特許第6286750号(P6286750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6286750コンベヤチェーンリンク、コンベヤチェーン、コンベヤチェーン用の駆動ホイール、及びそのような駆動ホイールを備えるシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286750
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】コンベヤチェーンリンク、コンベヤチェーン、コンベヤチェーン用の駆動ホイール、及びそのような駆動ホイールを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/08 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   B65G17/08
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-501628(P2015-501628)
(86)(22)【出願日】2013年3月20日
(65)【公表番号】特表2015-510861(P2015-510861A)
(43)【公表日】2015年4月13日
(86)【国際出願番号】SE2013050307
(87)【国際公開番号】WO2013141806
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】1250272-0
(32)【優先日】2012年3月20日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】501002323
【氏名又は名称】フレックスリンク アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ミグラヴス, ピーター
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−517591(JP,A)
【文献】 特開平07−097022(JP,A)
【文献】 特開平06−255737(JP,A)
【文献】 特表2004−505869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00−17/48
B65G 23/00−23/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送面(20)を有する上部本体(2)と、前端部(4)及び後端部(5)を有する下部本体(3)とを備えるコンベヤチェーンリンク(1)であって、当該コンベヤチェーンリンク(1)は、同一構造を有する別のコンベヤチェーンリンクと接続してコンベヤチェーンを形成するように構成されており、
前記後端部(5)には、第1のレッグ(6)及び第2のレッグ(7)が設けられており、前記第1のレッグ(6)及び前記第2のレッグ(7)は、該第1のレッグ(6)及び該第2のレッグ(7)の間に前記別のコンベヤチェーンリンクの前端部が収まるように互いに一定の距離をあけて配置されており、前記第1のレッグ(6)は、前記第1のレッグから外側に向いた第1の突出部(8)を有し、前記第2のレッグ(7)は、前記第1の突出部の反対側に配設され前記第2のレッグから外側に向いた第2の突出部(9)を有し、前記第1の突出部(8)は第1の貫通穴(10)を備え、前記第2の突出部(9)は前記第1の貫通穴(10)と同軸である第2の貫通穴(11)を備え、前記第1の貫通穴及び前記第2の貫通穴(10、11)が接続ピン(19)を保持するように構成される、コンベヤチェーンリンクにおいて、
前記第1の突出部(8)には、該第1の突出部(8)の上側から前記前端部(4)に向かって延びる第1のタブ(12)が設けられ、前記第2の突出部(9)には、該第2の突出部(9)の上側から前記前端部(4)に向かって延びる第2のタブ(13)が設けられ、前記第1のタブ(12)及び前記第1の突出部(8)が第1の支承面(14)を構成し、且つ、前記第2のタブ(13)及び前記第2の突出部(9)が第2の支承面(15)を構成し、前記第1のタブ(12)の前記第1の支承面(14)及び前記第2のタブ(13)の前記第2の支承面(15)が、前記上部本体(2)の前記搬送面(20)と平行であることを特徴とするコンベヤチェーンリンク。
