特許第6286688号(P6286688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286688
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】カテーテル誘導用皮下貫通用具
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   A61M25/01
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-509858(P2016-509858)
(86)(22)【出願日】2014年3月28日
(86)【国際出願番号】JP2014059317
(87)【国際公開番号】WO2015145768
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591140938
【氏名又は名称】テルモ・クリニカルサプライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089060
【弁理士】
【氏名又は名称】向山 正一
(72)【発明者】
【氏名】狩谷 秀治
(72)【発明者】
【氏名】谷川 昇
(72)【発明者】
【氏名】長尾 重義
(72)【発明者】
【氏名】西川 宗和
【審査官】 芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0046224(US,A1)
【文献】 特開2012−075890(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0063513(US,A1)
【文献】 特開2008−006299(JP,A)
【文献】 特開2008−188440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頸静脈または中心静脈に先端部が挿入されたカテーテルを皮下に配置するために使用可能なカテーテル誘導用皮下貫通用具であって、
前記皮下貫通用具は、棒状本体部と、前記棒状本体部の一端に設けられ、かつ、前記棒状本体部に対して所定角度斜めに形成された傾斜平板部と、
前記棒状本体部の前記傾斜平板部の傾斜方向側であり傾斜面側となる面かつ前記一端より所定距離他端側となる部位に設けられた触覚にて確認可能な平板部傾斜面確認用マーカーとを備え、
前記傾斜平板部は、前記傾斜平板部の前記傾斜面を貫通するように設けられ、前記カテーテルの挿入が可能かつ挿入された前記カテーテルを保持するカテーテル挿入保持部と、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部を有し、
さらに、前記マーカーは、前記傾斜平板部の傾斜方向側であり前記傾斜面側となる面に形成された凹部であり、かつ、前記凹部の前記棒状本体部の他端側は、指をかけることが可能となっていることを特徴とするカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項2】
前記傾斜平板部は、前記棒状本体部より肉薄となっている請求項1に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項3】
前記傾斜平板部は、前記棒状本体部より幅が広いものとなっている請求項1または2に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項4】
前記傾斜平板部の前記棒状本体部に対する傾斜角度は、1〜30度である請求項1ないし3のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項5】
前記カテーテル挿入保持部は、カテーテル保持用孔またはカテーテル保持用スリットである請求項1ないし4のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項6】
前記カテーテル保持用孔および前記カテーテル保持用スリットは、前記傾斜面に対してほぼ直交するように形成されている請求項5に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項7】
前記カテーテル挿入保持部は、カテーテル抜け止め部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項8】
前記カテーテル誘導用皮下貫通用具は、塑性変形可能な材料により形成されており、使用時に、前記傾斜平板部の前記棒状本体部に対する傾斜角度を変更可能である請求項1ないし7のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項9】
前記マーカーの軸方向長は、30〜100mmである請求項1ないし8のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項10】
前記凹部の外縁は、面取りもしくは丸みをもったものとなっている請求項1ないし9のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項11】
前記マーカーは、底面が平坦状の凹部である請求項1ないし10のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項12】
前記棒状本体部の他端は、全体が丸みを帯びた第2の生体内挿入用端部となっている請求項1ないし11のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【請求項13】
前記第2の生体内挿入用端部は、前記他端に向かって縮径するテーパー部を備えている請求項12に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、カテーテルを患者の皮膚の下にカテーテルを皮下的に貫通させるために用いられるカテーテル誘導用皮下貫通用具(トンネラデバイス:tunneler device)に関する。
【背景技術】
【0002】
