特許第6286695号(P6286695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6286695機械ナットを緩めるか、又は締めるためのアセンブリおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286695
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】機械ナットを緩めるか、又は締めるためのアセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/02 20060101AFI20180226BHJP
   B25B 23/142 20060101ALI20180226BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   B25B13/02 S
   B25B23/142
   B25B23/14 620J
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-537401(P2015-537401)
(86)(22)【出願日】2013年10月16日
(65)【公表番号】特表2015-536248(P2015-536248A)
(43)【公表日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】IB2013059399
(87)【国際公開番号】WO2014087267
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2016年10月11日
(31)【優先権主張番号】2012/07897
(32)【優先日】2012年10月19日
(33)【優先権主張国】ZA
(73)【特許権者】
【識別番号】515104855
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ フォー ザ タイム‐ビーイング オブ ル ムーラン トラスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】コーツェ, ヘンドリック, ベルナルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】コーツェ, レニアー
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06748832(US,B1)
【文献】 特開平08−052629(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3100101(JP,U)
【文献】 特開平09−173358(JP,A)
【文献】 特開昭63−306886(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0136168(US,A1)
【文献】 実開昭63−195904(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/00 − 13/58
B25B 23/00 − 23/18
B60B 29/00
B25D 1/00
B23P 19/06
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械ナットを緩めるか、または締めるためのアセンブリであって、
ソケットアームであり、該ソケットアームの遠位端に、機械ナットを係合するためのキャビティーが形成されているソケットアームと、
クランクであり、該クランクの第1の端部で前記ソケットアームの近位端に横方向に連結されているか、または連結可能であるクランクと、
スライディングハンマであり、前記クランクの第2の端部に連結されているか、または連結可能であることにより、前記クランクを介して前記ソケットアームに回転衝撃を加えるように作用可能なスライディングハンマであって、シリンダを含み、前記シリンダ内にはピストンを収容する案内通路が形成され、前記ピストンは自由端に取っ手を有し、内端に衝撃ヘッドを有する前記スライディングハンマと、
支持構造であり、該支持構造の近位端で前記ソケットアーム、前記クランク、または前記スライディングハンマの1つに連結されているか、または連結可能であり、該支持構造の遠位端に、外部構造に当接することにより、使用中に前記アセンブリを支持するように作用可能な支持面が形成されている、支持構造と、
インジケータリングアセンブリ形式のトルクインジケータであって、前記支持構造と前記ソケットアームとの間に配置されており、これにより、前記支持構造に対する前記ソケットアームの相対回転変位を示すようになっており、前記相対回転変位はトルクを表し、前記インジケータリングアセンブリは2つの位置マーカーを備え、前記位置マーカー間の間隔は、前記スライディングハンマの衝撃に基づく所定のトルク締め距離を表す、トルクインジケータと、
を含むアセンブリ。
【請求項2】
