特許第6286591号(P6286591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286591
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】配筋検証支援装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   G06F17/50 610A
   G06F17/50 624F
   G06F17/50 680B
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-48074(P2017-48074)
(22)【出願日】2017年3月14日
(62)【分割の表示】特願2014-186430(P2014-186430)の分割
【原出願日】2014年9月12日
(65)【公開番号】特開2017-142817(P2017-142817A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】594045791
【氏名又は名称】株式会社ア−キテック
(74)【代理人】
【識別番号】100181881
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】中島 徹
【審査官】 平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−295168(JP,A)
【文献】 特開2001−043257(JP,A)
【文献】 特開2001−222570(JP,A)
【文献】 特開2009−030403(JP,A)
【文献】 特開2013−125383(JP,A)
【文献】 特開2014−020143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイント操作が行われた画面の座標から配筋検討対象となる躯体を検出する指定手段と、
前記指定手段で検出した躯体の指定を受け指定された一の躯体を特定する指定検出手段と、
前記指定検出手段で特定した躯体と連結する隣接躯体を検出する連結躯体特定手段と、
前記連結躯体特定手段の出力を受け前記指定検出手段及び前記連結躯体特定手段で検出した躯体からなる連結部を、当該連結部を構成する各躯体の躯体軸を法線とする平面で切断して切り出す連結部切出手段と、
前記連結部切出手段が切り出した前記連結部の外観又は連結部を構成する躯体の形状、及び当該連結部が内包する鉄筋を表示する支援画像作成手段と、
を備える配筋検証支援装置。
【請求項2】
前記連結部切出手段で切り出した連結部を構成する躯体の躯体軸を法線とする投影面を作成する手段と、陰線処理後の前記躯体の表皮及び鉄筋の表皮の投影線を前記投影面に射影する手段を具備する前記支援画像作成手段を備える請求項1に記載の配筋検証支援装置。
【請求項3】
前記連結部切出手段で切り出した連結部を表示する視線を前記ドラッグ操作の始点、方向及び量に応じて変更する視線変更手段を備える請求項1又は請求項2のいずれかに記載の配筋検証支援装置。
【請求項4】
コンピュータに、
ポイント操作が行われた画面の座標から配筋検討対象となる躯体を検出する指定手段と、
前記指定手段で検出した躯体の指定を受け指定された一の躯体を特定する指定検出手段と、
前記指定検出手段で特定した躯体と連結する隣接躯体を検出する連結躯体特定手段と、
前記連結躯体特定手段の出力を受け前記指定検出手段及び前記連結躯体特定手段で検出した躯体からなる連結部を、当該連結部を構成する各躯体の躯体軸を法線とする平面で切断して切り出す連結部切出手段と、
前記連結部切出手段が切り出した前記連結部の外観又は連結部を構成する躯体の形状、及び当該連結部が内包する鉄筋を表示する支援画像作成手段と、
を備える配筋検証支援装置として機能させる配筋検証支援プログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
前記連結部切出手段で切り出した連結部を構成する躯体の躯体軸を法線とする投影面を作成する手段と、陰線処理後の前記躯体の表皮及び鉄筋の表皮の投影線を前記投影面に射影する手段を具備する前記支援画像作成手段を備える配筋検証支援装置として機能させる請求項4に記載の配筋検証支援プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
前記連結部切出手段で切り出した連結部を表示する視線を前記ドラッグ操作の始点、方向及び量に応じて変更する視線変更手段を備える配筋検証支援装置として機能させる請求項4又は請求項5のいずれかに記載の配筋検証支援プログラム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物を構成する柱や梁などの様々な躯体の連結部に生じる鉄筋の干渉を施工前に検出する配筋検証作業において、その作業効率向上に寄与する配筋検証支援装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物は、一の躯体に対して、複数の躯体がそれぞれ異なる方向から連結することによって形作られた連結部を有している。