癌などの治療で、体内に薬液を注入する薬液注入療法が行われている。
このような薬液注入療法に用いるため薬液注入具が提案されている。薬液注入具は、本体と、この本体内に形成された内部空間と、この空間に連通する薬液注入口および薬液流出用の流路と、この薬液注入口に装着されたゴム製の栓体(セプタム)とを有する薬液注入ポートと、薬液注入用のルーメンが形成されたカテーテルとを有する。
そして、薬液注入具は、カテーテルを体内に挿入し、その先端を目的部位(例えば、中心静脈)に位置させた後、カテーテルの基端側の余剰部分を切断し、その切断端部を薬液注入ポートに接続した後、薬液注入ポートを皮下組織に固定することにより生体内に留置される。
【0003】
カテーテルが患者の皮下に埋め込まれる場合に、カテーテルの一端は、患者の皮膚の切開を通って挿入され、目的の静脈内に挿入され、他端は、例えば、上述の薬液注入ポートに接続した後、薬液注入ポートとともに皮下に埋め込まれる。患者の皮膚の下にカテーテルの近位部分を貫通するために、トンネラデバイスが用いられる。トンネラデバイスとしては、例えば、特開2012−75890(特許文献1)に示すものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−75890
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のトンネラデバイスは、トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、ハンドルから遠位に延在するシャフトと、シャフトの遠位端上に支持されるコレットと、コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタとを含み、コレットは、長手方向の開口部を規定する複数の遠位に延在するフィンガを含み、開口部は、カテーテルチューブの端部を受け取るように構成され、コネクタは、コレットとのコネクタの係合の際に、コレットのフィンガを半径方向に内側へ付勢するように構成される。一実施形態において、コレットは、4つのフィンガを含む。一実施形態において、複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを備えている。
【0006】
そして、特許文献1のトンネラデバイスでは、特許文献1の図6に示すように、コレット130が曝されるように、トンネラ100の遠位端が、静脈切開部位「V」から延在して位置決めされた後に、カテーテルチューブ52の端部は、コネクタ150の通路151を通って受け取られ、そしてコレット130のフィンガ136によって形成される長手方向の開口部135内に挿入される。図8図9Aおよび図9Bに示すように、コレット130の開口部135内にカテーテルチューブ52の端部を受け取った後に、コネクタ150は、カテーテルチューブ52上にスライドされ、コレット130と係合する。図10Aおよび図10Bに示すように、コレット130に対するコネクタ150の回転は、コレット130の外側にねじ切りされた部分134とのコネクタ150の内側にねじ切りされた部分154(図5)のねじ係合を引き起こす。ねじ切りされた部分134、154の徐々に進行する係合は、コレット130の長手方向に延在するフィンガ136を、コネクタ150のテーパー部分156に係合させる。フィンガ136が、テーパー部分156を係合するときに、フィンガ136は、半径方向に内側へ徐々に付勢され、カテーテルチューブ52の外側表面を確実に係合する。
【0007】
一旦カテーテルチューブ52が、コレット130とコネクタ150との係合を介してトンネラデバイス100に固定されると、トンネラデバイス100は、トンネル「T」を通って引き込まれる。一旦トンネラデバイスがトンネル「T」から完全に引き込まれると、コネクタ150は、コレット130から係合解除され、カテーテルチューブ52は、コレット130のフィンガ136によって形成される長手方向の開口部135内から取り外される。代替的には、チューブ52は、チューブ52の残りからトンネラデバイス100を係合解除するために切断される。
【0008】
しかし、特許文献1のものでは、カテーテルの接続のために、カテーテル端部へのコネクタの装着、トンネラデバイス100からのキャップ140の離脱、カテーテル端部のトンネラデバイスのコレット130への装着、コネクタ150のコレット130への螺合といった手順が必要である。
そこで、本発明の目的は、カテーテルの接続操作が容易であり、カテーテルの、患者の皮下への貫通操作が容易であるカテーテル誘導用皮下貫通用具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具は、頸静脈または中心静脈に先端部が挿入されたカテーテルを皮下に配置するために使用可能なカテーテル誘導用皮下貫通用具であって、前記皮下貫通用具は、棒状本体部と、前記棒状本体部の一端に設けられ、かつ、前記棒状本体部に対して所定角度斜めに形成された傾斜平板部と、前記棒状本体部の前記傾斜平板部の傾斜方向側であり傾斜面側となる面かつ前記一端より所定距離他端側となる部位に設けられた触覚にて確認可能な平板部傾斜面確認用マーカーとを備え、前記傾斜平板部は、前記傾斜平板部の前記傾斜面を貫通するように設けられ、前記カテーテルの挿入が可能かつ挿入された前記カテーテルを保持するカテーテル挿入保持部と、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部を有し、さらに、前記マーカーは、前記傾斜平板部の傾斜方向側であり前記傾斜面側となる面に形成された凹部であり、かつ、前記凹部の前記棒状本体部の他端側は、指をかけることが可能となっている
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の一実施例の正面図である。
図2図2は、図1に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の平面図である。
図3図3は、図1に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の先端部の拡大平面図である。
