(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
高速道路などには、必要に応じて、発進制御機が設けられる。発進制御機には、阻止棒が設けられる。車両が阻止棒に衝突すると、阻止棒又は車両が破損する可能性がある。そこで、阻止棒は、車両の進行方向にリリース可能となるように、支持される。
【0003】
上記に関連して、特許文献1乃至6には、車両通行遮断機が開示されている。
【0004】
特許文献1(特開2012−207460号公報)には、車両通行遮断機に、リリース状態とされた阻止棒を通常状態に向かって回動させる復帰駆動部と、アームに設けられ通常状態の阻止棒に向かって付勢されたストッパ手段と、阻止棒に設けられ阻止棒が通常状態にある際にストッパ手段と係合可能な係合位置と該係合位置から後退した退避位置との間で進退移動可能とされた台座と、通常状態の際に台座を係合位置に位置させる一方、リリース状態の際には台座を退避位置に位置させる台座移動手段とを設ける点が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2012−207366号公報)には、遮断機が、遮断機本体に開閉軸を介して支持されたアームと、該アームにリリース軸を介して支持された阻止棒と、阻止棒をリリース状態に保持する保持手段とを備える点、及び、保持手段が、アームに設けられた係止軸部と、阻止棒に設けられ、阻止棒のリリース状態への回動によって係止軸部に対して乗り越え可能に当接し、阻止棒のリリース状態へのさらなる回動によって係止軸部を乗り越えた後に該係止軸部と係合する係合フックから構成される点が開示されている。
【0006】
また、特許文献3(特開2012−102512号公報)には、車両通行遮断機に、車両の通行を阻止する阻止位置と車両の進行を許容する許可位置との間で回動されて開閉動作を行う阻止棒と、該阻止棒を車両による衝撃を解放するリリース方向に回動可能に支持するリリース軸と、リリース状態とされた阻止棒をリリース方向の反対方向である復帰方向に回動させる復帰駆動部と、復帰方向に回動する阻止棒が非リリース状態に到達する手前の所定位置に到達した際に、該阻止棒に対して復帰方向に向かってのトルクを付与する補助復帰駆動部とを設ける点が開示されている。
【0007】
また、特許文献4(特開2012−17642号公報)には、車両通行遮断機に、車両の通行を阻止する阻止位置と車両の進行を許容する許可位置との間で回動されて開閉動作を行う阻止棒と、該阻止棒を車両による衝撃を解放するリリース方向に回動させるリリース軸と、リリース方向に回動した阻止棒を復帰方向に回動させる復帰駆動部とを設ける点が開示されている。
【0008】
また、特許文献5(特開2012−17643号公報)には、車両通行遮断機に、復帰駆動部と、該復帰駆動部によって、車両の通行を阻止する阻止位置と車両の進行を許容する許可位置との間で回動されて開閉動作を行う阻止棒と、該阻止棒を車両による衝撃を解放するリリース方向に回動させるリリース軸と、阻止棒がリリース方向に回動した際にのみ復帰駆動部の回転をリリース軸に伝達する伝達機構とを設ける点、及び、復帰駆動部の回転によってリリース軸が回動することで、阻止棒がリリース方向とは反対方向である復帰方向に回動するように構成する点が開示されている。
【0009】
また、特許文献6(特開2012−207460号公報)には、アームに対してリリース軸を介して支持された阻止棒を備える遮断機において、リリース状態とされた阻止棒を通常状態に向かって回動させる復帰駆動部と、アームに設けられ通常状態の阻止棒に向かって付勢されたストッパ手段と、阻止棒に設けられ阻止棒が通常状態にある際にストッパ手段と係合可能な係合位置と該係合位置から後退した退避位置との間で進退移動可能とされた台座と、通常状態の際に台座を係合位置に位置させる一方、リリース状態の際には台座を退避位置に位置させる台座移動手段とを設ける点が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態に係るリバース車線1を概略的に示す構成図である。このリバース車線1は、例えば、高速道路の出入口などに設けられる。
【0022】
