8および
図9に示す凹所を閉じるよう機能する
図7に示すホイールディスクの閉鎖部品の斜視図である。
【
図11】
図7に示すホイールディスク装置の充填部品の斜視図である。
【
図12】完全に取り付けられた状態の、
図7に示すホイールディスク装置の部分的な斜視図である。
【
図13】完全に取り付けられた状態の、
図7に示すホイールディスク装置の部分的な斜視断面図であり、断面は、凹所を通り延在している。
【
図14】完全に取り付けられた状態の、本発明の第3実施形態によるホイールディスク装置の斜視図である。
【
図15】
図14に示すホイールディスク装置のホイールディスクの部分的な斜視図であり、凹所が設けられたホイールディスクの領域を示す。
【
図16】部分的に取り付けられた状態の、
図14に示すホイールディスク装置の部分的な斜視図である。
【
図18】完全に取り付けられた状態の、
図14に示すホイールディスク装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜
図6は、本発明の第1実施形態によるホイールディスク装置1を示す。ホイールディスク装置1は、ホイールディスク2、ホイールディスク2の外周に沿って固定された多数のブレードデバイス3、およびホイールディスク2およびブレードデバイス3の間で半径方向に互いに離間した2つの環状溝5および6に保持される多数のシールプレート4を備える。ここで第1環状溝5は、ホイールディスク2に設けられ、かつ環状突起7によって軸方向外側が区切られている。第2環状溝6は、互いに隣接するよう配置されるとともに、ブレードデバイス3内にそれぞれ形成された多数の環状溝セグメントによって画定される。
【0020】
シールプレート4の取り付けを容易にするために、ホイールディスク2は、環状突起7を通り軸方向に延在する少なくとも1つの凹所8を備え、円周方向における凹所8の最小の幅は、内部直径におけるシールプレート4の幅より大きい。それに対応して矢印AおよびBによって
図3に示されるように、シールプレート4を環状溝5および6の間に凹所8を通り軸方向に挿入し、環状溝によって誘導されることにより、円周方向に動かすことができる。凹所8は、環状突起7全体を通り軸方向に延在し、かつ半径方向においてアンダーカットを形成する、2つの横方向に構成されたポケット9を備える。
【0021】
凹所8を閉じるために、ホイールディスク装置1は、ホイールディスクに取り外し可能に固定することができる閉鎖部品10をさらに備える。閉鎖部品10は、横方向に突出するとともに、凹所8のポケット9に対応するよう形成された突起11を有する。それに対応して閉鎖部品10を凹所8に軸方向に導入すれることができ、突起11は、関連するポケット9に係合し、その結果として、凹所8に収容される閉鎖部品10の半径方向の固定が得られる。
【0022】
閉鎖部品10を軸方向の適切な位置に固定するために、力が加えられた場合に、この目的のために
図6に示すように凹所8に隣接して設けられた切欠き12に閉鎖部品10の材料を変形させることにより、ホイールディスク2にかしめることができる。この目的のため、かしめ工具を受け入れるために、閉鎖部品10の上部の縁に凹部13が設けられている。
【0023】
図1に示すホイールディスク装置1を取り付けるために、第1ステップにおいて、全てのブレードデバイス3が既知の方法でホイールディスク2に固定される。列の個々のシールプレート4が凹所8を通り環状溝5および6内に軸方向に導入され、そして、適切な位置へ円周方向に動かされる。したがって、凹所8の領域の適切な位置に配置されるように意図されたこれらのシールプレート4は、凹所8に直接隣接して配置される。全てのシールプレート4の挿入後、閉鎖部品10が凹所8に軸方向に挿入される。かしめ工具が凹部13に導入され、力がかかると閉鎖部品の材料は、切欠き12内に変形する。今や閉鎖部品10は、ホイールディスク2において半径方向におよび軸方向に固定されている。さらなるステップにおいて、最後のシールプレート4がまた適切な位置に移動され、そこで、円周方向の不所望の動きを防ぐために個々のシールプレート4が適切な手段によって適切な位置に固定される。
【0024】