前記ソケットアームの近位端に、スプラインが形成されており、前記クランクの第1の端部に、前記スプラインと噛み合う噛合スプラインが形成されており、これらの間で角度の対応関係が維持される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記クランクが、該クランクの第2の端部で前記スライディングハンマの近位端に揺動可能に連結されている、請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記クランクおよび前記スライディングハンマが、心棒またはピンによって相互に連結されている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記支持構造が、前記ソケットアームに連結されているか、または連結可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記支持構造に、前記ソケットアームの一部を収容する通路が形成されている、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記支持構造が、キャリア部材を含み、該キャリア部材に、前記通路が形成されている、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記通路が、前記ソケットアームの回転を可能にするが、前記ソケットアームの半径方向の変位を防止するように作用可能である、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記支持面が、地面に当接するように構成されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記支持面が、足の形態をしており、前記支持構造が、前記足から上方に延在する支持脚を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記足が、前記支持脚に対して揺動可能である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記支持脚が、高さ調整可能である、請求項10または11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記支持構造が、所望の高さで前記キャリア部材を前記支持脚にロックすることにより、前記ソケットアームを前記ナットに位置合わせするように作用可能なロッキング機構を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記インジケータリングアセンブリの前記位置マーカーは、それぞれ、前記スライディングハンマの前記取っ手を重力のみによって落下させることによって設定される基準位置マーカー設定と、手によって前記スライディングハンマを強制的に作動させることによって設定されるトルク締め位置マーカとを示す、請求項1〜13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載のアセンブリを用いて機械ナットを緩めるか、又は締めるための方法であって、
前記ソケットアームが前記ナットに位置合わせされるように前記支持構造を調整するステップと、
前記ソケットアームの前記遠位端を前記ナットに係合させるステップと、
前記クランクおよび前記ソケットアームを介して前記ナットに衝撃を加えるように前記スライディングハンマを動かすステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記スライディングハンマを動かすステップの前に、結果的に最大衝撃を前記ナットに伝達するように前記スライディングハンマおよび前記クランクを交差するように配置するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の方法であって、前記アセンブリが、トルクインジケータを含み、前記方法が、
重力のみで前記スライディングハンマの前記取っ手を落下させることによって前記スライディングハンマを用いて決定可能な基準点まで前記ナットを締めるステップと、
手によって前記スライディングハンマを強制的に作動させることによって前記トルクインジケータによって示されている所定の角距離だけ前記ナットをさらに締めるステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械ナット(特に、ホイールナット)を緩めるか、または締める(および随意にこれをトルク締めする(torqueing))ためのアセンブリならびにこのようなアセンブリを用いて機械ナットを緩める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、対応するボルトシャンクから強固なまたは固着した機械ナットを緩めることがどれくらい困難であり得るかを十分に知っている。このことは、特にホイールナットに当てはまる。従来のホイールスパナまたはタイヤレバーは、強固なナットを緩めるために必要とされる最初の力を加えるには不適格な場合がある。
【0003】
本発明者らは、ナットと係合するスパナヘッドを一端に備え、ハンマによる打撃を受ける打撃面またはアンビルを他端に備える打撃スパナについて知っている。打撃スパナの使用に伴う困難は、打撃スパナが、往々にしてナットに適合し得ない(特に、ナットが、ホイールリムの凹所に位置する場合)ことおよび打撃が加えられたときに打撃スパナが、ナットから急に外れ落ちる可能性があり、このことが、場合によっては損傷または負傷の原因となることである。
