(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286637
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】吸水防止式水中マスク
(51)【国際特許分類】
B63C 11/14 20060101AFI20180226BHJP
B63C 11/12 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
B63C11/14
B63C11/12
【請求項の数】2
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2015-160005(P2015-160005)
(22)【出願日】2015年8月14日
(65)【公開番号】特開2017-36015(P2017-36015A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2017年7月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512108717
【氏名又は名称】▲濱▼田 英外
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 英外
【審査官】
米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3135620(JP,U)
【文献】
特開2014−937(JP,A)
【文献】
特開2013−241165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/12 − 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
津波浸水時などの水が溢れている時に個人の溺水を防止するために、呼吸器官に水が入りにくいように、常に空気の吸い込み口が上部に向いて、マスク内の空気層から空気を吸うように工夫がされた吸水防止マウスを内部に付属させた水中マスク。
【請求項2】
前記請求項1の吸水防止マウスが付属した水中マスクの周辺に圧縮空気の小型タンクを付属させ、丈夫なチューブで繋ぎ込み、ワンボタンで圧縮空気を水中マスク内に補充することによって、津波災害時などの溺水防止機能を強化した水中マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
津波浸水時などに水が溢れていて水面が荒れている状態の中で、個人が呼吸する時に、鼻や口から水を吸い込み難いように工夫された水中マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今までの水中マスクは、呼吸用にシュノーケルのような機能を持つもので、良好な天気の下では安定して呼吸を確保できるが、水面が荒れている場合には水が浸入しやすく、溺水防止に向かなかった。一方、水中で作業をしたり水中散歩を楽しんだりする場合に、強制的に呼吸を確保するには、酸素ボンベを背負って、それを水中マスクに繋いで呼吸を確保することが行われているが、沢山の一般市民が、緊急時に使うには、操作も簡単でなく、準備も必要であることから、適していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開2013−99389
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
津波浸水時などで、水が溢れていて水面が荒れている状態の中に個人が取り残された時に、溺水に至る一番の原因は、口や鼻から吸水してしまうことである。ライフジャケットは、体を、特に頭部を、水上に浮かび上がらせる効果があり、溺水防止に役立つが、水面が荒れている時は、空気だけを吸うことが難しい。そのような時に、この水中マスクを着用しておけば、顔の周辺まで水が溢れていても、いきなり水中に飲み込まれても、水が呼吸器官へ侵入するのを防止して、空気を優先的に吸うことができ、より個人の溺水を防止することができる。そのような吸水防止の機能を持つ水中マスクを提供することが、当発明が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
水中マスクは、主として口を蓋い、内部に空気層を持たせる。水の侵入を抑える防水タイプで、ゴム材質のバンドなどで顔面に密着させて装着する。鼻孔は、水の浸水を意識して止めることができないので、水中マスクを装着する前に、鼻栓をする。口は、意識して閉められるが、呼吸が苦しくなると開けてしまうので、空気を優先的に取り込む構造を持つ特殊な吸水防止マウスを、水中マスク内側に装備しておき、当該水中マスクの使用者は、水中マスクを装着時に、これを口にくわえて、それ以降の呼吸は、この吸水防止マウスを通して行うようにする。この吸水防止マウスは、内部が2段構造になっており、その1段毎に、体の方向がどの方向に傾いても、空気の吸い込み口が上方向を向くように動作する機構になっており、2段で、3次元のどの方向に傾いても空気を優先的に吸い込める構造になっている。この機構により、当該水中マスクを装着する者は、水中マスク内の空気を優先的に吸うことが確保でき、水中マスク内に大量の水が入ってこない限り、溺水する可能性を大幅に低減できる。水中マスク内に空気を多く保持する方が、呼吸を確保しやすいので、強度上許せる範囲で大きなマスクにする。
水中メガネは、水が溢れている条件下での視界を確保し危険を避けるのに有用なので、併用することが望ましい。これには、個別に一般の水中メガネを使うのが、強度的に弱点が少なくて、実用的であると判断されるが、水中メガネと水中マスク部と一体にするか、丈夫なチューブで繋ぐことにより、マスク内の空気を多く確保し、溺水防止効果を高めることも可能である。
又、水中マスクの両耳側などのスペースに、圧縮空気の入った小さな空気タンクを装着しておき、それを水中マスクと丈夫なチューブで繋いで、いざと言う時に、圧縮空気を水中マスク内にワンボタンで送れるようにしておき、更に確実に、かつ長時間、溺水防止に役立てる。
【発明の効果】
【0006】
津波浸水時など、水が溢れている環境下で個人の溺水を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、吸水防止式水中マスク装着図である。
【
図3】
図3は、空気タンク付水中マスク装着図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
津波浸水被害が想定される地域の個人宅や集合場所に装備しておき、津波浸水が起きた時に着用し、個人の溺水被害を減少させる。
【符号の説明】
【0009】
1.水中マスク
2.吸水防止マウス
3.圧縮空気タンク