【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年1月20日パシフィコ横浜において開催されたジャパンフィッシングショー2017で配布されたTIEMCO 2017 FLY FISHING CATALOG第97頁に発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クランプ部は、円筒状の基部と、弾性爪部として、挿入されるジョイントシャフトの側面に沿って前記基部から延設されるクランプ片と、前記クランプ片の前記ジョイントシャフト側に形成される爪形状の突起部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載のホルダー。
ケース本体において、ジョイントシャフトが挿入される側に、クランプ部と、スプリング部と、ガイド部を保持するケースキャップを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のホルダー。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来のホルダーには、キーホルダーに代表されるように、物と物とを連結する構造がある。
また、加重が掛かって自動的に離脱(解放)するものとしては、マグネットを使用したものがある。
【0003】
そして、釣りで使用されるライディングネット(タモ)をフィッシングベスト又はフィッシングジャケット等に装着するためのホルダーとしてネットリリーサーがある。
従来のネットリリーサーは、一方の端部をフィッシングベスト等に取り付け、他方の端部をタモに取り付けて、マグネットによって両者を着脱するものがある。
【0004】
市販されているマグネット式のネットリリーサーは、φ10×8〜10mm程度の大きさのネオジウムマグネットを2個用い、両者の吸着力を利用して自動着脱する構造がある。
この構造は、ネットリリーサーの一端がフィッシングベスト等に取り付けられ、他端がタモに接続された状態で、タモを強く引くとマグネットで吸着していたネットリリーサーが外れ、タモを使用しない場合には、2個のマグネットを近づけることで吸着し、連結(接続)状態となるものである。
【0005】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2015−000329号公報「鍵保持具」(株式会社フジコーポレーション)[特許文献1]がある。
特許文献1には、一方の端部に磁石を備え、その磁石の中心に連結体が取り付けられ、連結体の先に取り付けた鍵を磁石に着脱する構成の保持具が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のマグネット式のネットリリーサーでは、以下の問題点があった。
第1に、強力な磁力のマグネットを使用しているため、携帯電話機、スマートフォン、デジタルカメラ、ムービーカメラ等の電子機器、メモリカード、ICカードに不用意に接触させると、電子機器等に障害が発生するという問題点があった。
【0008】
第2に、渓流の釣り場の地面や河原にマグネットが付いたタモを置いた場合に、そのマグネットに多量の砂鉄が付着してしまい、その砂鉄の除去に手間と時間を費やし、除去が不十分であれば、吸着力が低下するという問題があった。
【0009】
第3に、マグネット式のネットリリーサーでは、衝撃緩和の機能を備えておらず、衝撃的な引っ張り加重がかかると意図せずに外れてしまうことがあり、衝撃的な引っ張り加重に弱いという問題点があった。
【0010】
尚、特許文献1においても、上記第1〜3の問題点があり、その問題点を解決するための構成は示されていない。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、マグネットの吸着力を利用せず、機械的な構造で容易に着脱でき、更に離脱を衝撃音によって容易に認識できて、衝撃緩和の機能を備えたホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、着脱可能に連結するホルダーであって、ロック溝を備えるジョイントシャフトと、ジョイントシャフトが挿入又は抜き出され、ジョイントシャフトの一部を収納するケース本体と、ケース本体内を該挿入又は抜き出される方向に移動し、ロック溝に係合する弾性爪部を備えたクランプ部と、弾性爪部をロック溝から解放するガイド部と、ガイド部とクランプ部とを隔てて伸縮し、ケース本体の内壁面に沿って設けられるスプリング部とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