図4図4は、図1ないし図3に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具にカテーテルを保持させた状態を説明するための説明図である。
図5図5は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他の実施例の正面図である。
図6図6は、図5に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の平面図である。
図7図7は、図5に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の縦断面図である。
図8図8は、図5のA−A線断面拡大図である。
図9図9は、本発明の他の実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具のカテーテル挿入保持部を説明するための説明図である。
図10図10は、本発明の他の実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具のカテーテル挿入保持部を説明するための説明図である。
図11図11は、図5に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具にカテーテルを保持させた状態を説明するための説明図である。
図12図12は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他の実施例の正面図である。
図13図13は、図12に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の平面図である。
図14図14は、図12に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の縦断面図である。
図15図15は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他の実施例の正面図である。
図16図16は、図15に示したカテーテル誘導用皮下貫通用具の平面図である。
図17図17は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他の実施例の平面図である。
図18図18は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他の実施例の先端部拡大正面図である。
図19図19は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他の実施例の先端部拡大正面図である。
図20図20は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の作用を説明するための説明図である。
図21図21は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の作用を説明するための説明図である。
図22図22は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の作用を説明するための説明図である。
図23図23は、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具を図示する実施例を用いて説明する。
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具1は、皮下にカテーテル15を配置するために用いられるカテーテル誘導用皮下貫通用具である。皮下貫通用具1は、棒状本体部2と、棒状本体部2の一端21に設けられ、かつ、棒状本体部2に対して所定角度斜めに形成された傾斜平板部3と、棒状本体部2の傾斜平板部3の傾斜方向側となる面かつ一端より所定距離他端側となる部位に設けられた触覚にて確認可能な平板部傾斜面確認用マーカー5とを備える。さらに、傾斜平板部3は、傾斜平板部3の傾斜面を貫通するように設けられ、カテーテルの挿入が可能かつ挿入されたカテーテルを保持するカテーテル挿入保持部と、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部6を有している。
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具は、皮下を先進する方にカテーテルを接続するタイプのものとなっている。このため、頸静脈に先端部が挿入されたカテーテルと薬剤注入ポートとの接続手技に特に有効である。なお、このカテーテル誘導用皮下貫通用具は、中心静脈に先端部が挿入されたカテーテルと薬剤注入ポートとの接続手技にも用いることができる。
【0012】
最初に、図1ないし図3に示す実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具1について説明する。
この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具1は、棒状本体部2と、棒状本体部2の一端21に設けられ、かつ、棒状本体部2に対して所定角度斜めに形成された傾斜平板部3と、上記傾斜平板部3より、所定長離間した位置、言い換えれば、傾斜平板部3より、所定長棒状本体部2の基端側となる位置、かつ、傾斜平板部3の傾斜方向側となる面に設けられた触覚にて確認可能な平板部傾斜面確認用マーカーとを備える。さらに、傾斜平板部3は、傾斜平板部3の傾斜面を貫通するように設けられ、カテーテルの挿入が可能かつ挿入されたカテーテルを保持するためのカテーテル挿入保持部と、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部6を有している。
【0013】
この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具1は、全体がほぼ直線上に延びる棒状体である。