各連結部では、相連結する躯体の鉄筋は、相互に独立していながらも夫々が複雑に絡み合うことによって連続する躯体間の結合強度が保たれている。
その様に複雑に絡み合う鉄筋は、従来、例えば、下記特許文献1乃至4に記載のシステムにより、鉄筋同士の干渉が解消されるよう配筋を自動的に修正しつつ、躯体の内部における鉄筋の配置が決定されていた。
【0003】
しかし、昨今、地震耐力を強化すべしとの方針が出されたことで躯体を構成する鉄筋の量が増加し、躯体内に配置された鉄筋相互の干渉状況が更に複雑化することとなった。
その結果、机上での構造計算に基づいて設計された建築物において、実際には配筋が物理的に成し得なくなる例が多発し、構造計算だけでは鉄筋間の干渉を回避しきれない事態となった。
そこで、その様な現状を回避すべく、現場での施工が行われる前に、手作業による厳重な配筋検証作業を行うことが余儀なくされる事態となった。
【0004】
従来、その様な配筋検証作業を行う際には、床伏図の連結部を拡大し、鉄筋の配置(躯体形状を含む場合もある)を二次元的に表現された画像(以下「二次元画像」と記す)としてディスプレイ画面に表示し、前記二次元画像を上下左右から詳細に観察することによって、その連結部に配設された鉄筋の干渉状態を確認する手法が採られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−30403号公報
【特許文献2】特開2013−125383号公報
【特許文献3】特開2014−20143号公報
【特許文献4】特開2014−109933号公報
【特許文献5】特開平7−230469号公報
【特許文献6】特開2001−123664号公報
【特許文献7】特開2013−84040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の手法では、配筋状態を検証しようとする連結部をディスプレイ画面に表示した際に、検証をしようとする連結部の手前に隣接する躯体又は連結部が重なって表示されることで、目的とする配筋状態のみを明確に観察することができないという問題がある。
また、前記二次元画像のみでは、多くの鉄筋が如何なる用途で、如何なる躯体から発し又は如何なる態様で配設されているかなど(以下「役割等」と記す)を明確に認識することができず、また、それを他の画像を参照して確認することも容易ではないという問題があった。
一方、前記連結部を切り出そうとすれば、切り出そうとする空間を設定する際に煩雑な作業が伴い、連結部を構成する各躯体について躯体軸を法線とする面で切断しようとすれば、更に困難な作業が伴うこととなる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、隣接する躯体や連結部に検証箇所の配筋状態が隠されることなく、また、各鉄筋の役割等を確認しつつ効率的に配筋状態の検証作業を行うことができる配筋検証支援装置及びそのプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明による配筋検証支援装置は、ポイント操作が行われた画面の座標から配筋検討対象となる躯体を検出する指定手段と、前記指定手段で検出した躯体と連結する躯体を検出する連結躯体特定手段と、前記指定手段及び前記連結躯体特定手段で検出した躯体からなる連結部を切り出す連結部切出手段と、前記連結部切出手段が切り出した前記連結部の外観を表示する支援画像作成手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
前記連結部の切断面を躯体軸と垂直にするために、前記配筋検証支援装置は、前記指定手段及び前記連結躯体特定手段で検出した躯体をその躯体軸を法線とする平面で切断する前記連結部切出手段を備える構成とすることができる。
また、前記連結部切出手段で切り出した連結部を構成する躯体の躯体軸を法線とする投影面を作成する手段と、陰線処理後の前記躯体の表皮及び鉄筋の表皮の投影線を前記投影面に射影する手段を具備する前記支援画像作成手段を備える配筋検証支援装置として構成することもできる。
【0010】
尚、前記支援画像作成手段は、前記連結部の切断面を表示すると共に、当該連結部の外観を多角的に見た二次元画像又は三次元画像を適宜表示できる様に構成してもよい。ここで、前記三次元画像とは、鉄筋の配置(躯体形状を含む場合もある)を三次元的に表現した画像である。
【0011】
前記連結部の外観の表示方向を適宜変更し得る構成として、例えば、前記連結部切出手段で切り出した連結部を表示する視線を前記ドラッグ操作の始点、方向及び量に応じて変更する視線変更手段を備える配筋検証支援装置として構成することもできる。