図2に示されるように、リバース車線1上には、車種判別用踏板(8−1、8−2)が設けられている。また、リバース車線1の路側(2−1、2−2)には、車両検知器(3−1、3−2)、車種判別装置(4−1、4−2)、料金自動収受機6、及び発進制御機7が設けられている。進行方向(運用方向)が順方向である場合、リバース車線1は、出口車線として用いられる。運用方向が逆方向である場合、リバース車線1は、入口車線として用いられる。
【0023】
進行方向が順方向である場合、車両は、まず、車両検知器3−1によって検知される。更に、車種判別用踏板8−1及び車種判別装置4−1によって車種が判別され、料金自動収受機6により料金収受処理が行われる。そして、発進制御機7が開閉し、車両の通行可否が制御される。
【0024】
一方、進行方向が逆方向である場合、車両は、まず、車両検知器3−2により検知される。次いで、車種判別用踏板8−2及び車種判別装置4−2が車種を判別し、通行券発券機5が通行券を発行する。そして、発進制御機7により車両の通行可否が制御される。
【0025】
すなわち、発進制御機7は、順方向及び逆方向で共通に用いられる。以下、発進制御機7の構成について詳述する。
【0026】
図3は、発進制御機7を概略的に図であり、発進制御機7を上方から見たときの図である。発進制御機7は、支持機構10及び阻止棒11を有している。支持機構10は、路側2に設置されており、阻止棒11を支持している。支持機構10は、阻止棒11が順方向及び逆方向の双方にリリース可能となるように、阻止棒11を支持している。
【0027】
上述のような構成によれば、発進制御機7が順方向及び逆方向の双方向にリリース可能であるため、順方向及び逆方向のどちらの方向に車両が衝突した場合であっても、発進制御機7及び車両の破損が防止される。
【0028】
続いて、支持機構10の構成について説明する。
【0029】
図4は、支持機構10を上方から見たときの図である。
図4においては、説明の便宜上、一部の内部構成が透視により示されている。
図4に示されるように、支持機構10は、開閉機構14、及びリリース機構17を有している。開閉機構14はリリース機構17を支持しており、リリース機構17は阻止棒11を支持している。
【0030】
開閉機構14は、発進制御機7の開閉を行なう為に設けられている。開閉機構14は、発進制御機本体12、及び開閉軸部材13を有している。発進制御機本体12は、路側2に設置されており、開閉軸部材13を支持している。開閉軸部材13は、第1軸A1に沿って延びており、リリース機構17を支持している。第1軸A1は、リバース車線1が延びる方向に平行である。発進制御機本体12は、開閉軸部材13を第1軸A1周りに回転させる機能を有している。開閉軸部材13が回転することにより、リリース機構17を介して阻止棒11が第1軸周りA1に回転し、リバース車線1が開閉される。
【0031】
リリース機構17は、阻止棒11をリリース可能に支持する機能を有している。リリース機構17は、第2軸A2に平行となる位置を基準位置として、阻止棒11を支持する。第2軸A2は、第1軸A1に垂直である。すなわち、基準位置のとき、阻止棒11は、第1軸A1に垂直である。また、リリース機構17は、阻止棒11を、基準位置から、リリース軸A3周りに、順方向及び逆方向の双方に回転可能となるように、支持する。リリース軸A3は、第2軸A2に垂直である。また、リリース軸A3は、閉状態のときに鉛直方向に伸びるような軸である。また、リリース軸A3は、リバース車線1上ではなく、路側2上に位置している。
【0032】
具体的には、リリース機構17は、アーム固定部15、アームホルダ部16、ラッチ構造18、及びリリースバネ20を有している。
【0033】
アーム固定部15は、開閉機構14(開閉軸部材13)に連結されている。
【0034】
アームホルダ部16は、リリース軸A3周りに回転可能となるように、アーム固定部15に連結されている。アームホルダ部16の一端は筒状に形成されており、この筒状の部分には、阻止棒11の基端部が差し込まれている。すなわち、阻止棒11は、アームホルダ部16によって支持されている。アームホルダ部16がリリース軸A3周りに回転可能であることにより、阻止棒11がリリース軸A3周りに回転可能となっている。
【0035】
ラッチ構造18は、基準位置において阻止棒11の位置を保持するために設けられている。ラッチ構造18は、アーム固定部15とアームホルダ部16との連結部分に設けられている。ラッチ構造18が設けられていることにより、開閉時に、阻止棒11がリリース軸A3周りに回転することが防止される。
【0036】