記ホルダーにおいて、ガイド部が、ジョイントシャフトが挿入されるリング状で、弾性爪部をロック溝から解放する案内傾斜部を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記ホルダーにおいて、クランプ部が、円筒状の基部と、弾性爪部として、挿入されるジョイントシャフトの側面に沿って基部から延設されるクランプ片と、クランプ片のジョイントシャフト側に形成される爪形状の突起部とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記ホルダーにおいて、ケース本体において、ジョイントシャフトが挿入される側とは反対側にリング通し穴を設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記ホルダーにおいて、ケース本体において、ジョイントシャフトが挿入される側に、クランプ部と、スプリング部と、ガイド部を保持するケースキャップを設けたことを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記ホルダーにおいて、ジョイントシャフトにおいて、ケース本体に挿入される側とは反対側の端部にリング通し穴を設けたことを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記ホルダーにおいて、ジョイントシャフトにおいて、ケース本体に挿入される側とは反対側の端部に帯状の面ファスナーを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、着脱可能に連結するホルダーにおいて、ジョイントシャフトがロック溝を備え、ケース本体が、ジョイントシャフトが挿入又は抜き出され、ジョイントシャフトの一部を収納し、クランプ部が、ケース本体内を該挿入又は抜き出される方向に移動し、ロック溝に係合する弾性爪部を備え、ガイド部が弾性爪部をロック溝から解放し、スプリング部が、ガイド部とクランプ部とを隔てて伸縮し、ケース本体の内壁面に沿って設けられるホルダーとしているので、マグネットの吸着力を利用せず、機械的な構造で容易に着脱でき、更に解放時にスプリング部の反発力でクランプ部がケース本体の内側に当って衝撃音が発生するので、ジョイントシャフトのケース本体からの離脱を利用者は容易に認識でき、加えてスプリング部の伸縮によって衝撃緩和の機能を備えることができる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るホルダーは、ジョイントシャフトをケース本体に着脱可能に連結するものであり、ジョイントシャフトがロック溝を備え、ケース本体がジョイントシャフトを挿入又は抜き出し、その一部を収納し、クランプ部がケース本体内を挿入又は抜き出される方向に移動し、ロック溝に係合する弾性爪部を備え、ガイド部が弾性爪部をロック溝から解放し、スプリング部がガイド部とクランプ部とを隔て伸縮し、ケース本体の内壁面に沿って設けられるものであり、マグネットの吸着力を利用せず、機械的な構造で容易に着脱でき、更に解放時にスプリング部の反発力でクランプ部がケース本体の内側に当って衝撃音が発生するので、ジョイントシャフトのケース本体からの離脱を利用者は容易に認識でき、加えてスプリング部の伸縮によって衝撃緩和の機能を備えたものである。
【0022】
[本ホルダーの概略:
図1,2]
本発明の実施の形態に係るホルダー(本ホルダー)について
図1、
図2を参照しながら説明する。
図1は、本ホルダーの概略図であり、
図2は、本ホルダーの断面説明図である。
本ホルダーは、
図1に示すように、ケース1と、ジョイントシャフト6とを有し、ケース1にジョイントシャフト6が挿入されると、ジョイントシャフト6がケース1に保持されて連結し、ケース1からジョイントシャフト6を引っ張り、特定の加重がかかると、ジョイントシャフト6を引き抜く(離脱する)ことができるものである。
【0023】
本ホルダーは、様々なものを連結するためのものであるが、例えば、ネットリリーサーとして使用する場合には、ケース1のリング通し穴にリングを通し、そのリングをフィッシュングベスト等の背中の係止部に固定する。そして、ジョイントシャフト6のリング通し穴にリングを通し、そのリングにタモの係止部を固定する。
【0024】
タモをフィッシュングベストに固定する場合には、本ホルダーのケース1にジョイントシャフト6を挿入して連結する。
タモを使用する場合には、タモを強く引っ張ると本ホルダーのケース1からジョイントシャフト6が引き抜かれる。その場合、後述するように、衝撃音が発生して、タモが外れたことを利用者に知らせるものである。