【請求項2】
アセタールプラスチック及び/又はポリアミドなどの低摩擦係数を有する材料で製造されることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤチェーンリンク。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンベヤチェーンリンクを複数備えることを特徴とするコンベヤチェーン。
【請求項4】
各コンベヤチェーンリンクの前記前端部に位置する複数の支承要素(17)と、前記コンベヤチェーンリンクの前記第1の貫通穴(10)及び前記第2の貫通穴(11)を通って延び、更に前記支承要素(17)の穴(18)を通って延びる複数の接続ピン(19)とを更に備えることを特徴とする、請求項に記載のコンベヤチェーン。
【請求項5】
複数のノッチ(31)を備える駆動ホイール(30)であって、
各ノッチ(31)は半円形状であり切欠部(32)を備え、
前記切欠部(32)が、請求項1又は2に記載のコンベヤチェーンリンクの前記第1の突出部(8)及び前記第2の突出部(9)のいずれかに適合するように構成される、駆動ホイール(30)。
【請求項6】
前記切欠部が、前記コンベヤチェーンリンクにおける前記第1のタブ(12)又は前記第2のタブ(13)より大きいことを特徴とする、請求項に記載の駆動ホイール。
【請求項7】
請求項又はに記載のコンベヤチェーンを備えるコンベヤシステム。
【請求項8】
請求項又はに記載の駆動ホイールを更に備えることを特徴とする、請求項に記載のコンベヤシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された耐摩耗性を有するコンベヤチェーンリンク、そのようなコンベヤチェーンリンクを複数備えるコンベヤチェーン、及びそのようなコンベヤチェーンに適合された駆動ホイールに関する。このコンベヤチェーンリンクは、エンドレスチェーンを備えるコンベヤシステムで使用するように構成される。
【背景技術】
【0002】
工場内の別々のステーション間で物体を移動するために使用されるような搬送装置は、通常、搬送軌道をベルト又はチェーンの形態で備える。搬送軌道は、垂直な側面を有する溝部内に配置することができる。あるいは、搬送軌道を溝部の水平な上面上に設置するか、他の方法で配設することもできる。搬送対象の物体は、直接、あるいは支持手段を介して、搬送軌道に対し摺動可能に配置される。より大きな物体は、パレットとしても知られる支持手段に載せて搬送することが多く、より小さな物体は、キャリアパックと称されることがある小型のキャリアを用いて搬送することができる。
【0003】
コンベヤチェーンは、モータを備える駆動ユニットによって前方に送られる。このコンベヤチェーンはコンベヤビーム内を通り、コンベヤビームに取り付けられたスライドレール上を滑動する。コンベヤチェーンとスライドレールは両方とも、電力消費を低減し、摩耗を低減し、また振動に起因する騒音を低減するために、低摩擦材料で構成されてもよい。前進方向において、すなわち、チェーンが物体を移送しているときは、上部本体の下面はコンベヤビームの上部スライドレール上に位置する。戻り方向において、すなわち、チェーンが上下逆さまに戻り経路内を移動するとき、コンベヤチェーンの上面は支承面に支持されてもよく、コンベヤチェーンはその支承面上を滑動する。コンベヤチェーンにはまた、タブ又は突出部を設けてもよく、それによってチェーンはコンベヤビームの内部スライドレール上に維持することができる。
【0004】
コンベヤチェーンとコンベヤビームとの間の摺接における一つの課題は、摩擦が生じることである。チェーンリンクにおいて、またスライドレールにおいて、低摩擦材料の使用は摩擦を低減する。しかしながら、コンベヤチェーン用に低摩擦材料を選択することが常に可能であるとは限らない。さらに、ほこりや他の細粒が接触面に付く可能性があり、それが摩擦の上昇につながり、ひいては摩耗の上昇に至る場合がある。さらに、この摺接は騒音を引き起こす。
【0005】