また、ラッチ構造18は、阻止棒11が基準位置からリリース軸A3周りに回転した場合に、回転後の位置(第2位置)で阻止棒11を保持するように構成されている。
【0037】
以下に、アーム固定部15とアームホルダ部16との連結部分の構成について、詳述する。
図5は、アーム固定部15とアームホルダ部16との連結部分を示す上面図である。また、
図6は、この連結部分を順方向に沿って見たときの図である。尚、ラッチ構造18は、アーム固定部15及びアームホルダ部16の内側に配置されている。そのため、上方から見た場合にラッチ構造18は見えない。しかし、説明の便宜上、
図5では、ラッチ構造18が透視により示されている。
【0038】
図6に示されるように、アーム固定部15とアームホルダ部16とは、リリース軸部材27を介して、リリース軸A3回りに回転可能となるように、連結されている。尚、リリース軸部材27は、ラッチ構造18などとの干渉を避ける為、中央部で阻止棒11の先端側に折り曲げられている。リリース軸部材27の中央部は、後述するリリースバネ支持部19−2として機能する。また、アームホルダ部16における基端部(アーム固定部15側の端部)には、回転時におけるアーム固定部15の先端部分との干渉を防ぐ為、切り欠き28が設けられている。
【0039】
次いで、ラッチ構造18について説明する。
図5及び
図6に示されるように、ラッチ構造18は、ラッチ部材23、ガイド部材21、弾性部材26、及びボールキャッチ部材22を備えている。
【0040】
ガイド部材21及びボールキャッチ部材22は、アーム固定部15によって支持されている。ガイド部材21は、ボールキャッチ部材22を案内するために設けられている。これにより、ボールキャッチ部材22は、第2軸A2に沿って移動する。ガイド部材21としては、例えば、例えば筒状の部材を用いることができる。ボールキャッチ部材22は、先端部が半球状であり、弾性部材26を介して、ガイド部材21により弾性的に支持されている。
【0041】
ラッチ部材23は、アームホルダ部16によって支持され、固定されている。
図5に示されるように、上方から見た場合に、ラッチ部材23はリリース軸A3に重なっている。ラッチ部材23には、第1凹部24、及び一対の第2凹部(25−1、25−2)が設けられている。
【0042】
第1凹部24は、阻止棒11の位置が基準位置である場合に、ボールキャッチ部材22と接触する位置に設けられている。上述のように、ボールキャッチ部材22は、弾性部材26に支持されている。従って、基準位置において、ボールキャッチ部材22は、第1凹部24に嵌まっている。このため、ボールキャッチ部材22が第1凹部24から外れる程度の衝撃が加わらない限り、阻止棒11は基準位置で保持される。
【0043】
一方、一対の第2凹部(25−1、25−2)は、阻止棒11が回転した場合に、回転後の位置で阻止棒11を保持するために設けられている。
図5に示されるように、一対の第2凹部(25−1、25−2)は、リバース車線1に平行な方向におけるラッチ部材23の両側面に設けられている。各第2凹部(25−1、25−2)は、阻止棒11が回転後の第2位置である場合にボールキャッチ部材22と当接するような位置に設けられている。各第2凹部(25−1、25−2)は、中央部分で落ち込んでおり、これによって底部分が形成されている。また、第1凹部24の縁部分と各第2凹部25−2(25−1、25−2)の底部分との間には、曲面Bが形成されている。曲面Bは、外側に膨らむような形状を有している。
【0044】
リリースバネ20は、阻止棒11に衝撃が加わった場合に、阻止棒11を回転し易くするために設けられている。リリースバネ20は、第2軸A2に沿って配置されており、一端でリリースバネ支持部19−1に支持され、他端でリリースバネ支持部19−2に支持されている。リリースバネ支持部(19−1、19−2)は、第2軸A2上に設けられており、リリース軸A3を挟むような位置に設けられている。リリースバネ支持部19−1は、アーム固定部15に固定されている。リリースバネ支持部19−2は、アームホルダ部19−2により固定されている。既述のように、本実施形態では、リリースバネ支持部19−2は、リリース軸部材27の中央部によって形成されている。
【0045】
続いて、本実施形態に係る発進制御機7の動作方法について説明する。
図7及び
図8は、阻止棒11に衝撃が加わった場合におけるラッチ構造18の動作を示す概略図である。
【0046】