【0004】
また、当該技術分野では、案内および制御された打撃動作を行うためのスライディングハンマが知られている。事実、米国特許第5109739号明細書は、実施形態において、ホイールに連結可能なソケットスパナに、クランクを介して連結されたスライディングハンマの組み合わせを備えるアセンブリについて開示している。クランクは、この構成において打撃スパナと同様に機能する。米国特許第5109739号明細書の欠点は、本発明者らの意見によれば、一方の手でスライディングハンマを動かし、他方の手でアセンブリの支持およびホイールナットに対するアセンブリの押し当ての両方を行うことを必要とする、アセンブリの操作が困難であり得ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明者らは、上で言及した欠点を克服するか、または少なくとも軽減する、機械ナット(特に、ホイールナット)を緩めるか、または締めるための、および随意にこれをトルク締めするための改善されたアセンブリを求めている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、機械ナットを緩めるか、または締めるためのアセンブリであって、
ソケットアームであり、その遠位端に、機械ナットを係合するためのキャビティーが形成されているソケットアームと、
クランクであり、その第1の端部でソケットアームの近位端に横方向に連結されているか、または連結可能なクランクと、
スライディングハンマであり、クランクの第2の端部に連結されているか、または連結可能であることにより、クランクを介してソケットアームに回転衝撃を加えるように作用可能なスライディングハンマと、
支持構造であり、その近位端でソケットアーム、クランク、またはスライディングハンマの1つに連結されているか、または連結可能であり、その遠位端に、外部構造に当接することにより、使用中にアセンブリを支持するように作用可能な支持面が形成されている、支持構造と、
を含むアセンブリを提供する。
【0007】
ソケットアームの近位端には、スプラインが形成されてもよく、クランクの第1の端部には、このスプラインと噛み合う噛合スプラインが形成されてもよく、これらの間では角度の対応関係が維持される。
【0008】
クランクの第2の端部は、スライディングハンマの近位端に揺動可能に連結されてもよい。クランクおよびスライディングハンマは、心棒またはロッキングピンによって相互に連結されてもよい。
【0009】
支持構造は、ソケットアームに連結されているか、または連結可能であってもよい。支持構造には、ソケットアームの一部を収容する通路が形成されてもよい。支持構造は、この通路が形成されたキャリア部材を含んでもよい。通路は、ソケットアームの回転(例えば、クランクから伝達される)を可能にするが、ソケットアームの半径方向の変位を防止するように作用可能であってもよい。
【0010】
一実施形態において、支持構造の支持面は、ナットが固定される、機械(例えば、車両)の構成要素(例えば、ホイールハブ)に当接するように構成されてもよい。このような場合、支持面は、環状であってもよく、カラークランプ(collar clamp)に類似する。
【0011】
別の実施形態において、支持面は、地面に当接するように構成されてもよい。このような場合、支持面は、足の形態をしていてもよく、支持構造は、足から上方に延在する支持脚を含んでもよい。足は、支持脚に対して揺動可能であってもよい。支持脚は、高さ調整可能であってもよい。一実施形態において、支持脚は、伸縮式であってもよい。別の実施形態において、キャリア部材は、支持脚に沿って摺動可能であってもよい。支持構造は、所望の高さでキャリア部材を支持脚にロックすることにより、ソケットアームをナットに位置合わせするロッキング機構を含んでもよい。
【0012】
当然ながら、アセンブリはさらに、ナット(特に、ホイールナット)を締めるために使用されてもよい。
【0013】
アセンブリは、トルクインジケータを含んでもよい。トルクインジケータは、2つの可動部品の間に配置されるインジケータリングアセンブリの形態をしていてもよい。インジケータリングアセンブリは、2つの可動部品の間の相対変位を視覚的に示すように作用可能であってもよい。インジケータリングアセンブリは、支持構造(一方では)とソケットアーム(他方では)との間に配置され、これにより、支持構造に対するソケットアームの相対回転変位を示すようになっていてもよい。回転変位は、トルクを表してもよい。
【0014】
本発明は、上で規定されているようなアセンブリを用いて機械ナットを緩める方法であって、
ソケットアームがナットに位置合わせされるように支持構造を調整するステップと、
ソケットアームの遠位端をナットに係合させるステップと、
クランクおよびソケットアームを介してナットに衝撃を加えるようにスライディングハンマを動かすステップと、
を含む方法に及ぶ。
【0015】
スライディングハンマおよびクランクが、相対的に揺動可能な場合、本方法は、スライディングハンマを動かすステップの前に、結果的に最大衝撃をナットに加えるようにスライディングハンマおよびクランクを互いに横方向に配置するステップを含んでもよい。
【0016】