前記基準点は、視線変更を行う際の回転の中心そのものでもよく、視線変更の中心を決める際の基礎となる点でもよい。
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明は、コンピュータに、上記配筋検証支援装置として機能させる配筋検証支援プログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による配筋検証支援装置によれば、膨大な前記建築物データから、配筋の検証に最適な断面を備える建築物の連結部を、ワンクリックで簡単に切り出し、当該連結部の切断面を含む外観を、隣接する躯体又は他の連結部の妨げを受けることなく観察することができる。
【0014】
また、現に検証を行っている連結部の外観及び配筋の状態を、実際の配筋状態に近い三次元画像及び鉄筋の配置を平面的に精密に検証できる二次元画像を多角的に表示できる構成とすることによって、修正中又は修正後の躯体内における鉄筋相互の干渉状況を、直感的に検証できるのみならず、各鉄筋の役割等を確認しつつ、躯体内部の配筋状態を効率的に且つ正確に検証することができる。
【0015】
また、現に検証を行っている連結部に配筋の状態を正確に書き込むという極めて煩雑な作業を行う場合であっても、ユーザーが見たい角度、又はユーザーが書き込みたい角度から適切で且つ正確な配筋状態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による配筋検証支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図2】本発明による配筋検証支援装置のオブジェクト構成及びハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明による配筋検証支援装置において保存されるオブジェクトの例を示す説明図である。
図4】本発明による配筋検証支援装置において保存されるオブジェクトの例を示す説明図である。
図5】本発明による配筋検証支援装置における表示処理の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明による配筋検証支援装置における指定検出処理の一例を示すフローチャート及び説明図である。
図7】本発明による配筋検証支援装置における躯体検出処理の一例を示すフローチャート及び説明図である。
図8】本発明による配筋検証支援装置における連結部切出処理の一例を示すフローチャート及び説明図である。
図9】本発明による配筋検証支援装置における連結部切出処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明による配筋検証支援装置における連結部切出処理の一例を示す説明図である。
図11】本発明による配筋検証支援装置における投影線作成処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明による配筋検証支援装置における陰線処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明による配筋検証支援装置における陰線処理の一例を示す説明図である。
図14】本発明による配筋検証支援装置における梁断面画像作成処理の一例を示すフローチャート及び説明図である。
図15】本発明による配筋検証支援装置における支援画像編集処理の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明による配筋検証支援装置における支援画像編集処理の一例を示す説明図である。
図17】本発明による配筋検証支援装置における支援画像の表示処理の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明による配筋検証支援装置における支援画像の一例である。
図19】本発明による配筋検証支援装置における支援画像の一例を示す一部拡大図である。
図20図18及び図19に示す支援画像の基となる床伏図(ハイライト付き)の二次元画像の一例である。
図21】本発明による配筋検証支援装置において表示される連結部の三次元画像の一例である。
図22】本発明による配筋検証支援装置において表示される床伏図の三次元画像の一例である。
図23図22に示す床伏図の二次元画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による配筋検証支援装置の実施の形態の一例を、その製造方法とともに図面に基づき詳細に説明する。
図2に示す例は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等の記録媒体、入出力インターフェース、通信インターフェースなどを備え、前記記録媒体にオペレーションシステム(OS)及びアプリケーションプログラム(AP:「配筋検証支援プログラム」を含む)などのプログラムがインストールされたコンピュータシステム(建築物用三次元CAD)として実現した例である(図2(B)参照)。