図7に示されるように、車両の衝突などにより阻止棒11に衝撃が加わると、アームホルダ部16が、リリース軸A3周りに回転する。その結果、ラッチ部材23も回転し、ボールキャッチ部材22が、第1凹部24の縁部分を乗り越える。ここで、ボールキャッチ部材22は、弾性部材26を介して、弾性的に押されている。そのため、アームホルダ部16には、ボールキャッチ部材22が、一対の第2凹部25(25−1、25−2)のどちらかに嵌まるような力が、加わる。すなわち、リリース軸A3を中心にアームホルダ部16を回転させるような力が、加わる。これにより、車両が衝突した場合、阻止棒11を速やかに回転させることができ、リバース車線1上で阻止棒11が障害となることを防止できる。尚、この際、曲面B(
図5参照)が形成されていることにより、よりアームホルダ部16(阻止棒11)を回転させ易くすることができる。
【0047】
また、阻止棒11(アームホルダ部16)がリリース軸A3周りに回転した場合、リリースバネ支持部19−2の位置が、第2軸A2からそれる。その結果、リリースバネ20が伸び、アームホルダ部16に、アーム固定部15側へ引っ張るような力が加わる。これにより、リリースバネ20によっても、アームホルダ部16を回転させる力が加わる。車両が衝突した場合に、阻止棒11をより速やかに回転させることができる。
【0048】
図8に示されるように、アームホルダ部16(阻止棒11)が基準位置から90°回転すると、ボールキャッチ部材22が一方の第2凹部(25−1又は25−2)に嵌まり込む。これにより、阻止棒11が、回転後の位置(第2位置)で保持され、リバース車線1上に戻ることが防止される。車両の衝突により阻止棒11が回転した場合、反発により、阻止棒11が再びリバース車線1上に戻る場合がある。このような場合、阻止棒11は、障害となる。これに対し、第2凹部(25−1、25−2)が設けられていれば、阻止棒11は第2位置で保持され、障害となることはない。また、このとき、リリース軸A3が路側2上に位置しているため、回転後に発進制御機7の一部がリバース車線1上に位置することはない。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、阻止棒11は、リリース軸A3周りに、順方向及び逆方向の両方に回転可能となっている。そのため、リバース車線1において、発進制御機7を、順方向及び逆方向で共通に使用することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、ラッチ構造18が設けられているため、阻止棒11が、基準位置で保持される。基準位置で阻止棒11が保持されることにより、開閉時に阻止棒11がリリース軸A3周りに回転することが防止される。
【0051】
また、本実施形態によれば、ラッチ構造18が設けられているため、車両が衝突した場合に、阻止棒11が速やかに回転させられ、第2位置で阻止棒11を保持することができる。これにより、阻止棒11が反発によりリバース車線1上に戻ることが防止され、阻止棒11が障害となることが防止される。
【0052】
なお、ラッチ構造18において、各第2凹部(25−1、25−2)の深さは、第1凹部24の深さよりも大きいことが好ましい。言い換えれば、上方からみた場合におけるリリース軸A3から各第2凹部(25−1、25−2)までの距離b(
図5参照)は、第1凹部24のそれ(距離a)よりも、大きいことが好ましい。このような構成を採用することにより、ボールキャッチ部材22が各第2凹部(25−1、25−2)から外れにくくなり、阻止棒11を第2位置でより確実に保持することができる。
【0053】
また、本実施形態では、阻止棒11がリリース軸A3周りに回転するときの荷重は、ボールキャッチ部材22がラッチ部材23を押しつける力に依存している。従って、弾性部材26の弾性力を調整することにより、リリース開始荷重を調整することが可能である。
【0054】
また、本実施形態では、リリースバネ20が設けられている場合について説明した。リリースバネ20が設けられていれば、上述のように、阻止棒11をより速やかに回転させることができる。また、車両が低速で阻止棒11に接触した場合であっても、阻止棒11をリリース軸A3回りに回転させることができる。しかし、必ずしもリリースバネ20が設けられている必要はない。リリースバネ20が設けられていなくても、ボールキャッチ部材22及び弾性部材26などにより、阻止棒11を速やかに回転させることができる、という効果を得ることは可能である。