【0025】
そして、
図2に示すように、ケース1内は空洞となっており、内部にはクランプリング2と、スプリング3と、ベントガイドリング4が設けられ、ジョイントシャフト6が挿入される側にケース1の蓋となるケースキャップ5が設けられている。
請求項では、ケース1とケースキャップ5とを合わせて「ケース本体」、クランプリング2を「クランプ部」、スプリング3を「スプリング部」、ベントガイドリング4を「ガイド部」と称している。
【0026】
[本ホルダーの各部:
図3,4]
次に、本ホルダーの各部について
図3、
図4を参照しながら具体的に説明する。
図3は、本ホルダーを分解した概略図であり、
図4は、
図3の断面説明図である。
[ケース1]
本ホルダーのケース1は、
図3,4に示すように、内部が空洞の筒状の筒体10を備え、ジョイントシャフト6が挿入される出入口側が開放されており、その反対側の内面はクランプリング2を固定する底部を備え、外面にリング通し穴12を備える円柱状の円柱部11を有している。
【0027】
また、ケース1は、出入口側の内壁面には、ケースキャップ5を螺合する溝(雌ねじ部)13が形成されている。本ホルダーでは、ケースキャップ5をネジ式として、メンテナンスのために分解可能としたが、ケースキャップ5を取り外せない嵌め込み式、接着式としても構わない。
【0028】
ケース1は、ステンレス又は真鍮を材料として切削で加工されるが、鉄やアルミニウムを材料としても構わない。但し、鉄を材料に使用した場合には、切削加工後にメッキ処理を施して耐食性を向上させるのが望ましい。
【0029】
[クランプリング2]
本ホルダーのクランプリング2は、
図3,4に示すように、基部20と、クランプ片21と、クランプ用突起22とを有し、ジョイントシャフト6が挿入される中心孔23を備えている。
請求項における「弾性爪部」は、クランプ片21とクランプ用突起22に相当している。
【0030】
基部20は、円筒状で、ケース1の内側の底部に接する頭部を備え、中心に中心孔23が形成されている。
クランプ片21は、基部20のケース1の底部とは反対側に形成され、そのクランプ片21の外側の円周部分(外側部分)にスプリング3が設けられている。
【0031】
クランプ片21は、中心孔23と同じ内径を有する円筒形状であり、ジョイントシャフト6の抜き出し方向に沿って短冊状に複数延設されている。つまり、クランプ片21は、複数のアーム状の小片が基部20の中心孔23の内壁面に沿って長軸方向に環状に形成されている。
【0032】
隣接するクランプ片21との間には、スリットが形成され、個々のクランプ片21が根元から弾性を持ってケース1の内壁面に向かって開く構造である。
従って、クランプ片21の基部20とは反対側の先端部分は、加重が加われば広がり、加重がなくなれば元に戻る弾性の性質を有している。
【0033】
クランプ用突起22は、クランプ片21の先端部の内側(中心孔23側)に形成された突起であり、ジョイントシャフト6のロック溝62に係合するものである。
クランプ用突起22は、ジョイントシャフト6の先端部分61の表面に接するものであり、ジョイントシャフト6を導くための傾斜部を備えている。具体的には、クランプ用突起22は、先端において内側から外側に開くような傾斜部となっている。この傾斜部が後述するようにクランプ解放に利用される。
【0034】
クランプリング2は、ばね用のステンレス鋼、例えば、SUS301を材料として全体が一体で切削加工している。尚、切削性に優れたSUS303や耐食性の高いSUS304を材料として使用してもよい。
また、ポリアセタール樹脂等を材料として一体で射出成型したものを用いても構わない。
【0035】
[スプリング3]
本ホルダーのスプリング3は、
図3,4に示すように、圧縮コイルバネであり、耐食性を考慮して、ばね用のステンレス鋼線で形成している。尚、スプリング3は、ピアノ線や硬鋼線等の他のばね用鋼線でも構わない。
また、スプリング3は、両端の端末形状がクローズエンドとしてばねの座りをよくしている。
【0036】
離脱に必要な引っ張り加重は、スプリング3の弾性強度に依存する。そのため、スプリング3の材質(硬度)、線径、ピッチにより離脱に必要な引っ張り加重を調整できる。
従って、その他の構成を変更することなく、スプリング3の強度を変更することで、離脱に必要な引っ張り加重を数グラムから数十キログラムまで調整でき、小型化は維持される。
【0037】
スプリング3の外径は、クランプリング2の基部20と同径とし、スプリング3の内径は、クランプ片21の外径より大きくしている。