ホイールディスク装置1はまた、関連する閉鎖部品10を有する多数の凹所8を有することができることが明確にされるべきである。したがって、例えばホイールディスク2に2つの凹所8を設けることができ、それらは、180°オフセットされ互いに対向するよう設計される。このように、一方でシールプレート4の取り付け、または取り外しを簡略化させることができ、かつ他方で不均衡を解消することができる。
【0025】
図7〜
図13は、本発明の第2実施形態によるホイールディスク装置14を示す。ホイールディスク装置14は、ホイールディスク15、ホイールディスク15の外周に沿って固定された多数のブレードデバイス16、およびホイールディスク15およびブレードデバイス16の間で互いに半径方向に離間した2つの環状溝18および19に保持された多数のシールプレート17を備える。ここで、第1環状溝18は、ホイールディスク15に設けられ、環状突起20によって軸方向外側が区切られる。第2環状溝19は、ブレードデバイス16内にそれぞれ設計された、多数の隣接して配置された環状溝セグメントによって画定される。
【0026】
シールプレート17の取り付けを容易にするために、ホイールディスク15は環状突起20を通り軸方向に延在する少なくとも1つの凹所21を備え、円周方向における凹所21の最小の幅は、内部直径におけるシールプレート17の幅より大きい。それに対応して、矢印AおよびBによって
図9に示されるように、シールプレート17を凹所21を通り環状溝18および19の間に軸方向に挿入し、環状溝に誘導されることにより円周方向に動かすことができる。凹所21は、2つの横方向に配置されたポケット22を備え、適切な構成状態において溝に面する凹所の側部から始まり、環状突起20の一部を通り軸方向に延在し、半径方向においてアンダーカットを形成する。
【0027】
凹所21を閉じるために、ホイールディスク装置14は、ホイールディスク15に取り外し可能に固定することができる閉鎖部品23をさらに備える。閉鎖部品23は、横方向に突出するとともに、凹所21のポケット22に対応するよう設計された突起24を有する。それに対応して閉鎖部品10を第1環状溝18に半径方向に挿入し、かつ凹所21に軸方向に導入することができ、突起24は、関連するポケット22に係合し、その結果凹所21に収容される閉鎖部品23の半径方向の固定が達成される。
【0028】
閉鎖部品10を軸方向の適切な位置に固定するために、充填部品が設けられ、充填部品は、適切な構成状態において閉鎖部品に隣接するよう配置され、第1環状溝18の溝基部の一部を画定する。この場合の充填部品は、円形環状セグメントの形で設計され、長方形断面を有する。
【0029】
図7に示すホイールディスク装置14を取り付けるために、第1ステップにおいて、全てのブレードデバイス16が既知の方法でホイールディスク15に固定される。列の個々のシールプレート17が凹所21を通り環状溝18および19に軸方向に導入され、適切な位置へ円周方向に動かされる。したがって、凹所21の領域における適切な位置に配置されるよう意図されたこれらのシールプレート17は、凹所21に直接隣接して配置される。シールプレート17が挿入された後、閉鎖部品23が第1環状溝18に半径方向に挿入され、そして凹所21の中に軸方向に押される。そして、充填部品は、第1環状溝18の中に半径方向に挿入される。さらなるステップにおいて、最後のシールプレートが適切な位置に動かされ、そこで円周方向における不所望の動きを防ぐために、個々のシールプレート17が適切な手段によって適切な位置に固定される。今や、閉鎖部品23は、半径方向および軸方向に固定される。
【0030】
ホイールディスク装置14はまた関連する閉鎖部品23および充填部品25を有する多数の凹所21を有することができることが明確にされるべきである。したがって、例えばホイールディスク15において180°オフセットされ互いに対向するように設計される2つの凹所21を設けることができる。このように、一方で、シールプレート17の取り付けまたは取り外しを簡略化させることができ、かつ他方で不均衡を解消することができる。
【0031】
図14〜