【0055】
また、本実施形態では、リバース車線1が、高速道路などの出入口に設けられる場合について説明した。但し、リバース車線1は、必ずしも出入口に設けられる必要はなく、必要に応じて他の部分に設けられてもよい。
【0056】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。
図9は、本実施形態に係る発進制御機7を示す概略図である。本実施形態では、第1の実施形態に対し、リリース機構17の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0057】
図9に示されるように、リリース機構17は、回転機構35(第1アーム固定部15−1及び回転軸部材29)、第2アーム固定部15−2、アームホルダ部16、及びラッチ構造18を備えている。第1の実施形態と同様に、基準位置のとき、リリース機構17は、第2軸A2に沿って延びるように、阻止棒11を支持する。
【0058】
回転機構35は、阻止棒11を、第2軸A2周りに回転させる機能を有している。具体的には、回転機構35は、第1アーム固定部15−1及び回転軸部材29を有している。第1アーム固定部15−1は、開閉軸部材13に連結されている。また、第1アーム固定部15−1は、回転軸部材29を介して、第2軸A2周りに回転可能となるように、第2アーム固定部15−2を支持している。
【0059】
第2アーム固定部15−2とアームホルダ部16とは、アームホルダ部16がリリース軸A3周りに回転可能となるように、連結されている。但し、アームホルダ部16は、基準位置からリリース軸A3周りの両方向(順方向側及び逆方向側)に回転可能となっているのではなく、基準位置から順方向側及び逆方向側の何れか一方にのみ回転可能となっている。
図9示される例では、アームホルダ部16は、リリース軸A3回りに、逆方向にのみ回転可能である。
【0060】
尚、リリース軸A3は、リリース時に発進制御機本体12に干渉しないように、発進制御機本体12よりもリバース車線1側に配置されている。
【0061】
ラッチ構造18は、第2アーム固定部15−2とアームホルダ部16との連結部分に配置されている。ラッチ構造18は、第1の形態と同様の構成を有している。但し、第2凹部25は、順方向及び逆方向のうちのいずれか一方を向く面にのみ、設けられている。
図9に示される例では、逆方向を向く面にのみ、第2凹部25が設けられている。
【0062】
本実施形態では、運用時の車両の進行方向(順方向及び逆方向)に応じて、回転機構35により、第2アーム固定部15−2が、第2軸A2回りに回転させられる。これにより、車両の進行方向に回転可能(リリース可能)となるように、阻止棒11が支持される。
図9において、リバース車線1の運用方向(車両の進行方向)を順方向に切り換える場合には、回転機構35により、第2アーム固定部15−2及びアームホルダ部16が、180°回転させられる。これにより、阻止棒11が、順方向にリリース可能となるように、支持される。従って、実質的に、阻止棒11を、リバース車線1における順方向及び逆方向の双方にリリース可能とすることができる。
【0063】
尚、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、リリース機構17が、アーム固定部(15−1、15−2)、アームホルダ部16、及びラッチ構造18を有している場合について説明した。但し、本実施形態では、リリース機構17は、阻止棒11を、基準位置からリリース軸A3周りに何れか一方向にのみ回転可能に支持していればよく、他の構成が採用されてもよい。
【0064】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る支持機構10を示す概略図である。
【0065】
図10に示されるように、支持機構10は、開閉機構14、及びリリース機構17を有している。
【0066】
開閉機構14は、発進制御機本体12、及び開閉軸部材13を有している。発進制御機本体12の内部には、軸受33、ギアボックス30、及び開閉モータ31が配置されている。開閉軸部材13は、軸受33により、第1軸A1周りに回転可能となるように、支持されている。開閉モータ31及びギアボックス30は、開閉軸部材13を回転させる駆動力を発生させる。
【0067】
ここで、開閉軸部材13は、第1軸A1に平行な方向において発進制御機本体12を貫通するように配置されている。