【0018】
ここで示す配筋検証支援装置の例は、三次元座標系の建築物データ(躯体に内包される部材を含めて数値化されたデータ)を編集する編集機能を有する前記建築物用三次元CADであって、その機能の一部として、前記建築物データから配筋検証用の支援画像を作成する配筋検証支援手段を付設したものである。
そしてこの例は、前記配筋検証支援手段の機能により前記配筋検証用の支援画像をディスプレイ画面に表示した上で、当該建築物用三次元CADの編集機能を以ってその三次元画像を変更修正し、配筋状態が修正された建築物データを保存する。
【0019】
この例の前記建築物用三次元CADは、ユーザーの指示を入力するマウスオブジェクト(指定手段)1、前記マウスオブジェクト1で入力された指示に基づき種々のデータを編集するための前記編集機能を有する作成オブジェクト3、前記マウスオブジェクト1で入力された指示に基づき前記配筋検証用の支援画像を作成する切出オブジェクト4、前記作成オブジェクト3又は前記切出オブジェクト4で作成した建築物データその他の建築物に関するデータを管理する建築物データオブジェクト2、前記作成オブジェクト3又は前記切出オブジェクト4で作成した建築物データその他の建築物に関するデータを表示する表示オブジェクト5を備えた構成を有する(図2(A)参照)。
【0020】
前記マウスオブジェクト1は、マウス操作に応じてディスプレイ画面のポインタを移動し、当該マウス操作で生じる操作の内容(指令など)及び画面座標(画面座標系の座標)を前記作成オブジェクト3又は前記切出オブジェクト4へ送信する。
【0021】
前記表示オブジェクト5は、グラフィックオブジェクトと表示行列(アフィン変換行列)を含む構成を有する。
前記表示オブジェクト5は、前記マウスオブジェクト1が出力する指令など、当該表示オブジェクト5に対して与えられる種々の指令により、前記作成オブジェクト3又は前記切出オブジェクト4などで作成された前記建築物データ又はその建築物の構成要素である躯体の形態及び構造を座標などで表すデータ(以下「躯体データ」と記す)及びその投影線データをグラフィックオブジェクト(DirectX(登録商標)又はOpenGL(登録商標)など)に送りディスプレイ画面に表示する。
【0022】
前記建築物データオブジェクト2は、前記作成オブジェクト3及び前記切出オブジェクト4などで作成された前記建築物データを、建築物を構成する躯体などに分けて、前記躯体データ又はその投影線データなどの形で、それぞれの記録手段に保有する。
当該建築物データオブジェクト2は、前記作成オブジェクト3で作成された躯体データと前記切出オブジェクト4で作成された躯体データ(検証用データ)を個別に保存する。
【0023】
前記作成オブジェクト3は、その編集手段で前記躯体データを作成し、又はそれらを組み合わせて床伏図、天井伏図、立面図、平面図などの前記建築物データに編集する。
前記作成オブジェクト3で作成された前記建築物データ又は前記躯体データは、例えば、
DXF形式など所定形式のデータとして前記建築物データオブジェクト2に保存する。
【0024】
例えば、前記床伏図(図20参照)の前記建築物データ及び前記躯体データは、当該床伏図に含まれる躯体の属性データ及び各躯体に配される鉄筋の配筋リストデータ並びにその躯体に用いられる鉄筋に関するデータ(以下「鉄筋データ」と記す)を含めて構成される。
尚、前記属性データは、例えば、建築物を構成する階層、当該階層に含まれる柱又は梁などの躯体分類並びに当該躯体の躯体軸及び躯体表皮(表面を厚みの無い皮と見立てた)を特定するデータである。
【0025】
前記建築物データオブジェクト2は、例えば、階層にあっては、例えば、“1F”などの文字列を保有し、躯体分類にあっては、例えば、“柱”などの文字列を保有し、躯体軸にあっては、点P0,P1、P2,..,Pnなどの連続した点群を保有し、躯体断面にあっては、断面D0,D1,D2,..,Dnなど、前記躯体軸を構成する点P0,P1、P2,..,Pnを通る平面を構成する多角形として保有し、躯体表皮にあっては、前記断面DnとDn+1の辺を含めて構成される四角形を分割した三角形S0,S1,S2,..,Sn及びその表皮座標として保有する(図3参照)。
【0026】
前記表皮座標は、前記躯体表皮の平面又は曲面を、例えば、U1,V1方向の線形関数、細分されたメッシュ又は三角形群を構成する各三角形の座標データとして保存する(図4参照)。
尚、前記線形関数は、平面又は曲面に仮想の格子線を与え、個々の線に対して、例えば、法線方向の増加量を格子線の始点からの距離に比例して変化させるなどの方法を、数式又はプログラムで定義するものである。
例えば、図4に示す例にあっては、V1方向のVP0〜VP3のベジエ曲線上に媒介変数Vtを0.2刻みにした点を設け、U1方向のベジエ曲線UP0〜UP3を平行移動し、更に、V1方向のベジエ曲線の媒介変数Utを0.2刻みに平行移動したメッシュ面である。