米国特許第5,402,880号には物品搬送チェーンが開示されている。このチェーンは物品コンベヤに使用されるもので、それぞれ平面状の天板を有し相互に接続された複数の成型プラスチックチェーンリンクアセンブリを備えている。チェーンリンクアセンブリの下部分に沿って形成された複数の上部タブ及び下部タブは、コンベヤフレームの一対のガイドレールに対しチェーンを誘導する役目を果たす一方、コンベヤの長さ方向に沿った選択領域で、ガイドレールからチェーンリンクアセンブリを自由に取り外せるようにし、かつ湾曲部や縦向きの屈曲部など、コンベヤのその他の部分で、ガイドレール同士の間にチェーンを抑制するものでもある。
【0006】
米国特許第6,364,094号は、コンベヤチェーン、チェーン案内手段、及び案内支持手段を備えるコンベヤシステムを開示している。各チェーンリンクは、リンク部材、接続ピン、及び支承要素を備えている。このリンク部材には貫通穴を有する突出部が設けられ、コンベヤチェーン用の接続ピンを保持するように構成されている。さらに、戻り経路内では、このコンベヤチェーンは突出部上を摺動することになる。
【0007】
フランス特許2629804号及びドイツ特許101 51 863号には、同様のコンベヤチェーンの更なる例が記載されている。
【0008】
これらの解決手段が功を奏するシステムもあるが、いずれにせよ上記の課題の対象となる。かように依然として改良の余地がある。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、摩耗の低減を可能にする改良されたチェーンリンクを提供することである。更なる目的は、コンベヤシステムに引き起こされる騒音を低減する改良されたチェーンリンクを提供することである。本発明の更なる目的は、発明のチェーンリンクを複数備えたコンベヤチェーンを駆動することができる駆動ホイールを提供することである。
【0010】
本発明による課題の解決手段は、請求項1のチェーンリンクの特徴部分に記載されている。更なる請求項は、コンベヤチェーン、駆動ホイール、及びチェーンリンクの有利な実施形態と更なる発展形態とを対象としている。
【0011】
搬送面を有する上部本体と、前端部及び後端部を有する下部本体とを備えるコンベヤチェーンリンクであって、後端部に、互いから一定の距離に配置された第1のレッグ及び第2のレッグを、チェーンリンクの前端部が隣接するチェーンリンクの前記第1のレッグと第2のレッグとの間に収まるように設け、第1のレッグは、第1のレッグから外側に向いた第1の突出部を有し、第2のレッグは、第1の突出部の反対側に配設され第2のレッグから外側に向いた第2の突出部を有し、第1の突出部は第1の貫通穴を備え、第2の突出部は第1の貫通穴と同軸である第2の貫通穴を備え、この第1の及び第2の貫通穴が接続ピンを保持するように構成される、コンベヤチェーンリンクにおいて、本発明の目的は、第1の突出部に前端部に向かって延びる第1のタブを設け、第2の突出部に前端部に向かって延びる第2のタブを設け、このタブの支承面が上部本体の搬送面と平行であることで達成される。
【0012】
本発明に係るチェーンリンクのこの第一実施形態によると、コンベヤチェーンが戻り経路内を移動するとき、より大きくより長い支承面を、コンベヤチェーンに与えることになる。より大きな支承面は、翻ってより低い表面圧力をもたらし、そのことが摩擦を低減し、ひいてはエネルギーを節約することにもなる。さらに、この伸張された支承面は、コンベヤチェーンによって生じる騒音の低減を可能にすることになる。この誘発騒音の低減は、支承面がチェーンの移動方向により長いという事実によるものであり、チェーンリンクのより安定した移送を可能にする。より大きな支承面は材料をより多量に備えており、それが摩耗によるチェーンリンクの寿命を引き延ばすことになる。
【0013】
本発明の有利な一発展形態において、タブの長さが突出部の半径より大きい。この態様においては、支承面の長さがタブのないチェーンリンクのものより長くなり、それが摩擦の低減、摩耗の低減、及び騒音誘発の低減を可能にすることになる。
【0014】
本発明の有利な一発展形態において、タブの厚さが突出部の下壁の厚さより大きい。好ましくは、タブの厚さが突出部の上壁の厚さ以上である。この態様においては、より多量の材料がタブの支承面に備わり、それがチェーンリンクの寿命を引き延ばすことになる。
【0015】
この発明の駆動ホイールにおいて、それぞれのノッチは、タブを有するチェーンリンクに適合するように構成される。そこで各ノッチに切欠部が設けられるのだが、この切欠部の大きさは各チェーンリンクの突出部のタブより大きい。この態様においては、タブを備えたコンベヤチェーンは、安全かつ確実な方法で駆動することができる。