特に、ジョイントシャフト6の先端部61がケース1に挿入されて、更にケース1内のクランプリング2の中心孔23に挿入される場合に、クランプ片21が外側に開くことになるが、その開いたクランプ片21がスプリング3の内側に接触しない程度に余裕を持たせている。
つまり、スプリング3の内径は、クランプ片21が開いた場合の外径より大きくなるよう設計されている。
【0038】
[ベントガイドリング4]
本ホルダーのベントガイドリング4は、
図3,4に示すように、ジョイントシャフト6が貫通する開口部を備えたリング状で、クランプ片21の先端を広げる構成を備えると共に、スプリング3を保持する構成を備えている。
【0039】
具体的には、ベントガイドリング4は、バネ保持部41と、案内傾斜部42とを有している。
バネ保持部41は、スプリング3の端面(クランプリング2の基部20に接する端面とは反対側の端面)が接触してスプリング3を保持する。
案内傾斜部42は、クランプ片21を外側に広げるためのものであり、クランプ用突起22の傾斜部の形状に合わせて傾斜する形状となっている。つまり、案内傾斜部42は、クランプリング2側からバネ保持部41に向けて裾野が広がるよう傾斜している。
【0040】
ベントガイドリング4は、ステンレスや真鍮を材料として切削で加工されるが、鉄やアルミニウムであっても構わない。ただ、鉄を使用した場合には、切削加工後にメッキ処理を施して耐食性を向上させるのが望ましい。
【0041】
[ケースキャップ5]
本ホルダーのケースキャップ5は、
図3,4に示すように、基部50と、皿グリ部51と、雄ねじ部52を有している。
ケースキャップ5は、円筒状で、ジョイントシャフト6が挿入又は抜き出される方向に貫通孔を備え、ケース1と結合している。
【0042】
基部50において、貫通孔の挿入口(開口部)が皿グリ部51となっており、ケース1と結合するための雄ねじ部52が設けられている。
そして、基部50の外周面から挿入口に向けて傾斜させているのは、ケースキャップ5を触ったときに手触り感がよく、意匠的にも優れている。
【0043】
また、基部50の貫通孔の最も狭い内径は、ジョイントシャフト6の先端部61の外径より大きくなっているが、ストッパー部63の外径より小さくなっている。
そして、基部50の内側の貫通孔が最も狭くなった部分に、皿グリ部51に当接してベントガイドリング4が設置される。
【0044】
皿グリ部51は、
図4に示すように、挿入口の奥から外側に向けて開くよう傾斜しており、ジョイントシャフト6の先端部61を貫通孔に導くための構成となっている。
そして、皿グリ部51は、ジョイントシャフト6のストッパー部63に接するようになっており、ジョイントシャフト6の全体がケース1の奥まで挿入されてしまうのを防ぐ、停止部の役割を有している。
雄ねじ部52は、ケース1の雌ねじ部13と螺合するものである。
【0045】
ケースキャップ5は、ケース1内にクランプリング2、スプリング3、ベントガイドリング4を保持している。つまり、ケースキャップ5が接合されると、ベントガイドリング4を介してスプリング3によってクランプリング2をケース1の奥側に押さえ込んでいる。
【0046】
そして、ケースキャップ5は、ステンレスや真鍮を材料として切削で加工されるが、鉄やアルミニウムであっても構わない。ただ、鉄を使用した場合には、切削加工後にメッキ処理を施して耐食性を向上させるのが望ましい。
【0047】
[ジョイントシャフト6]
本ホルダーのジョイントシャフト6は、
図3,4に示すように、円柱状で、先端部61と、ロック溝62と、ストッパー部63と、リング通し穴64とを有している。
そして、ストッパー部63より先端部61側がケース1内に挿入される。
先端部61の先端は、半球状に加工されており、ケースキャップ5の皿グリ部51の開口部に挿入し易くなっている。
【0048】
ロック溝62は、ジョイントシャフト6に円周状に凹部の溝が形成され、クランプ溝となるものである。
そして、ロック溝62は、ジョイントシャフト6がケース1内に完全に挿入された状態(ストッパー部63が皿グリ部51に接触する状態)で、クランプ用突起22が係合し、ジョイントシャフト6がケース1内で固定(ロック)されるものである。
つまり、ロック溝62の形成位置は、ジョイントシャフト6が挿入された状態でクランプ用突起22が係合する位置となるよう設計されている。
【0049】
ストッパー部63は、皿グリ部51の形状に合わせてリング通し穴64側に傾斜して突出して突出部を形成している。この突出部がジョイントシャフト6の最大の外径部分である。