これを更に許容誤差範囲で三角形に分割すると図3(D)となる。
【0027】
前記配筋リストデータは、建築物を構成する前記躯体ごとに、各躯体が内包する鉄筋の使用情報及び配置情報を含むデータである。
【0028】
また、前記鉄筋データは、各躯体に含まれる鉄筋の鉄筋名称(属性)、鉄筋材質、鉄筋軸及び鉄筋径などのデータである。尚、鉄筋の表皮座標等は、前記鉄筋径から擬似多角形を作成し、前記鉄筋軸の線形(鉄筋線形)に沿ってスイープする処理等によって適宜作成する。この様な手法の選択によって、記録手段の記録領域をいたずらに消費することを防止することができる。
前記鉄筋軸は、この建築物用三次元CADにおける三次元座標系の編集空間に表される点、直線又は曲線である。
前記曲線は、円、円弧、楕円、楕円弧、放物曲線、双曲線、ベジエ曲線、クロソイド曲線その他の曲線であって、数式又は関数で定義される線分である。
【0029】
前記鉄筋軸名称及び前記鉄筋径(図3(E)参照)は、例えば、T0−径0,T1−径1,T2−径2,...Tn−径nとして保有する。
前記鉄筋径は、鉄筋の直径である。鉄筋の半径は、前記鉄筋軸と直交する方向の当該鉄筋軸から表皮までの距離である。
【0030】
前記切出オブジェクト4は、指定された階の床伏図の前記建築物データ又は前記躯体データからなる二次元画像(図18乃至図20及び図23参照)又は三次元画像(図21及び図22参照)をディスプレイ画面に表示する表示処理(図5参照)、ディスプレイ画面に表示された床伏図などから配筋検証の対象となる柱梁の連結部を指定する指定検出処理、指定された連結部を構成する柱と梁を検出する躯体検出処理、指定された連結部を規定箇所を境に切り出す連結部切出処理、切り出された連結部の基本支援画像を作成する基本支援画像作成処理、切り出された連結部の梁軸方向から見た外観画像(当該梁の断面を含む)を作成する梁断面画像作成処理、複数方向から見た外観画像を組み合わせた配筋検証用の支援画像を編集する支援画像編集処理、建築物データから切り出した連結部の表示角度を変更する視線変更処理、切り出された前記連結部を床伏図にハイライトで表示(作成済マークを付する)マーク処理を順次行う(図20参照)。
【0031】
[表示処理]
前記表示処理では、当該切出オブジェクト4の制御部は、前記マウスオブジェクト1からの指令に基づき表示すべき階層の指定を受け、前記建築物データオブジェクト2に対して、当該建築物データオブジェクト2の記録手段に格納されたすべての前記建築物データ又は前記躯体データから、指定した階層に含まれる柱データ(柱の躯体データ)及び梁データ(梁の躯体データ)を検索する指令を出力する。
【0032】
当該指令を受けた前記建築物データオブジェクト2は、前記切出オブジェクト4に対して検索結果を出力する。
前記検索結果を受けた前記切出オブジェクト4は、例えば、前記床伏図の前記建築物データ又は前記躯体データに基づいて前記投影線データを作成し前記表示オブジェクト5へ出力する。当該表示オブジェクト5は、保有するグラフィックモジュールと表示行列で、前記切出オブジェクト4から受けた前記投影線データを、躯体表皮の面又は線として前記ディスプレイ画面に表示する(図5図20及び図23参照)。
【0033】
[指定検出処理]
前記指定検出処理では、当該切出オブジェクト4の制御部は、前記マウスオブジェクト1からの指令に基づき配筋を検討すべき対象となる躯体の指定を受け、当該切出オブジェクト4の指定検出手段に対して、指定された躯体を特定する指令を出力する。
当該指令を受けた当該切出オブジェクト4の指定検出手段は、例えば、前記ディスプレイ画面に表示された床伏図において、ポイント操作(例えばマウスによる「クリック操作」)で指定した躯体を特定する。
その際、前記指定検出手段は、前記クリック操作で指定した画面座標点における画面法線を導くと共に、当該画面法線を編集空間のXYZ座標に変換し、前記編集空間内で当該画面法線と交差する躯体を検出する。
【0034】
前記指定検出手段は、検出した躯体が柱であれば、当該切出オブジェクト4の制御部に当該柱を通知して次の処理に移り、特定した躯体が柱でなければ、前記切出オブジェクト4の制御部にその旨を通知し、前記表示オブジェクト5等を介してユーザーに注意を促し、当該ユーザーの入力操作で柱が指定されるまで待機する(図6参照)。
【0035】
[躯体検出処理]
前記躯体検出処理では、当該切出オブジェクト4の制御部は、前記指定検出手段から検出対象の基準となる躯体(柱)の指定検出を受け、前記建築物データオブジェクト2に対して、指定された躯体と連結する躯体を特定する指令を出力する。
【0036】