本方法は、トルクインジケータを用いてナットをトルク締めすることを含んでもよい。したがって、本方法は、
打撃ハンマを用いて決定可能な基準点までナットを締めるステップと、
トルクインジケータによって示されている所定の角距離だけナットをさらに締めるステップと、
を含んでもよい。
【0017】
次に、添付の概略図を参照して例を挙げながら、本発明についてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】機械ナットを緩めるか、または締めるための、本発明に係るアセンブリの一実施形態の三次元図を示している。
図2図1のアセンブリのスライディングハンマおよびクランクの三次元図を示している。
図3図1のアセンブリの支持構造の三次元図を示している。
図4】使用時の図1のアセンブリの三次元図を示している。
図5】機械ナットを緩めるか、または締めることおよびこれをトルク締めすることのための、本発明に係るアセンブリの別の実施形態の三次元図を示している。
図6図5のアセンブリのスライディングハンマおよびクランクの三次元図を示している。
図7図5のアセンブリの支持構造の三次元図を示している。
図8】使用時の図5のアセンブリの三次元図を示している。
図9図5のアセンブリのロッキング機構(ロックされている状態の)を示している。
図10図9のロッキング機構(ロックされていない状態の)を示している。
図11図5のアセンブリのインジケータリングを示している。
図12図11のインジケータリングを含むインジケータリングアセンブリを示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に関する以下の説明は、本発明の教示を可能にするものとして提供されている。当業者ならば、本発明の有益な結果を達成しながら、説明されている実施形態に対して多くの変更を加えることができることを認めるであろう。また、本発明の所望の利点のいくつかは、本発明の特徴のいくつかを選択することによって、他の特徴を利用することなく達成することができることは明らかであろう。したがって、当業者は、本発明の修正および適合化が、可能であり、特定の状況においては望ましくさえある場合があり、また、本発明の一部であることを認めるであろう。このため、以下の説明は、本発明の限定としてではなく、本発明の原理の例証として提供されている。
【0020】
図1図3を参照すると、参照符号10は、全体を通して、機械ナットを緩めるための、本発明に係るアセンブリを示している。この例は、ここではアセンブリ10に特定の用途が見出されているため、ホイールナットを参照しながらさらに説明される。とはいえ、アセンブリ10の用途は、ホイールナットに限定されない。
【0021】
アセンブリ10は、スライディングハンマ20と、クランク30と、ソケットアーム40と、支持構造50とを含む。この例では、これらの構成要素のそれぞれは、モジュール式であり、交換可能であるが、他の例では、構成要素の一部が一体化されてもよい。
【0022】
スライディングハンマ20(図2により詳細に示されている)は、シリンダ22を含み、シリンダ22内には、ピストン24を収容する案内通路22.1が形成されている。ピストン24の自由端には、スライディングハンマ20を掴んで、手で動かすための取っ手26が連結されている。ピストン24および取っ手26は、重量のあるものであり、これによって、有効な力でクランク30を打撃することができるものであることが好ましい。さらに、ハンマ20は、ピストン24の内端に衝撃ヘッド(図示せず)を含んでもよい。
【0023】
クランク30(同様に図2に示されている)は、細長いものであり、スライディングハンマ20とソケットアーム40とを相互に連結している。クランク30の第2の端部は、心棒(これを中心にスライディングハンマ20は揺動することができる)としても機能するロッキングピン28によってスライディングハンマ20に揺動可能に連結されている。クランク30のもう一方の端部(すなわち、第1の端部)には、開口32が形成されており、開口32の内壁には、ソケットアーム40の対応するスプライン(図示せず)または六角形の外周と噛み合うスプライン34がある。ソケットアーム40の遠位端には、緩められる(場合によっては、固定される)ナットと係合する従来の六角形のソケット42が形成されている。クランク30およびソケット42は、ナットおよびホイールアセンブリ100のサイズに応じて交換可能であり、このことは、注目を必要とする。
【0024】
支持構造50(図3に別に示されている)は、アセンブリ10の残りの部分の有効性を高めるがゆえに重要である。この例の支持構造50は、地面106(図4参照)上でアセンブリ10の残りの部分を支持するために使用される。したがって、支持構造50は、キャリア部材52と、高さ調整可能な支持脚58と、足60とを含む。キャリア部材52には、ソケットアーム40の回転を可能にしながらソケットアーム40を収容する通路54が形成されている。キャリア部材52は、ピボットジョイント56によって支持脚58に揺動可能に連結されている。
【0025】
支持脚58は、伸縮式であり、下部58.2内に摺動可能に受け入れ可能である上部58.1を備える。上部58.1には、ロッキングボルト59.1を受け入れることにより所望の長さで脚58をロックするための、軸方向に延在する一連のソケット59.2が形成されている。ロッキングボルト59.1は、ばね付勢されてもよい。