カテーテル誘導用皮下貫通用具1は、所定長延びる棒状本体部2と、棒状本体部2の一端21に設けられた傾斜平板部3とを備える。
この実施例の皮下貫通用具1では、棒状本体部2は、ほぼ円柱状のものとなっている。なお、棒状本体部2は、上面および下面が平坦面となった幅の狭い平板状のもの、上面のみが平坦面となったかまぼこ状のものなどであってもよい。棒状本体部2の長さとしては、100〜350mmが好ましく、特に、150〜250mmが好ましい。棒状本体部2の幅としては3.0〜8.0mmが好ましく、特に、4.0〜6.0mmが好ましい。
【0014】
傾斜平板部3は、棒状本体部2の一端21(先端)に設けられている。そして、傾斜平板部3は、棒状本体部2に対して所定角度斜めに形成されている。傾斜平板部3の棒状本体部2に対する傾斜角度は、1〜30度であることが好ましく、特に、5〜20度であることが好ましい。傾斜平板部3の長さとしては、15〜100mmが好ましく、特に、20〜50mmが好ましい。傾斜平板部3の幅としては、3.0〜10.0mmが好ましく、特に、4.0〜6.0mmが好ましい。この実施例の皮下貫通用具1では、傾斜平板部3は、図2に示すように、棒状本体部2と同じ幅に形成されている。
そして、この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具1が備える傾斜平板部3は、本体部2より肉薄のものとなっている。傾斜平板部3の厚さは、1.5〜5.0mmが好ましく、特に、2.0〜4.0mmが好ましい。また、傾斜平板部3の厚さは、棒状本体部2の厚さ(もしくは外径)よりも、1.5〜6.5mm薄いことが好ましい。
【0015】
このように、傾斜平板部3を肉薄のものとすることにより、傾斜平板部部分、言い換えれば、カテーテル誘導用皮下貫通用具1の先端部の生体内への挿入操作が容易なものとなる。さらに、この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具1では、傾斜平板部3とつながる棒状本体部2の先端部上面21aは、本体部2から平板部に向かって肉薄となる傾斜面となっている。このため、傾斜平板部3と棒状本体部2間は、段差を持たないものとなっている。よって、傾斜平板部3のみならず、棒状本体部2の先端部の生体への挿入が容易なものとなる。
【0016】
この実施例では、カテーテル挿入保持部は、傾斜平板部3に設けられた第1のスリット14aと、第2のスリット14bにより形成されている。なお、スリットは、1つであってもよい。
特に、この実施例のものでは、第1のスリット14aは、傾斜平板部3の一方の側面から他方の側面方向に延び、かつ、他方の側面に到達しないものとなっている。さらに、スリット14aは、傾斜平板部3の長手方向に対して斜めに延びるものとなっている。具体的には、先端6側に向かって斜めに延びるものとなっている。なお、基端方向に向かって斜めに延びるものであってもよい。このように、斜めに延びるものとすることにより、スリット長を長くすることが可能である。そして、スリット14aは、スリット14aの基端側を切り欠くことにより形成されたカテーテル導入部41と、導入部41と連続し、ほぼ同一幅にて延びるスリット本体42と、丸みを持つスリット端部43を備えている。カテーテル導入部41は、切欠部44により形成されている。
【0017】
そして、第2のスリット14bも第1のスリット14aと同様に、傾斜平板部3の一方の側面から他方の側面方向に延び、かつ、他方の側面に到達しないものとなっている。さらに、スリット14bは、傾斜平板部3の長手方向に対して斜めに延びるものとなっている。具体的には、先端6側に向かって斜めに延びるものとなっている。なお、基端方向に向かって斜めに延びるものであってもよい。スリット14bは、スリット14bの基端側を切り欠くことにより形成されたカテーテル導入部51と、導入部51と連続し、ほぼ同一幅にて延びるスリット本体52と、丸みを持つスリット端部53を備えている。カテーテル導入部51は、切欠部54により形成されている。
【0018】
そして、この実施例の貫通用具1では、第1のスリット14aと第2のスリット14bは、大きさ(長さ)が若干異なるものとなっている。図3に示すように、第1のスリット14aは、第2のスリット14bより、長く、かつ幅も広いものとなっている。このように、大きさの違うスリットを設けることにより、使用するカテーテルの外径に対応して、使用するスリットを選択することが可能となる。
【0019】
スリット14a,14bの幅としては、0.30〜0.90mmが好ましく、特に、0.40〜0.70mmが好ましい。また、スリット14a,14bの長さは、1.0〜3.5mmが好ましく、特に、2.0〜3.0mmが好ましい。また、上記のように幅、長さが異なる複数のスリットを設ける場合においては、第1のスリット14aと第2のスリット14bとの幅の相違は、0.05〜0.50mmが好ましく、特に、0.10〜0.30mmが好ましく、長さの相違は、0.5〜1.5mmが好ましく、特に、0.5〜1.0mmが好ましい。また、スリットの角度は本体部の軸線方向に対して、30〜90度が好ましく、特に40〜60度が好ましい。
そして、第1のスリット14aおよび第2のスリット14bのカテーテル導入部41,51を形成する切欠部44,54と向かい合うスリット開始端は、丸みを持った形状又は角度が浅く開いた形状となっており、スリットに挿入されるカテーテルに損傷を与えることを防止し、スリットへの挿入を容易にする。
【0020】
そして、棒状本体部2の他端部には、傾斜平板部3の傾斜方向側となる面に設けられた触覚にて確認可能な平板部傾斜面確認用マーカー5が設けられている。
この実施例の皮下貫通用具1では、マーカー5は、棒状本体部2の中央部(具体的には、棒状本体部2の一端21より所定長基端側であり、他端22からも所定長先端側となる位置)に設けられた凹部により形成されている。特に、この実施例のマーカー5は、底面が平坦状である凹部となっている。この実施例におけるマーカー5のように、棒状本体部2の他端側に指をかけられる窪みを有するものとすることにより、皮下貫通用具1を手元側(他端側)に引く操作が容易なものとなる。
【0021】