当該指令を受けた前記建築物データオブジェクト2は、当該建築物データオブジェクト2の記録手段に格納されたすべての躯体データから、指定した階層の前記柱データ及び前記梁データを検索し、前記指定検出手段により検出された柱の表皮座標と、前記ディスプレイ画面に表示された前記床伏図に含まれるすべての梁の表皮座標をソリッドブーリアン演算などにより比較し、指定した柱に接続していると認められる梁を検出すると共に、指定した柱に接続していると認められる梁の前記躯体データを当該切出オブジェクト4の記録手段に保存する(図7参照)。
以上、この例では、前記指定検出処理及び躯体検出処理を行う各機能手段及び各機能オブジェクトを以って連結躯体特定手段を構成する。
【0037】
[連結部切出処理]
前記連結部切出処理は、前記躯体データを含む膨大な前記建築物データから、配筋の検証に最適な断面を備える建築物の一部(1ブロック)を前記連結部の前記検証用データとして切り出す処理である(図21参照)。
【0038】
前記「最適な断面を備える建築物の一部」とは、指定した柱を基体とする前記連結部であって、前記「最適な断面」とは、切断される躯体の躯体軸に対して直角であることと、連結部の基体となる躯体の基点に対して短過ぎず且つ長過ぎない位置で切断されたものであることを満たす断面である。
ここで、「短過ぎず」とは、その際に切断される躯体の躯体幅や当該躯体に含まれる鉄筋の本数及び役割等が確認できる長さであり、「長過ぎず」とは、配筋状態の検証に用いられる紙面又はディスプレイ装置の表示領域を無駄にしない長さである。
【0039】
(梁の切出し)
この例における前記連結部切出処理では、当該切出オブジェクト4の連結部切出手段は、前記連結躯体特定手段の出力を受け、前記躯体検出処理で検出された柱と接続しているすべての梁について、柱の接触面(前記基点)から任意の距離Lだけ離隔した梁軸上の切断点を求め、当該切断点を通り且つ当該梁の梁軸方向を指すベクトルを法線とする切断面を作成する(図8参照)。
【0040】
前記任意の距離Lは、ユーザーが望む距離を基準に定め、前記切断点が他の物体(例えば「柱」)の内側に存在する場合には、その外側に至る点までの距離Lとする。
具体的な前記任意の長さLとしては、前記連結部における躯体の交差角に応じて切断される躯体の躯体幅の0.3倍から3倍程度の長さ(例えば躯体幅を直交に対する傾斜角の余弦で除した長さを基準とする)が好ましい。
【0041】
前記連結部切出手段は、前記躯体検出処理で検出したすべての梁の梁表皮及び梁軸を前記切断面で切断すると共に、各切断面の法線方向の柱側に存在する面に含まれる梁表皮及び梁軸の躯体データ(柱枠データ)を当該切出オブジェクト4の記録手段に保存する(図8参照)。
【0042】
(柱の切出し)
前記連結部切出処理では、当該連結部切出手段は、更に、指定した柱の柱軸の始点(柱の上端又は下端のいずれか)から、当該柱と接続するすべての梁との接続面における上端及び下端までのベクトルを保存する。
当該連結部切出手段は、各梁について最短ベクトルと最長ベクトルから柱軸上の切断点を求め、当該切断点を通り且つ当該柱の柱軸方向を指すベクトルを法線とする切断面を作成すると共に、当該柱の柱表皮及び柱軸を当該柱の切断面で切断し、前記切断面の法線方向の梁側に存在する躯体データ(梁枠データ)を当該切出オブジェクト4の記録手段に保存する。
【0043】
その際、当該連結部切出手段は、各梁と指定した柱との接続面を検出し、当該接続面を当該梁の梁軸に沿って平行移動した際に占有する領域と、先に指定した柱の柱軸とで共有する当該柱軸方向の領域(以下「共有領域」と記す)を、検出されたすべての梁の接続面について導くと共に、当該切出オブジェクト4の記録手段に保存する。
【0044】
次に、前記切出オブジェクト4の連結部切出手段は、すべての共有領域の最上位の端点と最下位の端点との間を“範囲軸”とし、当該範囲軸の両端点を通り且つ当該柱軸に垂直な面で切断した躯体(柱)を検出する(図9図10及び図21参照)。
前記梁の切断処理と同様に、梁の接触面(前記基点)から任意の距離Lだけ離隔した柱軸上の切断点を求め、当該切断点を通り且つ当該柱の梁軸方向を指すベクトルを法線とする切断面を作成してもよい。
【0045】
(鉄筋の切り出し)
更に、当該連結部切出手段は、上記連結部切出処理(梁・柱)で導いた柱枠データ及び梁枠データを構成する躯体表皮の表皮座標群をソリッドブーリアン演算より結合(OR演算)し、指定した柱と、当該柱と連結するすべての梁が結合した前記連結部の表皮座標群(検証枠)を作成し、検証枠データとして当該切出オブジェクト4の記録手段に保存する。
【0046】
次に、前記連結部を含む建物データ(又は躯体データ)の鉄筋データから当該検証枠データと重なる部分を、前記検証枠の範囲に含まれる鉄筋線形として抽出する(切り出す)と共に、それを鉄筋線形データとして前記切出オブジェクト4の記録手段に保存する処理を行う(ソリッドと線のAND演算)。
この例では、以上を以って前記指定手段及び前記連結躯体特定手段で検出された躯体からなる連結部を、前記検証枠データと前記鉄筋線形データからなる前記検証用データとして切り出す連結部切出手段の処理を終了する。
【0047】
[支援画像作成処理]