そして、ストッパー部63が皿グリ部51に接することで、ジョイントシャフト6の挿入が係止されることになる。
リング通し穴64は、先端部61とは反対側に形成され、後述するようにキーリング8を取り付けるものとなっている。
【0050】
ジョイントシャフト6は、ステンレスや真鍮を材料として切削で加工されるが、鉄やアルミニウムであっても構わない。ただ、鉄を使用した場合には、切削加工後にメッキ処理を施して耐食性を向上させるのが望ましい。
【0051】
[ケース本体側の組み立て方法]
次に、ケース本体側の組み立て方法について説明する。尚、ケース本体側とは、ケース1、クランプリング2、スプリング3、ベントガイドリング4、ケースキャップ5を含むものである。
まず、ケース1の開口部が上になるように垂直に保持し、ケース1の内部にクランプリング2の基部20が下でクランプ片21の先端が上となるよう設置する。
そして、クランプ片21の外側にスプリング3を配置し、基部20にスプリング3の一端が接するようにする。
【0052】
次に、ガイドリング4を、案内傾斜部42が下側になり、バネ保持部41にスプリング3の他端が接するように配置する。具体的には、スプリング3の他端の内側に案内傾斜部42が納まるように配置される。
そして、ケース1の内側の雌ねじ部13にケースキャップ5の雄ねじ部52を螺合するよう回転させて、ケース1とケースキャップ5とを一体化する。尚、ケースキャップ5の雄ねじ部52において、基部50側の根元に、緩み防止のため、ゴムリング、シリコンリング又は金属製ワッシャーを装着してもよい。
【0053】
[動作:
図5〜9]
次に、本ホルダーの着脱動作について
図5〜9を参照しながら説明する。
図5は、本ホルダーの装着時の断面説明図であり、
図6は、本ホルダーの引抜途中の断面説明図であり、
図7は、本ホルダーのクランプ解放時の断面説明図であり、
図8は、本ホルダーの離脱時の断面説明図であり、
図9は、本ホルダーのセット途中の断面説明図である。
尚、
図9のセット途中から、さらに、ジョイントシャフト6を押し込んで、セット完了とすると、
図5の状態になるものである。
【0054】
[装着時:
図5]
本ホルダーは、装着時(ケース1にジョイントシャフト6がセットされた状態)には、
図5に示すように、クランプ片21の先端に形成されたクランプ用突起22がジョイントシャフト6のロック溝62に係合して、ジョイントシャフト6がケース本体側にロックされた状態となっている。ジョイントシャフト6とケース本体側が連結している。
【0055】
[引抜途中:
図6]
本ホルダーは、引抜途中では、
図6に示すように、ロック溝62にクランプ用突起22が係合しているため、ジョイントシャフト6とクランプリング2が一体となって動き、基部20でスプリング3を収縮させる。収縮したスプリング3の復元力によってジョイントシャフト6がケース1内に戻ろうとする。
【0056】
スプリング3の収縮と復元(伸縮)でジョイントシャフト6が約2mm程度移動することになり、その伸縮によるダンパー効果を発揮するために、衝撃的な引っ張り加重はスプリング3の弾力により緩和される。
スプリング3の弾力を超えて約2mm程度以上を移動させる加重が掛からなければ、ジョイントシャフト6が離脱することがなく、ジョイントシャフト6に突発的に加わる衝撃を緩和する衝撃緩和機能を備えるものとなる。
【0057】
[クランプ解放時:
図7]
本ホルダーは、クランプ解放時では、
図7に示すように、ベントガイドリング4の案内傾斜部42によりクランプ用突起22が持ち上げられ、クランプ片21が開いて、クランプ用突起22がロック溝62から外れることになる。これにより、ジョイントシャフト6が引き出されることになる。
【0058】
[離脱時:
図8]
本ホルダーは、離脱時では、
図8に示すように、ジョイントシャフト6が引き出されると同時に、収縮していたスプリング3の反発力によりクランプリング2をケース1内に瞬時に引き戻し、ケース1の内側底部に基部20をたたきつける。この時にケース1とクランプリング2とがぶつかる音が衝撃音として発生する。この衝撃音によって、利用者は、本ホルダーからジョイントシャフト6が離脱したことを容易に認識できる。
【0059】
[セット途中:
図9]
本ホルダーは、セット途中では、
図9に示すように、ケース1内にジョイントシャフト6を挿入すると、先端部61の半球状によってクランプ片21が開き、開いた状態でジョイントシャフト6が挿入され続けることになる。
そして、ジョイントシャフト6がケース1内の奥まで挿入されると、クランプ用突起22がロック溝62に係合して
図5の装着時の状態となる。
【0060】
[装着時と離脱時:
図10,11]
次に、本ホルダーの装着時と離脱時について
図10、
図11を参照しながら説明する。
図10は、本ホルダーの装着時の概略図であり、
図11は、本ホルダーの離脱時の概略図である。
本ホルダーの装着時は、
図10に示すように、ケース1に取り付けられたケースキャップ5の開口部にジョイントシャフト6が挿入されて結合した状態となっている。
尚、円柱部11のリング通し穴12にキーリング7が取り付けられ、ジョイントシャフト6のリング通し穴64にキーリング8が取り付けられている。
【0061】
本ホルダーの離脱時は、
図11に示すように、キーリング8を引っ張ることで、ケース1とケースキャップ5のケース本体からジョイントシャフト6とキーリング8が引き出された状態となっている。
【0062】
[別のホルダーの概略:
図12]
次に、別の実施の形態に係るホルダー(別のホルダー)について
図12を参照しながら説明する。
図12は、別のホルダーの概略図である。
別のホルダーは、
図12に示すように、ケース本体側は本ホルダーと同様であるが、ジョイントシャフト6のストッパー部63よりケース1とは反対側(外側)の露出する部分の形状が異なっている。
【0063】
具体的には、円柱状の円柱部9がストッパー部63に形成され、その円柱部9の径方向に一対の貫通穴を貫通し、その貫通孔に丸ピン91を挿入して固定している。丸ピン91はステンレス又は真鍮で構成されている。
【0064】
そして、丸ピン92には、キーリング8の代わりに、帯状の面ファスナー92が取り付けられている。
面ファスナー92は、丸ピン91に巻きつけて固定するもので、タモを装着する場合には、タモのフレーム部に巻きつけて固定する。
【0065】
本ホルダー及び別のホルダーは、渓流、湖沼、海での釣り用のランディングネット(タモ)の着脱機能を有するネットリリーサーについて説明したが、釣りに使用する小物(例えば、ハサミ、プライヤー、クリッパー(糸切り)等のホルダーとして用いてもよいし、釣り用品以外の鍵、カメラ、スマートフォン、携帯電話機等のホルダーとして用いてもよい。
【0066】
[実施の形態の効果]
本ホルダー又は別のホルダーによれば、ジョイントシャフト6をケース本体に着脱可能に連結するものであり、ロック溝62を備えるジョイントシャフト6が、ケース本体に挿入され、ケース本体から抜き出され、クランプリング2がケース本体内をジョイントシャフト6の挿入又は抜き出される方向に移動し、ロック溝62に係合するクランプ用突起22を備え、ベントガイドリング4がクランプ用突起22をロック溝62から解放し、スプリング3がベントガイドリング4とクランプリング2とを隔て伸縮し、ケース本体の内壁面に沿って設けられるものであり、装着にマグネットを使用していないため、磁力による電子機器、ICカード等への影響がなく、地面に置いたときに砂鉄の付着を防止できる効果がある。
【0067】
本ホルダー又は別のホルダーによれば、スプリング3の収縮によって約2mm程度ジョイントシャフト6が引き抜き方向に移動しても離脱しない衝撃緩和機能を備える構成であるため、ジョイントシャフト6に衝撃的な引っ張り加重が掛かっても、ジョイントシャフト6の移動が2mm程度のものであれば容易に離脱するのを防止できる効果がある。
【0068】
本ホルダー又は別のホルダーによれば、ジョイントシャフト6がケース1から離脱するとき、クランプリング2の基部20がスプリング3の反発力でケース1の内側の底部に衝突して(当って)衝突音が発生するため、利用者はジョイントシャフト6がケース1から離脱したことを容易に認識でき、山岳渓流釣りにおいて森の中での藪こぎ、高巻き等の活動で、枝や障害物にタモを引っ掛けて意図せず外れてしまっても、外れたことを容易に知ることができる効果がある。
【0069】
本ホルダー又は別のホルダーによれば、スプリング3の硬度、線径、ピッチを変えることで、スプリング3の弾性強度を変化させ、引っ張り加重を数グラムから数十キログラムまで調整でき、その他の部品を変更することなく、引っ張り加重に対応させることができ、小型化も実現できる効果がある。
【解決手段】 ジョイントシャフト6をケース本体に着脱可能に連結するもので、ロック溝62を備えるジョイントシャフト6が、ケース本体に挿入され、ケース本体から抜き出され、クランプリング2がケース本体内をジョイントシャフト6の挿入又は抜き出される方向に移動し、ロック溝62に係合するクランプ用突起22を備え、ベントガイドリング4がクランプ用突起22をロック溝62から解放し、スプリング3がベントガイドリング4とクランプリング2とを隔て伸縮し、ケース本体の内壁面に沿って設けられるホルダーである。