また、マーカー5の一端側にも指をかけられる窪みを有するため、皮下貫通用具1を先端側(一端側)に押す操作も容易なものとなる。なお、上記のような一端および他端を有する凹部が好ましいが、マーカー5としては、他端が棒状本体部の他端に到達するものであってもよい。また、棒状本体部2の他端部は、傾斜平板部の傾斜面側となる面が平坦面となっており、マーカー5は、その平坦面に形成されているものであってもよい。
また、マーカー5の一端(先端)は、棒状本体部2の先端から、10〜280mmに位置することが好ましい。また、マーカー5の他端(後端)は、棒状本体部2の他端から、45〜100mmに位置することが好ましい。また、マーカー5の軸方向長は、30〜100mmが好ましい。また、マーカー5の幅は、0.5〜8.0mmが好ましい。
【0022】
さらに、棒状本体部2の他端22(基端)は、外面に明確なエッジを持たず、全体が丸みを帯びたものとなっている。このため、皮下貫通用具1の操作時に生体に損傷を与えることを防止している。そして、棒状本体部2の他端22が、明確なエッジを持たず、全体が丸みを帯びたものとなっているため、棒状本体部の他端22を第2の生体内挿入用端部として用いることができる。よって、この実施例の皮下貫通用具1は、他端22側より、生体に形成された切開部より挿入可能である。
さらに、この実施例のものでは、棒状本体部2の他端22(基端部)は、他端に向かって縮径するテーパー部22aを備えている。このため、この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具1は、他端22側より、生体に挿入することが容易なものとなっている。なお、後述するすべての実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具の他端部を上記のような形態としてもよい。
【0023】
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具1は、全体がほぼ直線上に延びる棒状体である。カテーテル誘導用皮下貫通用具1の形成材料としては、ある程度の強度があり生体内挿入時に毒性を示さないものであればよく、例えば、金属、樹脂が使用できる。金属としては、ステンレス鋼(具体的には、JISG4304のSUS304、SUS316など)、純チタン(具体的には、JISH4670)、チタン合金(具体的には、JISH4657のTi−6Al−4V、ASTM −136 Ti−6Al−4V ELI)などが使用される。また、樹脂としては、硬質もしくは半硬質であり、若干撓むものが好適である。例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂(ポリアクリレート(ex,PMMA:ポリメチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)、ポリ塩化ビニル(硬質塩化ビニル)、ポリアミド(6ナイロン,66ナイロン)、ポリサルホン、ポリアリレートなどが使用される。
【0024】
さらに、カテーテル誘導用皮下貫通用具は、塑性変形可能な材料により形成されており、使用時に、傾斜平板部3の棒状本体部2に対する傾斜角度を変更可能であってもよい。カテーテル誘導用皮下貫通用具1の形成材料としては、ある程度の力にて押圧することにより、塑性変形するものを用いることが好ましい。そのような材料としては、例えば、金属としては、ステンレス鋼(具体的には、JISG4304のSUS304、SUS316など)、樹脂としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂(ポリアクリレート(ex,PMMA:ポリメチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)、ポリ塩化ビニル(硬質塩化ビニル)、ポリアミド(6ナイロン,66ナイロン)などが使用される。なお、樹脂としては、加温することより軟化し、軟化時に変形可能となり、冷却後その変形状態をある程度保持するものであってもよい。
【0025】
次に、図5ないし図8に示す実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10について説明する。
この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10は、皮下にカテーテル15を配置するために用いられるカテーテル誘導用皮下貫通用具である。皮下貫通用具10は、棒状本体部2と、棒状本体部2の一端21に設けられ、かつ、棒状本体部2に対して所定角度斜めに形成された傾斜平板部30と、棒状本体部2の他端部に設けられ、傾斜平板部30の傾斜方向側となる面に設けられた触覚にて確認可能なマーカー5とを備える。さらに、傾斜平板部30は、傾斜平板部30の傾斜面を貫通するように設けられ、カテーテルの挿入が可能かつ挿入されたカテーテルを保持するためのカテーテル挿入保持部4と、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部6を有している。
【0026】
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具10は、全体がほぼ直線上に延びる棒状体である。カテーテル誘導用皮下貫通用具10の形成材料としては、上述したものが好適に使用できる。また、使用時に、傾斜平板部30の棒状本体部2に対する傾斜角度を変更可能なものであってもよい。
カテーテル誘導用皮下貫通用具10は、所定長延びる棒状本体部2と、棒状本体部2の一端21に設けられた傾斜平板部30とを備える。
この実施例の皮下貫通用具10では、棒状本体部2は、ほぼ円柱状のものとなっている。なお、棒状本体部2は、上面および下面が平坦面となった幅の狭い平板状のもの、上面のみが平坦面となったかまぼこ状のものなどであってもよい。棒状本体部2の長さとしては、100〜350mmが好ましく、特に、150〜250mmが好ましい。棒状本体部2の幅としては、3.0〜8.0mmが好ましく、特に、4.0〜6.0mmが好ましい。