(基本支援画像作成処理)
前記基本支援画像作成処理では、当該切出オブジェクト4の支援画像作成手段は、例えば、躯体のZ軸(建築物座標系)方向を法線とするXY投影面を作成し、当該XY投影面に、前記切出オブジェクト4の前記記録手段に保存された前記検証用データに含まれる躯体の表皮座標及び鉄筋線形から作成された鉄筋の表皮座標に基づきそれらの投影線を作成し、当該投影線を前記XY投影面に射影することで基本支援画像を作成する。
前記躯体又は鉄筋の表皮が曲面である場合には、予め、当該曲面を三角形群で細分化しておくことにより、上記手法により前記三角形群の外郭線を含む投影線データを生成することができる。
【0048】
ここで、前記XY投影面に射影する躯体及び鉄筋の表皮座標は、面又はエッジ線の座標である。
前記エッジ線とは、法線が規定角度以上で交差する隣接面の外郭線又は法線が規定角度未満で交差する隣接面を集合させて単一面とみなした面の外郭線であって、それらの面の法線が作業者の視線(以下「視線」と記す)とは逆向きのベクトル成分を持つ面(画面外向きの面)の外郭線を指す。
【0049】
その際、前記支援画像作成手段は、得られた前記連結部の躯体データに対して陰線処理を行い、前記投影線を作成する(図11及び図12参照)。
【0050】
ここで、前記陰線処理とは、コンピュータの三次元ソフトで物体を線画で画面に表示する場合に、前方に存在する不透明な物体の陰に隠れて見えないはずの部分(線や面)を表示しないようにする処理である。
その際、陰線処理手段は、切断された躯体の躯体表皮及び鉄筋表皮を細分化してなる三角形から視線とは逆向きのベクトル成分を持つ法線を有する三角形(画面外向きの三角形)を抽出し、当該抽出した三角形群を各々の法線のベクトルとは逆方向へ伸長した三角柱を作成する。
続いて、各三角形の面を前記三角柱でブーリアン演算を行い、共有部を削除すると共に、前記共有部が抜けて多角形となった表皮をあらためて三角形群に分割する。
【0051】
最後に、残った三角形のなかで隣接する三角形各々の法線の交差角度を導いて検査し、隣接する三角形各々の法線が規定角度未満で交差する隣接三角形の外郭線(単一曲面の構成面とみなせる面の外郭線であって処理の便宜上細分化しない限り本来存在しない外郭線)を削除し、各三角柱の高さ(伸長方向への奥行き)であるZ軸成分をゼロとすることによって、前記XY投影面に射影する投影線を作成する(図12及び図13参照)。
【0052】
相重なる位置関係にある躯体表皮と鉄筋表皮について前記陰線処理を行えば、躯体に内在する鉄筋表皮はすべて躯体表皮で消去されることになる。
その様な事態を避けるために、陰線処理の際には、先ず、視線とは逆向きのベクトル成分を持つ法線を有する三角形(画面外向きの三角形)を削除し、画面外側の躯体表皮を取り除くと共に、残った躯体表皮(画面内側の躯体表皮)を構成する三角形(画面内向きの三角形)の法線を逆転しておく。これにより、投影面に対して鉄筋表皮の背後に存在する躯体表皮のみが抽出され、前記陰線処理の後には、鉄筋線と躯体の外郭線のみが前記XY投影面に射影する投影線として抽出される。
尚、法線を逆転するとは、具体的には、右回りの三角形座標を左回りに入れ替えることである(座標軸が右手座標系であるか左手座標系であるかによって右回り及び左回りは反対になる)。
【0053】
(梁断面画像作成処理)
前記梁断面画像作成処理では、当該切出オブジェクト4の支援画像作成手段は、躯体のZ軸(建築物座標系)方向ではなく、検出された各梁の梁軸の切断点の梁軸方向を法線とする投影面(躯体投影面)を作成し、当該躯体投影面に対して上記基本支援画像作成処理と同様に、前記切出オブジェクト4の前記記録手段に保存された前記検証用データに含まれる躯体の表皮座標及び鉄筋線形から作成された鉄筋の表皮座標に基づき投影線を作成し、当該投影線を前記躯体投影面に射影することで梁断面画像を作成する。
【0054】
その際、支援画像作成手段は、例えば、検出したすべての梁について、各々の切断点の梁軸方向Vを検出し、当該梁の切断面を基点とし且つ前記梁軸方向と直行する鉛直方向V0を導く。
次に、前記V0及びVをY軸及びZ軸とする回転行列を導き、前記検証用データを回転する(図14参照)。最後に、切断された躯体に対して上記基本支援画像作成処理と同様の陰線処理を行い(図11参照)、前記XY投影面に射影する投影線を作成する(図12及び図13参照)。
【0055】
(支援画像編集処理)
前記支援画像編集処理では、支援画像編集手段は、前記切出オブジェクト4で作成した前記基本支援画像又は前記梁断面画像を配筋検証用の支援画像として編集し、前記検証用データの付属データとして前記切出オブジェクト4の記録手段に保存し、又は前記建築物データオブジェクト2に出力する。
【0056】
例えば、前記XY平面に投影される各投影線データからなる個別の画像又は各投影線データからXY矩形占有領域を算出し相互に重ならないように鉄筋断面を含む前記基本支援画像と梁断面画像が並んだ画像を編集し、前記検証用データの付属データとして前記切出オブジェクト4の記録手段に保存し、又は前記建築物データオブジェクト2に出力する。