【0026】
足60の下面には、地面106に当接する支持面62が形成されている。支持面62は、滑らない材料(例えば、ゴム)を有してもよい。キャリア部材52と同様に、足60は、ピボットジョイント64によって支持脚58に揺動可能に連結されている。したがって、支持脚58は、キャリア部材52および足60の水平方向を維持しながら、ピボットジョイント56、64の揺動によって傾斜させることができる。これにより、支持構造50のさらなる調整および配置が可能になっている。
【0027】
次に図4を参照すると、使用において、ホイールアセンブリ100の強固なホイールナット102を緩めるためにアセンブリ10が用いられている。最初に、支持脚58は、粗い高さ調整のためにボルト59.1およびソケット59.2を用いて適切な高さに調整される。必要ならば、脚58の角度が、高さの微調整のために変更されてもよい。ソケットアーム40のソケット42が、緩められるべきナット102に被せられる。
【0028】
クランク30の開口32が、それぞれのスプライン34が噛み合うようにソケットアーム40の近位端に案内されて被せられる。次に、スライディングハンマ20が、クランク30に対して垂直に角度が付けられ、さらに、ソケットアーム40に横方向に配置される。スライディングハンマ20の取っ手26は、外側に引っ張ることによって伸長され、次に、取っ手26をスライディングハンマ20の近位端に向かって(矢印20.1によって示されているように)力を込めて動かすことによって、ハンマのような動作で迅速に内側に変位される。このハンマの打撃は、クランク30を介して、矢印40.1によって示されている方向に向かってソケットアーム40に、そして最終的には、ナット102に力を加える。クランク30は、機械的な利点をもたらす。
【0029】
使用中、ハンマ動作は、強固なナット102を緩めるために数回にわたって繰り返されてもよい。緩められたら、ナット102は、ソケットアーム40に従来のソケットスパナ(図示せず)を連結することによって、または支持構造を取り外して、スライディングハンマ20を用い続ける(先ほどより力を抜いて)ことによって、または単に指を用いて取り除かれてもよい。ナット102を締めるために、上記の手続きを単に逆にして適用してもよい。
【0030】
図5図12は、機械ナットを緩めるための、本発明に係るアセンブリの別の実施形態200を示している。アセンブリ200は、一部の機械的な変更が施されている(最も顕著には、支持構造およびインジケータリングアセンブリに関して)もののアセンブリ10のそれと同じ発明概念を具体化している。したがって、図面中の同じ符号は、同じまたは同様の構成要素を示している。
【0031】
図5は、アセンブリ10と同様にスライディングハンマ20と、クランク30と、ソケットアーム40と、支持構造250とを有するアセンブリ200を示している。
【0032】
図6は、わずかに異なるロッキングピン/心棒228および握りやすくするための、取っ手226の溝/リッジを含むが、その他の点ではアセンブリ10のそれと材料的に同様であるスライディングハンマ20を示している。
【0033】
図7は、アセンブリ200の支持構造250を示している。支持構造250は、1対の互いに離間された、平行な、直立の脚258を含む。脚258は、ピボットジョイントであって、脚258に固定された第1のコネクタ261と、足260に固定された第2のコネクタ263と、心棒264(これを中心にコネクタ261、263は揺動することができる)とを含むピボットジョイントによって足260に連結されている。これにより、足260に対する脚258の揺動が可能になっている。足260の下面には、地面106に当接する支持面262が形成されている。支持面262は、滑らない材料(例えば、ゴム)を有してもよい。
【0034】
支持構造250は、脚258に沿って上下に変位可能なキャリア部材252を含む。この目的のために、キャリア部材252には、1対の互いに離間された開口252.1が形成されている。開口252.1の間隔は、脚258のそれと一致していて、キャリア部材252が、脚258を開口252.1に通して、脚258に沿って移動させることができるようになっている。脚258のそれぞれには、足260を基準として特定の高さでキャリア部材252をロックするために、対応するロッキングボルトを受け入れるための、軸方向に離間された一連の開口259.2が形成されている。
【0035】
キャリア部材252は、管状体255を載せており、管状体255内には、ソケットアーム40を収容するための通路54が形成されている。したがって、通路54の高さは、脚258に沿ってキャリア252の位置を調整することによって調整可能である。管状体255は、ピボットジョイント256を中心にキャリア部材252に対して揺動可能である。
【0036】
アセンブリ200は、ナット102を締めることおよびこれを緩めることの両方に関してアセンブリ10と同様に使用される(図8参照)。
【0037】
図9図10は、脚258に対してキャリア部材252をロックするロッキング機構を収容しているキャリア部材252の底面を示している。付勢されている取っ手280が、キャリア部材252の底にある凹部内に設けられている。取っ手280は、内側および外側に摺動可能であり、その内側のロック位置に向かって付勢されている(図9)。