【0027】
傾斜平板部30は、棒状本体部2の一端21(先端)に設けられている。そして、傾斜平板部30は、棒状本体部2に対して所定角度斜めに形成されている。傾斜平板部30の棒状本体部2に対する傾斜角度は、1〜30度であることが好ましく、特に、5〜20度であることが好ましい。傾斜平板部30の長さとしては、15〜100mmが好ましく、特に、20〜50mmが好ましい。傾斜平板部30の幅としては、3.0〜10.0mmが好ましく、特に、4.0〜6.0mmが好ましい。傾斜平板部30の厚さは、1.5〜6.5mmが好ましく、特に、2.0〜4.0mmが好ましい。
【0028】
上述のように、傾斜平板部が、棒状本体部に対して傾斜していることにより、傾斜平板部の視認が容易であり、かつ、平板部を押しつける操作、さらには、押しつけた平板部を前後に移動させるが容易となる。さらに、図11に示すように、カテーテルの端部を装着した状態において、カテーテルの底面と棒状本体部の底面がほぼ直線上となることが可能となり、カテーテルの牽引操作が容易なものとなる。
【0029】
さらに、傾斜平板部30は、生体内挿入用端部6を有している。生体内挿入用端部6は、外面に明確なエッジを持たず、全体が丸みを帯びたものとなっている。このため、皮下貫通用具10の生体内挿入時に生体に損傷を与えることを防止している。特に、この実施例の皮下貫通用具10では、傾斜平板部30の生体内挿入用端部6は、中央部が最も突出した半円状のものとなっている。また、棒状本体部2が、平坦面を有する場合、傾斜平板部30は、その平坦面と連続するように、形成されていることが好ましい。また、この実施例の皮下貫通用具10では、傾斜平板部30は、図6に示すように、棒状本体部2より幅が広いものとなっている。このため傾斜平板部は、膨出部となっている。傾斜平板部30の幅は、棒状本体部2の幅より、0〜2.0mm大きいことが好ましい。傾斜平板部をこのような膨出部とすることにより、平板部はある程度の面積を有するものとなり、平板部を押しつける操作、さらには、押しつけた平板部を前後に移動させる操作も容易となる。
【0030】
さらに、この実施例の皮下貫通用具10では、傾斜平板部30の基端部の外面も明確なエッジを持たず、全体が丸みを帯びたものとなっている。このようにすることにより、皮下貫通用具の生体内挿入時(特に、基端側への牽引時)に生体に損傷を与えることを防止している。
そして、傾斜平板部30は、傾斜平板部30の傾斜面を貫通するように設けられたカテーテル挿入保持部4を備えている。この実施例では、カテーテル挿入保持部4は、傾斜平板部30の軸方向に延びる長孔形状となっている。そして、このカテーテル挿入保持部4には、カテーテルの端部を潰した状態にて挿入可能となっている。
【0031】
この実施例の皮下貫通用具10では、カテーテル挿入保持部4は、図8に示すように、カテーテル保持用孔となっている。そして、カテーテル保持用孔は、ほぼ同一幅にて貫通する貫通孔となっている。また、この実施例のカテーテル保持用孔は、傾斜平板部の軸方向に延びる長円状となっている。なお、カテーテル保持用孔は、矩形状、多角形状であってもよいが、上述したように、傾斜平板部30の軸方向に延びる長孔形状であることが好ましい。
【0032】
また、カテーテル挿入保持部(保持用孔)4に挿通されたカテーテルは、カテーテル保持用孔4の内面と開口内縁によって保持されるものとなっている。特に、この実施例では、カテーテル保持用孔4の上面開口内縁は、エッジを有するものとなっており、カテーテル抜け止め部7を構成している。なお、カテーテル保持用孔4の下面開口内縁も、エッジを有するものであってもよい。また、カテーテル保持用孔4は、図7に示すように、傾斜面に対してほぼ直交するように形成されていることが好ましい。このようにすることにより、カテーテル保持用孔4に挿通されたカテーテルの端部の離脱を確実に防止できる。
【0033】
さらに、カテーテル挿入保持部(保持用孔)としては、図9に示す実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10aの傾斜平板部30aが備えるカテーテル保持用孔4aのように、傾斜平板部30aの上面側に向かって、幅が狭くなるものであってもよい。このようなものとすることにより、カテーテル保持用孔に挿通されたカテーテルの端部の離脱を確実に防止できる。そして、この実施例の保持用孔4aにおいても、カテーテル保持用孔4aの開口内縁、特に、幅が狭い傾斜平板部30aの上面側の開口内縁7aは、エッジを有するものであることが好ましい。なお、カテーテル保持用孔としては、図9に示したものと逆に、傾斜平板部30aの下面側に向かって、幅が狭くなるものであってもよい。
【0034】
また、カテーテル挿入保持部(保持用孔)としては、図10に示す実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10bの傾斜平板部30bが備えるカテーテル保持用孔4bのように、保持用孔4bの中央部内面に突出部8を備えるものであってもよい。特に、この実施例のカテーテル保持用孔4bは、突出部8に向かって、傾斜平板部30bの上面および下面より、徐々に幅が狭くなるものとなっている。このようなものとすることにより、カテーテル保持用孔4bに挿通されたカテーテルの端部の離脱を確実に防止できる。そして、この実施例の保持用孔4bにおいて、突出部8はエッジを有するものであることが好ましい。また、カテーテル保持用孔4bの開口内縁もエッジを有するものであることが好ましい。
【0035】
さらには、上述したすべての実施例において、カテーテル挿入保持部(保持用孔)としては、図18に示す実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10fの傾斜平板部30が備えるカテーテル保持用孔4cのような形状のものであってもよい。このように、保持用孔4cは、円状に形成されたカテーテル挿入用の基端部と、この基端部より、先端方向に突出し、かつ、先端に向かって幅が狭くなるカテーテル保持部を有するものとなっている。そして、この実施例では、保持用孔4cの先端部は、急激に近接する頂点部となっている。