図18は、本発明の第3実施形態によるホイールディスク装置26を示す。ホイールディスク装置26は、ホイールディスク27、ホイールディスク27の外周に沿って固定された多数のブレードデバイス28、およびホイールディスク27およびブレードデバイス28の間で互いに半径方向に離間した2つの環状溝30および31に保持された多数のシールプレート29を備える。ここで、第1環状溝30は、ホイールディスク27に設けられ、環状突起32によって軸方向外側が区切られる。第2環状溝31は、ブレードデバイス28内にそれぞれ設計された多数の隣接して配置された環状溝セグメントによって画定される。
【0032】
シールプレート29の取り付けを容易にするために、ホイールディスク27は、環状突起32を通り軸方向に延在する少なくとも1つの凹所33を備え、円周方向における凹所33の最小の幅は、内部直径におけるシールプレート29の幅より大きい。それに対応して、矢印AおよびBによって
図16示されるように、シールプレート29を凹所33を通り環状溝30および31の間に軸方向に挿入し、環状溝に誘導されることにより円周方向に動かすことができる。凹所33は、2つの横方向に配置されたポケット34を備え、環状突起32の上部から始まり、環状突起32を通り半径方向に延在し、軸方向においてアンダーカットを形成する。
【0033】
凹所33を閉じるために、ホイールディスク装置26は、ホイールディスク27に取り外し可能に固定することができる閉鎖部品35をさらに備える。閉鎖部品35は、横方向に突出し、凹所33のポケット34に対応するよう設計された突起36を有する。それに対応して閉鎖部品35を凹所33に半径方向に導入することができ、突起36は、関連するポケット34に係合し、その結果、凹所33に収容される閉鎖部品35の軸方向固定が達成される。閉鎖部品35はさらに、適切な構成状態において、第1環状溝30の溝基部の一部を画定する充填部分37を有する。
【0034】
図14に示すホイールディスク装置26を取り付けるために、第1ステップにおいて、全てのブレードデバイス28が既知の方法でホイールディスク27に固定される。列の個々のシールプレート29が凹所33を通り環状溝30および31に軸方向に導入され、適切な位置へ円周方向に動かされる。凹所33の領域における適切な位置に配置されるように意図されたこれらのシールプレート29は、凹所33に直接隣接するように配置される。全てのシールプレート29が挿入された後、閉鎖部品35が凹所33に半径方向に挿入される。そしてまた最後のシールプレートが適切な位置に動かされ、そこで円周方向における不所望の動きを防ぐために、個々のシールプレート29が適切な手段で適切な位置に固定される。
【0035】
ホイールディスク装置26はまた、関連する閉鎖部品35を有する多数の凹所33を有することができることが明確にされるべきである。したがって、例えばホイールディスク27において180°オフセットされ互いに対向するように設計される2つの凹所33を設けることができる。このように、一方で、シールプレート29の取り付けまたは取り外しを簡略化させることができ、かつ他方で不均衡を解消することができる。
【0036】
図19は、それに対応して設計される凹所(詳細には図示せず)と共に使用することができる、閉鎖部品35の代わりの代替の閉鎖部品38を示す。閉鎖部品38および35の相違点は、突起39の位置が突起36のように中央ではなく、内側に位置するように選択されていることである。
【0037】
本発明による凹所の効果によって、上述の実施形態において、全てのブレードデバイスが既にホイールディスクに取り付けられていても、シールプレートを簡単に関連する環状溝に取り付けることができ、その結果、取り付けが非常に柔軟性を有して設計される。整備が必要な場合、個々のシールプレートを凹所を通して容易に、費用をかけることなく取り外すことができる。
【0038】
本発明が好ましい例示的な実施形態によって詳細に説明され示されたが、本発明は、開示された例によって限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく当業者によって他の変形例を得ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ホイールディスク装置
2 ホイールディスク
3 ブレードデバイス
4 シールプレート
5 第1環状溝
6 第2環状溝
7 環状突起
8 凹所
9 ポケット
10 閉鎖部品
11 突起
13 凹部