この様に、前記建築物を構成する前記連結部の種々の躯体軸方向から見た切断面を含む外観画像を並べて表示することによって、前記連結部における複数の躯体が内包する鉄筋を各躯体軸方向の真正面から検証することができるので、その修正作業の能率も高まることとなる。
【0057】
上記の如く前記基本支援画像と梁断面画像が並んだ画像を編集する際には、前記躯体座標系のZ軸方向から見た前記基本支援画像を不動として梁断面画像を移動する。
その際、前記支援画像作成手段は、前記基本支援画像のXY矩形領域を導き「Box_A」とし、作成した梁断面画像の矩形領域を導いて「Box_B」とする。
次に、前記「Box_A」の右辺の中点をAとし、「Box_B」の左辺の中点をBとすると共に、点Bを点Aに移動させるベクトルを導き、前記梁の投影線データを当該ベクトル量分移動させ、梁断面画像も同様に移動させるべく、前記「Box_B」を当該ベクトル量分移動させる。
そして、前記「Box_B」を「Box_A」にコピーして新たな「Box_A」とし、上記処理をすべての梁断面画像に繰り返す。
最後に、前記基本断面のXY矩形領域及びすべての梁断面の矩形領域に含まれる前記躯体データの投影線データ(前記検証用データの付属データ)を前記切出オブジェクト4の記録手段に保存し、又は前記建築物データオブジェクト2に出力する(図15及び図16参照)。
【0058】
(視線変更処理)
この例の前記視線変更処理では、前記マウスオブジェクト1は、編集画面におけるマウス操作の内容からドラッグ操作の方向及び量並びにドラッグの始点座標を導く。
一方、視線変更手段は、当該ドラッグの始点座標を受けて、前記指定検出手段と同様に、前記ドラッグの始点座標を通る画面法線を導くと共に、前記編集空間内で当該画面法線と躯体との交差点を導く。
【0059】
続いて、前記視線変更手段は、前記マウスオブジェクト1からドラッグ操作の方向及び量を受けて、前記連結部切出処理で切り出した前記連結部を表示する視線をその方向及び量に応じて変更する。
即ち、当該視線変更手段は、前記交差点(基準点)を中心として、前記連結部切出処理で切り出した前記連結部の回転方向と、当該回転方向への回転量を確定し、当該連結部に確定した回転を行わせる前記表示行列を作成し、当該連結部の前記表皮座標に対するアフィン変換(前記特許文献7参照)を経てディスプレイ画面に表示する画像の視線を変更し、その結果としてディスプレイ画面に表示する画像を前記二次元画像(奥行き成分=0)又は三次元画像に適宜変更する。
【0060】
更に、前記マウスオブジェクト1からドラッグ操作の方向及び量を受けて、前記連結部切出処理で切り出した前記連結部を表示する尺度又は移動量をその方向及び量に応じて変更するアフィン変換を行い、前記連結部を表示する画像の拡大縮小、平行移動を行い、希望のサイズ及び傾きを持った前記二次元画像又は前記三次元画像を自由に得ることができる構成としてもよい。
尚、この例の前記視線変更手段は、前記表示オブジェクト5を用いて視線を変更した画像をディスプレイ画面に表示する。
前記視線変更処理は、前記マウスオブジェクト1からの情報の他、入力ダイヤログによるユーザーから確定入力を受けて視線変更を行う手法を採ることもできる。
【0061】
(マーク処理)
前記マーク手段は、例えば、保存されたデータのうち、基本支援画像データ及び梁断面画像データを検出して、それに想到する連結部の躯体データをハイライト表示させる投影線データを前記表示オブジェクト(表示手段)5に送り、当該表示オブジェクト5は、保有するグラフィックモジュールと表示行列で前記ディスプレイ画面に表示する(図17乃至図21参照)。
前記のごとくマークすることによって、この部分についての作成済み通知となり、このマークをクリックしてそのデータにアクセスすることで直感的な閲覧や編集が可能となる。
【0062】
前記建築物データオブジェクト2は、前記作成オブジェクト3で作成した前記躯体データ及び前記切出オブジェクト4で作成した前記検証用データ並びにそれらの投影線データなどを、前記作成オブジェクト3及び前記切出オブジェクト4より受け、前記建築物データオブジェクト2の記録手段に保存する。
前記建築物データオブジェクト2の記録手段は、前記躯体データ及びその属性データ、配筋リストデータ又はその躯体に用いられる鉄筋の前記鉄筋データ並びに配筋ルールデータなどを格納する図形データベースを備える。
前記配筋ルールデータは、例えば、かぶり厚に関するルール及び鉄筋同士の干渉に関するルールなどである。
【符号の説明】
【0063】
1 マウスオブジェクト,2 建築物データオブジェクト,3 作成オブジェクト,
4 切出オブジェクト,5 表示オブジェクト,


図1
図2
図3
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