【0038】
使用時にキャリア部材252の高さを調整するために、使用者は、自分の手をキャリア部材252の底に伸ばす(使用者は、便利な握り形状281が適切な位置に使用者の指を置く役割を果たすため、取っ手280を見る必要はない)。次に、使用者は、付勢に逆らって、矢印282によって示されている方向に向かって取っ手280を後方に/外側に引っ張る。これにより、取っ手280に固定された1対のロッキングボルト259.1が、開口259.2から引き抜かれ、キャリア部材252を脚258に沿って上下に摺動させることが可能になる。
【0039】
使用者は、所望の高さにキャリア部材252を摺動させ、次に、取っ手280を離す。付勢(例えば、ばね(図示せず))によって、取っ手280およびロッキングボルト259.1は、脚258に向かって、矢印284によって示されている方向に戻される。最も近い開口259.2にロッキングボルト259.1を位置合わせするために、ある程度の微調整が必要な場合がある。付勢によって、ロッキングボルト259.1は、開口259.2内に動かされ、キャリア部材252は、選択された高さで能動的にロックされる。
【0040】
また、アセンブリ200は、インジケータリングアセンブリ300を含む。図11図12は、インジケータリングアセンブリ300を詳細に示している。インジケータリングアセンブリ300は、弾性リング302(図11)を含む。リング302は、管状体255の、通路54の周囲に形成された座部308に載せ置かれてもよい。リング302は、しっかりと載せ置かれ、座部308との摩擦係合を形成するが、その周方向位置を調整するために手で変位させることができる。リング302は、位置マーカー(マーカーA304およびマーカーB306)として機能する2つの歯304、306を有する。様々なサイズのリング302が用意されてもよい(例えば、30mm、32mm、33mmなどの)。
【0041】
対応するゲージまたはスケール310が、ソケットアーム40上に用意されている。ゲージ310は、ソケットアーム40に固定された、またはこれに固定可能な円形の定規の形態をしている。ゲージ310は、例ではメートル法の単位(例えば、センチメートル)を有しているが、帝国単位または他の単位を有してもよい。リング302が、管状体255に固定され、ゲージが、ソケットアーム40に固定されているため、ソケットアーム40は、通路54内で管状体255に対して回転変位可能であり、したがって、リング302は、ゲージ310と相対的に回転変位可能である。このようにして、ソケットアーム40が、通路54内で回転するときに、インジケータリングアセンブリ300は、変位の視覚的な定量的指標を提供する。
【0042】
ソケットアーム40の角変位は、ソケットアーム40によって加えられるトルクを表すことができる。したがって、インジケータリングアセンブリ300の適切な較正によって、インジケータリングアセンブリ300は、トルクインジケータになり、インジケータリングアセンブリ300は、ナット102を締めるときにナット102をトルク締めするために使用され得る。位置マーカー304、306間の間隔は、ホイール100の製造業者によって提供されるトルク仕様に対応する所定のトルク締め距離を表すように計算される。
【0043】
使用時、ナット102は、それ以上締めることができなくなるまで手で締められる。次に、クランク30が、水平に配置され、スライディングハンマ20が上向きに配置される。取っ手226が、完全に引き出されて、重力のみによって落下するように落とされる。これを合計で4回行う。スライディングハンマ20の重量およびクランク30の長さが分かっているとき、衝撃を、正確に計算することができる。この工程において、トルク締めのために、決定可能かつ繰り返し可能な基準点またはデータ点が決められる。
【0044】
基準点を設定したら、リング302は、マーカーA304が、見えて、ゲージ310の読み取り値の1つ(例えば、番号7)に位置合わせされるように手で回転される。次に、スライディングハンマ20が、手で力を込めて繰り返し動かされる。これにより、ソケットアーム40は、ナット102をさらに締め、各打撃によって漸進的に回転する。ソケットアーム40は、マーカーB304がゲージ310の読み取り値(例えば、番号7)に位置合わせされるまで十分に動かされたら、ナット102は、この結果として、仕様にとって十分にトルク締めされたはずである。
【0045】
本発明者らは、例示されている本発明が、強固なまたは固いナット102を緩めるための便利で、効果的で、かつより安全なアセンブリ10、200を提供すると確信している。様々な部品が、様々な構成のナット102およびホイールアセンブリ100のために、ならびに点検および交換のために交換可能である。
【0046】
加えて、アセンブリ10、200はまた、ナット102を締めることができ、アセンブリ200は、ナット102をトルク締めすることさえできる。このことは、本発明者らの信じるところによれば、これが小型化するアセンブリにとって一般的ではない。
図1
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図11
図12