【0068】
一方、リリース機構17は、第2の実施形態と同様に、基準位置から、リリース軸A3回りに、順方向及び逆方向のうちの何れか一方にのみリリース可能(回転可能)となるように、阻止棒11を支持している。具体的には、リリース機構17は、アーム固定部15、アームホルダ部16、及びラッチ構造18を有している。アーム固定部15は、開閉軸部材13に連結されている。アームホルダ部16は、アーム固定部15に、リリース軸A3周りに、基準位置から、順方向及び逆方向の何れか一方にのみ回転可能となるように、連結されている。ラッチ構造18は、アーム固定部15とアームホルダ部16との連結部分に配置されている。ラッチ構造18は、第2の実施形態と同様の構成を有している。すなわち、第2凹部25は、1箇所にのみ設けられている。
【0069】
ここで、アーム固定部15は、開閉軸部材13の一端及び他端の双方に対して着脱自在に、取り付けられている。
図10には、実線により、逆方向を進行方向としてリバース車線1が運用される場合の例が示されている。アーム固定部15は、開閉軸部材13の一端に取り付けられている。このとき、阻止棒11は、逆方向にリリース可能となるように、支持されている。尚、開閉軸部材13の他端は、保護カバー34により保護される。
【0070】
ここで、順方向を進行方向としてリバース車線1を運用する場合には、リリース機構17が開閉軸部材13の一端から取り外され、開閉軸部材13の他端に、上下逆転して取り付けられる。そして、開閉軸部材13の一端が、保護カバー34により保護される(
図10における点線参照)。これにより、阻止棒11が、順方向に向かってリリース可能となるように、支持される。
【0071】
以上説明したように、本実施形態のような構成を採用した場合であっても、実質的に、阻止棒11を、リバース車線1における順方向及び逆方向の双方にリリース可能とすることができる。
【0072】
尚、本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、リリース機構17は、阻止棒11を、基準位置から、リリース軸A3周りに何れか一方向にのみ回転可能に支持していればよく、
図10に示した構成とは異なる構成が採用されてもよい。
【0073】
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態に対して、リリース機構17の構成が工夫されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0074】
図11は、本実施形態に係るリリース機構17を示す概略図である。
図11に示されるように、リリース機構17は、第1リリース機構17−1及び第2リリース機構17−2を有している。
【0075】
第1リリース機構17−1は、阻止棒11を、順方向及び逆方向のいずれか一方にリリースさせる機能を有している。一方、第2リリース機構17−2は、阻止棒11を、順方向及び逆方向のうちの他方にリリースさせる機能を有している。
【0076】
具体的には、第1リリース機構17−1は、第2リリース機構17−2を、第1リリース軸A3−1周りに、順方向および逆方向の何れか一方に回転可能となるように、支持する。一方、第2リリース機構17−2は、阻止棒11を、第2リリース軸A3−2周りに、順方向及び逆方向の他方に回転可能となるように、支持している。第1リリース軸A3−1及び第2リリース軸A3−2は、いずれも、第2軸A2に垂直であり、閉状態のときに鉛直方向に伸びるような軸である。このような構成により、阻止棒11は、順方向及び逆方向の両方にリリース可能となっている。
【0077】
より詳細には、第1リリース機構17−1は、第1アーム固定部15−1、第2アーム固定部15−2、及び第1ラッチ構造18−1を備えている。第1アーム固定部15−1は、開閉機構14(開閉軸部材13)によって支持されており、第2アーム固定部15−2を支持している。第1アーム固定部15−1は、第2アーム固定部15−2を、基準位置から、第1リリース軸A3−1周りに、順方向側及び逆方向側の何れか一方(
図11では逆方向側)に回転可能となるように、支持している。第1ラッチ構造18−1は、第1アーム固定部15−1と第2アーム固定部15−2との連結部分に配置されている。第1ラッチ構造18−1においては、第2、3の実施形態と同様に、第2凹部25−1が1箇所に設けられている。第2凹部25−1により、第2アーム固定部15−2が第1リリース軸A3−1周りに逆方向側へ回転したときに、回転後の位置で第2アーム固定部15−2が保持される。