【0016】
本発明について、添付図面に示される実施形態を参照しながら、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るチェーンリンクの前方からの斜視図である。
図2】本発明に係るチェーンリンクの後方からの斜視図である。
図3】本発明に係るコンベヤチェーンの側面図である。
図4】本発明に係る駆動ホイールの部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に述べる、更なる発展形態を有する本発明の実施形態は、単なる例として見なされるべきものであり、特許請求の範囲によって規定される保護の範囲を決して限定するものではない。
【0019】
図1及び2に、コンベヤチェーンの一部を形成し得るチェーンリンク1が示されている。このチェーンリンクは、搬送対象の物体を搬送するように構成された上部搬送面20をもつ上部本体2を有する。この上部搬送面は、前端部4及び後端部5に隣接して配置される複数のノッチ22及び歯23を有し、実質的に平面形状にするのが好ましい。このノッチ及び歯は、隣接するチェーンリンクの対応するノッチ及び歯とかみ合うように配置される。
【0020】
このチェーンリンクは、前端部4及び後端部5を有する下部本体3を更に備える。前端部4は、図3に見られる支承要素17を部分的に取り囲むことにより、支承要素17と協働するように配設される実質的に球面状の支承シート16を有する。後端部5は、互いから一定の距離に配置された第1のレッグ6及び第2のレッグ7を有し、これらのレッグは前端部4から二股に分岐したものである。この第1のレッグと第2のレッグとの間の距離は、コンベヤチェーンに取り付けたとき、チェーンリンクの前端部が隣接するチェーンリンクの第1のレッグと第2のレッグとの間に収まるような距離である。
【0021】
第1のレッグ6は、コンベヤチェーンの移動方向に対して実質的に垂直に配設され第1のレッグから外側に向いた第1の突出部8を有する。この突出部は、移送促進手段として有利に利用される。すなわち、この突出部は、駆動ホイールなどと協働するための係合手段として用いられ、例えばコンベヤ駆動ユニットのコグホイールと相互作用する。この突出部は、更に、コンベヤチェーンの戻り経路においてスライドレールに接する摺動面として機能するように構成されることが有効である。第1の突出部8は第1の貫通穴10を有し、この貫通穴は非円形状、好ましくは実質的に三角形状の断面であるが他の形状でも許容できる。第2のレッグ7は、第1の突出部8の反対側に配設され第2のレッグから外側に向いた第2の突出部9を有する。第2の突出部9は、第1の突出部8の第1の貫通穴10と実質的に同軸であり同一の断面をした第2の貫通穴11を有する。これらの突出部は、筒状の突起に似たものとなるように、均一に延びている。この態様においては、貫通穴に挿入されるように構成された接続ピンが、この突出部の大きな接触面により、しっかりと固定される。
【0022】
支承要素17は図3に部分的に示されており、第1の貫通穴10及び第2の貫通穴11の断面に対応する非円形状の断面をした第3の貫通穴18を有する実質的に球面状の本体を備える。支承要素17は、第1のレッグ6と第2のレッグ7との間に配設される。力吸収要素21は、支承要素17の側方に配設され、チェーンリンク1の後端部5に向いている。接続ピン19は、支承要素17をコンベヤチェーンの移動方向の適切な位置にしっかりと保持するために、三つの貫通穴10、11、18に挿入されるように配設されている。接続ピン19の断面形状は、三つの貫通穴10、11、18の断面と合致する。接続ピン19の二つの端部は、貫通穴への挿入を容易にするため、面取りされていることが有効である。この態様においては、コンベヤチェーンは、支承要素及び接続ピンによってしっかりと互いに保持される。
【0023】
貫通穴10、11、18及び接続ピン19の断面は、実質的に三角形状であることが有効である。貫通穴を、三角形状の穴の平坦な部分が上部搬送面と平行になるように形成することで、突出部の支承面14、15における材料の量を最大にすることができる。したがって、突出部の上部の厚さdを、三角形状の穴のとがった部分が位置する突出部の下部の厚さdより大きくすることができる。
【0024】