【0036】
また、上述したすべての実施例において、カテーテル挿入保持部(保持用孔)としては、図19に示す実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10gの傾斜平板部30が備えるカテーテル保持用孔4dのような形状のものであってもよい。この実施例の保持用孔4dは、上述した保持用孔4cと同様に、円状に形成されたカテーテル挿入用の基端部と、この基端部より、先端方向に突出し、かつ、幅が基端部内径より小さいカテーテル保持部を有するものとなっている。そして、カテーテル保持部は、先端方向に向かって幅が若干狭くなるものとなっている。そして、この実施例では、保持用孔4dの先端部は、平坦部となっている。
【0037】
そして、棒状本体部2の他端部は、傾斜平板部30の傾斜方向側となる面に設けられた触覚にて確認可能なマーカー5が設けられている。この実施例の皮下貫通用具10では、マーカー5は、棒状本体部2の他端22(後端)より若干一端側(先端側)となる位置に設けられた凹部により形成されている。特にこの実施例のマーカー5は、底面が平坦状である凹部となっている。この実施例におけるマーカー5のように、棒状本体部2の他端側に指をかけられる窪みを有するものとすることにより、皮下貫通用具10を手元側(他端側)に引く操作が容易なものとなる。また、マーカー5の一端側にも指をかけられる窪みを有するため、皮下貫通用具10を先端側(一端側)に押す操作も容易なものとなる。
なお、上記のような一端および他端を有する凹部が好ましいが、マーカー5としては、他端が棒状本体部の他端に到達するものであってもよい。また、棒状本体部2の他端部は、傾斜平板部の傾斜面側となる面が平坦面となっており、マーカー5は、その平坦面に形成されているものであってもよい。
【0038】
また、マーカー5の一端(先端)は、棒状本体部2の先端から、10〜280mmに位置することが好ましい。また、マーカー5の他端(後端)は、棒状本体部2の基端から、45〜100mmに位置することが好ましい。また、マーカー5の軸方向長は、30〜100mmが好ましい。また、マーカー5の幅は、0.5〜8.0mmが好ましい。
さらに、棒状本体部2の他端22(基端)は、外面に明確なエッジを持たず、全体が丸みを帯びたものとなっている。このため、皮下貫通用具10の操作時に生体に損傷を与えることを防止している。そして、棒状本体部2の他端22が、明確なエッジを持たず、全体が丸みを帯びたものとなっているため、棒状本体部の他端22を第2の生体内挿入用端部として用いることができる。よって、この実施例の皮下貫通用具10は、他端22側より、生体に形成された切開部より挿入可能である。
【0039】
そして、上述したような貫通孔を備えるタイプのカテーテル誘導用皮下貫通用において、傾斜平板部は、図12図13および図14に示すカテーテル誘導用皮下貫通用具10cが備えるような形態のものであってもよい。
この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10cが備える傾斜平板部30cは、上述した実施例の皮下貫通用具10に比べて肉薄のものとなっている。傾斜平板部30cの厚さは、1.5〜5.0mmが好ましく、特に、2.0〜4.0mmが好ましい。また、傾斜平板部30cの厚さは、棒状本体部の厚さ(もしくは外径)よりも、1.5〜6.5mm薄いことが好ましい。このように、傾斜平板部を肉薄のものとすることにより、傾斜平板部部分、言い換えれば、カテーテル誘導用皮下貫通用具10cの先端部の生体内への挿入操作が容易なものとなる。さらに、この実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具10cでは、傾斜平板部30cとつながる棒状本体部2の先端部上面21aが傾斜するものとなっている。このため、傾斜平板部30cと棒状本体部2は、段差を持たないものとなっている。よって、傾斜平板部30cのみならず、棒状本体部2の先端部の生体への挿入が容易である。
【0040】
また、上述したすべての実施例において、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具のマーカーは、図15および図16に示すカテーテル誘導用皮下貫通用具10dが備えるような形態のものであってもよい。
この実施例の皮下貫通用具10dでは、マーカー5aは、棒状本体部2の傾斜平板部側となる面より突出する複数の凸部により構成されている。特に、このマーカー5aでは、棒状本体部2の軸方向に直交する方向に延びる複数の所定幅を有する凸部により構成されている。図示する実施例では、複数(具体的には、4つ)の線状凸部は、ほぼ平行となるように設けられている。
【0041】
また、上述したすべての実施例において、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具のマーカーは、図17に示すカテーテル誘導用皮下貫通用具10eが備えるような形態のものであってもよい。
この実施例の皮下貫通用具10eでは、マーカー5bは、棒状本体部2の傾斜平板部側となる面に設けられたエッチング部により形成されている。エッチング部としては、ローレット状、梨地状のものなどが好ましい。
【0042】
次に、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具の作用を図20ないし図23を用いて説明する。なお、ここでは、カテーテル誘導用皮下貫通用具として、上述したカテーテル誘導用皮下貫通用具10を用いて説明する。なお、他の実施例のカテーテル誘導用皮下貫通用具を用いた場合でも同様である。
最初に、図20に示すように、患者20の皮膚に第1の切開部11を設け、カテーテル15の一端15aを目的部位(例えば、中心静脈)に挿入する。そして、カテーテル15の他端部15b側を切開部11より体外に露出する状態とする。続いて、図21に示すように、第1の切開部11より、所定距離下方に、第2の切開部12を形成する。そして、この第2の切開部より、本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具10を傾斜平板部30の先端側より挿入し、第1の切開部11に向かって押し進める。そして、図22に示すように、カテーテル誘導用皮下貫通用具10の傾斜平板部30を第1の切開部より、外部に露出させる。