【0078】
一方、第2リリース機構17−2は、第2アーム固定部15−2、アームホルダ部16、及び第2ラッチ構造18−2により実現される。第2アーム固定部15−2は、アームホルダ部16を、第2リリース軸A3−2周りに、順方向側及び逆方向側のうちの他方(
図11では順方向)に回転可能となるように、支持している。第2ラッチ構造18−2は、第2アーム固定部15−2とアームホルダ部16との連結部分に配置されている。第2ラッチ構造18−2は、第1ラッチ構造18−1と同様の構成を有している。但し、第2凹部25−2が設けられている面の向きは、第2凹部25−1が設けられている面の向きの反対である。すなわち、第2凹部25−1は、アームホルダ部16が順方向に沿って回転したときに、アームホルダ部16が回転後の位置で保持されるように、配置されている。
【0079】
尚、第1リリース機構17−1及び第2リリース機構17−2のうち、基準位置から発進制御機本体12側へ回転する機構においては、干渉防止のため、リリース軸A3が、発進制御機本体12よりもリバース車線1側に配置されている必要がある。
図11に示される例では、第2リリース軸A3−2は、発進制御機本体12よりもリバース車線1側に配置されている必要がある。
【0080】
本実施形態では、順方向に車両が阻止棒11に衝突した場合、第2リリース機構17−2により、阻止棒11が、順方向にリリースされる。一方、逆方向に車両が阻止棒11に衝突した場合、第1リリース機構17−1により、阻止棒11が逆方向にリリースされる。従って、既述の実施形態と同様に、発進制御機7を両方向にリリースさせることができる。これにより、発進制御機7を、順方向及び逆方向で共通に使用することができる。
【0081】
尚、第1リリース機構17−1及び第2リリース機構17−2は、それぞれ、リリース軸に沿って基準位置から一方向にのみ回転可能となっていればよく、
図11に示した構成とは異なる構成により実現されてもよい。また、第1リリース機構17−1と第2リリース機構17−2とは、異なる構造であってもよい。
【0082】
(変形例)
続いて、第4の実施形態の変形例について説明する。第4の実施形態では、第1リリース軸A3−1及び第2リリース軸A3−2が、いずれも、閉状態のときに鉛直方向に伸びる場合について説明した。しかしながら、第1リリース軸A3−1及び第2リリース軸A3−2は、異なる軸であればよく、必ずしも閉状態のときに鉛直方向に伸びるような軸である必要はない。本変形例では、第1リリース軸A3−1及び第2リリース軸A3−2の傾きが工夫されている。その他の点については、第4の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0083】
図12は、本変形例に係る各リリース軸(A3−1、A3-2)の傾きを示す模式図であり、リリース機構17及び阻止棒11を第2軸A2に沿う方向から見たときの図(リバース車線1の側方から見たときの図)である。
図12には、閉状態のときの図が示されている。尚、説明の為、
図12において、阻止棒11は透視して示されている。
【0084】
図12に示されるように、本変形例では、各リリース軸(A3−1、A3-2)が、閉状態のときに鉛直方向に対して傾くように、伸びている。各リリース軸(A3−1、A3-2)は、上側がリリース方向を向くように、傾いている。すなわち、第1リリース軸A3−1は、上側が逆方向を向くようになるように、傾いている。また、第2リリース軸A3−2は、上側が順方向を向くように、傾いている。
【0085】
図12には、逆方向にリリース動作が行われた後の阻止棒11が、点線により示されている。逆方向に沿って車両が阻止棒11に衝突すると、阻止棒11は、第1リリース軸A3−1の周りに回転する。ここで、本変形例では、第1リリース軸A3−1が傾いているので、阻止棒11の自重により、阻止棒11がより回転し易くなっている。すなわち、車両の衝突時に、より速やかに阻止棒11をリリースすることができる。順方向に沿って車両が衝突した場合についても、同様である。
【0086】
以上、本発明について第1〜第4の実施形態を用いて説明した。尚、これらの実施形態は独立するものではなく、矛盾のない範囲内で組み合わせて用いることも可能である。