突出部8には、チェーンリンクの前端部4に向かって延びるタブ12が更に設けられる。タブは突出部の上側から延びており、このタブの主要な目的は、突出部の支承面14をコンベヤチェーンの移動方向に沿って延長することである。支承面14は上部搬送面20と平行である。タブの幅は突出部の幅と同じであることが好ましい。タブの長さlは、突出部の半径と同じ範囲内であることが好ましい。この態様においては、支承面14は拡張されたものとなる。突出部9にはタブ13が同様に設けられる。
【0025】
このタブは、従来のチェーンリンクと比べていくつかの利点を供与する。タブは、より大きな支承面をコンベヤチェーンに与え、それがより低い表面圧力をもたらす。より低い表面圧力は摩擦を低減し、ひいては支承面上の摩耗を低減する。摩擦の低減は、翻ってエネルギーを節約することになる。さらに、チェーンリンクのより長い支承面はより少ない振動でより安定したチェーンリンクの移送を可能にするため、この拡張され伸張された支承面が、コンベヤチェーンによって生じる騒音の低減を可能にすることになる。より大きな支承面は材料をより多量に備えているため、チェーンリンクの寿命が引き延ばされることになる、すなわち、チェーンリンクの交換が必要になる前により多量の材料がすり減らなければならないことになる。このタブは摩耗表示器としても使用できる。タブがすり減っていることでチェーンリンクが摩耗しているのを検出した場合、チェーンリンクの交換が必要であるという表示を与える。この検出は操作者の視認で行ってもよいし、コンベヤシステムに光検出器を搭載してもよい。
【0026】
コンベヤチェーンリンクを、アセタールプラスチック及び/又はポリアミドなどの低摩擦係数を有する材料で製造することにより、費用的有利性及びより好ましい弾性率が得られる。
【0027】
一つのコンベヤチェーンを作り出すために、図3に示すように、複数のコンベヤチェーンリンクが互いに取り付けられる。このようなコンベヤチェーンは、スライドレールを備えたコンベヤビーム内を移動するように構成される。一つ又は複数のコンベヤチェーンがコンベヤビームとともにコンベヤシステムを構成するが、このコンベヤシステムにはまた、ダイバータ、ストッパ、駆動ユニット、処理ステーションなど、他の機能的要素も設けることができる。このコンベヤシステムは、例えば工場内の、別々のステーション間で物体を移動するのに使用される。物体は、コンベヤチェーンによって、直接、あるいはパック又はパレットとしても知られる支持手段を介して、搬送される。このようなコンベヤシステムは当技術分野では周知である。
【0028】
図4は、コンベヤシステムの駆動ユニットに備えられた駆動ホイールを示す。上記のように、この駆動ホイールは、タブを設けた突出部を有するチェーンリンクを備えたコンベヤチェーンを駆動するように構成される。駆動ホイール30には、駆動ホイールの外周に沿ってノッチ31が設けられる。このノッチは半円形状であり、コンベヤチェーンを駆動するために、コンベヤチェーンの各突出部と係合することになる。それぞれのノッチ31には、ノッチの片側に小さな切欠部32が設けられ、チェーンリンクのタブが切欠部内に収まるようになっている。この切欠部はタブよりも大きく、タブが切欠部の壁に接触しないようになっていることが有効である。この態様においては、チェーンリンクの突出部は、コンベヤチェーンが駆動されるとき、駆動ホイールからの負荷に対応するこの解決手段の更なる利点は、突出部にタブが設けられていない従来のコンベヤチェーンでも、同じ駆動ホイールで駆動され得ることである。この駆動ホイールは、比較的耐摩耗性のある金属材料で製造するのが好ましい。
【0029】
本発明は、上記の実施形態に限定されると見なされるべきものではなく、後述する特許請求の範囲内で、いくつもの更なる変形や修正が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 コンベヤチェーンリンク
2 上部本体
3 下部本体
4 前端部
5 後端部
6 第1のレッグ
7 第2のレッグ
8 第1の突出部
9 第2の突出部
10 第1の貫通穴
11 第2の貫通穴
12 第1のタブ
13 第2のタブ
14 第1の支承面
15 第2の支承面
16 支承シート
17 支承要素
18 貫通穴
19 接続ピン
20 搬送面
21 力吸収要素
22 ノッチ
23 歯
30 駆動ホイール
31 ノッチ
32 切欠部
図1
図2
図3
図4