【0043】
続いて、カテーテル15の他端部15bを皮下貫通用具10の傾斜平板部30のカテーテル保持用孔4を挿通させ、皮下貫通用具10の傾斜平板部30が、カテーテル15の他端部15bを保持する状態とする。そして、図21に示すように、傾斜平板部30が患者20の正面側となることを、マーカー5を用いて確認しながら、図23に示すように、皮下貫通用具10を第2の切開部12に向かって牽引する。この牽引を継続することにより、図23に示すように、カテーテル15の他端部15bは、皮下貫通用具10の傾斜平板部30とともに、第2の切開部12より、体外に露出するものとなる。そして、露出したカテーテル15をその基端部の適宜位置にて切断することにより、カテーテル15より、皮下貫通用具10を切り離す。そして、切断したカテーテル15の端部に、例えば、薬液注入部材(図示せず)を接続した後、第2の切開部12より、薬液注入部材を生体内に挿入する。そして、切開部11,12を縫合することにより、カテーテルおよび薬液注入部材の埋設手技が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のカテーテル誘導用皮下貫通用具は、以下のものである。
(1) 頸静脈または中心静脈に先端部が挿入されたカテーテルを皮下に配置するために使用可能なカテーテル誘導用皮下貫通用具であって、前記皮下貫通用具は、棒状本体部と、前記棒状本体部の一端に設けられ、かつ、前記棒状本体部に対して所定角度斜めに形成された傾斜平板部と、前記棒状本体部の前記傾斜平板部の傾斜方向側であり傾斜面側となる面かつ前記一端より所定距離他端側となる部位に設けられた触覚にて確認可能な平板部傾斜面確認用マーカーとを備え、前記傾斜平板部は、前記傾斜平板部の前記傾斜面を貫通するように設けられ、前記カテーテルの挿入が可能かつ挿入された前記カテーテルを保持するカテーテル挿入保持部と、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部を有し、さらに、前記マーカーは、前記傾斜平板部の傾斜方向側であり前記傾斜面側となる面に形成された凹部であり、かつ、前記凹部の前記棒状本体部の他端側は、指をかけることが可能となっているカテーテル誘導用皮下貫通用具。
【0045】
このカテーテル誘導用皮下貫通用具では、カテーテルの挿入が可能かつ挿入されたカテーテルを保持するためのカテーテル挿入保持部を有するため、カテーテルの接続操作が容易である。また、傾斜平板部が棒状本体部に対して傾斜していることにより、傾斜平板部の視認が容易であり、かつ、平板部を押しつける操作、さらには、押しつけた平板部を前後に移動させるが容易である。さらに、カテーテルの端部を装着した状態において、カテーテルの底面と棒状本体部の底面がほぼ直線上となることが可能となり、カテーテルの牽引操作が容易なものとなる。さらに、傾斜平板部は、全体が丸みを帯びた生体内挿入用端部を有しているため、皮下貫通用具の生体内挿入時に生体に損傷を与えることが少ない。
【0046】
そして、上記カテーテル誘導用皮下貫通用具の実施形態としては、以下のものであってもよい。
(2) 前記傾斜平板部は、前記棒状本体部より肉薄となっている上記(1)に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(3) 前記傾斜平板部は、前記棒状本体部より幅が広いものとなっている上記(1)または(2)に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(4) 前記傾斜平板部の前記棒状本体部に対する傾斜角度は、1〜30度である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(5) 前記カテーテル挿入保持部は、カテーテル保持用孔またはカテーテル保持用スリットである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(6) 前記カテーテル保持用孔および前記カテーテル保持用スリットは、前記傾斜面に対してほぼ直交するように形成されている上記(5)に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(7) 前記カテーテル挿入保持部は、カテーテル抜け止め部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(8) 前記カテーテル誘導用皮下貫通用具は、塑性変形可能な材料により形成されており、使用時に、前記傾斜平板部の前記棒状本体部に対する傾斜角度を変更可能である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(9) 前記マーカーは、前記マーカーの軸方向長は、30〜100mmである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(10) 前記凹部の外縁は、面取りもしくは丸みをもったものとなっている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(11) 前記マーカーは、底面が平坦状の凹部である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(12) 前記棒状本体部の他端は、全体が丸みを帯びた第2の生体内挿入用端部となっている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
(13) 前記第2の生体内挿入用端部は、前記他端に向かって縮径するテーパー部を備えている上記(12)に記載のカテーテル誘導用皮下貫通用具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23